JPH0529115Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 〔産業上の利用分野〕 本考案は、複数個の流体処理用カートリツジを
直列に接続することにより、同種又は異種の流体
処理を多段で行うようにした流体処理装置に関す
るもので、本考案の流体処理装置は、特に、流体
処理構造体を容器内部に密封した使い捨てタイプ
の流体処理用カートリツジを任意数直列に接続し
て使用するのに好適である。

〔従来の技術〕

家庭、事務所等においては、浄水器等の小型の
流体処理装置が種々使用されており、これらの流
体処理装置によれば、活性炭、イオン交換樹脂、
分離膜等の流体処理材により、流体、特に水の脱
臭、清澄、除菌、軟水化等の処理が効果的に行わ
れている。

上記の流体処理材は、その流体処理効果を維持
するために定期的に交換する必要があり、通常、
そのカートリツジ化が図られている。そして、こ
のようにカートリツジ化された流体処理材は、蛇
口等に接続された流体処理装置の容器状の充填部
に充填されており、その交換は、通常、斯かる容
器状の充填部を脱着して行つている。

〔考案が解決しようとする問題点〕

しかしながら、上記の如き従来の流体処理装置
においては、通常、上記の如きカートリツジ化さ
れた流体処理材を１個しか充填できず、同種又は
異種の流体処理を多段で行うことができない。

また、上記の如き従来の流体処理装置において
は、通常、カートリツジ化された流体処理材自体
に容器状の充填部への特別な装着部が設けられて
いないため、カートリツジ化された流体処理材を
容器状の充填部により保持する必要がありカート
リツジ化された流体処理材を交換するには、容器
状の充填部をわざわざ脱着する必要があるため、
その交換に労力を要し衛生的でなかつた。

また、この他、従来の流体処理装置において
は、容器状の充填部が使い捨てタイプではなく、
経時的にその外観が劣化することが多い。又、従
来のカートリツジ化された流体処理材は、流通経
路や交換時において、汚染、変質の惧れが高い。

〔問題点を解決するための手段〕

本考案は、複数個の流体処理用カートリツジ１
と、該カートリツジ１にそれぞれ装着されそれぞ
れ該カートリツジ１内に流体を導入し且つ該カー
トリツジ１内で処理された流体を排出する複数個
のカートリツジ用コネクター２と、該カートリツ
ジ用コネクター２内の流体の流路中に配置され且
つ、上記カートリツジ１の離脱時に上記流路を閉
鎖する、弁球２６及び弁座２５により構成される
流路閉鎖用手段と、該カートリツジ用コネクター
２を直列に接続して隣接する該カートリツジ用コ
ネクター２間に流体を流通させるコネクター接続
用コネクター３とを具備することを特徴とする流
体処理装置を提供することによつて上記の問題点
を解決したものである。

〔実施例〕

以下、本考案の流体処理装置を図面に示す一実
施例について説明する。

第１図は本考案の流体処理装置の一実施例の縦
断面図を示すもので、同図において、１は流体処
理用カートリツジ、２はカートリツジ１にそれぞ
れ装着されそれぞれカートリツジ１内に流体を導
入し且つ該カートリツジ１内で処理された流体を
排出する複数個のカートリツジ用コネクター、３
はカートリツジ用コネクター２を直列に接続して
隣接するカートリツジ用コネクター２間に流体を
流通させるコネクター接続用コネクター、４１，
４２はそれぞれ流体導入コネクター及び流体排出
コネクターである。

実施例の各部について詳述すると、上記流体処
理用カートリツジ１は、その使用前においては第
２図に示す如き形態となしてある。即ち、第２図
において、１１は開放可能な部位１２を一端部に
設けた容器、１３は流体処理構造体で、この流体
処理構造体１３は、流体処理部１４、該流体処理
部１４とそれぞれ連通する凸状の流体流入口１５
及び凹状の流体流出口１６からなる二重管状の装
着部１７を有している。そして、使用前の流体処
理用カートリツジ１は、装着部１７を開放可能な
部位１２に臨ませて流体処理構造体１３を容器１
１内に密封することにより構成してある。

上記流体処理用カートリツジ１について更に詳
述すると、上記容器１１は、金属、例えばアルミ
ニウムにより第３図及び第４図に示す如く缶詰形
状に形成してあり、耐圧性の高い構造となしてあ
る。そして、開放可能な部位１２は、第３図に示
す如く、所謂プルトツプにより上面全体が開放さ
れるように構成してあるが、上面全体又は上面の
一部を残して開放可能となつていれば良い。又、
その開放構造等には制限はなく、例えば第４図に
示す如く、開封具により容器１１の周側壁の上縁
部に沿つて開放（開缶）できるような構造となし
ても良い。

また、上記容器１１内には、その略中央部に位
置させて流体流入パイプ１８を垂直に配してあ
り、その上端部は、容器１１の天壁との間に間隔
をあけて止めリング１９を介し容器１１の内周側
壁上端部に支持させてあり、その中間下部は、止
めリング１１０を介し容器１１の内周側壁下部に
支持させてある。そして、下方の止めリング１１
０から下方に突出する流体流入パイプ１８下部
は、凸状の上記流体流入口１５となしてあり、そ
の下端は容器１の底壁に近接させて位置させてあ
る。又、流体流入口１５の下端部には切欠部１１
１を設けてある。

また、上記流体処理部１４は、流体流入パイプ
１８、容器１１の内周側壁、両止めリング１９及
び１１０で囲まれる環状の空間に充填した吸着剤
（例えば、活性炭）、イオン交換樹脂、分離膜（例
えば、多孔質膜、各種フイルター）等のフイルタ
ー材（濾材）又はミネラル補給用石等で構成して
あり、その上下にはフイルター１１２を配してあ
る。そして、両止めリング１９及び１１０には流
体処理部１４に対向させて流体通過口を設けてあ
り、下方の止めリング１１０における流体通過口
の下方部分を凹状の上記流体流出口１６となして
ある。

また、上記装着部１７は、上記容器１１の内周
側壁下部に固定され下方の上記止めリング１１０
と一体化された環状嵌合外管部１１３と、上記流
体流入パイプ１８の下方突出部（内管部）とで下
向きの二重管状の嵌合部として構成してあり、こ
れらの環状嵌合部１１３及び上記流体流入パイプ
１８の下方突出部には、それぞれＯリング１１
４，１１４′を装着してある。そして、環状嵌合
外管部１１３には、開放可能な部位１２の開放後
のカートリツジ装着時において、カートリツジ用
コネクター２に対してカートリツジ１を下方に移
動させた後回転することによりコネクター２にカ
ートリツジ１を装着固定するための通常のロツク
機構が設けてあり、その一部を第２図に符号１１
５で示してある。

また、前記カートリツジ用コネクター２は、第
１図に示す如く、何れも同一構造であつて、その
上部にカートリツジ１への装着部２１を具備し、
又その両側部にコネクター接続用コネクター３へ
の接続部２２０を２個設具備している。そして、
それぞれのカートリツジ用コネクター２の接続部
２２０は、コネクター接続用コネクター３の端部
を嵌入係止させる嵌入口として構成してあり、こ
の嵌入口の底部にそれぞれ流体導入口２２１及び
流体排出口２２３を設けてある。

上記カートリツジ用コネクター２の上記装着部
２１は、カートリツジ装着時にカートリツジ１の
装着部１７と一体に嵌合するもので、カートリツ
ジ１の装着時にカートリツジ１の上記流体流入口
１５を介して状流体処理部１４に連通する流体導
入口２２と、同じくカートリツジ１の装着時にカ
ートリツジ１の上記流体流出口１６を介して上記
流体処理部１４に連通する流体排出口２３とから
なる二重管状となしてある。

上記装着部２１について更に詳述すると、上記
装着部２１は、カートリツジ１の上記装着部１７
に嵌合して一体に接続できるように構成してあ
り、前述の如く、コネクター２に対してカートリ
ツジ１を下方に移動させた後回転することにより
コネクター２にカートリツジ１を装着固定できる
構造となしてある。そして、カートリツジ装着時
には、第１図に示す如く、上記流体導入口２２に
カートリツジ１の前記流体流入パイプ１８が挿入
され、且つ、カートリツジ１の装着部１７の環状
嵌合外管部１１３と流体流入パイプ１８の突出部
との間の環状の凹部に、コネクター２の装着部２
１の二重管状の突出（外管）部、即ち、上記流体
排出口２３が挿入されることによつて、コネクタ
ー２にカートリツジ１が一体に接続されるように
なつている。又、コネクター２の装着部２１の二
重管状の突出部における流体導入口２２及び流体
排出口２３は、それぞれ装着部２１の下方におい
て交叉し、互いに異なる方向に図示の如く分岐し
流体導入口２２１及び流体排出口２２３に連通し
ている。

また、上記カートリツジ用コネクター２は、図
示例の場合、カートリツジ装着時にのみカートリ
ツジ１に流体を導入させ、カートリツジ離脱時に
はカートリツジ１に流体を導入させないように構
成してある。即ち、図示例の場合、流体導入口２
２内に弁座２５と該弁座２５に弁球２６を密着さ
せるスプリング２７とが設けられており、且つカ
ートリツジ装着時に上記流体導入口１５内に挿入
されるカートリツジ１の前記流体流入口１５によ
りスプリング２７に抗して弁球２６と弁座２５と
の密着が解除されるようになつており、このよう
な構成により、カートリツジ離脱時には弁球２６
を弁座２５に密着させて流体導入口２２を閉塞す
るようになしてある。そして、カートリツジ装着
時には、コネクター２の装着部２１の流体導入口
２２へのカートリツジ１の前記流体流入パイプ１
８の挿入によりスプリング２７に抗して弁球２６
を弁座２５から離脱させ、流体導入口２２を流体
流入パイプ１８の下部の前記流体流入口１５の前
記切欠部１１１を介して流体流入パイプ１８に連
通するようになしてある。

また、前記コネクター接続用コネクター３は、
その両端部を同一形状となしてあり、カートリツ
ジ用コネクター２の前記接続部２２０への嵌入係
止に適するようになしてある。３１は斯かる嵌入
係止時に水密を図るＯリングで、コネクター接続
用コネクター３の両端部外周に装着してある。

また、前記流体導入コネクター４１は、その一
端部をコネクター接続用コネクター３の流体導入
側の接続部２２０に嵌入係止可能、且つその他端
部を流体供給管等の流体源（図示せず）に直接又
は流体流路切換え装置（図示せず）を介して連結
可能に構成してある。又、前記流体排出コネクタ
ー４２は、その一端部をコネクター接続用コネク
ター３の流体排出側の接続部２２０に嵌入係止可
能に構成してある。

而して、上述の構成からなる本考案の流体処理
装置の使用に際しては、同種又は異種の流体処理
を行う前記流体処理用カートリツジ１複数個をそ
れぞれ複数個の前記カートリツジ用コネクターに
装着した状態で、複数個のカートリツジ用コネク
ター２をコネクター接続用コネクター３で直列に
接続し、先頭段のカートリツジ用コネクター２を
前記流体導入コネクター４１を介して流体源に接
続し、且つ最終段のカートリツジ用コネクター２
に前記流体排出用コネクター４２を接続すれば良
い。このように接続すると、ある段のカートリツ
ジ用コネクター２には、コネクター接続用コネク
ター３又は流体導入コネクター４１から流体が導
入され、このようにして導入された流体は、流体
流入パイプ１８内を上昇し、カートリツジ１の容
器１１の天壁下方の前記隙間内を通過して前記流
体処理部１４内を下降してここで所定の流体処理
が施され、カートリツジ１の前記流体流出口１６
を経てカートリツジ用コネクター２の流体排出口
２３からコネクター接続用コネクター３を介して
次段のカートリツジ用コネクター２に導入される
か、又は流体排出コネクター４２を介して排出さ
れる。従つて、異種又は同種の流体処理を順次任
意の段数行うことができる。

尚、カートリツジ用コネクター２への流体処理
用カートリツジ１の装着は、上記開放可能な部位
１２を開放（開缶）した後、カートリツジ１をそ
の装着部１７を介して第１図に示す如くカートリ
ツジ用コネクター２の装着部２１に嵌合してロツ
クすることにより行うことができる。

〔考案の効果〕

本考案の流体処理装置は、上述の如く、同種又
は異種の流体処理を行う流体処理カートリツジを
任意段数直列に接続できるため、任意の流体処理
を行うことができる実用的効果を奏するもので、
実施例の如く、使用に際して容器の一部を開放
（開缶）しその開放部を装着する形態の流体処理
用カートリツジを用いた場合には、流通経路やカ
ートリツジ交換時における斯かるカートリツジの
汚染、変質を防止して斯かるカートリツジを清潔
な状態で装着することができ、又、斯かるカート
リツヴを開放後容器を含めてそのままワンタツチ
で容易に装着でき、更に、斯かるカートリツジが
容器ごと使い捨てるタイプのものであるから、交
換する毎に見映えを良くすることができること等
と相俟ち、その実用的価値の極めて高いものであ
る。

【図面の簡単な説明】

第１図は本考案の流体処理装置の一実施例の縦
断面図、第２図はその流体処理用カートリツジの
使用前の拡大縦断面図、第３図はその斜視図、第
４図は別の流体処理用カートリツジの使用前の斜
視図である。 １……流体処理用カートリツジ、２……カート
リツジ用コネクター、３……コネクター接続用コ
ネクター。

Claims (1)

1. 【実用新案登録請求の範囲】 (1) 複数個の流体処理用カートリツジ１と、該カ
   ートリツジ１にそれぞれ装着されそれぞれ該カ
   ートリツジ１内に流体を導入し且つ該カートリ
   ツジ１内で処理された流体を排出する複数個の
   カートリツジ用コネクター２と、該カートリツ
   ジ用コネクター２内の流体の流路中に配置され
   且つ、上記カートリツジ１の離脱時に上記流路
   を閉鎖する、弁球２６及び弁座２５により構成
   される流路閉鎖用手段と、該カートリツジ用コ
   ネクター２を直列に接続して隣接する該カート
   リツジ用コネクター２間に流体を流通させるコ
   ネクター接続用コネクター３とを具備すること
   を特徴とする流体処理装置。 (2) 上記カートリツジ用コネクター２が、何れも
   同一構造であつてそれぞれ上記コネクター接続
   用コネクター３への接続部２２０を２個有して
   おり、それぞれの該接続部２２０が、コネクタ
   ー接続用コネクター３の端部を嵌入係止させる
   嵌入口として構成されており、該嵌入口の底部
   にそれぞれ流体導入口２２１及び流体排出口２
   ２３が設けられている、実用新案登録請求の範
   囲第(1)項記載の流体処理装置。