JPH05285397A - 排気ガス浄化触媒の担持用ハニカム体の製造方法 - Google Patents

排気ガス浄化触媒の担持用ハニカム体の製造方法

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JPH05285397A
JPH05285397A JP4085045A JP8504592A JPH05285397A JP H05285397 A JPH05285397 A JP H05285397A JP 4085045 A JP4085045 A JP 4085045A JP 8504592 A JP8504592 A JP 8504592A JP H05285397 A JPH05285397 A JP H05285397A
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aluminum
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JP4085045A
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English (en)
Inventor
Yuuzou Tsukiide
雄三 月出
Seiya Takahata
誠也 高畑
Kunitoshi Morofushi
邦敏 諸伏
Haruo Serizawa
治夫 芹沢
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Usui Kokusai Sangyo Kaisha Ltd
Original Assignee
Usui Kokusai Sangyo Kaisha Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 排気ガス浄化装置の主要な構成要素である金
属製ハニカム体は、排気ガス系統あるいは発熱的触媒反
応という厳しい環境下で使用されるため、特に高温酸化
性が要求されており、そのための経済的、効率的な製造
技術を提供する。 【構成】 金属製ハニカム体の製造方法において、(1)
帯材からハニカム構造のハニカム体を製作する工程、
(2) 帯材の所望部位にアルミニウム被覆を形成する工
程、(3) アルミニウム成分を帯材中へ熱拡散する工程
(アルミニウム成分を活性アルミナに添加させる工程も
含む)、次いで(4) 所望部位にろう材を適用し、ろう接
合する工程、から成る金属製ハニカム体の製造方法。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、一般に自動車の排気ガ
スの浄化手段とし排気系統の途中に介装される排気ガス
浄化装置、特にその主要な構成要素である排気ガス浄化
触媒を担持するためのメタル製ハニカム体の製造方法に
関する。更に詳しくは、本発明は、この種のハニカム体
の大きな欠点、特にハニカム体を構成する薄肉金属板製
帯材(平板状帯材と波板状帯材)に由来する耐熱酸化性
が低いという欠点を解消するとともに、経済的に安価な
排気ガス浄化装置の製造方法を提供しようとするもので
ある。
【0002】
【従来の技術】従来、この種の排気ガス浄化用触媒(例
えばPt,Rh,Pdなどを使用した触媒)を担持させ
るための金属製担持母体は、単位体積当りの触媒の担持
面積を大きくすること(単位体積当りの排気ガスと浄化
用触媒との有効接触面積を極力、大きくすること)、背
圧(排気抵抗)を小さくすること、更には金属製担持母
体の自重を可能な限り軽量化すること、などを考慮し、
耐熱性でかつ薄肉金属板製の平板状帯材と波板状帯材を
相互に当接するように重積し、これを巻回成形するなど
してハニカム状の構造としたもの(以下、ハニカム体と
いう。)が良く知られている。なお、平板状帯材と波板
状帯材からハニカム体を成形する方法の相違により積層
タイプ、巻回タイプ、S字状タイプ、放射状タイプ、X
ラップ状タイプなど種々のものが得られる。
【0003】前記したメタル製ハニカム体は、例えば、
0.1mm以下(好ましくは50μ以下)の耐熱性の薄肉
鋼板からなる平板状帯材と、前記薄肉鋼板を波形状に成
形した波板状帯材とを、相互に当接部を有するように重
積し、これを一括渦巻状に巻回して軸方向に排気ガス通
路のための多数の網目状通気孔路をもつハニカム体とさ
れる。そして、この巻回積層されたハニカム体は、両端
が開口した筒状の金属製ケースに収納されるとともに相
互に接続され、耐振構造のものとされる。即ち、ハニカ
ム体を構成する平板状帯材と波板状帯材との当接部やハ
ニカム体と金属製ケースとの当接部を溶接やろう接など
の所望の固着手段により固着され、金属製排気ガス浄化
装置とされる。
【0004】周知のように、この種の排気ガス浄化装置
は、排気ガス系統という厳しい環境条件のもとで使用さ
れる関係上、その主要な構成要素であるメタル製ハニカ
ム体は、高温耐蝕性(耐ガス腐食性、1000℃前後の
排気ガス系における耐蝕性)、耐冷熱耐久性(内燃機関
の停止及び始動というサイクルにおける1000℃〜常
温の加熱冷却のサイクル下での耐久性)、耐高温酸化性
(高温下での異常酸化に対する耐久性)などの諸物性に
優れた耐熱鋼で製作されることが好ましい。メタル製ハ
ニカム体の耐熱鋼材として、例えばFe−Cr−Al系
(20Cr−5Al系)の耐熱鋼を数十μの厚さの箔に
圧延したものが知られている。前記した箔材料は以下の
ようにして使用されている。即ち、前記したように波付
加工した波板箔と平板箔とからハニカム体を製作し、高
温酸化処理により箔表面にウィスカー状のα−Al2
3 被膜を形成し、次いで該α−Al2 3 被膜層にγ−
Al2 3 をウオッシュコート処理により付着させ、こ
れにPt等の排気ガス浄化用触媒が担持される。前記し
たα−Al2 3 被膜は耐高温酸化性あるいはウオッシ
ュコート層の付着性などに優れているといわれている
が、まだ不十分なものである。また、前記したFe−C
r−Al系耐熱鋼、あるいは耐酸化性を更に改善するた
めに前記耐熱鋼に少量の希土類元素成分(REM)を添
加した耐熱鋼は圧延性(加工性)に劣るものである。
【0005】メタル製ハニカム体の製造に使用される耐
熱鋼として、その表面にα−Al23 被膜を有するも
のの有効性に鑑み、素地金属に対するAl富化技術が多
く提案されている。例えば、 1.Feを主成分とする触媒担体用金属基体の表面にA
lの薄層を形成し、空気などの酸化雰囲気中で熱処理
し、基体表面に緻密な酸化アルミニウムの膜を覆って耐
熱性、耐酸化性、耐腐食性を改善する(特開昭49-99982
号)。 2.金属組成において、Al12〜20%,Cr5〜2
5%,Ti,Nb,Zr,Hf(合計)を0.05〜2
%、残部をFeとする高Al含有の圧延金属箔を使用す
る(特開昭 63-266044号)。 3.Al1.0〜5.0%,Ti0.5%以下のAl−
Ti含有ステンレス鋼の表面にAlメッキを施し、熱処
理によりAlメッキ層にAl2 3 ウィスカーを生成さ
せるもの(特開昭 63-270548号)。 4.フェライト系ステンレス鋼表面にAlメッキした
後、真空中もしくは非酸化性ガスの雰囲気中で加熱して
Alを拡散させるとともに表面を高Al含有フェライト
層にした後、空気中で加熱して酸化ウィスカーを生成さ
せるもの(特開平1-142073号)。 5.フェライト系ステンレス鋼(基材)上に、アルカリ
金属、アルカリ土類金属、ランタノイドの少なくとも1
種を含有するAl合金層を形成し、該Al合金層の表面
にAl2 3 被膜を形成する(特開昭 63-310638号)。 6.ステンレス鋼製の平板箔と波板箔の表面をアルミニ
ウム材で被覆処理し、これを470〜1100℃の大気
中で加熱処理(数十時間〜数分)を行ない、表面層にF
3 Alを含むFe−Al金属間化合物を形成させて基
礎素材を調製する。次いで該基礎素材からハニカム体を
製作し、高温ろう材によりろう接合(Ni系ろう材、真
空中1100℃×10分間)を行なう(特開昭62-95142
号)。 7.Alを含むフェライト系ステンレス素材の波板と平
板を多重に巻回成形した後、波板と平板をろう付けある
いは溶接し、その後、素材表面にアルミナウイスカを成
長させるウイスカの成長熱処理に先立って、アルミナの
前駆体(precursor )を形成するための予備処理(大気
中雰囲気、200〜400℃、2〜20分)を行なう
(特開昭63-7838 号)。 8.Al含有のフェライト系合金で形成した素材を平板
と波板に成形される前工程として、該素材を陽極酸化
し、次いで平板と波板を多重に巻回してハニカム体と
し、更に平板状板と波板をろう付けあるいは溶接する
(特開昭63-158135号)。 などが提案されているが、Al含有量の多い材料自体
(基礎素材自体)を製作するためのプロセスが煩雑であ
ったり、製作される材料の加工性(圧延性)に問題があ
ったり、更にはメタル製ハニカム体を製作するためのプ
ロセスが煩雑であったりして十分に満足のいくものでは
ない。
【0006】
【発明が解決しようとする問題点】本発明は、前記した
従来技術の欠点を解消すべくなされたものである。特
に、本発明は、ハニカム体を製作する上で、ハニカム体
の構成部材(波板状帯材あるいは波板状帯材と平板状帯
材)のNi系ろう材などの高温ろう材によるろう接合工
程が必須的に組込まれたハニカム体の製造プロセスにお
いて、Al富化手段を効率的に組込み特性に優れたハニ
カム体を製造しようとするものである。
【0007】この点、従来技術は高温ろう接合工程の厳
しい条件、例えば真空中、1100℃以上、数時間とい
うろう接合の厳しい条件を考慮しないAl富化技術であ
ったりして、このような厳しい条件のろう接合工程を組
入れたハニカム体の製造技術としては不十分なものであ
る。即ち、ハニカム体を構成する平板状帯材あるいは波
板状帯材に対して施されたAl富化手段(別言すれば素
材段階での富化手段)が、かかる厳しい条件のろう接合
工程を通じても当初の目的を達成することができるかど
うかを考えた場合、極めて疑問である。このことは、例
えば帯材(素材)の段階で表面に形成されたα−Al2
3 層(活性アルミナ層)に対し、前記したような厳し
い条件のもとで行なわれるろう接合工程において基材中
のFe、Cr、あるいはろう材中のNi成分などが拡散
浸透し、スピネルなどの複合酸化物を形成し、その表面
積を低下させてしまうことからみても明らかなことであ
る。本発明は、高温ろう接合の工程を必須の工程とした
ハニカム体の製造プロセスにおいて、アルミニウム富化
手段の重要性に鑑み、前記した欠点のないようにAl富
化手段を組入れた効率的なハニカム体の製造プロセスを
提供しようとするものである。
【0008】
【問題点を解決するための手段】本発明を概説すれば、
本発明は、排気ガス浄化触媒を担持させるための金属製
ハニカム体の製造方法において、(i) 薄肉金属板製の波
板状帯材の単独、あるいは該波板状帯材と平板状帯材を
相互に当接するように折畳みあるいは重積して軸方向に
多数の網目状通気孔路を有するハニカム体を製造する工
程、(ii) 前記ハニカム体の所望のろう付け部位を含む
部位にアルミニウム被膜を形成する工程、(iii) 前記ア
ルミニウム被膜中のアルミニウムをハニカム体母材へ熱
拡散させる加熱処理工程、(iv) 前記ハニカム体の波板
状帯材同士の当接部、あるいは波板状帯材と平板状帯材
同士の当接部からなるろう付け部位の所望のろう付け部
位にろう材を被覆する工程、(v) 前記ハニカム体の所望
のろう付け部位を真空中もしくは非酸化性ガス雰囲気
下、加熱してろう接合する工程、から成ることを特徴と
する耐熱酸化性に優れた排気ガス浄化触媒の担持用ハニ
カム体の製造方法に関するものである。以下、本発明の
技術的構成及び実施態様について、図面を参照して詳し
く説明する。なお、本発明は図示のものに限定されない
ことはいうまでもないことである。
【0009】図1は、本発明の製造工程(i) により製造
されるハニカム体(H)の斜視図である。本発明におい
て、ハニカム体(H)は、図示されるように必要に応じ
て金属製のケーシング(4)内に填装され、固着され
る。前記したケーシング(4)との固着は、後述するろ
う付け工程時に行なわれることはいうまでもないことで
ある。
【0010】前記(i) 工程で製作されるハニカム体
(H)は、既知の方法で製作すればよい。図1のもの
は、薄肉金属板製の平板状帯材(1)と波板状帯材
(2)を相互に当接するように重積し、これを一括渦巻
状に巻回して製作した巻回タイプのハニカム体(H)で
ある。なお、両帯材(1,2)を巻回成形するとき、ハ
ニカム体(H)の軸方向に平行な多数の排気ガス用の網
目状通気孔路(3)が自動的に形成される。
【0011】本発明において、ハニカム体(H)を構成
する出発基材としての帯材(1,2)としては、該帯材
(1,2)のアルミニウム富化が後述する工程で行なわ
れるため、従来のように加工性に問題がある高Al含有
材料でなく低Al含有材料、あるいはAlを含まない加
工性の良好な耐熱鋼材を使用することが出来る。勿論、
出発基材として何らかの方法によりAl富化を施したも
のを使用できることはいうまでもないことである。例え
ば、この種の帯材(1,2)として、圧延が容易で所望
の厚さの箔に加工することができる安価な0.15%以
下の炭素を含有する低炭素鋼、あるいは低クロム鋼(1
5〜25%Crの耐熱鋼に対し11〜13.5%Crの
SUS410Lなどの低クロム鋼)、低ニッケルな耐熱
鋼、ステンレス鋼などが使用される。勿論、従来技術の
説明の項で言及したFe−Cr−Al系、Fe−Cr−
Al−REM系の鋼材を使用してもよいことはいうまで
もないことである
【0012】本発明の(i) 工程で製作されるハニカム体
(H)は、図1に示されるような巻回タイプのハニカム
体に限定されない。即ち、平板状帯材(1)と波板状帯
材(2)を当接するように相互に重積し、これを一括渦
巻状に巻回形成して製作した巻回タイプのハニカム体
(H)に限定されず、当業界において周知の他の形状の
ハニカム体(H)であってもよいことはいうまでもない
ことである。例えば、次に示すような各種のタイプのハ
ニカム体(H)であることができる。 (i) 薄肉金属板製の平板状帯材(1)と波板状帯材
(2)を相互に当接するように階層状に積層(重積)し
て製作した階層タイプのハニカム体(H)であることが
できる。 (ii) 薄肉金属板製の平板状帯材(1)と波板状帯材
(2)を相互に当接させて浄化エレメントと成し、該浄
化エレメントの所望の数を固定軸(中心軸)を起点とし
て外延させ(放射させ)て製作し放射状タイプのハニカ
ム体(H)であることができる。 (iii) 薄肉金属板製の平板状帯材(1)と波板状帯材
(2)を相互に当接させて浄化エレメントと成し、該浄
化エレメントの最外面が平板状帯材(1)となるように
所望の段数に階層状に重積し、その上下最外面に設定さ
れた二つの固定点を逆方向に押圧成形し、各浄化エレメ
ントがS字状の形状をとるようにしたS字状タイプのハ
ニカム体(H)であることができる。 (iv) 薄肉金属板製の波板状帯材(2)の単独、あるい
は平板状帯材(1)と波板状帯材(2)を折畳みまたは
積層(重積)し、所望の相隣接した層を有する浄化エレ
メントと成し、該浄化エレメントの少なくとも2以上
(好ましくは4以上)を、保持具により各浄化エレメン
トの一端部を相互に隣接させるように保持するととも
に、これを該保持具を中心にして同一方向に巻回して製
作したハニカム体(H)であることができる。なお、こ
の種のハニカム体は中心部において各浄化エレメントが
十字状、X字状、卍形状に重なり合っている(オーバー
ラップ)ので、X−ラップ形状のハニカム体(H)と俗
称されている。また、この種のハニカム体(H)の全体
の正面からみた断面形状は、各浄化エレメントの側面か
らみた形状が長方形、台形、あるいは平行四辺形によ
り、略円形、略正方形、略楕円形状となる。 なお、前記巻回タイプ、階層タイプのハニカム体(H)
の正面からみた断面形状は、略円形のもので限定され
ず、楕円形状、レーストラック形状など所望の形状のも
のであってよいことはいうまでもないことである。
【0013】本発明において、次の工程はハニカム体母
材(波板状帯材、あるいは平板状帯材と波板状帯材)へ
のAl富化工程で、このプロセスは前記(ii)のハニカム
体の所望部位でのアルミニウム被膜の形成工程、及びこ
れに引続く前記(iii) のアルミニウム成分のハニカム体
母材への熱拡散を行なわしめる加熱処理工程から成るも
のである。
【0014】本発明において、前記(ii)工程のアルミニ
ウム被膜の形成方法としては、溶融アルミニウム浴を用
いた溶融メッキ法、電気メッキ法、蒸着法あるいはアル
ミニウム粉体のコーティング液によるコーティング法な
どを採用すればよい。このようにして、ハニカム体母材
上に後述する図2に示されるアルミニウム被膜層(5)
が形成される。なお、形成すべきアルミニウム被膜層の
厚さは、所望する耐熱酸化性の程度により適宜なものと
すればよい。例えば、蒸着法、電気メッキ法、溶融メッ
キ法などを採用して数μ〜百μ、具体的には5μ〜10
μ程度の厚さのアルミニウム被膜層(5)を形成すれば
よい。勿論、アルミニウム被膜層(5)は、後述するろ
う付け部位を含む領域に形成されることが好ましいこと
はいうまでもないことである。これはろう材中の金属成
分と帯材中の金属成分が熱拡散により反応し、帯材の耐
熱性が低下するのを防止するためである。
【0015】前記した(ii)工程によるアルミニウム被膜
層(5)の形成後は、(iii) 工程の加熱処理によりアル
ミニウム成分をハニカム体母材中へ確実に熱拡散させ
る。本発明において、該(iii) 工程の加熱処理は、次の
(iv)〜(v) 工程の高温下で行なわれるろう接合工程に先
立って、耐高温酸化性にとって重要なアルミニウム成分
を確実にハニカム体母材中に熱拡散させるものである。
これにより(iv)〜(v) 工程時にアルミニウム成分の蒸発
飛散が防止され、当初設計した量のアルミニウム成分を
ハニカム体母材に含有させることてができる。即ち、ハ
ニカム体を構成する帯材の表面に適用されたアルミニウ
ム成分は、帯材中に拡散し基材成分と拡散接合してアン
カー効果を生むため、前記した蒸発飛散が防止される。
【0016】前記したようにアルミニウム成分は、耐熱
酸化性を改善するために活性アルミナ(α−Al
2 3 )の形態をとることが必要であるが、この点を考
慮して前記(iii) の加熱処理工程は次の態様で行なえば
よい。即ち、前記(iii) 工程は、常法に従ってアルミナ
ウィスカー(α−Al2 3)の生成、成長のための熱
処理を行なえばよい。その際、直接、大気中あるいは酸
化性雰囲気下で熱処理、例えば大気中、400〜110
0℃、数分〜数十時間熱処理を行なってもよい。あるい
は、予備処理として真空中または非酸化性ガス雰囲気下
で熱処理、例えば400〜1100℃、数分〜数十時間
予備処理を行なった後で、前記した大気中あるいは酸化
性ガス雰囲気下での加熱処理を行なってもよい。 更に
は、単に真空中または非酸化性ガス雰囲気下で熱処理
し、十分にアルミニウム成分をハニカム体母材中に熱拡
散させておき、後工程において活性アルミナ層が得られ
るようにしてもよいことはいうまでもないことである。
【0017】本発明の前記(ii)〜(iii) のアルミニウム
富化工程により形成されたアルミニウム被膜層は、次の
(iv)〜(v) のろう接合工程に悪影響を与えないという利
点がある。即ち、前記(ii)〜(iii) のアルミニウム富化
工程は、ハニカム体とされた後に適用され、かつ(ii)工
程に引続いて(iii) 工程でアルミニウム被膜を熱拡散に
より母材中へ移行させるため、ハニカム体を構成する部
材の当接部(例えば平板状帯材と波板状帯材の当接部)
にはアルミニウム被膜が形成されにくく、帯材同士が当
接し合うようになり、この状態で次工程のろう接合が行
なわれるため両帯材の当接部は強固に接合されることに
なる。しかしながら、ハニカム体とされる前の段階で帯
材にアルミニウム富化手段(アルミニウム被膜層の形
成)が講じられ、次いで、ハニカム体とされ、更にその
当接部をろう接合する場合、帯材の表面(勿論、当接部
における帯材の表面)に形成されたアルミニウム被膜に
よりろう接合強度に悪い影響を与えてしまう。
【0018】本発明において、次の工程は(iv)のハニカ
ム体(H)を構成する帯材(1,2)の所望の当接部へ
のNi系などの高温ろう材の被覆工程である。本発明に
おいて、前記(iv)工程の高温ろう材の被覆方法として
は、各種の方法が採用され得る。例えば、ろう材を所望
の分散媒体中に分散させたスラリー(ろう材コーティン
グ液)を用いる場合、ろう材スラリーは表面張力の関係
で後述する図2に示されるように帯材(1,2)の当接
部近傍に集中してろう材部(6)を形成する。なお、余
分のろう材スラリーはエアーブロー等により除去すれば
よい。その他、ろう材部(6)の形成は、電気あるいは
無電解メッキ、ろう材粉末の噴射コーティングなどによ
り行なえばよく、その形成手段に制御を受けない。例え
ば米国特許4,381,590号明細書、特開昭56−
4373号公報あるいは特開昭61−199574号公
報などに記載された各種の方法が採用され得る。なお、
ろう材部(6)の形成部位は、ハニカム体(H)の耐熱
変形性(熱による膨脹力や熱応力による変形)を考慮し
て帯材(1,2)の全ての当接部をろう接合するのでは
なく、例えば一端面とその近傍部位、あるいは二つの端
面とその近傍部位の当接部、あるいはハニカム体(H)
の半径方向において外周部とその近傍部位などを接合す
る態様があるが、これら態様に応じてろう材部(6)を
形成すればよい。勿論、前記(ii)工程においてアルミニ
ウム被膜層(5)は、前記ろう材部(6)を含む領域に
形成されることが好ましいことはいうまでもないことで
ある。これにより、当該領域において帯材とろう材の反
応に基づく帯材の耐熱性の低下を防止することができ
る。
【0019】本発明のハニカム体(H)の製造方法にお
いて、前記(iv)工程の後に、即ちハニカム体(H)を構
成する帯材(1,2)の所望の当接部への高温ろう材の
被覆に引続いて、(v) 工程のろう付け工程がこの順序で
結合される。このろう付け工程は通常の態様のもとで行
なわれる。即ち、この種のハニカム体(H)は、前記(i
v)工程により、帯材(1,2)の当接部(全部あるいは
一部分)にNi系ろう材などの高温ろう材が適用され、
(v) 工程によりろう接合が行なわれ、機械的にも耐震的
にも強固なものとされる。一般に高温ろう材を使用した
ろう接合の条件は、真空中(例えば10-4Torr以下)、
1100℃以上、所望のろう接合時間(例えば、全所要
時間として数時間を要する。)という条件のものであ
る。
【0020】前記(v) 工程において、前記(ii)〜(iii)
工程によりアルミニウム富化が行なわれたハニカム体
(H)を構成する帯材(1,2)の表面あるいは帯材中
のAl成分は、更に帯材(1,2)中に拡散して基材成
分と拡散接合してアンカー効果を生むため、帯材表面に
形成される活性アルミナ層は帯材の基材/Al層に強固
に接合したものとなる。いうまでもなく、この意義は重
要であり、活性アルミナ層にはウオッシュコート(γ−
アルミナの被覆)に引続いて排気ガス浄化用触媒が担持
されるが、形成される触媒担持層は帯材(1,2)の表
面に強固な接合強度を有することになり、長期に亘り触
媒活性機能を発揮することができる。なお、前記したよ
うに(v) 工程との関連で、(iii) 工程におけるアルミニ
ウム成分の熱拡散処理を低い温度あるいは短時間で行な
い、主たる熱拡散処理を(v) 工程で行なわせてもよい。
【0021】以上のプロセスにより製作される本発明の
ハニカム体(H)の構造を図2〜図3により説明する。
【0022】図2は、図1に示されるハニカム体(H)
のハニカム構造の一部拡大断面図である。即ち、本発明
のハニカム体は、(i) 工程のハニカム体成形後、(ii)工
程のアルミニウム被膜の形成工程によりハニカム体を構
成する帯材(1,2)の外表面にはアルミニウム被膜層
(5)が形成される。次いで(iii) 工程のアルミニウム
成分の熱拡散のための加熱処理の後、(iv)工程によりろ
う材が適用されろう材部(6)が形成される。そして最
終的に(v) 工程により減圧高温下でのろう接合が行なわ
れる。図2には以上のプロセスに従うアルミニウム被膜
層(5)とろう材部(6)が示されている。
【0023】図3は、前記本発明の前記(i) 〜(v) 工程
に従って製作され、更に触媒が担持されたハニカム体
(H)の図2のA部位における断面を模式図として示し
たものである。図3に示されるように、帯材(1)の基
材上に基材/Al拡散層(1´)、その上に活性アルミ
ナ層(5´)(アルミニウム被膜層を処理して形成され
たα−アルミナ層)、更にその上に触媒担持層(7)が
夫々強固に接合された状態で形成される。なお、触媒担
持層(7)は、前記したように活性アルミナ層(5´)
にウオッシュコートを行なうとともにPtなどの排気ガ
ス浄化触媒を担持させて形成されたものである。
【0024】本発明において、図1に示される金属製ケ
ース(4)としては、前記した各種タイプのハニカム体
(H)を内部に収納し固着するためのものであり、両端
が開口しているものであれば、その材質、形状に何らの
制約を受けるものではない。その際、車体下部のスペー
スに適合させるために前記ハニカム体(H)の断面形状
とも関連する断面が楕円や三角形などの形状のものを使
用してもよい。金属製ケースの材質としては、平板状帯
材(1)と波板状帯材(2)と同種のものを使用しても
よいし、更に耐熱耐蝕性に富むものを使用してもよい。
あるいは、外側部分の金属材料を内側部分よりも耐熱耐
蝕性に富むものとした二重構造のもの、具体的には内側
部分にフェライト系ステンレス鋼、外側部分にオーステ
ナイト系ステンレス鋼を使用してもよい。
【0025】
【発明の効果】本発明の排気ガス浄化装置の主要な構成
要素であるハニカム体は、排気ガス系統という高温環境
下、更には排気ガスと排気ガス浄化触媒との発熱的触媒
反応下という厳しい使用環境のもとで、優れた耐久性
(ライフサイクルの長期化)を有するものである。特
に、ハニカム体の構成部材である波板状帯材あるいは該
波板状帯材と平板状帯材との外表面に帯材基材とAlと
の拡散浸透層、更に該拡散浸透層の上に活性アルミナ層
が強固に形成されていることから耐熱酸化性に優れるも
のである。
【0026】そして、本発明のハニカム体の製造方法に
おいて、ハニカム体を構成する帯材基材のアルミニウム
富化、即ち、帯材基材とAlとの拡散浸透層、及び活性
アルミナ層の形成は、帯材がハニカム体に成形された後
で、かつハニカム体の高温ろう材によるろう接合工程の
前に行なわれるため、作業能率性、作業スペースなどの
観点から極めて効率的なものである。また、本発明のハ
ニカム体の製造方法においては、ハニカム体の構成部材
がハニカム体に成形された後工程でAl富化手段が講じ
られるため、加工性(延展性、波付加工、巻回成形な
ど)に優れた安価な基礎素材を使用することができ、か
つAl富化がハニカム構造の状態で行なわれるためAl
富化施設がコンパクトである。更に、本発明においてA
l富化工程は次工程であるろう接合工程の加熱条件を取
込むことが出来るため、ろう接合前の条件をマイルドな
ものに設定することができる。以上のことから、本発明
の耐熱酸化性に優れたハニカム体の製造方法は、従来方
法に比較して格段に優れたものである。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明のハニカム体(H)の斜視図である。
【図2】 本発明のアルミニウム被膜層とろう材部の形
成状態を説明するためのハニカム体(H)の一部拡大断
面図である。
【図3】 本発明のハニカム体(H)の触媒担持層を設
けたときの、ハニカム体(H)の構成帯材の拡大断面で
ある。
【符号の説明】
H………ハニカム体 1………平板状帯材 2………波板状帯材 3………網目状通気孔路 4………金属製ケーシング 5………Al被膜層 6………ろう材部
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.5 識別記号 庁内整理番号 FI 技術表示箇所 C23C 2/12 F01N 3/28 301 Z

Claims (15)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 排気ガス浄化触媒を担持させるための金
    属製ハニカム体の製造方法において、(i) 薄肉金属板製
    の波板状帯材の単独、あるいは該波板状帯材と平板状帯
    材を相互に当接するように折畳みあるいは重積して軸方
    向に多数の網目状通気孔路を有するハニカム体を製造す
    る工程、(ii) 前記ハニカム体の所望のろう付け部位を
    含む部位にアルミニウム被膜を形成する工程、(iii) 前
    記アルミニウム被膜中のアルミニウムをハニカム体母材
    へ熱拡散させる加熱処理工程、(iv) 前記ハニカム体の
    波板状帯材同士の当接部、あるいは波板状帯材と平板状
    帯材同士の当接部からなるろう付け部位の所望のろう付
    け部位にろう材を被覆する工程、(v) 前記ハニカム体の
    所望のろう付け部位を真空中もしくは非酸化性ガス雰囲
    気下、加熱してろう接合する工程、から成ることを特徴
    とする耐熱酸化性に優れた排気ガス浄化触媒の担持用ハ
    ニカム体の製造方法。
  2. 【請求項2】 アルミニウム被膜の加熱処理工程が、大
    気中あるいは酸化性ガス雰囲気下での加熱処理で構成さ
    れるものである請求項1に記載のハニカム体の製造方
    法。
  3. 【請求項3】 アルミニウム被膜の加熱処理工程が、真
    空中または非酸化性ガス雰囲気下での予備処理と、引き
    続く大気中あるいは酸化性ガス雰囲気下での加熱処理で
    構成されるものである請求項1に記載のハニカム体の製
    造方法。
  4. 【請求項4】 アルミニウム被膜の加熱処理工程が、真
    空中または非酸化性ガス雰囲気下での加熱処理で構成さ
    れるものである請求項1に記載のハニカム体の製造方
    法。
  5. 【請求項5】 アルミニウム被膜を形成する部位が、ろ
    う材を被覆する部位と一致するものである請求項1に記
    載のハニカム体の製造方法。
  6. 【請求項6】 アルミニウム被膜を形成する部位が、ハ
    ニカム体の全体に及ぶものである請求項1に記載のハニ
    カム体の製造方法。
  7. 【請求項7】 アルミニウム被膜の形成法が、溶融アル
    ミニウム浴を用いた溶融メッキ法、電気メッキ法、蒸着
    法、あるいはコーティング法によるものである請求項1
    に記載のハニカム体の製造方法。
  8. 【請求項8】 ろう材がNi系の高温ろう材である請求
    項1に記載のハニカム体の製造方法。
  9. 【請求項9】 ろう接合が、真空中、1100℃以上の
    温度で行なわれるものである請求項1に記載のハニカム
    体の製造方法。
  10. 【請求項10】 加熱処理工程が、400〜1100℃
    の温度で行なわれるものである請求項2に記載のハニカ
    ム体の製造方法。
  11. 【請求項11】 ハニカム体が、平板状帯材と波板状帯
    材を当接するように重積し、これを一括渦巻状に巻回形
    成して製作した巻回タイプのものである請求項1に記載
    のハニカム体の製造方法。
  12. 【請求項12】 ハニカム体が、平板状帯材と波板状帯
    材を相互に当接するように階層状に積層して製作した階
    層タイプのものである請求項1に記載のハニカム体の製
    造方法。
  13. 【請求項13】 ハニカム体が、平板状帯材と波板状帯
    材を相互に当接させて浄化エレメントと成し、該浄化エ
    レメントの所望の数を固定軸を起点として外延させて製
    作した放射状タイプのものである請求項1に記載のハニ
    カム体の製造方法。
  14. 【請求項14】 ハニカム体が、平板状帯材と波板状帯
    材を相互に当接させて浄化エレメントと成し、該浄化エ
    レメントを最外面が平板状帯材となるように所望の段数
    に階層状に重積し、上下最外層に設定した二つの固定点
    を逆方向に押圧成形して製作した各浄化エレメントの形
    状がS字状であるS字状タイプのものである請求項1に
    記載のハニカム体の製造方法。
  15. 【請求項15】 ハニカム体が、波板状帯材の単独、あ
    るいは波板状帯材と平板状帯材を折畳みあるいは重積
    し、所望の相隣接した層を有する浄化エレメントと成
    し、該浄化エレメントの少なくとも2以上を保持具によ
    り各浄化エレメントの一端部を相互に隣接させるように
    保持するとともに、これを該保持具を中心にして同一方
    向に巻回して製作したX−ラップタイプのものである請
    求項1に記載のハニカム体の製造方法。
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