JPH05281870A - 定着装置 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【目的】 定着ローラと加圧ローラのニップ部を効率良
く加熱することのできる定着装置の提供を目的とする。 【構成】 円筒の回転可能な定着ローラと、定着ローラ
と圧接してニップ部を形成し回転可能な円筒の加圧ロー
ラと、定着ローラの軸方向に伸びる長方形状の発熱体
と、熱エネルギを与えると軟化或いは溶融し定着ローラ
の内壁面と均一に接触する熱伝導体と、熱伝導体を発熱
体と定着ローラの内壁面との間に保持するケースとから
構成される。

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】本発明は電子写真式複写機、レー
ザビームプリンタ等の画像形成装置に使用される定着装
置に関する。

【０００２】

【従来の技術】一般に、複写機やプリンタ等の画像形成
装置では、熱ローラ定着方式の定着装置が広く実用化さ
れている。熱ローラ定着方式は、回転体としての中空の
定着ローラと該定着ローラに圧接する加圧体としての加
圧ローラとからなり、発熱体であるヒータ（主にハロゲ
ンランプ）が定着ローラに内蔵されている。そして定着
ローラと加圧ローラとの間に記録紙を通過させることに
よって定着を行なう。

【０００３】しかしながら、熱ローラ定着方式ではヒー
タからの輻射熱により定着ローラ全体を加熱しているた
めに熱効率が悪い。また、作像動作が行なわれていない
間もオフセット防止のために定着ローラ全体を所定の温
度に維持する必要があり、無駄な電力を消費する。更
に、メインスイッチの投入後、定着ローラを所定の温度
まで昇温させるのに必要な時間（以下、ウォームアップ
タイムと記す。）が長く、その間オペレータは画像形成
装置を使用できないという問題がある。

【０００４】そこで本出願人は先に、発熱体からの熱エ
ネルギを回転体の内周面に伝える電熱体を定着ローラの
内周面であってニップ部に対向する位置に設け、発熱体
からの熱エネルギをニップ部に局所的に伝達する定着装
置を提案している（特願昭３−３０２５１０号参照）。
この定着装置によると、発熱体からの熱エネルギはニッ
プ部に局所的に伝達されるために熱効率が良く、結果と
してウォームアップタイムを短縮できる。

【０００５】

【発明が解決しようとする課題】しかしながら、本出願
人が提案した定着装置では、発熱体からの熱エネルギを
ニップ部に効率よく伝達するためには、熱伝導体を定着
ローラの内壁面に対して均一に接触させなければならな
い。

【０００６】そこで本発明は、発熱体からの熱エネルギ
を熱伝導体を介してニップ部に局所的に伝達する定着装
置であって、熱伝導体と定着ローラ内壁面との接触を均
一にできる定着装置の提供を目的とする。

【０００７】

【課題を解決するための手段】本発明は、回転可能な中
空の定着ローラと、トナーの付着したシートを前記定着
ローラの外壁面の一部に接触させる加圧手段と、前記定
着ローラ内に配設された発熱体と、熱エネルギを与える
と軟化或いは溶融する物質から成り、前記発熱体からの
熱エネルギを前記定着ローラとシートとが接触する部分
に対応する定着ローラ内壁面に伝達する熱伝導体と、該
熱伝導体を前記発熱体と前記定着ローラ内壁面との間に
保持する保持手段と、を備えたことを特徴とする。

【０００８】

【作用】請求項１記載の定着装置は、、発熱体からの熱
エネルギが熱伝導体に伝えられると、保持手段によって
発熱体と定着ローラ内壁面との間に保持されている熱伝
導体は軟化或いは溶融し、軟化或いは溶融された熱伝導
体は、定着ローラとシートとが接触する部分に対応する
定着ローラ内壁面と均一に接触する。

【０００９】

【実施例】以下に、本発明の実施例を図面を参照しなが
ら説明する。

【００１０】図１は本発明に係わる定着装置の一実施例
を備えたレーザビームプリンタの断面図である。

【００１１】プリンタ本体１０１の略中央部には、感光
体ドラム１１３、帯電ブラシ１０３、現像装置１０７、
転写ローラ１０５、クリーニング装置１０８を一体的に
支持しているイメージングカートリッジ１１０がプリン
タ本体１０１に対して着脱可能に設けられている。イメ
ージングカートリッジ１１０の図中左側には、感光体ド
ラム１１３の表面に静電潜像を形成するための光学ユニ
ット１０９が設けられている。またイメージングカート
リッジ１１０の下方には、給紙ローラ１０３が設けられ
ており、給紙トレイ１０２上に載置されたシートを感光
体ドラム１１３と転写ローラ１０５とのニップ部に搬送
する。感光体ドラム１１３の上方には、シート上のトナ
ーを定着させる定着装置１０が設けられている。この定
着装置１０は、後述する定着ローラ１１と加圧ローラ１
２とから構成されている。更に、定着装置１０の上方に
は、定着装置１０で定着されたシートを排出するための
排紙ローラ１１１が設けられている。プリンタ本体１０
１の上面には、排紙ローラ１１１から排出されるシート
を受け入れる排紙トレイ１１２が設けられている。

【００１２】図２は、定着装置１０の断面図である。

【００１３】定着ローラ１１はアルミニウムを円筒に加
工したものであり、不図示のモータによってトナーの付
着したシートを定着ローラの外壁面に当接させるために
回転する。加圧ローラ１２も円筒形状であり、定着ロー
ラ１１に従動可能に当接している。定着ローラ１１の略
中央部には、発熱体４が断熱部材９を介してフレーム１
３に設けられている。発熱体４は定着ローラ１１の軸方
向に伸びる長方形状の電気抵抗であり、電圧が印加され
ると高温を発生する。断熱部材９は、発熱体４の背面か
らの熱の放射を防止するために設けられている。発熱体
４と定着ローラ１１の内壁面との間には、熱伝導体５が
後述するケース６内に保持されている。熱伝導体５は熱
エネルギを与えると軟化或いは溶融する融点の低い合金
（以下、易融合金と記す）で形成されている。本実施例
では、ローゼ合金及びニュートン合金のような三成分共
融混合物の組成、即ち〔Ｂｉ（５０％）−Ｐｂ（３１
％）−Ｓｎ（１９％）〕と同様の組成を持ち９５℃程度
で融解するものや、ウッド合金及びポヴィッツ合金のよ
うな四成分共融混合物の組成、即ち〔Ｂｉ（５０％）−
Ｐｂ（２４％）−Ｓｎ（１４％）−Ｃｄ（１２％）〕と
同様の組成を持ち７０℃程度で溶融するものを用いる。
熱伝導体５は発熱体４から熱エネルギが与えられると軟
化或いは溶融し、図２に示されるようにフレーム１３に
支持されたケース６内に保持される。ケース６の定着ロ
ーラ１１の内壁面と摺擦する部分には、定着ローラ１１
の軸方向に渡って耐熱性のシール部材７が設けられてお
り、軟化或いは溶解した熱伝導体５がケース６外に漏れ
るのを防止している。このように、熱伝導体５は発熱体
４から与えられる熱エネルギにより、軟化或いは溶融し
てローラ内壁面に均一に接触するため、ニップ部に対応
する定着ローラ１１表面を均一に加熱することができ
る。

【００１４】なお、本実施例では本発明の定着装置をレ
ーザビームプリンタに適用した例を説明したが、複写
機、普通紙ファクシミリ及びリーダプリンタに適用する
こともできる。

【００１５】更に、本実施例では熱伝導体の材質として
易融合金を用いる例を説明したが、定着温度以下で軟化
或いは溶融する他の金属、例えばインジウム等や、熱可
塑性の樹脂、例えばワックス等を用いても良い。

【００１６】

【発明の効果】本発明に係わる定着装置によれば、熱伝
導体は、熱エネルギを与えると軟化或いは溶融する物質
でできており、保持部材によって発熱体と定着ローラ内
壁面との間に保持されるため、熱伝導体は定着ローラ内
壁面と均一に接触し、定着ローラと加圧手段とが接触し
ているニップ部を均一に加熱することができる。

【００１７】また、定着ローラ内壁面と熱伝導体との物
理的接触による摩耗が全く発生しなくなる。

【図面の簡単な説明】

【図１】本発明の定着装置を備えたレーザビームプリン
タの断面図である。

【図２】本発明に係わる定着装置の断面図である。

【図３】熱伝導体を保持するケースの斜視図である。

【符号の説明】

４ 発熱体 ５ 熱伝導体 ６ ケース ９ 断熱部材 １０ 定着装置 １１ 定着ローラ １２ 加圧ローラ

Claims (1)

【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】回転可能な中空の定着ローラと、 トナーの付着したシートを前記定着ローラの外壁面の一
   部に接触させる加圧手段と、 前記定着ローラ内に配設された発熱体と、 熱エネルギを与えると軟化或いは溶融する物質から成
   り、前記発熱体からの熱エネルギを前記定着ローラとシ
   ートとが接触する部分に対応する定着ローラ内壁面に伝
   達する熱伝導体と、 該熱伝導体を前記発熱体と前記定着ローラ内壁面との間
   に保持する保持手段と、 を備えたことを特徴とする定着装置。