JPH05289B2 - - Google Patents

Description

【発明の詳細な説明】 〈技術分野〉 本発明は、粉体供給装置、更に詳しくは、粉体
貯槽内に収容された粉粒体を一定量づつ計量して
送給する粉体供給装置に関する。

〈従来技術〉 従来から、粉末薬品、粉末スープ等の粉粒体を
供給する装置として、当業者には周知の如く、粉
粒体を収容する収容空間を規定する粉体貯槽と、
収容空間からの粉粒体を計量する計量手段と、粉
体貯槽内に配設された撹拌手段（例えば撹拌羽根
から構成される）とを具備するものが広く実用に
供されている。かかる粉体供給装置では、計量手
段の作用によつて計量された粉粒体が所要の通り
供給され、また撹拌手段は所定方向に回動される
ことによつて収容空間内の粉粒体を所要の通り撹
拌する。

しかしながら、従来の粉体供給装置では、次の
通りの解決すべき問題が存在する。一般に、粉体
貯槽内の粉粒体を撹拌せしめる（粉粒体中で撹拌
手段が回転する）には、撹拌手段に大きい負荷が
作用するおそれがあり、それ故に破損を防止する
ためにこの撹拌手段を強固にする必要がある。一
方、撹拌手段を強固にすると、その上面（特に粉
粒体が付着し易い）の面積が比較的大きくなり、
撹拌手段により多くの粉粒体が付着するようにな
り、粉体貯槽内の粉粒体を実質上全て排出するこ
とが困難になる。

〈発明の目的〉 本発明は上記事実に鑑みてなされたものであ
り、その主目的は、撹拌手段に付着した粉粒体を
確実に落下せしめ、かくすることによつて粉体貯
槽内の粉粒体を実質上全て排出することができ
る、優れた粉体供給装置を提供することである。

〈発明の要約〉 本発明によれば、粉粒体を収容する収容空間を
規定する粉体貯槽と、該収容空間からの粉粒体を
計量する計量手段と、該粉体貯槽内に配設され、
粉粒体を撹拌する撹拌手段とを具備する粉体供給
装置において、 該撹拌手段に付着した粉粒体を落下せしめるた
めの加振手段が設けられ、 該計量手段は該収容空間からの粉粒体を受入れ
るための上開口及び粉粒体を排出するための下開
口を有する計量室が周方向に間隔を置いて複数個
形成されている回転テーブルを有し、該回転テー
ブルが所定方向に回転駆動される第１の回転軸に
装着され、該撹拌手段は該第１の回転軸内に相対
的に回転自在に支持された第２の回転軸に装着さ
れ、該加振手段は該第２の回転軸に衝撃乃至振動
を加えることを特徴とする粉体供給装置が提供さ
れる。

〈発明の好適具体例〉 以下、添付図面を参照して、本発明に従つて構
成された粉体供給装置の一具体例について説明す
る。

第１図及び第２図において、図示の粉体供給装
置は下部装置本体２を具備し、この下部装置本体
２の上方には支持体４を介して粉体貯槽６が配設
されている。粉体貯槽６は円形状の底壁８と底壁
８の周縁部から上方に延びる円筒状側壁１０を有
し、粉末薬品、粉体スープの如き粉粒体を収容す
るための収容空間１２を規定する。

粉体貯槽６の底部には計量手段１４が配設され
ている。図示の計量手段１４は円板状の回転テー
ブル１６を備え、回転テーブル１６の周縁部には
周方向に間隔を置いて複数個の計量室１８が設け
られている。具体例では、第２図に示す通り、回
転テーブル１６の周縁部には周方向に間隔を置い
て矩形状の計量凹部２０が形成されており、各計
量凹部２０が粉体貯槽６の側壁１０内面と協働し
て計量室１８を規定する。各計量室１８は上面及
び下面に夫々上開口２２及び下開口２４を有し
（第１図参照）、収容空間１２内の粉粒体は上記上
開口２２を通して計量室１８内に導入され、また
計量室１８にて計量された粉粒体は下開口２４を
通して排出される。

回転テーブル１６は後述する如くして矢印２６
（第２図）で示す方向に回転され、これによつて
各計量室１８は導入域Ｒ及び排出域Ｄを通して移
動される。具体例では、粉体貯槽６の第１図及び
第２図において左端部にはプレート状部材２８が
配設されており、かかるプレート状部材２８の一
端部が側壁１０を通して内方に突出している。プ
レート状部材２８のかかる一端部２８ａは、第１
図に示す如く、回転テーブル１６の上側にて排出
域Ｄ及びその近傍を覆い、粉粒体の計量室１８へ
の導入を阻止する。上記排出域Ｄに対応して、回
転テーブル１６の下側に存在する粉体貯槽６の底
壁８には排出開口が形成されている。排出開口に
は排出管３０が接続され、この排出管３０には更
に管部材３２が接続されている。また、プレート
状部材２８にはコンプレツサの如き空気源３３に
接続された空気流路３４が設けられており、この
空気流路３４の一端が排出開口の上方に開口して
いる。従つて、空気源３３からの空気は空気流路
３４を通して排出域Ｄにて上方から送給される。
図示する通り、導入域Ｒ（プレート状部材２８が
存在しない領域）においては計量室１８に上開口
２２は開放されると共にその下開口２４は底壁８
によつて閉塞され、また排出域Ｄにおいては計量
室１８の下開口２４は開放されると共にその上開
口２２はプレート状部材２８によつて閉塞され、
更に導入域Ｒと排出域Ｄとの間の領域においては
計量室１８の上開口２２はプレート状部材２８に
よつて閉塞されると共にその下開口は底壁８によ
つて閉塞される。

粉体貯槽６内には、更に、撹拌手段３６が配設
されている。図示の撹拌羽根３６は回転テーブル
１６の上方に位置する一対の撹拌羽根３８を備
え、一対の撹拌羽根３８は半径方向外方に延びる
水平部及び水平部の外端から上方に延びる垂直部
を有している。そして、上記水平部の上端部は、
その上面への粉粒体の付着を少なくするために、
上方に突出する三角状に形成されている。尚、撹
拌羽根３８は、収容空間１２内の粉粒体を撹拌す
ると共に粉粒体を各計量室１８に所要の通り導入
するに適した形状でよい。

この撹拌手段３６は、矢印２６で示す回転テー
ブル１６の回転方向と反対方向、即ち矢印４０
（第２図）で示す方向に回転される。主として第
１図を参照して、下部装置本体２には支持ケース
４２が装着され、この支持ケース４２には軸受部
材４３を介して第１の回転軸４４が回転自在に装
着されている。第１の回転軸４４は上下方向に延
び、その一端部（上端部）は底壁８を貫通して粉
体貯槽６内に突出し、その他端部（下端部）は箱
状の歯車ケース４６内に突出している。そして、
第１の回転軸４４の粉体貯槽６内に突出する一端
部にキー部材４８を介して回転テーブル１６が装
着され、回転テーブル１６はこの第１の回転軸４
４と一体に回転する。支持ケース４２と回転テー
ブル１６の間には第１の回転軸４４を被嵌してス
リーブ部材５０が介在され、スリーブ部材５０は
軸受部材４３の離脱を防止すると共にこの軸受部
材４３と回転テーブル１６の間隔を所定の値に維
持する。また、第１の回転軸４４の上端には、回
転テーブル１６の離脱を防止する締付手段５２が
装着されている。更に、底壁８に形成された開口
と第１の回転軸４４の間のシールを行うために、
シール体５４がシール保持具５６によつて取付け
られている。

第１の回転軸４４は中空であり、この第１の回
転軸４４内に第２の回転軸５８が回転自在に配設
されている。第２の回転軸５８も上下方向に延
び、その一端部（上端部）は第１の回転軸４４の
一端を越えて上方に突出し、またその他端部（下
端部）は第１の回転軸４４の他端を越え、歯車ケ
ース４６を貫通してその外方に突出している。第
２の回転軸５８は、一端部が軸受部材６０を介し
て第１の回転軸４４の一端部に回転自在に支持さ
れ、その他端部が軸受部材６２を介して基板６４
に取付けられた支持体６６に回転自在に支持さ
れ、第２の回転軸５８の第１の回転軸４４の一端
を越えて突出する一端部に撹拌手段３６が装着さ
れている。従つて、この撹拌手段３６は第２の回
転軸５８と一体に回転する。第２の回転軸５８の
一端部には、撹拌手段３６の離脱を防止する締付
ナツト６８が螺着されている。また、この一端に
は、締付ナツト６８等を覆う円錐状の保護キヤツ
プ７０が装着されている。

第１の回転軸４４及び第２の回転軸５８は、単
一の電動モータ７２（駆動源を構成する）によつ
て回転駆動される。電動モータ７２の出力軸７４
は歯車ケース４６内に突出し、この出力軸７４と
第１の回転軸４４及び第２の回転軸５８が歯車ケ
ース４６内に配設された傘歯車機構７６を介して
駆動連結されている。具体例では、出力軸７４に
キー部材７８を介して傘歯車８０が装着され、ま
た第１の回転軸４４の他端部にキー部材８２を介
して傘歯車８４が装着され、傘歯車８４は傘歯車
８０の上部に噛合されている。更に、第２の回転
軸５８の他端部にもキー部材８６を介して傘歯車
８８が装着され、この傘歯車８８は傘歯車８０の
下部に噛合されている。かく構成されているの
で、電動モータ７２が付勢されて傘歯車８０が回
動されると、傘歯車８４（第１の回転軸５８）と
傘歯車８８（第２の回転軸５８）は反対方向に回
転駆動される。尚、支持ケース４２と傘歯車８４
の間にはスリーブ部材９０が介在され、スリーブ
部材９０は他方の軸受部材４３の離脱を防止する
と共にこの軸受部材４３と傘歯車８４の間隔を所
定の値に維持する。また、第１の回転軸４４の他
端には、傘歯車８４の離脱を防止する締付手段９
２が装着されている。更に、傘歯車８８と支持体
６６との間にはスリーブ部材９４が介在され、こ
のスリーブ部材９４は傘歯車８８の離脱を防止す
ると共に傘歯車と軸受部材６２の間隔を一定の値
に維持する。

図示の粉体供給装置は、更に、撹拌手段３６に
衝撃乃至振動を加える加振手段を備えている。加
振手段として例えばハンマ手段、超音波発生手段
等を用いることができ、加振手段としての図示の
ハンマ手段９６は空圧シリンダ機構９８から構成
され、そのシリンダ部９８ａが基板６４に取付け
られた取付部材１００に装着されている。空圧シ
リンダ機構９８は第２の回転軸５８の下方に配置
され、コンプレツサの如き空気源（図示せず）か
らの圧縮空気によつて伸張され、その出力軸９８
ｂが第２の回転軸５８の他端に衝突する。尚、具
体例では、出力軸９２ｂに合成樹脂から形成され
たブロツク片１０２が装着され、このブロツク片
１０２を介して衝撃乃至振動が加えられる。

上述した粉体供給装置の作用を説明すると、次
の通りである。

電動モータ７２が付勢されると、その回動力が
傘歯車８０及び傘歯車８４を介して第１の回転軸
４４に伝達され、この第１の回転軸４４を介して
回転テーブル１６が矢印２６（第２図）で示す方
向に回転駆動される。また、上記回動力は傘歯車
８０及び傘歯車８８を介して第２の回転軸５８に
伝達され、この第２の回転軸５８を介して撹拌手
段３６が矢印２６とは反対の矢印４０で示す方向
に回転駆動される。従つて、撹拌手段３６が回転
駆動されることにより収容空間１２内の粉粒体が
所要の通り撹拌され、粉粒体のブロツキング等が
防止される。また、回転テーブル１６と撹拌手段
３６が反対方向に回転駆動されることにより、両
者間に比較的大きい回転速度差が生じ、撹拌手段
３６が回転テーブル１６に設けられた各計量室１
８に実質上同様に作用するようになり、かくして
従来の如き撹拌手段による悪影響が生じることな
く、各計量室１８が導入域１２を通して移動され
る間に収容空間１２内の粉粒体が計量室１８内に
所要の通り導入される。また、回転テーブル１６
及び撹拌手段３６が同一の電動モータ７２により
回転駆動されるため、駆動系の構成も簡単にする
ことができる。

計量室１８が矢印２６で示す方向に排出域Ｄま
で移動されると、計量室１８の下開口２４が排出
開口を通して排出管３０に連通され、かくして計
量室１８にて計量された粉粒体が排出管３０を通
して供給される。排出域Ｄの上方には空気流路３
４を通して圧縮空気が供給されており、それ故に
計量室１８内の粉粒体は圧縮空気の作用によつて
確実に供給される。

一方、回転テーブル１６及び撹拌手段３６の上
述した回動中に空圧シリンダ機構９８が伸張され
ると、その出力軸９８ｂに設けられたブロツク片
１０２が第２の回転軸５８の他端に当接し、第２
の回転軸５８を介して撹拌手段３６（撹拌羽根３
８）に衝撃（振動）が加えられる。かくすると、
かかる衝撃によつて撹拌手段３６が振動し、撹拌
手段３６（特にその上面）に付着した粉粒体が確
実に落下せしめられ、収容空間１２の粉粒体を実
質上全て排出することができる。尚、空圧シリン
ダ機構９８の上述した伸張は、粉粒体を供給して
いる間所定時間毎に行うようにしてもよく、また
収容空間１２内の粉粒体が少なくなつた時に所定
時間毎に行うようにしてもよい。

以上、本発明に従つて構成された粉体供給装置
の一具体例について説明したが、本発明はかかる
具体例に限定されるものではなく、本発明の範囲
を逸脱することなく種々の変形乃至修正が可能で
ある。

【図面の簡単な説明】

第１図は、本発明に従う粉体供給装置の一具体
例の要部を示す断面図。第２図は、第１図の粉体
供給装置を示す平面図。 ２……下部装置本体、６……粉体貯槽、１２…
…収容空間、１４……計量手段、１６……回転テ
ーブル、１８……計量室、２２……上開口、２４
……下開口、３６……撹拌手段、４４……第１の
回転軸、５８……第２の回転軸、７２……電動モ
ータ、７６……傘歯車機構、９６……ハンマ手
段。

Claims (1)

1. 【特許請求の範囲】 １ 粉粒体を収容する収容空間を規定する粉体貯
   槽と、該収容空間からの粉粒体を計量する計量手
   段と、該粉体貯槽内に配設され、粉粒体を撹拌す
   る撹拌手段とを具備する粉体供給装置において、 該撹拌手段に付着した粉粒体を落下せしめるた
   めの加振手段が設けられ、 該計量手段は該収容空間からの粉粒体を受入れ
   るための上開口及び粉粒体を排出するための下開
   口を有する計量室が周方向に開隔を置いて複数個
   形成されている回転テーブルを有し、該回転テー
   ブルが所定方向に回転駆動される第１の回転軸に
   装着され、該撹拌手段は該第１の回転軸内に相対
   的に回転自在に支持された第２の回転軸に装着さ
   れ、該加振手段は該第２の回転軸に衝撃乃至振動
   を加えることを特徴とする粉体供給装置。 ２ 該撹拌手段は該所定方向と反対方向に回転駆
   動される特許請求の範囲第１項記載の粉体供給装
   置。 ３ 該第１の回転軸及び該第２の回転軸は単一の
   駆動源によつて反対方向に回転駆動される特許請
   求の範囲第２項記載の粉体供給装置。 ４ 該駆動源と該第１の回転軸及び該第２の回転
   軸との間には傘歯車機構が介在されている特許請
   求の範囲第３項記載の粉体供給装置。 ５ 該加振手段は、空圧シリンダ機構を含むハン
   マ手段から構成されている特許請求の範囲第１項
   から第４項までのいずれかに記載の粉体供給装
   置。