JPH0527979U - コネクタ - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【目的】 チップレジスタを電線に確実に接続する機構
を低コストで実現すること。 【構成】 コネクタ・ハウジングに電線に取付けたター
ミナルを挿入配置する端子収容室を設ける。端子収容室
にターミナルの係止孔と係合する係止突起と、可撓性を
有しターミナルを上記係止突起側に付勢する付勢片を設
ける。コネクタ・ハウジングにチップレジスタの絶縁部
を配置する収容部を設ける。リテーナに、ターミナルを
挿通させるターミナル挿通孔と、付勢片のたわみを規制
する止め片と、チップレジスタのターミナル部を挿入す
るチップレジスタ挿入孔と、チップレジスタ挿入孔にタ
ーミナル部を挿入したチップレジスタを固定保持するチ
ップレジスタ固定手段を設ける。

Description

【考案の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】

本考案は、コネクタに関し、詳しくは、多数の電線群に取付けたターミナルを 他方の電線群のターミナルと接続すると共に、内部にチップレジスタを収容して 、チップレジスタのターミナル部と他方の電線群のターミナルとを接続するコネ クタに関するものであり、自動車用ワイヤハーネスに使用するのに適したもので ある。

【０００２】

【従来の技術】

従来、チップレジスタをワイヤハーネスに接続する場合には、例えば、図７に 示すように、チップレジスタ１を筒状を呈する専用のハウジング２内に直接組込 んで固定保持し、このチップレジスタ１の一対の雄ターミナル部３a,３bをそれ ぞれワイヤハーネスを構成する電線５a,５bの先端に設けた雌ターミナル６a,６b に接続している。

【０００３】

【考案が解決しようとする課題】

しかしながら、上記した従来の構造のようにチップレジスタ１をワイヤハーネ スに接続するために専用のハウジング２を設けて、これにより機械的、電気的に 確実な接触を確保しようとすると、コスト等の面で問題がある。

【０００４】 例えば、上記のようにチップレジスタ専用のハウジングを用いた構造の場合に 防水構造としようとすると、別途防水性を確保するための部品が必要となる。 また、上記のチップレジスタをワイヤハーネスに接続する構造は、雄ターミナ ルと雌ターミナルとを接続する点では、ワイヤハーネスどうしを接続する通常の コネクタと共通するが、従来は、上記したようにチップレジスタと電線の接続は 、電線どうしの接続に使用するコネクタとは別途行なわれていたため、部品点数 が多くなり、その分大きなスペースが必要でありコストも上昇してしまう。

【０００５】 本考案は、上記した従来のチップレジスタの接続構造に関する問題を解決する ためになされたものであって、チップレジスタを簡易な構成で、かつ、確実に接 続することができるようにすることを目的としてなされたものである。

【０００６】

【課題を解決するための手段】

従って、本考案は、コネクタ・ハウジングの一側部に複数の端子収容室を備え ると共に、多側部に相手側コネクタ嵌合穴を有し、該相手側コネクタ嵌合穴に上 記端子収容室に挿入したターミナルを突出させたコネクタであって、上記コネク タ・ハウジング内にチップレジスタを収容し、該チップレジスタのターミナル部 を上記ターミナルと並設して、該ターミナル部を相手側ハウジングのターミナル と接続させるようにしていることを特徴とするコネクタを提供するものである。

【０００７】 具体的には、上記相手側コネクタ嵌合穴に端子係止用のリテーナを配置し、該 リテーナにチップレジスタを固定保持するチップレジスタ固定手段を設ける構成 とすることが好ましい。

【０００８】 更に、具体的には、上記コネクタ・ハウジングは、端子収容室に上記ターミナ ルの係止孔と係合する係合突起と、可撓性を有しターミナルを上記係止突起側に 付勢する付勢片を設けると共に、チップレジスタの絶縁部を配置する収容部を備 え、上記ターミナルを挿通させるターミナル挿通孔と、上記付勢片のたわみを規 制する止め片を備えると共に、上記チップレジスタのターミナル部を挿入したチ ップレジスタを固定保持するチップレジスタ固定手段を設けたリテーナを備える 構成とすることが好ましい。 また、上記チップレジスタ固定手段は、チップレジスタ挿入孔の上下両側にチ ップレジスタの絶縁部を支持する一対の支持板部を設け、また、チップレジスタ 挿入孔の左右両側に、先端に矢尻状の係合部を設けた弾性を有する腕部からなる ロック手段を設けることが好ましい。

【０００９】

【作用】 本考案に係るコネクタは、上記のような構成としているため、例えば、ワイヤ ハーネスを構成する各電線の先端に設けたターミナルを相手側のコネクタ・ハウ ジングに設けた端子に接続し、かつ、チップレジスタのターミナル部を相手側の コネクタ・ハウジングに設けた端子に接続することができる。

【００１０】 特に、上記のようにリテーナを備え、このリテーナにチップレジスタ固定手段 を設けた場合には、チップレジスタはターミナル部がリテーナのチップレジスタ 挿入口から突出した状態で固定保持され、リテーナをコネクタ・ハウジングに取 付けると、ターミナル挿入孔から突出する上記電線に取付けたターミナルと、チ ップレジスタのターミナル部がコネクタ・ハウジングのリテーナから相手側コネ クタ嵌合穴に突出する状態となる。

【００１１】

【実施例】

次に、図面に示す実施例に基づき、本考案について詳細に説明する。 図１及び図２に示すように、本考案の実施例に係るコネクタは、防水構造を有 する二重係止形のコネクタであって、ワイヤハーネスを構成する電線１１の先端 部に設けた雄ターミナル１２及びチップレジスタ１３を収容するコネクタ・ハウ ジング１４と、このコネクタ・ハウジング１４内に挿入して、上記雄ターミナル １２を二重係止するリテーナ１５を備えている。

【００１２】 図３及び図４に詳細に示すように、コネクタ・ハウジング１４の一側部の閉鎖 端１４aには、相手側コネクタ嵌合穴１４b側に貫通する略円筒状であって端子収 容室を構成するキャビティ１７a〜１７fを設け、このキャビティ１７a〜１７fを 介して雄ターミナル１２が相手側コネクタ嵌合穴１４bに突出するようにしてい る。また、キャビティ１７は、図中上下方向に二段に分けて配置しており、上段 に２個のキャビティ１７a,１７bを設ける一方、下段に４個のキャビティ１７c〜 １７fを設けている。

【００１３】 また、それぞれのキャビティ１７a〜１７fの相手側コネクタ嵌合穴１４b側に は、図中上下方向に対向して可撓性を有する付勢片１８と係合突起１９を設けて いる。

【００１４】 この付勢片１８は雄ターミナル１２の挿入方向に突出した可撓性を有するはり 状の部材であって、キャビティ１７に挿入した雄ターミナル１２の図中上方の部 分１２aを係合突起１９側に弾性的に押圧付勢する構成としている。一方、上記 係合突起１９は、付勢片１８と対向して突出しており、雄ターミナル１２に設け た係合孔１２bに嵌合する構成としている。そのため、本実施例では、キャビテ ィ１７に雄ターミナル１２を挿入すると、この雄ターミナル１２は付勢片１８に より弾性的に下方に押圧されつつキャビティ１７内を相手側コネクタ嵌合穴１４ b側へ移動し、所定の位置に到達すると係合孔１２bに係合突起１９が嵌合し、よ って、雄ターミナル１２の抜けが防止される。

【００１５】 更に、キャビティ１７の内周面と雄コネクタ１２に取付けた蛇腹状のシール部 材２０の外周部が密接し、よって、キャビティ１７の部分でのシール性を確保す る構成としている。

【００１６】 上記したように図中上段に設けた２個のキャビティ１７a,１７bと並設して、 チップレジスタ１３を収容する収容部２１を設けている。この収容部２１は、コ ネクタ・ハウジング１４の相手側コネクタ嵌合穴１４b側が開口した袋状であっ て、後述するチップレジスタ１３の絶縁部１３aを収容可能なように断面略矩形 状に形成している。

【００１７】 更に、上記コネクタ・ハウジング１４の外周部には、シール用のゴムリング １６を巻着しており、このコネクタ・ハウジンング１４の相手方となる雌ターミ ナルを配置したコネクタ・ハウジング(図示せず)を外嵌すると、コネクタ・ハウ ジング１４と相手方のコネクタ・ハウジングとの接続部分での防水性を確保する ことができるようにしている。

【００１８】 図５及び図６に詳細に示すリテーナ１５は、上記コネクタ・ハウジング１４の キャビティ１７a〜１７fに保持した雄ターミナル１２の先端部１２cをそれぞれ 挿通するターミナル挿通孔２２a〜２２fを貫通して設けている。 また、リテーナ１５のコネクタ・ハウジング１４側には、ターミナル挿通孔 ２２a〜２２fの図中上方に、雄ターミナル１２の挿通方向に突出する止め片２３ を設けている。この止め片２３は、コネクタ・ハウジング１４にリテーナ１５を 挿入配置した状態で、上記付勢片１８の上方空間に位置して、付勢片１８がたわ まないように規制する構成としている。即ち、本実施例では、上記したように上 記係合孔１２bと係合突起１９が係合すること、及び、付勢片１８がたわむ空間 に止め片２３を配置して該付勢片１８のたわみを規制することにより、雄ターミ ナル１２を二重係止する構成としている。

【００１９】 また、リテーナ１５には、チップレジスタ１３を配置するチップレジスタ固定 手段２５を設けている。

【００２０】 チップレジスタ１３は、上記図１に示すように、一対の雄ターミナル部２６a, ２６bを備え、この雄ターミナル部２６a,２６bを角板形チップ抵抗２７により接 続する構成としている。また、チップレジスタ１３では、角板形チップ抵抗２７ を樹脂で鋳ぐるんで絶縁部２８を形成し、この絶縁部２８に一対の係合用突起 ２９a,２９bを形成している。

【００２１】 上記チップレジスタ固定手段２５の部分では、上記ターミナル挿通孔２２a〜 ２２fと同様に、チップレジスタ１３の雄ターミナル部２６a,２６bを挿通するよ うにチップレジスタ挿入孔３１a,３１bを貫通して設けている。

【００２２】 これらチップレジスタ挿入孔３１a,３１bの図中上下両側には、上記チップレ ジスタ１３の絶縁部１３aを支持する一対の支持板部３２a,３２bを設けている。

【００２３】 また、チップレジスタ挿入孔３１a,３１bの図中左右両側には、それぞれ上記 チップレジスタ１３に設けた一対の係合突起２９a,２９bと係合するロック手段 ３３a,３３bを設けている。このロック手段３３a,３３bは、弾性を有する腕部 ３４の先端に矢尻状の係合部３５を設けてなり、図１中矢印Ａに示すように、雄 ターミナル部２６a,２６bがチップレジスタ挿入孔３１a,３１bを通過するように チップレジスタ２３を挿入していくと、係合突起２９a,２９bが係合部３５,３５ を節度感をもって通過し、よって、チップレジスタ１３をリテーナ１５のチップ レジスタ固定手段２５に固定保持する構成としている。

【００２４】 更に、リテーナ１５には、先端に係合突起部３６aを設けたリテーナ固定用ロ ック手段３６を設け、このリテーナ１５の係合突起部３６aがコネクタ・ハウジ ング１４に設けた係合穴(図示せず。)に嵌合し、よって、リテーナ１５をコネク タ・ハウジング１４にロック固定する構成としている。

【００２５】 次に、上記構成からなる本考案のコネクタの組み立て方法について説明する。 まず、リテーナ１５のチップレジスタ固定手段２５にチップレジスタ１３を取 付ける。 図１中矢印Ａで示すように、チップレジスタ１３を、雄ターミナル部２６a, ２６bがリテーナ１５のチップレジスタ挿入孔３１a,３１bを挿通するようにチッ プレジスタ固定手段２５に挿入していくと、チップレジスタ１３の係合用突起 ２９a,２９bがロック手段３３a,３３bに係合し、よって、チップレジスタ１３は リテーナ１５に固定される。

【００２６】 一方、コネクタ・ハウジング１４のキャビティ１７a〜１７fに、それぞれ雄タ ーミナル１２を挿入して、各雄ターミナル１２の係合孔１２bに係合突起１９を 係合させ、よって、雄ターミナル１２をキャビティ１７a〜１７f内に保持する。

【００２７】 次に、図１中矢印Ｂで示すように、コネクタ・ハウジング１４内に突設した雄 ターミナル１２の先端部１２cがターミナル挿入孔２２a〜２２fを通過するよう に、リテーナ１５をコネクタ・ハウジング１４に挿入し、リテーナ１５のロック 手段３６によりリテーナ１５とコネクタ・ハウジング１４を固定する。

【００２８】 この状態では、リテーナ１５からコネクタ・ハウジング１４の相手側コネクタ 嵌合穴１４b側に向けて雄ターミナル１２が突出すると共に、チップレジスタ １３の雄ターミナル部２６a,２６bが雄ターミナル１２と並設した状態でリテー ナ１５から突出する。

【００２９】 更に、上記雄ターミナル１２に対応する雌ターミナル及びチップレジスタ１３ の雄ターミナル２６a,２６bに対応する雌ターミナルを設けた相手方のコネクタ ・ハウジング(図示せず)を、上記コネクタ・ハウジング１４に外嵌し、よって、 電線と電線の接続及びチップレジスタと電線との接続を完了する。

【００３０】 上記のように、本実施例によれば、一つのコネクタにより、ワイヤハーネスを 構成する電線同士の接続と、チップレジスタと電線との接続を同時に確保するこ とができるため、これらの接続を別途に行った場合と比較すると、部品点数を減 少することができると共に、省スペースを実現することができる。

【００３１】 尚、本発明は、上記した実施例に限定されず種々の変形が可能である。 例えば、上記の実施例では二重係止のコネクタであって、この二重係止のため のリテーナにチップレジスタ取付部を設けた構成としているが、リテーナを備え ず、直接コネクタ・ハウジングにチップレジスタを固定する構成としてもよい。

【００３２】

【効果】

以上の説明から明らかなように、本考案に係るコネクタでは、一つのコネクタ ・ハウジング内に各電線の先端に設けたターミナルを接続すると共に、チップレ ジスタを収容して、このチップレジスタのターミナル部を相手側のコネクタ・ハ ウジングに取付けたターミナルと接続する構成としているため、部品点数を低減 して省スペースを図ることができ、コストを低減することができる。

【００３３】 特に、本考案に係るコネクタを防水構造とする場合には、ワイヤハーネスの電 線同士を接続するコネクタと別途に、チップレジスタと電線のターミナルを接続 する構成として防水構造とする場合と比較するとコストを大きく低減することが できる。

【００３４】 更に、本考案では、上記したようにワイヤハーネスを構成する電線の先端に取 付けたターミナルを接続するコネクタ内にチップレジスタを収容する構成として いるため、簡単な構造で確実にチップレジスタのターミナル部を電線に設けたタ ーミナルに接続することができる等の種々の利点を有するものである。

【図面の簡単な説明】

【図１】 本考案に係るコネクタの実施例を示す一部破
断分解斜視図である。

【図２】 図１のコネクタの断面図である。

【図３】 コネクタ・ハウジングを示す斜視図である。

【図４】 コネクタ・ハウジングを示す一部破断斜視図
である。

【図５】 リテーナを示す斜視図である。

【図６】 図５の矢印VI方向からみたリテーナの平面図
である。

【図７】 従来のチップレジスタの接続の一例を示す斜
視図である。

【符号の説明】

１１ 電線 １２ ターミナル １３ チップレジスタ １４ コネクタ・ハウジング １５ リテーナ ２２ ターミナル挿入孔 ２５ チップレジスタ固定手段 ３１ チップレジスタ挿入孔

Claims (2)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 【請求項１】 コネクタ・ハウジングの一側部に複数の
   端子収容室を備えると共に、多側部に相手側コネクタ嵌
   合穴を有し、該相手側コネクタ嵌合穴に上記端子収容室
   に挿入したターミナルを突出させたコネクタであって、 上記コネクタ・ハウジング内にチップレジスタを収容
   し、該チップレジスタのターミナル部を上記ターミナル
   と並設して、該ターミナル部を相手側ハウジングのター
   ミナルと接続させるようにしていることを特徴とするコ
   ネクタ。
2. 【請求項２】 上記相手側コネクタ嵌合穴に端子係止用
   のリテーナを配置し、該リテーナにチップレジスタを固
   定保持するチップレジスタ固定手段を設けたことを特徴
   とする請求項１記載のコネクタ。