JPH05291674A - 狭帯域化光学素子 - Google Patents

狭帯域化光学素子

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JPH05291674A
JPH05291674A JP8394192A JP8394192A JPH05291674A JP H05291674 A JPH05291674 A JP H05291674A JP 8394192 A JP8394192 A JP 8394192A JP 8394192 A JP8394192 A JP 8394192A JP H05291674 A JPH05291674 A JP H05291674A
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JP
Japan
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prism
incident
light
beam expander
optical element
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Application number
JP8394192A
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English (en)
Inventor
Shungo Tsuboi
俊吾 坪井
Yoshifumi Matsushita
嘉文 松下
Tadao Minagawa
忠郎 皆川
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Mitsubishi Electric Corp
Original Assignee
Mitsubishi Electric Corp
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Publication date
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Abstract

(57)【要約】 (修正有) 【目的】 広域のレーザ光を効率よく狭帯域化できる狭
帯域化光学素子を提供することを目的とする。 【構成】 プリズム41及びグレーティング5を用いて
広帯域レーザ光を狭帯域化する狭帯域化光学素子におい
て、プリズム41を石英より屈折率の高いサファイアに
より形成した。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、半導体露光装置用の光
源として用いられる狭帯域化光学素子に関し、特にプリ
ズム及びグレーティングを用いてエキシマレーザ光のレ
ーザ光を狭帯域化する狭帯域化光学素子に関する。
【0002】
【従来の技術】エキシマレーザ光を狭帯域化する従来の
技術としては、例えば、ビームエキスパンダーとグレー
ティングを用いたもの(Can. J. Phys. 63, 214(198
5))、プリズムからなるビームエキスパンダーとグレー
ティングを用いたもの(Appl. Phys. B 51, 91(199
1))、及びエシェルと称されるタイプのグレーティング
を用いたもの(Appl. Phys. Lett. 1063(1987))があ
る。
【0003】そこで、Appl. Phys. B 51, 91(1991)に記
載されたプリズムからなるビームエキスパンダーとグレ
ーティングを用いたエキシマレーザ装置の狭帯域化光学
素子ついて、図8〜図10を参照しながら説明する。図
8において、1はエキシマレーザの媒質になるガスが封
入された放電チャンバー、2、2は放電チャンバー1の
両端に取り付けられた一対のビーム取り出し窓、3は一
方の取り出し窓2に対向させて設けられた部分反射鏡、
4、4、4は放電チャンバー3内での放電によって発生
する紫外の強いエキシマレーザ光(以下、単に「レーザ
光」と称す)のビームを順次拡大するように配列された
プリズムビームエキスパンダー(以下、単に「プリズ
ム」と称す)、5はレーザ光の波長を選択するグレーテ
ィング、6はグレーティング5の傾き具合を変えてレー
ザ光の波長を変えるマイクロメータ、7はコントローラ
である。そして、プリズム4は、248nmのレーザ光
に対する屈折率が1.508の石英によって形成されて
いる。
【0004】次に、動作について説明する。放電チャン
バー1内で放電を行なうと、放電チャンバー1内でレー
ザ光が発生して取り出し窓2、2から部分反射鏡3及び
プリズム4に向けて放射される。この際、レーザ光は、
部分反射鏡3とグレーティング5を備えた光共振器中を
往復する間にその強度が強まると共にその波長が選択さ
れ、しかも3個のプリズム4によってグレーティング5
の波長の選択能力が高められる。また、一方では分光器
(図示せず)によってレーザ光の波長が測定され、この
測定結果に基づいてコントローラ7がマイクロメータ6
に対してグレーティング5の傾き角を指示してグレーテ
ィング5をその指示された傾き角に調節する。
【0005】而して、図9は上記プリズム4におけるレ
ーザ光の光路を示す図で、この図ではレーザ光のプリズ
ム4に対する入射角θ1が70°の場合を示している。
従って、入射光8がプリズム4に対して入射角70°、
入射光幅8Aで入射すると、出射光9が出射光幅9A、
出射角θ2でプリズム4から出射する。この出射角θ
2は、スネルの式から38.5°になる。従って、1個
のプリズム4によるレーザ光の拡大率M(9A/8A)
が2.288になる。このことは入射光8を10mmの
入射幅8Aで入射すれば、22.88mmの出射幅9A
の出射光9になることを意味している。また、一般に、
紫外域で利用されるガラス材としては合成石英が多く用
いられ、この合成石英の屈折率の場合には上述のように
入射角70°で、2.288のビーム拡大率になる。
【0006】また、従来の狭帯域化光学素子では、図1
0に示すように上記プリズム4にレーザ光が入射すれ
ば、この入射光8から図10に示すプリズム4に入射す
るP偏光成分81と入射面から反射するS偏光成分82
とに別れ、S偏光成分82がそのまま外部へ放散して失
われてレーザ光の強度が低下してレーザ光を有効に利用
できなくなるため、その入射面に誘電体薄膜からなる反
射防止膜4Aを設け、S偏光成分82としての反射を極
力防止することによってレーザ光の放散を防止してレー
ザ光を効率的に利用するようにしている。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、図8に
示す従来のエキシマレーザ装置の狭帯域化光学素子で
は、レーザ光の波長幅4.3pmが得られているが、ス
テッパによる16MDRAMから64MDRAMへと微
細加工が必要になるに従って、ステッパに対する光学的
仕様のより狭帯域化が益々進み3pm以下の波長幅が要
求されるようになってきており、エキシマレーザ装置に
用いられる従来の狭帯域化光学素子ではそのビーム拡大
率が小さくてこのような要求を満足することができない
という課題があった。
【0008】また、従来の上記狭帯域化光学素子では、
反射防止膜4Aによってレーザ光の反射防止効果を完全
に持たせることが困難で、特にS偏光成分82の反射率
を零にすることができず、図10に示すように複数のプ
リズム4をレーザ光が往復する間にS偏光成分82が逓
減してその殆どが失われ、レーザ光として発振するまで
にレーザ光は殆どP偏光成分81のみになり、最終的に
はレーザー光の利用効率が50%を超えることがなく、
レーザ光を有効に利用することができないという課題が
あった。
【0009】本発明は、上記課題を解決するためになさ
れたもので、広域のレーザ光を効率よく狭帯域化できる
狭帯域化光学素子、及びプリズムビームエキスパンダー
で反射される反射光成分を有効に生かしてレーザ光の利
用効率を上げることができる狭帯域化光学素子を提供す
ることを目的としている。
【0010】
【課題を解決するための手段】本発明の請求項1の狭帯
域化光学素子は、プリズムビームエキスパンダーを石英
より屈折率の高い高屈折率物質により形成したものであ
る。
【0011】また、請求項2の狭帯域化光学素子は、請
求項1における高屈折率物質がサファイアからなるもの
である。
【0012】また、請求項3の狭帯域化光学素子は、プ
リズムビームエキスパンダー及びグレーティングを用い
て広帯域レーザ光を狭帯域化する狭帯域化光学素子にお
いて、上記プリズムビームエキスパンダーへの入射光か
らの反射光の光軸に対して反射鏡を垂直に設けたもので
ある。
【0013】また、請求項4の狭帯域化光学素子は、プ
リズムビームエキスパンダーの内部へ入射した光が入射
面以外の他の二面に対して垂直入射するように上記プリ
ズムビームエキスパンダーを形成し且つ上記他の二面の
うちグレーティングに対向しない面に反射膜を設けたも
のである。
【0014】また、請求項5の狭帯域化光学素子は、プ
リズムビームエキスパンダーの内部へ入射した光が入射
面以外の他の二面に対して垂直入射するように上記プリ
ズムビームエキスパンダーを形成し且つ上記他の二面の
うちグレーティングに対向しない面に対向させて反射鏡
を平行に設けたものである。
【0015】
【作用】請求項1の発明によれば、高屈折率物質からな
るプリズムビームエキスパンダーにレーザ光が斜方入射
すると、このレーザ光はプリズムビームエキスパンダー
内で大きく屈折してビーム拡大率を大きくすることがで
きる。
【0016】また、請求項2の発明によれば、サファイ
アからなるプリズムビームエキスパンダーにレーザ光が
斜方入射すると、このレーザ光はプリズムビームエキス
パンダー内で大きく屈折してビーム拡大率を大きくする
ことができる。
【0017】また、請求項3の発明によれば、レーザ光
をプリズムビームエキスパンダーへ斜方入射すると、こ
の入射光成分をプリズムビームエキスパンダー内部へ入
射させてグレーティングに対向する面に垂直に直進させ
る一方、反射光成分を反射鏡へ直進させた後反射鏡で垂
直反射されて元の光路へ戻すことができる。
【0018】また、請求項4の発明によれば、レーザ光
をプリズムビームエキスパンダーへ斜方入射すると、こ
の入射光成分をプリズムビームエキスパンダー内部へ入
射させてグレーティングに対向する面に垂直に直進させ
る一方、反射光成分を反射鏡へ直進させた後反射鏡で垂
直反射されて元の光路へ戻すと共にプリズムビームエキ
スパンダーの内部へ入射した反射光成分をプリズムビー
ムエキスパンダーの残りの面へ直進させ、この入射光を
反射膜によって垂直させて元の光路へ戻し、反射光を放
散させることなくグレーティングに向けてレーザ光を出
射することができる。
【0019】また、請求項5の発明によれば、レーザ光
をプリズムビームエキスパンダーへ斜方入射すると、こ
の入射光成分をプリズムビームエキスパンダー内部へ入
射させてグレーティングに対向する面に垂直に直進させ
る一方、反射光成分を反射鏡へ直進させた後反射鏡で垂
直反射されて元の光路へ戻すと共に、プリズムビームエ
キスパンダーの内部へ入射した反射光成分をプリズムビ
ームエキスパンダーの残りの面へ直進させ、この入射光
を残りの面で垂直に透過させた後、この透過光を反射鏡
によって垂直反射させて元の光路へ戻し、反射光を放散
させることなくグレーティングに向けてレーザ光を出射
することができる。
【0020】
【実施例】以下、図1〜図5に示す実施例に基づいて本
発明を説明する。尚、図1は本発明の狭帯域化光学素子
の一実施例を示す図で、プリズムビームエキスパンダー
の狭帯域化機能の原理を説明する説明図、図2は本発明
の狭帯域化光学素子の他の実施例を示す図で、入射光及
び反射光の光路を示す側面図、図3は図2に示す狭帯域
化光学素子の特定波長域におけるプリズムビームエキス
パンダーの垂直入射の場合の反射率を示すグラフ、図4
は図2に示す狭帯域化光学素子の特定波長域におけるプ
リズムビームエキスパンダーの70°斜方入射のS偏光
成分とP偏光成分の反射率を示すグラフ、図5は図2に
示すプリズムビームエキスパンダーでの70°斜方入射
におけるS偏光成分とP偏光成分との光路を示す側面
図、図6は本発明の狭帯域化光学素子の更に他の実施例
を示す側面図、図7は本発明の狭帯域化光学素子の更に
他の実施例を示す側面図である。
【0021】実施例1.本実施例の狭帯域化光学素子
は、図1に示すように、プリズムビームエキスパンダー
(以下、プリズムと略称する)41が直角三角形を呈する
側面形状に形成され、且つその材質が石英よりも屈折率
の高い高屈折率物質、具体的にはサファイアによって形
成されている。そして、上記プリズム41は、例えば、
レーザ光の入射光8がプリズム41の傾斜面に対して、
入射幅8Aで70°の入射角θ1を持って入射し、グレ
ーティング(図示せず)に対向する面、即ち反射防止膜
41Aの形成された面に対して垂直入射して出射幅9A
のようにビームが拡大された状態で空気層へ出射するよ
うに共振器内に配置されている。尚、その他は従来の狭
帯域化光学素子と同様にグレーティング等を備えて構成
されている。尚、上記プリズム41のうち、レーザ光が
入射する面及び出射光9が出射する面に、反射防止膜を
それぞれ形成して反射光の放散を抑制するようにしても
よい。
【0022】而して、上記プリズム41を形成するサフ
ァイアは屈折率がn=1.72(λ=248nm)であ
り、空気の屈折率がn0=1であるから、上述のようにレ
ーザ光が入射角がθ1=70°で斜方入射すれば、スネ
ルの式から入射面における屈折角がθ2=33.1にな
る。従って、1個のプリズム41におけるビーム拡大率
M(9A/8A)が約2.449になる。このプリズム
41をn個用いる場合には全プリズムによるビーム拡大
率はM=(2.449)nとなる。一方、プリズム41
が石英からなる従来の場合には、そのビーム拡大率が
2.288であるから、サファイアを用いた本実施例に
おける3個のプリズム41は、従来の1.07倍のビー
ム拡大率になる。
【0023】従って、本実施例によれば、サファイアの
プリズム41によってグレーティングへの入射面積を広
くすることができ、レーザ光を効率良く狭帯域化するこ
とができ、広域のレーザ光を効率好く狭帯域化して波長
幅3pm以下を実現することができる。
【0024】尚、入射角が60°、65°、75°の場
合には、合成石英及びサファイアのビーム拡大率を上述
のように計算すれば、それぞれのビーム拡大率は下記表
1に示すようになる。下記表1によれば入射角が90°
に近い程ビーム拡大率が大きくなり、ビーム拡大率比
(石英プリズムとサファイアプリズムとの拡大率の比)
は大きくなるが、入射角は反射率との関係から入射角を
むやみに大きくしない方がよいことは言うまでもない。
【0025】
【表1】
【0026】実施例2.本実施例の狭帯域化光学素子
は、プリズム42が合成石英によって形成されている
が、入射光8のうちプリズム42からの反射光82の光
路には、図2に示すように、その光軸に対して反射鏡1
0が垂直に設けられ、反射光が反射鏡10に対して垂直
入射するようにしてある。また、上記プリズム42のう
ち、レーザ光が入射する面及び出射光9が出射する面
に、反射防止膜42A、42Bをそれぞれ設けて反射光
の放散を抑制するようにしてある。その他は図8に示す
狭帯域化光学素子と同様に構成されている。従って、本
実施例では、レーザ光がプリズムへ斜方入射すると、こ
の入射光8のP偏光成分81はプリズム42内部へ入射
してグレーティング5に対向する反射膜42Bの形成さ
れた面に直交するように直進する一方、S偏光成分82
は反射鏡10へ直進した後この反射鏡10で反射されて
元の光路へ戻る。つまり、本実施例によれば、S偏光成
分82の光軸に直交する反射鏡10を設けることによっ
てS偏光成分82を反射鏡10によってレーザ光軸に戻
してレーザ光をより有効に利用することができる。
【0027】次いで、中心波長248nmのレーザ光に
対する上記プリズム42の光学特性について図3、図4
を参照しながら説明する。図3に示す垂直入射の場合の
反射率は0.006%、図4に示す70°斜方入射の場
合のP偏光成分81の反射率は0.01%、S偏光成分
82の反射率は63.1%になる。プリズム42の頂角
を38°とすれば、70°の斜方入射の場合、スネルの
式、即ち下記の数1に従って屈折角θ2を求めると、屈
折角θ2=38°になり、またプリズム42の頂角を3
8°にしたこと、及びプリズム42が直角三角形である
ことから出射側の入射角は90°になり、レーザ光の出
射光81は空気層に対して垂直入射してプリズム42か
ら出射していく。また、グレーティング5は出射光9が
75°の入射角になるように設定されている。
【数1】n1/n2=Sinθ2/Sinθ1 但し、空気の屈折率n1=1.0、合成石英の屈折率n2
=1.508、入射角θ1=70°である。
【0028】従って、入射光8のP偏光成分81、即
ち、初期の無偏光状態の光の全成分1.0に対するP偏
光成分0.5はプリズム42内に入射し、残りのS偏光
成分0.5のうち63%が反射してS偏光成分82の
0.315が反射光軸10へ、S偏光成分81の0.1
85がレーザ光軸に沿ってプリズム42の内部へ入射す
る。また、0.315のS偏光反射成分は、反射鏡10
によって反射されて元の光路に戻り、プリズム42の面
に到達して反射成分0.315の63%(0.198)
と、入射成分0.315の37%(0.117)に別れ
る。この入射成分0.117は光路82Aの方向へ進
み、図5に示すように放散して消滅してしまう。このよ
うにしてレーザ光が共振器内を4回往復する場合を考え
ると、従来に比べて0.5のS偏光成分82のうち8
%、即ちレーザ光全体の0.04%を有効に利用するこ
とができる。
【0029】実施例3.本実施例の狭帯域化光学素子で
は、図6に示すように、プリズム43の内部へ入射した
レーザ光が入射面以外の他の二面に対して垂直入射する
形状を呈し、且つ上記他の二面のうち上記グレーティン
グ5に対向しない面に反射膜43Cを設けた以外は実施
例2と同様に構成されている。即ち、上記プリズム43
は、出射光9が反射防止膜43Bの形成された面から9
0°で空気層へ入射し、またS偏光成分82の反射鏡1
0からの反射光のプリズム43への入射光82Aが反射
防止膜43Cに対して90°で入射し、プリズム43か
ら垂直反射されるように形成されている。
【0030】即ち、中心波長248nmのレーザ光に対
する上記プリズム43は実施例3と同様に合成石英で形
成されていることから、実施例3におけるプリズム42
の図3、図4にそれぞれ示す光学特性を有している。従
って、上述のように垂直入射の場合の反射率は0.00
6%、70°の斜方入射の場合のP偏光成分81の反射
率は0.01%、S偏光成分82の反射率は63.1%
になる。プリズムの頂角を38°とすれば、斜方入射の
場合、スネルの上記数1に従って屈折角θ2を求める
と、屈折角θ2=38°になり、またプリズム43の頂
角を38°にしたことから、レーザ光の出射光9は空気
層に対して垂直入射してプリズム43から出射してい
く。また、グレーティング5は出射光9が75°の入射
角になるように設定されている。
【0031】而して、上記プリズム43の反射防止膜4
3Aへの入射光8のうちP偏光成分81は、反射防止膜
43Aを施した面からプリズム43内へ入射してプリズ
ム43を透過して反射防止膜43Cを施した面から垂直
に出射する。この出射光9はグレーティング5で反射さ
れて出射光9とは逆の光路をたどって再度プリズム4を
透過する。一方、S偏光成分82は、図6に示すよう
に、その63%が反射防止膜43Aで反射されて反射鏡
10に垂直入射した後、反射鏡10で反射されて一部が
元の光路に戻り、残りの部分がプリズム43内を光軸8
2Aに従って高反射膜43Cへ垂直入射した後、この反
射膜43Cで垂直反射されて元の光路へ戻り、共振器内
を4回往復する間にP偏光成分81と共に出射し、レー
ザ光の略100%が利用され、図5に示すようにS偏光
成分82を放散させることがない。
【0032】実施例4.本実施例の狭帯域化光学素子
は、図7に示すように、実施例4における反射膜43C
に代えて、反射鏡11をグレーティング5とは対向しな
いプリズム43の面に平行に設けた以外は上記実施例4
と同様に構成されている。従って、本実施例では、入射
光8のうちP偏光成分は実施例4と同様の入反射を行な
う。一方、S偏光成分は、反射鏡10で実施例4と同様
に反射されてプリズム43内に進入した成分は光軸82
Aに従ってプリズム43を透過して空気層を経由して反
射鏡42Dに垂直入射した後、この反射鏡11で垂直反
射されて元の光路をたどってプリズム43を透過して元
の光路へ戻り、実施例4と同様の効果を期することがで
きる。更に、本実施例によれば、実施例4のようにプリ
ズム43の表面に高反射膜42Cを直接設ける構造では
ないため、加熱処理によるプリズム43の熱的変形を防
止するとができ、面精度に優れたプリズム43を得るこ
とができる。
【0033】尚、本発明は、上記各実施例に何等制限さ
れるものではないことはいうまでもない。
【0034】
【発明の効果】以上説明したよう請求項1及び2の本発
明によれば、プリズムビームエキスパンダーにレーザ光
が斜方入射すると、レーザ光はプリズムビームエキスパ
ンダー内で大きく屈折してビーム拡大率が大きくなるよ
うになっているので、レーザ光を効率よく狭帯化して波
長幅を狭めることができる効果がある。
【0035】また、請求項3の発明によれば、プリズム
ビームエキスパンダーへの入射光からの反射光の光軸に
対して反射光を垂直に設けたことにより、プリズムで反
射される反射光成分を有効に生かされ、レーザ光の利用
効率を上げることができる効果がある。
【0036】また、請求項4の発明によれば、プリズム
ビームエキスパンダーの内部に入射したレーザ光が入射
面以外の他の二面に対して垂直入射するようにプリズム
ビームエキスパンダーを形成し、かつ他の二面のうちグ
レーティングに対向しない面に反射膜を設けたことによ
り、プリズムビームエキスパンダーで反射される反射光
成分を略100%生かしてレーザ光の利用効率を格段に
上げることができる効果がある。
【0037】また、請求項5の発明によれば、プリズム
で反射される反射光成分を略100%生かしてレーザ光
の利用効率を格段に上げることができると共に、プリズ
ムビームエキスパンダーに反射膜を直接設けるようにな
っていないため、加熱処理によるプリズムビームエキス
パンダーの熱的変形を防止することができ、プリズムビ
ームエキスパンダーの面精度を向上させることができる
効果もある。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の狭帯域化光学素子の一実施例を示す図
で、プリズムの狭帯域化機能の原理を説明する説明図で
ある。
【図2】本発明の狭帯域化光学素子の他の実施例を示す
図で、入射光及び反射光の光路を示す側面図である。
【図3】図2に示す狭帯域化光学素子の特定波長域にお
けるプリズムの垂直入射の場合の反射率を示すグラフで
ある。
【図4】図2に示す狭帯域化光学素子の特定波長域にお
けるプリズムの70°斜方入射のS偏光成分とP偏光成
分の反射率を示すグラフである。
【図5】図2に示すプリズムでの70°斜方入射におけ
るS偏光成分とP偏光成分の光路を示す側面図である。
【図6】本発明の狭帯域化光学素子の更に他の実施例を
示す側面図である。
【図7】本発明の狭帯域化光学素子の更に他の実施例を
示す側面図である。
【図8】従来の狭帯域化光学素子を用いたエキシマレー
ザ装置の要部を示す構成図である。
【図9】図8に示す狭帯域化光学素子のプリズムの狭帯
域化機能の原理を説明する説明図である。
【図10】図8に示すプリズムでの70°斜方入射にお
けるS偏光成分とP偏光成分の光路を示す側面図であ
る。
【符号の説明】
5 グレーティング 8 入射光 9 出射光 10 反射鏡 11 反射鏡 41 プリズムビームエキスパンダー 42 プリズムビームエキスパンダー 43 プリズムビームエキスパンダー 43C 反射膜
─────────────────────────────────────────────────────
【手続補正書】
【提出日】平成5年1月6日
【手続補正1】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0018
【補正方法】変更
【補正内容】
【0018】また、請求項4の発明によれば、レーザ光
をプリズムビームエキスパンダーへ斜方入射すると、こ
の入射光成分をプリズムビームエキスパンダー内部へ入
射させてグレーティングに対向する面に垂直に直進させ
る一方、反射光成分を反射鏡へ直進させた後反射鏡で垂
直反射されて元の光路へ戻すと共にプリズムビームエキ
スパンダーの内部へ入射した反射光成分をプリズムビー
ムエキスパンダーの残りの面へ直進させ、この入射光を
反射膜によって垂直反射させて元の光路へ戻し、反射光
を放散させることなくグレーティングに向けてレーザ光
を出射することができる。
【手続補正2】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0019
【補正方法】変更
【補正内容】
【0019】また、請求項5の発明によれば、レーザ光
をプリズムビームエキスパンダーへ斜方入射すると、こ
の入射光成分をプリズムビームエキスパンダー内部へ入
射させてグレーティングに対向する面に垂直に直進させ
る一方、反射光成分を反射鏡へ直進させた後反射鏡で垂
直反射さて元の光路へ戻すと共に、プリズムビームエ
キスパンダーの内部へ入射した反射光成分をプリズムビ
ームエキスパンダーの残りの面へ直進させ、この入射光
を残りの面で垂直に透過させた後、この透過光を反射鏡
によって垂直反射させて元の光路へ戻し、反射光を放散
させることなくグレーティングに向けてレーザ光を出射
することができる。
【手続補正3】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0025
【補正方法】変更
【補正内容】
【0025】
【表1】
【手続補正4】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0026
【補正方法】変更
【補正内容】
【0026】実施例2.本実施例の狭帯域化光学素子
は、プリズム42が合成石英によって形成されている
が、入射光8のうちプリズム42からの反射光82の光
路には、図2に示すように、その光軸に対して反射鏡1
0が垂直に設けられ、反射光が反射鏡10に対して垂直
入射するようにしてある。また、上記プリズム42のう
ち、レーザ光が入射する面及び出射光9が出射する面
に、反射防止膜42A、42Bをそれぞれ設けて反射光
の放散を抑制するようにしてある。その他は図8に示す
狭帯域化光学素子と同様に構成されている。従って、本
実施例では、レーザ光がプリズムへ斜方入射すると、こ
の入射光8のP偏光成分81はプリズム42内部へ入射
してグレーティング5に対向する反射防止膜42Bの形
成された面に直交するように直進する一方、S偏光成分
82は反射鏡10へ直進した後この反射鏡10で反射さ
れて元の光路へ戻る。つまり、本実施例によれば、S偏
光成分82の光軸に直交する反射鏡10を設けることに
よってS偏光成分82を反射鏡10によってレーザ光軸
に戻してレーザ光をより有効に利用することができる。
【手続補正5】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0029
【補正方法】変更
【補正内容】
【0029】実施例3.本実施例の狭帯域化光学素子で
は、図6に示すように、プリズム43の内部へ入射した
レーザ光が入射面以外の他の二面に対して垂直入射する
形状を呈し、且つ上記他の二面のうち上記グレーティン
グ5に対向しない面に反射膜43Cを設けた以外は実
施例2と同様に構成されている。即ち、上記プリズム4
3は、出射光9が反射防止膜43Bの形成された面から
90°で空気層へ入射し、またS偏光成分82の反射鏡
10からの反射光のプリズム43への入射光82Aが
反射膜43Cに対して90°で入射し、プリズム43か
ら垂直反射されるように形成されている。
【手続補正6】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0031
【補正方法】変更
【補正内容】
【0031】而して、上記プリズム43の反射防止膜4
3Aへの入射光8のうちP偏光成分81は、反射防止膜
43Aを施した面からプリズム43内へ入射してプリズ
ム43を透過して反射膜43Cを施した面から垂直に
出射する。この出射光9はグレーティング5で反射され
て出射光9とは逆の光路をたどって再度プリズム4を透
過する。一方、S偏光成分82は、図6に示すように、
その63%が反射防止膜43Aで反射されて反射鏡10
に垂直入射した後、反射鏡10で反射されて一部が元の
光路に戻り、残りの部分がプリズム43内を光軸82A
に従って高反射膜43Cへ垂直入射した後、この反射膜
43Cで垂直反射されて元の光路へ戻り、共振器内を4
回往復する間にP偏光成分81と共に出射し、レーザ光
の略100%が利用され、図5に示すようにS偏光成分
82を放散させることがない。
【手続補正7】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0032
【補正方法】変更
【補正内容】
【0032】実施例4.本実施例の狭帯域化光学素子
は、図7に示すように、実施例における反射膜43C
に代えて、反射鏡11をグレーティング5とは対向しな
いプリズム43の面に平行に設けた以外は上記実施例
と同様に構成されている。従って、本実施例では、入射
光8のうちP偏光成分は実施例と同様の入反射を行な
う。一方、S偏光成分は、反射鏡10で実施例と同様
に反射されてプリズム43内に進入した成分は光軸82
Aに従ってプリズム43を透過して空気層を経由して反
射鏡42Dに垂直入射した後、この反射鏡11で垂直反
射されて元の光路をたどってプリズム43を透過して元
の光路へ戻り、実施例と同様の効果を期することがで
きる。更に、本実施例によれば、実施例のようにプリ
ズム43の表面に高反射膜4Cを直接設ける構造では
ないため、加熱処理によるプリズム43の熱的変形を防
止するとができ、面精度に優れたプリズム43を得るこ
とができる。
【手続補正8】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】符号の説明
【補正方法】変更
【補正内容】
【符号の説明】 5 グレーティング 8 入射光 9 出射光 10 反射鏡 11 反射鏡 41 プリズムビームエキスパンダー 42 プリズムビームエキスパンダー 43 プリズムビームエキスパンダー 43C 反射膜

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 プリズムビームエキスパンダー及びグレ
    ーティングを用いて広帯域レーザ光を狭帯域化する狭帯
    域化光学素子において、上記プリズムビームエキスパン
    ダーを石英より屈折率の高い高屈折率物質により形成し
    たことを特徴とする狭帯域化光学素子。
  2. 【請求項2】 高屈折率物質がサファイアであることを
    特徴とする請求項1に記載の狭帯域化光学素子。
  3. 【請求項3】 プリズムビームエキスパンダー及びグレ
    ーティングを用いて広帯域レーザ光を狭帯域化する狭帯
    域化光学素子において、上記プリズムビームエキスパン
    ダーへの入射光からの反射光の光軸に対して反射鏡を垂
    直に設けたことを特徴とする狭帯域化光学素子。
  4. 【請求項4】 プリズムビームエキスパンダーの内部へ
    入射した光が入射面以外の他の二面に対して垂直入射す
    るように上記プリズムビームエキスパンダーを形成し且
    つ上記他の二面のうち上記グレーティングに対向しない
    面に反射膜を設けたことを特徴とする請求項3に記載の
    狭帯域化光学素子。
  5. 【請求項5】 プリズムビームエキスパンダーの内部へ
    入射した光が入射面以外の他の二面に対して垂直入射す
    るように上記プリズムビームエキスパンダーを形成し且
    つ上記他の二面のうち上記グレーティングに対向しない
    面に対向させて反射鏡を平行に設けたことを特徴とする
    請求項3に記載の狭帯域化光学素子。
JP8394192A 1992-04-06 1992-04-06 狭帯域化光学素子 Pending JPH05291674A (ja)

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Cited By (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
WO2000022703A1 (fr) * 1998-10-12 2000-04-20 Kabushiki Kaisya Ushiosougou- Gizyutsukenkyusyo Laser excimer
JP2002055212A (ja) * 2000-08-08 2002-02-20 Sumitomo Electric Ind Ltd プリズムとそれを用いた光学装置
JP2016500482A (ja) * 2012-12-20 2016-01-12 アカデミー オブ オプト−エレクトロニクス,チャイニーズ アカデミー オブ サイエンシズ エキシマーレーザーの複合キャビティー

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JP2002055212A (ja) * 2000-08-08 2002-02-20 Sumitomo Electric Ind Ltd プリズムとそれを用いた光学装置
JP2016500482A (ja) * 2012-12-20 2016-01-12 アカデミー オブ オプト−エレクトロニクス,チャイニーズ アカデミー オブ サイエンシズ エキシマーレーザーの複合キャビティー

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