JPH05287127A - 熱可塑性エラストマー組成物 - Google Patents

熱可塑性エラストマー組成物

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JPH05287127A
JPH05287127A JP9430292A JP9430292A JPH05287127A JP H05287127 A JPH05287127 A JP H05287127A JP 9430292 A JP9430292 A JP 9430292A JP 9430292 A JP9430292 A JP 9430292A JP H05287127 A JPH05287127 A JP H05287127A
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thermoplastic elastomer
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JP9430292A
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Koushiki Aoyanagi
柳 ▲こう▼ 識 青
Nobuhiro Shiraiwa
岩 信 裕 白
Hideki Uchiumi
海 秀 樹 内
Yoshiaki Yasui
井 芳 明明 安
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Dainippon Ink and Chemicals Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 本発明は、成形加工の際に成形装置に配合剤
汚染物のプレートアウトがない、熱可塑性エラストマー
組成物を提供する。 【構成】 熱可塑性エラストマーに、ポリオキシアルキ
レン鎖を有するアルキル、アリール、アリールアルキ
ル、アルキルアリールあるいはアルケニルエーテルのリ
ン酸エステル系化合物を含む組成物。 【効果】 特に、着色したオレフィン系熱可塑性エラス
トマーにおいて効果が高く、上記のリン酸エステル系化
合物を添加することによって、着色汚染物のプレートア
ウトがなくなり、成形品の外観が連続成形で損なわれる
ことがなく、生産性が向上する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、成形加工の際に成形装
置に配合剤成分等のプレートアウトがない熱可塑性エラ
ストマー組成物およびそれに用いられるプレートアウト
防止剤に関するものである。
【0002】
【従来の技術】プラスチックは比重が軽く、機械的物性
が優れ、成形し易いことから天然素材を代替しつつ種々
の用途で使われてきているが、原料価格や成形法の変
化、安全衛生や環境保護などの変化で、同一用途でもプ
ラスチックの材質はその都度変遷してきている。
【0003】近年、成形コスト、耐熱性等の性能改善と
リサイクルし易く環境汚染も少ないという観点から、ゴ
ムあるいは軟質PVCの代替材として熱可塑性エラスト
マーが幅広い用途で射出成形、押出成形あるいはカレン
ダー成形にてパッキング材、チューブ、シート等に加工
され利用されている。
【0004】一般的にプラスチックの着色は、装飾性等
諸性質の向上を成形品に与える目的で行なわれ、射出成
形、押出成形あるいはカレンダー成形の段階で顔料や染
料を分散し易い状態に加工処理した粉末状、液状、粒状
の着色剤組成物によってなされている。着色剤組成物
は、顔料や染料に分散助剤を加えた着色成分か、あるい
はそれに樹脂等のバインダー成分を加え、単に混合した
り、溶融混練したりして、得られるものであるが、プラ
スチックの材質や用途によってその着色成分は種々変化
させるのが一般的である。
【0005】従来、このように工夫した着色成分あるい
は着色剤を用た場合、一般的にはあまり成形加工性を損
することはないが、PVC加工分野では射出成形で金型
キャビティー内壁に着色した汚染物の付着がおき、同様
に押出成形では押出機ダイスリップ部に生じ、カレンダ
ー成形では加工ロール表面に生ずるという現象があっ
た。
【0006】この現象を”プレートアウト”と称する
が、一度これが起きると、成形品への金型転写性が低下
し、成形品に筋が入ったり、表面が汚れたり、艶が変化
するなどの外観不良を引き起こしてしまっていた。
【0007】そこで汚染物を成形途中で取り除く作業が
なされるが、成形操作を止めて取り除く作業は煩雑であ
り、成形コストを大きくするという欠点があった。又、
汚染物が染料、顔料、滑剤あるいは安定剤等のPVCの
配合成分またはそれらの熱分解物と推定されるため、プ
レートアウト防止方法として、PVC中の安定剤であ
る金属石鹸の組合わせを変える方法、酸化ケイ素系無
機物を加える方法、P、S、Clを含む極圧潤滑剤を
加える方法(プラスチック配合剤の理論と実際、(株)
プラスチックエージ、1971年版)で示されるなど種
々考案されている。
【0008】しかしながら金属石鹸の組合せ変更や酸化
ケイ素系無機物の添加は実用化されているものの、極圧
潤滑剤を加える方法は実用化されていなかった。
【0009】
【発明が解決しようとする課題】一方、熱可塑性エラス
トマーも、これを着色して成形すると視認可能となるの
で、PVCと同様なプレートアウトの発生が顕著に認め
られ、成形品の品質低下、加工性の低下を招いている。
勿論プレートアウトは条件によって生じたり生じなかっ
たりするが、着色成分の不存在下においても、他の添加
剤が原因となって生じる可能性が認められている。そこ
でPVCで実施しているプレートアウト防止方法が検討
されているが、金属石鹸や酸化ケイ素系無機物の添加方
法はその効果が乏しいという問題があり、新しい方法の
提案が求められていた。
【0010】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、このよう
な状況の下で、プレートアウト防止効果の高い方法につ
いて鋭意研究した結果、リン酸エステル系化合物の中
で、特に末端エーテル化ポリオキシアルキレン鎖を有す
るルリン酸エステル系化合物を用いることによって、着
色成分を主体とした汚染物の成形装置へのプレートアウ
トのない熱可塑性エラストマー組成物を得るに至った。
【0011】従来、プラスチック成形分野では、 一般式2: (RO)3PO4 (Rはアルキル、アリールあるいはアルケニル基いずれ
かである)で表わされるリン酸エステルが、各種プラス
チックの安定剤、可塑剤、耐燃剤あるいは潤滑油の極圧
添加剤として用いられているが、プレートアウト防止剤
として実用されてはいない。
【0012】本発明においてプレートアウト防止剤とし
て用いられるリン酸エステル系化合物は、下記一般式1
で表わされる末端エーテル化ポリオキシアルキレン鎖を
有する化合物であり、通常プラスチックで用いられる前
記のリン酸エステルとは異なり、顕著なプレートアウト
防止効果を示す。
【0013】一般式1: [R−O−(R’O)nm−PO−(OR”)3-m (式中、Rは炭素数1〜30のアルキル、アリール、ア
リールアルキル、アルキルアリールあるいはアルケニル
のいずれかの基であり、R’は炭素数1〜5のアルキレ
ン基であり、R”はH、アルカリ金属、アルカリ土類金
属あるいはアンモニウム基のいずれかであり、mは1〜
3の整数、nは1〜100の整数を表わす。)
【0014】本発明で用いられるリン酸エステル系化合
物の使用量は、通常の成形用組成物の場合、熱可塑性エ
ラストマーに対して0.05重量%〜2.0 重量%であるが、
好適には0.1 重量%〜0.5 重量%である。
【0015】好ましいリン酸エステル系化合物は、モノ
あるいはジエステル化合物であり、オキシアルキレン鎖
のn値は、1〜50のものであり、中でも好ましくは、
オキシアルキレン鎖がオキシエチレン鎖で、そのn値が
2〜40のものである。また、好ましいリン酸エステル
系化合物のR基は<炭素数が〜のアルキル基若しくはそ
のようなアルキル基で置換されたフェニル基である。
【0016】特に効果のあるものは、代表的にはモノポ
リオキシエチレン(n=3)オクチルエーテルリン酸エ
ステルとか、ジポリオキシエチレン(n=30)ノニル
フェニルエーテルリン酸エステルである。
【0017】本発明のリン酸エステル系化合物の添加方
法は、予め熱可塑性エラストマー中に練り込んでおいて
も良いし、着色剤に加えておいてもよく、またエラスト
マーや着色剤とは別にエラストマー着色成形品が成形さ
れる際に独立的に加えても良いが、好適には着色剤に加
えておくのがよい。
【0018】通常、着色剤は熱可塑性エラストマーに対
し、0.10重量%〜20重量%の添加率で加えられるので、
着色剤組成物としてその中に予め含有させる場合には、
本発明のリン酸エステル系化合物は、本来熱可塑性エラ
ストマー組成物の成形で必要とされる添加率よりも、適
宜濃縮された含有率になるよう加えられ、含有率として
は0.50重量%〜30重量%となるのが一般的である。
【0019】本発明における熱可塑性エラストマーは、
分子中にゴム弾性を有する柔軟性成分(軟質相)と塑性
変形防止の分子拘束成分(硬質相)を有する熱可塑性ポ
リマーであれば良い。
【0020】具体的な市販品としてその商品名を挙げる
と、例えば、ポリスチレンを硬質相としポリブタジエ
ン、ポリイソプレンあるいは水素添加ポリブタジエンな
どを軟質相としたシェルケミカル社のKraton、旭化成工
業(株)のタフプレンあるいは日本合成ゴム(株)のJ
SR TRのようなスチレン系エラストマー:ポリエチ
レンあるいはポリプロピレンを硬質相としエチレンプロ
ピレンラバー、エチレン−プロピレンターポリマーなど
を軟質相とした三井石油化学工業(株)のミラストマ
ー、住友化学工業(株)の住友TPEあるいは三菱モン
サント化成(株)のSantprene N のようなオレフィン系
エラストマー:ポリウレタンを硬質相としポリエーテル
あるいはポリエステルを軟質相とした大日本インキ化学
工業(株)のパンデックスのようなウレタン系エラスト
マー:ポリエステルを硬質相としポリエーテルを軟質相
としたデュポンジャパンリミテッドのハイトレルの様な
エステル系エラストマー:ポリアミドを硬質相としポリ
エステルあるいはポリエーテルを軟質相とするアミド系
エラストマー:結晶性ポリエチレンを硬質相としエチレ
ン−酢酸ビニルコポリマーあるいはエチレン−エチルア
クリレートコポリマーを軟質相とするエラストマーなど
を挙げることができる。
【0021】通常は熱可塑性エラストマー組成物を得る
際、これら熱可塑性エラストマーの加工性改善や用途適
性改善のため、エラストマーの基本構造に類似するポリ
マーとか、ブリードやブルーム、耐熱性、耐候性などを
考慮して鉱油、可塑剤、熱安定剤、光安定剤などが成形
加工段階で更に加えられる。
【0022】本発明のリン酸エステル系化合物は、何等
このような配合でもプレートアウト防止効果が損なわれ
ることはないが、熱可塑性エラストマーの中で特に顕著
な効果を示すのがオレフィン系エラストマーである。
【0023】本発明における組成物を、一般成形用の着
色された熱可塑性エラストマー組成物として得る場合に
は、通常プラスチックの成形に関わる当業者が想定し得
るカラーコンセントレート着色やカラーコンパウンドに
よる方法がある。例えば、前にも記したが、顔料や染
料、分散助剤と共に本発明のプレートアウト防止剤たる
前記特定のリン酸エステル系化合物をポリマーもしくは
オリゴマー等に加え、これを混合したり溶融混練して、
液状、粉状、粒状の、リキッドカラー、ドライカラー、
あるいはマスターバッチカラーなどと呼ばれる着色剤組
成物を得、これに熱可塑性エラストマーを加え、溶融混
練希釈して所望の色相や濃度のカラーコンパウンドを得
る、所謂カラーコンセントレート着色方法が挙げられ
る。
【0024】同様に、本発明プレートアウト防止剤は含
有するが着色成分は含有しない、無着色な熱可塑性エラ
ストマー組成物に、着色成分を主要成分とする通常の着
色剤組成物を加え、着色した熱可塑性エラストマーのカ
ラーコンパウンドを得る方法も挙げられる。
【0025】本発明における組成物の典型例である着色
された熱可塑性エラストマー組成物は、着色成分として
顔料や染料を含むが、これらはプラスチック加工分野で
公知のものであり、酸化チタン、酸化亜鉛、弁柄、チタ
ニウムオキサイド系焼成顔料、群青、アルミン酸コバル
ト、カーボンブラックなどの無機顔料とアゾ系、キナク
リドン系、ペリレン系、アンスラキノン系、フタロシア
ニン系、キノフタロン系、イソインドリノン系、スレン
系、などの有機顔料とか染料である。この他に硫酸バリ
ウム、炭酸カルシウム、タルクなどの体質顔料も含む。
【0026】また、着色成分に対しては顔料の分散を良
くする目的で、分散助剤が用いられるが、これらはプラ
スチック加工分野で公知のものであり、脂肪酸金属塩、
脂肪酸アマイド、脂肪酸エステル、低分子量ポリオレフ
ィンワックス、低分子量ポリスチレンなどが用いられ
る。
【0027】さらに、着色のために用いられる着色用組
成物においては、着色成分たる顔料や染料あるいは分散
助剤を液状、紛状あるいは粒状を保つために、バインダ
ー成分として、ポリマーやオリゴマーが構成成分に加え
られるが、ポリマーやオリゴマーは熱可塑性エラストマ
ーそれ自体あるいは熱可塑性エラストマーの基本構造に
類似するものが用いられる。
【0028】例えばオレフィン系エラストマー組成物に
おいては、オレフィン系エラストマーは勿論のこと、密
度の異なるポリエチレン、ポリプロピレン、エチレン酢
酸ビニルコポリマーあるいはエチレンエチルアクリロニ
トリルコポリマーなどである。
【0029】本発明の熱可塑性エラストマー組成物の主
要構成成分は上記のとおりであるが、成形加工性あるい
は用途適性を良好にするために、熱安定剤、光安定剤、
難燃剤、可塑剤あるいは充填剤などを必要に応じて加え
ることができる。
【0030】
【実施例】次に、本発明を実施例、比較例を挙げて具体
的に説明するが、本発明はこれら実施例に限定されず、
幅広い応用範囲を持つものである。尚、実施例、比較例
における部及び%表示はすべて重量基準である。
【0031】実施例1〜6および比較例1〜6 フタロシアニンブルー(モノクロルα型)35部、キナク
リドンレッド(ジメチル型)5部、表1記載の各種添加
剤0〜15部を低分子量ポリエチレンワックス(分子量20
00)60〜45部に加え合計100部を小型ミキサーでよく混
合した後、110〜120 ℃に加熱した小型三本ロールミル
にて混練し顔料分散のよい組成物を得た。
【0032】次にこの組成物40部を低密度ポリエチレン
(MFR=7)60部に加え小型ミキサーでよく混合した
後、30mmφ二軸スクリュー押出機で160℃の温度にて溶融
混練してペレット状着色剤を得た。
【0033】得られたペレット4部をオレフィン系熱可
塑性エラストマー(三井石油化学(株)製ミラストマー
5030N)100部に加え、180 ℃に加熱した6インチ二本ロ
ールにてロール回転数24rpm 、ロール間隔0.6mm の条件
で5分間よく混練した後、ロールから混練物を取り除い
た。
【0034】プレートアウトの発生は、混練物を取り除
いたのちのロール表面の汚染状態を観察するとともに、
混練物と等量の硬質ポリ塩化ビニルコンパウンド(PV
C重合度1050、安定剤5%含有)を続いて5分間よく混
練して得られるポリ塩化ビニルシートの着色状態を観察
することから判定した。結果を表1に示す。
【0035】
【表1】 表1 表中の配合比は、エラストマー着色剤組成物中の添加剤
比率 ()は、着色剤中の比率% 添加剤名 A:モノポリオキシエチレン(n=3 )オクチルエーテル
リン酸エステル B:ジポリオキシエチレン(n=30)ノニルフェニルエー
テルリン酸エステル C:トリポリオキシエチレン(n=5 )セチルエーテルリ
ン酸エステル D:ジポリオキシエチレン(n=10)ラウリルエーテルリ
ン酸アンモニウム E:ポリオキシエチレン(n=10)ベヘニルエーテル F:ポリオキシエチレン(n=14)ノニルフェニルエーテ
ル G:トリフェニルフォスフェート H:トリノニルフォスフェート I:ラウリルリン酸ナトリウム
【0036】
【表2】
【0037】
【表3】
【0038】
【表4】
【0039】表1に記載されているように、本発明のポ
リオキシアルケン鎖を含むリン酸エステル系化合物を加
えるとプレートアウトが防止できるが、他の添加剤の場
合、赤紫色のプレートアウト物が発生した。
【0040】なお、表中の評価基準は次の通りである。 プレートアウト防止効果 5:ポリ塩化ビニルシートが着色しない。
【0041】4:無着色シートと付き合わせると着色を
認める。 3:着色する。 2:かなり着色する。
【0042】1:著しく着色する。
【0043】実施例7、8および比較例7〜12 酸化チタン(ルチル型)40部、カーボンブラック(カラ
ーファーネス)5部、チタンイエロー(Cr-Sb-Tioxide)
5部、表2記載の各種添加剤0あるいは20部を低分子量
ポリエチレン(分子量3000)50あるいは30部に加え合計
100 部を小型ミキサーでよく混合した後、110〜120℃に
加熱した小型ニーダーにて溶融混練し、顔料分散のよい
組成物を得た。
【0044】次に、この組成物を水冷却された小型クラ
ッシャーで粒状物とし、得られた粒状物2部をオレフィ
ン系熱可塑性エラストマー(三井石油化学(株)製ミラ
ストマー5030N)100部に加え、実施例1〜6、比較例1
〜6に記載方法と同一の二本ロールによるプレートアウ
トを観察した。その結果を表2に示す。
【0045】
【表5】 表2 表中の配合比は、エラストマー着色組成物中の添加剤比
率 ()は、着色剤中の比率% 添加剤名 A:表1と同じ B:同上 J:炭酸カルシウム K:無水酸化ケイ素(焼成ケイ藻土) L:ステアリン酸亜鉛 M:ステアリン酸カルシウム N:ステアリン酸アルミニウム
【0046】
【表6】
【0047】
【表7】
【0048】表2に記載されているように、本発明のポ
リオキシアルケン鎖を含むリン酸エステル系化合物を加
えるとプレートアウトが防止できるが、他添加剤の場
合、僅かに灰黄色な白色のプレートアウト物が発生し
た。尚、表中の評価基準は表1と同様の5段階評価であ
る。
【0049】実施例9、10および比較例13〜18 実施例7、8、比較例7〜12で作成した顔料組成物5
部をオレフィン系熱可塑性エラストマー(三井石油化学
ミラストマー8030N)95部とポリプロピレン(MFR=15gr/
10 minコポリ)5部に加え、小型ミキサーで混合した
後、20mmφTダイ押出機で180℃の温度、スクリュー回
転数45rpmにてシートを60分間押出した。
【0050】続いて、低密度ポリエチレン(MFR=
7)を洗浄剤として5分間押し出した後、ダイス部分を
分解し、ダイス内壁の汚染付着の状態を調べた。その結
果を表3に示す。
【0051】
【表8】表3 表中の配合比は、エラストマー着色組成物中の添加剤比
率 ()は、着色剤中の比率% 添加剤A,B,J,K,L,M,N:表1,2と同じ
【0052】
【表9】
【0053】
【表10】
【0054】表3に記載されているように、本発明のポ
リオキシアルケン鎖を含むリン酸エステル系化合物を加
えると白色物の付着は少なくなるが、他の添加剤の場合
は多い。尚、表中の評価基準は次の通りである。
【0055】プレートアウト防止効果 5:汚染物の付着が無い。 4:汚染物が一箇所に僅かに付着している。
【0056】3:汚染物が一箇所に明瞭に付着してい
る。 2:汚染物が所々に付着している。 1:汚染物が全面に付着している。
【0057】
【発明の効果】本発明の特定の末端エーテル化ポリオキ
シアルキレン鎖を有するリン酸エステル系化合物を用い
ることによって、熱可塑性エラストマー組成物の成形時
における成形装置への汚染物のプレートアウトを防止で
きる。
【0058】これにより押出成形、射出成形、カレンダ
ー成形の加工性が良好となり、外観に優れた成形物を得
ることが出来る。

Claims (8)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 下記一般式1で示されるプレートアウト
    防止剤を含むことを特徴とする熱可塑性エラストマー組
    成物。 一般式1: [R−O−(R’0)nm−PO−(OR”)3-m (式中、Rは炭素数1〜30のアルキル、アリール、ア
    リールアルキル、アルキルアリールあるいはアルケニル
    のいずれかの基であり、R’は炭素数1〜5のアルキレ
    ン基であり、R”はH、アルカリ金属、アルカリ土類金
    属あるいはアンモニウム基のいずれかであり、mは1〜
    3の整数、nは1〜100の整数を表わす。)
  2. 【請求項2】 プレートアウト防止剤を0.05重量%〜2.
    0 重量%含む請求項1記載の組成物。
  3. 【請求項3】 熱可塑性エラストマーがポリオレフィン
    系エラストマーである請求項1または2記載の組成物。
  4. 【請求項4】 熱可塑性エラストマー組成物が射出成
    形、押出成形あるいはカレンダー成形に供される成形材
    料である請求項1、2または3記載の組成物。
  5. 【請求項5】 プレートアウト防止剤を0.50重量%〜30
    重量%および染料若しくは顔料を含む着色用組成物であ
    る請求項1記載の組成物。
  6. 【請求項6】 熱可塑性エラストマー組成物に対して、
    請求項1に記載の一般式1で示される末端エーテル化ポ
    リオキシアルキレン鎖を有するリン酸エステル系化合物
    を含有させることを特徴とするプレートアウト防止方
    法。
  7. 【請求項7】 請求項1に記載の一般式1で示される末
    端エーテル化ポリオキシアルキレン鎖を有するリン酸エ
    ステル系化合物より成る、熱可塑性エラストマー用プレ
    ートアウト防止剤。
  8. 【請求項8】 バインダー成分と顔料とを主体とする着
    色用組成物において、請求項7に記載の熱可塑性エラス
    トマー用プレートアウト防止剤を含むことを特徴とす
    る、熱可塑性エラストマーを着色するための着色用組成
    物。
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