JPH05297038A - 接地抵抗試験器 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【目的】取扱い容易で、測定誤差が少なく、安価な接地
抵抗計を提供する。 【構成】商用交流の２ｎ分の１の低周波同期電流を被供
試接地部に印加し、同期整流により、被供試接地部に発
生する電圧を絶対値・平均化して測定し、接地抵抗を演
算表示するとともに、２線の電線路のいずれが接地線側
か、判別して電流を印加する電線路を、自動的に接続替
えする手段を設けた。

Description

【発明の詳細な説明】

【発明の属する技術分野】本発明は、商用電源の電源線
に接続して使用する電気機器の接地状況を調べるための
接地抵抗試験器に関する。

【０００２】

【従来の技術】従来の接地抵抗計は、接地補助棒あるい
は変流器を用いた第二種接地線利用等、各種のものがあ
った。

【０００３】

【従来技術の問題点】しかしながら、いずれによる方法
のものでも試験用周波数が高く、複雑高価であり、容量
成分による測定誤差も大きく、且つ取扱いが不便であっ
た。

【０００４】

【発明の目的】そこで本件の発明は、取扱い容易で測定
誤差も少なく安価な接地抵抗計を提供することを目的と
している。

【０００５】

【目的を達成するための手段】上記目的を達成するため
本件の発明では、電源線の商用周波数と同期した２ｎ
（ｎ＝整数）分の１の低周波電流を、被測定接地機器の
接地と接地側電源電線間に流し、発生する電圧降下を同
期転極して絶対値化し、その平均値電圧から被測定接地
抵抗を演算表示すると共に、電源電線のうちいずれが接
地側電源電線か判別し、前記電源の交流周波数の２ｎ分
の１周波数に同期した低周波発生装置の出力を印加する
電源線を選択して切り換える手段で接地側電線路を自動
的に切り換えできるよう構成したものである。

【０００６】

【作用】電源周波数の２ｎ分の１の低周波電流により計
測することにより、容量分による測定誤差も少なく、ま
た同期転極して絶対値化して計測することにより大地の
分極作用や増巾器のドリフト等による誤差もなく測定で
きるとともに、いずれの電源線が接地線側か判別して接
続を選択して切り換える手段を設けたので、手動で接地
線を判別して切り換える必要がなく、電源線に試験器を
接続すると即座に計測表示することが可能となる。

【０００７】

【実施例の説明】第１図は本発明の一実施例である。１
は商用交流の配電トランスで、２はその第２種接地、３
は被測定電気機器４の第３種接地で、Ｒｇはそれらの合
成接地抵抗すなわち第２種接地抵抗＋第３種接地抵抗を
示しており、一般に第２種接地抵抗《第３種接地抵抗で
ある。

【０００８】ｅｇは近辺からの誘導による大地電圧で、
電源周波数で数Ｖあるいは１０Ｖ以上もあることがあ
り、また直流的にも大地の電解質により１Ｖ以上も存在
することがある。

【０００９】Ｃｇは容量成分で、５０Ｈｚまたは６０Ｈ
ｚ等ではＲｇに比べ無視できるが、高周波になると見掛
け上の接地抵抗は小さくなり安全サイドの測定とは言い
がたい。

【００１０】５は試験棒で、被測定電気機器の接地金属
部に当てがい、前記Ｃｇ及びｅｇの影響を含めてＲｇを
測定し、Ｒｇを第２種接地抵抗《第３種接地抵抗の関係
よりほぼ被測定電気機器の接地抵抗とみなす。

【００１１】６は電源コンセントで接地２側の線路８と
非接地（電圧）側の線路７より成る。

【００１２】９は接地抵抗計のプラグで、線路１０と１
１より成り、前述の電源コンセント６に差し込んで使用
するが、１０と１１のいずれの線路が前記接地側の線路
８に接続されるか定まっておらず、その時々でいずれに
もなりうる。

【００１３】１２は電源電圧波形１３と同期し、且つ電
源電圧周波数ｆの２ｎ（ｎ＝整数）分の１の周波数の電
圧を１７に発生する同期低周波電圧発生手段で、フリッ
プフロップのように電線路１０，１１間の電源電圧周波
数を分周するようなものでも良いし、あるいは電源電圧
周波数ｆを測定し、演算により２ｎ分の１の発生周波数
を定めて発振器により電源周波数に同期させて低周波電
圧を発生するような装置でも良い。

【００１４】１３は接地側電線判別手段で、試験棒５と
電線路１０と１１の電圧を比較し、１０と１１のいずれ
が接地２側の電線路であるか判別する機能を有するもの
で、１０と１１間の電圧を整流し、その出力と試験棒５
との間の電圧をコンパレータで比較する構成でも良い
し、試験棒５と１０の間の電圧を別個に測定し、その電
圧同志を比較する構成でも良い。

【００１５】そして検出棒５に対して絶対値電圧の高い
方の電線路を電圧線側と判定し、残った電線路を接地側
と判定して、例えば１０の電線路側が接地側になってい
る時はＨ、電線路１１側が接地側になっているときはＬ
等の信号を出力線１４に発生する。

【００１６】１５と１６は、判別手段１３の判別出力を
１４から受けて、その判別出力により同期低周波電圧発
生手段１２の出力電圧を電流設定手段１８を通して電線
路１０あるいは電線路１１の内いずれか接地側の電路に
接続を切り換える接続切り換え手段で、例えばｃ接点リ
レーとリレー制御回路等から成る。

【００１７】２０は電圧検出同期転極手段で、試験棒５
と端子１９間に発生する電圧を端子１７と試験棒５のと
の間に発生する２ｎ分の１の周波数のゼロクロスのタイ
ミング毎に間欠的に交互に電圧方向を転極して絶対値化
する手段で、例えばアナログ的に同期整流する手段でも
良いし、半サイクル毎にデジタル的に大きさを計測して
＋側の電圧値と−側の電圧値を別々に計測して−側の電
圧値を＋に読みかえて絶対値化しても良い。

【００１８】２１は平均値計算手段でアナログ的に２０
の出力電圧を整流平均化しても良い。

【００１９】２２は２１の出力により接地抵抗値を演算
しアナログあるいはデジタル的に計測結果を出力できる
表示手段である。

【００２０】以上のように構成された接地抵抗計の使用
方法及び動作について以下に述べる。

【００２１】まず本件発明の接地抵抗計のプラグ９を、
被測定機器と同一配電系のコンセント６に差し込む。な
お接地抵抗計自体の電源は、プラグ９から図示しない電
圧変換手段及び整流手段等の電源装置から得ても良いし
別途バッテリーからとっても良い。

【００２２】同期低周波電圧発生手段１２はプラグ９を
通じて、電線路１０，１１間に供結されている商用交流
周波数に正確に同期し、且つ商用交流周波数の２ｎ分の
１の周波数の低周波電圧を端子１７に発生させる。

【００２３】次に試験棒５を、被測定機器４の外外郭金
属部等接地部に当てがうと、接地側電線判別手段１３
が、試験棒５に対する電線路１０，１１の電圧を測定し
て、高い方の電線路を電圧線側と判定し、（本例では１
０側が電圧線側と判定したものとする。）接続切り換え
制御回路１５に判定結果を例えばＨの信号として出力す
る。接続切り換え制御回路１５は１４の信号線がＨとな
ったのを受けて、切り換え手段１６を１１の電線路側に
自動的に切り換え、同期低周波電圧発生手段１２の出力
電圧を電流設定手段１８を介して、電線路１１と試験棒
５間に印加するようにする。

【００２４】ここで電流設定手段１８の内部インピーダ
ンスは、Ｒｇ等に比べて非常に高く、１８を通じて流れ
る電流はＲｇ等の大きさにほとんど影響されないものと
する。実際には定電流回路等でも良い。

【００２５】印加された電圧により、商用交流周波数の
２ｎ分の１の低周波電流が、電線路１１，電線路８，接
地２，Ｒｇ，Ｃｇの合成接地インピーダンス，接地３，
被測定機器の外郭４，試験棒５，の順に流れ電流比例し
た電圧降下が端子１９と試験棒５の間に発生する。

【００２６】その電圧を検出し、その電圧波形を同期低
周波発生手段１２の発生する２ｎ分の１の周波数のゼロ
クロスタイミングで間欠的に交互に電圧検出同期転極手
段２０が転極し、絶対値化する。

【００２７】次に平均値回路２１が、２０の出力電圧を
平均値化し、大地の分極電圧等の誤差分を取り除き、演
算表示回路２２が電圧値から接地抵抗値を計算デジタル
またはアナログ的に表示する。

【００２８】以上により、測定者は試験器のプラグをコ
ンセントに接続し、且つ試験棒５を被測定供試機器の接
地部分に接続し、測定結果を表示装置２２から読みとる
のみで即座に測定は終了する。

【００２９】このように本件発明の接地抵抗試験器によ
れば、取扱いは非常に簡単で、且つ商用周波数の２ｎ分
の１の非常に低い周波数を用いたのでＣ分の影響も非常
に少なく、また、同期整流方式と同一の測定機能を有し
ているので、大地の分極作用や増巾器のドリフトの誤差
も相殺されて、誤差の少ない測定ができ、構成も簡単で
安価な接地抵抗試験器を提供できる。

【図面の簡単な説明】

【図１】本件発明の実施例の構成図。 １２ 同期低周波発生手段 １３ 接地側電線路判別手段 １５，１６ 接地切り換え手段 ２０ 電圧検出同期転極手段 ２１ 平均化手段 ２２ 演算表示手段

Claims (1)

【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】 電源線の商用交流周波数に同期し、且つ
   該商用交流周波数にの２ｎ（ｎ＝整数）分の１の低い周
   波数で交流電圧を発生する同期低周波発生手段と、 この同期低周波発生手段の出力電圧を、前記電源線の接
   地側電線路と被試験接地機器の接地間に印加し、流れる
   大地電流によって発生する接地電圧降下を検出し、該検
   出電圧を前記同期低周波電圧のゼロクロスポイント毎に
   間欠的に交互に検出電圧極性を変換して絶対値化する電
   圧検出同期転極手段と、 その絶対値化された検出電圧を平均化して、大地の分極
   電圧や増巾器のドリフト等の影響を相殺する平均化手段
   と、 該平均化電圧から接地抵抗値を演算表示する演算表示手
   段と、 前記電源線の各々と大地の電圧を比較して、いずれの電
   源線が接地側の電線路であるか判別する電線判別手段
   と、 該判別手段の出力により、前記同期低周波発生手段の出
   力電圧を印加する電線路を接地側の電線路に切り換え
   る、接続切り換え手段とより成ることを特徴とする接地
   抵抗試験器。 【０００１】