JPH05294609A - ポリイミド・シリカ複合膜およびそれから形成するシリカ膜 - Google Patents

ポリイミド・シリカ複合膜およびそれから形成するシリカ膜

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JPH05294609A
JPH05294609A JP4097804A JP9780492A JPH05294609A JP H05294609 A JPH05294609 A JP H05294609A JP 4097804 A JP4097804 A JP 4097804A JP 9780492 A JP9780492 A JP 9780492A JP H05294609 A JPH05294609 A JP H05294609A
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silica
film
polyimide
composite film
polyamic acid
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JP4097804A
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Yoshio Imai
淑夫 今井
Masaaki Kakimoto
雅明 柿本
Atsushi Morikawa
敦司 森川
Hidehiro Yamaguchi
英宏 山口
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Central Glass Co Ltd
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Central Glass Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 シリカ成分が膜全体に広がった機械的強度の
改良されたポリイミド・シリカ複合膜および粒径が1μ
m以下で均一に揃ったシリカ粒子からなるシリカ膜を提
供する。 【構成】 芳香族ポリアミド酸のアミン塩とケイ素のア
ルコキシド(ケイ素のアルコキシドの部分縮合物を含
む。)をアルコール類に溶解した溶液を基板に流延また
は塗布し、一旦膜を形成した後、さらに分解温度以下に
おいて焼成して得られるポリイミド・シリカ複合膜およ
び分解温度以上において焼成することにより得られる基
板に付着するかもしくは自立性のシリカ膜。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、ポリイミド・シリカ複
合膜およびそれから形成する粒径が1μm以下で均一に
揃ったシリカ粒子からなるセラミックフィルターなどに
使用される機能性無機薄膜に関する。
【0002】
【従来技術とその課題】微細な粒子はその構成物質のバ
ルクの物性を示すのみならず、微粒子であるために相対
的に表面積が増大することにより表面の性質が全体とし
ての物性を左右するため、あたかも別の物質であるかの
如く作用することがよく見られる。特に酸化物の微粒子
は比較的製造するのが容易であることもあり、多数の物
質について製造方法およびその用途について報告されて
いる。
【0003】しかしながら、微粒子をそのまま粉体とし
て取り扱うことは困難な場合が多く、なんらかの形状を
持たせることが有効である。ところが、このような微粒
子を分散剤、溶媒などを用いることにより、さらに加圧
成型、焼成して均一な微細構造を有する成型体を作製す
る場合、比較的大きな粒子と異なり表面エネルギーが大
きいために2次凝集力が強く、均一な凝集状態をもつ膜
を作製することはできなかった。
【0004】また多孔質を有するガラスの製造法として
は分相現象を利用したコーニングプロセス、PPGプロ
セスが挙げられるが、この方法による多孔質ガラスはガ
ラス形成後、ケイ素成分の少ない部分を溶出させること
により得られる。このようにして作製された多孔質ガラ
スをいろいろな金属塩水溶液につけて金属イオンを吸着
させて焼成した着色高シリカガラスはフィルターその他
として用いられている。また表面積の大きいことや均質
な吸着特性を有することから触媒の担体、吸湿剤、吸収
剤として用いられるほか、気体と液体を分離する膜、ウ
ルトラフィルター、分子篩として用いられている。
【0005】しかしながら、この様な方法により作製さ
れる多孔質ガラスは膜状の形状を持たせることは困難で
あった。
【0006】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、均一な粒
径を有する微粒子からなるシリカの膜を得ることを目的
とし、各種のシリカ膜形成方法を検討し、耐熱性高分子
の前駆体とシリカの前駆体をこれらのいずれをも同時に
よく溶解する溶媒の溶液とし、その溶液から一旦高分子
膜を形成した上で焼成し、シリカ膜とすることで目的を
達成し得ることを見出した。
【0007】すなわち、本発明は少なくとも芳香族ポリ
アミド酸のアミン塩とケイ素のアルコキシド(ケイ素の
アルコキシドの部分縮合物を含む。)をアルコール類に
溶解してなる溶液を基板に流延または塗布してポリイミ
ド・シリカ複合膜を形成し、該膜の分解温度以下におい
て焼成することにより形成するポリイミド・シリカ複合
膜および、少なくとも芳香族ポリアミド酸のアミン塩と
ケイ素のアルコキシド(ケイ素のアルコキシドの部分縮
合物を含む。)をアルコール類に溶解してなる溶液を基
板に流延または塗布してポリイミド・シリカ複合膜を形
成し、ポリイミドの分解温度以上において焼成すること
により形成するシリカ膜であり、また、少なくとも芳香
族ポリアミド酸のアミン塩とケイ素のアルコキシド(ケ
イ素のアルコキシドの部分縮合物を含む。)をアルコー
ル類に溶解してなる溶液を基板に流延しポリイミド・シ
リカ複合膜を形成し、該膜を基板より剥離した後、ポリ
イミドの分解温度以上において焼成することにより形成
するシリカ膜である。この様にして得られた膜は通常1
μm以下の均一な粒径を有する微粒子からなるシリカの
膜である。
【0008】本発明により得られるポリイミド・シリカ
複合膜およびシリカ膜の厚さは1〜2000μmであ
る。ポリイミド・シリカ複合膜は金属、ガラス、石英ガ
ラス、炭化ケイ素などのセラミックス、ポリイミド、芳
香族ポリアミドなどの耐熱性高分子材料またはそれらの
複合体などの表面に形成し、シリカ膜を基板上に形成す
る場合の基板は、石英ガラス、炭化ケイ素などのセラミ
ックスの板、塊、多孔板などが適し、自立性のある膜を
形成する場合は、ガラス、ポリエチレンテレフタレート
などが適する。
【0009】一般にポリイミド膜を基板などの上に塗布
する場合においては、前駆体であるポリアミド酸を適当
な溶媒に溶解して使用するが、この際好ましい溶媒とし
てはN,N−ジメチルアセトアミド(以下DMAcとい
う。)を挙げることができる。またポリイミドの耐熱
性、機械的強度の向上、熱膨張率の低減などを目的とし
て、ポリイミドへの充填剤としての鉱物、金属の酸化物
あるいは炭化物などの粉体を混合することが行われてき
た。この方法で得られる膜は10wt%以下のシリカを
含む高分子膜であり、本質的にも、実質的にもシリカ膜
とは言えず、またこれを本発明のように焼成して有機成
分を除去しても自立性のある膜状態を保つことはできな
い。
【0010】最近、やはりポリイミドに金属酸化物を充
填するという目的をもって、ポリイミドの前駆体である
ポリアミド酸の溶液中にテトラエトキシシラン(TEO
S)などのアルコキシシランをあらかじめ混合してお
き、ポリイミドの形成と同時に酸化物とし、所期の充填
の効果を発揮することが特開昭63−193935の明
細書に記載されている。この場合においても溶媒として
はポリアミド酸の良溶媒として著名なDMAcが使われ
ている。
【0011】ところで、ポリアミド酸をDMAcなどの
溶媒に溶かしさらにTEOSなどのケイ素のアルコキシ
ドを溶解した溶液を基板上に流延して形成したシリカ成
分を高濃度に含むポリイミド・シリカ複合膜から有機成
分を焼成により除去した場合、シリカの粉末が得られる
のみである。DMAcはポリアミド酸の良い溶媒ではあ
るが、アルコキシドあるいはその加水分解された部分縮
合物にとっては貧溶媒であるため、最初にアルコキシド
が加水分解を受けて凝集し、温度を上げるとポリアミド
酸はポリイミドとなり固化するが、この時シリカはポリ
イミド全体に連接した構造をとれないため強度のある膜
とはならず、これを焼成してポリイミド成分を除去した
場合、シリカよりなる膜は得られないものと考えられ
る。
【0012】この様な不都合を避けるために本発明では
アルコキシド類の良溶媒であるアルコール類を使用する
ことを一つの特徴としている。ところが、ポリアミド酸
はアルコール類に容易に溶解しないため、従来、ポリア
ミド酸とケイ素のアルコシキドの均質なアルコール溶液
を調整することはできなかったが、ポリアミド酸を第三
アミンによりポリアミド酸のアミン塩とすることにより
アルコール類に溶解できることが判明し、その結果、ポ
リアミド酸とケイ素のアルコキシドを含有する均質な溶
液を調整することができたものである。
【0013】このポリアミド酸のアミン塩とケイ素のア
ルコキシド(ケイ素のアルコキシドの部分縮合物を含
む。)をアルコール類に溶解した溶液を基板に流延また
は塗布してポリイミド・シリカ複合膜を形成し、該膜の
分解温度以下において焼成することによりポリイミド・
シリカ複合膜を形成することができた。
【0014】また、このポリアミド酸のアミン塩とケイ
素のアルコキシド(ケイ素のアルコキシドの部分縮合物
を含む。)をアルコール類に溶解した溶液を基板に流延
または塗布し、ポリイミドの分解温度以上において焼成
することにより有機成分を除去した場合、自立性のある
シリカ薄膜が得られることが見出された。これは、アル
コール類中でケイ素のアルコキシドを加水分解した際に
は、溶液全体にシリカ前駆体が広がっているものが、時
間の経過にともない加水分解が進行するが、その際、シ
リカ前駆体の良溶媒であるアルコール中では充分に分散
した状態を保ち、温度上昇により重合したポリイミド中
に分相はするものの均一に広がる結果、ポリイミド・シ
リカ複合膜全体にシリカの繋がった構造を形成すること
になる。このポリイミド・シリカ複合膜を焼成した場
合、必ずしも明確ではないが以上のような理由で、ポリ
イミド成分が除去されたあと、シリカ粒子の連接した成
形体を得ることが出来たものと考えられる。
【0015】700〜900℃の比較的低温で焼成する
ときは、0.1〜1μmのシリカ粒子の一部で連結し
た、全体としては多孔質のシリカ膜が得られるが、より
高い1000〜1200℃で焼成するときは透明なシリ
カガラス膜が得られ、この中間の温度においては、各温
度に対応する程度の多孔質膜が得られた。
【0016】本発明のポリイミド・シリカ複合膜中にお
けるポリイミドおよびシリカの構造については、図1
(メタノール溶媒の場合)および図2(DMAc溶媒の
場合)に示すDMAcまたはメタノールを溶媒とした場
合における貯蔵弾性率、ガラス転移点(Tg)でのTa
nδの値から説明できる。例えば、シリカ含有率50%
の4,4’−オキシジアニリンとピロメリト酸二無水物
とからなるポリイミド・シリカ複合膜においては、Tg
でのTanδの値はDMAc溶媒の場合0.3であるの
に対しメタノール溶媒の場合では、0.04と1/7に
過ぎない。高分子物質におけるTgでのTanδの値
は、高分子鎖の膜の中での運動性を示す指標と考えられ
ているので、本発明のメタノールを溶媒とするポリイミ
ド・シリカ複合膜においてこの値が小さいということ
は、ポリイミドとそれ以外の成分であるシリカが膜中で
全体に均一に広がり、強固な網目構造を形成しているこ
とを意味し、走査型電子顕微鏡(SEM)で観察した図
3の構造を支持していることが分かる。図3は300℃
において焼成した40wt%シリカ含有ポリイミド・シ
リカ複合膜の表面のポリイミド成分を抱水ヒドラジンで
加水分解処理した試料の写真である。
【0017】一方、この300℃において焼成した40
wt%シリカ含有ポリイミド・シリカ複合膜をさらに8
00〜900℃において焼成して得たシリカ膜において
も同様の強固な網目構造を形成していることが図4のS
EM写真から認められる。
【0018】本発明においては、「シリカ」は、二酸化
ケイ素を意味するのみならず、主としてケイ素と酸素よ
りなる基本骨格を有するものをいい、水素、ハロゲン
(塩素、臭素、フッ素)またはアルカリ金属、アルカリ
土類金属などを若干量含有する物質をもいう。
【0019】本発明におけるポリアミド酸は焼成するこ
とにより化1に示す繰り返し単位を有するポリイミドが
生成する物から選ばれなければならない。
【0020】
【化1】
【0021】(ただし、Ar1は化2
【0022】
【化2】
【0023】を表し、Ar2は化3
【0024】
【化3】
【0025】を表し、Rは炭素数1〜3のアルキル基、
アルコキシ基またはハロゲン、ハロゲン化アルキル基を
表し、Xは単結合、−O−、−S−、−SO2−、−C
O−、フェニレン基、炭素数1〜6のアルキレン基のい
ずれかであり、nは0〜4の整数を示す。)この様なポ
リアミド酸を与える芳香族テトラカルボン酸誘導体とし
ては、エステル、酸無水物、酸塩化物がある。特に、酸
二無水物を用いると合成上好ましい。具体例を挙げる
と、ピロメリト酸、メチルピロメリト酸、ジメチルピロ
メリト酸、ビス(トリフルオロメチル)ピロメリト酸、
3,3’,4,4’−ビフェニルテトラカルボン酸、
5,5’−ジメチル−3,3’,4,4’−ビフェニル
テトラカルボン酸、3,3’,4,4’−テトラカルボ
キシベンゾフェノン、3,3’,4,4’−テトラカル
ボキシジフェニルエーテル、3,3’,4,4’−テト
ラカルボキシジフェニルメタン、2,2−ビス(3,4
−ジカルボキシフェニル)プロパン、2,2−ビス
(3,4−ジカルボキシフェニル)ヘキサフルオロプロ
パン、3,3’,4,4’−テトラカルボキシジフェニ
ルスルホン、またはこれらのエステル、酸無水物、酸塩
化物などが挙げられる。これらのうち、ピロメリト酸二
無水物、3,3’,4,4’−ビフェニルテトラカルボ
ン酸二無水物、3,3’,4,4’−ベンゾフェノンテ
トラカルボン酸二無水物などが好適な例として挙げるこ
とができ、またこれらの二種以上を併用することも可能
である。
【0026】また、本発明において使用する芳香族ジア
ミンには、p−フェニレンジアミン、m−フェニレンジ
アミン、2,5−ジアミノトルエン、ジアミノトルエ
ン、2,5−ジアミノキシレン、ジアミノデュレン、
2,5−ジアミノベンゾトリフルオライド、2,5−ジ
アミノアニソール、2,5−ジアミノアセトフェノン、
2,5−ジアミノベンゾフェノン、2,5−ジアミノジ
フェニル、ベンジジン、o−トリジン、m−トリジン、
3,3’,5,5’−テトラメチルベンジジン、4,
4’−ジアミノジフェニルメタン、4,4’−ジアミノ
ジフェニルスルホン、4,4’−オキシジアニリン、
1,2−ジアミノエタン、2,2−ビス(4−(4−ア
ミノフェノキシ)フェニル)プロパン、2,2−ビス
(4−(4−アミノフェノキシ)フェニル)ヘキサフル
オロプロパン、3,3’−ジメチル−4,4’−ジアミ
ノジフェニルエーテル、3,3’−ジメチル−4,4’
−ジアミノジフェニルメタン、ジアミノベンゾトリフル
オライド、1,4−ビス(p−アミノフェノキシ)ベン
ゼン、4,4’−ビス(p−アミノフェノキシ)ビフェ
ニルなどが挙げられ、好適なものとして4,4’−オキ
シジアニリン、2,2−ビス(4−(4−アミノフェノ
キシ)フェニル)プロパン、p−フェニレンジアミンな
どが例示でき、これらを併用することも可能である。
【0027】本発明において使用する第三アミンは、一
般式R3N(Rは炭素数1〜10のアルキル基を示
す。)で表すことができるが、トリメチルアミン、トリ
エチルアミン、トリプロピルアミンが挙げられ、他にト
リエタノールアミンも好ましい。
【0028】また、ポリアミド酸の第三アミンとの塩を
溶解するアルコール類としては、炭素数1〜10の直鎖
または側鎖を有する一価のアルコール、炭素数1〜20
の多価のアルコールを挙げることができるが、メタノー
ル、エタノール、イソプロパノール、n−プロパノー
ル、n−ブチルアルコール、イソブチルアルコール、第
二ブチルアルコール、第三ブチルアルコール、エチレン
グリコール、エチレングリコールモノメチルエーテル、
エチレングリコールモノエチルエーテル、エチレングリ
コールジメチルエーテル、エチレングリコールジエチル
エーテルなどが好ましい。
【0029】さらに、本発明のポリアミド酸の第三アミ
ンとの塩を溶解するアルコール溶液は、その特性を大き
く変えることのない範囲内において他の溶媒成分を添加
することも可能である。例えば、ペンタン、ヘキサンな
どの炭化水素、クロロホルム、四塩化炭素などのハロゲ
ン系炭化水素、酢酸エチル、酢酸ブチルなどのエステル
類、アセトン、エチルメチルケトンなどのケトン類、ア
セタール、DMAc、ジメチルスルホキシドなどを挙げ
ることができる。
【0030】あるいは、本発明のシリカよりなる膜の形
状によっては溶液の安定性、粘度などを調整する目的
で、ヒドロキシプロピルセルロース、カルボキシメチル
セルロース、ニトロセルロースなどの変成セルロース
類、ジメチルシリコーン、メチルフェニルシリコーン、
シリコーンオキシエチレン共重合体、シリコーンポリオ
キシアルキレン共重合体、アミノ変成シリコーンオイル
などのシリコーンオイル類などが粘度調整剤あるいはレ
ベリング剤として使用できる。
【0031】本発明において使用するSi原料として具体
的には、一般式 Si(0R1)(0R2)(0R3)(0R4)、SiCl(0R1)
(0R2)(0R3) 、SiCl2(0R1)(0R2) またはSiCl3(0R1)、R1S
i(0R2)(0R3)(0R4) 、R1R2Si(0R3)(0R4)(ただし、式中R
1、R2、R3、R4はメチル基、エチル基、ノルマルプロピ
ル基、イソプロピル基、ノルマルブチル基、セカンダリ
ブチル基、メトキシエチル基、エトキシエチル基または
フェニル基のいずれかを示す。)で表されるアルコキシ
化合物のうち特に好ましいものとして、TEOS、テト
ラメトキシシラン(TMOS)、メチルトリエトキシシ
ラン、メチルトリメトキシシラン、ジメチルジメトキシ
シラン、ジメチルジエトキシシラン、フェニルトリエト
キシシラン、フェニルトリメトキシシラン等が挙げられ
る。
【0032】本発明におけるポリイミド・シリカ複合膜
のシリカ含有量(ケイ素のアルコキシドが完全にSiO
2となったとして計算した値をいう。以下同じ。)は1
〜80wt%が好ましく、10〜50wt%がより好ま
しい。1%以下では実質的にポリイミド単独膜と物性に
おいて変わるところがなくまたポリイミドの分解温度以
上で焼成したときにシリカの膜は得られず、一方、80
%以上では自立性のあるポリイミド・シリカ複合膜は得
られない。
【0033】以下に実施例をもって本発明を説明する
が、このような実施態様に限定することを目的とするも
のではない。
【0034】
【実施例】
調整例1 (ポリアミド酸トリエチルアミン塩のメタノ
ール溶液の調製) 攪拌機を具えた200mlの三ツ口フラスコ中で、4,
4’−オキシジアニリン4.00g(20mmol)を
窒素気流下DMAc60mlに溶解した。この溶液にピ
ロメリット酸二無水物4.36g(20mmol)を加
え、さらにDMAc20mlで壁についたピロメリット
酸二無水物を洗い落とし室温で8時間攪拌しポリアミド
酸を得た。
【0035】このポリアミド酸のDMAc溶液80ml
に、トリエチルアミン6.06g(60mmol)と水
40mlを加え均一になるまで約1時間攪拌した。この
溶液を約800mlのテトラヒドロフラン中にゆっくり
と投入し、生じたポリアミド酸トリエチルアミン塩の沈
澱を溶液から分離し、これを減圧下において室温で乾燥
した。次いでこのポリアミド酸トリエチルアミン塩をそ
の濃度が10g/dlとなるようにメタノールに溶解す
ることによりポリアミド酸トリエチルアミン塩のメタノ
ール溶液を調製した。
【0036】実施例1 (溶媒にメタノールを用いたゾ
ル・ゲル法によるポリイミド・シリカ複合膜の作製) 調整したポリアミド酸トリエチルアミン塩のメタノール
溶液10mlに、水1.0mlを加え、均一になるまで
室温で攪拌した。この溶液にTMOSを所定量加え、再
び均一になるまで攪拌した(約3分)。得られた溶液を
ガラス板上に流延し、溶媒が蒸発しないように、これを
密閉し8時間室温で保存した。この塗布液は約4時間経
ったところでゲル化と相分離による白濁が見られた。そ
の後、密閉容器から出し、室温でゆっくりと乾燥させた
後、減圧下(0.1〜1.0mmHg)において100
℃で1時間、200℃で1時間、300℃で1時間熱処
理を行ない、ポリイミド・シリカ複合膜を得た。同様の
方法でシリカ含有量0〜50wt%のポリイミド・シリ
カ複合膜を作製したところ、いずれの膜も黄色透明でガ
ラス板に付着した状態であった。これらの膜のうちシリ
カ含有量40wt%のポリイミド・シリカ複合膜の表面
のポリイミド成分を抱水ヒドラジンで加水分解処理した
試料のSEM写真を図3に示す。
【0037】これらのポリイミド・シリカ複合膜につい
ての動的粘弾性測定は、東洋精機(株)製のTOYOS
EIKI Reolograph Solidを用い、
幅5.0mmチャック間が20.0mmとなるように切
り出した厚さ約40〜60μmの膜をもちい、10Hz
で3℃/minで昇温して測定した。シリカ含有量を0
〜50wt%の間で変化させたポリイミド・シリカ複合
膜について測定した結果を貯蔵弾性率とTanδとして
図1に示す。
【0038】(シリカ膜の作製)ガラス板に付着したポ
リイミド・シリカ複合膜をナイフで剥離し、電気炉で8
00〜900℃に加熱焼成すると、シリカ含有量30、
40、50wt%のポリイミド・シリカ複合膜からは乳
白色の膜として、シリカ膜を得た。シリカ含有量40w
t%のポリイミド・シリカ複合膜から作製したシリカ膜
のSEMによる写真を図4に示す。
【0039】比較例 調整例1と同様の方法でポリアミド酸をDMAc中で合
成し、得られたポリアミド酸のDMAc溶液の10gを
とり、水1.0mlを加え、均一になるまで攪拌した。
この溶液にTMOSを所定量加え、再び均一になるまで
3〜8時間攪拌した。得られた溶液をガラス板上に流延
し、実施例1と同様の乾燥、焼成処理を行いシリカを0
〜約55wt%含有するポリイミド・シリカ複合膜を作
製した。この膜はシリカ含有量8wt%以下のものは透
明であるがそれ以上のシリカ含有量のものは不透明であ
った。
【0040】得られた膜について実施例1と同様の測定
を行い同様に貯蔵弾性率とTanδとして図2に示す。
ポリイミド・シリカ複合膜をガラス板から剥離し、さら
に実施例1と同様の800〜900℃での焼成を施した
ところ、いずれの場合も白い粉末が得られたのみであっ
た。
【0041】
【発明の効果】本発明で得られるポリイミド・シリカ複
合膜はシリカを多量にかつ膜全体にわたって均一に含む
ため機械的強度が高く、また、シリカ膜は1μm以下の
均一な粒径を有するシリカの微粒子からなる自立性の膜
であるので、均質かつ安定な表面状態を示し、実用上極
めて操作性に優れた触媒、触媒担体、ガス透過膜、フィ
ルターなどとして有利に利用できるという顕著な効果を
奏する。
【図面の簡単な説明】
【図1】実施例1の方法で作製したポリイミド・シリカ
複合膜の温度に対する貯蔵弾性率(a)とTanδ
(b)である。
【図2】比較例の方法で作製したポリイミド・シリカ複
合膜の温度に対する貯蔵弾性率(a)とTanδ(b)
である。
【図3】実施例1のシリカ含有量40wt%のポリイミ
ド・シリカ複合膜をヒドラジン処理した膜のSEM写真
である。
【図4】実施例1のシリカ含有量40wt%のポリイミ
ド・シリカ複合膜を焼成したシリカ膜のSEM写真であ
る。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 山口 英宏 東京都大田区石川町1−15−10

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 少なくとも芳香族ポリアミド酸のアミン
    塩とケイ素のアルコキシド(ケイ素のアルコキシドの部
    分縮合物を含む。)をアルコール類に溶解してなる溶液
    を基板に流延または塗布してポリイミド・シリカ複合膜
    を形成し、該膜の分解温度以下において焼成することに
    より形成するポリイミド・シリカ複合膜。
  2. 【請求項2】 少なくとも芳香族ポリアミド酸のアミン
    塩とケイ素のアルコキシド(ケイ素のアルコキシドの部
    分縮合物を含む。)をアルコール類に溶解してなる溶液
    を基板に流延または塗布してポリイミド・シリカ複合膜
    を形成し、ポリイミドの分解温度以上において焼成する
    ことにより形成するシリカ膜。
  3. 【請求項3】 少なくとも芳香族ポリアミド酸のアミン
    塩とケイ素のアルコキシド(ケイ素のアルコキシドの部
    分縮合物を含む。)をアルコール類に溶解してなる溶液
    を基板に流延し、ポリイミド・シリカ複合膜を形成し、
    該膜を基板より剥離した後、ポリイミドの分解温度以上
    において焼成することにより形成するシリカ膜。
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