JPH05301925A - ジフェニルアセチレン系ポリマー - Google Patents
ジフェニルアセチレン系ポリマーInfo
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- JPH05301925A JPH05301925A JP13445392A JP13445392A JPH05301925A JP H05301925 A JPH05301925 A JP H05301925A JP 13445392 A JP13445392 A JP 13445392A JP 13445392 A JP13445392 A JP 13445392A JP H05301925 A JPH05301925 A JP H05301925A
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Abstract
(57)【要約】
【目的】空気や熱に対して安定で、かつ製膜性に優れ、
気体分離膜として有用な新規なポリマーを提供する。 【構成】 【化I】で示される繰り返し単位を有し、かつ重量平均
分子量が1万以上であることを特徴とするトリアルキル
ゲルミル基を有するジフェニルアセチレン系ポリマー。
気体分離膜として有用な新規なポリマーを提供する。 【構成】 【化I】で示される繰り返し単位を有し、かつ重量平均
分子量が1万以上であることを特徴とするトリアルキル
ゲルミル基を有するジフェニルアセチレン系ポリマー。
Description
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は新規なジフェニルアセチ
レン系ポリマーに関する。
レン系ポリマーに関する。
【0002】
【従来の技術】最近、ポリアセチレン類は機能性高分子
材料として注目されている。例えばポリアセチレンは電
気特性を活かして電池、エレクトロニクス素子、センサ
ーなどへの応用が考えられている。一方、トリメチルシ
リルプロピンを重合させて得られたポリマーは気体分離
膜への用途が期待されている。このようなポリマーの膜
を利用して空気などの気体混合物から酸素や窒素などの
特定の気体を富化または分離する技術は、近年、注目さ
れている。例えば、空気中の酸素ガスや窒素ガスを空気
から濃縮、分離できればエンジンやボイラなど燃焼機器
の燃焼効率を上げることができ省エネルギー化を図れ
る。また、清浄な酸素富化空気を得ることができれば保
育器や人工肺、コンタクトレンズなどの医療機器に利用
することができる。
材料として注目されている。例えばポリアセチレンは電
気特性を活かして電池、エレクトロニクス素子、センサ
ーなどへの応用が考えられている。一方、トリメチルシ
リルプロピンを重合させて得られたポリマーは気体分離
膜への用途が期待されている。このようなポリマーの膜
を利用して空気などの気体混合物から酸素や窒素などの
特定の気体を富化または分離する技術は、近年、注目さ
れている。例えば、空気中の酸素ガスや窒素ガスを空気
から濃縮、分離できればエンジンやボイラなど燃焼機器
の燃焼効率を上げることができ省エネルギー化を図れ
る。また、清浄な酸素富化空気を得ることができれば保
育器や人工肺、コンタクトレンズなどの医療機器に利用
することができる。
【0003】かかる気体分離膜用の材料として前述のト
リメチルシリルプロピンを始めとする種々のアセチレン
系モノマーを重合させたポリマーが開発されている。例
えば珪素原子に変えて同族原子のゲルマニウムを含有す
るトリメチルゲルミルプロピンのポリマーが知られてい
る(特開昭63−171619号公報)。かかるトリメ
チルゲルミルプロピンはトリメチルシリルプロピンに比
べて重合時間が著しく短いため、薄手フィルムの現場合
成を可能にするという利点を有している。しかしなが
ら、トルエンやクロロホルムなどの有機溶媒には不溶で
あるため加工成形性に劣り、また、トリメチルシリルプ
ロピンに比べて気体透過性が劣るという欠点があった。
リメチルシリルプロピンを始めとする種々のアセチレン
系モノマーを重合させたポリマーが開発されている。例
えば珪素原子に変えて同族原子のゲルマニウムを含有す
るトリメチルゲルミルプロピンのポリマーが知られてい
る(特開昭63−171619号公報)。かかるトリメ
チルゲルミルプロピンはトリメチルシリルプロピンに比
べて重合時間が著しく短いため、薄手フィルムの現場合
成を可能にするという利点を有している。しかしなが
ら、トルエンやクロロホルムなどの有機溶媒には不溶で
あるため加工成形性に劣り、また、トリメチルシリルプ
ロピンに比べて気体透過性が劣るという欠点があった。
【0004】そこで、本発明者らは前記欠点を解決しう
るポリマーを探索した結果、アルキル基またはシリル基
を有するジフェニルアセチレン系ポリマーは空気や熱に
対して安定で、かつ有機溶媒に可溶で優れた膜形成能を
有し、気体透過性にも優れるので気体分離膜用材料とし
て有望であることを報告した(特開平4−15206号
公報、Polymer Preprints、Japa
n Vol.39、No.7(1990))。しかし、
依然として有望と考えられるポリマーの種類は少なく新
たなポリマーの開発が望まれている。
るポリマーを探索した結果、アルキル基またはシリル基
を有するジフェニルアセチレン系ポリマーは空気や熱に
対して安定で、かつ有機溶媒に可溶で優れた膜形成能を
有し、気体透過性にも優れるので気体分離膜用材料とし
て有望であることを報告した(特開平4−15206号
公報、Polymer Preprints、Japa
n Vol.39、No.7(1990))。しかし、
依然として有望と考えられるポリマーの種類は少なく新
たなポリマーの開発が望まれている。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】本発明者らは気体分離
膜などの機能性高分子材料として有用な新規なポリマー
を開発すべく鋭意研究を重ねた結果、ゲルミル基を有す
るジフェニルアセチレン系ポリマーが前述のシリル基を
有するジフェニルアセチレン系ポリマーと同様に空気や
熱に対して安定で、かつ有機溶媒に可溶で、気体透過性
にも優れていることを見出した。前述の通り、従来技術
においてはシリル基に変えてゲルミル基を導入すると溶
解性、気体透過性ともに劣ってしまうことが知られてい
たが、本発明のようなジフェニルアセチレンの場合に
は、意外にもゲルミル基を導入してもシリル基と同等の
溶解性と気体透過性を備えており、かかる知見に基づい
て本発明を完成するに到った。
膜などの機能性高分子材料として有用な新規なポリマー
を開発すべく鋭意研究を重ねた結果、ゲルミル基を有す
るジフェニルアセチレン系ポリマーが前述のシリル基を
有するジフェニルアセチレン系ポリマーと同様に空気や
熱に対して安定で、かつ有機溶媒に可溶で、気体透過性
にも優れていることを見出した。前述の通り、従来技術
においてはシリル基に変えてゲルミル基を導入すると溶
解性、気体透過性ともに劣ってしまうことが知られてい
たが、本発明のようなジフェニルアセチレンの場合に
は、意外にもゲルミル基を導入してもシリル基と同等の
溶解性と気体透過性を備えており、かかる知見に基づい
て本発明を完成するに到った。
【0006】
【課題を解決する為の手段】かくして本発明によれば次
式(I)
式(I)
【化2】 (Rはトリアルキルゲルミル基を表す)で示される繰り
返し単位を有し、かつ重量平均分子量が1万以上である
ことを特徴とするトリアルキルゲルミル基を有するジフ
ェニルアセチレン系ポリマーが提供される。
返し単位を有し、かつ重量平均分子量が1万以上である
ことを特徴とするトリアルキルゲルミル基を有するジフ
ェニルアセチレン系ポリマーが提供される。
【0007】本発明においては、原料モノマーとして次
式(II)で示されるトリアルキルゲルミル基を有する
ジフェニルアセチレン類が原料として用いられる。
式(II)で示されるトリアルキルゲルミル基を有する
ジフェニルアセチレン類が原料として用いられる。
【化3】 式中、Rはトリアルキルゲルミル基を表し、そのアルキ
ル基としては、例えば、メチル基、エチル基、プロピル
基、イソプロピル基、ブチル基、イソブチル基、ターシ
ャリーブチル基などのアルキル基が例示される。
ル基としては、例えば、メチル基、エチル基、プロピル
基、イソプロピル基、ブチル基、イソブチル基、ターシ
ャリーブチル基などのアルキル基が例示される。
【0008】かかるトリアルキルゲルミル基を有するジ
フェニルアセチレン類の具体例として、1−(o−トリ
メチルゲルミルフェニル)−2−フェニルアセチレン、
1−(m−トリメチルゲルミルフェニル)−2−フェニ
ルアセチレン、1−(p−トリメチルゲルミルフェニ
ル)−2−フェニルアセチレン、1−(m−ジメチルエ
チルゲルミルフェニル)−2−フェニルアセチレン、1
−(m−トリエチルゲルミルフェニル)−2−フェニル
アセチレン、1−(p−トリエチルゲルミルフェニル)
−2−フェニルアセチレン、1−(m−トリプロピルゲ
ルミルフェニル)−2−フェニルアセチレン、1−(p
−トリプロピルゲルミルフェニル)−2−フェニルアセ
チレン、1−(m−トリブチルゲルミルフェニル)−2
−フェニルアセチレン、1−(p−トリブチルゲルミル
フェニル)−2−フェニルアセチレン、1−(p−ター
シャリーブチルジメチルゲルミルフェニル)−2−フェ
ニルアセチレンなどが例示される。
フェニルアセチレン類の具体例として、1−(o−トリ
メチルゲルミルフェニル)−2−フェニルアセチレン、
1−(m−トリメチルゲルミルフェニル)−2−フェニ
ルアセチレン、1−(p−トリメチルゲルミルフェニ
ル)−2−フェニルアセチレン、1−(m−ジメチルエ
チルゲルミルフェニル)−2−フェニルアセチレン、1
−(m−トリエチルゲルミルフェニル)−2−フェニル
アセチレン、1−(p−トリエチルゲルミルフェニル)
−2−フェニルアセチレン、1−(m−トリプロピルゲ
ルミルフェニル)−2−フェニルアセチレン、1−(p
−トリプロピルゲルミルフェニル)−2−フェニルアセ
チレン、1−(m−トリブチルゲルミルフェニル)−2
−フェニルアセチレン、1−(p−トリブチルゲルミル
フェニル)−2−フェニルアセチレン、1−(p−ター
シャリーブチルジメチルゲルミルフェニル)−2−フェ
ニルアセチレンなどが例示される。
【0009】これらのジフェニルアセチレン類は単独で
用いても、二種類以上を組み合わせて用いてもよい。
用いても、二種類以上を組み合わせて用いてもよい。
【0010】かかるジフェニルアセチレン類は常法に従
い製造することができる。例えば、ハロ置換ジフェニル
アセチレンをリチウム試薬やグリニヤー試薬と反応させ
た後、トリアルキルゲルミルハライドをもちいてゲルミ
ル化することにより得ることができる。
い製造することができる。例えば、ハロ置換ジフェニル
アセチレンをリチウム試薬やグリニヤー試薬と反応させ
た後、トリアルキルゲルミルハライドをもちいてゲルミ
ル化することにより得ることができる。
【0011】本発明のジフェニルアセチレン系ポリマー
は、周期律表第V族遷移金属のハロゲン化物を触媒とし
て用い、前記ジフェニルアセチレン類を重合せしめるこ
とにより得られる。周期律表第V族遷移金属のハロゲン
化物としては、例えば五塩化ニオブ、五臭化ニオブ、五
塩化タンタル、五臭化タンタルなどが挙げられる。これ
らは単独で用いても、二種類以上を組み合わせて用いて
もよい。
は、周期律表第V族遷移金属のハロゲン化物を触媒とし
て用い、前記ジフェニルアセチレン類を重合せしめるこ
とにより得られる。周期律表第V族遷移金属のハロゲン
化物としては、例えば五塩化ニオブ、五臭化ニオブ、五
塩化タンタル、五臭化タンタルなどが挙げられる。これ
らは単独で用いても、二種類以上を組み合わせて用いて
もよい。
【0012】周期律表第V族遷移金属のハロゲン化物の
使用量はジフェニルアセチレン類1モルに対して、通常
0.001〜1モル、好ましくは0.01〜0.2モル
である。
使用量はジフェニルアセチレン類1モルに対して、通常
0.001〜1モル、好ましくは0.01〜0.2モル
である。
【0013】本発明では必要に応じて共触媒を用いるこ
とができる。共触媒としては、例えばトリエチルアルミ
ニウム、モノクロロジエチルアルミニウム、ジクロロエ
チルアルミニウム、トリエチルシラン、トリフェニルシ
ラン、テトラフェニルスズ、テトラ−n−ブチルスズ、
トリフェニルアンチモン、トリフェニルビスマス、9−
ボラビシクロ[3.3.1]ノナンなどが挙げられる。
とができる。共触媒としては、例えばトリエチルアルミ
ニウム、モノクロロジエチルアルミニウム、ジクロロエ
チルアルミニウム、トリエチルシラン、トリフェニルシ
ラン、テトラフェニルスズ、テトラ−n−ブチルスズ、
トリフェニルアンチモン、トリフェニルビスマス、9−
ボラビシクロ[3.3.1]ノナンなどが挙げられる。
【0014】共触媒の使用量は、周期律表第V族遷移金
属のハロゲン化物1モルに対して、通常、0.01〜1
0モル、好ましくは0.1〜5モルの範囲である。
属のハロゲン化物1モルに対して、通常、0.01〜1
0モル、好ましくは0.1〜5モルの範囲である。
【0015】重合は、通常、窒素などの不活性ガス雰囲
気下、溶媒を用いて行われる。溶媒としては、ベンゼ
ン、トルエン、キシレンなどの芳香族炭化水素;シクロ
ヘキサンなどの脂環式炭化水素;四塩化炭素、ジクロロ
エタン、クロロベンゼン、ブロモベンゼンなどのハロゲ
ン化炭化水素;アニソール、ジブチルエーテル、ジオキ
サンなどのエーテル類;アセトン、アセトフェノンなど
のケトン類;酢酸エチルなどのエステル類などが例示さ
れる。
気下、溶媒を用いて行われる。溶媒としては、ベンゼ
ン、トルエン、キシレンなどの芳香族炭化水素;シクロ
ヘキサンなどの脂環式炭化水素;四塩化炭素、ジクロロ
エタン、クロロベンゼン、ブロモベンゼンなどのハロゲ
ン化炭化水素;アニソール、ジブチルエーテル、ジオキ
サンなどのエーテル類;アセトン、アセトフェノンなど
のケトン類;酢酸エチルなどのエステル類などが例示さ
れる。
【0016】溶媒の使用量はジフェニルアセチレン類の
溶媒に対する濃度が通常、0.01〜1モル/リットル
になる範囲で適宜選択される。
溶媒に対する濃度が通常、0.01〜1モル/リットル
になる範囲で適宜選択される。
【0017】重合温度は−30〜100℃、好ましくは
0〜80℃の範囲で適宜選択される。重合時間は原料や
触媒の種類、重合温度などにより異なるが、通常数分〜
100時間程度である。
0〜80℃の範囲で適宜選択される。重合時間は原料や
触媒の種類、重合温度などにより異なるが、通常数分〜
100時間程度である。
【0018】ポリマーの回収は、大量の貧溶媒中にポリ
マー溶液を注ぎ、ポリマーを沈澱させ、濾別、乾燥する
などの通常の方法にて行われる。
マー溶液を注ぎ、ポリマーを沈澱させ、濾別、乾燥する
などの通常の方法にて行われる。
【0019】得られたポリマーは前記式(I)で示され
る繰り返し単位を有し、重量平均分子量(ゲル・パーミ
エーション・クロマトグラフィーにより求めたポリスチ
レンの換算値)が1万以上のポリマーである。かかるポ
リマーは空気や熱に対して安定であるため耐熱性を要求
される材料として用いることができる。また、有機溶媒
に可溶であるため、成形加工性に優れている。さらに、
酸素や窒素を始めとする種々の気体に対して高透過性で
あるため気体分離膜として用いることもできる。
る繰り返し単位を有し、重量平均分子量(ゲル・パーミ
エーション・クロマトグラフィーにより求めたポリスチ
レンの換算値)が1万以上のポリマーである。かかるポ
リマーは空気や熱に対して安定であるため耐熱性を要求
される材料として用いることができる。また、有機溶媒
に可溶であるため、成形加工性に優れている。さらに、
酸素や窒素を始めとする種々の気体に対して高透過性で
あるため気体分離膜として用いることもできる。
【0020】
【実施例】以下に実施例を挙げて本発明をさらに具体的
に説明する。なお、実施例及び比較例中の部及び%は特
に断りのないかぎり重量基準である。
に説明する。なお、実施例及び比較例中の部及び%は特
に断りのないかぎり重量基準である。
【0021】参考例1 1−(m−トリメチルゲルミルフェニル)−2−フェニ
ルアセチレンの合成窒素雰囲気下、反応容器にテトラヒ
ドロフラン25ミリリットルを加え、−30℃で1.6
Mのノルマルブチルリチウム−ヘキサン溶液15ミリリ
ットルを加えた。次いで、3−ブロモジフェニルアセチ
レン21ミリモルのテトラヒドロフラン溶液20ミリリ
ットルを徐々に滴下し1時間反応させた。その後クロロ
トリメチルゲルマン25ミリモルのテトラヒドロフラン
溶液5ミリリットルを徐々に滴下し、室温まで昇温し、
反応させた。反応終了後、飽和塩化アンモニウム水溶液
を加え、酢酸エチルで抽出し、有機層を減圧下に濃縮し
て固体を得、カラムクロマトグラフィーにて精製し白色
結晶2.6グラム(3−ブロモジフェニルアセチレンに
対する収率40.7%)を得た。このものの構造は1H
−NMRにより確認した。
ルアセチレンの合成窒素雰囲気下、反応容器にテトラヒ
ドロフラン25ミリリットルを加え、−30℃で1.6
Mのノルマルブチルリチウム−ヘキサン溶液15ミリリ
ットルを加えた。次いで、3−ブロモジフェニルアセチ
レン21ミリモルのテトラヒドロフラン溶液20ミリリ
ットルを徐々に滴下し1時間反応させた。その後クロロ
トリメチルゲルマン25ミリモルのテトラヒドロフラン
溶液5ミリリットルを徐々に滴下し、室温まで昇温し、
反応させた。反応終了後、飽和塩化アンモニウム水溶液
を加え、酢酸エチルで抽出し、有機層を減圧下に濃縮し
て固体を得、カラムクロマトグラフィーにて精製し白色
結晶2.6グラム(3−ブロモジフェニルアセチレンに
対する収率40.7%)を得た。このものの構造は1H
−NMRにより確認した。
【0022】1H−NMR(CDCl3)δ:7.20〜
7.80(m,9H,ArH) 0.42(s,9H,Ge(CH3)3)
7.80(m,9H,ArH) 0.42(s,9H,Ge(CH3)3)
【0023】実施例1 1−(m−トリメチルゲルミルフェニル)−2−フェニ
ルアセチレンポリマーの合成 乾燥窒素雰囲気下で重合容器に五塩化タンタル0.48
グラムを採り、トルエン32.6ミリリットル、テトラ
−n−ブチルスズ0.88ミリリットルを加え、80℃
で溶解し触媒溶液を調製した。次に、乾燥窒素雰囲気下
に、別の重合容器に1−(m−トリメチルゲルミルフェ
ニル)−2−フェニルアセチレンの0.8Mトルエン溶
液を10ミリリットルを採り、これに先の触媒溶液10
ミリリットルを加え、80℃で重合を進行させた。24
時間後、生成重合溶液を大量のメタノール中に投入して
生成重合体を沈澱させ、ろ別乾燥して、重合体を得た。
ルアセチレンポリマーの合成 乾燥窒素雰囲気下で重合容器に五塩化タンタル0.48
グラムを採り、トルエン32.6ミリリットル、テトラ
−n−ブチルスズ0.88ミリリットルを加え、80℃
で溶解し触媒溶液を調製した。次に、乾燥窒素雰囲気下
に、別の重合容器に1−(m−トリメチルゲルミルフェ
ニル)−2−フェニルアセチレンの0.8Mトルエン溶
液を10ミリリットルを採り、これに先の触媒溶液10
ミリリットルを加え、80℃で重合を進行させた。24
時間後、生成重合溶液を大量のメタノール中に投入して
生成重合体を沈澱させ、ろ別乾燥して、重合体を得た。
【0024】重合体の収率は60%であり、ゲルパーミ
エーションクロマトグラフィー測定によりポリスチレン
換算値として求めた重量平均分子量(Mw)は180万
であった。重合体は黄色の粉末であり、ベンゼンやトル
エンなどの芳香族炭化水素、四塩化炭素やクロロホルム
などのハロゲン化炭化水素、テトラヒドロフランなどの
エーテル類などの有機溶媒に可溶であった。重合体の5
%重量減少温度をセイコー電子工業株式会社製、示差熱
重量同時測定装置TG/DTA220を用い、空気中、
昇温速度10℃/分で測定したところ380℃であっ
た。また、重合体のNMR測定結果を以下に示す。
エーションクロマトグラフィー測定によりポリスチレン
換算値として求めた重量平均分子量(Mw)は180万
であった。重合体は黄色の粉末であり、ベンゼンやトル
エンなどの芳香族炭化水素、四塩化炭素やクロロホルム
などのハロゲン化炭化水素、テトラヒドロフランなどの
エーテル類などの有機溶媒に可溶であった。重合体の5
%重量減少温度をセイコー電子工業株式会社製、示差熱
重量同時測定装置TG/DTA220を用い、空気中、
昇温速度10℃/分で測定したところ380℃であっ
た。また、重合体のNMR測定結果を以下に示す。
【0025】1H−NMR(CDCl3)δ:5.55〜
7.27(brm,9H,ArH) −0.48〜0.52(brm,9H,Ge(C
H3)3)
7.27(brm,9H,ArH) −0.48〜0.52(brm,9H,Ge(C
H3)3)
【0026】実施例2 テトラ−n−ブチルスズに代えて9−ボラビシクロ
[3.3.1]ノナンを用いること以外は実施例1に準
じて操作したところ、収率76%で重量平均分子量11
0万の重合体が得られた。
[3.3.1]ノナンを用いること以外は実施例1に準
じて操作したところ、収率76%で重量平均分子量11
0万の重合体が得られた。
【0027】実施例3 1−(p−トリメチルゲルミルフェニル)−2−フェニ
ルアセチレンポリマーの合成 1−(m−トリメチルゲルミルフェニル)−2−フェニ
ルアセチレンの代わりに参考例1に準じて合成した1−
(p−トリメチルゲルミルフェニル)−2−フェニルア
セチレンを用いること以外は実施例1に準じて操作した
ところ、収率52%で重量平均分子量180万の重合体
が得られた。重合体はベンゼンやトルエンなどの芳香族
炭化水素、四塩化炭素やクロロホルムなどのハロゲン化
炭化水素、テトラヒドロフランなどのエーテル類などの
有機溶媒に可溶であった。また、重合体の5%重量減少
温度は400℃であった。重合体のNMR測定結果を以
下に示す。
ルアセチレンポリマーの合成 1−(m−トリメチルゲルミルフェニル)−2−フェニ
ルアセチレンの代わりに参考例1に準じて合成した1−
(p−トリメチルゲルミルフェニル)−2−フェニルア
セチレンを用いること以外は実施例1に準じて操作した
ところ、収率52%で重量平均分子量180万の重合体
が得られた。重合体はベンゼンやトルエンなどの芳香族
炭化水素、四塩化炭素やクロロホルムなどのハロゲン化
炭化水素、テトラヒドロフランなどのエーテル類などの
有機溶媒に可溶であった。また、重合体の5%重量減少
温度は400℃であった。重合体のNMR測定結果を以
下に示す。
【0028】1H−NMR(CDCl3)δ:5.53〜
7.20(brm,9H,ArH) −0.45〜0.53(brm,9H,Ge(C
H3)3)
7.20(brm,9H,ArH) −0.45〜0.53(brm,9H,Ge(C
H3)3)
【0029】実施例4 テトラ−n−ブチルスズに代えてトリエチルシランを用
いること以外は実施例3に準じて操作したところ、収率
81%で重量平均分子量210万の重合体が得られた。
いること以外は実施例3に準じて操作したところ、収率
81%で重量平均分子量210万の重合体が得られた。
【0030】実施例5 テトラ−n−ブチルスズに代えて9−ボラビシクロ
[3.3.1]ノナンを用いること以外は実施例3に準
じて操作したところ、収率72%で重量平均分子量23
0万の重合体が得られた。
[3.3.1]ノナンを用いること以外は実施例3に準
じて操作したところ、収率72%で重量平均分子量23
0万の重合体が得られた。
【0031】参考例2 1−(m−トリメチルゲルミルフェニル)−2−フェニ
ルアセチレンポリマーの気体透過性の評価 実施例1で得られた1−(m−トリメチルゲルミルフェ
ニル)−2−フェニルアセチレンポリマー1グラムをト
ルエン175ミリリットルに溶解し、これをガラス板上
に流延してキャスティングを行い、室温で3日間放置し
て厚さ30μmの黄色透明の膜を作製した。この膜を気
体透過率測定装置(理化精機工業社製、K−315−
N)を用いて25℃で酸素および窒素の気体透過係数P
O2、PN2(cm3(STP)・cm/cm2・秒・cm
Hg)を測定し、分離係数α(PO2/PN2)を算出し
た。また、1−(m−トリメチルシリルフェニル)−2
−フェニルアセチレンポリマーについても同様に膜を作
製し気体透過性係数を測定し、分離係数を算出した。結
果を表1に示す。
ルアセチレンポリマーの気体透過性の評価 実施例1で得られた1−(m−トリメチルゲルミルフェ
ニル)−2−フェニルアセチレンポリマー1グラムをト
ルエン175ミリリットルに溶解し、これをガラス板上
に流延してキャスティングを行い、室温で3日間放置し
て厚さ30μmの黄色透明の膜を作製した。この膜を気
体透過率測定装置(理化精機工業社製、K−315−
N)を用いて25℃で酸素および窒素の気体透過係数P
O2、PN2(cm3(STP)・cm/cm2・秒・cm
Hg)を測定し、分離係数α(PO2/PN2)を算出し
た。また、1−(m−トリメチルシリルフェニル)−2
−フェニルアセチレンポリマーについても同様に膜を作
製し気体透過性係数を測定し、分離係数を算出した。結
果を表1に示す。
【0032】
【表1】
Claims (1)
- 【請求項1】 次式(I) 【化1】 (Rはトリアルキルゲルミル基を表す)で示される繰り
返し単位を有し、かつ重量平均分子量が1万以上である
ことを特徴とするトリアルキルゲルミル基を有するジフ
ェニルアセチレン系ポリマー。
Priority Applications (1)
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---|---|---|---|
JP13445392A JP3290461B2 (ja) | 1992-04-28 | 1992-04-28 | ジフェニルアセチレン系ポリマー |
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JP13445392A JP3290461B2 (ja) | 1992-04-28 | 1992-04-28 | ジフェニルアセチレン系ポリマー |
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JPH05301925A true JPH05301925A (ja) | 1993-11-16 |
JP3290461B2 JP3290461B2 (ja) | 2002-06-10 |
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Family Applications (1)
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JP13445392A Expired - Fee Related JP3290461B2 (ja) | 1992-04-28 | 1992-04-28 | ジフェニルアセチレン系ポリマー |
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JP (1) | JP3290461B2 (ja) |
Cited By (3)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2005314585A (ja) * | 2004-04-30 | 2005-11-10 | Nof Corp | 分子量が制御された置換ジフェニルアセチレン重合体の製造方法 |
JP2006183001A (ja) * | 2004-12-28 | 2006-07-13 | Nippon Zeon Co Ltd | ランダム共重合体およびその製造方法 |
JP2007269939A (ja) * | 2006-03-31 | 2007-10-18 | Menicon Co Ltd | ガス透過性材料 |
-
1992
- 1992-04-28 JP JP13445392A patent/JP3290461B2/ja not_active Expired - Fee Related
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JP2006183001A (ja) * | 2004-12-28 | 2006-07-13 | Nippon Zeon Co Ltd | ランダム共重合体およびその製造方法 |
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