JPH05293410A - 自走薬液散布車の自動方向転換装置 - Google Patents

自走薬液散布車の自動方向転換装置

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JPH05293410A
JPH05293410A JP12949692A JP12949692A JPH05293410A JP H05293410 A JPH05293410 A JP H05293410A JP 12949692 A JP12949692 A JP 12949692A JP 12949692 A JP12949692 A JP 12949692A JP H05293410 A JPH05293410 A JP H05293410A
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 本発明は、薬液散布車の台車部分に、昇降ベ
ースを備えた台車昇降装置と、この昇降装置の昇降軸杆
を支点として薬液散布車をあらかじめ設定した方向に転
回させる台車転回装置とを備え、薬液散布車を所定の位
置で任意に自動方向転換させるようにすることを目的と
する。 【構成】 台車2の底面に、一対の梃子杆29,29a
とリンク30,30aとを倍力機構となる如く枢支・連
結させ、前記リンク30,30aに先端を連接した昇降
軸杆32を、第1の電動シリンダ24により作動する梃
子杆29,29aにより昇降させるように構成した台車
昇降装置21と、前記昇降軸杆32を第2の電動シリン
ダ43によりレバー体46を介して回動させるように構
成した台車転回装置22とを、制御装置56からの駆動
指令により駆動制御させて、薬液散布車1をハウス内の
所定位置で自動方向転換させるようにしたことを特徴と
する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、果実,野菜,苗木等の
ハウス栽培において、ハウス内の作物を病害虫から保護
するために、薬液を作物に対して効果的に散布する自走
薬液散布車の自動方向転換装置に関する。
【0002】
【従来の技術】近年、ハウス栽培は、高級な果実や旬の
野菜等季節を問わず栽培して消費者に提供することがで
きるように、大形化、集団化が進んでいる。ところが、
前記ハウス栽培は、その栽培環境が密閉,密植化されて
いるため、作物自体の抵抗力が露地栽培に比べて非常に
弱い。このため、病害虫の除去が作物の育成上非常に重
要となり、薬液を用いての防除作業を頻繁に行う必要が
あった。しかし、前記防除作業は、今日、薬液を散布す
る関係上、作業者を薬害による悪影響から保護するため
に、無人化が強く望まれている。
【0003】前記の問題に鑑み最近では、ハウス内の畝
間を無人走行させながら、薬液を栽培作物に散布する無
人の薬液散布車が開発されている。この薬液散布車とし
ては、たとえば、実公平1−11333号公報に示され
ているものが提案されており、その構造は、ハウス内に
複数条設けた畝の外側において、前記畝の長さ方向と直
交する方向でハウス内に敷設した金属製の走行レール
と、このレール上を往復移動する台車と、前記台車上に
畝の方向に向けて形成した案内路を乗降して畝間の通路
を前・後進して前記台車上に乗載する液体散布車とによ
って概略構成されている。
【0004】又、前記に関連して実開平1−73032
号公報にも薬液を散布するための自走台車が示されてお
り、この自走台車においては、台車の前・後部にバンパ
ー方式のスイッチ部材が取付けられており、前記自走台
車が所定の畝間の終端に達すると、台車の前部側に設け
たスイッチ部材が、畝間の終端に事前に立てておいた杭
等と衝接して投入されると、駆動源が逆回転して自走台
車が自動的に後退し、台車の後部側のスイッチ部材がス
タート地点に植設した杭等と衝接して自動停止する。そ
して、前記自走台車が畝間を一往復する間に、自走台車
に積載した薬液散布装置の噴霧ノズルから薬液を作物に
噴霧できるように、薬液散布車が概略構成されている。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】そして、前者、即ち、
実公平1−11333号公報記載の薬液散布車にあって
は、その畝替の走行に際して、あらかじめ、畝間の外側
に、該畝の長さ方向と直交して金属製の特殊な走行レー
ルをハウス内に敷設しなければならないので、その敷設
に手間と費用が嵩むことはもとより、生育した作物の出
荷等の作業に際しては、走行レールに足元を引掛る等の
危険が伴うため、ハウス内での作業を円滑に行うことが
できない問題があった。
【0006】又、後者、即ち、実開平1−73032号
公報記載の薬液散布車においては、そのスタート地点と
終端とに自走台車を停止させるための杭等を直立させ、
薬液散布車を前杭等に押し当ててスイッチ部材を切替え
ることにより、前進・後進・停止を行う構造となってい
るため、一つの畝の薬液散布を終えて次の畝に薬液散布
車を移動させる場合、前記杭が移動の大きな妨げとな
り、例えば、畝替えや方向転換等の作業に多大の労力を
要し、この結果、前記薬液散布車を婦人や老人等が簡単
に取扱うことができない問題があった。その上、各畝間
の始端と終端とに薬液散布の都度杭を植設するに際して
も、杭の運搬等を含めて労力と時間を要するため、薬液
散布はその事前の準備作業に手間がかかる問題があっ
た。
【0007】更に、前記後者の薬液散布車においては、
畝間を確かに無人走行して薬液を自動散布することがで
きる反面、畝替に際してはその都度作業者がハウス内に
入って、薬液散布車を手動で方向転換を行って次の畝間
に移動させなければならない。従って、作業者は噴霧さ
れた薬液が充満しているハウス内に入って薬液散布車を
手動操作することとなるため、薬液により身体が悪影響
を被るおそれがあり、その改善が強く望まれていた。
【0008】本発明は、前記の問題点に鑑み、薬液散布
車に自動方向転換装置を具備させて畝替走行を無人で行
うことにより、ハウス内での薬液散布車の完全な無人走
行を可能とし、作業者を薬液散布による薬害から保護す
るとともに、薬液の散布を迅速・容易に行うことができ
る自動方向転換装置を備えた自走薬液散布車を提供する
ことを目的とする。
【0009】
【課題を解決するための手段】本発明は、前・後輪の車
輪を備えた台車上に、送液ホースの巻取・繰出を自動的
に行うための巻取ドラムと、薬液の噴霧ノズルを上下方
向に複数個配設して台車の前部側に植立した噴霧管と、
駆動電源としてのバッテリー等を乗載し、台車の底面側
には、前記バッテリーにより駆動して台車を前・後進さ
せる電動機と、一対の梃子杆及びこの梃子杆に枢着した
一対のリンク、該リンクの交点側に枢着した台車昇降用
の昇降軸杆、並びに、この昇降軸杆の先端に止着した昇
降ベース、更に、前記一対の梃子杆を駆動する第1の電
動シリンダとを備えて構成した台車昇降装置と、前記昇
降装置の昇降軸杆を支点として第2の電動シリンダによ
り台車を一定の高さ上昇させた状態で、所定の角度転回
させる台車転回装置とからなる自動方向転換装置を取付
けて自走薬液散布車を構成する。
【0010】そして、更に、前記薬液散布車には、これ
を駆動制御させるための制御手段、即ち、薬液散布車の
走行速度制御手段と、薬液散布の制御手段と、薬液散布
車の移動位置と転回位置検出手段と、前記転回位置にお
いて薬液散布車を昇降させる昇降制御手段と、該散布車
の上昇後これを所定の角度転回させる旋回制御手段とを
備え、これら、各制御手段を、例えば、1チップマイク
ロコンピュータを有する制御装置により駆動制御するよ
うに構成したので、その作用は次に示すとおりである。
【0011】
【作用】本発明は、薬液散布に際して、あらかじめ、制
御装置によって薬液散布車の運転(使用)状況を設定
し、かつ、ハウス内においては、薬液散布車の移動位置
及び転回位置検出用の磁石等からなる停止検出部材を事
前に配置しておく。そして、薬液の散布に際しては、薬
液散布車を所定の畝まで移動させて薬液の散布を開始
し、散布車が一定の距離前進して、例えば、畝の終端に
配置した検出部材を検出すると一旦停止し、このあと、
直ちに後退を開始して往路のスタート位置まで戻る。
又、薬液散布車の前進・後退時における薬液の散布は、
すべて薬液制御手段により事前に設定する。
【0012】次に、前記薬液散布車が往路地点に戻り、
散布を終えた畝から次の畝間に移動させる場合は、散布
車が往路地点に戻った時点で転回位置検出用の検出部材
を検出すると、制御装置の昇降制御手段からの指令によ
り台車昇降装置が駆動して薬液散布車を一定の高さ上昇
させ、つづいて、制御装置の転回制御手段により台車転
回装置が駆動して散布車を設定方向に約90°転回させ
る。転回後は昇降装置により散布車を着地させて次の転
回位置、即ち、次の畝間まで移動させてから、再度、台
車昇降装置及び転回装置を駆動して散布車を畝間と平行
する方向に転回したあと、その畝間を移動させながら薬
液の散布が行えるように薬液散布車が構成されているの
で、ハウス内での薬液散布は、前記散布車をハウス内の
所定位置からスタートさせるだけで、無人操作により迅
速・容易に行うことができるとともに、散布車の畝替作
業も無人で行うことができるため、薬液散布が円滑に行
えることはもとより、作業者は薬液散布中のハウス内に
入る必要がないので、薬害から確実に保護することがで
きる。
【0013】更に、薬液散布車はハウス内での畝替によ
る方向転回を行う場合、制御装置に組込んだ昇降制御手
段と転回制御手段からの指令により、台車の底面裏側に
設けた台車昇降装置と台車転回装置とを、所要の転回位
置で駆動制御させることによって、自動的に方向転換が
行えるため至便であるとともに、前記台車昇降及び転回
の各装置は、台車の底面裏側の空所を利用して取付ける
ことが可能となり、特別な取付スペースを必要としな
い。
【0014】その上、前記台車昇降装置は一対の梃子杆
と、この梃子杆に連接したリンクとの枢支・結合による
倍力機構の採用により、重量のある薬液散布車を小さな
力で迅速・安全に昇降させることが可能となり、しか
も、散布車は一定の高さ上昇させてから転回させるた
め、大きな力が不要となり、これにより、昇降装置及び
転回装置自体を小形・軽量に、かつ、安価に製作するこ
とができる利点もある。
【0015】
【実施例】以下、本発明の実施例を図1ないし図10に
より説明する。最初に、自走薬液散布車(以下、単に散
布車と称する)の詳細な構成を図1ないし図8を用いて
説明する。図2において、1は散布車で、2はその台車
を示し、この台車2の一側部には、台車2の前部に積載
したバッテリー3を駆動電源として駆動する散布車1駆
動用の電動機4が取付けられている。この電動機4は図
3で示すように、回転子軸aと台車2に取付けた駆動回
転部材5とをチェーン又はタイミングベルト等の駆動結
合手段bにより、駆動結合し、更に、前記駆動回転部材
5と、台車2の前・後部側に懸架した車軸6,7とを、
前記同様の駆動結合手段cを用いて結合することによ
り、車軸6,7に取付けた前輪8及び後輪9に電動機4
の回転力を伝達して台車2を前・後進させる。
【0016】10は台車2上に平面形状がほぼ矩形状と
なるように枠組して形成した支持枠体で、その前部側に
は、図1で示すように、送液ホース11の巻取ドラム1
2が図示しない軸受部材を介して回転自在に支承保持さ
れており、又、後部側は台車2を手動操作するためのハ
ンドル10aが一体に設けられている。そして、前記巻
取ドラム12は、駆動回転部材5との間をチェーン等の
駆動結合手段dにより駆動結合させることによって、台
車2の走行速度とほぼ同期回転させ、送液ホース11を
巻戻(散布車1の前進時)したり、巻取(散布車1の後
退時)ることができるようになっている。更に、前記巻
取ドラム12は台車2の後部側に載置した周知のホース
整列巻装置13とも駆動結合手段eにて駆動結合され、
散布車1の前進時に繰出された送液ホース11を、散布
車1の後退時巻取ドラム12に良好に整列巻きすること
ができるようになっている。14は送液ホース11と接
続された巻取ドラム11内の図示しないホース継手部材
の他方に、巻取ドラム12の回転の妨げとならないよう
に接続した薬液供給管で、台車2上に設けた電動バルブ
15と接続されている。
【0017】図1において、16は台車2の前部側に止
着した支持具17によって垂直に支持される噴霧管で、
前記電動バルブ15とはホース部材18及び図示しない
流量センサ等を介して連接されている。19は前記噴霧
管16に、その高さ方向に沿って複数段にわたり噴霧口
を互いに入れ違い方向となして取付けた噴霧ノズルであ
る。
【0018】次に、図1及び図5において、散布車1の
走行方向を自動的に変換する転換装置の構成を説明す
る。前記自動方向転換装置20は台車2内に格納されて
おり、その構成は大別すると、台車昇降装置21と台車
転回装置22とからなる。つづいて、図6,図7におい
て台車昇降装置21の詳細構造を説明する。23は台車
2内に垂設した断面コ字形の取付枠体で、内部には台車
昇降装置21の駆動源となる第1の電動シリンダ24
が、その後部側を、図6に示す如く取付枠体23の一方
の端部(図7の右方向)において、その壁体f,gに開
口した窓孔h内に移動可能に取付けた取付ピン25に枢
着し、又、前部側は図6で示すように、取付枠体23の
他方の端部側において、壁体f,gに開口した窓孔i内
を移動する取付ピン25aにシリンダ26のヘッド26
aを枢着することにより、前記電動シリンダ24は取付
枠体23に窓孔h,iの範囲内で横移動可能に取付けら
れている。27、27aは取付枠体23の窓孔h,i
に、前記取付ピン25,25aと対応して移動可能に取
付けた連結ピンで、これら連結ピン27,27aと取付
ピン25,25aは連結板28にて相互に駆動可能に連
結されている。29,29aは取付枠体23の壁体f,
gに、前記連結ピン27,27aを介してそれぞれ各一
対ずつ基端を枢支したほぼヘ字形の梃子杆で、図6で示
すように、各一対の梃子杆29,29aはその先端側で
鋏状(X状)に交錯させて枢支ピンjにより回動自在に
枢支されており、これら、各梃子杆29,29aの先端
にはそれぞれリンク30,30aの一方端が枢着されて
いる。
【0019】31は梃子杆29,29aの基端側の中間
位置において、取付枠体23の壁体f,g間にまたがっ
て固着した昇降座で、この昇降座31には図6で示すよ
うに、第1及び第2の昇降軸杆32,33を昇降可能に
挿入した嵌合筒体34が、軸受35を介して回動自在に
嵌合保持されている。そして、前記嵌合筒体34と昇降
軸杆32,33は、それぞれキー36にて共動回転可能
に嵌合保持されており、更に、第2の昇降軸杆33に嵌
合した第1の昇降軸杆32の先端(図6の下方)は、図
6のように、地表面Pに着地する昇降ベース37をボル
ト等にて止着するとともに、該昇降ベース37の上面側
に取付けた軸受保持部材38に、軸受39を介して回転
自在に挿通・支持されている。一方、梃子杆29,29
aに一方端を枢着したリンク30,30aの他方端は、
図6で示すように、枢軸40により一体的に枢支させて
前記軸受保持部材38の周縁に駆動可能に枢支されてい
る。なお、図6において、41は嵌合筒体34のほぼ中
央部の外側に嵌合した軸受部材で、板状の支持部材42
により取付けられて、前記嵌合筒体34を、円滑に回動
するよう軸受35とともに支承保持している。
【0020】つづいて、台車転回装置22の構造を図6
により説明する。43は前記転回装置22を駆動する第
2の電動シリンダで、その後部側(図6の右側)は、取
付枠体23の他方の端部に支持軸44にて回動自在に枢
支されており、又、前部側は、シリンダ45のヘッド4
5aに図7で示すように、ほぼL字形に形成したレバー
体46の基端を枢着し、かつ、このレバー体46の先端
を、昇降座31の切欠孔47に通して嵌合筒体34に止
輪等を用いて一体的に止着して、前記第2の電動シリン
ダ45を取付枠体23の下側に取付けることにより構成
されている。
【0021】そして、前記第1,第2の電動シリンダ2
4,43は図8で示すように、それぞれ同一構造で製作
されたものを使用しているので、その構造は第1の電動
シリンダ24を例として説明する。即ち、図8におい
て、48は電動機、49は電動機軸50とシリンダ26
内の螺軸51との間に挿設した減速歯車群を示し、前記
螺軸51には、シリンダ26の内側に形成した係止溝5
2に回転不能に係合させた螺筒53が螺装されており、
この螺筒53に、シリンダヘッド26aを先端に備えた
シリンダ26の基端を固着することによって、電動シリ
ンダ24,43を構成し、前記電動機48を駆動する
と、螺軸51が回転し、該螺軸51に螺合した螺筒53
を左右動させ、この螺筒53に止着したシリンダ26,
45を進退させることにより、台車昇降装置21及び台
車転回装置22を駆動するものである。
【0022】次に散布車1及びこの散布車1の自動方向
転換装置20を駆動制御する制御装置56について説明
する。この制御装置56は散布車1に被装したカバー体
55の上面後背部に取付けられており、その概略構成は
図9で示すように、1チップマイクロコンピュータ57
(以下、単に、マイコンという)と、前記マイコン57
の入力端側に接続される散布車1の運転操作を行うため
のスイッチ回路58と、センサ回路59と、電動シリン
ダ24,43の制御スイッチ回路60と、前記マイコン
57の出力端側に接続される指令信号発生回路61(散
布車1駆動用電動機4,電動バルブ15,電動シリンダ
24,43に駆動指令信号を出力したり、スイッチ回路
58の動作状況を表示させる指令信号を出力するための
回路が内蔵されている)と、前記駆動用電動機4、電動
シリンダ24,43等に駆動電源を供給するためのバッ
テリ3を備えた図示しない電源回路とからなり、前記マ
イコン57及び各回路58〜61には、電源回路から定
電圧電源装置を介して所定電圧に降圧して安定化させた
定電圧電源Vccがそれぞれ供給される。
【0023】そして、前記各回路58〜61において、
スイッチ回路58には、電源スイッチS1 と、散布車1
の走行速度を、例えば、「高速,中速,低速」の三段階
に切替えるための速度設定スイッチS2 と、散布車1の
転回方向を設定するための転回スイッチS3 と、薬液の
散布モードを設定するための散布モード設定スイッチS
4 と、散布車1の運転スイッチS5 と、更に、散布車1
を手動操作にて前進,後退,停止を行わせるための各ス
イッチS6 〜S8 とを備え、これら各スイッチ類はその
一方を電源回路の定電圧電源Vccと接続し、他方はマ
イコン57の入力端I1 〜I8 と個別に接続されてい
る。
【0024】又、センサ回路59は、散布車1の前面上
部側に取付けた散布開始位置検出用センサ59Fと、散
布車1の前部下側に取付けた前進停止位置検出用センサ
59Rと、散布車1の台車2中央の側面に取付けた後退
停止(散布車1の転回)位置検出用センサ59Sと、散
布車1の後面上部側に取付けた散布車1の散布終了位置
検出用センサ59Eとからなり、本例では前記各センサ
に、磁気センサを使用している。そして、前記散布車1
の移動を所定の位置で停止させる場所には、図13で示
すように、前記各センサ59F,59R,59S,59
E類にて個別に検出可能な磁石等からなる検出部材A〜
Dが事前に配設されており、前記各センサ59F,59
R,59S,59E類は、電源回路の定電圧電源Vcc
と接続され所定の検出部材A〜Dを個々に検出すると、
その検出信号をマイコン57の人力端I9 〜I12に送出
するように構成されている。
【0025】更に、制御スイッチ回路60は、電動シリ
ンダ24,43のシリンダヘッド26a及び45aが、
シリンダ26,45から一定の長さ進出した地点及び後
退した地点に達したとき、前記電動シリンダ24,43
を停止させるだめの、例えば、リミットスイッチLS1
〜LS4 からなり、その一方端は電源回路の定電圧電源
Vccに、他方端はマイコン57の入力端I13〜I16
個別に接続されている。又、マイコン57の出力端側に
接続される指令信号発生回路61は、駆動用電動機4,
電動バルブ15,電動シリンダ24,43の各通電回路
を開閉させるための、例えば、リレー回路と、所要のス
イッチの投入状態を表示させるための発光ダイオード等
の発光手段Lを点灯,消灯させるための表示回路とを、
それぞれ出力端O1 〜O5 に接続することによって構成
されている。
【0026】そして、前記マイコン57には散布車1を
運転制御するための、例えば、次に示すような制御シー
ケンスが事前にプログラム設定されており、その概略を
説明すると、 (1)散布車1の運転指令の設定 これは散布車1のスタート地点からの前進・転回・昇降
・後退・終了の各指令と、散布車1の自動・手動運転の
指令、 (2)散布車1の走行速度指令の設定 走行速度を例えば、三段階切替に切替えるための指令、 (3)薬液散布モードの設定 散布車1が畝間を前進したり、後退したり、あるいは、
畝間の往復運転時のみ薬液を散布する指令と、それ以外
における薬液の不散布指令、 (4)台車転回装置22駆動時における送液ホース11
の巻戻し及び巻取り指令の設定 散布車1を畝間と平行させる方向に転回するときは、散
布車1が転回している間巻取ドラム12を、送液ホース
11を巻戻す方向に駆動する指令(駆動用電動機4の駆
動指令)と、散布車1を畝間と直交させる方向に転回す
る場合は、散布車1が転回している間巻取ドラム12
を、送液ホース11を巻取る方向に駆動する指令(駆動
用電動機4の駆動指令) (5)センサ回路59の動作順序の設定 散布車1の駆動により、散布開始位置検出用センサ59
F→前進停止位置検出用センサ59R→後退停止位置検
出用センサ59S→散布終了位置検出用センサ59Eの
順序で前記センサ類を作動させる指令 (6)発光手段Lの点灯表示指令の設定 制御装置56の操作部62に配置したスイッチ回路58
の所定スイッチを投入したとき、そのスイッチが投入さ
れたことを点灯表示させるための指令、等が詳細にプロ
グラム設定されている。
【0027】次に、本発明の動作について説明する。最
初に、ハウス内の薬液散布に先立ち、図13で示すよう
に、散布車1の移動位置設定用の検出部材A〜Dをハウ
ス内に配置する。即ち、図13において、検出部材Aは
散布車1による薬液散布開始位置に配置し、又、検出部
材Bは各畝F1 〜F4 間の終端(前進停止位置)に配置
し、検出部材Cは各畝F1 〜F4 間の始端(転回位置)
に配置し、検出部材Dは散布終了位置に配置する。そし
て検出部材A,Dは、散布車1に取付けたセンサ59
F,59Eの取付場所との関係から、図示しない杭を用
いて、前記センサ59F,59Eと対向できる高さ位置
で設定してあり、残りの検出部材B,Cは所定位置に埋
設してある。つづいて、巻取ドラム12に巻取った送液
ホース11をハウス外の図示しない動力噴霧装置と接続
する。
【0028】このあと、散布車1の運転及び散布モード
の設定を行う。本例では、図13で示すように、散布車
1をハウス内の散布終了位置を示す検出部材Dの場所ま
で移動させた状態で説明する。モード設定に際しては、
図10で示す制御装置56の操作部62に配設したスイ
ッチ回路58の各スイッチを操作して行うもので、最初
に電源スイッチS1 を投入したら、つづいて、散布車1
の走行速度を設定する。この場合は、速度設定スイッチ
2 を1回押すと「高速」、2回押すと「中速」という
ように、事前にマイコン57にて速度プログラムが設定
されているので、薬液を散布する栽培作物に応じて設定
する。前記走行速度の設定後、つづいて、薬液の散布モ
ードの設定を行う。この場合も、例えば、散布車1の前
進時のみか、後退時のみか、あるいは、往復時とも散布
するのか、というモードが事前にプログラム設定されて
いるので、走行速度の設定と同様に、散布モード設定ス
イッチS4 を所定回数押すことによってマイコン57に
事前にプログラムされている散布モードの設定を行う。
更に、散布車1を各畝F1 〜F4 で走行させる場合、各
畝F1 〜F4 が図13で示すように、散布車1の進行方
向に対して右側に位置しているときは、散布車1の転回
方向を設定するため転回スイッチS3 を押す。この場合
も、例えば、マイコン57により転回スイッチS3 を1
回押せば「右」,2回押せば「左」となるようにプログ
ラム設定を行うことにより、散布車1を走行させる畝が
どちらの方向に位置していても、散布車1を任意の方向
に転回させることができる。前記のように、散布車1の
走行速度、散布モード、転回方向を事前に所定のスイッ
チを投入して設定したあと、操作部62の運転スイッチ
5 を投入する(図11のS5 参照)。
【0029】前記運転スイッチS5 の投入により、電動
機4はマイコン57の出力端O1 からの駆動指令にて起
動するため、散布車1は図13で示すように、ハウス内
の所定のスタート地点から事前に設定された走行速度で
巻取ドラム12より送液ホース11を順次繰出しながら
直進を開始する(図11の1・進参照)。この場合、散
布車1は各畝F1 〜F4 間の始端に配置した検出部材C
上を通過するが、散布車1の前面に設けた散布開始位置
検出用センサ59Fにて、薬液散布開始位置の検出部材
Aを検出するまでは、各畝F1 〜F4 間の始端に配置し
た転回位置検出部材Cを、後退(転回)位置検出用セン
サ59Sにて検出できないようにプログラム設定されて
いるため、散布車1は直進を続行する。そして、前記セ
ンサ59Fにて検出部材Aを検出すると、その検出信号
により電動機4にマイコン57の出力端O1 から停止指
令が出力されて電動機4は駆動が停止されるため、散布
車1は一旦その地点で停止する(図11の1・進及び5
9F参照)。
【0030】散布車1が検出部材Aを検出して停止する
と、マイコン57の出力端O3 から電動シリンダ24に
駆動指令が出力されて台車昇降装置21を駆動する。即
ち、電動シリンダ24は電動機48にて螺軸51が回転
し、シリンダ26を図1の如く進出している状態から、
電動シリンダ24内に後退させる。この結果、電動シリ
ンダ24の後部と、シリンダヘッド26を枢着した連結
板28,28が図5,図6で示すように、窓孔h,i内
を互いに相対する方向に移動する。このため、前記連結
板28,28にそれぞれ枢支した梃子杆29,29a
は、その基端がそれぞれ枢支ピンjを支点として第1,
第2の昇降軸杆32,33の中心(軸芯)方向に移動
し、又、前記梃子杆29,29aの先端に枢着したリン
ク30,30aも同様に枢支ピンj側に回動させる。こ
の結果、梃子杆29,29aとリンク30,30aとの
枢支点Xには、梃子の作用にて大きな力が加わり、これ
を前記リンク30,30aの交点、即ち、枢軸40に伝
達する。従って、第1、第2の昇降軸杆32,33は嵌
合筒体34から突出して昇降ベース37を地表面Pに降
下させ、昇降ベース37が地表面Pに着地すると、この
状態で、散布車1を図5に示すように、上方に押し上げ
る。そして、シリンダ26が一定の長さ電動シリンダ2
4内に後退すると、リミットスイッチLS1 が開放され
て、電動シリンダ24にはマイコン57から停止指令が
出力されて、電動シリンダ24の駆動を停止し、散布車
1の上昇を止める(図11の21・U及びLS1
照)。
【0031】前記のようにして台車昇降装置により散布
車1を一定の高さ上昇させると、即ち、リミットスイッ
チLS1 が作動すると、マイコン57の出力端O4 から
第2の電動シリンダ43に駆動指令が出力され、電動シ
リンダ43を起動し、シリンダ45を電動シリンダ43
から進出させる。シリンダ45の進出により、そのシリ
ンダヘッド45aと嵌合筒体34とを連結しているレバ
ー体46を、図7に1点鎖線で示すように、昇降座31
を中心として約90°回動させる。この結果、台車転回
装置22は起動し、前記レバー体46の回動により、散
布車1を、図4の実線の位置から2点鎖線で示すよう
に、前記嵌合筒体34を中心としてあらかじめ設定した
「右方向」に、約90°回動させる。即ち、図13で示
すように、散布車1を畝F1 ,F2 間と平行させて走行
できる方向(畝F1 ,F2 間と平行する方向)に転回さ
せる。そして、散布車1が一定の角度回動すると、リミ
ットスイッチLS2 が開放され、これにより、マイコン
57の出力端O4 から第2の電動シリンダ43に停止指
令が出力されて、散布車1の回動を止める(図11の4
3・R及びLS2 参照)。なお、台車転回装置22によ
り散布車1が転回している間は、駆動用電動機4にマイ
コン57から駆動指令が出力され、巻取ドラム12を駆
動して送液ホース11を一定の長さ巻戻す。
【0032】前記のように、散布車1の回動が停止する
と、再度マイコン57の出力端O3から第1の電動シリ
ンダ24に駆動指令が出力され、電動機48を上昇時と
は逆方向に回転させてシリンダヘッド26aを進出さ
せ、梃子杆29,29aを、枢支ピンjから遠ざかる方
向に移動させる。この結果、第1,第2の昇降軸杆3
2,33は順次嵌合筒体34に収納され、散布車1を上
昇位置から地表面P側に降下させる。そして、前記梃子
杆29,29aが、所定の長さ窓孔h,iを取付枠体2
3の端部方向に移動すると、即ち、散布車1が着地し、
かつ、昇降ベース37が所定の高さ上昇するとリミット
スイッチLS3 が開放されて第1の電動シリンダ24を
駆動を停止させる。(図11の21・d及びLS3
照)。前記のようにして、散布車1の畝F1 ,F2 間へ
の転換が完了すると、散布車1はマイコン57の出力端
1 ,O2 からの指令信号にて、駆動用電動機4を駆動
させるとともに、電動バルブ15を開放する(図11の
1・進及び15参照)。
【0033】前記により、散布車1は設定された走行速
度及び散布モードにより、畝F1 ,F2 間を走行しなが
ら薬液を畝の栽培作物に噴霧を開始する。この際、散布
車1は巻取ドラム12より送液ホース11を繰出しなが
ら薬液の散布を行う。そして、前記散布車1が畝F1
2 間の終端に達すると、散布車1の前部下側に取付け
た前進停止位置検出センサ59Rが、前記畝F1 ,F2
間の終端に配置した検出部材Bを検出すると、その検出
信号によりマイコン57の出力端O1 から電動機4に停
止指令が出力されて散布車1は畝F1 ,F2 間の終端で
一旦停止する。そして、前記散布車1が停止すると、再
度マイコンO1 から電動機4を逆回転する駆動指令が出
力され、散布車1は前記終端位置から畝F1 ,F2 間の
始端位置まで後退を開始する。散布車1の後退時、巻取
ドラム12も逆回転し、巻戻しされた送液ホース11
を、ホース整列巻装装置13により巻取ドラム12に整
列巻させて、散布車1が後退する際に送液ホース11が
散布車1等と絡まるのを阻止する(図11の59R及び
1・後参照)。
【0034】散布車1が畝F1 ,F2 間の始端まで後退
し、該始端に配置しておいた検出部材Cを散布車1の側
面下側に取付けた後退(転回)位置検出センサ59Sが
検出すると、散布車1はマイコン57からの指令にて畝
1 ,F2 間の始端で停止する。前記散布車1が停止す
ると、前記同様に、マイコン57の出力端O3 から電動
シリンダ24に駆動指令が出力され、台車昇降装置21
を作動させ、昇降ベース37を梃子杆29,29aとリ
ンク30,30aとによる倍力機構により、地表面P側
に降下させて散布車1を図5で示すように、上方に押し
上げる(図11の59S及び21・U参照)。散布車1
が一定の高さ押し上げられると、リミットスイッチLS
1 が作動して第1の電動シリンダ24は停止する。つづ
いて、マイコン57の出力端O4 から第2の電動シリン
ダ43を駆動させる指令が出力され、台車転回装置22
を作動させ、前記地表面Pから一定の高さ押し上げられ
た散布車1を、嵌合筒体34を中心として「左方向」に
約90°回動させる(散布車1を畝F1 ,F2 間と直交
する方向に回動する)。即ち、第2の電動シリンダ43
のシリンダ45を図7において、実線で示す如く電動シ
リンダ43内に後退させ、これにより、レバー体46を
実線で示す位置まで回動させる。この結果、散布車1は
図4の2点鎖線で示す位置から実線で示す位置まで嵌合
筒体34を支点として「左方向」に約90°回動させる
(図11のLS1 ,43・L参照)。そして、前記電動
シリンダ43が図7で示す原位置(実線の位置)まで戻
ると、リミットスイッチLS2 が閉路し、かつ、リミッ
トスイッチLS4 が開放され、これにより、、マイコン
57の出力端O4 から第2の電動シリンダ43に停止指
令が出力されて、散布車1の回動を止める(図11の4
3・L,LS2 ,LS4参照)。なお、台車転回装置2
2により散布車1が転回している間は、駆動用電動機4
に駆動指令がマイコン57より出力され、巻取ドラム1
2を駆動して送液ホース11を一定の長さ巻取る。
【0035】散布車1の回動が停止すると、マイコン5
7の出力端O3 より第1の電動シリンダ24に駆動指令
が出力されて、台車昇降装置21を駆動し、昇降ベース
37を上昇させて散布車1を地表面Pに着地させる(図
11の21・d及びLS3 参照)。散布車1が着地する
と、マイコン57の出力端O1 から散布車1を後退させ
る指令が出力され、これにより、電動機4は前記のよう
に逆回転して次の畝F2 ,F3 間の位置まで送液ホース
11を巻取ドラム12により巻取りながら後退し、後退
(転回)位置検出センサ59Sにて前記畝F2 ,F3
の始端に配置した検出部材Cを検出すると、散布車1は
畝F2 ,F3 間と直交した状態で、マイコン57の指令
にて停止する。そして、散布車1は前記検出部材Cの検
出により停止すると、マイコン57からの指令で再度台
車昇降装置21及び台車転回装置22が作動し、散布車
1を昇降させながら畝F2 ,F3 間と平行する方向に転
回させ、転回後は直ちに畝F2 ,F3 間を直進して薬液
の散布を行うものである(図11の1・後,59S,2
1・U,LS1 ,43R,LS2 ,21・d,LS3
1・進,15参照)
【0036】前記のように、本発明においては、散布車
1が所定の畝F1 〜F4 間の散布を終了してその畝F1
〜F4 間の始端まで後退すると、後退(転回)位置検出
センサ59Sにより検出部材Cを検出する。すると、散
布車1はマイコン57からの指令により、台車昇降装置
21及び台車転回装置22が作動して畝間と直交する方
向に転換を自動的に行い、方向転換を行ったまま後退
し、次の畝間を示す検出部材Cを検出すると、再度前記
とは逆方向、即ち、散布を行う畝間と平行する方向に転
換を行って次の畝間の散布を行うものである。そして、
最終の畝F3 ,F4 の間の薬液散布が終了すると、散布
車1は図13で示すように、散布終了位置検出用センサ
59Eにて検出部材Dを検出すると、所定のハウスにお
ける薬液散布を終了するものである。
【0037】なお、散布車1を次のハウスに移動させる
場合とか、保管場所まで移動するようなときは、制御装
置56の操作部62の前進スイッチS6 や後退スイッチ
7を手動で投入している間、マイコン57からの指令
により電動機4を駆動するようにプログラム設定されて
いるので、散布車1の手動操作による移動も容易に行う
ことができる。
【0038】
【発明の効果】本発明は、以上説明したように、ハウス
内の各畝間を走行しながら薬液を散布する散布車の台車
部分に、散布車自体を昇降させる台車昇降装置を具備さ
せるとともに、前記台車昇降装置にて散布車を地表面か
ら一定の高さ上昇させたとき、散布車を前記上昇地点に
おいて一定角度転回させる台車転回装置を設け、前記散
布車が、薬液を散布する所定の畝間の始端位置の地点ま
で移動したとき、散布車に取付けた磁気センサ等の検出
センサが、前記地点に事前に配置した検出部材を検出す
ると、前記台車昇降装置と台車転回装置とが、制御装置
からの指令で作動し、散布車を薬液を散布する畝間と平
行となるよう自動的に転回させて畝間を走行させること
ができるように構成したので、ハウス内の薬液散布に際
しては、従来のように、散布車を畝替の都度、作業者が
ハウス内に入って散布車を手動又は人力により、次の畝
間まで移動させて散布車の畝替を行う必要が全くないの
で、薬液の散布作業は人力を要することなく自動的に、
かつ、迅速容易に行うことができ、しかも、作業者は薬
液が散布によって充満しているハウス内に入って散布車
の畝替を行わなくてもよいため、薬液による弊害から作
業者を確実に保護することができる。
【0039】又、散布車に具備した台車昇降装置は、一
対の梃子杆と、この梃子杆に連接した一対のリンクとを
倍力機構となる如く枢支・結合させ、前記一対のリンク
に連繋した昇降軸杆を、電動シリンダにて駆動する梃子
杆により、上下動させて、散布車を昇降するように構成
したので、台車昇降装置は梃子杆とリンクとを倍力機構
となるよう結合させて製作すればよいため、簡素に構成
でき、台車底面の狭隘な場所に容易に取付けることがで
きる。しかも、倍力機構の原理を応用しているため、電
動シリンダも低トルクのものを使用しても、重量のある
散布車を迅速・安全昇降することができる。
【0040】更に、本発明は、前記台車昇降装置にて地
表面から一定の高さ上昇させた散布車を一定の角度、即
ち、散布車を畝間の方向と平行する角度(約90°)だ
け転回させる台車転回装置は、台車昇降装置の昇降軸杆
を支点として、第2の電動シリンダにより前記上昇して
いる散布車を回動させる構造となっているため、散布車
の転回に際しては、散布車を台車昇降装置にて事前に上
昇させていることと相まって、散布車を小さな力で容易
に転回することが可能となる。従って、前記台車転回装
置も、台車昇降装置と同様に簡素な構成で小形化するこ
とができる。この結果、本発明の自動方向転換装置は、
散布車の狭隘な台車の底面に散布車の運転を妨げること
なく容易に具備させることができる。しかも、前記散布
車の転回時においては、散布車の転回と巻取ドラムの駆
動とを同時に行うことにより、送液ホースを一定の長さ
巻戻したり、巻取るように構成したので、散布車の転回
は送液ホースに妨げられることなく円滑に行うことがで
きるとともに、転回によって送液ホースが弛むという事
態を確実に解消することができるので、散布車の運転再
開時、送液ホースの絡りによって散布車の運転を妨げる
ようなことは全くないため、薬液の散布作業を良好に行
うことができる利点もある。
【0041】その上、本発明は散布車の転回位置に、散
布車に設けた検出用センサにて検出される検出部材を、
ハウス内の地表面の所定位置に配置するだけでよいの
で、従来のように、転回位置毎に杭等を打込んで散布車
を停止させ、人力で散布車を移動する場合のように、移
動に際して杭等がじゃまになるということが全くないの
で、散布車の無人走行、転回が容易に、かつ、確実に行
い得、これにより、ハウス内における薬液散布作業の完
全な無人化を可能とし、薬液の散布作業を迅速・容易
に、しかも、安全に行うことができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の自動方向転換装置を備えた自走薬液散
布車の一部を切欠いてその概略構造を示す側面図であ
る。
【図2】自走薬液散布車の概略構造を示す側面図であ
る。
【図3】自走薬液散布車の底面図である。
【図4】本発明の自動方向転換装置を駆動して自走薬液
散布車を転回した状態を示す説明図である。
【図5】本発明の自動方向転換装置の動作状態を示す説
明図である。
【図6】自動方向転換装置の要部を縦断して示す拡大断
面図である。
【図7】同じく要部を横断して示す拡大平面図である。
【図8】電動シリンダの要部縦断面図である。
【図9】制御装置を概略的に示す電気回路図である。
【図10】制御装置の操作部を拡大して示す平面図であ
る。
【図11】制御装置の動作状況を説明するためのタイミ
ングチャート図である。
【図12】本発明の自動方向転換装置を具備した自走薬
液散布車を示す斜視図である。
【図13】自走薬液散布車の使用状態を概略的に説明す
るための説明図である。
【符号の説明】
1 自走薬液散布車 2 台車 4 駆動用電動機 20 自動方向転換装置 21 台車昇降装置 22 台車転回装置 24 第1の電動シリンダ 29 梃子杆 29a 梃子杆 30 リンク 30a リンク 32 昇降軸杆 33 昇降軸杆 34 嵌合筒体 37 昇降ベース 43 第2の電動シリンダ 56 制御装置
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 村松 正敏 愛知県春日井市愛知町1番地 愛知電機株 式会社内

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 薬液散布車の前進・後退と共動して送液
    ホースの巻戻し巻取りを行う回転ドラムを備えた台車の
    下側に、昇降可能に、かつ、回動自在に取付けた昇降軸
    杆を第1の電動シリンダにて昇降可能に連接して構成し
    た台車昇降装置と、前記昇降軸杆をレバー体を介して第
    2の電動シリンダにて一定角度回動可能に連接して構成
    した台車転回装置とを制御装置にて駆動制御可能に具備
    させたことを特徴とする自走薬液散布車の自動方向転換
    装置。
  2. 【請求項2】 前記台車昇降装置は、X字状に配置され
    て基端を第1の電動シリンダと共動可能に枢着した一対
    の梃子杆と、V字状に結合して先端の結合点を昇降軸杆
    の突端に枢支し、かつ、他端を前記梃子杆の先端に枢着
    した一対のリンクとによって構成したことを特徴とする
    請求項1記載の自走薬液散布車の自動方向転換装置
  3. 【請求項3】 前記台車転回装置は、昇降軸杆を昇降及
    び回動可能に挿入して台車に取付けた取付座に回動自在
    に、かつ、昇降不能に嵌合した嵌合筒体と、この嵌合筒
    体を、第2の電動シリンダの往復運動を回動運動に変換
    するレバー体を介して前記第2の電動シリンダとを連接
    して構成したことを特徴とする請求項1記載の自走薬液
    散布車の自動方向転換装置。
  4. 【請求項4】 前記台車昇降装置と台車転回装置は、ハ
    ウス内において薬液散布車の転回位置に配置した検出部
    材を、台車に具備した磁気センサ等の検出用センサにて
    検出したとき、制御装置からの指令にて駆動制御させる
    ように構成したことを特徴とする請求項1記載の自走薬
    液散布車の自動方向転換装置。
  5. 【請求項5】 台車転回装置の駆動時、台車に備えた巻
    取ドラムを、制御装置の指令により駆動制御させて送液
    ホースを一定の長さ巻戻し及び巻取るように構成したこ
    とを特徴とする請求項1及び3記載の自走薬液散布車の
    自動方向転換装置。
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