JPH0529761Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 （産業上の利用分野） 本考案は、シートを巻取るための紙管の内周端
面を面取りするための面取り装置に関するもので
ある。

（従来の技術） 紙管の切り口は、第５図に示されるように、内
周面の端部が内側に折れていると共に、内周面の
端部には円周方向に沿つて凹凸が生じている。従
つて、このままの状態で紙管を巻取り軸に挿入し
ようとすると、内周面の端部が内側に折れている
ため挿入できなかつたり、或いは無理に挿入する
と紙管の端部が折れてしまつたり、巻取り軸の表
面に装着された多数の巻取り金具に切りかすが溜
まつたりし、定期的に金具に溜まつた切りかすを
取り除かねばならなかつた。

このため、従来は紙管の内周端面の内側に折れ
た部分をカツターを使用して人手により切り取つ
て使用していた。従つて、この切り取り作業のた
めに無駄な時間を費やすと共に、熟練者でないと
美しく切り取ることができないという問題があつ
た。

なお、管の端末加工の先行技術については、例
えば実願昭58−80006号（実開昭59−188101号）
のマイクロフイルムには合成樹脂管の端面の切削
手段として、回転軸に取付けた刃物取付け板の前
面より外周近傍のピツチ円に沿つて刃先を突出さ
せ案内部材に嵌合した管の端末を加工する構成が
示され、実公昭32−4992号公報には漏斗状器体の
縦窓から刃縁を突出させたナイフ状刃物の取付け
た点を特長とするビニール管の面取り器が示さ
れ、実願昭50−159783号（実開昭52−72191号）
のマイクロフイルムには電気飽を利用したバイプ
面取り器においてストツパーを設けた点が示され
ていたが、紙管の内周端面の面取り加工を調整自
在に行う面取り装置は見当らなかつた。

（考案が解決しようとする問題点） 本考案は、上記した問題点に鑑み、紙管の内周
端面を自動的に美しく面取りすることを目的とし
てなされたものである。

（問題点を解決するための手段） 本考案は、紙管の端部を挿入するための円柱状
のナイフホルダーを回転軸の先端部に連設し、ナ
イフを所定角度傾斜させた状態で取付け可能の断
面矩形状のナイフ挿入溝の対向する一方の壁面に
ナイフを密着させ、他方の壁面間に互いに傾斜面
で接合し、一方の壁面に平行し出入可能に螺設し
た固定ブロツクと、他方の壁面に螺設される固定
ブロツクを介装してなるナイフホルダーと、該ナ
イフホルダーの内側の回転軸に紙管の端面を当接
させる厚リング状のストツパーをその固定位置を
微調整自在に取付け、紙管の面取り量を調整可能
に形成し、かつ、ストツパー側に突出させたナイ
フの先端部の挿入溝をストツパーの外周部に貫通
させて設け、その外周部に切りかすの排出容易に
切欠いてなる当接壁面を設けたことを要旨とする
ものである。

（実施例） 第１図ないし第４図に本考案の実施例が示され
ている。

回転軸１の先端部には短円柱状のナイフホルダ
ー２が連設されている。このナイフホルダー２
は、ナイフ３を装着すると共に、面取りの際に紙
管４の端部を挿入するためのものである。

このナイフホルダー２には、第１及び第２の固
定ブロツク５，６を使用して固定されるナイフ３
を挿入するための断面矩形状のナイフ挿入溝７が
該ホルダー２の軸心に対してほぼ45°傾斜した状
態で設けられている。第１及び第２の固定ブロツ
ク５，６の互いに当接し合う面は傾斜面となつて
おり、第１のブロツク５には止め螺子８を回転さ
せるための工具（図示せず）を挿入するための工
具挿入孔９が上下面に貫通して設けられている。

断面矩形状のナイフ挿入溝７の相対向する一方
の壁面７ａにナイフ３が密着され、壁面７ａに密
着されたナイフ３と他方の壁面７ｂとの間に、第
１及び第２の固定ブロツク５，６が介装されてい
る。第２の固定ブロツク６は固定ボルト１０によ
り壁面７ｂに固定されており、第１の固定ブロツ
ク５の工具挿入孔９から挿入した工具によつてナ
イフ挿入溝７の底面７ｃに螺合された止め螺子８
を回転させて第１の固定ブロツク５を引き上げる
ことにより、ナイフ３がナイフ挿入溝７の壁面７
ａに固定される。

これにより、ナイフ３はナイフホルダー２に該
ホルダー２の軸心に対してほぼ45°傾斜した状態
で取付けられる。

また、回転軸１における前記ナイフホルダー２
の内側の部分には、紙管４の端面を当接させるた
めの厚リング状のストツパー１１が嵌め込まれて
おり、このストツパー１１の半径方向に螺合され
た止め螺子１２の先端部が回転軸１の軸方向に設
けられた溝１３内に入り込んでおり、この止め螺
子１２を介して回転軸１にストツパー１１が固定
されている。

このストツパー１１には、ナイフ３の先端部を
挿入するためのナイフ挿入溝１４が端面に開口し
て設けられ、このストツパー１１におけるナイフ
３の先端部が位置する部分の外周部が切欠かれて
当接壁面１５を設けることにより切りかすが排出
され易いようになつている。ホルダー２に固定さ
れたナイフ３の先端部は、ストツパー１１のナイ
フ挿入溝１４に入り込んでいる。

そして、紙管４の内周端面を面取りするには、
紙管４の端部をナイフホルダー２に挿入すると共
に、紙管の端面をストツパー１１の端面に当接さ
せ、この状態で紙管４を固定したままで回転軸１
を低速度で回転させると、ホルダー２から突出し
ている部分のナイフ３によつて紙管４の内周端面
が、第４図に示されるように面取りされると共
に、面取りされた切りかすは第３図イに示される
ように当接壁面１５に当たつて円滑に排出され
る。

また、ホルダー２に対するストツパー１１の固
定位置を微調整することにより面取り量の調整を
行うことができる。

尚、ホルダー２に対するナイフ３の固定手段は
上記構成のものには限定されないが、上記のよう
な構成であるとホルダー２にナイフ３を簡単かつ
強固に固定できる利点がある。

（効果） 本考案によれば、紙管の内周端面の面取りを短
時間で、しかも自動的に行うことができると共
に、人手による場合に比較して面取り部分が美し
くなる。

このため、製品を巻取るための巻取り軸への紙
管の挿入、或いは紙管に巻取つた製品を加工する
際における巻取り軸への紙管の挿入が容易になる
と共に、挿入時に紙管の内周面、或いは巻取り軸
の表面に装着した多数の金具に切りかすが付くの
を防止できる。

【図面の簡単な説明】

第１図は、本考案に係わる面取り装置の一部を
破断した正面図、第２図は、第１図のＸ−Ｘ線拡
大断面図、第３図イ，ロは、それぞれストツパー
１１の斜視図及び平面図、第４図イは、本考案に
係わる面取り装置によつて内周端面を面取りした
紙管４の断面図、同ロは、同じく主要部分の拡大
断面図、第５図イは、面取りする前の紙管の断面
図、同ロは、同じく主要部分の拡大断面図であ
る。 主要部分の符号の説明、１……回転軸、２……
ナイフホルダー、３……ナイフ、４……紙管、５
……固定ブロツク、６……固定ブロツク、７……
ナイフ挿入溝、７ａ……一方の壁面、７ｂ……他
方の壁面、１１……ストツパー、１４……挿入
溝、１５……当接壁面。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 紙管４の端部を挿入するための円柱状のナイフ
   ホルダー２を回転軸１の先端部に連設し、ナイフ
   ３を所定角度傾斜させた状態で取付け可能の断面
   矩形状のナイフ挿入溝７の対向する一方の壁面に
   ナイフを密着させ、他方の壁面との間に互いに傾
   斜面で接合し、一方の壁面７ａに平行し出入可能
   に螺設した固定ブロツク５と、他方の壁面７ｂに
   螺設される固定ブロツク６を介装してなるナイフ
   ホルダー２と、該ナイフホルダー２の内側の回転
   軸１に紙管４の端面を当接させる厚リング状のス
   トツパー１１をその固定位置を微調整自在に取付
   け、紙管４の面取り量を調整可能に形成し、か
   つ、ストツパー１１側に突出させたナイフ３の先
   端部の挿入溝１４をストツパー１１の外周部に貫
   通させて設け、その外周部に切りかすの排出容易
   に切欠いてなる当接壁面１５を設けたことを特徴
   とする紙管内周端面の面取り装置。