JPH05279884A - シンクロトロン放射光用の鏡の清浄方法 - Google Patents

シンクロトロン放射光用の鏡の清浄方法

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JPH05279884A
JPH05279884A JP8056792A JP8056792A JPH05279884A JP H05279884 A JPH05279884 A JP H05279884A JP 8056792 A JP8056792 A JP 8056792A JP 8056792 A JP8056792 A JP 8056792A JP H05279884 A JPH05279884 A JP H05279884A
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mirror
synchrotron radiation
carbon
container
gas
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JP8056792A
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Tomohiko Kanie
智彦 蟹江
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 シンクロトロン放射光を用いるCVDやリソ
グラフィ等において用いるシンクロトロン放射光用の鏡
の清浄方法を提供する。 【構成】 真空状態にすることのできる容器11内に収
容されたシンクロトロン放射光用の鏡17の表面を清浄
する方法であって、容器11内に水素ガスを導入し、鏡
17の表面にシンクロトロン放射光25を照射して、鏡
17の表面に付着した炭素および炭素化合物を除去す
る。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】この発明は、シンクロトロン放射
光を用いるCVDやリソグラフィ等において用いられる
シンクロトロン放射光用の鏡の清浄方法に関し、特に該
鏡の表面に付着した炭素および炭素化合物の除去方法に
関する。
【0002】
【従来の技術】シンクロトロン放射光を用いるCVDや
リソグラフィ等においては、シンクロトロン放射光用の
鏡(以下、この明細書において示される「鏡」は、シン
クロトロン放射光用の鏡を意味する)が用いられてい
る。
【0003】たとえば、CVDにおいては、シンクロト
ロン放射光を集光し、光密度を高め、原料ガスの光励起
を促進し、目的とする薄膜を十分速い速度で得ることを
目的として、鏡が使用されている。
【0004】また、リソグラフィにおいては、シンクロ
トロン放射光を大面積に均一に照射することを目的とし
て、鏡が使用されている。
【0005】このような鏡は、通常、真空チャンバ等の
真空状態にすることのできる容器内に収容し、容器内を
真空または減圧にした状態にして使用されている。すな
わち、空気等のガス等が存在すると、シンクロトロン放
射光が空気等のガスにより光の回折を起こしたり、散乱
エックス線が発生したり、また、空気等のガス中の分子
が光励起し、鏡の表面上で光化学反応を起こし、鏡の表
面に付着したりするからである。
【0006】しかしながら、このような容器内に鏡を収
容し、容器内を真空または減圧にした状態として使用し
た場合であっても、鏡にシンクロトロン放射光を長時間
照射すると、容器内の残留空気中のCOやCO2 等の炭
素化合物が、シンクロトロン放射光により光励起し、解
離分解し、鏡の表面上に炭素や炭素化合物として付着し
たりする。
【0007】また、CVDの場合は、CVD装置の形態
にもよるが、ダイヤモンド薄膜の形成や、MOCVD等
では、原料ガスとして、多量のメタンガス(CH4
や、炭素を含む有機金属等を用いるため、このような原
料ガスが鏡の近傍へ到達し、シンクロトロン放射光によ
り光励起し、解離分解し、鏡の表面上に炭素や炭素化合
物として付着したりする。
【0008】鏡の表面上に炭素や炭素化合物が付着する
と、シンクロトロン放射光の反射率が低下したり、散乱
エックス線等が増大する。また、シンクロトロン放射光
の短波長の光子束は、炭素や炭素化合物に吸収されやす
い。
【0009】このように、シンクロトロン放射光の反射
率が低下したり、特定の波長の光が鏡の表面上の炭素や
炭素化合物により吸収されてしまうと、たとえば、CV
Dの場合においては、薄膜の形成速度が低下したり、光
化学反応に必要な波長のシンクロトロン放射光の光子束
が失われるため、目的とする光化学反応が生じず、目的
とする組成の薄膜を得るのが困難になるという問題を生
じる。
【0010】また、たとえば、リソグラフィの場合は、
短波長のシンクロトロン放射光の光子束が失われるた
め、リソグラフィの解像度が低下するという問題を生じ
る。
【0011】このため、従来は、鏡を容器内から取出し
て、鏡の表面に付着した炭素や炭素化合物をアセトン等
の有機溶剤を用いて拭き取っていた。
【0012】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、従来の
鏡の清浄方法では、鏡を容器内から外へ取出す必要があ
った。従来の鏡の清浄方法では、真空または減圧状態に
していた容器内に、空気等のガスを流入し、容器内を常
圧に戻した後、鏡を外に取出す必要があった。
【0013】このため、容器の内壁へ空気等のガスが付
着する。また、鏡を清浄する際にも鏡に空気等のガスが
付着する。
【0014】したがって、鏡を清浄した後、再度、鏡を
容器内に収容した後、CVDやリソグラフィに鏡を使用
する前に、容器を焼出しする必要があった。
【0015】また、容器内を真空または減圧にすると、
容器の内壁や、鏡に付着していたガスが容器内に放出さ
れるため、一度、鏡を清浄すると、容器の焼出し作業と
容器内を真空または減圧にする作業を、何度も繰返して
行なう必要があった。
【0016】このため、従来の鏡の清浄方法では、一
度、鏡を清浄すると、その後の作業効率が著しく低下す
るという問題があった。
【0017】この発明は、上述した問題を解決するため
に創案されたものであり、シンクロトロン放射光を用い
るCVDやリソグラフィ等に用いる鏡の表面に付着した
炭素や炭素化合物をより簡便に除去し、かつ、鏡の清浄
時において、鏡や容器に空気等のガスが付着することの
ない、シンクロトロン放射光用の鏡の清浄方法を提供す
ることを目的とする。
【0018】
【課題を解決するための手段】この発明に従うシンクロ
トロン放射光用の鏡の清浄方法は、真空状態にすること
のできる容器内に収容されたシンクロトロン放射光用の
鏡の表面を清浄する方法であって、容器内に水素ガスを
導入し、鏡の表面にシンクロトロン放射光を照射して、
鏡の表面に付着した炭素および炭素化合物を除去するこ
とを特徴とする。
【0019】シンクロトロン放射光用の鏡としては、以
下に示す種々のものが用いられている。
【0020】たとえば、そのような鏡として、SiO2
基板等に白金(Pt)や金(Au)等を蒸着した鏡や、
溶融石英、無酸素銅、表面をカニゲンと称する特殊なニ
ッケル膜で覆ったアルミニウム、炭化硅素等の種々の材
料を用いたものがある。
【0021】この発明に従うシンクロトロン放射光用の
鏡の清浄方法は、このような種々の材料からなるいずれ
の鏡についても適用することができる。
【0022】また、この発明に従うシンクロトロン放射
光用の鏡の清浄方法を行なう際は、通常、容器内のガス
を真空ポンプ等により排気し、水素ガスの導入後は、容
器内の真空度を10-3Torr〜10-2Torr程度に
維持するのが好ましい。
【0023】容器内に水素ガスを導入するには、種々の
方法が考えられるが、たとえば、鏡の近傍付近の容器側
の壁に、水素ガス供給口を設け、そこから水素ガスを供
給すればよい。
【0024】水素ガスの供給量は、容器内のガスを排気
する排気量や、鏡の表面に付着した炭素や炭素化合物の
量や、鏡の表面温度や、用いるシンクロトロン放射光の
波長、強度等に応じて選択すればよい。
【0025】また、この発明に従うシンクロトロン放射
光用の鏡の清浄方法を用いる場合、鏡の表面温度や容器
内の気相温度については、特に限定されることはない。
通常は、鏡の表面に付着した炭素および炭素化合物は、
この発明に従えば、鏡の表面から十分に除去することが
できる。
【0026】この発明に用いるシンクロトロン放射光
は、磁場中で円運動または螺旋運動する電子がその求心
加速度により電磁波を放射するいわゆるシンクロトロン
放射の機構に従い、電子加速器を利用して発生させられ
る真空紫外からエックス線にわたる広い波長範囲を有す
る光子束である。
【0027】この発明に用いるシンクロトロン放射光
は、CVDやリソグラフィのために用いるシンクロトロ
ン放射光をそのまま使用してもよく、また、CVDやリ
ソグラフィ用のシンクロトロン放射光とは別に、鏡を清
浄にするためのシンクロトロン放射光を用いてもよい。
【0028】
【作用】CVDやリソグラフィ等において、真空または
減圧下で、鏡の表面にシンクロトロン放射光を長時間照
射すると鏡の表面に炭素や炭素化合物が付着する。すな
わち、たとえば、残留空気中のCOやCO2 がシンクロ
トロン放射光により光励起し、解離分解し、C+
+ ,CO+ ,CO2 + 等の種々のイオンとなる。これ
らの生成イオンは反応性が高く、鏡の表面上で光化学反
応し、グラファイト等の炭素やグラファイトの側基の一
部にメチル基、カルボニル基、フェニル基等を有する炭
素化合物として鏡面に付着する。
【0029】また、CVDの原料ガスや、分解生成物の
CH3 + 、C2 5 + 、CH2 + や、励起種ラジカルで
あるCH2 * 等が鏡の表面上で光化学反応し、グラファ
イト等の炭素や、グラファイトの側基の一部にメチル
基、エチル基、カルボニル基、フェニル基等を有する炭
素化合物として鏡の表面に付着する。
【0030】特に、鏡の表面が白金(Pt)や金(A
u)等により被覆されていると、これらの被膜が触媒と
なり、鏡の表面上に炭素や炭素化合物が付着しやすい。
【0031】このように、鏡の表面上に炭素や炭素化合
物が付着した後、この発明に従って、容器内に水素ガス
を導入し、鏡の表面にシンクロトロン放射光を照射する
と、水素分子が光励起し、解離分解し、活性水素
(H+ )や、原子状水素(H)となる。
【0032】特に、鏡の表面が白金(Pt)や金(A
u)等により被覆されていると、これらの被膜が触媒と
なり、多量の活性水素(H+ )が生成する。
【0033】この活性水素(H+ )や、原子状水素
(H)は、反応性が高く、鏡の表面に付着している炭素
や炭素化合物と反応し、CH4 、C2 6 等の飽和炭化
水素ガスや、ベンゼン(C6 6 )や、水(H2 O)と
なる。すなわち、鏡の表面に付着していた炭素や炭素化
合物は、活性水素(H+ )や、原子状水素(H)により
エッチングされ、鏡の表面上から取除かれる。
【0034】一方生成したメタン(CH4 )、エタン
(C2 6 )等の飽和炭化水素や、ベンゼン(C
6 6 )等は気体であるため、真空ポンプ等を作動し
て、容器内を真空状態にすること等により、容器の外へ
排出することができる。
【0035】同様に、生成した水(H2 O)は、容器内
の温度を150℃以上にすることにより、真空ポンプ等
を作動させて容器内を真空状態にすること等により、容
器の外へ排出することができる。
【0036】
【実施例】図1を参照しながら、この発明の一具体例を
以下に説明する。
【0037】図1を参照して、この装置はミラー槽1を
示しており、ミラー槽1を構成する、真空状態にするこ
とのできる容器2内には、鏡3が収容されている。容器
2の側壁には、光導入窓4と光導出窓5とが設けられて
いる。光導入窓4から入射したシンクロトロン放射光
は、鏡3により反射され、光導出窓5から、CVDの場
合は、CVD装置の反応槽(図示せず)、または、リソ
グラフィの場合は、リソグラフィ用の露光チャンバ(図
示せず)へ導かれるようになっている。光導入窓4と光
導出窓5とは、シンクロトロン放射光のみが透過するこ
とができる閉じられた窓であっても、また、シンクロト
ロン放射光の透過と、容器2内のガスの移動が可能な開
放された窓であってもよい。光導入窓4と光導出窓5が
開放された窓である場合には、それぞれの窓に容器2内
のガスの分離が可能なバルブ(図示せず)等が設けられ
ており、バルブ操作により、窓を閉じ、容器2内のガス
を分離することができるようになっている。
【0038】また、容器2の側壁には水素供給用ノズル
6が設けられており、容器2内へ水素ガスを導入するこ
とができるようになっている。
【0039】また、容器2の側壁には排気口7が設けら
れており、真空ポンプ(図示せず)等により容器2内を
真空状態にすることができるようになっている。
【0040】このような装置1において、鏡3の表面に
炭素および炭素化合物が付着した場合は、光導出窓5が
開放された窓の場合は、バルブ(図示せず)等を操作し
て、光導出窓5を閉じ、容器2内のガスを分離する。次
に、水素供給用ノズル6を介して、容器2内に水素ガス
を導入する一方、シンクロトロン放射光を光導入窓4か
ら鏡3の表面へ照射する。シンクロトロン放射光によ
り、水素分子は光励起し解離分解し、活性水素(H+
や、原子状水素(H)となる。
【0041】この活性水素(H+ )や、原子状水素
(H)のエッチング作用により、鏡3の表面上の炭素お
よび炭素化合物を鏡の表面から除去することができる。
【0042】また、このようなエッチングの際に生じた
CH4 、C2 6 等の飽和炭化水素等や、ベンゼン(C
6 6 )や、水(H2 O)等は、真空ポンプ(図示せ
ず)等を作動させることにより、排気口7を介し、容器
2の外へ排出することができる。
【0043】以上のようにして、容器2から鏡3を外部
へ取出すことなく、鏡3の表面上に付着した炭素または
炭素化合物を除去することができる。
【0044】実施例1 図2は、具体例において用いられるCVD装置を概略的
に示す構成図である。CVD装置10において、真空チ
ャンバは、ミラー槽11と反応槽12とミラー槽11と
反応槽12とを連結する導管13とから構成されてい
る。ミラー槽11と反応槽12とを連結する導管13に
は、ミラー槽11内のガスと反応槽12内のガスとを分
離するためのバルブ14とバルブ15とが設けられてい
る。また、導管13のバルブ14とバルブ15の間に
は、イオンポンプ、ターボ分子ポンプ等を複数組合せ
た、差動排気用ポンプ(図示せず)が設けられており、
反応槽12内から漏れ出た原料ガスを、差動排気用ポン
プ用の排気口16を介して、真空チャンバ外へ排出でき
るようになっている。
【0045】ミラー槽11には鏡17が収容されてい
る。また、ミラー槽11には、水素供給用ノズル18と
差動排気ダクト19と排気口20とが設けられている。
また、反応槽12には、薄膜を形成する基板21が収め
られている。また、反応槽12には、原料供給用ノズル
22と排気口23とが設けられている。
【0046】このような装置10において、電子蓄積リ
ング24により発生させたシンクロトロン放射光25
は、差動排気ダクト19よりミラー槽11内に入射し、
鏡17で反射され、反応槽12内で集光できるようにな
っている。この装置10を用いて、シンクロトロン放射
光を用いたCVDを行なう際には、バルブ14とバルブ
15とを開いた状態で、真空ポンプ(図示せず)や差動
排気用ポンプ(図示せず)等により、ミラー槽11や導
管13や反応槽12内の圧力を所望の圧力になるまで、
排気口20、23、および差動排気用ポンプ用の排気口
16を介して排気する。このような排気はCVDを行な
う際は常時行われる。原料ガスを導入する前において
は、ミラー槽11や導管13や反応槽12内の真空度は
10-10 Torr程度に調整する。常時、排気を行ない
ながら、原料供給用ノズル22から原料ガスが基板21
の上方へ導入し、反応槽11内は、所望の圧力に調整さ
れる。次に電子蓄積リング24によりシンクロトロン放
射光を発生させる。シンクロトロン放射光25は、差動
排気ダクト19よりミラー槽11内に入射し、鏡17に
より反射され、反応槽12へ導かれ、反応槽12内の原
料ガスおよび基板21に照射される。このように、CV
D装置10は、通常は薄膜の形成に用いるものである。
【0047】この状態において、鏡17に炭素や炭素化
合物が付着した場合は、まずバルブ14を閉じることに
より、ミラー槽11内のガスと、反応槽12内のガスを
分離する。ガスを分離した後、ミラー槽11内のガス
を、真空ポンプ(図示せず)等により排気口20を介し
て排気し、ミラー槽11内の圧力を10-10 Torrに
調整する。次に、ミラー槽11内に水素ガスを水素供給
用ノズル18を介し、ミラー槽11内の圧力が10-3
orrになるまで導入する。次に、シンクロトロン放射
光装置(電総研NIJI−II)を用い、蓄積エネルギ
500MeV,電流値100mAの強度のシンクロトロ
ン放射光25を発生させる。シンクロトロン放射光25
により水素分子は光励起し、解離分解し、活性水素(H
+ )や原子状水素(H)となる。この活性水素(H+
や、原子状水素(H)のエッチング作用により、鏡17
の表面上の炭素および炭素化合物は鏡の表面から除去さ
れる。
【0048】また、このようなエッチングの際に生じた
CH4 ,C2 6 等の飽和炭化水素等や、ベンゼン(C
6 6 )や、水(H2 O)等は、真空ポンプ(図示せ
ず)等を作動させることにより、排気口20を介して排
気することができる。
【0049】以上のようにしてミラー槽11から鏡17
を外部へ取出すことなく、鏡17の表面上の炭素または
炭素化合物を除去することができる。
【0050】実施例2 図3は、具体例において用いられるリソグラフィ装置を
概略的に示す構成図である。
【0051】リソグラフィ装置26において、真空チャ
ンバは、ミラー槽27と、シンクロトロン放射光をリソ
グラフィ用の露光チャンバ28へ導くための導管29と
により構成され、導管29の端部にはBe窓39が設け
られている。また、鏡33には、鏡の角度を調整する手
段(図示せず)が設けられている。なお、装置26にお
いて、上述した以外の構成は装置10と同様の構成とな
っている。このような装置26を用いて、リソグラフィ
を行なう際には、水素供給用ノズル34と排気口36を
閉じ、バルブ30とバルブ31とを開いた状態で、完全
ポンプ(図示せず)等により排気口36や、複数のイオ
ンポンプを組合せた差動排気用ポンプ(図示せず)等に
より、排気口32を介して、ミラー槽27および導管2
9内の圧力が10-10 Torrに調整される。リソグラ
フィ装置26は、鏡33の角度を調整することにより、
通常はリソグラフィに用いるものである。この状態にお
いて、鏡33に炭素や炭素化合物が付着した場合は、ま
ずバルブ30を閉じることにより、ミラー槽27内のガ
スを分離する。バルブ30を閉じた後、ミラー槽27内
に水素ガスを水素供給用バルブ34から導入し、ミラー
槽27の圧力を10 -3Torrに調整する。次に、シン
クロトロン放射光装置(電総研NIJI−II)を用
い、蓄積エネルギ500MeV,電流値100mAの強
度のシンクロトロン放射光38を発生させる。シンクロ
トロン放射光38により水素分子は光励起し、解離分解
し、活性水素(H+ )や、原子状水素(H)となる。こ
の活性水素(H+ )や、原子状水素(H)のエッチング
作用により、鏡33の表面上の炭素および炭素化合物は
鏡の表面から除去される。また、このようなエッチング
の際に生じたCH4 ,C2 6 等の飽和炭化水素等や、
水(H2 O)等は、真空ポンプ(図示せず)等を作動さ
せることにより、排気口36を介して排気することがで
きる。
【0052】以上のようにしてミラー槽27から鏡33
を外部へ取出すことなく、鏡33の表面上の炭素または
炭素化合物を除去することができる。
【0053】
【発明の効果】以上説明したように、この発明に従うシ
ンクロトロン放射光用の鏡の清浄方法を用いれば、シン
クロトロン放射光を用いるCVDやリソグラフィ等に用
いる鏡の表面に付着した炭素や炭素化合物をより簡便に
除去することができる。
【0054】また、この発明に従えば、鏡の清浄時にお
いて、容器内を真空状態に保ったままの状態で鏡を清浄
することができるので、鏡の表面や、容器の内壁に空気
等のガスが付着しない。このため、この発明に従えば、
鏡を清浄しても、鏡の清浄後において、容器の焼出し作
業と容器内を真空または減圧にする作業を繰返し行なう
必要がない。従って、この発明に従えば、鏡を清浄して
も、その後の作動効率が低下しない。
【図面の簡単な説明】
【図1】この発明に従うシンクロトロン放射光用の鏡の
清浄方法を説明するための一具体例の装置を概略的に示
す構成図である。
【図2】この発明に従うシンクロトロン放射光用の鏡の
清浄方法を説明するための一具体例のCVD装置を概略
的に示す構成図である。
【図3】この発明に従うシンクロトロン放射光用の鏡の
清浄方法を説明するための一具体例のリソグラフィ装置
を概略的に示す構成図である。
【符号の説明】
1,11,27 ミラー槽 2 容器 3,17,33 シンクロトロン放射光用の鏡 4 光導入窓 5 光導出窓 6,18,34 水素供給用ノズル 7,20,23,36 排気口 8,24,37 電子蓄積リング 9,25,38 シンクロトロン放射光 10 CVD装置 12 反応槽 13,29 導管 14,15,30,31 バルブ 16,32 差動排気ポンプ用の排気口 19,35 差動排気ダクト 21 基板 22 原料ガス供給用ノズル 26 リソグラフィ装置 28 露光用チャンバ 39 Be窓

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 真空状態にすることのできる容器内に収
    容されたシンクロトロン放射光用の鏡の表面を清浄する
    方法であって、 前記容器内に水素ガスを導入し、 前記鏡の表面にシンクロトロン放射光を照射して、前記
    鏡の表面に付着した炭素および炭素化合物を除去するこ
    とを特徴とする、シンクロトロン放射光用の鏡の清浄方
    法。
JP8056792A 1992-04-02 1992-04-02 シンクロトロン放射光用の鏡の清浄方法 Withdrawn JPH05279884A (ja)

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Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
US9046794B2 (en) 2008-03-17 2015-06-02 Carl Zeiss Smt Gmbh Cleaning module, EUV lithography device and method for the cleaning thereof
JP2022510701A (ja) * 2018-12-07 2022-01-27 カール・ツァイス・エスエムティー・ゲーエムベーハー Vuv放射線を反射する光学素子及び光学装置

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