JPH05281743A - ネガ型感光性電着塗料樹脂組成物、これを用いた電着塗装浴及びレジストパターンの製造法 - Google Patents

ネガ型感光性電着塗料樹脂組成物、これを用いた電着塗装浴及びレジストパターンの製造法

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JPH05281743A
JPH05281743A JP4080117A JP8011792A JPH05281743A JP H05281743 A JPH05281743 A JP H05281743A JP 4080117 A JP4080117 A JP 4080117A JP 8011792 A JP8011792 A JP 8011792A JP H05281743 A JPH05281743 A JP H05281743A
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electrodeposition coating
resin
acid
compound
group
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JP4080117A
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English (en)
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Hitoshi Amanokura
仁 天野倉
Hideaki Uehara
秀秋 上原
Shigeo Tachiki
繁雄 立木
Takuro Kato
琢郎 加藤
Katsushige Tsukada
勝重 塚田
Yuji Yamazaki
雄治 山崎
Toshiya Takahashi
俊哉 高橋
Toshihiko Shiotani
俊彦 塩谷
Yoshihisa Nagashima
義久 長島
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Dai Nippon Toryo KK
Showa Denko Materials Co Ltd
Original Assignee
Dai Nippon Toryo KK
Hitachi Chemical Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 電着性が良好で、現像残りが大幅に低減され
た、高解像度のネガ型感光性電着塗料樹脂組成物を提供
する。 【構成】 (a)側鎖に光反応性不飽和基を有する酸価
20〜300、数平均分子量が400〜50,000の
光重合性樹脂を塩基性の有機化合物で中和した樹脂、
(b)非水溶性光開始剤及び(c)芳香族環若しくは複
素環を有し、銅とキレート形成可能な化合物でかつカル
ボキシル基若しくはスルホン酸基を有する化合物及び/
又は当該化合物と塩基性化合物とで形成される塩を含有
してなるネガ型感光性電着塗料樹脂組成物、これを用い
た電着塗装浴及びレジストパターンの製造法。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、ネガ型感光性電着塗料
樹脂組成物、これを用いた電着塗装浴及びレジストパタ
ーンの製造法に関する。
【0002】
【従来の技術】プリント回路板を製造するに際しては、
まず基板上に光硬化性樹脂組成物の層を形成し、ついで
活性光線を画像状に照射し、未硬化部分を現像除去し、
レジストパターンを形成している。この工程において、
光硬化性樹脂組成物の層の形成には、種々の方法が採用
されている。例えば光硬化性樹脂組成物溶液(塗液)を
ディプコート、ロールコート、カーテンコート等の塗装
方法により塗装する方法、あるいは光硬化性樹脂組成物
のフィルム(感光性フィルム)を積層する方法が知られ
ている。これらの方法のうち、感光性フィルムを積層す
る方法は、簡便に均一な厚みの光硬化性樹脂組成物の層
が形成できることから、現在主流の方法として採用され
ている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】最近、プリント回路板
の高密度、高精度化が進むに従い、レジストパターンは
より高品質のものが必要となってきている。即ち、ピン
ホールがなく、下地の基板表面によく密着したレジスト
パターンであることが望まれている。かかる要求に対し
て、現在主流となっている感光性フィルムを積層する方
法では限界のあることが知られている。この方法では、
基板製造時の打痕、研磨の不均一性、基板内層のガラス
布の網目、表面への銅めっきのビット等の不均一等によ
って生起する基板表面の凹凸への追従性が乏しく、十分
な密着性を得ることが困難である。この困難はフィルム
の積層を減圧下で行うこと(特公昭59−3740号公
報参照)によって回避できるが、これには特殊で高価な
装置が必要となる。
【0004】このようなことが理由となって、近年再び
ディップコート、ロールコート、カーテンコート等の溶
液塗装方法が見直されるようになってきた。しかしこれ
らの塗装法では膜厚の制御が困難、膜厚の均一性が不十
分、ピンホールの発生等の問題がある。
【0005】そこで最近新たな方法として電着塗装によ
り感光膜を形成する方法が提案されている(特開昭62
−235496号公報参照)。この方法によるとレジ
ストの密着性が向上する、基板表面の凹凸への追従性
が良好である、短時間で膜厚の均一な感光膜を形成で
きる、塗液が水溶液のため、作業環境の汚染が防止で
き、防災上にも問題がない等の利点がある。そのため最
近これに適する電着浴の組成に関して幾つかの提案がな
されている。
【0006】一方、電着塗装方式にはアニオン系とカチ
オン系の2種があるが、プリント回路板を製造する場合
の後工程の容易さから一般にはアニオン系が用いられ
る。しかし、アニオン系の場合には電着塗装時に銅張積
層板から溶出した銅イオンがレジスト材料のカルボキシ
ル基とキレートを形成し、擬似的な架橋をするため、露
光後の工程で未露光部をアルカリ液で現像する際に現像
できない(以下、現像残りと呼ぶ)という問題が生じて
きた。
【0007】そこでその解決のために銅とキレートを形
成する化合物、例えば、β−ジケトン類やアセト酢酸エ
ステル類(特開昭62−262856号公報)、またエ
チレンジアミンテトラ酢酸もしくはその塩を代表とする
アミノポリカルボン酸(特開昭61−247090号公
報参照)等を添加するという提案がなされていた。
【0008】しかし、本発明者らが検討したところ、こ
れらの化合物の添加によりむしろ現像残りの程度が悪化
する場合もでてくるなど十分な解決策にはなっていなか
った。
【0009】
【課題を解決するための手段】そこで、本発明者らが鋭
意検討した結果、芳香族環若しくは複素環を有し(片方
でも両方でもよい)銅とキレート形成可能な化合物でか
つカルボキシル基若しくはスルホン酸基を有する(片方
でも両方でもよい)化合物及び/又は当該化合物と塩基
性化合物とで形成される塩((c)成分)を添加するこ
とにより現像残りに対して著しい効果を示すことを見い
出した。カルボキシル基若しくはスルホン酸基を持たな
い単なる銅とキレートを形成可能な化合物を添加した場
合には、現像残りに対する効果は全く見られなかったこ
とから、単なる銅とキレートを形成する化合物の添加で
は現像残りに対して不十分であることは明確である。ま
た、カルボキシル基若しくはスルホン酸基を有する銅と
キレート形成可能な化合物であって、芳香族環及び複素
環を有しない化合物を添加した場合にも現像残りに対す
る効果が全く見られなかったことから、芳香族環及び複
素環を有しない化合物の添加では現像残りに対して不十
分であることも明確である。(c)成分の添加で現像残
りが著しく解消される詳細な理由は不明だが、銅とキレ
ートを形成する能力、及びアルカリ現像液に溶解、もし
くは分散しやすいカルボキシル基若しくはスルホン酸基
を両方有していることが効果を上げる一つの理由になっ
ていると推定される。
【0010】また、(c)成分の添加によるもう一つの
大きな効果として電着性の向上があげられる。すなわ
ち、無添加の場合に比べ、(c)成分を添加すると、低
電圧、もしくは低電流、短時間で所定膜厚の電着膜(感
光性膜)が得られる。これは生産性の向上、省エネルギ
ー及び作業安定の向上にとって好都合である。
【0011】このように(c)成分を含むネガ型電着塗
料樹脂組成物を用いることにより電着性が良好な電着塗
装浴を得ることができ、かつそれを用いたレジストパタ
ーンの形成においては、現像残りのない高解像度のレジ
ストパターンを得ることができるものである。
【0012】すなわち、本発明は、(a)側鎖に光反応
性不飽和基を有する酸価20〜300、数平均分子量が
400〜50,000の光重合性樹脂を塩基性の有機化
合物で中和した樹脂、(b)非水溶性光開始剤及び
(c)芳香族環若しくは複素環を有し銅とキレート形成
可能な化合物でかつカルボキシル基若しくはスルホン酸
基を有する化合物及び/又は当該化合物と塩基性化合物
とで形成される塩を含有してなるネガ型感光性電着塗料
樹脂組成物、これを用いた電着塗装浴並びに前記電着塗
装浴に導電性基体を陽極として浸漬し、通電により電着
塗装して導電性基体上に電着塗装膜を形成し、その後、
活性光線を前記電着塗装膜に画像状に照射し、露光部を
光硬化させ、未露光部を現像により除去し、光硬化した
レジストパターンを形成させることを特徴とするレジス
トパターンの製造法に関する。
【0013】以下、本発明について詳述する。本発明の
(a)成分の前駆体である光重合性樹脂は、側鎖に光反
応性不飽和基を有する酸価20〜300で、数平均分子
量が400〜50,000の樹脂であれば、特に制限は
ないが、好ましい樹脂例を下記に示す。 (1)エポキシ樹脂と不飽和カルボン酸とを付加反応さ
せて得られた不飽和化合物に、その化合物中に存在する
水酸基及び残存エポキシ基と反応する飽和又は不飽和の
多塩基酸無水物を反応させて得られる樹脂;
【0014】エポキシ樹脂としては、例えば、オルソク
レゾールノボラック型エポキシ樹脂、フェノールノボラ
ック型エポキシ樹脂、ハロゲン化フェノールノボラック
型エポキシ樹脂、トリス−(ヒドロキシフェニル)メタ
ントリグリシジルエーテル、テトラグリシジル−4,
4′−ジアミノジフェニルメタン、三井石油化学エポキ
シ(株)からVG3101の商品名で上市されている式
(III)
【化1】 で示されるエポキシ樹脂、一般式(IV)で示されるエ
ポキシ樹脂
【化2】 等の少なくとも2個のエポキシ基を有する芳香族系エポ
キシ樹脂が挙げられる。
【0015】本発明に用いられるノボラック型エポキシ
樹脂は、例えば、オルソクレゾール、フェノール、ハロ
ゲン化フェノール等とアルデヒドを酸触媒の存在下に反
応させて得られるノボラック型樹脂のフェノール性水酸
基にアルカリの存在下にエピクロルヒドリンを反応させ
て得られるもので、商業的に入手可能である。
【0016】オルソクレゾールノボラック型エポキシ樹
脂としては、例えば、チバ・ガイギー社製、アラルダイ
トECN1299(軟化点99℃、エポキシ当量23
0)、ECN1280(軟化点80℃、エポキシ当量2
30)、ECN1273(軟化点73℃、エポキシ当量
230)、日本化薬(株)製、EOCN104(軟化点
90〜100℃、エポキシ当量225〜245)、EO
CN103(軟化点80〜90℃、エポキシ当量215
〜235)、EOCN102(軟化点70〜80℃、エ
ポキシ当量215〜235)、EOCN101(軟化点
65〜69℃、エポキシ当量205〜225)などが挙
げられる。
【0017】フェノールノボラック型エポキシ樹脂とし
ては、例えば、シェル社製、エピコート152(エポキ
シ当量175)、エピコート154(エポキシ当量17
6〜181)、ダウケミカル社製のDEN431(エポ
キシ当量172〜179)、DEN438(エポキシ当
量175〜182)、東都化成(株)製、YDPN−6
38(エポキシ当量170〜190)、YDPN−60
1(エポキシ当量180〜220)、YDPN−602
(エポキシ当量180〜220)などが挙げられる。ハ
ロゲン化フェノールノボラック型エポキシ樹脂として
は、例えば、日本化薬(株)製、BREN(エポキシ当
量270〜300、臭素含有量35〜37%、軟化点8
0〜90℃)等の臭素化フェノールノボラック型エポキ
シ樹脂などが挙げられる。
【0018】上記一般式(IV)で示されるエポキシ樹
脂としては、例えば日本化薬(株)製EPPN−501
H(エポキシ当量164)、EPPN−502H(エポ
キシ当量168)、EOCN−1020(エポキシ当量
199)等が挙げられる。
【0019】また、不飽和カルボン酸としては、アクリ
ル酸、メタクリル酸、β−フリルアクリル酸、β−スチ
リルアクリル酸、α−シアノケイ皮酸、ケイ皮酸、オレ
イン酸、リノール酸、リノレイン酸などが挙げられる。
これらの不飽和カルボン酸は単独でもしくは組み合わせ
て用いることができる。
【0020】本発明において、少なくとも2個のエポキ
シ基を有する芳香族系エポキシ樹脂と不飽和カルボン酸
との付加反応は、常法により行われるが、酸当量/エポ
キシ当量比を0.5〜1.1の範囲とすることが好まし
い。酸当量/エポキシ当量比が0.5未満では、露光後
の現像処理により光硬化被膜が膨潤し易く、酸当量/エ
ポキシ当量比が1.1を越える場合には、遊離の不飽和
カルボン酸量が多くなるため、皮膚刺激等、安全上好ま
しくない傾向がある。
【0021】芳香族系エポキシ樹脂と不飽和カルボン酸
とを付加反応させて得られる不飽和化合物は、例えば、
前記芳香族系エポキシ樹脂をメチルエチルケトン、メチ
ルセロソルブアセテート、カルビトールアセテート、エ
チルセロソルブアセテート、シクロヘキサノンなどの不
活性有機溶剤に溶解し、触媒として例えば、トリエチル
アミン、トリ−n−ブチルアミン、ジエチルシクロヘキ
シルアミン等の三級アミン、塩化ベンジルトリメチルア
ンモニウム、塩化ベンジルトリエチルアンモニウム等の
四級アンモニウム塩などを、また重合禁止剤として、例
えば、ハイドロキノン、p−メトキシフェノールなどを
用い、70〜110℃で前記不飽和カルボン酸と上記の
当量比の範囲で撹拌反応させることにより得ることがで
きる。
【0022】次に、上記で得られた不飽和化合物中の水
酸基及び残存エポキシ基と反応させる飽和又は不飽和の
多塩基酸無水物としては、例えば、無水フタル酸、無水
テトラヒドロフタル酸、無水ヘキサヒドロフタル酸、無
水メチルテトラヒドロフタル酸、無水メチル2置換ブテ
ニルテトラヒドロフタル酸、無水イタコン酸、無水コハ
ク酸、無水シトラコン酸、無水アルケニル酸、無水ドデ
セニルコハク酸、無水トリカルバリル酸、無水マレイン
酸、クロル無水マレイン酸、無水マレイン酸のリノレイ
ン酸付加物、無水クロレンド酸、メチルシクロペンタジ
エンの無水マレイン酸付加物、無水アルキル化エンドア
ルキレンテトラヒドロフタル酸等を挙げることができ
る。
【0023】本発明において、これらの多塩基酸無水物
と前記不飽和化合物との反応は、アルカリ水溶液による
現像性及び光硬化膜の膨潤性の点から酸当量/水酸基当
量比を0.6〜2.0の範囲として常法により行うこと
が好ましい。なお、ここでの酸当量については、例え
ば、多塩基酸無水物である無水フタル酸は、2価の酸と
して扱い、1モルが2当量と考える(反応では、無水フ
タル酸一分子について、一つのカルボキシル基が反応し
てエステル化し、もう一つのカルボキシル基は反応せず
残存した、いわゆるハーフェステルができる)。前記不
飽和化合物はエポキシ基を有しているので、多塩基酸無
水物の二級水酸基への反応により生成するカルボキシル
基とエポキシ基との反応が起こり、得られるオリゴマー
のカルボキシル基濃度が低下する。このため、予め、多
塩基酸無水物の使用量を、その低下分に見合うだけ多く
することが望ましい。このようにして得られた光重合性
樹脂の中では、フェノールノボラック型エポキシ樹脂/
アクリル酸/無水テトラヒドロフタル酸クレゾールノボ
ラック型エポキシ樹脂/アクリル酸/無水テトラヒドロ
フタル酸などが好ましい。
【0024】(2)共役ジエン重合体又は共役ジエン共
重合体から誘導される不飽和ジカルボン酸無水物付加物
に、アルコール性水酸基を有する重合性モノマーを反応
させて得られる光重合性樹脂;共役ジエン重合体又は共
役ジエン共重合体とは、ブタジエン及びイソプレン等の
炭素数4〜5の共役ジオレフィンの低重合体、又はこれ
らの共役ジオレフィンの一種又は二種以上とエチレン性
不飽和結合を有するこれらの共役ジオレフィン以外のモ
ノマー、特にイソブチレン、ジイソブチレン、スチレ
ン、α−メチルスチレン、ビニルトルエン、ジビニルト
ルエンのような脂肪族又は芳香族モノマーとの低重合度
共重合体である。これらは二種類以上組み合わせて用い
てもよい。上記共役ジエン重合体又は共役ジエン共重合
体は、ビニル基含有量が50モル%以上で、数平均分子
量が400〜5,000の範囲が好ましい。ビニル基含
有量が50モル%未満では架橋密度が小さく好ましくな
い。
【0025】次に、これら共役ジエン重合体又は共役ジ
エン共重合体に付加させる不飽和ジカルボン酸無水物と
しては、前記したエポキシ基と反応させると同様の不飽
和ジカルボン酸無水物、例えば、無水マレイン酸、無水
シトラコン酸、クロル無水マレイン酸などが挙げられ
る。共役ジエン重合体又は共役ジエン共重合体と不飽和
ジカルボン酸無水物との付加反応は、通常、溶媒中で、
反応温度100〜200℃で行われる。このときの留意
点として、溶媒は乾燥を十分にしておくこと、不飽和基
の重合反応を防止するために、ハイドロキノン等の重合
禁止剤を添加しておくことなどが挙げられる。
【0026】次いで、上記の付加反応で得られた不飽和
ジカルボン酸無水物の付加物に、反応させるアルコール
性水酸基を有する重合性モノマーとしては、例えば、2
−ヒドロキシエチルアクリレート、2−ヒドロキシエチ
ルメタクリレート、2−ヒドロキシプロピルアクリレー
ト、2−ヒドロキシプロピルメタクリレート等が挙げら
れる。
【0027】不飽和ジカルボン酸無水物の付加物とアル
コール性水酸基を有する重合性モノマーとの反応は、エ
ステル化反応のため比較的容易に起こり、溶媒中で、反
応温度120℃以下で行われる。このとき、塩基物質の
添加により、反応は促進され、また、上記付加反応で述
べた点を留意する必要がある。
【0028】(3)カルボキシル基を有するアクリル樹
脂にグリシジル基を有する重合性モノマーを付加させて
得られる光重合性樹脂;カルボキシル基を有するアクリ
ル樹脂とは、アクリル酸又はメタクリル酸と、(メタ)
アクリル酸エステル類の重合性モノマー、例えば、メチ
ル(メタ)アクリレート、エチル(メタ)アクリレー
ト、ブチル(メタ)アクリレート、2−エチルエヘキシ
ル(メタ)アクリレートなどを一種類以上共重合した樹
脂をいう。この樹脂に、アクリル酸グリシジル、メタク
リル酸グリシジルなどのグリシジル基を有する重合性モ
ノマーを付加させることにより、目標の光重合性樹脂が
得られる。上記の付加反応は、通常、テトラエチルアン
モニウムブロマイドなどの触媒を用いて、80〜130
℃で反応させて行うことができる。
【0029】上記の(1)、(2)及び(3)の光重合
性樹脂以外にも、例えば、不飽和脂肪酸で変性した高酸
価アルキド樹脂なども用いられる。いずれにしても、本
発明における(a)成分の前駆体である光重合性樹脂
は、側鎖に光反応性不飽和基を有する酸価20〜300
で、数平均分子量が400〜50,000の樹脂であれ
ば特に制限はない。
【0030】光重合性樹脂中の光反応性不飽和基の濃度
は、好ましくは、200〜2,000より好ましくは、
300〜1,500の範囲で用いられる。光反応性不飽
和基の濃度が200未満では、光硬化後のレジストがも
ろく、また、2,000を越えると光感度が低下する傾
向がある。
【0031】光重合性樹脂の酸価は20〜300とさ
れ、特に40〜200が好ましい。酸価が20未満で
は、電着浴の水分散安定性が低く、また、300を越え
ると電着塗装性が低下する。
【0032】光重合性樹脂の数平均分子量は400〜5
0,000とされ、500〜20,000が好ましい。
数平均分子量が400未満では、光硬化後のレジストが
もろく、また、50,000を越えると、電着塗装後の
塗膜外観が低下する傾向がある。
【0033】本発明における(a)成分は上記の光重合
性樹脂を塩基性の有機化合物で中和することにより得ら
れる。ここでいう塩基性の有機化合物とは、特に制限は
ないが、例えば、トリエチルアミン、モノエタノールア
ミン、ジエタノールアミン、ジイソプロピルアミン、ジ
メチルアミノエタノール等が挙げられ、これらは単独で
もしくは2種類以上を組み合わせて用いることができ
る。これら塩基性の有機化合物の使用量は、中和前の光
重合性樹脂中のカルボキシル基1当量に対して0.3〜
1.0当量とすることが好ましく、0.4〜1.0当量
とすることがより好ましい。中和当量が0.3当量未満
では電着塗装浴の水分散安定性が低く、また、1.0当
量を越えると電着塗装後の塗膜厚が薄くなり塗膜外観が
低下する傾向がある。
【0034】光重合性樹脂を塩基性の有機化合物で中和
する段階は、初めに光重合性樹脂を塩基性の有機化合物
で所定量中和したのち、後述する、(b)、(c)成分
を加えて溶解し、その後水分散させてもよく、また、光
重合性樹脂に(b)、(c)成分を加えて溶解した後、
塩基性の有機化合物を加えて所定量中和し、その後、水
分散させてもよい。
【0035】(a)成分である光重合性樹脂の使用量は
(a)及び(b)成分の総量100重量部に対して70
〜99重量部であることが好ましく、80〜97重量部
の範囲であることがより好ましい。使用量が70重量部
未満では、レジストの機械的強度が弱く、また、99重
量部を越えると(b)の成分である光開始剤成分の割合
が少なすぎて光感度が低下する傾向がある。
【0036】(b)成分である非水溶性光開始剤として
は、例えば、ベンゾフェノン、N,N′−テトラメチル
−4,4′−ジアミノベンゾフェノン、4−メトキシ−
4′−ジメチルアミノベンゾフェノン、2−エチルアン
トラキノン、フエナントレンキノン等の芳香族ケトン、
ベンゾインメチルエーテル、ベンゾインエチルエーテ
ル、ベンゾインフェニルエーテル等のベンゾインエーテ
ル、メチルベンゾイン、エチルベンゾイン等のベンゾイ
ン、2−(o−クロロフェニル)−4,5−ジフェニル
イミダゾール二量体、2−(o−クロロフェニル)−
4,5−ジ(m−メトキシフェニル)イミダゾール二量
体、2,4−ジ(p−メトキシフェニル)−5−フェニ
ルイミダゾール二量体などが挙げられる。これらは1種
類単独でもしくは2種類以上を組み合わせて用いること
ができる。
【0037】(b)成分の使用量は(a)及び(b)成
分の総量100重量部に対して1〜30重量部であるこ
とが好ましく、3〜20重量部であることがより好まし
い。使用量が1重量部未満では光に対する感度が低下す
る傾向があり、30重量部を越えるとレジストの機械強
度が弱くなる傾向がある。
【0038】(b)成分は非水溶性でなければならな
い。水溶性では他の成分と均一に混合された状態で電着
塗装することが困難となる。
【0039】(c)成分としては、芳香族環及び/又は
複素環を有し、銅とキレート形成可能な化合物でかつカ
ルボキシル基及び/又はスルホン酸基を有する化合物及
び/又は当該化合物と塩基性化合物で形成された塩であ
れば特に制限は無いが、好ましくはインドール類及びそ
の塩、インダゾール類及びその塩、ベンゾチアゾール類
及びその塩、テトラゾール類及びその塩、チアゾール類
及びその塩、チアジアゾール類及びその塩、トリアジン
類及びその塩、トリアゾール類及びその塩、イミダゾー
ル類及びその塩などがあげられる。
【0040】インドール類の例としては次に例示する化
合物がある。
【化3】
【0041】インダゾール類の例としては次に例示する
化合物がある。
【化4】
【0042】ベンゾチアゾール類の例としては次に例示
する化合物がある。
【化5】
【0043】テトラゾール類の例としては次に例示する
化合物がある。
【化6】
【0044】チアゾール類の例としては次に例示する化
合物がある。
【化7】
【0045】チアジアゾール類の例としては次に例示す
る化合物がある。
【化8】
【0046】トリアジン類の例としては次に例示する化
合物がある。
【化9】
【0047】イミダゾール類の例としては次に例示する
化合物がある。
【化10】
【0048】トリアゾール類の例としては次に例示する
化合物がある。
【化11】
【0049】その他の例としては次に例示する化合物が
ある。
【化12】
【0050】
【化13】
【0051】
【化14】 尚、本発明で用いることができる(c)成分は上記した
例示化合物に限られるものではない。
【0052】上記に例示した化合物中のカルボキシル基
又はスルホン酸基を塩基で中和して塩とする場合に用い
る塩基としては、特に制限はないが、通常、有機化合物
が好ましく、例えば、モノエタノールアミン、ジエタノ
ールアミン、ジイソプロピルアミン、ジメチルアミノエ
タノール、ジエチルアミン、トリエチルアミン、ブチル
アミン、トリ−n−ブチルアミン、トリエタノールアミ
ン、ジメチルエタノールアミン、プロピルアミン、ピリ
ジン、モルホリン、ジエタノールアミン等が挙げられ、
これらは単独もしくは2種類以上混合して用いることが
できる。これら(c)成分の化合物は単独でもしくは2
種類以上を組み合わせて用いることができる。
【0053】(c)成分の使用量は、(a)及び(b)
成分の総量100重量部に対して0.1〜15重量部と
することが好ましく、0.5〜10重量部とすることが
より好ましい。使用量が0.1重量部未満では、(c)
成分を添加したことによる現像残り解消及び電着性向上
の効果が少なく、15重量部を越えると電着塗装浴の安
全性が低下する傾向がある。
【0054】本発明における感光性電着塗料樹脂組成物
には、前記の(a)、(b)及び(c)成分以外に、結
合材としてのポリマーを用いることができる。そのポリ
マーの例として、アクリル酸及び/又はメタクリル酸を
場合により共重合した酸価300以下のアクリルポリマ
ーが有用である。ポリマーの酸価が300を越えると電
着膜の外観が劣る傾向がある。
【0055】有用なアクリルポリマーとしては、アクリ
ル酸及び/又はメタクリル酸以外に例えば、メチルアク
リレート、メチルメタクリレート、エチルメタクリレー
ト、ブチルメタクリレート、エチルアクリレート、イソ
プロピルアクリレート、n−ブチルアクリレート、イソ
ブチルアクリレート、n−ヘキシルアクリレート、n−
オクチルアクリレート、n−オクチルメタクリレート、
n−デシルメタクリレート、シクロヘキシルメタクリレ
ート、2−ヒドロキシエチルアクリレート、シクロヘキ
シルメタクリレート、アクリロニトリル、スチレン、塩
化ビニルなどの重合性モノマーを1種類以上共重合する
ことにより得られる。
【0056】ポリマーの合成は前記のモノマーを有機溶
媒中でアゾビスイソブチロニトリル、アゾビスジメチル
バレロニトリル、過酸化ベンゾイル等の重合開始剤を用
いて一般的な溶液重合により得ることができる。この場
合、用いる有機溶媒は電着塗料に供することを考えてジ
オキサン、エチレングリコールモノメチルエーテル、プ
ロピレングリコールモノメチルエーテル、エチレングリ
コールモノアセテート、ジエチレングリコールモノエチ
ルエーテルアセテートなどの親水性の有機溶媒を主に用
いることが好ましい。もしトルエン、キシレン、ベンゼ
ン等の疎水性の有機溶媒を主に用いた場合には、ポリマ
ー合成後、溶媒を留去して前記の親水性溶媒に置き換え
る必要がある。ポリマーの重量平均分子量(標準ポリス
チレン換算)は5,000〜150,000が好まし
い。5,000未満では結合材としての効果が低く、1
50,000を越えると電着塗装性が劣り、塗膜の外観
が劣る傾向がある。
【0057】また、用いるポリマーが、アクリル酸やメ
タクリル酸を共重合したアクリルポリマーのようにカル
ボキシル基を有する場合には、前述した(a)の成分で
ある光重合性樹脂の場合と同様に、事前に塩基性の有機
化合物で中和しても、また、(a)、(b)、(c)成
分及びポリマー等を加えて溶解したあと、塩基性の有機
化合物を加えて所定量中和してもよい。このときに用い
る塩基性の有機化合物としては、(a)の成分である光
重合性樹脂を中和するに用いた化合物と同様の化合物を
用いることができ、その中和当量は、ポリマー中のカル
ボキシル基1当量に対して1当量以下とすることが好ま
しい。中和当量が1当量を越えると、塗膜外観が低下す
る傾向がある。
【0058】ポリマーの使用量は、(a)、(b)及び
(c)成分の総量100重量部に対して、100重量部
以下が好ましい。使用量が100重量部を越えると
(a)成分との相溶性やレジストの光感度が低下する傾
向がある。本発明における感光性電着塗料樹脂組成物に
は、前記(a)、(b)及び(c)成分以外に、光重合
性不飽和結合を分子内に2個以上有する非水溶性モノマ
ーも用いることができる。
【0059】光重合性不飽和結合を分子内に2個以上有
する非水溶性モノマーとしては、例えばエチレングリコ
ールを1つ以上縮合したポリエチレングリコールを除く
多価アルコールにα、β−不飽和カルボン酸を付加して
得られる化合物、例えばトリメチロールプロパンジ(メ
タ)アクリレート、トリメチロールプロパントリ(メ
タ)アクリレート、テトラメチロールメタントリ(メ
タ)アクリレート、テトラメチロールメタンテトラ(メ
タ)アクリレート、ジペンタエリスリトールペンタ(メ
タ)アクリレート、ジペンタエリスリトールヘキサ(メ
タ)アクリレート等、グリシジル基含有化合物にα、β
−不飽和カルボン酸を付加して得られる化合物、例え
ば、トリメチロールプロパントリグリシジルエーテルト
リアクリレート、ビスフェノールAジグリシジルエーテ
ルジ(メタ)アクリレート等、多価カルボン酸、例えば
無水フタル酸等と水酸基及びエチレン性不飽和基を有す
る物質、例えばβ−ヒドロキシエチル(メタ)アクリレ
ート等のエステル化物等が用いられ、更にはウレタン骨
格をもったウレタンジアクリレート化合物等も用いるこ
とができ、いずれにしても、非水溶性で光照射により硬
化するものであればよい。これら光重合性不飽和結合を
分子内に2個以上有する非水溶性モノマーは1種類単独
でもしくは2種類以上を組み合わせて用いることができ
る。
【0060】光重合性不飽和結合を分子内に2個以上有
する非水溶性モノマーの使用量は、(a)、(b)及び
(c)成分の総量100重量部に対して、50重量部以
下が好ましい。使用量が50重量部を越えるとレジスト
がもろくなる傾向がある。
【0061】本発明における感光性電着塗料樹脂組成物
には、前述のポリマー及び架橋剤以外に染料、顔料等の
着色剤を含有させてもよい。着色剤としては、例えば、
フクシン、オーラミン塩基、クリスタルバイオレッド、
ビクトリアピュアブルー、マラカイトグリーン、メチル
オレンジ、アシッドバイオレットRRH等が用いられ
る。
【0062】さらに、本発明の感光性樹脂組成物には、
熱重合禁止剤、可塑剤、接着促進剤、無機フイラーなど
を添加してもよい。
【0063】以上述べた(a)、(b)及び(c)成分
を含む電着塗装浴を作製するには、まず、(a)、
(b)及び(c)成分を、ジオキサン、エチレングリコ
ールモノメチルエーテル、プロピレングリコールモノメ
チルエーテル、エチレングリコールモノアセテート、ジ
エチレングリコールモノエチルエーテルアセテートなど
の親水性有機溶媒に溶解させた溶液とすることが望まし
い。親水性有機溶媒の使用量は、(a)、(b)及び
(c)成分を含む固形分100重量部に対し300重量
部以下の範囲とすることが好ましい。使用量が300重
量部を越えると、電着膜が再溶解しやすくなる傾向があ
る。
【0064】上記の溶液中の(a)成分が、前述したよ
うにすでに塩基性の有機化合物の所定量で中和された光
重合性樹脂であれば、溶液に水を加えて感光性電着塗料
樹脂組成物を水に溶解もしくは分散させて電着塗装浴を
作製することができる。また、(a)成分の光重合性樹
脂が塩基性の有機化合物で中和されていなければ、上記
の(a)、(b)及び(c)成分を含んだ溶液に塩基性
の有機化合物を加えて光重合性樹脂を中和したのち水を
加えて感光性電着塗料樹脂組成物を水に溶解もしくは分
散させて電着塗装浴を作製することができる。
【0065】電着塗装浴の固形分は5〜20重量%、ま
たpHは25℃で6.0〜9.0の範囲とすることが浴
管理、電着性等の点から好ましい。pHを上記の好まし
い範囲に合わせるために後から前記の塩基性の有機化合
物を加えて調節してもよい。
【0066】また、ネガ型感光性電着塗料樹脂組成物を
含む電着塗装浴の水分散性や分散安定性を高めるために
非イオン性界面活性剤、陽イオン界面活性剤、陰イオン
界面活性剤等を適宜加えることもできる。
【0067】電着塗装時の塗布量を多くするために、ト
ルエン、キシレン、2−エチルヘキシルアルコール等の
疎水性溶媒も適宜加えることができる。
【0068】このようにして得られた電着塗装浴を用い
て導電性の基体に電着塗装するには、導電性の基体を陽
極として電着塗装浴中に浸漬し、通常、50〜400V
の直流電圧又は30〜400mA/dm2の直流電流を
10秒から5分間印加して行われる。得られた塗膜の膜
厚は5〜50μmであることが好ましい。このときの電
着塗装浴の温度を15〜30℃に管理することが望まし
い。
【0069】電着塗装後、電着塗装浴から被塗物を引き
上げ、水洗、水切りした後、熱風等で乾燥させる。この
際、乾燥温度が高いと塗膜が熱硬化し、露光後の現像工
程で一部が現像残りとなるため、通常、120℃以下で
乾燥することが望ましい。
【0070】このようにして得られた電着塗装膜の上
に、該塗装膜の保護や次の露光時の酸素による硬化阻害
を防止するために、ポリビニルアルコール等の水溶性ポ
リマーの皮膜を約1〜10μm程度の膜厚で形成しても
よい。
【0071】ついで該塗装膜に活性光線を画像状に照射
し、該塗装膜の露光部を光硬化させ、未露光部を現像に
より除去し光硬化したレジストパターンを得ることがで
きる。活性光線の光源としては、波長300〜450n
mの光線を発するもの、例えば水銀蒸気アーク、カーボ
ンアーク、キセノンアーク等が好ましく用いられる。
【0072】現像は、水酸化ナトリウム、炭酸ナトリウ
ム、水酸化カリウム等のアルカリ水を吹きつけるか、ア
ルカリ水に浸漬するなどして行うことができる。
【0073】
【実施例】以下、実施例により本発明を説明する。 実施例1 温度計、撹拌装置、冷却管及び滴下装置のついた加熱及
び冷却可能な500mlの反応容器に、エピコート15
2(シェル社製、フェノールノボラック型エポキシ樹
脂、エポキシ当量175)175g及びジオキサン40
gを加え、100℃に昇温した。そこに、アクリル酸5
4g、p−キノン、0.1g及び塩化ベンジルトリエチ
ルアンモニウム0.3gの混合液を1時間かけて均一に
滴下した。滴下後、100℃で約10時間撹拌を続け、
反応系の酸価を1以下にした後、60℃に冷却した。次
いで、無水テトラヒドロフタル酸105g及びジオキサ
ン170gを加えて、約2時間かけて再び100℃に昇
温し、100℃でさらに約10時間撹拌を続け、反応系
の酸価を61とし不揮発分61重量%の光重合性樹脂溶
液(光重合性樹脂の数平均分子量は約700)を得た。
この光重合性樹脂溶液380gに(b)成分としてのベ
ンゾフェノン25g及びN,N′−テトラエチル−4,
4′−ジアミノベンゾフェノン1g、(c)成分とし
て、前記した化合物(5)4g及び溶剤としてジオキサ
ン180gを加えて溶解した。この溶液に塩基性の有機
化合物として、トリエチルアミン、24gを加えて溶解
し、溶液中の光重合性樹脂を中和した((a)成分)。
次いで、この溶液を撹拌しながらイオン交換水、2,0
00gを徐々に滴下しながら加えて電着塗装浴を得た。
電着塗装浴の不揮発分は10重量%、pHは約7.4で
あった。
【0074】実施例2 還流冷却管と窒素吹き込み装置をもった1000mlの
反応容器に数平均分子量1,000で、1,2結合65
%の液状ブタジエン重合体322g、無水マレイン酸2
45g、キシレン10g及びAW−500(川口化学
製)1.5gを加え、窒素気流下に190℃で5時間反
応させた。反応後、未反応無水マレイン酸及びキシレン
を留去し、酸価470のマレイン化ブタジエン重合体を
得た。上記のマレイン化ブタジエン重合体200g、ジ
アセトンアルコール180g及びハイドロキノン0.3
gを還流冷却管と空気吹き込み装置をもった1,000
mlの反応容器に加え、70℃に加温して溶液とした。
次にこの溶液に空気を吹き込みながら、2−ヒドロキシ
エチルアクリレート104g及びトリエチルアミン16
gを加え、、70℃で8時間反応させて、酸価160、
不揮発分61重量%の光重合性樹脂溶液(光重合性樹脂
の数平均分子量は約1800)を得た。この光重合性樹
脂溶液380gに(b)成分としてのベンゾフェノン2
6g及びN,N′−テトラエチル−4,4′−ジアミノ
ベンゾフェノン1g、(c)成分として、前記した化合
物(18)5g及び溶剤としてプロピレングリコールモ
ノメチルエーテル120gを加えて溶解した。この溶液
に塩基性の有機化合物として、トリエチルアミン18g
を加えて溶解し、溶液中の光重合性樹脂を中和した
((a)成分)。次いでこの溶液を撹拌しながらイオン
交換水、2,100gを徐々に滴下しながら加えて電着
塗装浴を得た。電着塗装浴の不揮発分は10重量%、p
Hは約7.0であった。
【0075】実施例3 温度計、撹拌装置、冷却管、滴下装置及び窒素吹き込み
装置をもった1,000mlの反応容器にプロピレング
リコールモノメチルエーテル250gを加え窒素ガスを
吹き込みながら撹拌して、110℃の温度に加温した。
温度が110℃で一定になったところで、アクリル酸6
0g、メチルメタクリレート150g、2−エチルヘキ
シルアクリレート90g及びアゾビスイソブチロニトリ
ル6gを混合した液を2.5時間かけて反応容器内に滴
下し、その後3時間110℃で撹拌しながら保温した。
3時間後にアゾビスジメチルバレロニトリル3g及びプ
ロピレングリコールモノメチルエーテル30gの混合液
を15分かけて反応容器内に滴下し、その後再び5時間
110℃で撹拌しながら保温した。次にこの溶液にグリ
シジルメタクリレート75g、ハイドロキノン0.4g
及びテトラエチルアンモニウムブロマイド1.8gを加
えて、窒素の替わりに空気を吹き込みながら110℃で
7時間反応させて、酸価48、不揮発分58重量%の光
重合性樹脂溶液(光重合性樹脂溶液の数平均分子量は約
21,000)を得た。この光重合性樹脂溶液420g
に(b)成分としてのベンゾフェノン22g及びN,
N′−テトラエチル−4,4′−ジアミノベンゾフェノ
ン0.8g、(c)成分として、前記した化合物(5)
4g及び溶剤としてプロピレングリコールモノメチルエ
ーテル80gを加えて溶解した。この溶液に塩基性の有
機化合物として、トリエチルアミン20gを加えて溶解
し、溶液中の光重合性樹脂を中和した((a)成分)。
次いでこの溶液を撹拌しながらイオン交換水、2,20
0gを徐々に滴下しながら加えて電着塗装浴を得た。電
着塗装浴の不揮発分は10重量%、pHは約7.3であ
った。
【0076】比較例1 実施例1の中で(c)成分である化合物(5)を加えな
い点を除いて同様な材料及び方法で電着塗装浴を得た。
【0077】比較例2 実施例1の中で(c)成分の替わりにチアゾールを4g
加えた点を除いて同様な材料及び方法で電着塗装浴を得
た。
【0078】比較例3 実施例1の中で(c)成分の替わりにアセチルアセトン
を4g加えた点を除いて同様な材料及び方法で電着塗装
浴を得た。
【0079】比較例4 実施例1の中で(c)成分の替わりにエチレンジアミン
四酢酸を4g加えた点を除いて同様な材料及び方法で電
着塗装浴を得た。
【0080】比較例5 実施例2の中で(c)成分である化合物(18)を加え
ない点を除いて同様な材料及び方法で電着塗装浴を得
た。
【0081】比較例6 実施例3の中で(c)成分である化合物(5)を加えな
い点を除いて同様な材料及び方法で電着塗装浴を得た。
【0082】実施例1〜3及び比較例1〜6の各電着塗
装浴にガラスエポキシ銅張積層板(日立化成工業(株)
製MCL−E−61)(200mm×75mm)を陽極
として、ステンレス板(SUS304)(形状200m
m×75mm×1mm)を陰極として浸漬し、25℃の
温度で直流電圧を3分間印加し、上記銅張積層板の表面
に電着塗装膜(感光膜)を形成した。このときの印加電
圧と電着塗装膜の膜厚を表1に示す。この後、水洗、水
切り後80℃で15分乾燥した。
【0083】このものにネガマスクを介して3kw超高
圧水銀灯で200mJ/cm2の光量を画像状に露光し
た後、1重量%の炭酸ナトリウム水溶液で現像を行っ
た。このとき、現像残りの有無を確認する目的で、現像
後の基板を1重量%の塩化銅水溶液に60秒間浸漬し、
未露光部の基板のエッチングされた程度を目視で観察し
た。その結果を表1に示す。
【0084】
【表1】 注1) 未露光部のエッチング性 〇:良好(現像残
りなし) ×:不良(現像残りあり) ××:極めて不良(現像残り多い)
【0085】表1から、本発明における(c)成分を含
んだ実施例1〜3は、それを含まない比較例1、5及び
6に比べていずれも低電圧で同等以上の膜厚が得られ、
電着性が向上していることが分かる。
【0086】一方、他のキレート剤を添加した比較例2
〜4の場合は、比較例1と同等の電着性であり、キレー
ト剤を添加することが必ずしも電着性の向上につながら
ず、実施例1〜3に見られる電着性の向上は、本発明に
おける(c)成分を加えたことによる一つの大きな特長
といえる。
【0087】また、未露光部のエッチング性は、比較例
1の場合には完全にはエッチングされず現像残りがあ
る。単なる銅とキレート形成可能な化合物やアセチルア
セトンを加えた比較例2及び3の場合は、無添加の比較
例1に比べてエッチングされにくく、現像残りはむしろ
悪化していることを示している。
【0088】それに対し、本発明における(c)成分を
加えた実施例1〜3の場合、未露光部は完全にエッチン
グされ、現像残りはないことが分かった。この場合も前
述した電着性の向上と同様、キレート剤の添加が現像残
り解消に必ずしもつながらず、やはり本発明における
(c)成分を加えたことによる大きな特長といえる。も
ちろん、現像後に得られた実施例1〜3のレジストパタ
ーンは解像度60μmの良好なレジスト形状を有してい
た。
【0089】
【発明の効果】本発明のネガ型感光性電着塗料樹脂組成
物を含む電着塗装浴を用いたレジストパターンの製造法
によって、従来に比べて電着性が向上し、また、露光、
現像により現像残りの全くない高解像度のレジストパタ
ーンを得ることができる。本発明のレジストパターンの
製造法によって得られるレジストをレリーフとして使用
したり、銅張積層板を基体として用いて、エッチング又
はメッキ用のフォトレジストの形成に適用することがで
きる。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.5 識別記号 庁内整理番号 FI 技術表示箇所 G03F 7/004 501 7/028 H01L 21/027 H05K 3/00 F 6921−4E (72)発明者 上原 秀秋 茨城県日立市東町四丁目13番1号 日立化 成工業株式会社茨城研究所内 (72)発明者 立木 繁雄 茨城県日立市東町四丁目13番1号 日立化 成工業株式会社茨城研究所内 (72)発明者 加藤 琢郎 茨城県日立市東町四丁目13番1号 日立化 成工業株式会社山崎工場内 (72)発明者 塚田 勝重 茨城県日立市東町四丁目13番1号 日立化 成工業株式会社山崎工場内 (72)発明者 山崎 雄治 栃木県大田原市下石上1382番12号 大日本 塗料株式会社那須工場内 (72)発明者 高橋 俊哉 栃木県大田原市下石上1382番12号 大日本 塗料株式会社那須工場内 (72)発明者 塩谷 俊彦 栃木県大田原市下石上1382番12号 大日本 塗料株式会社那須工場内 (72)発明者 長島 義久 栃木県大田原市下石上1382番12号 大日本 塗料株式会社那須工場内

Claims (6)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 (a)側鎖に光反応性不飽和基を有する
    酸価20〜300、数平均分子量が400〜50,00
    0の光重合性樹脂を塩基性の有機化合物で中和した樹
    脂、(b)非水溶性光開始剤及び(c)芳香族環若しく
    は複素環を有し、銅とキレート形成可能な化合物でかつ
    カルボキシル基若しくはスルホン酸基を有する化合物及
    び/又は当該化合物と塩基性化合物とで形成される塩を
    含有してなるネガ型感光性電着塗料樹脂組成物。
  2. 【請求項2】 (a)の光重合性樹脂が、エポキシ樹脂
    と不飽和カルボン酸とを付加反応させて得られた不飽和
    化合物に飽和又は不飽和の多塩酸基無水物を反応させて
    得られる、側鎖に光反応性不飽和基を有する酸価20〜
    300の光重合性樹脂である請求項1記載のネガ型感光
    性電着塗料樹脂組成物。
  3. 【請求項3】 (a)の光重合性樹脂が、共役ジエン重
    合体又は共役ジエン共重合体から誘導される不飽和ジカ
    ルボン酸無水物付加物に、アルコール性水酸基を有する
    重合性モノマーを反応させることにより得られる、側鎖
    に光反応性不飽和基を有する酸価20〜300の光重合
    性樹脂である請求項1記載のネガ型感光性電着塗料樹脂
    組成物。
  4. 【請求項4】 (a)の光重合性樹脂が、カルボキシル
    基を有するアクリル樹脂にグリシジル基を有する重合性
    モノマーを付加させて得られる、側鎖に光反応性不飽和
    基を有する酸価20〜300の光重合性樹脂である請求
    項1記載のネガ型感光性電着塗料樹脂組成物。
  5. 【請求項5】 請求項1、2、3又は4記載のネガ型感
    光性電着塗料樹脂組成物を含む電着塗装浴。
  6. 【請求項6】 請求項5記載の電着塗装浴に導電性基体
    を陽極として浸漬し、通電により電着塗装して導電性基
    体上に電着塗装膜を形成し、その後、活性光線を前記電
    着塗装膜に画像状に照射し、露光部を光硬化させ、未露
    光部を現像により除去することを特徴とするレジストパ
    ターンの製造法。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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JPH10123711A (ja) * 1996-10-25 1998-05-15 Mitsui Chem Inc 液状フォトレジストインク及びプリント配線板の製造

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* Cited by examiner, † Cited by third party
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JPH10123711A (ja) * 1996-10-25 1998-05-15 Mitsui Chem Inc 液状フォトレジストインク及びプリント配線板の製造

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