JP3698892B2 - 脱酸素剤用鉄粉およびその製造方法ならびにこれを用いたシートまたはフィルム - Google Patents

脱酸素剤用鉄粉およびその製造方法ならびにこれを用いたシートまたはフィルム Download PDF

Info

Publication number
JP3698892B2
JP3698892B2 JP13137998A JP13137998A JP3698892B2 JP 3698892 B2 JP3698892 B2 JP 3698892B2 JP 13137998 A JP13137998 A JP 13137998A JP 13137998 A JP13137998 A JP 13137998A JP 3698892 B2 JP3698892 B2 JP 3698892B2
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
iron powder
oxygen
oxygen scavenger
powder
producing
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Expired - Lifetime
Application number
JP13137998A
Other languages
English (en)
Other versions
JPH11302706A (ja
Inventor
誠一 久野
和正 手塚
和浩 妹尾
和人 伊藤
正博 前田
行弘 松田
武明 長崎
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Dowa Holdings Co Ltd
Original Assignee
Dowa Holdings Co Ltd
Dowa Mining Co Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Dowa Holdings Co Ltd, Dowa Mining Co Ltd filed Critical Dowa Holdings Co Ltd
Priority to JP13137998A priority Critical patent/JP3698892B2/ja
Publication of JPH11302706A publication Critical patent/JPH11302706A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP3698892B2 publication Critical patent/JP3698892B2/ja
Anticipated expiration legal-status Critical
Expired - Lifetime legal-status Critical Current

Links

Landscapes

  • Solid-Sorbent Or Filter-Aiding Compositions (AREA)
  • Powder Metallurgy (AREA)

Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、密封容器内の酸素を吸収して非酸化性雰囲気を保持するための脱酸素剤や、その他の反応材として使用される反応材用鉄粉およびその製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
例えば、保存食品等の酸素による変質を防止するため、保存食品等と共に密封容器内に封入して該密封容器内の酸素を吸収させるべく鉄粉を処理した脱酸素剤が実用化されている。また、熱可塑性樹脂と脱酸素剤を混練してシート状またはフィルム状としたものが、脱酸素性能を備えた包装材料として用いられる。
また、処理鉄粉としては、特にハロゲン化物を表面に形成したものが効果的であることも知られている。このようなハロゲン化鉄粉末による脱酸素剤を得る従来の製造技術として、鉄粉を塩化ナトリウム等ハロゲン化金属溶液と混合し、鉄粉の表面をハロゲン化金属で均一に被覆した後乾燥する技術については、特開昭54−35883号公報に開示がある。塩酸等酸性水溶液に鉄粉を接触反応させて表面改質を行う技術については、特開昭54−99092号公報に開示がある。
【0003】
鉄粉とハロゲン化金属等電解質粉を微粉状態として直接混合し、電解質粉を鉄粉に均一に付着させて表面改質を行う技術については、特開昭60−20986号公報に開示がある。また、鉄粉にハロゲン化金属等電解質粉を添加し、摩擦力及びまたは圧縮力等の機械力を作用させながら混合粉砕し、鉄粉に電解質粉を付着結合させる技術については、特開昭60−129137号公報に開示がある。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、特開昭54−35883号公報および特開昭54−99092号公報の技術は、電解質水溶液を用いて鉄粉を処理する湿式処理法であり、乾燥や水分調節工程を必要とし、また、場合によっては廃液を生じるので、そのための対策を講じなければならないという問題があり、特開昭60−20986号公報および特開昭60−129137号公報の技術は、電解質が粉末状で鉄粉に付着しているものであり、反応促進効果が十分に得られず脱酸素反応が遅いという問題があった。即ち、付着していない部分の反応が遅いという問題があり、特に、特開昭60−20986号公報のものについては、混合のみの処理を行っているので、小粒径の鉄粉への電解質粉の付着量が少なく、従って、脱酸素剤としては脱酸素反応が遅いという問題があった。
上記の問題を解決するため、本発明は、乾式処理方法により製造され、乾燥等水分調節工程を必要とせず、且つ、鉄粉におけるハロゲン化物特に塩化物の均一被覆性に優れ、脱酸素反応に優れた脱酸素剤およびその製造方法の提供を目的とする。
【0005】
【課題を解決するための手段】
本発明は、反応ガス即ちハロゲンガスまたはハロゲン化物ガスとして一般的な塩素または塩化水素ガスを用い、鉄粉にこれらのガスを接触反応させて改質を行うことにより脱酸素活性が向上すること、凹所や内部空孔等を含む鉄粉全表面を均一に被覆できるので実質的に反応面積が大きくなり、脱酸素活性が高められること、および、乾式処理であるため、水分調節等を不要とし処理工程が簡単であることを知見してなされたものである。
【0006】
即ち、本発明は第1に、表面に塩化鉄からなる被覆層が生成している鉄粉において、前記被覆層が塩素または塩化水素ガスとの接触反応により生成され0.1〜2重量%のClを含有することを特徴とする脱酸素剤用鉄粉を、また第2に、前記鉄粉が還元鉄粉であることを特徴とする前記第1記載の脱酸素剤用鉄粉を、またさらに第3に、前記第1または第2に記載の脱酸素剤用鉄粉を樹脂と混練してシート状またはフィルム状にしたことを特徴とするシートまたはフィルムを提供する。
【0007】
さらに、本発明は第4に、鉄粉に塩素または塩化水素ガスを接触させ反応させて前記鉄粉表面に塩化鉄を形成させる改質処理を行うことを特徴とする脱酸素剤用鉄粉の製造方法を、第5に、前記改質処理は前記鉄粉を流動させながら行うことを特徴とする前記第4記載の脱酸素剤用鉄粉の製造方法を、第6に、前記改質処理は常温〜300℃の温度で行うことを特徴とする前記第4または第5に記載の脱酸素剤用鉄粉の製造方法を、第7に、前記塩素または塩化水素ガスを不活性ガスによるキャリアガスに同伴させることを特徴とする前記第4〜第6のいずれかに記載の脱酸素剤用鉄粉の製造方法を、第8に、前記塩素または塩化水素ガスを不活性ガスによるキャリアガスと水蒸気に同伴させることを特徴とする前記第4〜第6のいずれかに記載の脱酸素剤用鉄粉の製造方法を、第9に、前記鉄粉は前記改質処理の前に還元熱処理を行うことを特徴とする前記第4〜第8のいずれかに記載の脱酸素剤用鉄粉の製造方法を、第10に、前記鉄粉は前記改質処理の前に表面酸化熱処理を行うことを特徴とする前記第4〜第8のいずれかに記載の脱酸素剤用鉄粉の製造方法を、そして第11に、前記鉄粉は前記改質処理の前に還元熱処理と表面酸化熱処理を連係して行うことを特徴とする前記第4〜第8のいずれかに記載の脱酸素剤用鉄粉の製造方法を提供するものである。
【0008】
【発明の実施の形態】
鉄粉に塩素または塩化水素ガスからなる反応ガスを接触反応させるには、雰囲気調整が可能な反応容器内に鉄粉を入れ、反応容器内を窒素等不活性ガスで置換して不活性ガス雰囲気とし、反応ガスを好ましくはキャリアガスと共に導入して鉄粉と接触させる手段がとられる。反応ガスとしては反応性および安全性の点から一般的に塩化水素ガスを用いる(以下、反応ガスを塩化水素ガスとして説明する)。
【0009】
この場合、反応容器の回転機構あるいは内部攪拌機構を利用する等により鉄粉を流動状態において塩化水素ガスと接触させることにより、全鉄粉にわたり、均一に反応させることができる。キャリアガスとして、窒素,アルゴン,ヘリウム等不活性ガスを用いることにより、処理中における反応速度を調整することができる。この塩化水素ガスとの接触による反応は顕著で、鉄粉の凹所や入り込んだ内部空孔にまで全表面にわたって均一に、且つ、比較的早期に塩化鉄が形成される。従って、長時間の処理は必要としない。処理温度としては、FeCl3 の融点の 300℃未満とし、好ましくは常温〜 200℃とする。温度が高い方が、未反応の塩化水素ガスの付着を抑制できるので、塩化水素ガスの反応効率が良くなるが、温度が高すぎると反応量の制御が難しくなる傾向があり、また反応容器が腐食される等の問題を生じる。敢えて常温以下とするのは経済性の点からも無意味である。鉄粉としては、品位や形状に限定されるものではないが、塩化水素ガスによる塩化鉄の被覆性の点からも比表面積の大きい還元鉄微粉末が望ましい。
【0010】
上記の塩化水素ガス処理により、表面層に塩化鉄態でClを 0.1〜2 重量%含有する鉄粉による反応材用鉄粉を得ることができる。この反応材用鉄粉は、使用時、表面層塩化鉄のClはFeのイオン化を促進し、水の存在下で酸素を吸収し、水酸化鉄を生成する。Clの含有率が 0.1重量%以下では、酸素吸収力が十分でなく、 2重量%以上では生産性に見合う酸素吸収力の向上が期待できない。
なお、上記の改質処理時、反応容器内への塩化水素ガスの導入に際し、キャリアガスに水蒸気を同伴させると、鉄粉に対する塩化水素ガスの吸着性が増して反応効率が向上する。
【0011】
また、改質処理前に鉄粉の還元熱処理を行うことにより、脱酸素剤としての使用時において、表面の金属鉄の品質向上により水素ガスの発生が抑制され酸素吸収能力が向上するという効果を奏する。この水素ガス発生の抑制は、還元による熱処理によって鉄粉の歪みが取り除かれ、表面エネルギーが少なくなることにより、水の分解性が抑制されるためと考えられる。このことにより、この脱酸素剤の使用時、脱酸素容器内の酸素が少なくなり水だけになった際にも、この水分と鉄粉との不必要な反応の進行による水素ガスの発生が抑制される効果を奏する。
【0012】
また、改質処理前に、表面酸化熱処理を行うことが望ましい。この表面酸化熱処理により、塩化水素ガスの反応効率が向上する。この理由は比表面積が増大するためと考えられるが、さらに、脱酸素剤としての性能が改善され、使用時の水素ガス発生を抑制し酸素の消費を促進することが可能となる。そして、上記の還元熱処理と表面酸化熱処理を連係して行うことにより、脱酸素剤としての酸素吸収能力はさらに向上する。
【0013】
本発明の脱酸素剤は樹脂内に混練して扱い易いシートまたはフィルム態としても有効に利用できる。処理鉄粉はシートまたはフィルムの表面のみではなく、樹脂中においても樹脂を通過してきた酸素と反応し、反応した酸素は酸化鉄および水酸化鉄の生成に消費される。
【0014】
【実施例】
〔実施例1〕
装置として真空吸引装置を備え温度調節が可能なロータリーエバポレータを用い、鉄粉としては平均粒径 25 μm の還元鉄粉を用いた。
まず、鉄粉を装置容器内に 500 g充填した。装置の回転は 45 rpm とし、装置容器内を窒素ガスで置換した後、塩化水素ガスを 150 ml/分で流入させ、処理温度 25 ℃において、60分間の改質処理を行って脱酸素剤粉体試料を得た。
得られた脱酸素剤粉体試料(試料1とする)1 g を40mm×45mmの通気性ポリエチレン袋に封入した。この袋入り脱酸素剤粉体試料を水 1 ml をしみ込ませた濾紙および空気 1500 mlと共にアルミラミネート袋による脱酸素容器に入れて密封した。
これを 20 ℃で保管し、24時間後において、脱酸素容器内の酸素濃度の変化から酸素吸収量を測定した。
【0015】
また、前記脱酸素剤粉体試料(試料1)とポリプロピレン樹脂(三菱化学(株)商品名:FL25HA)とを重量比 3:7 の割合とし、温度調節可能なミキサ機構と押出し機構を備えるラボプラストミルを使用し、装置回転数 30 rpm および処理温度 200℃で10分間混練した。得られた混練物をホットプレート上で溶解し、厚さ 1 mm に成形した後60mm×60mmに切断して樹脂混練シート試料とした。
この樹脂混練シート試料を水 1 ml をしみ込ませた濾紙および空気 1500 mlと共にアルミラミネート袋による脱酸素容器に入れて密封した。この脱酸素容器を 50 ℃で保管し、24時間後において、脱酸素容器内の酸素濃度の変化から酸素吸収量を測定した。
鉄粉 1g 当たりの酸素吸収量の算定結果を表1に示した。
【0016】
〔実施例2〕
装置としてバッチ式回転炉を用い、鉄粉として平均粒径 25 μm の還元鉄粉 3000 g を装置容器内に充填した。装置容器の回転数を 10 rpm とし、装置容器内を窒素で置換後、200 ℃に昇温して保持した。塩化水素ガスを 150 ml/分で 6時間導入し、改質処理を行って脱酸素剤粉体試料を得た。
得られた脱酸素剤粉体試料(試料2とする)について、実施例1の場合と同一条件で、粉体状態と樹脂混練シート状態の試料を作成し、脱酸素容器内における酸素吸収量を測定した。
鉄粉 1g 当たりの酸素吸収量の算定結果を表1に示した。
【0017】
〔実施例3〕
装置としてバッチ式回転炉を用い、鉄粉として平均粒径 25 μm の還元鉄粉 3000 g を用い、装置容器内に充填した。装置の回転数を 10 rpm とし、装置容器内を窒素で置換した後、600 ℃に昇温し、水素ガスを 3 l/分で流入させ、 6時間の鉄粉表面の還元熱処理を行った。得られた還元処理鉄粉を実施例1の場合と同一条件で塩化水素ガスによる改質処理を行った。
得られた脱酸素剤粉体試料(試料3とする)について、実施例1の場合と同様にして、粉体状態と樹脂混練シート状態の試料を作成し、脱酸素容器内における酸素吸収量を測定した。
鉄粉1g当たりの酸素吸収量の算定結果を表1に示した。
【0018】
〔実施例4〕
装置としてバッチ式回転炉を用い、鉄粉として平均粒径 25 μm の還元鉄粉 3000 g を用い、装置容器内に充填した。装置容器の回転数を 10 rpm とし、装置容器内を窒素で置換した後、200 ℃に昇温し、空気を 2 l/分の割合で流入させ、20分間の鉄粉の表面酸化熱処理を行った。
得られた酸化処理鉄粉について、実施例1の場合と同一条件で塩化水素ガスによる改質処理を行った。
得られた脱酸素剤粉体試料(試料4とする)について、実施例1の場合と同様にして、粉体状態と樹脂混練シート状態の試料を作成し、脱酸素容器内における酸素吸収量を測定した。
鉄粉 1g 当たりの酸素吸収量の算定結果を表1に示した。
【0019】
〔実施例5〕
装置としてバッチ式回転炉を用い、還元鉄粉を用い、実施例3と同一条件で鉄粉の表面還元熱処理を行った。
得られた還元処理鉄粉について、実施例4の場合と同一条件で鉄粉の表面酸化熱処理を行った。
得られた還元・酸化処理鉄粉について、実施例1の場合と同一条件で塩化水素ガスによる改質処理を行った。
得られた脱酸素剤粉体試料(試料5とする)について、実施例1の場合と同様にして、粉体状態と樹脂混練シート状態の試料を作成し、脱酸素容器内における酸素吸収量を測定した。
鉄粉 1g 当たりの酸素吸収量の算定結果を表1に示した。
【0020】
〔比較例1〕
平均粒径 25 μm の還元鉄粉 500 gと電解質粉末として平均粒径 16 μm の塩化ナトリウム 10 g とを容量 1 lのV型混合機(V型筒体からなる容器内部に水平攪拌羽根を備える)で30分間混合して脱酸素剤粉体試料を得た。
得られた脱酸素剤粉体試料(試料6とする)について実施例1の場合と同様にして、粉体状態と樹脂混練シート状態の試料を作成し、脱酸素容器内における酸素吸収量を測定した。鉄粉 1g 当たりの酸素吸収量の算定結果を表1に示した。
【0021】
〔比較例2〕
平均粒径 45 μm の還元鉄粉 1500 g と電解質粉末として平均粒径 16 μm の塩化ナトリウム 30 g とを混合し、1/2 インチ鋼球10.5 kg を収容する容量 3 lの振動ボールミルで 6時間の粉砕処理を行って、平均粒径が 22 μm の脱酸素剤粉体試料を得た。
得られた脱酸素剤粉体試料(試料7とする)について実施例1の場合と同様にして、粉体状態と樹脂混練シート状態の試料を作成紙、脱酸素容器内における酸素吸収量を測定した。
鉄粉 1g 当たりの酸素吸収量の算定結果を表1に示した。
【0022】
〔比較例3〕
容器内に回転速度調節が可能な攪拌具を備える万能攪拌機を用い、平均粒径が 25 μm の還元鉄粉 2000 g を電解質溶液としてNaCl 100 g/lを含むNaCl水溶液 400 ml に浸漬混合しながら、 2 l/分の窒素ガスを流入する窒素雰囲気内で 120℃に昇温して乾燥を行い、脱酸素剤粉体試料を得た。
得られた脱酸素剤粉体試料(試料8とする)について、実施例1の場合と同様にして、粉体状態と樹脂混練シート状態の試料を作成し、脱酸素容器内における酸素吸収量を測定した。
鉄粉 1g 当たりの酸素吸収量の算定結果を表1に示した。
【0023】
【表1】
Figure 0003698892
【0024】
この結果から、従来方法により電解質物質として塩化ナトリウムと用いて鉄粉の改質処理を行ったものについては、単純混合処理(試料6)、水溶液への浸漬処理(試料8)、混合粉砕処理(試料7)の順序で性能が改善されているが、これらの従来方法に比較して、本発明方法によるものは著しく改善されていることがわかる(試料1、試料2)。
また、改質処理に先立って水素還元熱処理を行ったもの(試料3)、空気酸化熱処理を行ったもの(試料4)において示されているように、特に、水素還元熱処理と空気酸化熱処理を連係的に行ったもの(試料5)において示されているように、前処理による処理効果は顕著であった。
また、樹脂と混練物とすることによっても、反応速度は遅くなるが、粉体の場合の処理条件と同順で脱酸素性能の十分な改善効果が得られることがわかる。
【0025】
【発明の効果】
以上の説明から明らかなように、塩素または塩化水素ガスによる鉄粉の改質処理を行う本発明によれば、均一被覆性に優れ、従来の粉末同士の混合処理や電解質水溶液への浸漬処理等に比較して顕著に改善された脱酸素性能が得られ、また、乾式処理法なので、乾燥や水分調節処理を必要しない等の効果を奏する。また、塩素または塩化水素ガスに水蒸気を同伴させることにより、さらに、改質処理に先立って鉄粉の還元熱処理または表面酸化熱処理あるいはまた還元熱処理と表面酸化熱処理との連係処理を行うことによってさらに顕著な脱酸素性能が得られるという効果を奏する。さらにまた、樹脂との混練したシートまたはフィルム状態においても十分な脱酸素性能が得られるという効果を奏する。

Claims (11)

  1. 表面に塩化鉄からなる被覆層が生成している鉄粉において、前記被覆層が塩素または塩化水素ガスとの接触反応により生成され0.1〜2重量%のClを含有することを特徴とする脱酸素剤用鉄粉。
  2. 前記鉄粉が還元鉄粉であることを特徴とする請求項1記載の脱酸素剤用鉄粉。
  3. 請求項1または2に記載の脱酸素剤用鉄粉を樹脂と混練してシート状またはフィルム状にしたことを特徴とするシートまたはフィルム
  4. 鉄粉に塩素または塩化水素ガスを接触させ反応させて前記鉄粉表面に塩化鉄を形成させる改質処理を行うことを特徴とする脱酸素剤用鉄粉の製造方法。
  5. 前記改質処理は前記鉄粉を流動させながら行うことを特徴とする請求項4記載の脱酸素剤用鉄粉の製造方法。
  6. 前記改質処理は常温〜300℃の温度で行うことを特徴とする請求項4または5に記載の脱酸素剤用鉄粉の製造方法。
  7. 前記塩素または塩化水素ガスを不活性ガスによるキャリアガスに同伴させることを特徴とする請求項4〜6のいずれかに記載の脱酸素剤用鉄粉の製造方法。
  8. 前記塩素または塩化水素ガスを不活性ガスによるキャリアガスと水蒸気に同伴させることを特徴とする請求項4〜6のいずれかに記載の脱酸素剤用鉄粉の製造方法。
  9. 前記鉄粉は前記改質処理の前に還元熱処理を行うことを特徴とする請求項4〜8のいずれかに記載の脱酸素剤用鉄粉の製造方法。
  10. 前記鉄粉は前記改質処理の前に表面酸化熱処理を行うことを特徴とする請求項4〜8のいずれかに記載の脱酸素剤用鉄粉の製造方法。
  11. 前記鉄粉は前記改質処理の前に還元熱処理と表面酸化熱処理を連係して行うことを特徴とする請求項4〜8のいずれかに記載の脱酸素剤用鉄粉の製造方法。
JP13137998A 1998-04-24 1998-04-24 脱酸素剤用鉄粉およびその製造方法ならびにこれを用いたシートまたはフィルム Expired - Lifetime JP3698892B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP13137998A JP3698892B2 (ja) 1998-04-24 1998-04-24 脱酸素剤用鉄粉およびその製造方法ならびにこれを用いたシートまたはフィルム

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP13137998A JP3698892B2 (ja) 1998-04-24 1998-04-24 脱酸素剤用鉄粉およびその製造方法ならびにこれを用いたシートまたはフィルム

Related Child Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2005081291A Division JP4074897B2 (ja) 2005-03-22 2005-03-22 脱酸素剤用鉄粉の製造方法

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JPH11302706A JPH11302706A (ja) 1999-11-02
JP3698892B2 true JP3698892B2 (ja) 2005-09-21

Family

ID=15056581

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP13137998A Expired - Lifetime JP3698892B2 (ja) 1998-04-24 1998-04-24 脱酸素剤用鉄粉およびその製造方法ならびにこれを用いたシートまたはフィルム

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP3698892B2 (ja)

Families Citing this family (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
US7622153B2 (en) 2004-08-13 2009-11-24 M&G Usa Corporation Method of making vapour deposited oxygen-scavenging particles
US7951419B2 (en) 2005-07-21 2011-05-31 Multisorb Technologies, Inc. Dry-coated oxygen-scavenging particles and methods of making them
WO2015068838A1 (ja) 2013-11-11 2015-05-14 加藤 進 破砕・爆砕装置、製粉方法、穀物粉、食品及び接着剤

Also Published As

Publication number Publication date
JPH11302706A (ja) 1999-11-02

Similar Documents

Publication Publication Date Title
US20080105085A1 (en) Method Of Production Of High Purity Silver Particles
CN110665483A (zh) 一种碳纤维水滑石复合材料及其制备方法和应用
WO2023002731A1 (ja) 酸素反応剤用鉄基粉末およびそれを用いた酸素反応剤
WO2023002732A1 (ja) 酸素反応剤用鉄基粉末およびそれを用いた酸素反応剤
Zhou et al. Preparation of amidoxime functionalized titanate nanosheets for efficient extraction of uranium from aqueous solution
JP3698892B2 (ja) 脱酸素剤用鉄粉およびその製造方法ならびにこれを用いたシートまたはフィルム
JP4074897B2 (ja) 脱酸素剤用鉄粉の製造方法
Zhao et al. Preparation of 1 T/2H MoS2@ MMT with sphere structure: Study on selective adsorption of Pb2+
EP1422302B1 (en) Foaming agent for manufacturing a foamed metal
CN110898809B (zh) 一种炔碳-过渡金属氧化物复合材料的机械化学制备方法及其在重金属离子吸附中的应用
JP3590178B2 (ja) 電解二酸化マンガンおよびその製造方法、並びにマンガン乾電池
JP6984628B2 (ja) 還元鉄粉の製造方法
CN107349900B (zh) 一种重金属吸附剂及其制备
JP4708826B2 (ja) 抗菌抗カビ消臭性無機組成物及びその製造方法
CN108786866A (zh) 一种用于乙炔法合成氯乙烯的无汞催化剂及其制备方法
JP3991073B2 (ja) 脱酸素剤の製造方法
EP0273571B1 (en) Separating-agents composition and method using same
JP2002292276A (ja) 脱酸素剤用還元鉄粉及びその製造方法
CN109876765A (zh) 复合材料
JP3505133B2 (ja) 表面導電性オキシ水酸化ニッケルおよびその製造方法
CN113649001B (zh) 一种双金属电催化反硝化电极材料及其制备方法
CN110029330B (zh) 一种铜锌合金复合材料及其制备方法
JP3771463B2 (ja) 発泡/多孔質金属製造用発泡剤
CN115626692A (zh) 一种cdi电极活性材料及其制备和应用
JP2003117385A (ja) 活性鉄粉

Legal Events

Date Code Title Description
RD02 Notification of acceptance of power of attorney

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A7422

Effective date: 20040217

RD04 Notification of resignation of power of attorney

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A7424

Effective date: 20040318

A977 Report on retrieval

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007

Effective date: 20041122

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20050118

A521 Request for written amendment filed

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20050322

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20050419

A521 Request for written amendment filed

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20050614

TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20050705

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20050706

R150 Certificate of patent or registration of utility model

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20080715

Year of fee payment: 3

S111 Request for change of ownership or part of ownership

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R313115

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20080715

Year of fee payment: 3

R350 Written notification of registration of transfer

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R350

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20080715

Year of fee payment: 3

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20090715

Year of fee payment: 4

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20090715

Year of fee payment: 4

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20100715

Year of fee payment: 5

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20110715

Year of fee payment: 6

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20110715

Year of fee payment: 6

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20120715

Year of fee payment: 7

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20120715

Year of fee payment: 7

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20130715

Year of fee payment: 8

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

EXPY Cancellation because of completion of term