JPH05296284A - 防振装置 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【目的】 ホルダと支持脚の溶接を簡易かつ確実に行う
ことができるとともに、錆等を生じず見栄えが良い。 【構成】 支持脚１により有底円筒状のホルダ２を支持
する。ホルダ２内には防振ゴム体を固定する。ホルダ２
の径方向対称位置の側面下半部を直線平面の凹所２１に
形成し、鞍型に成形した支持脚２の頂面を上記ホルダ２
の底面に接して位置せしめる。そして、頂面の両側縁を
上方へ折り曲げて形成した直線リブ１１を凹所２１の平
面に接合する。凹所２１は直線平面となっているから、
直線リブ１１は隙を生じることなく接し、簡易かつ確実
に溶接されるとともに、水溜まりによる錆を生じること
はない。また、溶接部は円弧状のホルダ上半部２２に隠
れ、見栄えが向上する。

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】本発明は防振ゴム体によりエンジ
ン等の振動体を吊って支持する防振装置の構造改良に関
する。

【０００２】

【従来の技術】近年、ＦＦ車等において、横剛性を高め
る要請に鑑み、基体たる車両フレーム上に支持脚により
支持して筒状ホルダを設け、該ホルダ内に防振ゴム体を
嵌着固定して、防振ゴム体に設けた連結ボルトによりエ
ンジンを吊り下げ支持する防振装置が提案されている。

【０００３】その一例を図３に示し、図は液封入型の防
振装置として構成したものである。図において、上方へ
開放する有底筒状のホルダ２内には外周に筒状側板３１
を接合した防振ゴム体３が圧入固定してある。容器状を
なす防振ゴム体３の開口は絞り流路５１を形成した仕切
板５により閉鎖され、その上方は薄肉のゴム膜６により
密閉されて、かかる密閉空間内に液が封入してある。

【０００４】上記防振ゴム体３の中心には連結金具４が
埋設され、これはホルダ２の底壁開口より下方へ突出し
て、その端面にエンジンの取付ブラケット７がボルト４
１により結合してある。上記ホルダ２は底壁を支持脚１
により支持されている。

【０００５】このホルダ部の詳細を図４に示す。支持脚
１は長板を鞍型にプレス成形したもので、その頂面は円
形に形成されてホルダ２の底面に接している。支持脚１
の両側縁は上方へ折り曲げてリブ１１´としてあり、ホ
ルダ２の弧状側面に沿って湾曲せしめたリブ１１´をホ
ルダ側面に溶接により接合してある。

【０００６】

【発明が解決しようとする課題】上記従来の構造では、
簡易なプレス成形によりリブ１１´をホルダ２側面に沿
って精度よく湾曲せしめることは困難であり、図５に示
す如く、往々にしてホルダ２側面との間に隙を生じて水
が溜まり、錆を生じる。また、この湾曲部に沿う連続溶
接は手間を要するという問題もある。

【０００７】本発明はかかる課題を解決するもので、ホ
ルダと支持脚の溶接を簡易かつ確実に行うことができる
とともに、錆等を生じず見栄えが良い防振装置を提供す
ることを目的とする。

【０００８】

【課題を解決するための手段】本発明の構成を説明する
と、支持脚１により基体上に支持された有底円筒状のホ
ルダ２を有し、該ホルダ２内に防振ゴム体３を固定し
て、ホルダ２底壁を貫通する連結部材４を介して防振ゴ
ム体３に振動体を吊設した防振装置において、上記ホル
ダ２の径方向対称位置の側面下半部を直線平面の凹所２
１に形成し、鞍型に成形した上記支持脚２の頂面を上記
ホルダ２の底面に接して位置せしめるとともに、上記頂
面の両側縁を上方へ折り曲げて形成した直線リブ１１を
上記凹所２１の平面に接合したものである。

【０００９】

【作用】上記構成においては、ホルダ２側面の凹所２１
は直線平面となっているから、支持脚１の直線リブ１１
は隙を生じることなく上記凹所２１に接し、簡易かつ確
実に溶接されるとともに、水溜まりによる錆を生じるこ
とはない。そして、この溶接部はホルダ２下半部の凹所
２１に位置しているから、円弧状のホルダ上半部２２に
隠れ、見栄えが向上する。

【００１０】

【実施例】ホルダ内に固定される防振ゴム体の構造は既
に従来技術で説明したものと同一であり、以下にはホル
ダ部の構造を説明する。

【００１１】図１において、ホルダ２は開口縁にフラン
ジ部２３を形成した有底の円筒体であり、鞍型に成形し
た支持脚１上に載置されている。上記ホルダ２は径方向
の対称位置で側面下半部が内下方へ傾斜する（図２）直
線平面となり、この部分が凹所２１となっている。

【００１２】支持脚１は長板をプレス成形したもので、
そのやや幅広とした頂面にホルダ２の底面が接してい
る。支持脚１の両端部には取付孔１２が設けられ、支持
脚１の両側縁は上方へ屈曲してリブ１１となっている。
このリブ１１は頂面の両側縁で直線状となって上記凹所
２１の平面に接し、これに溶接してある。

【００１３】かかる構造によれば、簡易なプレス成形に
よっても、リブ１１の直線部は平面の凹所２１に隙を生
じることなく接し、溶接が手軽になし得るとともに比較
的短い溶接で充分な強度を確保することができる。

【００１４】また、リブ１１と凹所２１の間には隙がな
いから、水溜まりによる錆を生じることはなく、かつリ
ブ１１が溶接される凹所２１は側面上半部２２の下方に
隠れるから、見栄えも良好である。

【００１５】

【発明の効果】以上の如く、本発明の防振装置によれ
ば、ホルダと支持脚の溶接を簡易かつ確実に行うことが
できるとともに、錆等を生じず見栄えも良い。

【図面の簡単な説明】

【図１】本発明の一実施例を示す防振装置のホルダ部の
斜視図である。

【図２】ホルダ部の側面図である。

【図３】防振装置の垂直断面図である。

【図４】従来装置のホルダ部の斜視図である。

【図５】図４のV −V 線断面図である。

【符号の説明】

１ 支持脚 １１ リブ ２ ホルダ ２１ 凹所 ３ 防振ゴム体 ４ 連結金具（連結部材）

Claims (1)

【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】 支持脚により基体上に支持された有底円
   筒状のホルダを有し、該ホルダ内に防振ゴム体を固定し
   て、ホルダ底壁を貫通する連結部材を介して防振ゴム体
   に振動体を吊設した防振装置において、上記ホルダの径
   方向対称位置の側面下半部を直線平面の凹所に形成し、
   鞍型に成形した上記支持脚の頂面を上記ホルダの底壁に
   接して位置せしめるとともに、上記頂面の両側縁を上方
   へ折り曲げて形成した直線リブを上記凹所の平面に接合
   したことを特徴とする防振装置。