JPH05286754A - 酸化アルミニウム基焼結体及びその製造方法 - Google Patents

酸化アルミニウム基焼結体及びその製造方法

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JPH05286754A
JPH05286754A JP4350612A JP35061292A JPH05286754A JP H05286754 A JPH05286754 A JP H05286754A JP 4350612 A JP4350612 A JP 4350612A JP 35061292 A JP35061292 A JP 35061292A JP H05286754 A JPH05286754 A JP H05286754A
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淳 大塚
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聡 飯尾
Hiroshi Tajima
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Abstract

(57)【要約】 【構成】モル基準で、炭化珪素SiCを5%以上40%
以下、タングステンWを0.5%以上25%以下及びα
−Al2O3源をα−Al2O3換算で残部含有し、W/S
iC比が4以下の配合組成の粉末を混合した後、非酸化
性雰囲気中温度1500〜1900℃で焼結することを
特徴とする酸化アルミニウム基焼結体の製造方法。 【効果】機械的強度が700MPa以上で、耐摩耗性に
優れた焼結体となる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、各種工具材料、摺動部
材等の耐摩耗性を必要とする材料として好適に利用され
る酸化アルミニウム基焼結体及びその製造方法に関す
る。
【0002】
【従来技術】酸化アルミニウムは比較的廉価で、耐摩耗
性に優れた材料としてよく知られている。そして、その
耐摩耗性をさらに向上させるために炭化タングステンを
添加する技術も知られている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】しかし、上記のように
単に炭化タングステンを酸化アルミニウムに添加しただ
けの材料は、結晶粒径が大きくて、摩耗時に粒子が脱落
することがある。又、炭化タングステンの添加量が5w
t%以下では添加効果に乏しいし、かといって5wt%
以上ではかえって機械的強度が劣化する。
【0004】この原因は定かでないが、本発明者等が究
明したところ、酸化アルミニウムと炭化タングステンと
の界面結合性が弱いことと、酸化アルミニウムが十分に
微粒化していないことにあると推定する。本発明は、こ
のような問題点を解決し、機械的強度及び耐摩耗性に優
れた酸化アルミニウム基焼結体及びその製造方法を提供
することを目的とする。
【0005】
【課題を解決するための手段】その手段は、モル基準
で、焼結体中の珪素化合物及びタングステン化合物が、
SiC及び金属W換算でそれぞれ5%以上40%以下及
び0.5%以上25%以下、かつW/SiCがモル比で
4以下であり、結晶相として平均粒径0.5μm以下の
炭化タングステン粒子又は珪化タングステン粒子が分散
していることを特徴とする耐摩耗性に優れた酸化アルミ
ニウム基焼結体にある。
【0006】また、他の手段は、モル基準で、焼結体中
の珪素化合物及びタングステン化合物が、SiC及び金
属W換算でそれぞれ5%以上40%以下及び0.5%以
上25%以下、かつW/SiCがモル比で4以下であ
り、結晶相として平均粒径0.5μm以下の炭化タング
ステン粒子又は珪化タングステン粒子が分散し、粒界に
珪素含有ガラスが存在していることを特徴とする耐摩耗
性に優れた酸化アルミニウム基焼結体にある。
【0007】そして、このような酸化アルミニウム基焼
結体を得る好ましい手段は、モル基準で、炭化珪素Si
Cを5%以上40%以下、タングステンWを0.5%以
上25%以下及びα−Al2O3源をα−Al2O3換算で
残部含有し、W/SiC比が4以下の配合組成の粉末を
混合した後、非酸化性雰囲気中温度1500〜1900
℃で焼結することを特徴とする酸化アルミニウム基焼結
体の製造方法にある。また上記製造方法において、焼結
後、さらに熱間静水圧(HIP)による処理を施しても
よい。
【0008】ここでα−Al2O3源としては、α−Al
2O3は勿論、非酸化性雰囲気中温度1500〜1900
℃で焼結することによりα−Al2O3に変化する物質で
あればよく、例えばγ−Al2O3やベーマイト等が挙げ
られる。配合粉末の混合は湿式ボールミル等の通常の手
段でよい。そして、焼結は加圧焼結、非加圧焼結のいず
れでも適用可能である。
【0009】
【作用】上記焼結体に於いて、平均粒径0.5μm以下
の炭化タングステンが分散していることにより、酸化ア
ルミニウムの微粒化をもたらし、この微粒化と炭化タン
グステン自体の高耐摩耗性とが相乗的に作用して耐摩耗
性を向上させる。そして、粒界に珪素含有ガラスが存在
する場合には、その珪素含有ガラスが酸化アルミニウム
粒子と炭化タングステン粒子とを密着させるため、両者
の界面結合力が向上する。なお、炭化タングステンは広
い出発組成で生成するが、出発組成によっては珪化タン
グステンが生成することがあり、これも同様に耐摩耗性
を向上させる。
【0010】上記製造方法に於いて、炭化珪素は、炭化
タングステンの炭素源及び珪化タングステンの珪素源と
なる物であり、原料段階で炭素と珪素とが原子レベルで
均一に配位しているため、珪化タングステンが生成する
組成にあっても炭化タングステンと珪化タングステンと
が均一な分散状態をもたらす。又、タングステンは、タ
ングステン化合物のタングステン源となる物である。そ
して、炭化珪素もタングステンもその粒子よりも細かい
炭化タングステン及び珪化タングステンを生成する上、
酸化アルミニウムの粒界あるいは粒子内に存在して酸化
アルミニウムの微粒化をもたらし強度の劣化を抑える。
従って、原料として高価な超微粒を必要としない。
【0011】但し、炭化珪素と金属タングステンとは全
部が反応するとは限らず、珪素含有ガラスを副生した
り、金属タングステンとして残存することがあるが、珪
素含有ガラスは前述の如く有効な成分となるし、金属タ
ングステンは強度及び耐摩耗性に悪影響をもたらすこと
無く熱伝導率を向上させる。従って、用途によってはこ
れらを未反応の状態で残存させるのが好ましい。反応生
成物と未反応物との量比は、出発組成と焼成温度によっ
て制御することができる。
【0012】なお、モル基準で炭化珪素が5%未満、タ
ングステンが0.5%未満あるいはW/SiC比が4を
超えると、耐摩耗性及び強度を向上させるほど十分な量
の反応生成物が生じない。他方、炭化珪素が40%を超
えると焼結性が悪くなるし、金属タングステンが25%
を超えると、タングステン化合物の偏析を生じやすくな
り、耐摩耗性の低下をもたらす。
【0013】
【実施例】
実施例1 γ−Al2O3(純度99%以上で少量のγ−AlOOH
およびAl(OH)3を含む、平均粒径1μm)、SiC
(β型、平均粒径0.3μm)及びW(平均粒径0.5
〜0.6μm)を、エタノールを媒体として湿式ボール
ミルにより表1に示す出発組成で混合し、カーボンダイ
中40MPaの圧力と表1に示す温度でホットプレスす
ることにより、試料番号1〜9の焼結体を製造した。
【0014】比較のために、SiCとWを使用しないこ
とを除く他は、試料番号1〜9と同じ製造条件で試料番
号10の焼結体を製造した。又、SiCを使用しないこ
ととWに代えてWC(平均粒径0.5〜0.7μm)を
用いることを除く他は、試料番号1〜9と同じ製造条件
で試料番号11の焼結体を製造した。
【0015】
【表1】 得られた焼結体について、X線回折法により構成結晶相
を同定するとともに、密度を測定した。その結果を表2
に示す。
【0016】
【表2】 表2からわかるように、γ−Al2O3はα−Al2O3に
変化しており、すべての試料は十分に緻密化していた。
また、試料番号4の焼結体につき、ホットプレス時の加
圧方向に平行な面を透過型電子顕微鏡で観察したとこ
ろ、図1に示すように炭化タングステン及び珪化タング
ステンの粒子の大半が原料の炭化珪素及びタングステン
よりもはるかに微粒の100nm以下となって分散して
いた。なお、図1において、淡色の柱状に見える粒子が
酸化アルミニウムで、黒い粒子がタングステン化合物ま
たは珪素化合物である。
【0017】次に、各焼結体について、機械的強度、破
壊靭性および耐摩耗性を評価した。機械的強度は、JI
S三点曲げ強度を測定することにより、破壊靭性は、I
F法にしたがって(荷重30kgf、ビッカース硬度も
測定)破壊靭性値を測定することにより、それぞれ評価
した。また、耐摩耗性は、鏡面仕上げした焼結体ディス
ク上に外径25mm、内径20mmの炭素鋼リングを3
00kgfで圧押しした状態で両者を油中に浸し、ディ
スクを500rpmの速度で5時間回転させるという摩
耗試験を行ない、試験前後の表面粗さ(最大高さRma
x)を測定することにより評価した。これらの結果を表
3に示す。
【0018】
【表3】 表3にみられるように、本発明範囲の焼結体はいずれも
強度および耐摩耗性に優れていた。これに対し、試料番
号7,8の焼結体は、Wの含有量が25%を越えている
ために耐摩耗性に劣っていた。試料番号9の焼結体は、
SiCの含有量が5%に満たないために耐摩耗性に劣っ
ていた。試料番号10,11の焼結体も耐摩耗性に劣っ
ていた。
【0019】実施例2 α−Al2O3(純度99.99%以上、平均粒径0.2
μm)、SiC(β型、平均粒径0.3μm)、及びW
(平均粒径0.5〜0.6μm)を、エタノールを媒体
として湿式ボールミルにより表4に示す出発組成で混合
した後、冷間静水圧(CIP)成形を行なった。得られ
た成形体を常圧のアルゴンガス中において表4に示す温
度で焼成した後、2000気圧のアルゴンガスを媒体と
した同表に示す温度の熱間静水圧(HIP)処理を行な
うことにより、試料番号12〜16の焼結体を製造し
た。
【表4】
【0020】得られた焼結体について、実施例1と同様
の方法により評価を行なった。その結果を表5及び表6
に示す。
【表5】
【0021】
【表6】
【0022】実施例3 実施例1における試料番号4と同じ出発組成の湿式ボー
ルミル後の混合粉末を、窒素雰囲気中1350〜145
0℃で熱処理することにより、γ−Al2O3の一部ある
いは全部をα−Al2O3に変化させた。この熱処理粉末
を再び湿式ボールミルにより粉砕した後、実施例2と同
様の方法により成形し、1800℃の焼成及び1700
℃のHIP処理(出発組成が同じである試料番号14と
同一の条件)を行なった。この方法によっても密度4.
74g/cm3の緻密な焼結体を作製することができ
た。作製した焼結体の結晶相をX線回折法で同定したと
ころ、α−Al2O3、W5Si3、WC及びSi2Wであ
った。
【0023】
【発明の効果】機械的強度が700MPa以上で、耐摩
耗性に優れた焼結体となる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施例に係る焼結体の結晶構造を示
す組織写真である。

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】モル基準で、焼結体中の珪素化合物及びタ
    ングステン化合物が、SiC及び金属W換算でそれぞれ
    5%以上40%以下及び0.5%以上25%以下、かつ
    W/SiCがモル比で4以下であり、結晶相として平均
    粒径0.5μm以下の炭化タングステン粒子又は珪化タ
    ングステン粒子が分散していることを特徴とする耐摩耗
    性に優れた酸化アルミニウム基焼結体。
  2. 【請求項2】モル基準で、焼結体中の珪素化合物及びタ
    ングステン化合物が、SiC及び金属W換算でそれぞれ
    5%以上40%以下及び0.5%以上25%以下、かつ
    W/SiCがモル比で4以下であり、結晶相として平均
    粒径0.5μm以下の炭化タングステン粒子又は珪化タ
    ングステン粒子が分散し、粒界に珪素含有ガラスが存在
    していることを特徴とする耐摩耗性に優れた酸化アルミ
    ニウム基焼結体。
  3. 【請求項3】モル基準で、炭化珪素SiCを5%以上4
    0%以下、タングステンWを0.5%以上25%以下及
    びα−Al2O3源をα−Al2O3換算で残部含有し、W
    /SiC比が4以下の配合組成の粉末を混合した後、非
    酸化性雰囲気中温度1500〜1900℃で焼結するこ
    とを特徴とする酸化アルミニウム基焼結体の製造方法。
  4. 【請求項4】モル基準で、炭化珪素SiCを5%以上4
    0%以下、タングステンWを0.5%以上25%以下及
    びα−Al2O3源をα−Al2O3換算で残部含有し、W
    /SiC比が4以下の配合組成の粉末を混合した後、非
    酸化性雰囲気中温度1500〜1900℃で焼結し、さ
    らに熱間静水圧処理を施すことを特徴とする酸化アルミ
    ニウム基焼結体の製造方法。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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KR100939617B1 (ko) * 2000-06-26 2010-02-01 바이엘 쉐링 파마 악티엔게젤샤프트 퀴놀론 항생제의 서방형 제제 및 그의 제조 방법
JP2021119112A (ja) * 2016-12-26 2021-08-12 京セラ株式会社 セラミック部材及び切削工具

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KR100939617B1 (ko) * 2000-06-26 2010-02-01 바이엘 쉐링 파마 악티엔게젤샤프트 퀴놀론 항생제의 서방형 제제 및 그의 제조 방법
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