JPH05291731A - 回路基板の製造方法 - Google Patents

回路基板の製造方法

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JPH05291731A
JPH05291731A JP8576292A JP8576292A JPH05291731A JP H05291731 A JPH05291731 A JP H05291731A JP 8576292 A JP8576292 A JP 8576292A JP 8576292 A JP8576292 A JP 8576292A JP H05291731 A JPH05291731 A JP H05291731A
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JP
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plating
oxide film
catalyst
substrate
adhesive layer
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JP8576292A
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Manabu Okumura
学 奥村
Toru Nakai
通 中井
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Ibiden Co Ltd
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Ibiden Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 触媒核固定化のための熱処理の際に触媒核の
周囲に形成される酸化膜を、触媒核の接着剤層からの脱
落を招くことなく確実に除去することができ、メッキ層
の接着剤層に対する密着性を向上させて、プリント配線
板の信頼性を高める。 【構成】 基板上に形成された粗化接着剤層上に触媒核
を付与し、次いでメッキレジストを形成した後、無電解
メッキを施して導体回路を形成する。触媒核付与後、無
電解メッキを施す前に触媒核固定化のために基板の熱処
理を行う。熱処理の際に触媒核の周囲に形成された酸化
膜の除去を行った後、無電解メッキを施す。酸化膜の除
去は基板を還元剤を含有する溶液に浸漬することにより
行われ、酸化膜を形成する酸素のみが除去される。従っ
て、酸による除去と異なり、触媒核が溶解されて基板か
ら脱落することがない。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明はプリント配線板及びセラ
ミック配線板等の回路基板の製造方法に係り、特に無電
解メッキにより導体回路を形成するアディティブ法によ
る回路基板の製造方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】近年、電子機器の小型化、高性能化及び
多機能化が進められており、これに使用されるプリント
配線板においてもファインパターンによる高密度化及び
高信頼性が要求されている。
【0003】従来、プリント配線板に導体回路を形成す
る方法としては、絶縁基板に銅箔を積層した後、フォト
エッチングすることにより導体回路を形成するサブトラ
クティブ法が広く行われている。この方法によれば絶縁
基板との密着性に優れた導体回路を形成することができ
る。しかし、エッチングでパターンを形成する際に必要
なエッチング深さが大きいため所謂アンダーカットが生
じ、高精度のファインパターンが得難く、高密度化に対
応することが難しいという問題がある。そこでサブトラ
クティブ法に代る方法として、無電解メッキのみで導体
回路を形成するフルアディティブ法が注目されている。
又、セラミック基板に無電解メッキを利用して導体回路
を形成するメタルアディティブセラミック配線板も知ら
れている。
【0004】フルアディティブ法では次の各工程を経て
プリント配線板が製造される。 (a)基板の表面に形成された粗化接着剤層上に無電解
メッキ用触媒として、例えば、コロイドタイプのパラジ
ウム化合物(Pd及びSnイオンを含む)を付与する工
程。 (b)必要に応じて、触媒活性化のために、酸でSnコ
ロイドの一部を除去する工程。 (c)加熱処理して触媒の固定を行う工程。 (d)メッキレジスト用フィルム又は樹脂液を印刷又は
塗布した後、露光、現像、熱処理などの方法に基づい
て、メッキ層を形成すべき部分以外の箇所にメッキレジ
スト層を形成する工程。 (e)再び酸にて触媒活性化処理を行う工程。 (f)無電解メッキにより導体回路を形成する工程。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】従来方法では、触媒固
定化のための熱処理を大気中で行っているために、触媒
核の表面に酸化膜が形成される。酸化膜で覆われた触媒
核には無電解メッキ金属(例えば銅)が付き難く、析出
金属(メッキ層)の基板に対する密着性が悪くなる。そ
こで、(e)の工程で酸処理にて酸化膜の除去を行うよ
うにしている。ところが、酸化膜を溶解するのに充分な
溶解力を有する塩酸、フッ酸などの強酸を使用すると、
酸化膜だけでなくPd自身あるいはPdと接着剤層との
間に存在するスズ(Sn)が溶解して、Pdが接着剤層
から脱落する。その結果、メッキ層の密着性(ピール強
度)が低下する。又、脱落したPdがメッキレジスト表
面に付着し、不要な箇所にメッキ層が形成されるという
問題がある。又、酸化膜(PdO)のみを溶解する弱酸
を使用すると、酸化膜を完全に除去するのに長時間を要
し、実際の使用条件では酸化膜の完全な除去は不可能で
ある。その結果、触媒核は酸化膜で覆われた状態に保持
され、無電解メッキの初期活性の不足により、メッキ層
の密着性(ピール強度)が低下する。
【0006】そこで、メッキ層の密着性(ピール強度)
を向上させるため、触媒核を過剰に付着させて、酸化膜
で覆われない状態の触媒核の量を確保することが考えら
れる。ところが、その場合は接着剤層とメッキレジスト
層の間に存在する触媒核の量が増大し、高密度の導体回
路を形成した場合その絶縁信頼性が低下するという問題
が生じる。
【0007】本発明は前記の問題点に鑑みてなされたも
のであって、その第1の目的は触媒核固定化のための熱
処理の際に触媒核の周囲に形成される酸化膜を、触媒核
の接着剤層からの脱落を招くことなく確実に除去するこ
とができ、メッキ層の接着剤層に対する密着性を向上さ
せて、プリント配線板の信頼性を高めることができる回
路基板の製造方法を提供することにある。
【0008】又、第2の目的は触媒核の周囲に形成され
た酸化膜の除去処理後、水洗をせずに無電解メッキを施
しても良好なメッキ層を形成することができ、製造工程
の簡素化を図ることができる回路基板の製造方法を提供
することにある。
【0009】
【課題を解決するための手段】前記第1の目的を達成す
るため請求項1に記載の発明では、基板上に形成された
粗化面上に触媒核を付与し、次いでメッキレジストを形
成した後、無電解メッキを施して導体回路を形成すると
ともに、前記触媒核付与後、無電解メッキを施す前に触
媒核固定化のために基板の熱処理を行う回路基板の製造
方法において、前記熱処理を行った後、無電解メッキを
施す前に、触媒核の表面に形成された酸化膜を還元除去
する工程を設けた。
【0010】又、第2の目的を達成するため請求項2に
記載の発明では、前記の回路基板の製造方法において、
無電解メッキ工程の前工程として、前記熱処理の際に触
媒核の表面に形成された酸化膜を、無電解メッキ工程の
メッキ浴に含有される還元剤と同じ還元剤を含む還元処
理液により、還元除去する工程を設けた。
【0011】基板としてガラスクロスに樹脂(例えばエ
ポキシ樹脂)が含浸されたもの使用する通常のプリント
配線板では、基板上に形成された接着剤層の表面を粗化
した粗化面に触媒核が付与される。一方、基板としてセ
ラミックスを使用するセラミック配線板では、ケミカル
エッチングにより基板上に形成された粗化面に触媒核が
付与される。
【0012】触媒核固定化のための熱処理時期は、メッ
キレジストの形成前でも後でもよいが、メッキレジスト
形成前が好ましい。一方、還元による酸化膜の除去は、
メッキレジスト形成後が好ましい。
【0013】還元による酸化膜の除去は、還元剤を含有
する溶液中あるいは、還元性の気体が存在する雰囲気に
基板を置くことにより行われる。還元剤としてはホルム
アルデヒド、次亜リン酸ナトリウム、p−オキシフェニ
ルグリシン、ヒドロキシ酢酸ナトリウム、ヒドラジン、
水素化ほう素カリウム等が使用される。還元性の気体と
しては水素が使用される。そして、還元剤には無電解メ
ッキ浴に含有されるものと同じものを使用するのが好ま
しい。
【0014】無電解メッキを行う金属は銅に限らずニッ
ケル等の他の金属でもよい。又、導体回路を銅で形成す
る場合に、下地メッキとしてニッケルメッキを行った
後、銅メッキを行ってもよい。そして、無電解メッキに
使用される金属が銅の場合は、還元剤としてホルムアル
デヒドの使用が好ましく、ニッケルの場合は次亜リン酸
ナトリウムの使用が好ましい。
【0015】又、触媒核としては一般にパラジウムが使
用されるが、パラジウムに限らず銀、銅などを使用して
もよい。
【0016】
【作用】プリント配線板を触媒核としてパラジウムを用
いて製造する場合を例にして説明すると、粗化接着剤層
上に付与される触媒は、パラジウム(Pd)の周囲をス
ズ(Sn)が取り囲んだ状態のパラジウム・スズコロイ
ドとして接着剤層上に付与される。触媒と接着剤層との
結合は、パラジウムが直接接着剤層の表面と結合するの
ではなく、パラジウムを取り囲んでいるスズの一部が接
着剤層の表面と結合することによる。そして、活性化処
理により、次式の反応で触媒核(Pd0 )が生じる。
【0017】Pd2++Sn2+→Pd0 +Sn4+ そして、接着剤層上に析出したPd0 は、触媒固定化の
ために行う熱処理の際あるいは、メッキレジストの熱硬
化処理の際に、その周囲に酸化膜(PdO)が形成され
る。全てのPd0 (触媒核)が酸化膜で覆われるのでは
ないが、酸化膜で覆われた触媒核にはメッキ金属が析出
し難く、酸化膜の除去処理を行わずに無電解メッキを施
した場合は、メッキ層の密着強度が不充分となる。
【0018】しかし、本発明では無電解メッキを施す前
に、触媒核の表面に形成された酸化膜が還元除去され
る。還元により酸化膜を除去する場合には、酸による除
去と異なり酸化膜の酸素のみが確実に除去される。従っ
て、触媒核が接着剤層から脱落することはなく、脱落し
た触媒核がメッキ層を形成すべき箇所以外に付着するこ
とに起因する不具合が無くなる。
【0019】又、触媒核の周囲に形成された酸化膜が確
実に除去され、かつ触媒核の脱落がないため、触媒核の
付与量を過剰にしなくても、無電解メッキの初期活性が
充分となる。その結果、無電解メッキ層の形成が支障な
く行われ、メッキ層の密着強度(ピール強度)が向上す
る。そして、触媒核の付与量を過剰にする必要がないた
め、メッキレジストと接着剤層との間に存在する触媒核
の量が少なくなり、絶縁抵抗が大きくなって絶縁信頼性
が確保される。
【0020】請求項2に記載の発明では、還元処理浴に
含まれる還元剤がメッキ浴に含有される還元剤と同じた
め、還元処理後、水洗せずに直接メッキ浴に浸漬して
も、メッキ層の形成に支障がない。水洗後、メッキ浴に
浸漬した場合は、触媒核の回りに水が付着しているた
め、その水がメッキ浴と置換された後、メッキ金属の析
出が開始される。水の代わりに還元液が付着している場
合は、メッキ浴との置換が速く行われ、水洗を行う場合
に比較して無電解メッキが効率良く行われる。すなわ
ち、基板を無電解メッキ浴に浸漬した際、触媒核がメッ
キ液と接触するまでの時間を短縮するための前処理の役
割を酸化膜の還元除去工程が果たす。又、水洗を省くこ
とが可能となり、製造工程が簡素化される。
【0021】
【実施例】以下、本発明を実施例及び比較例に基づい
て、より具体的に説明する。 (実施例1) (1) FR−4グレードの絶縁板(日立化成工業製)の表
面をバフ研磨した後、水洗乾燥して基板を得た。 (2) フェノールノボラック型エポキシ樹脂(油化シェル
製)60重量部、ビスフェノールA型エポキシ樹脂(油
化シェル製)40重量部、、イミダゾール型硬化剤(四
国化成製)5重量部、アンカー形成用の粒子としてのエ
ポキシ樹脂微粉末(東レ製、商品名:トレパールEP−
B、平均粒径5.5μm)25重量部及びエポキシ樹脂
微粉末(東レ製、商品名:トレパールEP−B、平均粒
径0.5μm)10重量部に、ブチルセロソルブアセテ
ート溶剤を添加しながら、ホモディスパー分散機で粘度
を120cps に調整し、三本ローラーで混練して接着剤
を調整した。 (3) 前記第(1) 工程で得られた基板にローラーコーター
を使用して、前記第(2)工程で得られた接着剤を塗布し
た後、100℃で1時間、さらに150℃で5時間乾燥
することにより、基板上に厚さ30μmの接着剤層を形
成した。 (4) 前記第(3) 工程の処理で得られた接着剤層を有する
基板を、クロム酸(Cr2O3)700g/l水溶液からなる
酸化剤溶液中に、70℃で15分間浸漬することにより
前記接着剤層の表面を粗化した。その後、中和液(シプ
レイ社製)に浸漬し、水洗した。 (5) 前記第(4) 工程の処理で得られた基板の接着剤層上
に、市販の化学銅メッキ核付与システム(シプレイ社
製)を用いてパラジウム触媒核の付与を行った。すなわ
ち、まず接着層表面の脱脂を目的として基板をアルキレ
ートJ(商品名)に60℃で2分間浸漬した。10秒間
のスプレー水洗を3回行った後、基板をコンディショナ
ー1160(商品名)に室温で2分間浸漬した。この処
理で接着層の表面が触媒の付与が可能な状態となる。次
に10秒間のスプレー水洗を3回行った後、基板をキャ
タプリップ404(商品名)に40℃で2分間浸漬し、
続いて10秒間のスプレー水洗を3回行った後、キャタ
ポジット44(商品名)に40℃で6分間浸漬した。こ
の処理によりパラジウム(Pd)の周囲をスズ(Sn)
が取り囲んだ状態のパラジウム・スズコロイドが接着剤
層の表面に付与される。触媒と接着剤層との結合は、パ
ラジウムが直接接着剤層の表面と結合するのではなく、
パラジウムを取り囲んでいるスズの一部が接着剤層の表
面と結合することによる。次に基板を弱酸性のアクセレ
ータ19(商品名)に室温で8分間浸漬して活性化処理
を行った。この活性化処理によりパラジウムの周りのス
ズイオンが2価から4価となって溶解し、無電解銅メッ
キの核となる金属パラジウムが露出する。その後、10
秒間のスプレー水洗を3回行った。 (6) 前記第(5) 工程の処理で得られた基板を、大気中で
高温器内にて120℃,40分間熱処理を行った。この
処理により触媒核の固定化が行われる。 (7) 前記第(6) 工程の処理で得られた基板の接着剤層上
に、ドライフィルムフォトレジストをラミネートし、露
光マスクを通して露光し、所望のパターンを焼き付けた
後、スプレー現像機で現像して厚さ50μmのメッキレ
ジストを形成した。現像液にはクロロセンに対してイソ
プロピルアルコールを10%添加した変成クロロセン溶
液を使用した。 (8) さらに、紫外線照射装置により、3J/cm2 の光
量でメッキレジストを光硬化させた後、大気中の高温器
内で150℃,30分間熱硬化を行った。この硬化処理
によりメッキレジストの耐メッキ液性が向上する。 (9) 前記第(8) 工程の処理で得られた基板を、70℃で
5分間湯洗した後、下記に示す組成の溶液中に50℃で
10分間浸漬した。この溶液は還元作用があり、前記前
記第(6) 及び第(8) 工程の処理の際に触媒核の周囲に形
成された酸化膜の酸素が除去される。
【0022】 ホルムアルデヒド(37%) 0.30mol/l 水酸化ナトリウム 0.35mol/l pH:12 (10)前記第(9) 工程の処理で得られた基板を、下記に示
す組成のアディティブ法用無電解銅メッキ液中に約1時
間浸漬して、メッキ層の厚さ25μmの無電解銅メッキ
を施し、プリント配線板を製造した。
【0023】 硫酸銅(CuSO4・5H2O) 0.06mol/l ホルムアルデヒド(37%) 0.30mol/l 水酸化ナトリウム 0.35mol/l EDTA 0.12mol/l 添加剤 少々 メッキ温度:70〜72℃ pH:12 (実施例2) (1) 実施例1の(1) 〜(8) の各工程と同じ処理を行っ
た。 (2) 前記工程(1) の処理を経た基板を、70℃で5分間
湯洗した後、下記に示す組成の溶液中に90℃で10分
間浸漬した。この溶液は還元作用があり、触媒核の周囲
に形成された酸化膜の酸素が除去される。
【0024】 次亜リン酸ナトリウム 10g/l pH:12 (3) 前記工程(2) の処理で得られた基板を、下記に示す
組成のアディティブ法用無電解Niメッキ液中に約10
時間浸漬して、メッキ層の厚さ25μmの無電解Niメ
ッキを施し、プリント配線板を製造した。
【0025】 塩化ニッケル 30g/l 次亜リン酸ナトリウム 10g/l ヒドロキシ酢酸ナトリウム 50g/l 添加剤 少々 メッキ温度:90℃ pH:6 (実施例3) (1) 実施例1の(1) 〜(8) の各工程と同じ処理を行っ
た。 (2) 前記工程(1) の処理を経た基板を、70℃で5分間
湯洗した後、下記に示す組成の溶液中に50℃で10分
間浸漬した。この溶液は還元作用があり、触媒核の周囲
に形成された酸化膜の酸素が除去される。
【0026】 p−オキシフェニルグリシン 0.12mol/l 塩化カリウム 2.0 mol/l pH:12 (3) 前記工程(2) の処理で得られた基板を、下記に示す
組成のアディティブ法用無電解銅メッキ液中に約1時間
浸漬して、メッキ層の厚さ25μmの無電解銅メッキを
施し、プリント配線板を製造した。
【0027】 硫酸銅(CuSO4・5H2O) 0.1mol/l EDTA 0.2mol/l p−オキシフェニルグリシン 0.12mol/l 塩化カリウム 2.0mol/l メッキ温度:50℃ pH:12 (実施例4) (1) 実施例1の(1) 〜(9) の各工程と同じ処理を行っ
た。 (2) 前記工程(1) の処理を経た基板を、下記に示す組成
のアディティブ法用無電解Niメッキ液中に約10時間
浸漬して、メッキ層の厚さ25μmの無電解Niメッキ
を施し、プリント配線板を製造した。
【0028】 塩化ニッケル 30g/l 次亜リン酸ナトリウム 10g/l ヒドロキシ酢酸ナトリウム 50g/l 添加剤 少々 メッキ温度:90℃ pH:6 (比較例1) (1) 実施例1の(1) 〜(8) の各工程と同じ処理を行っ
た。 (2) 前記工程(1) の処理を経た基板を、70℃で5分間
湯洗した後、実施例1の工程(10)の処理を行いプリント
配線板を製造した。
【0029】すなわち、この比較例では触媒核の周囲に
形成された酸化膜の除去処理を行うことなく、無電解銅
メッキを施した。 (比較例2) (1) 実施例1の(1) 〜(8) の各工程と同じ処理を行っ
た。 (2) 前記工程(1) の処理を経た基板を、70℃で5分間
湯洗した後、6規定の塩酸に25℃で5分間浸漬し、そ
の後、水洗を行った。 (3) 前記工程(2) の処理で得られた基板に対して、実施
例1の工程(10)の処理を行い、プリント配線板を製造し
た。
【0030】すなわち、この比較例では触媒核の周囲に
形成された酸化膜の除去処理を、溶解力の強い塩酸で行
った後、無電解銅メッキを施した。 (比較例3)比較例2とほぼ同様な工程を経てプリント
配線板を製造した。比較例2と異なる点は、塩酸による
酸化膜の除去工程において、接着剤層から触媒核が脱落
しても、無電解銅メッキの初期活性に必要な量の触媒核
が残るようにした点である。すなわち、触媒核付与工程
において多めに触媒核を付与した。
【0031】上記の実施例1〜4及び比較例1〜3で製
造した各プリント配線板について、基板とメッキ層との
密着性を比較するため、それぞれJIS−C−6481
の方法でピール強度を測定した。又、絶縁抵抗をJIS
−C−5012の方法で放置時間を1000時間として
測定した。又、熱処理後の酸化膜除去処理を行う前後に
おける接着剤層上のパラジウム量を測定した。その結果
を表1に示す。
【0032】
【表1】
【0033】表1から明らかなように、酸化膜の除去を
行わずに無電解メッキを施してプリント配線板を形成し
た場合(比較例1)は、酸化膜の除去を行った場合に比
較してピール強度が小さく、酸化膜の存在がピール強度
を低下させることが裏付けられる。又、酸化膜の除去を
強酸で行った場合(比較例2,3)は、ピール強度が向
上する。しかし、酸化膜の除去を強酸で行った場合は、
酸化膜の除去処理の際にパラジウムのほぼ半分が脱落す
る。その結果、酸化膜の除去処理前のパラジウム量を通
常の量とした場合(比較例2)は、ピール強度が不十分
となる。又、パラジウムの脱落を考慮してパラジウムを
過剰に付与した場合(比較例3)は、ピール強度はほぼ
満足できる値となる。しかし、接着剤層とメッキ層の間
に過剰なパラジウムが存在するため、絶縁抵抗が小さく
なる。
【0034】一方、酸化膜の除去を還元で行った場合
は、パラジウムの脱落を招くことなく酸化膜が確実に除
去される。その結果、ピール強度が向上し、絶縁抵抗も
大きくなり絶縁性が確保される。
【0035】なお、本発明は前記実施例に限定されるも
のではなく、例えば、触媒核固定のための熱処理をメッ
キレジストを形成した後に行ってもよい。しかし、その
場合は接着剤層とメッキレジストの間に存在するパラジ
ウムが、酸化膜で覆われていない状態となる。周囲が酸
化膜で覆われていないパラジウムは酸化膜で覆われたも
のに比較して絶縁抵抗が小さいため、結果として絶縁抵
抗が小さくなる。従って、メッキレジスト形成前に熱処
理を行うことが好ましい。又、還元剤として他のものを
使用したり、溶液中ではなく還元性の気体、例えば水素
中で還元を行ってもよい。又、接着剤としてエポキシ樹
脂溶液とエポキシ樹脂微粒子の組合せの接着剤に代え
て、ゴム系接着剤や特開昭61−276875号公報に
開示された接着剤等を使用してもよい。さらには、前記
各実施例ではプリント配線板について説明したが、セラ
ミック基板に無電解メッキを利用して導体回路を形成す
るセラミック配線板に適用してもよい。
【0036】
【発明の効果】以上詳述したように本発明によれば、触
媒核の周囲に形成された酸化膜が触媒核の脱落を招くこ
となく確実に除去されるので、メッキ層の基板に対する
密着性が向上するとともに、触媒核を過剰に付与する必
要がなく絶縁性が向上し、回路基板の信頼性を高めるこ
とができる。
【0037】又、請求項2に記載の発明によれば、触媒
核の周囲に形成された酸化膜の除去処理後、水洗をせず
に無電解メッキを施しても良好なメッキ層を形成するこ
とができ、製造工程の簡素化を図ることができる。

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 基板上に形成された粗化面上に触媒核を
    付与し、次いでメッキレジストを形成した後、無電解メ
    ッキを施して導体回路を形成するとともに、前記触媒核
    付与後、無電解メッキを施す前に触媒核固定化のために
    基板の熱処理を行う回路基板の製造方法において、 前記熱処理を行った後、無電解メッキを施す前に、触媒
    核の表面に形成された酸化膜を還元除去する工程を設け
    たことを特徴とする回路基板の製造方法。
  2. 【請求項2】 基板上に形成された粗化面上に触媒核を
    付与し、次いでメッキレジストを形成した後、無電解メ
    ッキを施して導体回路を形成するとともに、前記触媒核
    付与後、無電解メッキを施す前に触媒核固定化のために
    基板の熱処理を行う回路基板の製造方法において、 無電解メッキ工程の前工程として、前記熱処理の際に触
    媒核の表面に形成された酸化膜を、無電解メッキ工程の
    メッキ浴に含有される還元剤と同じ還元剤を含む還元処
    理液により、還元除去する工程を設けたことを特徴とす
    る回路基板の製造方法。
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