JPH0529059U - トナー補給装置 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【目的】 トナーホッパー内におけるトナーの凝集若し
くはブリッジ現象を防止し得ると共に，トナーの収容容
積を充分に確保し得るトナー補給装置を提供する。 【構成】 現像装置を構成する現像剤槽の上部に，下端
部に溝状若しくは長穴状のトナー供給口を有するトナー
ホッパーを設けると共に，前記トナー供給口に接して補
給ロールを摺動回転自在に設けてなるトナー補給装置に
おいて，トナーホッパーの側壁を可撓性弾性材料によっ
て形成すると共に，この側壁を作動手段を介して変形復
元可能に形成する。

Description

【考案の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】

本考案は画像担体表面に形成した静電荷像を，磁性キャリアとトナーとを混合 してなる現像剤を使用して顕像化する現像装置の上部に設けられるトナー補給装 置に関するものであり，特に構造が簡単であると共に，容量が大であり，かつト ナーの凝集を防止し得る構造のトナー補給装置に関するものである。

【０００２】

【従来の技術】

電子写真装置若しくは静電記録装置等における現像装置においては，磁性キャ リアとトナーとの混合物からなる現像剤を使用し，内部に永久磁石部材を備える と共に，非磁性材料により中空円筒状に形成した回転自在のスリーブ上に磁気ブ ラシを形成し，この磁気ブラシによって画像担体表面を摺擦して静電荷像を可視 像化する形式のものが広く使用されている。このような形式の所謂二成分系現像 剤を使用するものにおいては，現像剤中のトナー濃度をトナー濃度センサによっ て検出し，トナー濃度が所定の値未満となった場合には，適宜トナー補給装置を 介してトナーを補給するように構成してある。

【０００３】 図３は上記従来の現像装置およびトナー補給装置を示す要部横断面図である。 図３において１は現像装置であり，現像剤を収容する現像剤槽２に非磁性材料に より中空円筒状に形成したスリーブ３を回転自在に支持すると共に，スリーブ３ と同軸的かつ相対回転自在に形成した永久磁石部材４を支持する。永久磁石部材 ４は例えばフェライト磁石により円柱状に形成すると共に，外周面に軸方向に延 びる複数個の磁極を設ける。５はドクターブレードであり，スリーブ３と所定の 間隙を介して設ける。６は混合ローラであり，現像剤槽２内に，前記スリーブ３ および永久磁石部材４と軸線を平行にして回転自在に設ける。次に７はトナー補 給装置であり，現像剤槽２の上部に設ける。８はトナーホッパーであり，下端部 に溝状若しくは長穴状のトナー供給口９を，上端部にトナーカートリッジ収容穴 １０を設ける。１１は補給ロールであり，トナー供給口９と接し，かつ摺動回転 自在に設ける。

【０００４】 以上の構成により，スリーブ３および永久磁石部材４の現像磁極を感光体（何 れも図示せず）と対向させてスリーブ３および混合ローラ６を回転させると，現 像剤槽２内において磁性キャリアとトナー（何れも図示せず）とは混合ローラ６ によって均一に撹拌されると同時に摩擦帯電され，永久磁石部材４の磁気吸引力 によってスリーブ３の表面に吸着されて現像領域に搬送され，磁気ブラシを形成 するから，感光体表面の静電荷像の摺擦により可視像化，すなわち現像を行うこ とができる。そして現像剤中のトナーが消費されると，トナー濃度センサ（図示 せず）の信号により補給ロール１１が回転し，トナー供給口９からトナー（図示 せず）を補給することができるのである。

【０００５】

【考案が解決しようとする課題】

しかしながらトナーホッパー８内に収容されているトナーは，通常５〜２０μ ｍの粒径に形成された微粒子であるため，流動性が極めて低く，凝集し易いと共 に，トナーホッパー８の内壁に付着する傾向が大であり，所謂ブリッジ現象を起 こし易い。特に近年においては高品質が要求されることから，更に小粒径化の傾 向にあるため，上記問題点が更に顕著になってきている。このため現像剤槽２に 対するトナーの補給が円滑に行われず，画質を低下させるという問題点がある。

【０００６】 上記トナーの凝集を防止する手段として，トナーホッパー８の水平面に対する 傾角を大にすることが考えられるが，トナーの収容量が減少することとなる。一 方収容量を確保するためには，トナーホッパー８の高さ寸法を大にする必要があ り，装置全体を大型化するという問題点がある。またトナーホッパー８内に撹拌 手段を設けることも考えられるが，この場合には構造が複雑となると共に，保守 点検作業が煩雑となるという問題点がある。

【０００７】 本考案は上記従来技術に存在する問題点を解決し，トナーホッパー内における トナーの凝集若しくはブリッジ現象を防止し得ると共に，トナーの収容容積を充 分に確保し得るトナー補給装置を提供することを目的とする。

【０００８】

【課題を解決するための手段】

上記目的を達成するために，本考案においては，現像装置を構成する現像剤槽 の上部に，下端部に溝状若しくは長穴状のトナー供給口を有するトナーホッパー を設けると共に，前記トナー供給口に接して補給ロールを摺動回転自在に設けて なるトナー補給装置において，トナーホッパーの側壁を可撓性弾性材料によって 形成すると共に，この側壁を作動手段を介して変形復元可能に形成する，という 技術的手段を採用した。

【０００９】

【作用】

上記構成により，トナーホッパーの側壁は常時若しくは間欠的に変形復元を繰 り返すから，トナーホッパー内に収容したトナーをもみほぐすように揺動させ得 る結果，凝集若しくはブリッジ現象を防止する作用が期待できるのである。

【００１０】

【実施例】

図１は本考案の実施例を示す要部断面図であり，同一部分は前記図３と同一の 参照符号で示す。図１において，トナーホッパー８は例えばウレタンゴムにより ，略載頭角錐状に形成し，現像装置１上に支柱１２を介して懸吊状態に設ける。 なおトナーホッパー８の側壁の水平面に対する傾斜角は，収容されるトナーの安 息角より小に形成してもよい。次に１３は偏心ローラであり，トナーホッパー８ の側壁に接触し，かつ駆動装置（図示せず）により回転可能に形成する。

【００１１】 図２は図１における偏心ローラ１３を示す図であり，(a) は端面図，(b) は側 面図である。偏心ローラ１３は図２に示すように，シャフト１３ａに固着した複 数個の偏心円板１３ｂの偏心位置が，軸方向に沿って連続的若しくは段階的に変 化するように形成するのが望ましい。このように形成することにより，偏心円板 １３ｂの外周縁が軸方向に沿って順次円滑に変化するので，後述するトナーのほ ぐし作用を有効に実行することができる。なお偏心ローラ１３は回転すると共に ，上下動するように形成してもよい。また偏心ローラ１３の回転および上下動は ，常時作動としてもよく，また間欠的に作動するようにしてもよい。

【００１２】 上記構成により，トナーホッパー８の側壁は，偏心ローラ１３によって変形， 復元を繰り返し，例えば消化器の消化作用時におけるようなぜん動運動をするか ら，トナーホッパー８内に収容したトナー（図示せず）をもみほぐすように揺動 させることになり，凝集若しくはブリッジ現象を防止することができる。従って トナーホッパー８内のトナーは常に流動性の良好な状態に保持され，現像剤槽２ 内のトナー濃度が所定の値未満となった場合には，補給ロール１１の回転により 円滑かつ確実にトナー供給口９から補給することができるのである。

【００１３】 本実施例においては，トナーホッパー８を略載頭角錐状に形成した例について 記述したが，他の形状としてもよく，また側壁の形状も直線状とする以外に曲線 状としてもよい。またトナーホッパー８を形成する材料は，ウレタンゴム以外の ゴム材料であっても，プラスチック材料でもよく，要するに可撓性かつ弾性若し くは復元性を有するものであればよい。更にトナーホッパー８の側壁に変形復元 作用を付与する作動手段としては，偏心ローラ１３のみでなく，他の公知の作動 手段を使用でき，要するに上記トナーホッパー８を介して収容したトナーをもみ ほぐすように揺動させる作用があればよい。

【００１４】

【考案の効果】

本考案は以上記述するような構成および作用であるから，トナーホッパーの収 容容積を充分に確保し得ると共に，トナーホッパー内におけるトナーの凝集若し くはブリッジ現象を防止し，円滑かつ確実にトナーを補給することができるとい う効果がある。

【図面の簡単な説明】

【図１】本考案の実施例を示す要部断面図である。

【図２】図１における偏心ローラを示す図であり，(a)
は端面図，(b) は側面図である。

【図３】従来の現像装置およびトナー補給装置を示す要
部断面図である。

【符号の説明】

８ トナーホッパー １３ 偏心ローラ

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 【請求項１】 現像装置を構成する現像剤槽の上部に，
   下端部に溝状若しくは長穴状のトナー供給口を有するト
   ナーホッパーを設けると共に，前記トナー供給口に接し
   て補給ロールを摺動回転自在に設けてなるトナー補給装
   置において，トナーホッパーの側壁を可撓性弾性材料に
   よって形成すると共に，この側壁を作動手段を介して変
   形復元可能に形成したことを特徴とするトナー補給装
   置。