JPH0529125A - 酸化物磁性材料の製造方法 - Google Patents

酸化物磁性材料の製造方法

Info

Publication number
JPH0529125A
JPH0529125A JP3206238A JP20623891A JPH0529125A JP H0529125 A JPH0529125 A JP H0529125A JP 3206238 A JP3206238 A JP 3206238A JP 20623891 A JP20623891 A JP 20623891A JP H0529125 A JPH0529125 A JP H0529125A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
oxide
boron
magnetic material
powder
sample
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Withdrawn
Application number
JP3206238A
Other languages
English (en)
Inventor
Akira Chiba
明 千葉
Hiroshi Oyanagi
浩 大柳
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Tokin Corp
Original Assignee
Tokin Corp
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Tokin Corp filed Critical Tokin Corp
Priority to JP3206238A priority Critical patent/JPH0529125A/ja
Publication of JPH0529125A publication Critical patent/JPH0529125A/ja
Withdrawn legal-status Critical Current

Links

Landscapes

  • Soft Magnetic Materials (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【目的】 高周波域において低損失の酸化物磁性材料を
提供する。 【構成】 30〜42モル%のMnO、4〜19モル%
のZnO、残部Fe2 3 を含むとともに0.20wt%
以下(0含まず)のCaOと0.10wt%以下(0を含
まず)のSiO2 を含む酸化物磁性材料において、原料
粉末にホウ素成分が0〜0.1wt%(0を含まず)含有
されるようにホウ素又はホウ素酸化物を添加して、60
0〜1000℃の温度で予備焼成した後、粉末冶金法に
よって酸化物磁性材料を得る。このように予備焼成する
ことによって高周波域で損失の極めて少ない酸化物磁性
材料が得られる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の利用分野】本発明は、主にスイッチング電源用
トランス等に搭載されるMn−Zn系フェライトの製造
方法に関する。
【0002】
【従来の技術】従来、Mn−Zn系フェライトを搭載し
たスイッチング電源は、その駆動周波数が25〜100
kHz 程度のものが使用されてきたが近年は軽量化、小型
化のために100kHz 以上で使用されるようになってい
る。しかしながら、従来の電源用Mn−Znフェライト
を100kHz 以上の高周波域で使用した場合、フェライ
トのパワーロスの増大による発熱が極めて大きくそのた
め、トランスとしての機能が劣化してしまう。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】一般にスイッチング電
源用のMn−Znフェライトを製造する場合、マンガン
酸化物(MnOx)、酸化亜鉛(ZnO)、酸化第二鉄
(Fe2 3 )の粉末原料を秤量し、混合後、予備焼成
工程を経て、粉砕、バインダー混合、プレス成形、焼成
を行ない完成品を得ている。このうちの予備焼成工程を
踏まずに焼成工程までを行なうと、スピネル相の生成に
伴う体積の膨脹、微粒子原料の焼結に伴う著しい収縮な
どが焼成工程で起こり、ひび割れや変形などさまざまな
問題をひき起こし、特性が劣化する。また、微粒子原料
の場合には成形に高圧を要し、密度むらによって成形体
中にひび割れが発生しやすい等の問題もある。そのため
原料混合物を予め熱処理することによって成分の均質
化、フェライトの生成、焼結による超微粉の消失等を行
なう必要があり、この意味で予備焼成工程は非常に有効
な工程である。
【0004】現在、工業生産においては予備焼成設備と
してロータリーキルン等が使用されているが一般的にこ
のような予焼粉末の粒度分布は広いことが知られてい
る。粒度分布の広い予焼粉末を使用するため最終的には
焼結体組織が不均一となってしまい、ヒステリシス損失
のみならず、うず電流損失を増大させ、従来のフェライ
が数百kHz 以上の高周波領域で使用できないものにして
いる。焼成工程において焼結体組織の均一化を図ること
も、ある程度は可能であるがやはり限度がありさらには
焼成条件の複雑化を招きコストアップの要因となり現実
的な解決策とはならない。本発明の目的は、高周波域に
おいても損失の少ない酸化物磁性材料を提供することに
ある。
【0005】
【課題を解決するための手段】焼成体組織を均一にし、
ヒステリシス損失のみならず、うず電流損失を低減せし
めるためには、焼成前段階すなわち予備焼成工程で粉末
の粒子を粒度分布がシャープな状態にコントロールして
おく必要がある。このためには、原料である酸化物粉末
に、ホウ素(B)成分として0〜0.1wt%(0を含ま
ず)含有されるようホウ素(B)またはホウ素化合物を
添加し600〜1000℃の温度で予備焼成することに
より粒度分布がシャープな予焼粉末が得られた。この予
焼粉末を粉砕し、バインダー混合、プレス成形、焼成す
ることにより、著しくパワーロスが低減でき、数百kHz
以上の高周波帯域においても使用することのできる酸化
物磁性材料を得ることができる。
【0006】
【実施例】以下、本発明の実施例について図1を参照し
て説明する。ここで用いられる試料は主成分として3
9.0モル%のMnO、8.0モル%のZnO、残部5
3.0モル%のFe2 3 を含み、副成分として0.0
25wt%のSiO2 と0.040wt%のCaOを含む磁
性材料であり、試料1は酸化マンガン、酸化亜鉛、酸化
第二鉄の粉末原料に、ホウ素(B)成分として0.05
wt%含有されるよう酸化ホウ素を添加した後ボールミル
で混合しその後900℃の温度で予備焼成したものであ
る。試料2は酸化マンガン、酸化亜鉛、酸化第二鉄の各
粉末原料をボールミルで混合しその後900℃の温度て
予備焼成したものである。さらに、これらの予備焼成粉
末をボールミルで粉砕を行ない、次に2ton/cm2 で成形
後1000〜1300℃で本焼成した。
【0007】図1は、試料1および試料2の酸化物磁性
材料の周波数1MHz、最大磁束密度500Gでの電力損
失PB [kW/m3 ]の温度特性を示したグラフである。図
1から、試料1は全温度範囲で電力損失が試料2の酸化
物磁性材料よりも小さく優れた低損失酸化物磁性材料が
得られることがわかる。
【0008】図2を参照して、第2図に示される試料
は、主成分として39.0モル%のMnO、8.0モル
%のZnO、残部は53.0モル%のFe2 3 を含み
副成分として0.025wt%のSiO2 と0.040wt
%のCaOを含む磁性材料である。試料3は、酸化マン
ガン、酸化亜鉛、酸化第二鉄の粉末原料を上記主成分組
成となるよう秤量し、さらにこの粉末原料にホウ素
(B)成分として0.05wt%含有されるよう酸化ホウ
素(B2 3 )およびホウ酸(H3 BO3 )を添加した
後、ボールミルで混合しその後900℃の温度で予備焼
成したものである。但し添加した酸化ホウ素およびホウ
酸の混合割合は、ホウ素(B)成分の重量比に換算した
場合、1:2の割合となるように添加した。試料4は酸
化マンガン、酸化亜鉛、酸化第二鉄の粉末原料を前記主
成分組成となるよう秤量後、ボールミルで混合しその後
900℃の温度で予備焼成したものである。さらに、こ
れらの予備焼成粉末をボールミルで粉砕を行ない、次に
2ton/cm2 で成形後と1000〜1300℃で本焼成し
た。図2は試料3および試料4の酸化物磁性材料の周波
数1MHz 、最大磁束密度500Gでの電力損失PB [kW
/m3 ]の温度特性を示したグラブである。図2から試料
3は全温度範囲で電力損失が試料4の酸化物磁性材料よ
りも小さく、優れた低損失酸化物磁性材料が得られるこ
とがわかる。図3は、試料3および試料4の酸化物磁性
材料の温度60℃、磁束密度500Gとしたときの電力
損失PB [kW/m3 ]の周波数依存性を示したクラブであ
る。図3から、試料3は全周波数範囲で電力損失が試料
4の酸化物磁性材料よりも小さく、優れた低損失酸化物
磁性材料が得られることがわかる。
【0009】図4を参照して第4図に示される試料は、
主成分として39.0モル%のMnO、8.0モル%Z
nO、残部は53.0モル%のFe2 3 より成るMn
−Znフェライトの予備焼成粉末である。試料5は、酸
化マンガン、酸化亜鉛、酸化第二鉄の粉末原料を上記主
成分組成となるよう秤量し、さらにこの粉末原料にホウ
素(B)成分として0.05wt%含有されるようホウ酸
(H3 BO3 )を添加した後、ボールミルで混合し、そ
の後900℃の温度で予備焼成したものである。試料6
は酸化マンガン、酸化亜鉛、酸化第二鉄の粉末原料を上
記主成分組成となるよう秤量後、ボールミルで混合し、
その後900℃の温度で予備焼成したものである。図4
は、試料5および試料6の予備焼成粉末の粒度分布を示
したクラブである。この図4から、試料5は試料6の予
備焼成粉末に比べ、明らかに粒度分布がシャープになっ
ていることがわかる。
【0010】図5に本発明による磁性材料の特性を示
す。ここでは、各試料は、それぞれ主成分として39.
0モル%のMnO、8.0モル%のZnO、残部はFe
2 3 を含有し、副成分として0.025wt%のSiO
2 と0.040wt%のCaOを含有するMn−Zn系フ
ェライトである。各試料共に上記組成の酸化物粉末にホ
ウ素(B)を添加して900℃で予備焼成した後ボール
ミル粉砕、バインダー混合、プレス成形、焼成を行って
いる。ここで、図5は温度60℃、周波数1MHz 、最大
磁束密度500Gでの電力損失PB とホウ素(B)の含
有量との関係を示している。なおB量が0は比較例をし
ている。図5からホウ素の含有量が0.1wt%までは電
力損失PB は低下する傾向にあり、比較例に比べ優れた
コアロス特性を示すことがわかる。
【0011】図6に本発明による磁性材料の特性他の例
を第6図に示す。ここでは、各試料はそれぞれ主成分と
して39.0モル%のMnO、8.0モル%のZnO、
残部はFe2 3 を含有し、副成分として0.025wt
%のSiO2 と、0.040wt%のCaOを含有するM
n−Zn系フェライトである。各試料共に上記組成の酸
化物粉末に0.05wt%のホウ素(B)を添加した後、
各種温度で予備焼成した後、ボールミル粉砕、バインダ
ー混合、プレス成形、焼成を行っている。図6は、温度
60℃、周波数1MHz 、最大磁束密度500Gでの電力
損失PB と予備焼成温度との関係を示している。なお、
B量がOは比較例を示している。図6より、600〜1
000℃の温度範囲で予備焼成した試料のPB は低下す
る傾向にあり比較例よりも優れたコアロス値(PB ) を
示すことがわかる。
【0012】予備焼成温度が600℃以下の場合には、
粉末の粒度分布をシャープにすることができない。この
ため焼結組織の制御が非常に困難で均一な結晶粒径を得
ることができず、フェライトのヒステリシス損失と渦電
流損失が共に増大するので著しく電力損失PB が悪化す
る。一方1000℃以上で予備焼成した場合には顕著な
粉末の粒成長が起こり、そのままでは緻密な焼結体に得
ることができない。後工程の粉砕によって焼結性の向上
を図ることは可能であるが、粉末の粒度分布が広くなる
ため組織制御が困難となり、600℃以下で予備焼成し
た場合と同様の問題が生じる。これらのことから、ホウ
素(B)成分として0〜0.1wt%含有されるよう、ホ
ウ素(B)またはホウ素化合物を添加した後、600〜
1000℃で予備焼成することにより低い電力損失PB
を得ることができる。
【0013】
【発明の効果】以上述べた如く本発明によれば原料であ
る酸化物粉末にホウ素(B)成分として0〜0.1wt%
(0を含まず)含有されるようホウ素(B)またはホウ
素化合物を添加し予備焼成することにより著しくパワー
ロスが低減でき数百kHz 以上の高周波帯域においても使
用することができる低損失酸化物磁性材料を得ることが
できる。これはホウ素(B)またはホウ素化合物を添加
し予備焼成することにより粒度分布がシャープな予焼粉
末が得られ、焼結体組織の均一化を図ることができたで
ある。
【図面の簡単な説明】
【図1】周波数1MHz 、最大磁束密度500Gでの電力
損失PB [kW/m3 ]の温度特性を示す図である。
【図2】周波数1MHz 、最大磁束密度500Gでの電力
損失PB [kW/m3 ]の温度特性を示す図である。
【図3】図2に示されているものと同じ試料において温
度60℃、磁束密度500Gとしたときの電力損失PB
[kW/m3 ]の周波数存在性を示す図である。
【図4】粒度分布を示す図である。
【図5】温度60℃、周波数1MHz 、最大磁束密度50
0Gでの電力損失PB とホウ素(B)の含有量との関係
を示す図である。
【図6】温度60℃、周波数1MHz 、最大磁束密度50
0Gでの電力損失PB と予備焼成温度との関係を示す図
である。

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 主成分として30〜42モル%の一酸化
    マンガン(MnO)4〜19モル%の酸化亜鉛(Zn
    O)及び残部酸化第二鉄(Fe2 3 )よりなり、副成
    分として0.20wt%以下(0を含まず)の酸化カルシ
    ウム(CaO)と0.10wt%以下(0を含まず)の二
    酸化ケイ素(SiO2 )を含む磁性粉末に、ホウ素
    (B)成分が0〜0.1wt%(0を含まず)含有される
    ようにホウ素(B)または、ホウ素化合物を添加して添
    加粉末体とする第1の工程と、該添加粉末体を600〜
    1000℃の温度で予備焼成して予備焼成体を得る第2
    の工程とを有し、該予備焼成体から粉末冶金法により酸
    化物磁性材料と生成することを特徴とする酸化物磁性材
    料の製造方法。
  2. 【請求項2】 請求項1におけるホウ素化合物は酸化ホ
    ウ素(B2 3 )、ホウ酸(H3 BO3 )の少なくとも
    一種であることを特徴とする酸化物磁性材料の製造方
    法。
JP3206238A 1991-07-24 1991-07-24 酸化物磁性材料の製造方法 Withdrawn JPH0529125A (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP3206238A JPH0529125A (ja) 1991-07-24 1991-07-24 酸化物磁性材料の製造方法

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP3206238A JPH0529125A (ja) 1991-07-24 1991-07-24 酸化物磁性材料の製造方法

Publications (1)

Publication Number Publication Date
JPH0529125A true JPH0529125A (ja) 1993-02-05

Family

ID=16520036

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP3206238A Withdrawn JPH0529125A (ja) 1991-07-24 1991-07-24 酸化物磁性材料の製造方法

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JPH0529125A (ja)

Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
WO2017105136A1 (ko) * 2015-12-18 2017-06-22 주식회사 엘지화학 자성 물질 및 이의 제조방법

Cited By (4)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
WO2017105136A1 (ko) * 2015-12-18 2017-06-22 주식회사 엘지화학 자성 물질 및 이의 제조방법
KR20170073146A (ko) * 2015-12-18 2017-06-28 주식회사 엘지화학 자성 물질 및 이의 제조방법
CN108140480A (zh) * 2015-12-18 2018-06-08 株式会社Lg化学 磁性材料及其制备方法
US10878998B2 (en) 2015-12-18 2020-12-29 Lg Chem, Ltd. Magnetic material and preparation method thereof

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP3108803B2 (ja) Mn−Znフェライト
US5711893A (en) Ni-Cu-Zn ferrite
JP3108804B2 (ja) Mn−Znフェライト
JPH06120022A (ja) 酸化物磁性体材料
JPH0653023A (ja) 酸化物磁性体材料
JPH0529125A (ja) 酸化物磁性材料の製造方法
JP2022059859A (ja) MnZn系フェライト、及びその製造方法
JP3654303B2 (ja) 低損失磁性材料
JPH11307336A (ja) 軟磁性フェライトの製造方法
JP3584437B2 (ja) Mn−Znフェライトの製造方法
JPH10270231A (ja) Mn−Niフェライト材料
JPH10326706A (ja) Mn−Ni系フェライト材料
JPH09306718A (ja) フェライト磁性材料とその製造方法
JPH06333724A (ja) 微細結晶粒を有するフェライト焼結体およびその製造方法
JP3499283B2 (ja) 高透磁率酸化物磁性材料
JP3099245B2 (ja) 低損失酸化物磁性材料の製造方法
JPH10177912A (ja) 低損失酸化物磁性材料及びその製造方法
JPH0523484B2 (ja)
JPH05267038A (ja) 酸化物磁性材料の製造方法
JPH10144514A (ja) 酸化物仮焼粉末、それを用いた酸化物磁性材料及びその製造方法
JP2706975B2 (ja) Mn―Zn系フェライト材料の製造方法
JPH06140230A (ja) 低損失酸化物磁性材料の製造方法
JPH10335130A (ja) Mn−Zn系フェライト材料
JP2002353023A (ja) 低損失酸化物磁性材料
JPH05226137A (ja) 酸化物磁性体材料およびその製造方法

Legal Events

Date Code Title Description
A300 Withdrawal of application because of no request for examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A300

Effective date: 19981008