JPH05295122A - 水溶性ポリエステル共重合体細粒物の製造法 - Google Patents

水溶性ポリエステル共重合体細粒物の製造法

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JPH05295122A
JPH05295122A JP9958592A JP9958592A JPH05295122A JP H05295122 A JPH05295122 A JP H05295122A JP 9958592 A JP9958592 A JP 9958592A JP 9958592 A JP9958592 A JP 9958592A JP H05295122 A JPH05295122 A JP H05295122A
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acid
polymer
soluble polyester
melt
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JP9958592A
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Tomiji Matsuki
富二 松木
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Toray Industries Inc
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Abstract

(57)【要約】 【構成】水溶性ポリエステル共重合体を溶融状態で切断
した後、気体冷却で固化して細粒物を製造するに際し、
水溶性ポリエステル共重合体がテレフタル酸、イソフタ
ル酸および5-ナトリウムスルホイソフタル酸を主たる酸
成分とし、エチレングリコールを主たるジオール成分と
し、イソフタル酸量が全酸成分中5〜50モル%、5-ナ
トリウムスルホイソフタル酸量が8〜30モル%であ
り、該水溶性ポリエステル共重合体の内部温度を150 ℃
以上290 ℃以下に保持しつつ切断した後、含水率0.1 重
量%以下、温度60℃以下の不活性ガス中で冷却固化し、
細粒物の含水率を0.1 重量%以下とすることを特徴とす
る水溶性ポリエステル共重合体細粒物の製造法。 【効果】均一形状の細粒物を得、溶融状態のポリマーの
固化が容易であり、重合度低下・着色を防ぎ、細粒物中
の含水量も少なく、乾燥工程を省略できる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は水溶性ポリエステル共重
合体細粒物の製造法に関するものである。さらに詳細に
は、気体による冷却固化法で水溶性ポリエステル共重合
体細粒物を効率良く安定して作り、しかも得られた細粒
物は製造段階におけるポリマーの重合度低下および着色
程度が小さく、しかも低含水率であり、工業的にかつ経
済的に有利な水溶性ポリエステル共重合体細粒物の製造
法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】従来、ポリエチレンテレフタレート系ポ
リエステル(以下、ポリエステル)は力学的および化学
的性能が優れていることから、繊維用、フィルム用およ
びプラスチック成形品用等として広く用いられている。
【0003】ところで、近年ポリエステルの一つの分野
として比較的多量の5-ナトリウムスルホイソフタル酸の
低級ジアルキルエステル成分(以下、SI成分)を共重
合せしめて水溶性ポリエステルとすることは、特公昭5
8−39926号公報、特公昭59−48015号公
報、特開昭61−296120号公報、特開昭63−1
52624号公報、特開昭63−273634号公報等
で知られている。
【0004】これらのうち、水溶性ポリエステル共重合
体の細粒化に関し、例えば、特公昭59−48015号
公報には、スルホン酸金属塩置換化合物を全酸成分に対
し、20モル%以上共重合せしめた親水性ポリエステル
を溶融重合装置から吐出し、冷却する際に、吐出される
溶融状態のポリマーを少なくとも一方向の厚さを4cm以
下に保持し、かつ接水させることなく冷却すると、親水
性ポリエステルの溶融物を冷却するときに生じる着色が
防止でき、さらに細粒化が容易になることが示されてい
るが、このようなスルホン酸金属塩置換化合物を高率共
重合したポリエステルは、本質的に脆く、靭性に乏しい
特性を有するため、この公報に示すように、少なくとも
一方向の厚さを4cm以下に保持し、かつ接水させること
なく冷却するのみでは、細粒化の際に、ポリマー細粒物
の粉末化および異常形状化が多発したり、またカッター
の入口部でポリマーが割れたり、カッター内部でポリマ
ー詰りの問題が発生したりして、その間は運転を停止せ
ざるを得なかった。このような問題は、親水性ポリエス
テルの生産効率を低下させるのみならず、ポリマー細粒
物の品位上の欠点としても問題視されていた。
【0005】一方、特開昭63−273634号公報に
は、テレフタル酸、イソフタル酸および5-ナトリウムス
ルホイソフタル酸を主たる酸成分とし、エチレングリコ
ールを主たるジオール成分とする水溶性ポリエステル共
重合体を、溶融重合装置から吐出した後、ポリマーの表
面温度をそのポリマー自体のガラス転移点以上150℃
以下に冷却し、しかる後カッターにて細粒化することが
示されている。
【0006】水溶性ポリエステルは、基本的には水に解
けて侵され易いため、吐出される溶融ポリマーを冷却さ
せるには、努めて水冷法を使わない他の方法を採用する
必要がある。
【0007】しかしながら、例えばエアーブローによる
空冷法の場合には、水冷法に比べて冷却能力が明らかに
小さいことから、溶融ポリマーを固化状態まで冷却させ
るには、冷却長を大きくするとか、吐出速度を低下する
等の対策でポリマーの冷却滞留時間を長くする必要があ
り、細粒化の生産効率向上には不十分なものであった。
さらにポリマー細粒物の品質の面では、エアーを用いる
が故に、エアー中の酸素による酸化分解でポリマーが劣
化してしまい、ついにはポリマーの重合度低下や着色が
生じるという問題があった。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】本発明の課題は、上記
した従来技術の問題点であるポリマーの細粒化に際し、
その生産性の効率化および安定性を改善し、かつ、ポリ
マーの重合度低下および着色程度を小さくし、さらにポ
リマー細粒物中の含水量を低くした水溶性ポリエステル
共重合体細粒物の製造法を提供することである。
【0009】
【課題を解決するための手段】本発明は前記した課題を
解決するため、次の構成を有する。すなわち、水溶性ポ
リエステル共重合体を溶融状態で切断した後、気体冷却
で固化して細粒物を製造するに際し、水溶性ポリエステ
ル共重合体がテレフタル酸、イソフタル酸および5-ナト
リウムスルホイソフタル酸を主たる酸成分とし、エチレ
ングリコールを主たるジオール成分とし、イソフタル酸
量が全酸成分中5〜50モル%、5-ナトリウムスルホイ
ソフタル酸量が8〜30モル%であり、該水溶性ポリエ
ステル共重合体の内部温度を150℃以上290℃以下
に保持しつつ切断した後、含水率0.1重量%以下、温
度60℃以下の不活性ガス中で冷却固化し、細粒物の含
水率を0.1重量%以下とすることを特徴とする水溶性
ポリエステル共重合体細粒物の製造法である。
【0010】以下、本発明の製造法について、さらに詳
細に説明する。本発明の製造法に用いる水溶性ポリエス
テル共重合体は、テレフタル酸、イソフタル酸および5-
ナトリウムスルホイソフタル酸を主たる酸成分とし、エ
チレングリコールを主たるジオール成分とするものであ
る。
【0011】かかる水溶性ポリエステル共重合体は、例
えば次の重合方法により得ることができる。
【0012】まず、テレフタル酸、イソフタル酸または
これらの低級ジアルキルエステルと、エチレングリコー
ルとを主要原料として公知のエステル化反応あるいはエ
ステル交換反応を行なう。この際、イソフタル酸または
その低級ジアルキルエステルの量は、全酸成分中、5〜
50モル%、好ましくは10〜40モル%とするもので
ある。このイソフタル酸量が5モル%未満では熱水溶解
時にフレーク状の不溶物が残存し易く、一方、50モル
%を越えると重縮合反応速度が遅くなったり、得られる
ポリマーの軟化点が100℃以下となって、溶融成形前
のポリマー乾燥が十分行なえなくなったり、高温時の溶
融粘度が低いものしか得られない等、実用上の欠点が生
じる場合がある。
【0013】また、エチレングリコールは、反応を円滑
に完結させる観点からエステル化反応あるいはエステル
交換反応時には、全酸成分に対して約1.05〜2.5
モル倍共存させるのが好ましい。
【0014】これらの出発原料は常圧から2Kg/ cm2
下、エチレングリコールの沸点(198℃)から250
℃までの温度範囲で攪拌しながらエステル化反応あるい
はエステル交換反応を行なうが、これらの反応の際に公
知の触媒、添加剤および反応条件などが採用できるのは
勿論である。
【0015】次に、上記エステル化反応またはエステル
交換反応が実質的に終了すると、その反応系にSI成分
を添加し、さらに該SI成分のエステル交換反応を行な
う。なお、出発原料としてテレフタル酸ジメチルとイソ
フタル酸ジメチルを用いる場合には、そのエチレングリ
コールとのエステル交換反応開始前にSI成分を添加し
てもよい。
【0016】ここにおけるSI成分には、例えば5-ナト
リウムスルホイソフタル酸のジメチルエステルやジエチ
ルエステルのような低級アルキルエステル、あるいは5-
ナトリウムスルホイソフタル酸エチレングリコールエス
テルのようなグリコールエステルがある。
【0017】SI成分量は、全酸成分に対して8〜30
モル%とするものである。このSI成分が8モル%未満
では、ポリマーを水溶性とすることが難しいし、一方、
30モル%を越えると、生成ポリマーを水溶性にること
はできても同時に高吸湿性となって、実際の取扱い上、
例えば、得られる細粒物あるいはこれから得られる成形
品の吸湿が著しくなったり、ポリマーの耐熱性が悪化す
る等の問題が生じることがある。なお、得られるポリマ
ーを熱水可溶、かつ冷水不溶とする観点から、SI成分
量を10〜18モル%とするのが好ましい。
【0018】なお、このSI成分としてそのジアルキル
エステルを、直接重合法におけるエステル化反応終了後
に添加する際には、そのSI成分のエステル交換反応の
完結と、引続き行う重縮合反応の反応性を一層高めるた
めに、SI成分に対してさらに約4モル倍以上のエチレ
ングリコールを添加するなどは好ましい態様の例であ
る。この添加時期はSI成分の添加前後(特にエステル
化反応率が約98%以上で重縮合反応開始前の段階)が
望ましい。
【0019】次に、SI成分のエステル交換反応が終る
と、引続きエチレングリコールを反応系外へ留去しつつ
目的とする改質ポリマーが得られるまで重縮合反応を行
なうが、この重縮合反応には例えば触媒として三酸化ア
ンチモンを用いたり、温度条件として約250〜290
℃、圧力条件として減圧下(1mmHg以下)とするな
ど、公知の反応条件を適宜採用すればよい。
【0020】このようにして得られた水溶性ポリエステ
ル共重合体は、溶融ポリマーとして溶融重合装置の吐出
部から連続的に吐出され、カッターにて細粒化するが、
本発明においては、切断時の溶融した水溶性ポリエステ
ル共重合体ポリマーの内部温度を、150℃以上290
℃以下、好ましくは180℃以上280℃以下に保持す
るものである。ここで、水溶性ポリエステル共重合体ポ
リマーの内部温度とは、カッター入口部(カッター口金
直前)においてポリマー流の表面から1cm内部に入っ
た部位を熱電対で測定した温度をいう。
【0021】すなわち、カッター入口部における溶融ポ
リマーの内部温度が150℃より低くなると、溶融ポリ
マーの粘度が高くなってポリマー流れが不良になるこ
と、また、重縮合反応が終了し、前記した重縮合反応温
度(250〜290℃)付近から細粒化工程の間で15
0℃以下に冷却するのに長時間を要し、細粒化の生産効
率が低下すること等の問題が生じるので好ましくない。
【0022】一方、カッター入口部における溶融ポリマ
ーの内部温度が290℃より高くなると、前記した重縮
合反応温度の上限を越えてしまい、ポリマーの熱分解が
生じ易くなってポリマーの重合度が低下すること、また
細粉状に切断した後の不活性ガスによる冷却が不十分に
なり、細粒物相互の融着が生じること等の問題につなが
るので好ましくない。
【0023】このため、本発明においては、上記溶融ポ
リマーの内部温度を制御するために、加熱および冷却で
きる温度コントロール装置、重縮合反応缶から溶融ポリ
マーの吐出量を調節できるバルブ、または溶融ポリマー
の内部温度と吐出量をより安定して制御できるエクスト
ルーダー装置等の装置を細粒化工程中で用いることは、
特に好ましい手段である。
【0024】次に、溶融状態のポリマーをカッターで細
粒化した後、気体冷却で固化して目的の細粒を得る(以
下、冷却工程)が、本発明においては細粒化後の冷却工
程を不活性ガス中で行なうものである。
【0025】すなわち、冷却工程を空気中で行なうと、
上記した高温条件の溶融ポリマーに空気中の酸素が接触
した場合、明らかにポリマーは酸化分解による劣化を激
しく受け、結果としてポリマーの重合度低下および着色
等の問題が生じるやすい。さらにポリマーの酸化分解で
生じるアルデヒド化合物等の分解ガスが、本発明のよう
な高温場で空気と混合された時には、結果として発火と
か爆発の危険性もあり、防災上の面からも冷却工程を空
気中で行なうことは好ましくないのである。
【0026】このため、本発明において、不活性ガスと
してヘリウム、窒素、アルゴン等のを用いることができ
るが、なかでも経済的に有利な窒素ガスが好ましい。
【0027】なお、本発明において、不活性ガスには、
酸素などの反応性ガスを合計含有量5vol%以下含んでい
てもかまわないが、ポリマーの酸化分解等による劣化を
防ぎポリマーの重合度低下および着色を防止する観点か
らは、不活性ガス中の酸素などの反応性ガスの合計含有
量を1vol%以下とするのが好ましい。
【0028】また、本発明においては、不活性ガスの含
水率を0.1重量%以下、好ましくは0.05重量%以
下、さらに好ましくは0.005重量%以下とするもの
である。不活性ガスの含水率が0.1重量%を越える場
合には、ポリマー細粒物の乾燥工程を省略することが困
難であり、したがって、冷却工程の後、直に溶融成形に
供することは困難である。
【0029】本発明においては、不活性ガスの温度を6
0℃以下、好ましくは50℃とするものである。不活性
ガスの温度が60℃を越えるならば、冷却効果が低く、
ポリマー細粒物同士の融着が起こりやすい。
【0030】本発明においては、さらに以下に記載した
ような方法および条件を採用することで従来からの課題
であった水溶性ポリエステル共重合体の細粒物製造にお
ける安定化、経済性、生産効率化、ポリマー細粒物の品
質向上に対し一層有効な手段となる。
【0031】(1)不活性ガスは滞留させることなく、
ブロー状態で細粒化溶融ポリマーと接触させること。
【0032】(2)不活性ガスはリサイクル使用するこ
と。
【0033】また、本発明の製造法において、細粒物中
に含有される水分量を0.1重量%、好ましくは0.0
5重量%以下、さらに好ましくは0.005重量%以下
とするものである。水分量が0.1重量%を越える場合
には、溶融成形に供する前に通常行なわれるポリマー細
粒物の乾燥工程を省略することは困難であるし、したが
って、冷却工程の後、直に溶融成形に供することは困難
である。
【0034】このことは、本質的に吸湿しやすく、乾燥
しにくい水溶性ポリエステル共重合体を使って溶融成形
品を得る上で、大きな経済的メリットにつながるもので
ある。 なお、本発明によって得られる細粒物の形状
は、溶融状態で細粒状に切断してから冷却固化している
ので全体的に丸みを帯びた外観になることが特徴的であ
り、細粒物の生産効率・ハンドリング性を向上させ、一
方、冷却工程での冷却不足で細粒物の相互融着を防止す
る観点から、最小径を1mm以上、最大径を12mm以下に
することが好ましい。
【0035】なお、上記エステル化反応またはエステル
交換反応、および重縮合反応に当り、改質ポリマーの特
性を損なわない範囲内で各種公知の添加剤、例えば艶消
剤、蛍光増白剤、安定剤、紫外線吸収剤、難燃化剤、帯
電防止剤、結晶核剤などを適宜添加できるのは勿論であ
る。
【0036】本発明における水溶性ポリエステルは、既
述したように、テレフタル酸、イソフタル酸および5-ナ
トリウムスルホイソフタル酸を主たる酸成分とし、エチ
レングリコールを主たるジオール成分として構成する
が、この際の共重合成分として、イソフタル酸成分や5-
ナトリウムスルホイソフタル酸成分以外に酸成分および
ジオール成分を問わず、公知の共重合成分を所望量含有
させることは何ら差支えない。
【0037】特に熱水可溶性ポリマーとする際には、次
のものを共重合成分として用いるのが好ましい。酸成分
としては、C3 〜C20の脂肪族ジカルボン酸、例えば、
アジピン酸、アゼライン酸、セバシン酸、ドデカンジオ
ン酸、または、脂環族ジカルボン酸、例えば1,4-シクロ
ヘキサンジカルボン酸、1,3-シクロヘキサンジカルボン
酸、1,2-シクロヘキサンジカルボン酸、1,3-シクロペン
タンジカルボン酸、4,4'- ビシクロヘキシルジカルボン
酸などがあげられる。この際、これらの共重合成分量は
ポリマーの軟化点低下や耐熱性低下などを防ぐ観点か
ら、全酸成分の20モル%以下とするのが好ましい。
【0038】ジオール成分としては、1,4-ブタンジオー
ル、ネオペンチルグリコール、1,4-シクロヘキサンジメ
タノール、ジエチレングリコール、トリエチレングリコ
ールなどがあげられる。この際、これらの共重合成分量
はポリマーが冷水で溶解するのを防ぎ、また、熱水溶解
性が不充分となるなどを防ぐ観点から、全ジオール成分
成分の20モル%以下とするのが好ましい。また、他の
ジオール成分として、数平均分子量400〜6000の
ポリアルキレングリコールもしくはその誘導体、例え
ば、ポリエチレングリコール、ポリプロピレングリコー
ル、ポリテトラメチレングリコール、ビスフェノールA
などのビスフェノール化合物のフェノール性水酸基にエ
チレンオキサイド、ブチレンオキサイド、プロピレンオ
キサイドなどを開環付加させて得られるポリエーテル化
合物などがあげられる。この際、これらの共重合成分量
はポリマーの耐熱性低下や軟化点低下などを防ぐ観点か
らポリマーに対して20wt%以下とするのが好まし
い。
【0039】また、この他に、C3 〜C20の脂肪族ジカ
ルボン酸から得られるポリ酸無水物、例えば、ポリアジ
ピン酸無水物、ポリアゼライン酸無水物、ポリセバシン
酸無水物、ポリドデカンジオン酸無水物などを共重合す
ることもできる。この際、これらの共重合成分量はポリ
マーの耐熱性低下や軟化点低下などを防ぐ観点からポリ
マーに対して20wt%以下とするのが好ましい。
【0040】
【実施例】以下、実施例を挙げて本発明をさらに具体的
に説明する。本実施例中、部は重量部を意味する。また
水溶性ポリエステルの固有粘度および細粒物特性は、次
のようにして測定した。
【0041】<固有粘度>ポリマー細粒物3.2gをオ
ルソクロロフェノール40mlに溶解し、その溶液を25
℃でオストワルド粘度計を用いて常法により測定した。
【0042】<冷水中の変化>30℃の水に細粒物(約
3mmφ×5mm長)を20時間浸漬した後、細粒物の表面
状態および細粒物の形状変化を肉眼観察した。
【0043】<熱水溶解性>95℃の熱水100mlに細
粒物(約3mmφ×5mm長)1gを投入し、マグネチック
スターラーで約15分間攪拌した。その時の未溶解分重
量(g)を測定し、[1−(未溶解分重量)]×100
(%)で示した。
【0044】<細粒物形状(異常形状細粒物の含有率)
>細粒径が1mm以下のものおよび12mm以上のもの(細
粒相互融着も含む)を異常形状細粒物とし、%で示し
た。
【0045】<不活性ガスの含水率>不活性ガスの水分
をカールフィッシャー試薬中に捕集し、デジタル微量水
分測定装置CA−02型(三菱化成工業(株)製)を用
いて求めた。
【0046】<ポリマー細粒物の含水率>ポリマー細粒
物を水分気化装置VA−02型(三菱化成工業(株)
製)にセットし、ポリマー細粒物中の水分を加熱して気
化させ、窒素気流によりカールフィッシャー試薬中に捕
集し、デジタル微量水分測定装置CA−02型(三菱化
成工業(株)製)を用いて求めた。
【0047】<ポリマーの色調>ポリマー細粒物につい
てSMカラーコンピューター型式SM−3(スガ試験機
(株)製)を用いてL値、a値、b値を測定した。な
お、L値が大きいほど明度が大、a値が大きいほど赤味
が大、b値が大きいほど黄味が大であることを示す。
【0048】(実施例1)テレフタル酸ジメチル(以
下、DMT)124.2部、イソフタル酸ジメチル(以
下、DMI)37.6部、エチレングリコール(以下、
EG)119.0部、5-ナトリウムスルホイソフタル酸
ジメチル(以下、SID)40.2部、三酸化アンチモ
ン0.06部および酢酸リチウム0.6部を攪拌できる
精留塔付き反応缶に仕込み、130〜230℃で生成メ
タノールを留出させながらエステル交換反応をさせた。
次に、エステル交換反応生成物を重合缶に移行し、そこ
にリン酸0.02部を添加し、230〜250℃で1時
間の反応後、250℃から徐々に昇温しながら、また常
圧から徐々に減圧しながら、最終的に285℃、1mmH
g以下の条件で3.5時間の重縮合を行った。
【0049】引き続き、重合缶内に窒素ガスを徐々に吹
き込み、最終的に約3kg/cm2Gの加圧系にセット
した。この後、溶融ポリマーを重合缶の吐出部から、ポ
リマー吐出量が約3kg/minになるようにバルブを
調節し、外部を約240℃に加熱制御している配管を通
じて、口金(ホール径4mmφ、ホール数20個)およ
び回転刃付きのカッターに溶融ポリマーを導入し、連続
して細粒状に切断した。この時、カッター入口部(口金
直前)のポリマー内部温度は240℃であった。
【0050】この後、細粒状の溶融ポリマーは、温度1
5℃、水分率0.005%の窒素ガスが流量300Nl
/minでブローされている配管内に投入され、冷却固
化されて長径約5mmφ、短径約4mmφの楕円球状の
細粒物を得た。細粒物の冷水中の変化は無く、熱水溶解
性は100%であった。この細粒物特性および細粒化状
況の観察結果を表1に示した。
【0051】
【表1】 (実施例2〜4、比較例1〜4)細粒化工程と細粒物冷
却工程の条件を変更した以外は実施例1と同様にして細
粒物を得た。これらの細粒物はいずれも冷水中の変化が
無く、熱水溶解性は100%であった。これらの細粒物
特性および細粒化状況の観察結果を表1に併せて示し
た。
【0052】(実施例5)テレフタル酸50.1部、イ
ソフタル酸14.7部、およびEG31.5部をエステ
ル化反応缶に仕込み、常圧〜2.0kg/cm2 G、2
30〜250℃で精留塔から生成水を留出させながら、
約4時間エステル化反応させた。このとき、留出水量か
ら求めた最終エステル化反応率は約98%であった。
【0053】次に、エステル交換反応生成物を重合缶に
移行し、そこにSID15.8部、数平均分子量が33
00のポリエチレングリコール9.6部、EG19.8
部(EG/SIDモル比:6.0)、酢酸マンガン0.
02部、酢酸リチウム0.3部、三酸化アンチモン0.
05部およびリン酸0.02部を添加し、徐々に昇温し
ながら、230〜250℃常圧にて生成メタノールを留
去しながら、エステル交換反応を行なった。
【0054】このときのエステル交換反応は反応時間が
1時間10分、留出メタノール量から求めた反応率は約
75%であった。
【0055】このエステル交換反応に続き、反応缶内を
250℃から徐々に昇温しながら、また常圧から徐々に
減圧しながら重縮合反応を開始し、最終的に285℃、
1mmHg以下の条件で4時間の重縮合を行った。
【0056】引き続き、実施例1と同様の条件で細粒化
工程と冷却工程を行い、表1に示す楕円形状の良好な細
粒物を得た。
【0057】
【発明の効果】本発明の方法により、脆くて靭性の乏し
い水溶性ポリエステルに起因する細粒物の粉末化および
異常形状化の発生を防ぐことができ、均一な形状の細粒
物を得ることができる。
【0058】さらに、溶融状態のポリマーは細粒状で表
面積が大きくなり、シート状あるいはガット状に比べ空
冷による固化が容易であり、酸化分解によるポリマーの
重合度低下および着色を未然に防ぐことができ、また、
得られる細粒物中の含水量も極めて少なくできることか
ら、通常では必須の溶融成形前の細粒物の乾燥工程を省
略できる。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.5 識別記号 庁内整理番号 FI 技術表示箇所 C08L 67:02

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】水溶性ポリエステル共重合体を溶融状態で
    切断した後、気体冷却で固化して細粒物を製造するに際
    し、水溶性ポリエステル共重合体がテレフタル酸、イソ
    フタル酸および5-ナトリウムスルホイソフタル酸を主た
    る酸成分とし、エチレングリコールを主たるジオール成
    分とし、イソフタル酸量が全酸成分中5〜50モル%、
    5-ナトリウムスルホイソフタル酸量が8〜30モル%で
    あり、該水溶性ポリエステル共重合体の内部温度を15
    0℃以上290℃以下に保持しつつ切断した後、含水率
    0.1重量%以下、温度60℃以下の不活性ガス中で冷
    却固化し、細粒物の含水率を0.1重量%以下とするこ
    とを特徴とする水溶性ポリエステル共重合体細粒物の製
    造法。
  2. 【請求項2】不活性ガスが窒素ガスであることを特徴と
    する請求項1記載の水溶性ポリエステル共重合体の製造
    法。
JP9958592A 1992-04-20 1992-04-20 水溶性ポリエステル共重合体細粒物の製造法 Pending JPH05295122A (ja)

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