JP3197728B2 - 多層プリント配線板の製造方法 - Google Patents

多層プリント配線板の製造方法

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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、多層プリント配線板の
製造方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】近年における電子機器の小型化、高性能
化及び多機能化には目覚ましいものがある。そして、こ
のような電子機器の小型化等を実現するためには、LS
Iチップ等といった電子部品自体の改良ばかりでなく、
それを実装するためのプリント配線板にも高付加価値化
等が要求されることは言うまでもない。
【0003】プリント配線板の高付加価値化の例として
は、例えば基板の外表面のみならずその内部にも複数層
の導体回路が設けられたプリント配線板(いわゆる多層
プリント配線板)がある。
【0004】ここで、従来における多層プリント配線板
の製造方法の一例を紹介する。まず、内層導体回路を有
する基板の表面にプリプレグを介して絶縁接着剤層を形
成する。次に、クロム酸等による粗化を行った後、基板
にスルーホール形成用孔を透設する。次に、粗化された
絶縁接着剤層の表面及びスルーホール形成用孔の内壁面
に、無電解銅めっきの最初の析出に必要なPd触媒核を
付与する。次に、粗化面上の所定部分にめっきレジスト
を形成した後、塩酸やアクセラレータ液を用いてめっき
前処理(Pd触媒核の活性化処理)を行う。そして、薄
付け無電解銅めっき及び厚付け無電解銅めっきを行うこ
とにより、粗化面及びスルーホール形成用孔の内壁面に
銅を析出させる。なお、前記2種のめっき工程の間に
は、通常、硫酸等による基板の酸処理と、基板表面に残
っている酸を除去するための数分程度の水洗処理とが行
われる。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】ところが、上記のプロ
セスによって作製される多層プリント配線板の場合、ス
ルーホールめっきと内層導体回路との接続信頼性が不充
分になり易いという欠点がある。また、前記多層プリン
ト配線板の場合、同様にスルーホールめっきと絶縁接着
剤層との密着性も不充分になり易いという欠点がある。
【0006】また、前述のような不具合をもたらす原因
は、薄付け無電解銅めっき時に発生する水素がスルーホ
ール形成用孔の内壁面上、Pd触媒核層内、薄付けスル
ーホールめっき内に吸蔵されることにある、と考えられ
ている。
【0007】本発明は上記の事情に鑑みてなされたもの
であり、その目的は、スルーホールめっきと内層導体回
路との接続信頼性を確実に向上させることができる多層
プリント配線板の製造方法を提供することにある。
【0008】
【課題を解決するための手段】上記の課題を解決するた
めに、本発明では、内層導体回路を有する基板上に絶縁
層を形成し、かつスルーホール形成用孔を透設した後、
触媒核付与、薄付け無電解めっき、酸処理及び厚付け無
電解めっきを行う多層プリント配線板の製造方法におい
て、前記薄付け無電解めっきの後であって前記酸処理の
前に湯洗処理を行うことを特徴とした多層プリント配線
板の製造方法をその要旨としている。
【0009】この場合、湯洗処理時に酸素存在下でバブ
リングを行ったり、温度を70℃以上に設定しても良
い。
【0010】
【作用】湯洗処理を行う本発明の方法によると、薄付け
スルーホールめっき内やスルーホール形成用孔の内壁面
上などに溜まった吸蔵水素が、薄付けスルーホールめっ
きの金属粒子の隙間をぬって外部に抜け出し易くなる。
従って、当該部分における吸蔵水素の量を確実に低減さ
せることができる。
【0011】また、湯洗処理によって吸蔵水素が除去さ
れる理由としては、以下のように推論される。つまり、
薄付けスルーホールめっき内等に吸蔵されている水素
は、その大部分が原子の状態にあるものと考えられる。
そして、湯洗処理を行うと原子状の水素が分子化し、そ
れに伴って吸蔵水素に体積膨張が起こるものと考えられ
る。その結果、吸蔵水素の移動性が高まり、吸蔵水素が
抜け出し易くなるのであろうと考えられる。
【0012】また、湯洗処理時に酸素存在下でバブリン
グを行うと酸素供給量が増えることとなるため、静置状
態または酸素不足状態で処理したときと比較して、吸蔵
水素の除去効率が高くなる。これは、薄付けスルーホー
ルめっきの外面で起こる吸蔵水素の酸化反応が充分な酸
素の供給によって促進され、それに伴って吸蔵水素の移
動性が高まることに起因するものと考えられている。
【0013】更に、湯洗処理時の温度を70℃以上に設
定すると、常温付近の低い温度で処理したときに比較し
て、吸蔵水素の除去効率が高くなる。これは、吸蔵水素
の分子化が温度上昇によって促進され、それに伴って吸
蔵水素の移動性が高まることに起因するものと考えられ
ている。
【0014】
【実施例】以下、本発明を多層プリント配線板(4層
板)の製造方法に具体化した実施例を図1〜図8に基づ
き詳細に説明する。
【0015】まず、従来公知のサブトラクティブ法によ
って形成された内層導体回路1aを持つ基板1と、プリ
プレグ1bと、以下のような組成の接着剤とを用意す
る。前記接着剤とは、ビスフェノールA型エポキシ樹脂
(油化シェル製,商品名:E−1001)40重量部
と、フェノールノボラック型エポキシ樹脂(油化シェル
製,商品名:E−154)60重量部と、イミダゾール
型硬化剤(四国化成製,商品名:2PHZ)5重量部
と、エポキシ樹脂微粒子(東レ製,商品名:トレパール
EP−B、平均粒径0.5μm)10重量部と、エポキ
シ樹脂微粒子(東レ製,商品名:トレパールEP−B,
平均粒径5.5μm)25重量部と、ブチルセロソルブ
アセテート75重量部とを三本ローラで攪拌しかつ混合
してなる接着剤である。
【0016】基板1の両面にプリプレグ1bをラミネー
トした後、前記接着剤をローラコータで塗布し、更に加
熱乾燥を行う。その結果、図1に示されるように、プリ
プレグ1bの両面に絶縁接着剤層2が形成される。
【0017】次に、溶解液としてのクロム酸(Cr
3 )700g/l水溶液に基板1を70℃で15分間
浸漬することによって、絶縁接着剤層2の表面を粗化す
る。次に、基板1を中和液(大東化学社製)に浸漬した
後、基板1を水洗する。絶縁接着剤層2を構成するエポ
キシ樹脂層は溶解液に難溶であり、その中に分散された
エポキシ樹脂微粒子は溶解液に可溶である。従って、粗
化工程を経た絶縁接着剤層2の表面には、多数のアンカ
ー用凹部が形成される。その後、図2に示されるよう
に、ドリル加工等を行うことによって基板1にスルーホ
ール形成用孔3を透設する。
【0018】次に、以下に説明する一連のプロセス(
Pd触媒核付与、めっきレジスト形成、めっき前処
理、薄付け無電解銅めっき、湯洗処理、酸処理及
び厚付け無電解銅めっきの各工程)を実施する。ここ
で〜の工程を順に説明する。
【0019】「Pd触媒核付与工程」まず、基板1を
「コンディショナー231」(商品名:シプレイ社製)
に70℃で2分間浸漬する。前記のコンディショニング
処理が終了した後、2分間の湯洗(70℃)を1回行
い、更に3分間の水洗を2回行う。
【0020】次に、基板1を「キャタプリップ404」
(商品名:シプレイ社製)270g/lに40℃で2分
間浸漬した後、「キャタポジット44」(商品名:シプ
レイ社製)3%溶液に40℃で7分間浸漬する。この処
理によって、図3に示されるように、Pdの周囲をSn
が取り囲んだ状態のPd−Snコロイド4aが絶縁接着
剤層2の表面及びスルーホール形成用孔3の内壁面に付
与される。
【0021】続いて、1分間の水洗を3回行った後、基
板1を弱酸性の「アクセラレータ19」(商品名:シプ
レイ社製)17%溶液に室温で7分間浸漬する。この活
性化処理によって、Pdイオンの周囲のSnイオンが2
価から4価に変化する。すると、Pd−Snコロイド4
aが、無電解銅めっきが析出するときの核となる金属P
d、即ちPd触媒核4に変化する。
【0022】「めっきレジスト形成工程」絶縁接着剤
層2上にめっきレジスト「SR−3200」(商品名:
日立化成株式会社製)6をラミネートし、露光マスクを
通して露光する。その後、スプレー現像機による現像を
行って、図4に示されるような形状のめっきレジスト6
とする。
【0023】「めっき前処理工程」次に、めっきレジ
スト6が形成された基板1を6Nの塩酸に浸漬した後、
同基板1を再び「アクセレレータ19」の17%溶液に
浸漬する。薄付け無電解銅めっきの前にこの処理を行う
ことによって、Pd触媒核4が再活性化される。
【0024】「薄付け無電解銅めっき工程」次に、水
洗された基板1を薄付け用無電解銅めっき液「ELC−
SP浴」(商品名:上村工業株式会社製)に浸漬する。
そして、図5に示されるように、基板1の表面上及びス
ルーホール形成用孔3の内壁面上に、厚さ約1.5μm
の薄付けスルーホールめっき5aを析出させる。
【0025】この場合、薄付けスルーホールめっき5a
の厚さは、0.5μm〜3.0μmの範囲内、特には
1.0μm〜2.0μmの範囲内であることが好まし
い。この厚さが0.5μm未満であると、めっき未着や
スルーホール抜け等という不具合が生じる慮れがある。
一方、この厚さが3.0μmを越えると、吸蔵水素が外
部に抜け出るときの距離が長くなるため、吸蔵水素が充
分に除去されなくなる慮れがある。なお、無電解銅めっ
きを行った場合、薄付けスルーホールめっき5aの析出
に伴って水素が発生する。このため、薄付けスルーホー
ルめっき5a中には、必然的に若干量の水素が吸蔵され
ることになる。
【0026】「湯洗処理工程」次に、80℃の湯が満
たされた恒温槽の中に、前記基板1を30分間浸漬す
る。その結果、スルーホール形成用孔3の内壁面上及び
薄付けスルーホールめっき5a内に吸蔵されていた水素
が除去される。なお、仮に絶縁接着剤層2中に残留空気
が存在していたとしても、それらはこのときに同時に除
去されるものと考えられる。
【0027】湯洗処理の際、恒温槽中には連続的に空気
が吹き込まれる(バブリング)。このバブリングによっ
て、薄付けスルーホールめっき5aの外面に対する酸素
供給量が増加し、吸蔵水素の移動性が高められる。この
ため、静置状態または酸素不足状態で処理したときと比
較して、吸蔵水素の除去効率が高くなる。
【0028】また、湯洗処理を行うときの温度は70℃
〜90℃程度が好ましく、特には75℃〜85℃程度で
あることが良い。このときの温度が低すぎると、吸蔵水
素の移動性を充分に高めることができず、吸蔵水素の除
去効率が悪くなる慮れがある。一方、このときの温度が
高すぎると、絶縁層2や薄付けスルーホールめっき5a
等の物性等に悪影響を及ぼす慮れがある。従って、本実
施例のように湯洗処理時の温度を80℃前後に設定する
ことが最も望ましいということになる。
【0029】また、処理時間は少なくとも5分以上であ
ることが好ましく、特には20分以上であることがより
好ましい。この時間が短すぎると、吸蔵水素の移動性を
充分に高めることができず、吸蔵水素の除去効率が悪く
なる慮れがあるからである。従って、本実施例ではかか
る点を考慮して湯洗時間を30分に設定している。
【0030】「酸処理工程」湯洗された基板1を10
%〜30%の硫酸水溶液で処理する。この処理を行う
と、薄付けスルーホールめっき5a上の酸化皮膜が除去
される。その後、基板1を2〜3分間水洗することによ
って、基板1の表面から硫酸を除去する。
【0031】「厚付け無電解銅めっき工程」次に、水
洗後の基板1を厚付け用無電解銅めっき液「ELC−U
M浴」(商品名:上村工業株式会社製)に浸漬する。そ
して、図6に示されるように厚さ約30μmの厚付けス
ルーホールめっき5bを析出させる。その後、基板1に
対して120℃,5時間及び150℃,2時間のアニー
リングを行う。本実施例の多層プリント配線板を製造す
る手順は、以上述べた通りである。
【0032】さて、次に本実施例の多層プリント配線板
の製造方法の作用効果を説明する。上記のような湯洗処
理を行うこの方法によると、薄付けスルーホールめっき
5a内やスルーホール形成用孔3の内壁面上などに溜ま
った吸蔵水素が、薄付けスルーホールめっき5aの金属
粒子の隙間をぬって外部に抜け出し易くなる。従って、
当該部分における吸蔵水素の量を確実に低減させること
ができる。
【0033】また、湯洗処理によって吸蔵水素が除去さ
れる理由としては、以下のように推論される。つまり、
薄付けスルーホールめっき5a内等に吸蔵されている水
素は、その大部分が原子の状態にあるものと考えられ
る。そして、湯洗処理を行うと原子状の水素が分子化
し、それに伴って吸蔵水素に体積膨張が起こるものと考
えられる。その結果、吸蔵水素の移動性が高まり、吸蔵
水素が抜け出し易くなるのであろうと考えられる。な
お、本実施例では厚付けスルーホールめっき5bを形成
する前に吸蔵水素を除去しておくことを特徴としてい
る。従って、仮に厚付けスルーホールめっき5bの形成
後に吸蔵水素の除去対策を打つ方法よりも、吸蔵水素の
除去をスムーズに行うことができる。
【0034】また、本実施例では湯洗処理時に酸素存在
下でバブリングを行っているため、薄付けスルーホール
めっき5aの外面への酸素供給量を増加することができ
る。このため、静置状態または酸素不足状態で処理した
ときと比較して、吸蔵水素の除去効率が高くなる。これ
は、薄付けスルーホールめっき5aの外面で起こる吸蔵
水素の酸化反応が充分な酸素の供給によって促進され、
それに伴って吸蔵水素の移動性が高まることに起因する
ものと考えられている。
【0035】更に、本実施例では湯洗処理時の温度を7
0℃以上に設定することとしているため、常温付近の低
い温度で処理したときに比較して、吸蔵水素の除去効率
を高くすることができる。これは、吸蔵水素の分子化が
温度上昇によって促進され、それに伴って吸蔵水素の移
動性が高まることに起因するものと考えられている。
【0036】次に、本実施例の製造方法に沿って複数種
のサンプルを作製し、それらのサンプルを用いて内層接
続性及び密着性に関する下記の評価試験を行った。表1
に示されるように、ここでは合計9種類のサンプル〜
(いずれも厚さ1.6mm, 8層板, 内層銅箔35μm, スル
ーホール径0.9 mm、20孔)を各4枚ずつ用意した。そし
て、前記各サンプル〜のうち、サンプル〜につ
いては湯洗処理を実施することとした。一方、比較例で
あるサンプルについては湯洗処理を実施しない(即
ち、厚付け無電解銅めっき直前の水洗処理のみを実施す
る)こととした。
【0037】サンプルを作製するときには、上述した
実施例の条件に従って80℃,30分の湯洗処理を行う
と共にバブリングを実施した。サンプルを作製すると
きには、80℃,30分の湯洗処理を行うと共に、浸漬
槽に対する超音波処理を実施した。サンプルを作製す
るときには、バブリングも超音波処理も実施することな
く80℃,30分の湯洗処理のみを単独で行った。そし
て、サンプル〜を作製するときには、前記サンプル
のときとは異なる条件(温度・時間)を設定した。
【0038】アニーリング工程を経て得られたサンプル
〜は、20℃−260℃の液相ヒートサイクル試験
(30サイクル)に供した。そして、ヒートサイクル後
に基板1を切断し、顕微鏡によるスルーホールの観察、
詳細にはスルーホールめっき5a,5bとスルーホール
形成用孔3の内壁面との界面の観察を行った。評価方法
は以下に示す通りである。
【0039】図7には、スルーホールめっき5a,5b
と内層導体回路1aとの界面に内層接続不良の生じた多
層プリント配線板が概念的に示されている。同図中、L
1 は内層導体回路1aの厚さを示し、L2 は内層接続不
良が起こった部分の長さを示している。
【0040】そこで、この評価試験では、次式(1) X1 ={1−(L2 /L1 )}×10 (0≦X1 ≦10) …(1) をもって「内層接続性X1 」の良否を評価することとし
た。
【0041】図8には、スルーホールめっき5a,5b
とスルーホール形成用孔3の内壁面(絶縁層も内層導体
回路も含む)との界面に密着不良の生じた多層プリント
配線板が概念的に示されている。同図中、L3 はスルー
ホールの長さ(深さ)を示し、L4 は密着不良が起こっ
た部分の長さを示している。
【0042】そこで、この評価試験では、次式(2) X2 ={1−(L4 /L3 )}×10 (0≦X2 ≦10) …(2) をもって「密着性X2 」の良否を評価することとした。
【0043】なお、内層接続性の評価においては測定数
を240(20孔×12)とし、密着性の評価において
は測定数を20とした。これらの結果〔最大値(Max.)、
最小値(Min.)、平均値(Avg.)及び標準偏差(Std.)〕を表
2に示す。
【0044】
【表1】
【0045】
【表2】
【0046】表2から明らかなように、各サンプル〜
を比較した場合、サンプル〜の評価結果のほうが
比較例のサンプルの評価結果よりも優れたものとなる
ことが実証された。また、湯洗処理を行う場合、バブリ
ングや超音波処理を実施することが極めて有効であるこ
とがわかった。そして、この評価試験における条件設定
の限りでは、湯洗処理の温度が高くなるほど、また時間
が長くなるほど好結果が得られるという傾向がみられ
た。
【0047】なお、上記の結果を鑑みると、仮にバブリ
ングまたは超音波処理を70℃よりも低い温度で実施す
ることも有効であろうと予想された。以上の結果から明
白なように、本発明の製造方法によれば、接続信頼性も
密着性も共に確実に向上させることができるという結論
に達する。
【0048】なお、本発明は上記実施例のみに限定され
ることはなく、次のように変更することが可能である。
例えば、 (a)上述したバブリングや超音波処理に代えて、例え
ば湯洗用の恒温槽の揺動や攪拌等を実施することとして
も良い。勿論、バブリング及び超音波処理の両方を同時
に行っても良い。バブリング及び超音波処理を併用すれ
ば、各々を単独で行ったときよりも更に好結果を期待す
ることができる。
【0049】(b)薄付け無電解めっき及び厚付け無電
解めっきは、実施例において例示した銅めっきのみに限
定されるわけではなく、例えばニッケルめっきや金めっ
き等であっても構わない。
【0050】(c)本発明は、スルーホールと外層導体
回路とをアディティブ法によって同時に形成する方法の
みに有効であるというわけではない。例えば、外層導体
回路をサブトラクティブ法によって形成する方法におい
ても同様に有効である。また、内層導体回路をアディテ
ィブ法によって形成した場合についても同じく有効であ
る。
【0051】(d)バブリング時に恒温槽内に空気を供
給する方法に代えて、例えば酸素やオゾン等を供給する
こととしても良い。この方法であると、より効果的にか
つより短時間で湯洗処理を完了することが可能である。
【0052】(e)常圧下で湯洗処理を実施する実施例
に代え、減圧下で湯洗処理を実施することとしても良
い。 (f)湯洗に用いられる液体は必ずしも水でなくても良
く、例えばエチルアルコール、メチルアルコール、プロ
ピルアルコール等のように、基板1に悪影響を与えるこ
とのない他の液体等であっても勿論良い。但し、コスト
性や取扱性等の観点から、上記実施例のように水を選択
することが良い。この場合、水の代わりに使用される液
体の沸点は、少なくとも70℃以上であることが望まし
い。
【0053】(g)触媒核はPd以外のものであっても
勿論構わない。
【0054】
【発明の効果】以上詳述したように、本発明の多層プリ
ント配線板の製造方法によれば、薄付けスルーホールめ
っき内やスルーホール形成用孔の内壁面上などに溜まっ
た吸蔵水素の量を確実に低減できるため、スルーホール
めっきと内層導体回路との接続信頼性を確実に向上させ
ることができるという優れた効果を奏する。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の多層プリント配線板の製造方法におい
て、基板に絶縁接着剤層を形成した状態を示す部分概略
断面図である。
【図2】前記方法において、基板にスルーホール形成用
孔を透設した状態を示す部分概略断面図である。
【図3】前記方法において、絶縁接着剤層及びスルーホ
ール形成用孔の内壁面にPd触媒核を付与した状態を示
す部分概略断面図である。
【図4】前記方法において、絶縁接着剤層上にめっきレ
ジストを形成した状態を示す部分概略断面図である。
【図5】前記方法において、薄付けスルーホールめっき
を析出させた状態を示す部分概略断面図である。
【図6】前記方法において、厚付けスルーホールめっき
を析出させた状態を示す部分概略断面図である。
【図7】評価試験において、接続信頼性の良否を評価す
る方法を説明するための部分概略拡大断面図である。
【図8】評価試験において、密着性の良否を評価する方
法を説明するための部分概略拡大断面図である。
【符号の説明】
1…基板、1a…内層導体回路、2…絶縁接着剤層、3
…スルーホール形成用孔。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) H05K 3/46 H05K 3/42 610 H05K 3/18

Claims (3)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】内層導体回路を有する基板上に絶縁接着剤
    層を形成し、かつスルーホール形成用孔を透設した後、
    触媒核付与、薄付け無電解めっき、酸処理及び厚付け無
    電解めっきを行う多層プリント配線板の製造方法におい
    て、 前記薄付け無電解めっきの後であって前記酸処理の前に
    湯洗処理を行うことを特徴とした多層プリント配線板の
    製造方法。
  2. 【請求項2】前記湯洗処理時に酸素存在下でバブリング
    を行うことを特徴とした請求項1に記載の多層プリント
    配線板の製造方法。
  3. 【請求項3】前記湯洗処理時の温度を70℃以上に設定
    することを特徴とした請求項1または2に記載の多層プ
    リント配線板の製造方法。
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