JPH05283217A - 永久磁石および永久磁石粉末の製造方法 - Google Patents

永久磁石および永久磁石粉末の製造方法

Info

Publication number
JPH05283217A
JPH05283217A JP4079524A JP7952492A JPH05283217A JP H05283217 A JPH05283217 A JP H05283217A JP 4079524 A JP4079524 A JP 4079524A JP 7952492 A JP7952492 A JP 7952492A JP H05283217 A JPH05283217 A JP H05283217A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
rare earth
powder
permanent magnet
phase
boron
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Pending
Application number
JP4079524A
Other languages
English (en)
Inventor
Munehisa Hasegawa
統久 長谷川
Shigeo Tanigawa
茂穂 谷川
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Proterial Ltd
Original Assignee
Hitachi Metals Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Hitachi Metals Ltd filed Critical Hitachi Metals Ltd
Priority to JP4079524A priority Critical patent/JPH05283217A/ja
Publication of JPH05283217A publication Critical patent/JPH05283217A/ja
Pending legal-status Critical Current

Links

Landscapes

  • Hard Magnetic Materials (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【目的】 高エネルギ−積および高保磁力を有する希土
類−鉄−ボロン系永久磁石を安定に製造する。 【構成】 希土類−鉄−ボロン系磁石溶解鋳造インゴッ
トは、磁性を担う主相R2Fe14Bおよび保磁力に寄与
するNdに富んだ相などの多相の結晶組織を有してお
り、各相の機械的性質はそれぞれ異なっている。このイ
ンゴットの中で、希土類に富んだ相は主相よりも酸化し
やすいと同時に、水素処理を施すと粉砕されやすくなる
ので、必要な微粉粒度を得る間に希土類に富んだ相は過
度に粉砕され、しかも、酸素量は多くなる。そこで、ジ
ェットミルにより微粉砕した微粉を、風力を用いて粒径
が5.0μm以下の存在確立が90%以上で投入組成よ
りも希土類量の富んだ粉末と、粒径が2〜15μmの存
在確立が90%以上で投入組成よりも希土類量が少ない
組成の粉末に分級し、この投入組成よりも希土類量の少
ない粉末を圧縮成形し、焼結、熱処理することを特徴と
する希土類永久磁石の製造方法である。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は磁気特性の優れた希土類
−鉄−ボロン系永久磁石および永久磁石粉末の製造方法
に関するものである。
【0002】
【従来の技術】近年、電子機器や精密機器の小型化や軽
量化の市場傾向に伴い、永久磁石においては従来のアル
ニコやフェライト磁石に代わり希土類磁石が多くの分野
で利用されるようになってきた。希土類永久磁石の中で
も、特に、高いエネルギ−積が得られる希土類−鉄−ボ
ロン系磁石の需要が増加しており、従来以上に高エネル
ギ−積でかつ高保磁力が要求される傾向にある。希土類
−鉄−ボロン系磁石の磁気特性を改善する試みは、種々
検討されており、種々添加元素による発明は多数開示さ
れている。また、従来の粉末冶金法に代わる手法である
超急冷法による希土類−鉄−ボロン系磁石の発明も多数
開示されている。超急冷法では、粉末冶金法とは違い、
高いエネルギ−積を得るために熱間で据え込み加工や押
し出し加工などの塑性加工を必要とし製造コストがかさ
むために実用的ではない。それゆえ、現在、市場で実用
化されているエネルギ−積が30MGOe以上の特性を
有する希土類−鉄−ボロン系磁石のほとんどは、溶解鋳
造インゴットを粉砕し磁界中で成形し焼結する粉末冶金
法を利用し製造されている。ところで、この希土類−鉄
−ボロン系焼結磁石を粉末冶金法により製造する方法に
は、目的組成に希土類−鉄−ボロン系合金を溶解し、こ
れを粉砕、磁界中で成形し、焼結、熱処理の工程を経る
方法が一般的に利用されている。この工程の中で、溶解
鋳造インゴットから磁界中成形するための微粉末を得る
方法には、ジョ−クラッシャ−、ディスクミル、ジェッ
トミルなどを用いて機械的粉砕により製造する方法およ
び特開昭60−63304などで開示されているように
希土類−鉄−ボロン系磁石溶解鋳造インゴットに水素を
吸蔵させ500μm程度に自然崩壊させ、その粗粉をジ
ェットミルなどにより微粉砕する方法がある。この水素
を吸蔵させ500μm以下に粉砕する方法は、機械的粉
砕よりも1/4程度の時間で、所定粒度の微粉砕粉を得
ることができ、粉砕時間の短縮、粉砕歩留、粉砕能率が
向上するという特徴があり、現在では、希土類−鉄−ボ
ロン系磁石粉末の製造方法として一般に行われている。
一方、これらの製造方法を用いて、高エネルギ−積を有
する永久磁石を製造するには、粒界に存在する酸化物な
どの非磁性相を減少させ、磁性を担う主相R2Fe14
相(Rは希土類元素を示す。)の割合を増加させる必要
があり、R2Fe14B相の化学量論的な組成に近づけな
ければならない。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】しかし、希土類−鉄−
ボロン系磁石溶解鋳造インゴットは、磁性を担う主相R
2Fe14Bおよび保磁力に寄与するNdに富んだ相など
の多相の結晶組織を有しており、各相の機械的性質はそ
れぞれ異なっている。このインゴットの中で、希土類に
富んだ相は主相よりも酸化しやすいと同時に、水素処理
を施すと粉砕されやすくなるので、必要な微粉粒度を得
る間に希土類に富んだ相は過度に粉砕されると同時に酸
素量は多くなる。それゆえ、この微粉末から得られる永
久磁石には、酸化物相が多く存在し、高い磁気特性を有
する磁石を製造できないという問題点があった。
【0004】
【課題を解決するための手段】上記課題を解決するため
の本永久磁石および永久磁石粉末の製造方法は、希土類
−鉄−ボロンを主たる構成元素とする溶解鋳造インゴッ
トを密閉容器内に収容した後、該容器内に水素ガスを供
給し、得られた自然崩壊合金粉をジェットミルにより微
粉砕し、風力を用いて粒径が5.0μm以下の存在確立
が90%以上で投入組成よりも希土類量の富んだ粉末
と、粒径が2〜15μmの存在確立が90%以上で投入
組成よりも希土類量が少ない組成の粉末に分級し、この
投入組成よりも希土類量の少ない粉末を圧縮成形し、焼
結、熱処理することを特徴とする希土類永久磁石および
永久磁石の製造方法である。本発明においては、水素処
理後の粗粉の酸化に対する活性度を下げるために、水素
処理後、真空中またはアルゴンガス中、100〜900
℃で脱水素処理をしても良い。また、本発明は、前記の
製造方法により作製された永久磁石でもある。
【0005】
【作用】本発明は、過度に粉砕され、酸素量の多いNd
に富んだ相を風力を用いた分級機で取り除くことにより
焼結性を良くするとともに、粒界に存在する酸化物相を
減少させ、高保磁力および高エネルギ−積を有する希土
類−鉄−ボロン系磁石を得る方法を見いだしたものであ
る。
【0006】以下、本発明の詳細を説明する。先ず、本
発明の対象となる磁石溶解鋳造インゴット組成は希土類
元素としてNd,Pr,Dyのうち少なくとも1種もし
くは2種以上を含み、ボロンを必須元素として1〜12
原子%含み残部がFeを主成分とし、Feの一部を必要
に応じてCo,Ni,Mn,Al,Nb,Zr,Ti,
W,Mo,V,Ga,Zn,Si他の元素で0〜15原
子%の範囲で置換した希土類−鉄−ボロン系の永久磁石
合金である。この溶解鋳造インゴットを金属面が露出す
るように破断したのち、破断塊を密閉容器内に収容した
後、該容器内に水素ガスを供給し、溶解鋳造インゴット
を自然崩壊させ500μm程度の粗粉にする。粗粉の酸
化に対する活性度を下げるために、水素処理後、粗粉を
真空中またはアルゴンガス中100〜900℃で脱水素
処理しても良い。この粗粉をジェトミルなどの乾式粉砕
機により微粉砕し、風力を用いた分級機により粒径が
5.0μm以下の存在確立が90%以上で投入組成より
も希土類量の富んだ粉末と、粒径が2〜15μmの存在
確立が90%以上で投入組成よりも希土類量が少ない組
成の粉末に分級することにより焼結磁石用粉末を作製
し、焼結、熱処理をする。
【0007】次いで、限定理由について示す。投入組成
よりも希土類量の富んだ粉末の粒径が5.0μm以下の
存在確立が90%以下であると、酸素量の多いNdに富
んだ相を十分に取り除くことができないために、結晶中
に酸化物相が多く存在し、高エネルギ−積および高保磁
力を有する希土類−鉄−ボロン系永久磁石を得ることが
できない。また、投入組成よりも希土類量が少ない組成
の粉末の粒径が2〜15μmの存在確立が90%以下で
あると、結晶中の酸化物相が多くなったり、磁石の保磁
力を著しく低下させ、高エネルギ−積および高保磁力を
有する希土類−鉄−ボロン系永久磁石を得ることができ
ない。
【0008】
【実施例】以下に、本発明を実施例によって、具体的に
説明する。 (実施例1)Nd30.0wt.%、Dy2.0wt.
%、Al0.3wt.%、Nb1.0wt.%、B1w
t.%残部Feよりなる磁石合金を不活性雰囲気中で高
周波溶解し、鋳造インゴットを得た。このインゴット5
00gを50mm以下に破断した後、破断塊500gを
密閉容器内に挿入し、水素ガスを10分間流入させて、
空気と置換し、5kg/cm2の水素ガス圧力で2時間
処理した。得られた水素吸蔵により自然崩壊し、冷却し
た粗粉を500μm以下に粗粉砕した。これをジェット
ミルに投入し、微粉砕した後、風力を用いた分級機によ
り、粒径が2〜4μmの存在確立が90%以上で表1に
示すような希土類量の富んだ粉末と、粒径が3〜10μ
mの存在確立が90%以上で表1に示すような希土類量
が少ない組成の粉末に分級した。この希土類量の少ない
粉末を磁界11kOe、成形圧2.5ton/cm2
圧縮成形し、1120℃、2時間の条件で焼結し、さら
に、アルゴンガス中、580℃、2時間の条件で熱処理
を行い、永久磁石を作製した。この永久磁石の磁気特性
を表2に示す。
【0009】(比較例1)Nd30.0wt.%、Dy
2.0wt.%、Al0.3wt.%、Nb1.0w
t.%、B1wt.%残部Feよりなる磁石合金を不活
性雰囲気中で高周波溶解し、鋳造インゴットを得た。こ
のインゴット500gを50mm以下に破断した後、破
断塊500gを密閉容器内に挿入し、水素ガスを10分
間流入させて、空気と置換し、5kg/cm2の水素ガ
ス圧力で2時間処理した。得られた水素吸蔵により自然
崩壊し、冷却した粗粉を500μm以下に粗粉砕した。
これをジェットミルに投入し、微粉砕した後、この粉末
を磁界11kOe、成形圧2.5ton/cm2で圧縮
成形し、1120℃、2時間の条件で焼結し、さらに、
アルゴンガス中、580℃、2時間の条件で熱処理を行
い、永久磁石を作製した。 この永久磁石の磁気特性を
表2に示す。
【0010】
【表1】
【0011】
【表2】
【0012】(実施例2)Nd29.0wt.%、Dy
1.5wt.%、Al0.3wt.%、Nb0.5w
t.%、B1wt.%残部Feよりなる磁石合金を不活
性雰囲気中で高周波溶解し、鋳造インゴットを得た。こ
のインゴット500gを50mm以下に破断した後、破
断塊500gを密閉容器内に挿入し、水素ガスを10分
間流入させて、空気と置換し、5kg/cm2の水素ガ
ス圧力で2時間処理した。得られた水素吸蔵により自然
崩壊し、冷却した粗粉を500μm以下に粗粉砕した。
これをジェットミルに投入し、微粉砕した。この微粉を
風力を用いた分級機により、粒径が2〜4μmの存在確
立が90%以上で表3に示すような希土類量の富んだ粉
末と、粒径が3〜10μmの存在確立が90%以上で表
3に示すような希土類量が少ない組成の粉末に分級し
た。この希土類量の少ない粉末を磁界11kOe、成形
圧2.5ton/cm2で圧縮成形し、1120℃、2
時間の条件で焼結し、さらに、アルゴンガス中、600
℃、2時間の条件で熱処理を行い、永久磁石を作製し
た。この永久磁石の磁気特性を表4に示す。 (比較例2)Nd29.0wt.%、Dy1.5wt.
%、Al0.3wt.%、Nb0.5wt.%、B1w
t.%残部Feよりなる磁石合金を不活性雰囲気中で高
周波溶解し、鋳造インゴットを得た。このインゴット5
00gを50mm以下に破断した後、破断塊500gを
密閉容器内に挿入し、水素ガスを10分間流入させて、
空気と置換し、5kg/cm2の水素ガス圧力で2時間
処理した。得られた水素吸蔵により自然崩壊し、冷却し
た粗粉を500μm以下に粗粉砕した。これをジェット
ミルに投入し、微粉砕した。微粉砕した粉末を磁界11
kOe、成形圧2.5ton/cm2で圧縮成形し、1
120℃、2時間の条件で焼結し、さらに、アルゴンガ
ス中、600℃、2時間の条件で熱処理を行い、永久磁
石を作製した。 この永久磁石の磁気特性を表4に示
す。
【0013】
【表3】
【0014】
【表4】
【0015】
【発明の効果】以上説明したように、本発明によれば、
結晶粒界に存在する酸化物相を減少させると同時に、微
粉末時における急激な酸化による発火も防げ、高エネル
ギ−積および高保磁力を有する希土類−鉄−ボロン系永
久磁石を安定に製造できる。

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 希土類−鉄−ボロンを主たる構成元素と
    する溶解鋳造インゴットを密閉容器内に収容した後、該
    容器内に水素ガスを供給し、得られた自然崩壊合金粉を
    ジェットミルにより微粉砕し、風力を用いて粒径が5.
    0μm以下の存在確立が90%以上で投入組成よりも希
    土類量の富んだ粉末と、粒径が2〜15μmの存在確立
    が90%以上で投入組成よりも希土類量が少ない組成の
    粉末に分級し、この投入組成よりも希土類量の少ない粉
    末を圧縮成形し、焼結、熱処理することを特徴とする希
    土類永久磁石の製造方法。
  2. 【請求項2】 希土類−鉄−ボロンを主たる構成元素と
    する溶解鋳造インゴットを密閉容器内に収容した後、該
    容器内に水素ガスを供給し、得られた自然崩壊合金粉を
    真空中またはアルゴンガス中、100〜900℃で脱水
    素処理した後この粉末をジェットミルにより微粉砕し、
    風力を用いて粒径が5.0μm以下の存在確立が90%
    以上で投入組成よりも希土類量の富んだ粉末と、粒径が
    2〜15μmの存在確立が90%以上で投入組成よりも
    希土類量が少ない組成の粉末に分級し、この投入組成よ
    りも希土類量の少ない粉末を圧縮成形し、焼結、熱処理
    することを特徴とする希土類永久磁石の製造方法。
  3. 【請求項3】 請求項1、2記載の製造方法により作製
    した希土類−鉄−ボロン系永久磁石。
JP4079524A 1992-04-01 1992-04-01 永久磁石および永久磁石粉末の製造方法 Pending JPH05283217A (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP4079524A JPH05283217A (ja) 1992-04-01 1992-04-01 永久磁石および永久磁石粉末の製造方法

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP4079524A JPH05283217A (ja) 1992-04-01 1992-04-01 永久磁石および永久磁石粉末の製造方法

Publications (1)

Publication Number Publication Date
JPH05283217A true JPH05283217A (ja) 1993-10-29

Family

ID=13692377

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP4079524A Pending JPH05283217A (ja) 1992-04-01 1992-04-01 永久磁石および永久磁石粉末の製造方法

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JPH05283217A (ja)

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JPH06340902A (ja) 希土類焼結永久磁石の製造方法
JPH066728B2 (ja) 永久磁石材料用原料粉末の製造方法
JPH0345885B2 (ja)
JPH0685369B2 (ja) 永久磁石の製造方法
JPS6181603A (ja) 希土類磁石の製造方法
JPS6348805A (ja) 希土類磁石の製造方法
JPH05258928A (ja) 永久磁石および永久磁石粉末および製造方法
JPS6181607A (ja) 希土類磁石の製造方法
JPH0345884B2 (ja)
JPH0718366A (ja) R−Fe−B系永久磁石材料の製造方法
JPH05283217A (ja) 永久磁石および永久磁石粉末の製造方法
JPH0524975B2 (ja)
JPH07110965B2 (ja) 樹脂結合永久磁石用の合金粉末の製造方法
JPH05175026A (ja) 希土類永久磁石の製造方法
JP2005281795A (ja) Dy、Tbを含有するR−T−B系焼結磁石合金およびその製造方法
JP3053344B2 (ja) 希土類磁石の製造方法
JP3171640B2 (ja) 磁石の製造方法および磁石粉末の製造方法
JPH08148317A (ja) 希土類磁石の製造方法
JPH0796694B2 (ja) 永久磁石材料の製造方法
JP2002088451A (ja) 希土類磁石およびその製造方法
JPS5848607A (ja) 希土類コバルト磁石の製造方法
JPS63249302A (ja) R−Fe−B系磁石合金粉末の製造方法
JPH024942A (ja) 永久磁石用原料合金
JPS6316603A (ja) 焼結型希土類磁石の製造方法
JPH05234733A (ja) 焼結磁石