JPH05301896A - 繊維芽細胞増殖促進作用を有する胎盤由来蛋白加水分解物 - Google Patents
繊維芽細胞増殖促進作用を有する胎盤由来蛋白加水分解物Info
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- JPH05301896A JPH05301896A JP4088436A JP8843692A JPH05301896A JP H05301896 A JPH05301896 A JP H05301896A JP 4088436 A JP4088436 A JP 4088436A JP 8843692 A JP8843692 A JP 8843692A JP H05301896 A JPH05301896 A JP H05301896A
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- Japan
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- stimulation
- cells
- skin
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- Medicines That Contain Protein Lipid Enzymes And Other Medicines (AREA)
- Medicines Containing Material From Animals Or Micro-Organisms (AREA)
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Abstract
(57)【要約】
【目的】 皮膚及び真皮の発育促進、皮膚の老化防止、
創傷治癒促進等をを目的とした医薬品、医薬部外品、化
粧品等の成分として有用である、組織の再生修復に係る
繊維芽細胞の活性を高めた、胎盤由来蛋白加水分解物を
提供する。 【構成】 人又は牛の胎盤より水及び塩類溶液に不溶な
蛋白成分をアルカリ分解処理し、次に、pH4.5〜
5.0に調整して、細胞に対する毒性作用物質を除去し
た、繊維芽細胞増殖促進作用胎盤由来蛋白加水分解物。
創傷治癒促進等をを目的とした医薬品、医薬部外品、化
粧品等の成分として有用である、組織の再生修復に係る
繊維芽細胞の活性を高めた、胎盤由来蛋白加水分解物を
提供する。 【構成】 人又は牛の胎盤より水及び塩類溶液に不溶な
蛋白成分をアルカリ分解処理し、次に、pH4.5〜
5.0に調整して、細胞に対する毒性作用物質を除去し
た、繊維芽細胞増殖促進作用胎盤由来蛋白加水分解物。
Description
【発明の詳細な説明】 〔イ〕発明の目的 本発明は、人又は牛の正常分娩後の新鮮な凍結乾燥され
た胎盤より抽出された、新規な蛋白加水分解物に関す
る。更に詳しくは、胎盤から、初期工程において、水及
び塩類溶液に不溶な蛋白成分を、アルカリ分解処理した
後、これから細胞に対する毒性作用物質を除去する工程
を行うことを特徴とする、繊維芽細胞増殖促進作用を有
する胎盤由来蛋白加水分解物に関するものである。
た胎盤より抽出された、新規な蛋白加水分解物に関す
る。更に詳しくは、胎盤から、初期工程において、水及
び塩類溶液に不溶な蛋白成分を、アルカリ分解処理した
後、これから細胞に対する毒性作用物質を除去する工程
を行うことを特徴とする、繊維芽細胞増殖促進作用を有
する胎盤由来蛋白加水分解物に関するものである。
[産業上の利用分野]本発明による、繊維芽細胞増殖促
進作用を有する胎盤由来蛋白加水分解物は、わが国の薬
事法で定められた、医薬品、医薬部外品、化粧品に広く
利用することができ、その適応領域は、内科的疾患、皮
膚、口腔、眼、耳、鼻、肛門、陰部などの潰瘍(ただ
れ)、外傷などである。更に具体的に利用分野を述べれ
ば、例えば、上述した各部位に用いられる、絆創膏類、
ガーゼ、リント布、パルプ繊維(製紙類)及び他の繊維
を用いて織布された、又は、加工された素材に含浸させ
て、局所に貼布して用いる医療用又は化粧料や、更に点
眼点鼻などの薬剤、坐剤及び軟膏類又は液剤などに配合
して用いることが出来る。又、本発明による胎盤由来蛋
白加水分解物は、皮膚及び真皮の発育促進、皮膚の老化
防止、並びに創傷治癒促進、毛髪発育促進を目的とし
た、各種の薬剤、又は、化粧料中に用いてもよく、更に
内部的な疾患としては、例えば、胃や十二脂腸潰瘍に対
する治療に当って、直接又は他の薬剤と併用して用いる
ことが出来る。すなわち、本発明による胎盤由来蛋白加
水分解物は、組織の再生修復に係る繊維芽細胞の活性を
高めるものである。
進作用を有する胎盤由来蛋白加水分解物は、わが国の薬
事法で定められた、医薬品、医薬部外品、化粧品に広く
利用することができ、その適応領域は、内科的疾患、皮
膚、口腔、眼、耳、鼻、肛門、陰部などの潰瘍(ただ
れ)、外傷などである。更に具体的に利用分野を述べれ
ば、例えば、上述した各部位に用いられる、絆創膏類、
ガーゼ、リント布、パルプ繊維(製紙類)及び他の繊維
を用いて織布された、又は、加工された素材に含浸させ
て、局所に貼布して用いる医療用又は化粧料や、更に点
眼点鼻などの薬剤、坐剤及び軟膏類又は液剤などに配合
して用いることが出来る。又、本発明による胎盤由来蛋
白加水分解物は、皮膚及び真皮の発育促進、皮膚の老化
防止、並びに創傷治癒促進、毛髪発育促進を目的とし
た、各種の薬剤、又は、化粧料中に用いてもよく、更に
内部的な疾患としては、例えば、胃や十二脂腸潰瘍に対
する治療に当って、直接又は他の薬剤と併用して用いる
ことが出来る。すなわち、本発明による胎盤由来蛋白加
水分解物は、組織の再生修復に係る繊維芽細胞の活性を
高めるものである。
[従来の技術]胎盤を出発原料となし、これより各種の
加水分解物を得て、医薬品や化粧品に用いることは、古
くから知られていることである。又、最近では、例え
ば、本発明者らによる胎盤をもとに、その加水分解物を
得て、メラニン生成抑制剤となす方法が開示されてい
る。
加水分解物を得て、医薬品や化粧品に用いることは、古
くから知られていることである。又、最近では、例え
ば、本発明者らによる胎盤をもとに、その加水分解物を
得て、メラニン生成抑制剤となす方法が開示されてい
る。
[刊行物の所在] (1)特許公報 :昭56−044046号 (2)公開特許公報:昭58−177918号 [発明が解決しようとする問題点]しかし、従来より知
られている、その製法(操作)上から得られる胎盤から
の加水分解物には、一般的に利用する際、血液特有の臭
いと色調を帯びることが一つの欠点として上げられてい
た。すなわち、その原因は、出発原料である胎盤自体
に、多量の血液が含有されているためであり、これを除
去する前処理として、洗浄等が行なわれてはいるが、完
全に除去することは難しかったのである。又、現在で
は、胎盤からの加水分解物を得る際の製造工程中で活性
炭、ケイソウ土等の処理を行い、除去することも行われ
ているが、今だに、血液独特の臭いと赤血球由来のへム
色素等の混入を避けることは困難であった。更に、これ
らの欠点を簡易な処理手段によって除去して得られた物
はなかったのである。そこで、本発明者は、通常、胎盤
から残渣物として余り利用されない、胎盤由来の水及び
塩類溶液に不溶な残渣物を有効利用する為に、研究を開
始したのであるが、この残渣物から得られるアルカリ分
解中にも、まだ、上記の血液特有の臭いと色調が帯びて
いたのである。又、本発明者らは、この残渣物から得ら
れるアルカリ分解物を、検索(スクリーニング)した結
果、そのままでは、一般的なアミノ酸、ペプチド溶液等
と比較して、in vitroでは、細胞に対する毒性
作用が比較的強く示されることであった。従って、単な
る脱色、脱臭処理のみでは、上記で述べた如くの問題点
は解決できず、そこで、これらの問題点を解決する為
に、従来の胎盤由来水及び塩類溶液に不溶な蛋白成分の
アルカリ分解物に対する改良を目的として研究を開発し
た。
られている、その製法(操作)上から得られる胎盤から
の加水分解物には、一般的に利用する際、血液特有の臭
いと色調を帯びることが一つの欠点として上げられてい
た。すなわち、その原因は、出発原料である胎盤自体
に、多量の血液が含有されているためであり、これを除
去する前処理として、洗浄等が行なわれてはいるが、完
全に除去することは難しかったのである。又、現在で
は、胎盤からの加水分解物を得る際の製造工程中で活性
炭、ケイソウ土等の処理を行い、除去することも行われ
ているが、今だに、血液独特の臭いと赤血球由来のへム
色素等の混入を避けることは困難であった。更に、これ
らの欠点を簡易な処理手段によって除去して得られた物
はなかったのである。そこで、本発明者は、通常、胎盤
から残渣物として余り利用されない、胎盤由来の水及び
塩類溶液に不溶な残渣物を有効利用する為に、研究を開
始したのであるが、この残渣物から得られるアルカリ分
解中にも、まだ、上記の血液特有の臭いと色調が帯びて
いたのである。又、本発明者らは、この残渣物から得ら
れるアルカリ分解物を、検索(スクリーニング)した結
果、そのままでは、一般的なアミノ酸、ペプチド溶液等
と比較して、in vitroでは、細胞に対する毒性
作用が比較的強く示されることであった。従って、単な
る脱色、脱臭処理のみでは、上記で述べた如くの問題点
は解決できず、そこで、これらの問題点を解決する為
に、従来の胎盤由来水及び塩類溶液に不溶な蛋白成分の
アルカリ分解物に対する改良を目的として研究を開発し
た。
〔ロ〕発明の構成 本発明は、人又は牛の胎盤より水及び塩類溶液に不溶な
蛋白成分を、アルカリ分解処理した後、pH4.5〜
5.0に調整して、細胞に対する毒性作用物質を沈殿除
去することを特徴とした、繊維芽細胞増殖促進作用を有
する胎盤由来蛋白加水分解物を提供するものである。
蛋白成分を、アルカリ分解処理した後、pH4.5〜
5.0に調整して、細胞に対する毒性作用物質を沈殿除
去することを特徴とした、繊維芽細胞増殖促進作用を有
する胎盤由来蛋白加水分解物を提供するものである。
[問題点を解決するための手段]本発明者らは、上記の
事情に鑑み、従来の胎盤由来水及び塩類溶液に不溶な蛋
白成分のアルカリ分解物の、より優れたものを得るべく
検討中、特に、血液独特の臭いと赤血球由来のへム色素
等の成分が細胞に対する毒性作用の原因物質であること
を確認した。そこで、この原因を解決するべく、種々の
公知な胎盤由来加水分解法をもとに、毒性作用物質の除
去操作手段の開発に当り、毒性作用を有しない除去手段
を用いる事によって得られる、新規な胎盤の蛋白加水分
解物を得ることに成功したのである。又、一方、本発明
による方法で得られた、胎盤由来蛋白加水分解物は、更
に、研究(検索)を続けた結果、皮膚繊維芽細胞の増殖
促進作用を有するものであることが確認された。すなわ
ち、本発明は、人又は牛胎盤より水及び塩類溶液に不溶
性蛋白アルカリ分解物を、特定操作(抽出)して、細胞
に対する毒性作用物質を除去した、繊維芽細胞増殖促進
作用を有する胎盤由来蛋白加水分解物に関するものであ
るが、その基本的な条件及び操作における要点(主要
部)は次のA〜Cで示す如くにより、その目的が達成さ
れる。又、以下に、実施例及び繊維芽細胞増殖作用の測
定法についても述べることとする。
事情に鑑み、従来の胎盤由来水及び塩類溶液に不溶な蛋
白成分のアルカリ分解物の、より優れたものを得るべく
検討中、特に、血液独特の臭いと赤血球由来のへム色素
等の成分が細胞に対する毒性作用の原因物質であること
を確認した。そこで、この原因を解決するべく、種々の
公知な胎盤由来加水分解法をもとに、毒性作用物質の除
去操作手段の開発に当り、毒性作用を有しない除去手段
を用いる事によって得られる、新規な胎盤の蛋白加水分
解物を得ることに成功したのである。又、一方、本発明
による方法で得られた、胎盤由来蛋白加水分解物は、更
に、研究(検索)を続けた結果、皮膚繊維芽細胞の増殖
促進作用を有するものであることが確認された。すなわ
ち、本発明は、人又は牛胎盤より水及び塩類溶液に不溶
性蛋白アルカリ分解物を、特定操作(抽出)して、細胞
に対する毒性作用物質を除去した、繊維芽細胞増殖促進
作用を有する胎盤由来蛋白加水分解物に関するものであ
るが、その基本的な条件及び操作における要点(主要
部)は次のA〜Cで示す如くにより、その目的が達成さ
れる。又、以下に、実施例及び繊維芽細胞増殖作用の測
定法についても述べることとする。
〔A〕出発原料 出発原料は、人又は牛の正常分娩後の新鮮な凍結乾燥さ
れた胎盤である。又、必要に応じて、豚等の哺乳類動物
の胎盤を用いることもできる。更に治療用の医薬的用
途、化粧料用、家畜用飼料等、用途に応じて選択を行え
ば良い。
れた胎盤である。又、必要に応じて、豚等の哺乳類動物
の胎盤を用いることもできる。更に治療用の医薬的用
途、化粧料用、家畜用飼料等、用途に応じて選択を行え
ば良い。
〔B〕操作手段と作用 赤血球に由来する色素成分(ヘム色素等)を除く為に
は、pH領域をある一定(pH4.5〜5.0)の酸性
領域に調整することによって、色素成分を不溶性沈殿物
となして、分離除去することが出来る。尚、この抽出工
程を要して得られた、本発明の胎盤由来蛋白加水分解物
は、従来の胎盤由来水及び塩類溶液に不溶な蛋白成分ア
ルカリ分解物と比較すると、細胞に対する毒性作用が除
去されていることがわかった(第2図)。更に、本発明
の胎盤由来蛋白加水分解物は、ある投与量では、逆に細
胞に対する増殖促進作用があることがわかった(第3
図)。
は、pH領域をある一定(pH4.5〜5.0)の酸性
領域に調整することによって、色素成分を不溶性沈殿物
となして、分離除去することが出来る。尚、この抽出工
程を要して得られた、本発明の胎盤由来蛋白加水分解物
は、従来の胎盤由来水及び塩類溶液に不溶な蛋白成分ア
ルカリ分解物と比較すると、細胞に対する毒性作用が除
去されていることがわかった(第2図)。更に、本発明
の胎盤由来蛋白加水分解物は、ある投与量では、逆に細
胞に対する増殖促進作用があることがわかった(第3
図)。
〔C〕基本工程 以下に示す実施例は、特定した抽出分離の条件下で最も
簡易な方法を示すも、その抽出法としては、従来の胎盤
由来水及び塩類溶液に不溶性蛋白成分のアルカリ分解物
をもとに、その工程中、前記(B)で特定した操作を加
えることにより達成出来る。又、pHを4.0〜5.0
に調整する溶液は、塩酸に限定することなく、各種の有
機溶媒(酢酸、クエン酸等)を用いることにより、本発
明の胎盤由来蛋白加水分解物を得ることも出来る。
簡易な方法を示すも、その抽出法としては、従来の胎盤
由来水及び塩類溶液に不溶性蛋白成分のアルカリ分解物
をもとに、その工程中、前記(B)で特定した操作を加
えることにより達成出来る。又、pHを4.0〜5.0
に調整する溶液は、塩酸に限定することなく、各種の有
機溶媒(酢酸、クエン酸等)を用いることにより、本発
明の胎盤由来蛋白加水分解物を得ることも出来る。
『実施例』胎盤由来水及び塩類溶液に不溶性蛋白成分の
アルカリ分解物は、公知の方法によって得ることが出来
るが、ここでは、例えば、人又は牛の正常分娩後の新鮮
な凍結乾燥された胎盤1kgを細砕し5lの精製水を加
えてホモジナイズした後、遠心分離して残渣を得る。こ
の処理を繰り返し、出来る限り、血液成分を除去する。
次に、この残渣物に、アセトンを加えて洗浄後0.1N
水酸化ナトリウム1lを加えて、低温下でブレンダーに
てホモジナイズする。次に、これを遠心分離して、その
上清液(水層部)を得て、この上清液に塩酸を用いて、
pH4.5〜5.0に調整し、生じた沈殿物を濾過した
後、得られた濾液を0.22μmのフィルター(ミリポ
ア製)で無菌濾過し、次に、凍結乾燥して、約300g
の粉末を得る。上記の工程中、目的達成の主要部とする
手段はpH領域をpH4.5〜5.0に調整する点にあ
る。
アルカリ分解物は、公知の方法によって得ることが出来
るが、ここでは、例えば、人又は牛の正常分娩後の新鮮
な凍結乾燥された胎盤1kgを細砕し5lの精製水を加
えてホモジナイズした後、遠心分離して残渣を得る。こ
の処理を繰り返し、出来る限り、血液成分を除去する。
次に、この残渣物に、アセトンを加えて洗浄後0.1N
水酸化ナトリウム1lを加えて、低温下でブレンダーに
てホモジナイズする。次に、これを遠心分離して、その
上清液(水層部)を得て、この上清液に塩酸を用いて、
pH4.5〜5.0に調整し、生じた沈殿物を濾過した
後、得られた濾液を0.22μmのフィルター(ミリポ
ア製)で無菌濾過し、次に、凍結乾燥して、約300g
の粉末を得る。上記の工程中、目的達成の主要部とする
手段はpH領域をpH4.5〜5.0に調整する点にあ
る。
〔細胞増殖促進作用の測定に関する注解〕細胞増殖促進
作用を表現する方法は、今日一般に知られている成長因
子でも、的確に効力を表現する方法はない。細胞毒性を
表現する方法としては、様々な方法が示され、増殖率の
抑制として、細胞数、蛋白量等で定量的に示される。そ
こで本発明者らは、この細胞毒性試験とは逆に、増殖率
の促進として、定量的に表現する方法を鋭意検討した結
果、目的物質を加えない対照群の細胞増殖率をゼロ近く
に抑制することにより、目的物質の細胞増殖促進作用を
定量的に表現する方法を開発したのである。この方法を
より具体的に示せば、培養液に加える血清の量を調整す
ることにより行なうことが出来る。尚、本試験法を確立
するに当っては、様々な株細胞で検討してきたが、それ
らは正常細胞とは異なり、生体での細胞機能のモデルと
は言いがたいことから、ここでは、正常組織から取り出
した、初代細胞で検索することにした。すなわち、モル
モットの皮膚から無菌的に細胞を分離し、一定期間継代
した変異していない細胞を対象として、目的物質の細胞
増殖促進率を表現することとした。例えば、モルモット
(ハートレー系、雌)から採取した繊維芽細胞は、5%
牛胎児血清(FBS)を添加したイーグルのMEM培地
中で盛んに分裂増殖し、その倍数増殖時間は、「第1
図」に示すように、約48時間であり、採取後、約1年
で株化した。そこで、本発明の目的物質の細胞増殖促進
率を表現のするためには、出来るだけ正常に近い細胞と
いう条件から採取後6ケ月までに増殖継代した細胞を凍
結保存することにより、目的物質の抽出(分離)のため
に使用した。その方法は、まず、直径3.5cmのペト
リデイシュ(コーニング社製)に、1mlの培養液当り
4〜5×104個の細胞を植え、1.0%濃度のFBS
を加えたイーグルのMEM培地を、2〜3日目ごとに交
換する。細胞数は、その都度、ビュルケルチュルクの血
球計算盤を用いて測定する。尚、この際、同時に蛋白
量、核酸量を測定しても良い。又、目的物質は生理食塩
水にて調製して、培地当り10分の1の量を、培地交換
の都度添加し、対照には、同量の生理食塩水のみ添加す
る。
作用を表現する方法は、今日一般に知られている成長因
子でも、的確に効力を表現する方法はない。細胞毒性を
表現する方法としては、様々な方法が示され、増殖率の
抑制として、細胞数、蛋白量等で定量的に示される。そ
こで本発明者らは、この細胞毒性試験とは逆に、増殖率
の促進として、定量的に表現する方法を鋭意検討した結
果、目的物質を加えない対照群の細胞増殖率をゼロ近く
に抑制することにより、目的物質の細胞増殖促進作用を
定量的に表現する方法を開発したのである。この方法を
より具体的に示せば、培養液に加える血清の量を調整す
ることにより行なうことが出来る。尚、本試験法を確立
するに当っては、様々な株細胞で検討してきたが、それ
らは正常細胞とは異なり、生体での細胞機能のモデルと
は言いがたいことから、ここでは、正常組織から取り出
した、初代細胞で検索することにした。すなわち、モル
モットの皮膚から無菌的に細胞を分離し、一定期間継代
した変異していない細胞を対象として、目的物質の細胞
増殖促進率を表現することとした。例えば、モルモット
(ハートレー系、雌)から採取した繊維芽細胞は、5%
牛胎児血清(FBS)を添加したイーグルのMEM培地
中で盛んに分裂増殖し、その倍数増殖時間は、「第1
図」に示すように、約48時間であり、採取後、約1年
で株化した。そこで、本発明の目的物質の細胞増殖促進
率を表現のするためには、出来るだけ正常に近い細胞と
いう条件から採取後6ケ月までに増殖継代した細胞を凍
結保存することにより、目的物質の抽出(分離)のため
に使用した。その方法は、まず、直径3.5cmのペト
リデイシュ(コーニング社製)に、1mlの培養液当り
4〜5×104個の細胞を植え、1.0%濃度のFBS
を加えたイーグルのMEM培地を、2〜3日目ごとに交
換する。細胞数は、その都度、ビュルケルチュルクの血
球計算盤を用いて測定する。尚、この際、同時に蛋白
量、核酸量を測定しても良い。又、目的物質は生理食塩
水にて調製して、培地当り10分の1の量を、培地交換
の都度添加し、対照には、同量の生理食塩水のみ添加す
る。
〔ハ〕発明の効果 本発明の胎盤由来蛋白加水分解物は、細胞に対する毒性
作用物質が除去され、これによって、色、臭いの点が改
良される優れたものである。又、ある投与量では、皮膚
の繊維芽細胞の増殖促進作用を有することである。皮膚
及び臓器の結合組織細胞である繊維芽細胞は、結合組織
繊維やヒアルロン酸、コンドロイチン硫酸等の基質の同
化及び異化といった代謝に係わる細胞であり、組織の再
生修復に関与する細胞である。これらの事から、本発明
の胎盤由来蛋白加水分解物を損傷修復、抗潰瘍等の目的
で使用する医薬品、化粧品等に利用することは、意義が
あると考えられる。
作用物質が除去され、これによって、色、臭いの点が改
良される優れたものである。又、ある投与量では、皮膚
の繊維芽細胞の増殖促進作用を有することである。皮膚
及び臓器の結合組織細胞である繊維芽細胞は、結合組織
繊維やヒアルロン酸、コンドロイチン硫酸等の基質の同
化及び異化といった代謝に係わる細胞であり、組織の再
生修復に関与する細胞である。これらの事から、本発明
の胎盤由来蛋白加水分解物を損傷修復、抗潰瘍等の目的
で使用する医薬品、化粧品等に利用することは、意義が
あると考えられる。
第1図は、本発明のコントロールとして条件設定する際
に、指標として用いた、5%の牛胎児血清(FBS)を
添加した、繊維芽細胞増殖曲線である。第2図中、
〔イ〕は、第1図と同じ、本発明のコントロールとして
条件設定する際に、指標として用いた、5%の牛胎児血
清(FBS)を添加した、繊維芽細胞増殖曲線である。
〔ロ〕は、上記〔イ〕の条件下において、従来の胎盤由
来水及び塩類溶液に不溶性な蛋白のアルカリ分解物(分
子量1,000以下を含む)を、蛋白量で換算して、培
地当り1mg/ml添加したものの、繊維芽細胞増殖曲
線である。〔ハ〕は、上記〔イ〕の条件下において、本
発明の実施例で得られた胎盤由来加水分解物を、蛋白量
で換算して、培地当り1mg/ml添加したものの、繊
維芽細胞増殖曲線である。第3図中、(a)は、下記
(b)の対照群とした条件下(コントロール)におい
て、本発明の胎盤由来加水分解物を、蛋白量で換算し
て、培地当り1.0mg/ml添加したものの、繊維芽
細胞増殖曲線である。(b)は、対照群であり、1.0
%の牛胎児血清(FBS)を添加して、繊維芽細胞増殖
率をゼロ近くに抑制した繊維芽細胞増殖曲線である。
に、指標として用いた、5%の牛胎児血清(FBS)を
添加した、繊維芽細胞増殖曲線である。第2図中、
〔イ〕は、第1図と同じ、本発明のコントロールとして
条件設定する際に、指標として用いた、5%の牛胎児血
清(FBS)を添加した、繊維芽細胞増殖曲線である。
〔ロ〕は、上記〔イ〕の条件下において、従来の胎盤由
来水及び塩類溶液に不溶性な蛋白のアルカリ分解物(分
子量1,000以下を含む)を、蛋白量で換算して、培
地当り1mg/ml添加したものの、繊維芽細胞増殖曲
線である。〔ハ〕は、上記〔イ〕の条件下において、本
発明の実施例で得られた胎盤由来加水分解物を、蛋白量
で換算して、培地当り1mg/ml添加したものの、繊
維芽細胞増殖曲線である。第3図中、(a)は、下記
(b)の対照群とした条件下(コントロール)におい
て、本発明の胎盤由来加水分解物を、蛋白量で換算し
て、培地当り1.0mg/ml添加したものの、繊維芽
細胞増殖曲線である。(b)は、対照群であり、1.0
%の牛胎児血清(FBS)を添加して、繊維芽細胞増殖
率をゼロ近くに抑制した繊維芽細胞増殖曲線である。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.5 識別記号 庁内整理番号 FI 技術表示箇所 A61K 35/50 ADA 7431−4C 37/18 ADT 8314−4C
Claims (1)
- 人又は牛の正常分娩後の新鮮な凍結乾燥保存された胎盤
より水及び塩類溶液に不溶な蛋白成分をアルカリ分解処
理した後、pH4.5〜5.0に調整して、細胞に対す
る毒性作用物質を沈殿除去することを特徴とする、繊維
芽細胞増殖促進作用を有する胎盤由来蛋白加水分解物。
Priority Applications (2)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP60225667A JPS6284025A (ja) | 1985-10-09 | 1985-10-09 | 繊維芽細胞増殖促進作用を有する胎盤由来蛋白加水分解物 |
JP4088436A JPH05301896A (ja) | 1985-10-09 | 1992-02-26 | 繊維芽細胞増殖促進作用を有する胎盤由来蛋白加水分解物 |
Applications Claiming Priority (2)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP60225667A JPS6284025A (ja) | 1985-10-09 | 1985-10-09 | 繊維芽細胞増殖促進作用を有する胎盤由来蛋白加水分解物 |
JP4088436A JPH05301896A (ja) | 1985-10-09 | 1992-02-26 | 繊維芽細胞増殖促進作用を有する胎盤由来蛋白加水分解物 |
Related Parent Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP60225667A Division JPS6284025A (ja) | 1985-10-09 | 1985-10-09 | 繊維芽細胞増殖促進作用を有する胎盤由来蛋白加水分解物 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
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JPH05301896A true JPH05301896A (ja) | 1993-11-16 |
Family
ID=26429813
Family Applications (2)
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JP60225667A Granted JPS6284025A (ja) | 1985-10-09 | 1985-10-09 | 繊維芽細胞増殖促進作用を有する胎盤由来蛋白加水分解物 |
JP4088436A Pending JPH05301896A (ja) | 1985-10-09 | 1992-02-26 | 繊維芽細胞増殖促進作用を有する胎盤由来蛋白加水分解物 |
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JP60225667A Granted JPS6284025A (ja) | 1985-10-09 | 1985-10-09 | 繊維芽細胞増殖促進作用を有する胎盤由来蛋白加水分解物 |
Country Status (1)
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JP (2) | JPS6284025A (ja) |
Cited By (4)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JPH07206888A (ja) * | 1992-06-11 | 1995-08-08 | Lab Lucchini Sa | 胎盤抽出物およびその製造方法 |
JP2002212046A (ja) * | 2001-01-17 | 2002-07-31 | Ichimaru Pharcos Co Ltd | 化粧料組成物 |
KR20070004477A (ko) * | 2006-12-01 | 2007-01-09 | 주식회사 중앙바이오텍 | 사료첨가제용 돼지 태반 추출물의 제조방법 및 사료화 |
CN100402548C (zh) * | 2006-02-22 | 2008-07-16 | 郑彬 | 鹿胎盘生理活性多肽的制备方法 |
Families Citing this family (4)
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JPS6284025A (ja) * | 1985-10-09 | 1987-04-17 | Ichimaru Fuarukosu Kk | 繊維芽細胞増殖促進作用を有する胎盤由来蛋白加水分解物 |
EP0302459A3 (en) * | 1987-08-04 | 1990-02-07 | Sumitomo Pharmaceuticals Company, Limited | Human placenta-derived thermostable cell growth factor and a process for production thereof |
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Citations (2)
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---|---|---|---|---|
JPS58177918A (ja) * | 1982-04-08 | 1983-10-18 | Ichimaru Fuarukosu Kk | 胎盤分解物によるメラニン生成抑制剤 |
JPS6284025A (ja) * | 1985-10-09 | 1987-04-17 | Ichimaru Fuarukosu Kk | 繊維芽細胞増殖促進作用を有する胎盤由来蛋白加水分解物 |
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- 1985-10-09 JP JP60225667A patent/JPS6284025A/ja active Granted
-
1992
- 1992-02-26 JP JP4088436A patent/JPH05301896A/ja active Pending
Patent Citations (2)
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KR20070004477A (ko) * | 2006-12-01 | 2007-01-09 | 주식회사 중앙바이오텍 | 사료첨가제용 돼지 태반 추출물의 제조방법 및 사료화 |
Also Published As
Publication number | Publication date |
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JPS6284025A (ja) | 1987-04-17 |
JPH0450293B2 (ja) | 1992-08-13 |
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