JPH05293365A - 脱酸素剤の製造方法 - Google Patents
脱酸素剤の製造方法Info
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- JPH05293365A JPH05293365A JP9836792A JP9836792A JPH05293365A JP H05293365 A JPH05293365 A JP H05293365A JP 9836792 A JP9836792 A JP 9836792A JP 9836792 A JP9836792 A JP 9836792A JP H05293365 A JPH05293365 A JP H05293365A
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Abstract
(57)【要約】
【目的】 水分含有率1重量%以下で金属粉粒子表面に
微細な金属ハロゲン化物を均一かつ強固に付着結合させ
反応効率の優れた脱酸素剤を製造する。 【構成】 あらかじめ金属粉の粒径に対する金属ハロゲ
ン化物の粒径比が0.1以下となるように金属ハロゲン
化物を微粉砕し、水分含有率が1重量%以下の金属粉1
00重量部に対して0.1〜5重量部の金属ハロゲン化
物の割合で、金属粉表面に金属ハロゲン化物の微粒子を
付着させて金属粉と金属ハロゲン化物の複合粒子とし、
さらに衝撃力および摩擦力を作用して金属粉表面に金属
ハロゲン化物が強固な付着ができる固定化処理すること
を特徴とする脱酸素剤の製造方法。 【効果】 従来剤に比べ容易に製造ができ、14%の反
応効率の向上、20%の軽量化、酸素吸収能力のばらつ
きの低減が図れる。
微細な金属ハロゲン化物を均一かつ強固に付着結合させ
反応効率の優れた脱酸素剤を製造する。 【構成】 あらかじめ金属粉の粒径に対する金属ハロゲ
ン化物の粒径比が0.1以下となるように金属ハロゲン
化物を微粉砕し、水分含有率が1重量%以下の金属粉1
00重量部に対して0.1〜5重量部の金属ハロゲン化
物の割合で、金属粉表面に金属ハロゲン化物の微粒子を
付着させて金属粉と金属ハロゲン化物の複合粒子とし、
さらに衝撃力および摩擦力を作用して金属粉表面に金属
ハロゲン化物が強固な付着ができる固定化処理すること
を特徴とする脱酸素剤の製造方法。 【効果】 従来剤に比べ容易に製造ができ、14%の反
応効率の向上、20%の軽量化、酸素吸収能力のばらつ
きの低減が図れる。
Description
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、脱酸素剤の製造方法に
関するものである。詳しく述べると、素材の含有水分が
1重量%以下で、素材のみでは脱酸素反応の進行が遅
く、水分を含んだ食品とともに容器内に密封した後に食
品の放出する水分を利用して酸素吸収を開始し、容器内
酸素を吸収、無酸素状態にし、食品の腐敗、かびの発生
等の変質を防止し、保存寿命をのばす脱酸素剤の製造方
法に関するものである。
関するものである。詳しく述べると、素材の含有水分が
1重量%以下で、素材のみでは脱酸素反応の進行が遅
く、水分を含んだ食品とともに容器内に密封した後に食
品の放出する水分を利用して酸素吸収を開始し、容器内
酸素を吸収、無酸素状態にし、食品の腐敗、かびの発生
等の変質を防止し、保存寿命をのばす脱酸素剤の製造方
法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】近年、食品加工の鮮度保持方法として食
品とともに非通気性容器に、酸化、還元反応により酸素
を吸収する脱酸素剤を密封して食品の酸化、腐食、かび
発生、変色等の変質を防止する方法が採用され、多くの
食品へ適用が図られている。この脱酸素剤については多
くの製造方法が提案されているが、特に金属粉の水酸化
反応を利用した脱酸素剤は単位重量当たりの酸素吸収総
量がアスコルビン酸等の有機系のものに比べ大きいため
に最も多く製造され、実用されている。
品とともに非通気性容器に、酸化、還元反応により酸素
を吸収する脱酸素剤を密封して食品の酸化、腐食、かび
発生、変色等の変質を防止する方法が採用され、多くの
食品へ適用が図られている。この脱酸素剤については多
くの製造方法が提案されているが、特に金属粉の水酸化
反応を利用した脱酸素剤は単位重量当たりの酸素吸収総
量がアスコルビン酸等の有機系のものに比べ大きいため
に最も多く製造され、実用されている。
【0003】特開昭53−14185号公報には鉄粉の
水酸化反応を促進するために配合される金属ハロゲン化
物を鉄粉表面に均一に付着処理を行う方法として金属ハ
ロゲン化物を水等に溶解し、溶液化した後に鉄粉と混合
し、水分含有量1重量%以下に乾燥を行うことにより製
造する湿式処理方法について提案されている。また特開
昭60−20986号公報には湿式処理による乾燥、水
溶液の処理の工程を省略して、粒径が150メッシュ
(約100μm)通過重量が50重量%の鉄粉と粒径が
150メッシュ(約100μm)通過量が50重量%以
上の金属ハロゲン化物(電解質粉末)を均一に混合して
製造する方法が提案され、さらに、特開昭60−129
137号公報には事前に粒度の調製を行うことなく鉄粉
と鉄粉に非付着性粒度の金属ハロゲン化物を使用し、機
械的な圧縮力および摩擦力を作用し、金属ハロゲン化物
を微粉砕し、鉄粉表面に付着可能な粒径まで金属ハロゲ
ン化物を粉砕して鉄粉表面に金属ハロゲン化物が付着結
合した脱酸素剤を製造する方法が提案されている。
水酸化反応を促進するために配合される金属ハロゲン化
物を鉄粉表面に均一に付着処理を行う方法として金属ハ
ロゲン化物を水等に溶解し、溶液化した後に鉄粉と混合
し、水分含有量1重量%以下に乾燥を行うことにより製
造する湿式処理方法について提案されている。また特開
昭60−20986号公報には湿式処理による乾燥、水
溶液の処理の工程を省略して、粒径が150メッシュ
(約100μm)通過重量が50重量%の鉄粉と粒径が
150メッシュ(約100μm)通過量が50重量%以
上の金属ハロゲン化物(電解質粉末)を均一に混合して
製造する方法が提案され、さらに、特開昭60−129
137号公報には事前に粒度の調製を行うことなく鉄粉
と鉄粉に非付着性粒度の金属ハロゲン化物を使用し、機
械的な圧縮力および摩擦力を作用し、金属ハロゲン化物
を微粉砕し、鉄粉表面に付着可能な粒径まで金属ハロゲ
ン化物を粉砕して鉄粉表面に金属ハロゲン化物が付着結
合した脱酸素剤を製造する方法が提案されている。
【0004】しかし、このような従来の技術で脱酸素剤
を製造する場合、金属ハロゲン化物の湿式処理を行う方
法では以下の課題がある。金属ハロゲン化物の付着処理
に液体を使用し、この液体の廃液処理および管理の課
題、廃液処理後の素材を大気中で乾燥すると鉄粉表面が
酸化し、脱酸素効率が低下して実用性が低くなるため真
空乾燥、あるいは不活性状態での乾燥処理装置が必要に
なり設備が高価かつ大型化する課題がある。また乾式で
混合する場合には以下の課題がある。
を製造する場合、金属ハロゲン化物の湿式処理を行う方
法では以下の課題がある。金属ハロゲン化物の付着処理
に液体を使用し、この液体の廃液処理および管理の課
題、廃液処理後の素材を大気中で乾燥すると鉄粉表面が
酸化し、脱酸素効率が低下して実用性が低くなるため真
空乾燥、あるいは不活性状態での乾燥処理装置が必要に
なり設備が高価かつ大型化する課題がある。また乾式で
混合する場合には以下の課題がある。
【0005】すなわち、事前に鉄粉と金属ハロゲン化物
の粒度をふるい分ける必要があり、作業性悪化に伴う生
産性の低下および鉄粉と金属ハロゲン化物の粒子径が比
較的近似していることによる混合のみの処理では付着粒
子が少ないため、効率よく鉄粉が酸素吸収できないこと
による酸素吸収性能の低下等の課題がある。
の粒度をふるい分ける必要があり、作業性悪化に伴う生
産性の低下および鉄粉と金属ハロゲン化物の粒子径が比
較的近似していることによる混合のみの処理では付着粒
子が少ないため、効率よく鉄粉が酸素吸収できないこと
による酸素吸収性能の低下等の課題がある。
【0006】さらに、鉄粉と金属ハロゲン化物の粒度調
整を行うことなく原料として使用し、これに摩擦力およ
び/または圧縮力等の機械力を作用させて金属ハロゲン
化物と鉄粉が付着結合する粒径まで微細化して製造する
場合には以下の課題がある。単純に鉄粉と金属ハロゲン
化物の粒径の差により鉄粉表面に金属ハロゲン化物を付
着させた場合には鉄粉と金属ハロゲン化物の結合力はフ
ァン・デル・ワールス力、あるいは静電気力が主体で比
較的付着力が小さく鉄粉表面への金属ハロゲン化物の強
固な固定化は得られ難い。このため通気性包装材料への
充填作業や充填後の輸送等のハンドリング時に金属ハロ
ゲン化物が鉄粉表面から脱落して性能劣化による目的の
酸素吸収特性が得られないこと等による性能ばらつきが
増加する課題がある。
整を行うことなく原料として使用し、これに摩擦力およ
び/または圧縮力等の機械力を作用させて金属ハロゲン
化物と鉄粉が付着結合する粒径まで微細化して製造する
場合には以下の課題がある。単純に鉄粉と金属ハロゲン
化物の粒径の差により鉄粉表面に金属ハロゲン化物を付
着させた場合には鉄粉と金属ハロゲン化物の結合力はフ
ァン・デル・ワールス力、あるいは静電気力が主体で比
較的付着力が小さく鉄粉表面への金属ハロゲン化物の強
固な固定化は得られ難い。このため通気性包装材料への
充填作業や充填後の輸送等のハンドリング時に金属ハロ
ゲン化物が鉄粉表面から脱落して性能劣化による目的の
酸素吸収特性が得られないこと等による性能ばらつきが
増加する課題がある。
【0007】さらに鉄粉と金属ハロゲン化物に同時に機
械力を作用した場合には必ずしも金属ハロゲン化物のみ
が粉砕されるわけではなく鉄粉も粉砕され、微粉化する
ことにより、粗粒の金属ハロゲン化物の存在割合が増
し、鉄粉の微粉割合も増加する。この結果、金属ハロゲ
ン化物の鉄粉表面への効率よい付着は困難となる。つま
り、比較的粒度の大きい鉄粉の表面には一部破砕された
金属ハロゲン化物は付着することができるものの微粉鉄
粉の表面へ付着できる金属ハロゲン化物は非常に少な
く、単に混合されたような状態で存在するために外力の
作用で鉄粉と金属ハロゲン化物の粉は分離し、脱酸素剤
としての酸素吸収特性が著しく低下する課題があった。
械力を作用した場合には必ずしも金属ハロゲン化物のみ
が粉砕されるわけではなく鉄粉も粉砕され、微粉化する
ことにより、粗粒の金属ハロゲン化物の存在割合が増
し、鉄粉の微粉割合も増加する。この結果、金属ハロゲ
ン化物の鉄粉表面への効率よい付着は困難となる。つま
り、比較的粒度の大きい鉄粉の表面には一部破砕された
金属ハロゲン化物は付着することができるものの微粉鉄
粉の表面へ付着できる金属ハロゲン化物は非常に少な
く、単に混合されたような状態で存在するために外力の
作用で鉄粉と金属ハロゲン化物の粉は分離し、脱酸素剤
としての酸素吸収特性が著しく低下する課題があった。
【0008】以上のように、従来の乾式処理で製造され
た脱酸素剤は通気性包装材料へ充填した素材の全体とし
ての反応効率が低くなり、目標の酸素吸収量を確保する
ためには充填重量の増加、素材のかさが増すことによる
充填包装材料の形状の大型化の必要があり素材コストの
増加の課題がある一方、商品に対する脱酸素剤の占める
割合が増加し、十分に満足できる脱酸素剤の製造方法と
は言えないものである。
た脱酸素剤は通気性包装材料へ充填した素材の全体とし
ての反応効率が低くなり、目標の酸素吸収量を確保する
ためには充填重量の増加、素材のかさが増すことによる
充填包装材料の形状の大型化の必要があり素材コストの
増加の課題がある一方、商品に対する脱酸素剤の占める
割合が増加し、十分に満足できる脱酸素剤の製造方法と
は言えないものである。
【0009】
【発明が解決しようとする課題】上記問題に鑑み、本発
明は充填された素材の反応効率を改善し、より少ない重
量、容量で効率よく酸素吸収性能を行う性能を有し、か
つ容易に製造可能な食品の放出する水分を利用して脱酸
素反応を開始する性能改善された脱酸素剤の製造方法を
提供するものである。
明は充填された素材の反応効率を改善し、より少ない重
量、容量で効率よく酸素吸収性能を行う性能を有し、か
つ容易に製造可能な食品の放出する水分を利用して脱酸
素反応を開始する性能改善された脱酸素剤の製造方法を
提供するものである。
【0010】
【課題を解決するための手段】本発明は種々実験、検討
を行った結果なされたもので、その要旨とするところは
あらかじめ金属粉の粒径に対する金属ハロゲン化物の粒
径比が0.1以下となるように金属ハロゲン化物を微粉
砕し、水分含有率が1重量%以下の金属粉100重量部
に対して0.1〜5重量部の金属ハロゲン化物の割合
で、金属粉表面に金属ハロゲン化物の微粒子を付着させ
て金属粉と金属ハロゲン化物の複合粒子とし、さらに該
複合粒子の表面に衝撃力および摩擦力を作用して金属粉
表面に付着した金属ハロゲン化物を金属粉表面に強固な
付着が可能な固定化処理してなることを特徴とする脱酸
素剤の製造方法である。
を行った結果なされたもので、その要旨とするところは
あらかじめ金属粉の粒径に対する金属ハロゲン化物の粒
径比が0.1以下となるように金属ハロゲン化物を微粉
砕し、水分含有率が1重量%以下の金属粉100重量部
に対して0.1〜5重量部の金属ハロゲン化物の割合
で、金属粉表面に金属ハロゲン化物の微粒子を付着させ
て金属粉と金属ハロゲン化物の複合粒子とし、さらに該
複合粒子の表面に衝撃力および摩擦力を作用して金属粉
表面に付着した金属ハロゲン化物を金属粉表面に強固な
付着が可能な固定化処理してなることを特徴とする脱酸
素剤の製造方法である。
【0011】
【作用】本発明に使用される金属粉としては鉱石等を還
元して製造される還元鉄粉、溶液から噴霧して製造され
るアトマイズ鉄粉、鋳鉄素材を原料として破砕して製造
される鋳鉄粉、高純度の電解鉄粉等一般に製造されてい
る金属粉のいずれも使用でき、鉄水酸化反応により酸化
し、酸素を吸収する素材であれば特に限定されない。金
属ハロゲン化物としてはNaCl、KCl、NaBr、
KBr等のアルカリ金属ハロゲン化物、MgCl2 、C
aCl2 、CaBr2 、MgBr2 、BaBr2 等のア
ルカリ土類金属ハロゲン化物、さらにAgCl、ZnC
l2 、AlCl3 、SnCl2 、MnCl2 、FeCl
2 、FeCl3 、CoCl2 、NiCl2 、CuC
l2 、ZnBr2 、SuBr2 、FeBr2 、CuBr
2 等の各種金属のハロゲン化物が使用でき、鉄粉の水酸
化反応の促進ができる材料であれば特に限定されず、容
易に破砕できる素材であればさらに好ましい。
元して製造される還元鉄粉、溶液から噴霧して製造され
るアトマイズ鉄粉、鋳鉄素材を原料として破砕して製造
される鋳鉄粉、高純度の電解鉄粉等一般に製造されてい
る金属粉のいずれも使用でき、鉄水酸化反応により酸化
し、酸素を吸収する素材であれば特に限定されない。金
属ハロゲン化物としてはNaCl、KCl、NaBr、
KBr等のアルカリ金属ハロゲン化物、MgCl2 、C
aCl2 、CaBr2 、MgBr2 、BaBr2 等のア
ルカリ土類金属ハロゲン化物、さらにAgCl、ZnC
l2 、AlCl3 、SnCl2 、MnCl2 、FeCl
2 、FeCl3 、CoCl2 、NiCl2 、CuC
l2 、ZnBr2 、SuBr2 、FeBr2 、CuBr
2 等の各種金属のハロゲン化物が使用でき、鉄粉の水酸
化反応の促進ができる材料であれば特に限定されず、容
易に破砕できる素材であればさらに好ましい。
【0012】あらかじめ金属粉の粒径に対する金属ハロ
ゲン化物の粒径比が0.1以下、好ましくは0.05〜
0.01となるように金属ハロゲン化物を微粉砕する粉
砕装置としては圧縮、摩擦、衝撃等いかなる力を作用し
て破砕する装置でも使用でき特に限定されるものではな
いが、より短時間で破砕可能な破砕装置の使用が生産性
等の面から好ましく、例えば高速振動を行うファインバ
イブレーションミル(振動ミル)、リングによるディス
クミルおよびジェットミル等の高エネルギーを有する破
砕装置が使用できる。
ゲン化物の粒径比が0.1以下、好ましくは0.05〜
0.01となるように金属ハロゲン化物を微粉砕する粉
砕装置としては圧縮、摩擦、衝撃等いかなる力を作用し
て破砕する装置でも使用でき特に限定されるものではな
いが、より短時間で破砕可能な破砕装置の使用が生産性
等の面から好ましく、例えば高速振動を行うファインバ
イブレーションミル(振動ミル)、リングによるディス
クミルおよびジェットミル等の高エネルギーを有する破
砕装置が使用できる。
【0013】この微粉砕された金属ハロゲン化物を金属
粉の表面に付着するための方法としては、単純に袋に金
属粉と金属ハロゲン化物を所定量充填して人の力により
かき混ぜることによっても得られるが、好ましくはドラ
ム型、V型、円錐型等のミキサーの他に流動混合装置等
の気流型混合機等を使用することにより容易に得ること
ができる一方、低エネルギーを有する破砕装置の使用も
可能である。
粉の表面に付着するための方法としては、単純に袋に金
属粉と金属ハロゲン化物を所定量充填して人の力により
かき混ぜることによっても得られるが、好ましくはドラ
ム型、V型、円錐型等のミキサーの他に流動混合装置等
の気流型混合機等を使用することにより容易に得ること
ができる一方、低エネルギーを有する破砕装置の使用も
可能である。
【0014】さらに金属粉に微細な金属ハロゲン化物が
付着した複合粒子の表面に高速で衝撃や摩擦力を作用し
て金属粉に金属ハロゲン化物を打ち込み固定化処理を行
う装置は、高エネルギーのハイブリダイゼーション装置
や表面での融合を行うメカノフュージョン装置等の複合
化処理装置の使用が好ましいが、高速振動を行う媒体充
填した振動ミル等の装置も利用でき、金属粉の破砕が進
まず金属粉と金属ハロゲン化物の強固な固定化処理が短
時間で行えるものであれば特に限定されない。
付着した複合粒子の表面に高速で衝撃や摩擦力を作用し
て金属粉に金属ハロゲン化物を打ち込み固定化処理を行
う装置は、高エネルギーのハイブリダイゼーション装置
や表面での融合を行うメカノフュージョン装置等の複合
化処理装置の使用が好ましいが、高速振動を行う媒体充
填した振動ミル等の装置も利用でき、金属粉の破砕が進
まず金属粉と金属ハロゲン化物の強固な固定化処理が短
時間で行えるものであれば特に限定されない。
【0015】また、この処理を効率的により短い工程で
行う方法としては、破砕装置で微粉砕した金属ハロゲン
化物が収納されている容器に金属粉を所定の比率で配合
し、素材に比較的弱い力で衝撃力や摩擦力を作用させる
ことによっても金属表面への微細な金属ハロゲン化物の
付着と固定化を同時に行うことができる。
行う方法としては、破砕装置で微粉砕した金属ハロゲン
化物が収納されている容器に金属粉を所定の比率で配合
し、素材に比較的弱い力で衝撃力や摩擦力を作用させる
ことによっても金属表面への微細な金属ハロゲン化物の
付着と固定化を同時に行うことができる。
【0016】本発明により製造された素材を充填、収納
する包装材料は、素材の漏れや脱落を防止するようにシ
ールでき、空気および水蒸気粒子を通過可能な気孔を有
する素材であればどのような素材でも使用でき、好まし
くはガーレー通気度60秒以内、特に1〜30秒、透湿
度400〜800g/m2 /24hr、特に650g/
m2 /24hr程度の性能を有する素材の使用が好まし
く、この通気性素材は使用用途および保存食品等の状態
にあわせて通気度調整および耐油、耐水処理を施したも
のが使用できる。
する包装材料は、素材の漏れや脱落を防止するようにシ
ールでき、空気および水蒸気粒子を通過可能な気孔を有
する素材であればどのような素材でも使用でき、好まし
くはガーレー通気度60秒以内、特に1〜30秒、透湿
度400〜800g/m2 /24hr、特に650g/
m2 /24hr程度の性能を有する素材の使用が好まし
く、この通気性素材は使用用途および保存食品等の状態
にあわせて通気度調整および耐油、耐水処理を施したも
のが使用できる。
【0017】さらに製造した素材と共に水分を含んだ吸
水性素材を混合して包装材料に収納することにより、酸
素との接触により即座に酸素吸収反応を開始する特性を
有する脱酸素剤をも製造することができる。
水性素材を混合して包装材料に収納することにより、酸
素との接触により即座に酸素吸収反応を開始する特性を
有する脱酸素剤をも製造することができる。
【0018】以下、実施態様にもとづき本発明について
詳細に説明する。本発明により製造される脱酸素剤は水
分を含んだ食品と共にガスバリヤ性の容器に密封保存さ
れ、食品の放出する水分を利用して鉄粉の水酸化反応が
進行し、密封容器内の酸素吸収を行うものである。従っ
て、食品と密封保存されるまでの包材への充填作業時、
食品包装材料への密封投入までの間に酸素吸収が抑制さ
れることが必要である。
詳細に説明する。本発明により製造される脱酸素剤は水
分を含んだ食品と共にガスバリヤ性の容器に密封保存さ
れ、食品の放出する水分を利用して鉄粉の水酸化反応が
進行し、密封容器内の酸素吸収を行うものである。従っ
て、食品と密封保存されるまでの包材への充填作業時、
食品包装材料への密封投入までの間に酸素吸収が抑制さ
れることが必要である。
【0019】この素材は乾燥状態の金属粉と金属粉の水
酸化反応を促進する触媒としての金属ハロゲン化物を配
合することにより構成され、この時の素材は水分含有量
が1重量%以下とすることが必要条件である。このとき
触媒として作用する金属ハロゲン化物と金属粉の表面が
密着接触することにより水の存在下で金属粉の水酸化反
応が速やか、かつ効率よく行われるものである。
酸化反応を促進する触媒としての金属ハロゲン化物を配
合することにより構成され、この時の素材は水分含有量
が1重量%以下とすることが必要条件である。このとき
触媒として作用する金属ハロゲン化物と金属粉の表面が
密着接触することにより水の存在下で金属粉の水酸化反
応が速やか、かつ効率よく行われるものである。
【0020】従って、従来法による金属粉と金属ハロゲ
ン化物の粒径比の違う素材を単純に混合しただけでは強
固な付着力を得ることは不可能であり、脱酸素剤として
使用した場合には一部の金属粉しか反応せず、多くの未
反応金属粉が残存してしまうことになる。
ン化物の粒径比の違う素材を単純に混合しただけでは強
固な付着力を得ることは不可能であり、脱酸素剤として
使用した場合には一部の金属粉しか反応せず、多くの未
反応金属粉が残存してしまうことになる。
【0021】一例として金属粉に比表面積が大きく脱酸
素剤原料としては好ましい特性を有する45μm以下が
10〜20重量%存在し、最大粒径が200μmの粒度
分布を有する還元鉄粉と、金属ハロゲン化物に安価で工
業的に容易に手に入れることができる塩化ナトリウムを
使用して還元鉄粉100重量部に対して塩化ナトリウム
1重量部を配合し、脱酸素剤を従来法により、振動式の
ボールミルで容器内に配合原料をそのまま充填し、30
分間機械力を作用して製造した素材と本発明の方法で金
属ハロゲン化物を平均粒径5μmになるまでディスクミ
ルで3分間微粉砕の処理を行い、金属粉とこの微粉砕さ
れた金属ハロゲン化物をV型のブレンダーで5分間混合
した後に摩擦力を作用するメカノフュージョン装置で2
0分間、金属粉表面へ金属ハロゲン化物の微粒子の固定
化処理を行った素材を使用して製造した。この従来の混
合粉砕により製造した素材と本発明による方法で製造し
た素材を45μm、200μmでふるい分けてそれぞれ
の粒度範囲の素材のFe、NaおよびClの元素分析を
行った結果を表1に示す。
素剤原料としては好ましい特性を有する45μm以下が
10〜20重量%存在し、最大粒径が200μmの粒度
分布を有する還元鉄粉と、金属ハロゲン化物に安価で工
業的に容易に手に入れることができる塩化ナトリウムを
使用して還元鉄粉100重量部に対して塩化ナトリウム
1重量部を配合し、脱酸素剤を従来法により、振動式の
ボールミルで容器内に配合原料をそのまま充填し、30
分間機械力を作用して製造した素材と本発明の方法で金
属ハロゲン化物を平均粒径5μmになるまでディスクミ
ルで3分間微粉砕の処理を行い、金属粉とこの微粉砕さ
れた金属ハロゲン化物をV型のブレンダーで5分間混合
した後に摩擦力を作用するメカノフュージョン装置で2
0分間、金属粉表面へ金属ハロゲン化物の微粒子の固定
化処理を行った素材を使用して製造した。この従来の混
合粉砕により製造した素材と本発明による方法で製造し
た素材を45μm、200μmでふるい分けてそれぞれ
の粒度範囲の素材のFe、NaおよびClの元素分析を
行った結果を表1に示す。
【0022】
【表1】
【0023】表1から容易にわかるように、金属粉と非
付着性粒度の金属ハロゲン化物を同時に処理する従来法
で製造した素材は、45μm以上の粗粒の鉄粉にはNa
およびClが多く検出され、金属ハロゲン化物が配合よ
り多くの割合で鉄粉表面に付着されていることがわかる
が、45μm未満の微粉の素材ではNaおよびClが少
なく、NaClの割合の鉄粉100重量部に対して0.
2重量部以下で金属ハロゲン化物が配合どうりには付着
していないことがわかった。これに対して本発明は45
μm未満の素材でもNaの含有率は高く、NaClの割
合の鉄粉100重量部に対して0.9重量部でほぼ配合
どうりに微粉の金属ハロゲン化物が金属粉の表面に付着
しているものと推定される。
付着性粒度の金属ハロゲン化物を同時に処理する従来法
で製造した素材は、45μm以上の粗粒の鉄粉にはNa
およびClが多く検出され、金属ハロゲン化物が配合よ
り多くの割合で鉄粉表面に付着されていることがわかる
が、45μm未満の微粉の素材ではNaおよびClが少
なく、NaClの割合の鉄粉100重量部に対して0.
2重量部以下で金属ハロゲン化物が配合どうりには付着
していないことがわかった。これに対して本発明は45
μm未満の素材でもNaの含有率は高く、NaClの割
合の鉄粉100重量部に対して0.9重量部でほぼ配合
どうりに微粉の金属ハロゲン化物が金属粉の表面に付着
しているものと推定される。
【0024】従来法では、微粉砕処理後の45μm未満
の素材の重量割合は最大35重量%までに達して破砕処
理により原料鉄粉がさらに微粉砕され微粉粒子の割合が
増していたが、本発明の方法ではほとんど変化はなかっ
た。粒度別に45μm未満の素材、45μm以上200
μm未満の素材と200μm以上の素材をそれぞれ通気
性包材に2g充填して、1500ccの空気容量(酸素
容量315cc)の塩化ビニリデンをコーティングした
ガスバリヤ性のナイロンフィルムに水分4.8g含浸し
たテイッシュペーパーとともに密封して25±1℃の条
件で容器内酸素濃度の変化を測定した。その結果を図1
に示す。
の素材の重量割合は最大35重量%までに達して破砕処
理により原料鉄粉がさらに微粉砕され微粉粒子の割合が
増していたが、本発明の方法ではほとんど変化はなかっ
た。粒度別に45μm未満の素材、45μm以上200
μm未満の素材と200μm以上の素材をそれぞれ通気
性包材に2g充填して、1500ccの空気容量(酸素
容量315cc)の塩化ビニリデンをコーティングした
ガスバリヤ性のナイロンフィルムに水分4.8g含浸し
たテイッシュペーパーとともに密封して25±1℃の条
件で容器内酸素濃度の変化を測定した。その結果を図1
に示す。
【0025】図1の結果より、48時間後のほぼ反応が
終了した時点での残存酸素濃度と吸収酸素容量は従来法
で製造した45μm未満の素材では11.9%、130
ccであったが、45μm以上200μm未満の素材は
0.9%、290ccであった。また200μm以上の
素材は7.0%、200ccであった。
終了した時点での残存酸素濃度と吸収酸素容量は従来法
で製造した45μm未満の素材では11.9%、130
ccであったが、45μm以上200μm未満の素材は
0.9%、290ccであった。また200μm以上の
素材は7.0%、200ccであった。
【0026】これに対して本発明の方法で製造した素材
は45μm未満の素材が最も反応性が高く0.01%、
315ccであり、45μm以上200μm未満の素材
は0.7%、305cc、200μm以上の素材は4.
7%、245ccであった。このように本発明による方
法では従来法に比べると粒度別の酸素吸収特性に大きな
差は認められない。さらに、鉄粉の水酸化反応が下記の
化学式1で進むとした場合、2gの鉄粉の吸収酸素量は
600ccとなりメタル化率90%とすると540cc
の酸素を吸収可能なはずである。
は45μm未満の素材が最も反応性が高く0.01%、
315ccであり、45μm以上200μm未満の素材
は0.7%、305cc、200μm以上の素材は4.
7%、245ccであった。このように本発明による方
法では従来法に比べると粒度別の酸素吸収特性に大きな
差は認められない。さらに、鉄粉の水酸化反応が下記の
化学式1で進むとした場合、2gの鉄粉の吸収酸素量は
600ccとなりメタル化率90%とすると540cc
の酸素を吸収可能なはずである。
【0027】
【化1】
【0028】540ccの酸素を吸収した場合の反応効
率を100として粒度別の素材の反応効率を計算する
と、従来法の45μm未満の細粒素材の反応効率を酸素
吸収総量から算出すると24%、45μm以上200μ
m未満の素材が54%、200μm以上の粗粒素材が3
7%となり、本発明の方法では45μm未満の細粒素材
の反応効率は、58%、45μm以上200μm未満の
素材が56%、200μm以上の粗粒素材が45%とな
り、粒度別の反応効率は本発明では従来法ほど大きな差
はない。従って本発明の方法では通気性包装材料へ充填
して脱酸素剤を製造した場合、外圧等により金属ハロゲ
ン化物の脱落が少なく、包材内の金属粉の粒度が偏析し
た場合にも酸素吸収特性が安定したばらつきが小さいも
のが得られた。
率を100として粒度別の素材の反応効率を計算する
と、従来法の45μm未満の細粒素材の反応効率を酸素
吸収総量から算出すると24%、45μm以上200μ
m未満の素材が54%、200μm以上の粗粒素材が3
7%となり、本発明の方法では45μm未満の細粒素材
の反応効率は、58%、45μm以上200μm未満の
素材が56%、200μm以上の粗粒素材が45%とな
り、粒度別の反応効率は本発明では従来法ほど大きな差
はない。従って本発明の方法では通気性包装材料へ充填
して脱酸素剤を製造した場合、外圧等により金属ハロゲ
ン化物の脱落が少なく、包材内の金属粉の粒度が偏析し
た場合にも酸素吸収特性が安定したばらつきが小さいも
のが得られた。
【0029】さらに本発明で金属粉の粒径に対して金属
ハロゲン化物の微粉砕粒径を0.1以下とする理由は、
本発明者らの実験によれば金属粉表面への付着を可能に
する粒径比の上限が0.1であり、さらに金属粉の粒径
に対する金属ハロゲン化物の粒径比を0.1より小さく
することにより、より効果的な付着ができることを多く
の実験の結果から見いだし、決定したものである。この
ことから金属ハロゲン化物が金属粉と同等の粒度分布を
有している場合には、単に混合されるのみで金属粉表面
への金属ハロゲン化物の付着は不可能となる。事前に微
粉砕された金属ハロゲン化物と金属粉の付着力は摩擦に
よる粒子の帯電による静電気力、粒子径比の大きさによ
る接触距離の近接、接触点の増大によると考えられる
が、この付着力はさほど大きくなく、さらにこの粒子に
機械的に高速で衝撃力や摩擦力を作用して金属ハロゲン
化物を金属粉表面に押し込みあるいは打ち込みを行うこ
とによりふるい分けや通気性包装材料への充填等の作業
の外力では分離しない均一で強固な付着状態が得られる
ものと推定される。しかも本発明では金属粉には短時間
しか力を作用せず、おもに表面のみの作用のために金属
粉の粉砕等による45μm未満の細粒の増加はほとんど
なく45μm未満の細粒への金属ハロゲン化物の付着割
合も従来法に比べると大幅に改善される。
ハロゲン化物の微粉砕粒径を0.1以下とする理由は、
本発明者らの実験によれば金属粉表面への付着を可能に
する粒径比の上限が0.1であり、さらに金属粉の粒径
に対する金属ハロゲン化物の粒径比を0.1より小さく
することにより、より効果的な付着ができることを多く
の実験の結果から見いだし、決定したものである。この
ことから金属ハロゲン化物が金属粉と同等の粒度分布を
有している場合には、単に混合されるのみで金属粉表面
への金属ハロゲン化物の付着は不可能となる。事前に微
粉砕された金属ハロゲン化物と金属粉の付着力は摩擦に
よる粒子の帯電による静電気力、粒子径比の大きさによ
る接触距離の近接、接触点の増大によると考えられる
が、この付着力はさほど大きくなく、さらにこの粒子に
機械的に高速で衝撃力や摩擦力を作用して金属ハロゲン
化物を金属粉表面に押し込みあるいは打ち込みを行うこ
とによりふるい分けや通気性包装材料への充填等の作業
の外力では分離しない均一で強固な付着状態が得られる
ものと推定される。しかも本発明では金属粉には短時間
しか力を作用せず、おもに表面のみの作用のために金属
粉の粉砕等による45μm未満の細粒の増加はほとんど
なく45μm未満の細粒への金属ハロゲン化物の付着割
合も従来法に比べると大幅に改善される。
【0030】従来法では金属粉と金属ハロゲン化物を同
時に混合しながら微細化処理を行うために粗粒金属ハロ
ゲン化物の存在、金属粉の粉砕の進行により金属粉表面
に金属ハロゲン化物が付着し難く酸素吸収反応性が悪い
45μm未満の微粉が増加し、酸素吸収特性がばらつく
ことになる。
時に混合しながら微細化処理を行うために粗粒金属ハロ
ゲン化物の存在、金属粉の粉砕の進行により金属粉表面
に金属ハロゲン化物が付着し難く酸素吸収反応性が悪い
45μm未満の微粉が増加し、酸素吸収特性がばらつく
ことになる。
【0031】これに対して、本発明の方法によれば素材
粒度毎の酸素吸収特性の変化や悪化を防止することがで
き、性能の安定した脱酸素剤を製造することができるも
のである。
粒度毎の酸素吸収特性の変化や悪化を防止することがで
き、性能の安定した脱酸素剤を製造することができるも
のである。
【0032】図2に本発明の粒子構造の模式図を、図3
に従来法で製造した粒子構造の模式図を示す。図2の本
発明の粒子は金属粉1の粒子の一個一個の表面に密に微
細な金属ハロゲン化物2の粒子が付着しているが、これ
に対して図3の従来法で製造した金属粉1′の粒子は配
合したすべての金属ハロゲン化物2′が付着しているわ
けではなく比較的大きい粒子の金属ハロゲン化物2′は
付着せずに混合されただけの状態であり、微細な金属粉
1′の表面には金属ハロゲン化物2′の付着が少ないと
推定される。
に従来法で製造した粒子構造の模式図を示す。図2の本
発明の粒子は金属粉1の粒子の一個一個の表面に密に微
細な金属ハロゲン化物2の粒子が付着しているが、これ
に対して図3の従来法で製造した金属粉1′の粒子は配
合したすべての金属ハロゲン化物2′が付着しているわ
けではなく比較的大きい粒子の金属ハロゲン化物2′は
付着せずに混合されただけの状態であり、微細な金属粉
1′の表面には金属ハロゲン化物2′の付着が少ないと
推定される。
【0033】本発明での金属粉表面に金属ハロゲン化物
を均一に付着する条件下での金属ハロゲン化物の配合比
率の下限は、金属粉100重量部に対して0.1重量部
で、これ未満の配合比率では金属粉の酸素吸収特性が大
幅に悪化し、目的の性能を発揮できなくなり、上限は金
属粉100重量部に対して5重量部で、これを越える配
合は全く経済的でないばかりか、金属粉表面を金属ハロ
ゲン化物が水分の存在で溶解あるいは潮解して覆うこと
により金属粉と酸素との接触を妨げ、金属粉の酸素吸収
性能を悪化するとともに、反応に関与する鉄粉表面に付
着した水分内に金属ハロゲン化物の溶解量が増加するこ
とにより水分中の溶存酸素が減少し、金属粉との接触面
での酸素の供給が少なくなり酸素吸収特性を悪化する。
この結果から本発明では金属ハロゲン化物の配合比率を
金属粉100重量部に対して0.1〜5重量部、より好
ましくは酸素吸収反応性の余裕、経済性の面から0.3
〜3重量部とするものである。
を均一に付着する条件下での金属ハロゲン化物の配合比
率の下限は、金属粉100重量部に対して0.1重量部
で、これ未満の配合比率では金属粉の酸素吸収特性が大
幅に悪化し、目的の性能を発揮できなくなり、上限は金
属粉100重量部に対して5重量部で、これを越える配
合は全く経済的でないばかりか、金属粉表面を金属ハロ
ゲン化物が水分の存在で溶解あるいは潮解して覆うこと
により金属粉と酸素との接触を妨げ、金属粉の酸素吸収
性能を悪化するとともに、反応に関与する鉄粉表面に付
着した水分内に金属ハロゲン化物の溶解量が増加するこ
とにより水分中の溶存酸素が減少し、金属粉との接触面
での酸素の供給が少なくなり酸素吸収特性を悪化する。
この結果から本発明では金属ハロゲン化物の配合比率を
金属粉100重量部に対して0.1〜5重量部、より好
ましくは酸素吸収反応性の余裕、経済性の面から0.3
〜3重量部とするものである。
【0034】
【実施例】以下、実施例について説明する。
【0035】実施例1 鉄粉として鉄鉱石を還元して製造した還元鉄粉を45μ
m未満、45μm以上200μm未満、200μm以上
の3種類の粒径にふるい分けて、金属ハロゲン化物にN
aClを使用して、事前に平均粒径5μm、20μm、
50μmにディスク型の破砕装置を使用して破砕して鉄
粉100g、塩化ナトリウム1.0gをそれぞれ配合し
た後にV型のブレンダーで5分間混合し、金属粉と金属
ハロゲン化物の付着処理をおこなった後に、摩擦力によ
る固定化処理としてメカノフュージョン装置(ホソカワ
ミクロン社製)で30分間固定化処理を行った。
m未満、45μm以上200μm未満、200μm以上
の3種類の粒径にふるい分けて、金属ハロゲン化物にN
aClを使用して、事前に平均粒径5μm、20μm、
50μmにディスク型の破砕装置を使用して破砕して鉄
粉100g、塩化ナトリウム1.0gをそれぞれ配合し
た後にV型のブレンダーで5分間混合し、金属粉と金属
ハロゲン化物の付着処理をおこなった後に、摩擦力によ
る固定化処理としてメカノフュージョン装置(ホソカワ
ミクロン社製)で30分間固定化処理を行った。
【0036】このようにして製造した素材を片面が厚さ
0.2mm、ガーレー通気度23秒の通気性材料(デュ
ポン社製:商品名タイペック 1073B)片面が50
μmポリエチレンを12μmのポリエチレンテレフタレ
ートでラミネートした素材を使用し、外寸法50mm×
40mmの形状の包装材料に2g充填して脱酸素剤を試
作した。
0.2mm、ガーレー通気度23秒の通気性材料(デュ
ポン社製:商品名タイペック 1073B)片面が50
μmポリエチレンを12μmのポリエチレンテレフタレ
ートでラミネートした素材を使用し、外寸法50mm×
40mmの形状の包装材料に2g充填して脱酸素剤を試
作した。
【0037】この試作した脱酸素剤を4.8gの水を含
んだテイッシュペーパーと通気性材料が接触するように
して酸素容量315cc(空気容量1500cc)の塩
化ビニリデンコーティングされたガスバリヤ性ナイロン
フィルムに密封して25±1℃の室温で、密封フィルム
内の酸素濃度の変化を測定し、酸素吸収特性を調査し
た。比較例として鉄粉と金属ハロゲン化物をなんの事前
処理も行わず単純に振動式のボールミルで30分間処理
を行った素材をふるい分けた素材の調査も行った。その
結果を表2に示す。
んだテイッシュペーパーと通気性材料が接触するように
して酸素容量315cc(空気容量1500cc)の塩
化ビニリデンコーティングされたガスバリヤ性ナイロン
フィルムに密封して25±1℃の室温で、密封フィルム
内の酸素濃度の変化を測定し、酸素吸収特性を調査し
た。比較例として鉄粉と金属ハロゲン化物をなんの事前
処理も行わず単純に振動式のボールミルで30分間処理
を行った素材をふるい分けた素材の調査も行った。その
結果を表2に示す。
【0038】
【表2】
【0039】本発明の方法では鉄粉の粒径に対して金属
ハロゲン化物の粒径比が0.1以下となるように事前破
砕した金属ハロゲン化物を使用した場合には良好な反応
特性および酸素吸収性能が得られたが粒径比が小さく金
属粉と金属ハロゲン化物の粒子径が近似している場合に
は反応性が悪化した。従来の方法では45μm未満の微
粉の反応性が著しく悪化し、実用できないものであっ
た。さらに従来法は反応性が低い45μm未満の素材が
処理前に比べ増加したが本発明の方法では45μm未満
の微粉部分の鉄粉の増加も反応の悪化もほとんど認めら
れず、配合した鉄粉すべてが有効に利用できるものであ
った。
ハロゲン化物の粒径比が0.1以下となるように事前破
砕した金属ハロゲン化物を使用した場合には良好な反応
特性および酸素吸収性能が得られたが粒径比が小さく金
属粉と金属ハロゲン化物の粒子径が近似している場合に
は反応性が悪化した。従来の方法では45μm未満の微
粉の反応性が著しく悪化し、実用できないものであっ
た。さらに従来法は反応性が低い45μm未満の素材が
処理前に比べ増加したが本発明の方法では45μm未満
の微粉部分の鉄粉の増加も反応の悪化もほとんど認めら
れず、配合した鉄粉すべてが有効に利用できるものであ
った。
【0040】実施例2 鉄粉として鉄鉱石を還元して製造した還元鉄粉で粒度分
布を45μm未満が約25%、45μm以上200μm
未満が約75%、残り200μm以上のものを使用し
て、金属ハロゲン化物にNaCl、CaCl2 をそれぞ
れ使用して、本発明法による脱酸素剤の製造方法で、鉄
粉100g、NaClとCaCl2 を0.1、0.3、
1.0、5.7gそれぞれ配合して製造した。
布を45μm未満が約25%、45μm以上200μm
未満が約75%、残り200μm以上のものを使用し
て、金属ハロゲン化物にNaCl、CaCl2 をそれぞ
れ使用して、本発明法による脱酸素剤の製造方法で、鉄
粉100g、NaClとCaCl2 を0.1、0.3、
1.0、5.7gそれぞれ配合して製造した。
【0041】このようにして製造した素材を片面が厚さ
0.2mm、ガーレー通気度23秒の通気性材料(デュ
ポン社製:商品名タイペック 1073B)片面が50
μmポリエチレンを12μmのポリエチレンテレフタレ
ートでラミネートした素材を使用し、外寸法50mm×
40mmの形状の包装材料に2g充填して脱酸素剤を試
作した。
0.2mm、ガーレー通気度23秒の通気性材料(デュ
ポン社製:商品名タイペック 1073B)片面が50
μmポリエチレンを12μmのポリエチレンテレフタレ
ートでラミネートした素材を使用し、外寸法50mm×
40mmの形状の包装材料に2g充填して脱酸素剤を試
作した。
【0042】この試作した脱酸素剤を4.8gの水を含
んだテイッシュペーパーと通気性材料が接触するように
して酸素容量300cc(空気容量1500cc)の塩
化ビニリデンコーティングされたガスバリヤ性ナイロン
フィルムに密封して25±1℃の室温で、密封フィルム
内の酸素濃度の変化を測定し、酸素吸収特性を調査し
た。比較例として鉄粉と金属ハロゲン化物をなんの事前
処理も行わず単純に振動式のボールミルで30分間処理
を行った素材をふるい分けた素材の調査も行った。その
結果を表3に示す。
んだテイッシュペーパーと通気性材料が接触するように
して酸素容量300cc(空気容量1500cc)の塩
化ビニリデンコーティングされたガスバリヤ性ナイロン
フィルムに密封して25±1℃の室温で、密封フィルム
内の酸素濃度の変化を測定し、酸素吸収特性を調査し
た。比較例として鉄粉と金属ハロゲン化物をなんの事前
処理も行わず単純に振動式のボールミルで30分間処理
を行った素材をふるい分けた素材の調査も行った。その
結果を表3に示す。
【0043】
【表3】
【0044】その結果、表3に示すように水分含有率が
1重量%以下の鉄粉100重量部に対して金属ハロゲン
化物が0.1重量%の配合では酸素吸収性能が悪化し、
基準の100ccの酸素を吸収する時間が目標の20時
間以上になり、さらに酸素吸収総量が200cc以下で
脱酸素剤として使用した場合には容器内の酸素濃度を完
全に吸収できない可能性があり、鉄粉の反応効率は該鉄
粉100重量部に対して金属ハロゲン化物を1.0重量
%配合したものに比べ63%も低下した。また該鉄粉1
00重量部に対して金属ハロゲン化物を7重量%配合し
た条件では5重量%配合に比べ酸素吸収性能がわずかに
低下し、経済的でないのみでなく特性悪化も招いた。N
aClとCaCl2 の金属ハロゲン化物の種類の影響は
ほとんどないが、低配合率でCaCl2 がNaClより
もわずかに性能が高く、該鉄粉100重量部に対して金
属ハロゲン化物を5重量%以上とする高配合率では逆に
わずかに性能が低下した。
1重量%以下の鉄粉100重量部に対して金属ハロゲン
化物が0.1重量%の配合では酸素吸収性能が悪化し、
基準の100ccの酸素を吸収する時間が目標の20時
間以上になり、さらに酸素吸収総量が200cc以下で
脱酸素剤として使用した場合には容器内の酸素濃度を完
全に吸収できない可能性があり、鉄粉の反応効率は該鉄
粉100重量部に対して金属ハロゲン化物を1.0重量
%配合したものに比べ63%も低下した。また該鉄粉1
00重量部に対して金属ハロゲン化物を7重量%配合し
た条件では5重量%配合に比べ酸素吸収性能がわずかに
低下し、経済的でないのみでなく特性悪化も招いた。N
aClとCaCl2 の金属ハロゲン化物の種類の影響は
ほとんどないが、低配合率でCaCl2 がNaClより
もわずかに性能が高く、該鉄粉100重量部に対して金
属ハロゲン化物を5重量%以上とする高配合率では逆に
わずかに性能が低下した。
【0045】
【発明の効果】本発明は、外気と遮断されたシール性容
器に水分を含む加工食品とともに密封された食品の水分
を利用して脱酸素反応を開始する脱酸素剤を製造する場
合に反応触媒として作用する金属ハロゲン化物を事前に
鉄粉の粒径に対して金属ハロゲン化物の粒径比が0.1
以下となるまで微粉砕して鉄粉との粒径差により金属粉
表面に付着した後に衝撃力や摩擦力を利用して、金属ハ
ロゲン化物を金属粉表面に固定化することにより、素材
の粒度毎の反応特性の均一化を図り、従来法に比べ反応
効率を14%改善し、酸素吸収速度の向上、吸収総量の
増加が達成でき、従来法に比べ20%少ない重量の使用
で食品のかび、腐敗、変質を防ぎ、酸素吸収特性のばら
つきが少ない脱酸素剤の製造が可能な極めて利用価値の
高い発明である。
器に水分を含む加工食品とともに密封された食品の水分
を利用して脱酸素反応を開始する脱酸素剤を製造する場
合に反応触媒として作用する金属ハロゲン化物を事前に
鉄粉の粒径に対して金属ハロゲン化物の粒径比が0.1
以下となるまで微粉砕して鉄粉との粒径差により金属粉
表面に付着した後に衝撃力や摩擦力を利用して、金属ハ
ロゲン化物を金属粉表面に固定化することにより、素材
の粒度毎の反応特性の均一化を図り、従来法に比べ反応
効率を14%改善し、酸素吸収速度の向上、吸収総量の
増加が達成でき、従来法に比べ20%少ない重量の使用
で食品のかび、腐敗、変質を防ぎ、酸素吸収特性のばら
つきが少ない脱酸素剤の製造が可能な極めて利用価値の
高い発明である。
【図1】本発明および従来法による粒度別素材の酸素吸
収特性を示す図である。
収特性を示す図である。
【図2】本発明による素材の粒子の模式図である。
【図3】従来法による素材の粒子の模式図である。
1、1′…金属粉 2、2′…金属ハロゲン化物
Claims (1)
- 【請求項1】 あらかじめ金属粉の粒径に対する金属ハ
ロゲン化物の粒径比が0.1以下となるように金属ハロ
ゲン化物を微粉砕し、水分含有率が1重量%以下の金属
粉100重量部に対して0.1〜5重量部の金属ハロゲ
ン化物の割合で、金属粉表面に金属ハロゲン化物の微粒
子を付着させて金属粉と金属ハロゲン化物の複合粒子と
し、さらに該複合粒子の表面に衝撃力および摩擦力を作
用して金属粉表面に付着した金属ハロゲン化物を金属粉
表面に強固な付着が可能な固定化処理してなることを特
徴とする脱酸素剤の製造方法。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP9836792A JPH05293365A (ja) | 1992-04-18 | 1992-04-18 | 脱酸素剤の製造方法 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP9836792A JPH05293365A (ja) | 1992-04-18 | 1992-04-18 | 脱酸素剤の製造方法 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH05293365A true JPH05293365A (ja) | 1993-11-09 |
Family
ID=14217914
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP9836792A Pending JPH05293365A (ja) | 1992-04-18 | 1992-04-18 | 脱酸素剤の製造方法 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JPH05293365A (ja) |
Cited By (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
CN103416435A (zh) * | 2013-03-20 | 2013-12-04 | 俞锃 | 药用防霉剂及其制备方法 |
Citations (2)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JPS6463039A (en) * | 1987-09-01 | 1989-03-09 | Nippon Steel Corp | Production of deoxidant |
JPH02224761A (ja) * | 1989-02-28 | 1990-09-06 | Lion Corp | 消臭剤 |
-
1992
- 1992-04-18 JP JP9836792A patent/JPH05293365A/ja active Pending
Patent Citations (2)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JPS6463039A (en) * | 1987-09-01 | 1989-03-09 | Nippon Steel Corp | Production of deoxidant |
JPH02224761A (ja) * | 1989-02-28 | 1990-09-06 | Lion Corp | 消臭剤 |
Cited By (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
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CN103416435A (zh) * | 2013-03-20 | 2013-12-04 | 俞锃 | 药用防霉剂及其制备方法 |
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Legal Events
Date | Code | Title | Description |
---|---|---|---|
A02 | Decision of refusal |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A02 Effective date: 19961126 |