JP3270347B2 - ポリエステル共重合体の製造方法 - Google Patents
ポリエステル共重合体の製造方法Info
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Description
テル共重合体に関し、さらに詳しくは、透明性、生産性
に優れ、成形品の白化原因や、異臭原因となる成形品中
のオリゴマー量やホルムアルデヒド、アセトアルデヒド
等の不純物の含有量の少ないボトル用ポリエステル共重
合体の製造方法に関する。
性質に優れているため繊維、フイルム、ボトル及び工業
用樹脂等に広く使用されている。
は、外観上の理由によりボトルの透明性が重要であり、
透明性の良好なボトルが得られるポリエステルが求めら
れている。
テルを製造する際に使用される触媒に起因するいわゆる
内部ヘーズ、及び触媒粒子が誘発するポリエステル自体
の結晶化・不透明化が挙げられる。
媒が使用されている。最も広く用いられる一つは、アン
チモン触媒であるが、これはポリエステルに対する溶解
性が低い為ポリマー中に粒子として残存し、成形品の透
明性を著しく低下させる。
性が高い為、ヘーズを低く抑えることができ結晶化の促
進も特に認められないことから透明性は比較的高い。し
かるにこの触媒は高温域でポリエステルの劣化を促進さ
せる。ポリエステル自体を黄色に変色してしまうという
問題がある。
する溶解性が高く、透明性も比較的良好であり、ポリエ
ステル自体の着色もチタン触媒に比べ欠点とならない。
使用した場合でも、ミネラルウォーター用ボトルなどの
要求品質の厳しい分野では透明性は未だ充分とは言え
ず、このような分野において透明性の一層良好なボトル
を与えるポリエステルが求められる。
コストをできるだけ抑えること、及び成形品の歩留まり
を悪くしたり、悪臭の原因となりうるオリゴマー類や、
アセトアルデヒド、ホルムアルデヒドを最終成形品にで
きるだけ少なく抑えることについて強い要求がある。
とができ、透明性に優れ、アセトアルデヒド、ホルムア
ルデヒド、オリゴマーの発生の少ないボトル用ポリエス
テルを提供することにある。
を酸成分とし、エチレングリコール及びジエチレングリ
コールをグリコール成分とし、ジエチレングリコールの
共重合割合がポリエステル共重合体の2.0〜4.0重
量%であるボトル用ポリエステル共重合体の製造方法で
あって、重合触媒として実質的に非晶性の二酸化ゲルマ
ニウムを用い、重合触媒の添加時期がエステル化率90
%以上に達した時点であることを特徴とするボトル用ポ
リエステル共重合体の製造方法である。
ル酸並びにエチレングリコール及びジエチレングリコー
ルより直接重合法により製造されるポリエステル共重合
体である。
エステル共重合体全量の2.0〜4.0重量%である。
0重量%未満の場合には、固相重合速度アップにともな
う生産性の向上の効果が少なく、固相重合工程でのホル
ムアルデヒド、アセトアルデヒド等不純物の拡散効果は
少なく、透明性も低いため、現在世の中に存在するポリ
エチレンテレフタレートのレベルとかわらない。
重量%を超えると、固相重合を行う際のチップの融着を
回避するための結晶化条件のコントロールが非常に難し
くなるばかりか、耐熱性やボトル強度が逆に悪くなり、
着色も目立ちだし、かえってアセトアルデヒド、ホルム
アルデヒド等に起因する異臭も強くなる。
合体全量に占める割合として2.0〜4.0重量%であ
るとボトルの白化現象を抑えることができる。さらに固
相重合中の結晶化スビードが遅くなりオリゴマー類、ア
セトアルデヒド、ホルムアルデヒド等の低分子量不純物
が製造工程でポリマーから容易に飛散するようになりボ
トルとしたときの残留オリゴマーを低く抑えることがで
きる。更に固相重合反応の律速段階であるポリマーから
のエチレングリコールの飛散速度が向上し、固相重合速
度を高めることもでき生産性を向上することができる。
更に成形温度を低くする事ができ固相重合後のポリマー
を成形する時の劣化反応を抑えることができ、最終的に
成形品の中に含有されるオリゴマー量、アセトアルデヒ
ド、ホルムアルデヒド量を低くすることが可能である。
はテレフタル酸並びにエチレングリコール及びジエチレ
ングリコール以外の第三成分が共重合されていてもよ
い。第三成分の割合は本発明の目的を損なわない範囲で
あることを要し、全酸成分の5モル%以下、好ましくは
2モル%以下である。所定量のDEGに第三成分を過剰
に重合したポリエステルは結晶性が悪くなりすぎて、成
形品としてのボトルの強度が満足にでなかったり共重合
成分によっては充填物のフレーバー性が悪化する懸念が
ある。よって特にDEG以外の第三成分を共重合してい
ないPETが好ましい。
酸、ジフェニルジカルボン酸、ジフェニルエーテルジカ
ルボン酸などの芳香族ジカルボン酸;シクロヘキサンジ
カルボン酸などの脂環族ジカルボン酸、アジピン酸、セ
バシン酸などの脂肪酸ジカルボン酸;ジエチレングリコ
ール、トリエチレングリコール、テトラメチレングリコ
ール、ヘキサメチレングリコールなどの脂肪族ジオー
ル;シクロヘキサンジオール、シクロヘキサンジメタノ
ールなどの脂環族ジオール;ナフタレンジオール、ビス
フェノールA、レゾルシンなどの芳香族ジオール;p―
オキシ安息香酸、m―オキシ安息香酸、サリチル酸、マ
ンデル酸、ヒドロアクリル酸、グリコール酸、3―オキ
シプロピオン酸、アシアチン酸、キノバ酸などオキシカ
ルボン酸を例示することができる。
範囲内で3価以上の多官能化合物、たとえばグリセリ
ン、トリメチロールプロパン、ペンタエリスリトール、
トリメリット酸、トリメシン酸、ピロメリット酸、トリ
カルバリル酸、没食子酸などを共重合してもよく、要す
れば単官能化合物、たとえばo―ベンゾイル安息香酸、
ナフトエ酸を第三成分として用いてもよい。
に非晶性の二酸化ゲルマニウムを用いる。実質的に非晶
性の二酸化ゲルマニウムとは結晶粒子を含有しないか含
有するにしてもその結晶粒子サイズが25nm以下であ
り、ラマンスペクトルによる観測においてピークを示さ
ず、且つ比重が3.8g/cm3 以下である二酸化ゲル
マニウムである。重縮合触媒が実質的に非晶性の二酸化
ゲルマニウムでないと透明性が劣り、ボトル用としての
品質を保つことができない。
媒の全量について実質的に非晶ゲルマニウムを使用する
ことが好ましい。透明性向上の理由は明らかでないが、
実質的に非晶性の二酸化ゲルマニウムがエチレングリコ
ールやポリマーへの溶解性が高いことが結晶性二酸化ゲ
ルマニウムを用いたポリマーより透明性が向上する原因
と推測される。
ステル化率90%以上に達成した時点でなければならな
い。この時点以前ではエステル化反応時に副生する水の
量が多く、この水により添加した二酸化ゲルマニウムは
容易に比重の高い安定形態に遷移するとともに、二酸化
ゲルマニウム粒子が凝集し、これらの結果、得られたポ
リエステルを成形しても十分な透明性を有するボトルが
得られない。
0.5〜3重量%のエチレングリコール溶液として添加
するのが好ましい。この際溶液安定性を高める為少量の
塩基性化合物を存在させてもよい。
テル化率で表わして90%以上、好ましくは93%以上
進んだ段階でエチレングリコールとともに系外に溜出す
る二酸化ゲルマニウムを再び系内にもどして重合触媒と
して利用することが好ましい。このエチレングリコール
とともに溜出した非晶性二酸化ゲルマニウムは、水が存
在すると比重の高い安定形態に遷移してしまい非晶性二
酸化ゲルマニウムとして再利用できないが、エステル化
率90%以上の系内から溜出又は飛散した二酸化ゲルマ
ニウムは、その大部分が実質的に非晶性のままであり、
再び系内にもどし再利用が可能である。系内にもどす時
期はエステル化率90%以上好ましくは93%以上に到
達した時点以後が好ましい。
えば酸とジオールとを直接エステル化した後、実質的に
非晶性の二酸化ゲルマニウムを添加し、続いて溶融重縮
合することにより得ることができる。この際、共重合成
分としてのジエチレングリコールが共重合体全量に対し
て2.0〜4.0重量%になるようにジエチレングリコ
ールの添加量を調整することが好ましい。具体的な添加
量は反応装置により異なるため、適宜調整することが好
ましい。又、必要に応じて他の添加剤例えば整色剤、着
色剤、抗酸化剤、紫外線吸収剤、帯電防止剤又は難燃剤
等を使用してもよい。溶融重縮合終了後は、例えば溶融
押出し、適当な冷媒、例えば水中で冷却し適当な大きさ
に切断してチップ化する。チップは直方体でも、シリン
ダー状でも、サイコロ状でも、球状でもよい。
してボトル成形に用いる。ボトルは公知の方法で形成す
ることができる。
実施例中「部」は、重量部を意味する。また実施例中で
用いた特性の測定法を以下に示す。
ラクロロエタン(重量比60/40)の混合溶媒を用
い、35℃で測定した溶液粘度から算出した。
℃、5時間乾燥した後、名機製作所製、射出成形機ダイ
ナメルターM―100DMを用い、シリンダー温度28
0〜290℃(Tm+40℃)で50gのプリフォーム
を成形し、これをブロー延伸して、内容積1.5リット
ル、胴部肉厚0.3mmのボトルとした。この直胴部を
切取り、ヘーズメーターによってボトル胴部のヘーズを
測定し、ボトルのヘーズとした。ヘーズメーターには日
本電色工業社製カラーアンドカラーディフェレンスメタ
ルモデル1001DP型を用いた。
サアイオニクス社製)を用い25℃にて測定し15回測
定の平均値を比重の値とした。
合割合 ポリマー200gと抱水ヒドラジン(ヒドラジン1水和
物)10mlを混合し、150℃で10分の条件で完全
にポリマーを分解した。その溶液をガスクロマトグラフ
ィーで分析してその検出濃度からポリマー中に共重合し
ているジエチレングリコールの割合を求めた。ガスクロ
マトグラフィーには日立製作所社製ガスクロ263型を
用いた。
生量 固相重合後のポリマー又は2)で得たボトル成形品の直
胴部のサンプルを5mg精秤してヘキサフルオロイソプ
ロパノール(HFIP)/CHCl3 =0.2ml/
0.2mlに溶かしそれをCHCl3 で適当な濃度にう
すめて、ゲル浸透クロマトグラフィーにて環状三量体オ
リゴマーの量を測定した。ゲル浸透クロマトグラフィー
(GPC)はウォーター(Water)社製GPCを用
い、カラムとして環状三量体オリゴマー測定用カラム
(東ソー社製TSK―GFL2000H8*2)を用い
た。
ルデヒド(AA)量 固相重合ポリマー又は2)で得たボトルの直胴部を液体
窒素で冷却後、粉砕し、20メッシュ以下の大きさのポ
リマーサンプルを1.0g採取した。
0℃で1時間アセトアルデヒド、ホルムアルデヒドを加
熱抽出した。その抽出水溶液に2,4―DNPH(2,
4―ジニトロフェニルヒドラジン)を加えてホルムアル
デヒド、アセトアルデヒドをその安定な有機塩としてC
Cl4 に更に抽出した。そのCCl4 をガスクロマトグ
ラフィー分析し、検出された塩の量から、ボトルのポリ
マー中に含まれていたホルムアルデヒド、アセトアルデ
ヒドの量を計算で求めた。ガスクロマトグラフィーには
日立製作所社製ガスクロ263型を用いた。
型示差走査熱量計を用いて測定を作った。ポリマーチッ
プサンプル10.0mgをアルミパンの中にいれ、20
℃/minの昇温スピードで300℃まで加熱した後、
素速く、氷浴につけ込まれた試験管の中で、直接水に接
触しないようにクエンチした。その後再び20℃/mi
nで昇温し、結晶化温度Tc、融点Tmを求め、300
℃に達した時点で2分間そのまま保持し、その後10℃
/minで降温した。その際降温時の結晶化ピークをT
cdとした。Tci、Tm、Tcdはそれぞれピークの
最大点を読みとった。
ける結晶粒子サイズをScherrer式(α(Å)=
Kλ/Bcosθ α:結晶粒子サイズ K定数=0.
9 λ:1.54Å β:測定ピークの半値巾)を用い
て各々算出し、その平均値を持って結晶粒子サイズとし
た。X線回析装置には理学電気工業社製X線回析装置を
用いた。
を用いた。測定条件は以下のとおりである。 測定条件 ・励起光源 アルゴンイオンレーザー(波長:488n
m) ・試料調整 窒素雰囲気下で試料をガラス製NMRチュ
ーブに充填して測定した。 ・検出器 光電子像倍管(PM) ・測定条件 slit 200μm laser 150mW 測定装置にはジョバン―イヴォン(Jobin―Yvo
n)社製 ラマノール(Ramanor)U―1000ラマンシス
テムを用いた。
チレングリコール2100部とを常温でスラリー化し、
撹拌機付オートクレーブに仕込み、3kg/cm2 の加
圧下270℃にて反応させた。留出水量が600部とな
った時点で放圧し、更に常圧にて270℃で反応させ
た。更に留出水量が740部以上となった時点で表1に
示す二酸化ゲルマニウムをゲルマニウムとして30ミリ
モル%(対テレフタル酸)及びトリメチルホスフェート
を3.0部並びに表1の量になるようにジエチレングリ
コールを添加して、引き続き285℃にて0.1mmH
gの減圧下で重縮合反応を約2.5時間実施して極限粘
度数0.62のポリエステル共重合体を得た。
HgのN2 雰囲気下で、210℃で固相重合してポリマ
ーの極限粘度数を0.75まで高めた。
リマーを用いて成形したボトルの品質を表2に示す。
中のジエチレングリコール量を表1に示した量になるよ
うに、ジエチレングリコールを添加する以外は実施例1
と同様の方法でポリエステル共重合体を得た。固相重合
後のポリマー品質及びボトル品質を表2に示した。
添加方法をエチレングリコールスラリーとして添加する
以外は実施例1と同様の方法でポリエステル共重合体を
得た。固相重合後のポリマー品質及びボトル品質を表2
に示した。
かわりに六方晶二酸化ゲルマニウムをエチレングリコー
ルスラリーにて添加する以外は実施例1と同様の方法で
ポリエステル共重合体を得た。固相重合後のポリマー品
質及びボトル品質を表2に示した。
添加時期をエステル化反応開始時にする以外は実施例1
と同様の方法でポリエステル共重合体を得た。固相重合
ポリマーの品質及びボトル品質を表2に示した。
グリコール共重合割合が2.0重量%より少ないポリマ
ーは固相重合速度が遅く、又Tcdが高くかつ融点も高
いので、成形温度を高温に設定せざるを得ず、成形時の
ホルムアルデヒド、アセトアルデヒド、環状三量体オリ
ゴマー(Cy−3)の増加量は高くなる(比較例1)。
それに対してジエチレングリコール共重合割合が4.0
重量%より多いと急激に耐熱性が悪化し、固相重合後の
ポリマーの黄色着色や成形時のホルムアルデヒド、アセ
トアルデヒドの増加が大きく好ましくない(比較例
2)。二酸化ゲルマニウムとして非晶性のものでなく六
方晶のものを使用した場合はボトルのヘーズに違いがで
てくる。非晶性の方がだんぜん好ましい(比較例3)。
一方、非晶性の二酸化ゲルマニウムの全量を、エステル
化率の低い時期に添加すると、反応系で発生する水が二
酸化ゲルマニウムを六方晶に変えるためか、もはや非晶
性二酸化ゲルマニウムを使用するメリットがない(比較
例4)。
に優れ、かつ、固相ポリマー中、成形品中のオリゴマー
量、ホルムアルデヒド、アセトアルデヒド量を低く抑え
ることが可能な高品質なポリエステル共重合体である。
装用フィルム、ボトル等、包装用途に特に好適に使用す
ることができる。
Claims (1)
- 【請求項1】 テレフタル酸を酸成分とし、エチレング
リコール及びジエチレングリコールをグリコール成分と
し、ジエチレングリコールの共重合割合がポリエステル
共重合体の2.0〜4.0重量%であるボトル用ポリエ
ステル共重合体の製造方法であって、重合触媒として実
質的に非晶性の二酸化ゲルマニウムを用い、重合触媒の
添加時期がエステル化率90%以上に達した時点である
ことを特徴とするボトル用ポリエステル共重合体の製造
方法。
Priority Applications (1)
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---|---|---|---|
JP33676996A JP3270347B2 (ja) | 1996-12-17 | 1996-12-17 | ポリエステル共重合体の製造方法 |
Applications Claiming Priority (1)
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JP33676996A JP3270347B2 (ja) | 1996-12-17 | 1996-12-17 | ポリエステル共重合体の製造方法 |
Publications (2)
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JPH10168168A JPH10168168A (ja) | 1998-06-23 |
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ID=18302532
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
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JP33676996A Expired - Fee Related JP3270347B2 (ja) | 1996-12-17 | 1996-12-17 | ポリエステル共重合体の製造方法 |
Country Status (1)
Country | Link |
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- 1996-12-17 JP JP33676996A patent/JP3270347B2/ja not_active Expired - Fee Related
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