JPH05283217A - 永久磁石および永久磁石粉末の製造方法 - Google Patents
永久磁石および永久磁石粉末の製造方法Info
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- JPH05283217A JPH05283217A JP4079524A JP7952492A JPH05283217A JP H05283217 A JPH05283217 A JP H05283217A JP 4079524 A JP4079524 A JP 4079524A JP 7952492 A JP7952492 A JP 7952492A JP H05283217 A JPH05283217 A JP H05283217A
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Abstract
(57)【要約】
【目的】 高エネルギ−積および高保磁力を有する希土
類−鉄−ボロン系永久磁石を安定に製造する。 【構成】 希土類−鉄−ボロン系磁石溶解鋳造インゴッ
トは、磁性を担う主相R2Fe14Bおよび保磁力に寄与
するNdに富んだ相などの多相の結晶組織を有してお
り、各相の機械的性質はそれぞれ異なっている。このイ
ンゴットの中で、希土類に富んだ相は主相よりも酸化し
やすいと同時に、水素処理を施すと粉砕されやすくなる
ので、必要な微粉粒度を得る間に希土類に富んだ相は過
度に粉砕され、しかも、酸素量は多くなる。そこで、ジ
ェットミルにより微粉砕した微粉を、風力を用いて粒径
が5.0μm以下の存在確立が90%以上で投入組成よ
りも希土類量の富んだ粉末と、粒径が2〜15μmの存
在確立が90%以上で投入組成よりも希土類量が少ない
組成の粉末に分級し、この投入組成よりも希土類量の少
ない粉末を圧縮成形し、焼結、熱処理することを特徴と
する希土類永久磁石の製造方法である。
類−鉄−ボロン系永久磁石を安定に製造する。 【構成】 希土類−鉄−ボロン系磁石溶解鋳造インゴッ
トは、磁性を担う主相R2Fe14Bおよび保磁力に寄与
するNdに富んだ相などの多相の結晶組織を有してお
り、各相の機械的性質はそれぞれ異なっている。このイ
ンゴットの中で、希土類に富んだ相は主相よりも酸化し
やすいと同時に、水素処理を施すと粉砕されやすくなる
ので、必要な微粉粒度を得る間に希土類に富んだ相は過
度に粉砕され、しかも、酸素量は多くなる。そこで、ジ
ェットミルにより微粉砕した微粉を、風力を用いて粒径
が5.0μm以下の存在確立が90%以上で投入組成よ
りも希土類量の富んだ粉末と、粒径が2〜15μmの存
在確立が90%以上で投入組成よりも希土類量が少ない
組成の粉末に分級し、この投入組成よりも希土類量の少
ない粉末を圧縮成形し、焼結、熱処理することを特徴と
する希土類永久磁石の製造方法である。
Description
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は磁気特性の優れた希土類
−鉄−ボロン系永久磁石および永久磁石粉末の製造方法
に関するものである。
−鉄−ボロン系永久磁石および永久磁石粉末の製造方法
に関するものである。
【0002】
【従来の技術】近年、電子機器や精密機器の小型化や軽
量化の市場傾向に伴い、永久磁石においては従来のアル
ニコやフェライト磁石に代わり希土類磁石が多くの分野
で利用されるようになってきた。希土類永久磁石の中で
も、特に、高いエネルギ−積が得られる希土類−鉄−ボ
ロン系磁石の需要が増加しており、従来以上に高エネル
ギ−積でかつ高保磁力が要求される傾向にある。希土類
−鉄−ボロン系磁石の磁気特性を改善する試みは、種々
検討されており、種々添加元素による発明は多数開示さ
れている。また、従来の粉末冶金法に代わる手法である
超急冷法による希土類−鉄−ボロン系磁石の発明も多数
開示されている。超急冷法では、粉末冶金法とは違い、
高いエネルギ−積を得るために熱間で据え込み加工や押
し出し加工などの塑性加工を必要とし製造コストがかさ
むために実用的ではない。それゆえ、現在、市場で実用
化されているエネルギ−積が30MGOe以上の特性を
有する希土類−鉄−ボロン系磁石のほとんどは、溶解鋳
造インゴットを粉砕し磁界中で成形し焼結する粉末冶金
法を利用し製造されている。ところで、この希土類−鉄
−ボロン系焼結磁石を粉末冶金法により製造する方法に
は、目的組成に希土類−鉄−ボロン系合金を溶解し、こ
れを粉砕、磁界中で成形し、焼結、熱処理の工程を経る
方法が一般的に利用されている。この工程の中で、溶解
鋳造インゴットから磁界中成形するための微粉末を得る
方法には、ジョ−クラッシャ−、ディスクミル、ジェッ
トミルなどを用いて機械的粉砕により製造する方法およ
び特開昭60−63304などで開示されているように
希土類−鉄−ボロン系磁石溶解鋳造インゴットに水素を
吸蔵させ500μm程度に自然崩壊させ、その粗粉をジ
ェットミルなどにより微粉砕する方法がある。この水素
を吸蔵させ500μm以下に粉砕する方法は、機械的粉
砕よりも1/4程度の時間で、所定粒度の微粉砕粉を得
ることができ、粉砕時間の短縮、粉砕歩留、粉砕能率が
向上するという特徴があり、現在では、希土類−鉄−ボ
ロン系磁石粉末の製造方法として一般に行われている。
一方、これらの製造方法を用いて、高エネルギ−積を有
する永久磁石を製造するには、粒界に存在する酸化物な
どの非磁性相を減少させ、磁性を担う主相R2Fe14B
相(Rは希土類元素を示す。)の割合を増加させる必要
があり、R2Fe14B相の化学量論的な組成に近づけな
ければならない。
量化の市場傾向に伴い、永久磁石においては従来のアル
ニコやフェライト磁石に代わり希土類磁石が多くの分野
で利用されるようになってきた。希土類永久磁石の中で
も、特に、高いエネルギ−積が得られる希土類−鉄−ボ
ロン系磁石の需要が増加しており、従来以上に高エネル
ギ−積でかつ高保磁力が要求される傾向にある。希土類
−鉄−ボロン系磁石の磁気特性を改善する試みは、種々
検討されており、種々添加元素による発明は多数開示さ
れている。また、従来の粉末冶金法に代わる手法である
超急冷法による希土類−鉄−ボロン系磁石の発明も多数
開示されている。超急冷法では、粉末冶金法とは違い、
高いエネルギ−積を得るために熱間で据え込み加工や押
し出し加工などの塑性加工を必要とし製造コストがかさ
むために実用的ではない。それゆえ、現在、市場で実用
化されているエネルギ−積が30MGOe以上の特性を
有する希土類−鉄−ボロン系磁石のほとんどは、溶解鋳
造インゴットを粉砕し磁界中で成形し焼結する粉末冶金
法を利用し製造されている。ところで、この希土類−鉄
−ボロン系焼結磁石を粉末冶金法により製造する方法に
は、目的組成に希土類−鉄−ボロン系合金を溶解し、こ
れを粉砕、磁界中で成形し、焼結、熱処理の工程を経る
方法が一般的に利用されている。この工程の中で、溶解
鋳造インゴットから磁界中成形するための微粉末を得る
方法には、ジョ−クラッシャ−、ディスクミル、ジェッ
トミルなどを用いて機械的粉砕により製造する方法およ
び特開昭60−63304などで開示されているように
希土類−鉄−ボロン系磁石溶解鋳造インゴットに水素を
吸蔵させ500μm程度に自然崩壊させ、その粗粉をジ
ェットミルなどにより微粉砕する方法がある。この水素
を吸蔵させ500μm以下に粉砕する方法は、機械的粉
砕よりも1/4程度の時間で、所定粒度の微粉砕粉を得
ることができ、粉砕時間の短縮、粉砕歩留、粉砕能率が
向上するという特徴があり、現在では、希土類−鉄−ボ
ロン系磁石粉末の製造方法として一般に行われている。
一方、これらの製造方法を用いて、高エネルギ−積を有
する永久磁石を製造するには、粒界に存在する酸化物な
どの非磁性相を減少させ、磁性を担う主相R2Fe14B
相(Rは希土類元素を示す。)の割合を増加させる必要
があり、R2Fe14B相の化学量論的な組成に近づけな
ければならない。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】しかし、希土類−鉄−
ボロン系磁石溶解鋳造インゴットは、磁性を担う主相R
2Fe14Bおよび保磁力に寄与するNdに富んだ相など
の多相の結晶組織を有しており、各相の機械的性質はそ
れぞれ異なっている。このインゴットの中で、希土類に
富んだ相は主相よりも酸化しやすいと同時に、水素処理
を施すと粉砕されやすくなるので、必要な微粉粒度を得
る間に希土類に富んだ相は過度に粉砕されると同時に酸
素量は多くなる。それゆえ、この微粉末から得られる永
久磁石には、酸化物相が多く存在し、高い磁気特性を有
する磁石を製造できないという問題点があった。
ボロン系磁石溶解鋳造インゴットは、磁性を担う主相R
2Fe14Bおよび保磁力に寄与するNdに富んだ相など
の多相の結晶組織を有しており、各相の機械的性質はそ
れぞれ異なっている。このインゴットの中で、希土類に
富んだ相は主相よりも酸化しやすいと同時に、水素処理
を施すと粉砕されやすくなるので、必要な微粉粒度を得
る間に希土類に富んだ相は過度に粉砕されると同時に酸
素量は多くなる。それゆえ、この微粉末から得られる永
久磁石には、酸化物相が多く存在し、高い磁気特性を有
する磁石を製造できないという問題点があった。
【0004】
【課題を解決するための手段】上記課題を解決するため
の本永久磁石および永久磁石粉末の製造方法は、希土類
−鉄−ボロンを主たる構成元素とする溶解鋳造インゴッ
トを密閉容器内に収容した後、該容器内に水素ガスを供
給し、得られた自然崩壊合金粉をジェットミルにより微
粉砕し、風力を用いて粒径が5.0μm以下の存在確立
が90%以上で投入組成よりも希土類量の富んだ粉末
と、粒径が2〜15μmの存在確立が90%以上で投入
組成よりも希土類量が少ない組成の粉末に分級し、この
投入組成よりも希土類量の少ない粉末を圧縮成形し、焼
結、熱処理することを特徴とする希土類永久磁石および
永久磁石の製造方法である。本発明においては、水素処
理後の粗粉の酸化に対する活性度を下げるために、水素
処理後、真空中またはアルゴンガス中、100〜900
℃で脱水素処理をしても良い。また、本発明は、前記の
製造方法により作製された永久磁石でもある。
の本永久磁石および永久磁石粉末の製造方法は、希土類
−鉄−ボロンを主たる構成元素とする溶解鋳造インゴッ
トを密閉容器内に収容した後、該容器内に水素ガスを供
給し、得られた自然崩壊合金粉をジェットミルにより微
粉砕し、風力を用いて粒径が5.0μm以下の存在確立
が90%以上で投入組成よりも希土類量の富んだ粉末
と、粒径が2〜15μmの存在確立が90%以上で投入
組成よりも希土類量が少ない組成の粉末に分級し、この
投入組成よりも希土類量の少ない粉末を圧縮成形し、焼
結、熱処理することを特徴とする希土類永久磁石および
永久磁石の製造方法である。本発明においては、水素処
理後の粗粉の酸化に対する活性度を下げるために、水素
処理後、真空中またはアルゴンガス中、100〜900
℃で脱水素処理をしても良い。また、本発明は、前記の
製造方法により作製された永久磁石でもある。
【0005】
【作用】本発明は、過度に粉砕され、酸素量の多いNd
に富んだ相を風力を用いた分級機で取り除くことにより
焼結性を良くするとともに、粒界に存在する酸化物相を
減少させ、高保磁力および高エネルギ−積を有する希土
類−鉄−ボロン系磁石を得る方法を見いだしたものであ
る。
に富んだ相を風力を用いた分級機で取り除くことにより
焼結性を良くするとともに、粒界に存在する酸化物相を
減少させ、高保磁力および高エネルギ−積を有する希土
類−鉄−ボロン系磁石を得る方法を見いだしたものであ
る。
【0006】以下、本発明の詳細を説明する。先ず、本
発明の対象となる磁石溶解鋳造インゴット組成は希土類
元素としてNd,Pr,Dyのうち少なくとも1種もし
くは2種以上を含み、ボロンを必須元素として1〜12
原子%含み残部がFeを主成分とし、Feの一部を必要
に応じてCo,Ni,Mn,Al,Nb,Zr,Ti,
W,Mo,V,Ga,Zn,Si他の元素で0〜15原
子%の範囲で置換した希土類−鉄−ボロン系の永久磁石
合金である。この溶解鋳造インゴットを金属面が露出す
るように破断したのち、破断塊を密閉容器内に収容した
後、該容器内に水素ガスを供給し、溶解鋳造インゴット
を自然崩壊させ500μm程度の粗粉にする。粗粉の酸
化に対する活性度を下げるために、水素処理後、粗粉を
真空中またはアルゴンガス中100〜900℃で脱水素
処理しても良い。この粗粉をジェトミルなどの乾式粉砕
機により微粉砕し、風力を用いた分級機により粒径が
5.0μm以下の存在確立が90%以上で投入組成より
も希土類量の富んだ粉末と、粒径が2〜15μmの存在
確立が90%以上で投入組成よりも希土類量が少ない組
成の粉末に分級することにより焼結磁石用粉末を作製
し、焼結、熱処理をする。
発明の対象となる磁石溶解鋳造インゴット組成は希土類
元素としてNd,Pr,Dyのうち少なくとも1種もし
くは2種以上を含み、ボロンを必須元素として1〜12
原子%含み残部がFeを主成分とし、Feの一部を必要
に応じてCo,Ni,Mn,Al,Nb,Zr,Ti,
W,Mo,V,Ga,Zn,Si他の元素で0〜15原
子%の範囲で置換した希土類−鉄−ボロン系の永久磁石
合金である。この溶解鋳造インゴットを金属面が露出す
るように破断したのち、破断塊を密閉容器内に収容した
後、該容器内に水素ガスを供給し、溶解鋳造インゴット
を自然崩壊させ500μm程度の粗粉にする。粗粉の酸
化に対する活性度を下げるために、水素処理後、粗粉を
真空中またはアルゴンガス中100〜900℃で脱水素
処理しても良い。この粗粉をジェトミルなどの乾式粉砕
機により微粉砕し、風力を用いた分級機により粒径が
5.0μm以下の存在確立が90%以上で投入組成より
も希土類量の富んだ粉末と、粒径が2〜15μmの存在
確立が90%以上で投入組成よりも希土類量が少ない組
成の粉末に分級することにより焼結磁石用粉末を作製
し、焼結、熱処理をする。
【0007】次いで、限定理由について示す。投入組成
よりも希土類量の富んだ粉末の粒径が5.0μm以下の
存在確立が90%以下であると、酸素量の多いNdに富
んだ相を十分に取り除くことができないために、結晶中
に酸化物相が多く存在し、高エネルギ−積および高保磁
力を有する希土類−鉄−ボロン系永久磁石を得ることが
できない。また、投入組成よりも希土類量が少ない組成
の粉末の粒径が2〜15μmの存在確立が90%以下で
あると、結晶中の酸化物相が多くなったり、磁石の保磁
力を著しく低下させ、高エネルギ−積および高保磁力を
有する希土類−鉄−ボロン系永久磁石を得ることができ
ない。
よりも希土類量の富んだ粉末の粒径が5.0μm以下の
存在確立が90%以下であると、酸素量の多いNdに富
んだ相を十分に取り除くことができないために、結晶中
に酸化物相が多く存在し、高エネルギ−積および高保磁
力を有する希土類−鉄−ボロン系永久磁石を得ることが
できない。また、投入組成よりも希土類量が少ない組成
の粉末の粒径が2〜15μmの存在確立が90%以下で
あると、結晶中の酸化物相が多くなったり、磁石の保磁
力を著しく低下させ、高エネルギ−積および高保磁力を
有する希土類−鉄−ボロン系永久磁石を得ることができ
ない。
【0008】
【実施例】以下に、本発明を実施例によって、具体的に
説明する。 (実施例1)Nd30.0wt.%、Dy2.0wt.
%、Al0.3wt.%、Nb1.0wt.%、B1w
t.%残部Feよりなる磁石合金を不活性雰囲気中で高
周波溶解し、鋳造インゴットを得た。このインゴット5
00gを50mm以下に破断した後、破断塊500gを
密閉容器内に挿入し、水素ガスを10分間流入させて、
空気と置換し、5kg/cm2の水素ガス圧力で2時間
処理した。得られた水素吸蔵により自然崩壊し、冷却し
た粗粉を500μm以下に粗粉砕した。これをジェット
ミルに投入し、微粉砕した後、風力を用いた分級機によ
り、粒径が2〜4μmの存在確立が90%以上で表1に
示すような希土類量の富んだ粉末と、粒径が3〜10μ
mの存在確立が90%以上で表1に示すような希土類量
が少ない組成の粉末に分級した。この希土類量の少ない
粉末を磁界11kOe、成形圧2.5ton/cm2で
圧縮成形し、1120℃、2時間の条件で焼結し、さら
に、アルゴンガス中、580℃、2時間の条件で熱処理
を行い、永久磁石を作製した。この永久磁石の磁気特性
を表2に示す。
説明する。 (実施例1)Nd30.0wt.%、Dy2.0wt.
%、Al0.3wt.%、Nb1.0wt.%、B1w
t.%残部Feよりなる磁石合金を不活性雰囲気中で高
周波溶解し、鋳造インゴットを得た。このインゴット5
00gを50mm以下に破断した後、破断塊500gを
密閉容器内に挿入し、水素ガスを10分間流入させて、
空気と置換し、5kg/cm2の水素ガス圧力で2時間
処理した。得られた水素吸蔵により自然崩壊し、冷却し
た粗粉を500μm以下に粗粉砕した。これをジェット
ミルに投入し、微粉砕した後、風力を用いた分級機によ
り、粒径が2〜4μmの存在確立が90%以上で表1に
示すような希土類量の富んだ粉末と、粒径が3〜10μ
mの存在確立が90%以上で表1に示すような希土類量
が少ない組成の粉末に分級した。この希土類量の少ない
粉末を磁界11kOe、成形圧2.5ton/cm2で
圧縮成形し、1120℃、2時間の条件で焼結し、さら
に、アルゴンガス中、580℃、2時間の条件で熱処理
を行い、永久磁石を作製した。この永久磁石の磁気特性
を表2に示す。
【0009】(比較例1)Nd30.0wt.%、Dy
2.0wt.%、Al0.3wt.%、Nb1.0w
t.%、B1wt.%残部Feよりなる磁石合金を不活
性雰囲気中で高周波溶解し、鋳造インゴットを得た。こ
のインゴット500gを50mm以下に破断した後、破
断塊500gを密閉容器内に挿入し、水素ガスを10分
間流入させて、空気と置換し、5kg/cm2の水素ガ
ス圧力で2時間処理した。得られた水素吸蔵により自然
崩壊し、冷却した粗粉を500μm以下に粗粉砕した。
これをジェットミルに投入し、微粉砕した後、この粉末
を磁界11kOe、成形圧2.5ton/cm2で圧縮
成形し、1120℃、2時間の条件で焼結し、さらに、
アルゴンガス中、580℃、2時間の条件で熱処理を行
い、永久磁石を作製した。 この永久磁石の磁気特性を
表2に示す。
2.0wt.%、Al0.3wt.%、Nb1.0w
t.%、B1wt.%残部Feよりなる磁石合金を不活
性雰囲気中で高周波溶解し、鋳造インゴットを得た。こ
のインゴット500gを50mm以下に破断した後、破
断塊500gを密閉容器内に挿入し、水素ガスを10分
間流入させて、空気と置換し、5kg/cm2の水素ガ
ス圧力で2時間処理した。得られた水素吸蔵により自然
崩壊し、冷却した粗粉を500μm以下に粗粉砕した。
これをジェットミルに投入し、微粉砕した後、この粉末
を磁界11kOe、成形圧2.5ton/cm2で圧縮
成形し、1120℃、2時間の条件で焼結し、さらに、
アルゴンガス中、580℃、2時間の条件で熱処理を行
い、永久磁石を作製した。 この永久磁石の磁気特性を
表2に示す。
【0010】
【表1】
【0011】
【表2】
【0012】(実施例2)Nd29.0wt.%、Dy
1.5wt.%、Al0.3wt.%、Nb0.5w
t.%、B1wt.%残部Feよりなる磁石合金を不活
性雰囲気中で高周波溶解し、鋳造インゴットを得た。こ
のインゴット500gを50mm以下に破断した後、破
断塊500gを密閉容器内に挿入し、水素ガスを10分
間流入させて、空気と置換し、5kg/cm2の水素ガ
ス圧力で2時間処理した。得られた水素吸蔵により自然
崩壊し、冷却した粗粉を500μm以下に粗粉砕した。
これをジェットミルに投入し、微粉砕した。この微粉を
風力を用いた分級機により、粒径が2〜4μmの存在確
立が90%以上で表3に示すような希土類量の富んだ粉
末と、粒径が3〜10μmの存在確立が90%以上で表
3に示すような希土類量が少ない組成の粉末に分級し
た。この希土類量の少ない粉末を磁界11kOe、成形
圧2.5ton/cm2で圧縮成形し、1120℃、2
時間の条件で焼結し、さらに、アルゴンガス中、600
℃、2時間の条件で熱処理を行い、永久磁石を作製し
た。この永久磁石の磁気特性を表4に示す。 (比較例2)Nd29.0wt.%、Dy1.5wt.
%、Al0.3wt.%、Nb0.5wt.%、B1w
t.%残部Feよりなる磁石合金を不活性雰囲気中で高
周波溶解し、鋳造インゴットを得た。このインゴット5
00gを50mm以下に破断した後、破断塊500gを
密閉容器内に挿入し、水素ガスを10分間流入させて、
空気と置換し、5kg/cm2の水素ガス圧力で2時間
処理した。得られた水素吸蔵により自然崩壊し、冷却し
た粗粉を500μm以下に粗粉砕した。これをジェット
ミルに投入し、微粉砕した。微粉砕した粉末を磁界11
kOe、成形圧2.5ton/cm2で圧縮成形し、1
120℃、2時間の条件で焼結し、さらに、アルゴンガ
ス中、600℃、2時間の条件で熱処理を行い、永久磁
石を作製した。 この永久磁石の磁気特性を表4に示
す。
1.5wt.%、Al0.3wt.%、Nb0.5w
t.%、B1wt.%残部Feよりなる磁石合金を不活
性雰囲気中で高周波溶解し、鋳造インゴットを得た。こ
のインゴット500gを50mm以下に破断した後、破
断塊500gを密閉容器内に挿入し、水素ガスを10分
間流入させて、空気と置換し、5kg/cm2の水素ガ
ス圧力で2時間処理した。得られた水素吸蔵により自然
崩壊し、冷却した粗粉を500μm以下に粗粉砕した。
これをジェットミルに投入し、微粉砕した。この微粉を
風力を用いた分級機により、粒径が2〜4μmの存在確
立が90%以上で表3に示すような希土類量の富んだ粉
末と、粒径が3〜10μmの存在確立が90%以上で表
3に示すような希土類量が少ない組成の粉末に分級し
た。この希土類量の少ない粉末を磁界11kOe、成形
圧2.5ton/cm2で圧縮成形し、1120℃、2
時間の条件で焼結し、さらに、アルゴンガス中、600
℃、2時間の条件で熱処理を行い、永久磁石を作製し
た。この永久磁石の磁気特性を表4に示す。 (比較例2)Nd29.0wt.%、Dy1.5wt.
%、Al0.3wt.%、Nb0.5wt.%、B1w
t.%残部Feよりなる磁石合金を不活性雰囲気中で高
周波溶解し、鋳造インゴットを得た。このインゴット5
00gを50mm以下に破断した後、破断塊500gを
密閉容器内に挿入し、水素ガスを10分間流入させて、
空気と置換し、5kg/cm2の水素ガス圧力で2時間
処理した。得られた水素吸蔵により自然崩壊し、冷却し
た粗粉を500μm以下に粗粉砕した。これをジェット
ミルに投入し、微粉砕した。微粉砕した粉末を磁界11
kOe、成形圧2.5ton/cm2で圧縮成形し、1
120℃、2時間の条件で焼結し、さらに、アルゴンガ
ス中、600℃、2時間の条件で熱処理を行い、永久磁
石を作製した。 この永久磁石の磁気特性を表4に示
す。
【0013】
【表3】
【0014】
【表4】
【0015】
【発明の効果】以上説明したように、本発明によれば、
結晶粒界に存在する酸化物相を減少させると同時に、微
粉末時における急激な酸化による発火も防げ、高エネル
ギ−積および高保磁力を有する希土類−鉄−ボロン系永
久磁石を安定に製造できる。
結晶粒界に存在する酸化物相を減少させると同時に、微
粉末時における急激な酸化による発火も防げ、高エネル
ギ−積および高保磁力を有する希土類−鉄−ボロン系永
久磁石を安定に製造できる。
Claims (3)
- 【請求項1】 希土類−鉄−ボロンを主たる構成元素と
する溶解鋳造インゴットを密閉容器内に収容した後、該
容器内に水素ガスを供給し、得られた自然崩壊合金粉を
ジェットミルにより微粉砕し、風力を用いて粒径が5.
0μm以下の存在確立が90%以上で投入組成よりも希
土類量の富んだ粉末と、粒径が2〜15μmの存在確立
が90%以上で投入組成よりも希土類量が少ない組成の
粉末に分級し、この投入組成よりも希土類量の少ない粉
末を圧縮成形し、焼結、熱処理することを特徴とする希
土類永久磁石の製造方法。 - 【請求項2】 希土類−鉄−ボロンを主たる構成元素と
する溶解鋳造インゴットを密閉容器内に収容した後、該
容器内に水素ガスを供給し、得られた自然崩壊合金粉を
真空中またはアルゴンガス中、100〜900℃で脱水
素処理した後この粉末をジェットミルにより微粉砕し、
風力を用いて粒径が5.0μm以下の存在確立が90%
以上で投入組成よりも希土類量の富んだ粉末と、粒径が
2〜15μmの存在確立が90%以上で投入組成よりも
希土類量が少ない組成の粉末に分級し、この投入組成よ
りも希土類量の少ない粉末を圧縮成形し、焼結、熱処理
することを特徴とする希土類永久磁石の製造方法。 - 【請求項3】 請求項1、2記載の製造方法により作製
した希土類−鉄−ボロン系永久磁石。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP4079524A JPH05283217A (ja) | 1992-04-01 | 1992-04-01 | 永久磁石および永久磁石粉末の製造方法 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP4079524A JPH05283217A (ja) | 1992-04-01 | 1992-04-01 | 永久磁石および永久磁石粉末の製造方法 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH05283217A true JPH05283217A (ja) | 1993-10-29 |
Family
ID=13692377
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP4079524A Pending JPH05283217A (ja) | 1992-04-01 | 1992-04-01 | 永久磁石および永久磁石粉末の製造方法 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JPH05283217A (ja) |
-
1992
- 1992-04-01 JP JP4079524A patent/JPH05283217A/ja active Pending
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