JPH0527975U - 電気コネクタの保護カバー - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【目的】 シールド線を接続したコネクタハウジングを
内嵌するシールドカバーに対して、後から保護カバーを
取り付けることが出来るようにする。 【構成】 相手方コネクタ接続側の前部にコネクタ部収
納用の大きな中空部を有する前部筒部を設ける一方、該
前部筒部の後部に連続して、後端部にシールド線を挿通
させる程度の小さな開口を有する後部筒部を設け、該後
部筒部を開閉自在あるいは変形自在に形成して、上記シ
ールド線と接続したコネクタを内部にセットしているシ
ールドカバーに対して、保護カバーをその後部筒部側か
ら覆せることが出来るように構成している。

Description

【考案の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】

本考案は、電気コネクタの保護カバーに関し、詳しくは、シールド線に接続す るコネクタに外嵌する金属製のシールドカバーを更に絶縁保護するために覆せる 絶縁樹脂製の保護カバーに関し、特に、シールド線を接続したコネクタをシール ドカバーにセットした後に、上記保護カバーを相手方コネクタとの接続側の先端 より覆せることが出来るようにして、作業性の向上を図るものである。

【０００２】

【従来の技術】

従来、この種のシールド線のコネクタ接続部分では、図９及び図１０に示すよ うに、シールド線１を樹脂製の保護カバー２に先通ししておき、この保護カバー ２に通したシールド線１に対して、その先端より分岐させた各電線３の芯線４に 端子５を圧着し、各端子５をコネクタハウジング７の各端子収容室７ａに挿入し 、そのコネクタハウジング７をシールドカバー６の内部にセットし、その後、シ ールド線１を図１０の矢印Ｘで示す後方にスライドさせて、シールド線１の先端 に接続したコネクタハウジング７およびシールドカバー６を保護カバー２の内部 にセットしている。

【０００３】

【考案が解決しようとする課題】

上記のように、シールド線１を保護カバー２に前以て先通ししておくのは、保 護カバー２は、前側にコネクタハウジング７をセットしたシールドカバーを収納 する断面大面積の中空部２ａを必要とする一方、図１１に示すように、後端には シールド線１を挿通する程度の小径の開口２ｂを設け、シールド線１に引張力が 作用した時にシールド線１を開口の端縁で係止保持するようにしているため、上 記大面積の中空部２ａより後端に向けて絞りをかけた中空部２ｃを設けている。 このような形状の保護カバー２に対して、コネクタハウジング７をセットした シールドカバー６を後端開口２ｂより挿入することが出来ず、よって、予めシー ルド線１を保護カバー２に先通ししておくことが必須となっている。

【０００４】 しかしながら、上記のように保護カバー２をシールド線１に先通しし、言わば シールド線１に保護カバー２をぶら下げた状態でシールド線１の先端に端子５を 圧着する作業、該端子をコネクタハウジングに接続する作業を行わなければなら ず、これらの作業中、保護カバー２の位置がフリーであるため、作業がしにくく 、かつ、保護カバーに損傷が発生しやすいといった問題があった。

【０００５】 本考案は上記問題を解消せんとするもので、シールドカバーにセットしたコネ クタハウジングへのシールド線の接続後に、保護カバーをシールド線の先端側、 即ち、コネクタハウジングをセットしたシールドカバーの前端側から取り付ける ことが出来るようにして、作業性の向上を図ることを目的とするものである。

【０００６】

【課題を解決するための手段】

上記目的を達成するため、本考案は、コネクタハウジングおよび該コネクタハ ウジングに覆せるシールドカバーの断面積より中空部の断面積が小さい保護カバ ーの後部筒部を開閉自在あるいは変形自在に構成して、保護カバーの取付時には 後部筒部の断面積を大きくしてコネクタハウジングをセットしたシールドカバー の挿入を可能とし、挿入後に断面積を小となるように閉鎖あるいは変形させるも のである。

【０００７】 具体的には、本考案は、シールド線と接続するコネクタに外嵌するシールドカ バーに覆せる樹脂製の保護カバーであって、 相手方コネクタ接続側の前部にコネクタ部収納用の断面大面積の中空部を有す る前部筒部を設ける一方、該前部筒部の後部に連続して、後端部がシールド線を 挿通させる程度の断面小面積の中空部を有する後部筒部を設け、該後部筒部を開 閉自在に互いに連結した一対の分割部材より形成し、上記シールド線と接続した コネクタにシールドカバーを覆せた後に上記後部筒部の分割部分を開いた状態で コネクタ接続側より外嵌していき、前部筒部にコネクタ部をセットした後に分割 部分を閉鎖する構成としていることを特徴とする電気コネクタの保護カバーを提 供するものである。

【０００８】 上記した保護カバーの後部筒部を構成する分割部分は、上半側部分と下半側部 分とからなり、下半側部分は前部筒部の下側部分に連続させて後方に延在させて 形成する一方、上半側部分は細幅で薄肉としたヒンジ状部を介して前部筒部の上 側部分と連続させ、該上半側部分をヒンジ状部を支点として後端側より開閉し、 かつ、上下半側部に互いに係止するロック部を設けた構成としている。

【０００９】 あるいは、上記上半側部分の軸方向の両側を、下半側部分にヒンジ状部を介し て連結し、上半側部分の全体を上方に持ち上げるように開口し、シールドカバー を挿入した後は上半側部分全体を下降して下半側部分を閉鎖し、軸方向の両側に 設けてロック部により係止する構成としても良い。

【００１０】 さらに、本考案は、相手方コネクタ接続側の前部にコネクタ部収納用の断面大 面積の中空部を有する前部筒部を設ける一方、該前部筒部の後部に連続して折り 返し部を有する後部筒部を設け、該後部筒部の中空部を上記折り返し部を折り返 し前には断面大面積とすると共に折り返し後には断面小面積となるように設定し 、上記シールド線と接続したコネクタハウジングにシールドカバーを覆せた後に 上記後部筒部の断面大面積とした状態でコネクタ接続側より外嵌していき、前部 筒部にコネクタ部をセットして後に折り返して後部筒部を断面小面積にする構成 としていることを特徴とする電気コネクタの保護カバーを提供するものである。

【００１１】

【作用】

本考案の保護カバーでは、コネクタハウジングをセットしたシールドカバーよ り小さい絞りを設けた部分、即ち、後部筒部を開閉自在あるいは変形自在として いるため、後部筒部側からシールドカバーに覆せることができ、よって、シール ド線を先通ししておく必要がなくなり、作業性を向上させることが出来る。

【００１２】

【実施例】 以下、本考案を図面に示す実施例により詳細に説明する。 図１および図２は本考案の保護カバー１０の第１実施例を示し、該保護カバー １０は絶縁製の樹脂により一体成形したものである。 保護カバー１０は相手方コネクタ(図示せず)との接続側となる前側に前部筒部 １１を備え、後部に上下一対の分割部分１２,１３とからなる開閉自在な後部筒 部１４を備えている。図１は分割部分１２と１３を開いた状態であり、図２は閉 じた状態である。

【００１３】 前部筒部１１は図３に示すコネクタハウジング１５を内部にセットした金属製 のシールドカバー１６を収容できる程度の断面積が大きな中空部１７を有する形 状に設定している。かつ、その上面および一側面に相手方コネクタの保護カバー とのロック部１８と係止溝１９を設けている。

【００１４】 後部筒部１４は分割部分１２と１３とを互いに対向する端面を接合して閉じた 状態において、後端に向かって段状に絞りをかけ、その中空部２０の断面が小面 積となるように形成し、前記図１１に示すように、後端開口部２１がシールド線 １を保持できる適度に小さくなるように設定している。

【００１５】 上記後部筒部１４を構成する分割部分１２と１３は、軸方向に沿って筒部を上 下に分割して形成した形状としており、上半側部分となる分割部分１２は前部筒 部１１の後端上部に細幅で薄肉とした一つ以上のヒンジ状部２２を介して連続し て設けており、ヒンジ状部２２を支点とし後端側よりて図１に矢印Ｙで示すよう に上向きに回転させて、下半側部分となる分割部分１３に対して開いた状態とし 、また、該開いた状態より後端を下向きに回転させて閉じることが出来るように している。

【００１６】 下半側部分の分割部分１３は前部筒部１１の後端下部より連続させて形成して いる。これら分割部分１２と１３には閉じた状態でロックするため、それぞれの 側面に互いに係止されるロック部２３,２４を設けている。

【００１７】 上記保護カバー１０を取り付けるコネクタハウジング１５およびシールドカバ ー１６は図３に示す形状としており、コネクタハウジング１５は前記図９に示す 従来と同様な形状であるが、シールドカバー１６は筒状のハウジング装着部３０ 、未シールド部分閉鎖用の一対の羽根部３１および、シールド処理用の三角歯を 連続させて形成した一対のバレル部３１を、前端より後端にかけて金属片より一 体に形成した形状としている。

【００１８】 上記コネクタハウジング１５に対して接続するシールド線１は、前記図９に示 す従来と同様な構成で、その先端の外皮３５、シールド３６を夫々所要寸法除去 して各電線３７を分岐させ、分岐させた各電線３７の先端に圧着端子５を圧着し ている。

【００１９】 本考案に係わる保護カバー１０を用いた場合の組付作業においては、まず、シ ールド線１より分岐させた各電線の先端に圧着端子５を圧着した後、これら圧着 端子５をコネクタハウジング１５の端子収容室１５a内に挿入し、そのコネクタ ハウジング１５をシールドカバー１６にセットする。

【００２０】 上記端子挿入時にはシールドカバー１６の一対の羽根部３１は開いた状態とし ており、挿入完了後に、図４に示すように、羽根部３１を折り曲げて開口を閉鎖 すると同時にバレル部３２をシールド線１の露出したシールド３６と外皮３５に 圧着するように折り曲げる。このプレス作業によりシールド線１の未シールド部 分をシールド出来ると共にシールド３６とシールドカバー１６とを接続するシー ルド処理が同時に行える。

【００２１】 上記したように、シールド線１を取り付けたコネクタハウジング１５をシール ドカバー１６にセットした後、図１の後部筒部１４を開いた状態としている保護 カバー１０を、後部筒部１４側よりシールドカバー１６に覆せるように取り付け る。該取付後に、保護カバー１０の上半側部分の分割部分１２を閉じ、互いのロ ック部２３,２４を係止して図２に示す状態とする。

【００２２】 図５および図６は本考案に係わる保護カバーの第２実施例を示し、該保護カバ ー１０も樹脂により一体成形しており、その後部筒部１４を構成する分割部分 １２,１３のうち、上部側の分割部分１２は前部筒部１１と連続させず、軸方向 の両側を下部側の分割部分１３にヒンジ状部２２'を介して連結し、上部側の分 割部分１２を下部側の分割部分１３に対して、全体として上方へ持ち上げて開く ことが出来るようにしている。

【００２３】 上記分割部分１２と１３のの切り離した軸方向側面には、閉鎖時に互いに係止 するロック部２３,２４を設けている。

【００２４】 上記保護カバー１０も分割部分１２と１３とを図５に示すように開いた状態で 、コネクタハウジング１５をセットしたシールドカバー１６に覆せることが出来 る形状となり、よって、第１実施例と同様な組付作業が行える。

【００２５】 図７と図８は本考案の保護カバーの第３実施例を示し、後部筒部１４’はコネ クタハウジング１５をセットしたシールドカバー１６が挿入出来る程度の大きさ の略角筒形状とし、その上面部４０は前部筒部１１とは切り離して形成すると共 に、両側面より底面は前部筒部１１と連続して形成している。

【００２６】 上記切り離した上面部４０の軸方向の両側縁に沿って薄肉とした一つ以上の折 り返し部４１を一体に設けている。 該折り返し部４１は下向きに押すことにより、図８に示すように、下向きに凹 んだ状態となって、上面部４０の位置を下位にして後部筒部１４’の中空部断面 積を小さくし、その後端開口を小さく出来るようにしている。

【００２７】 上記保護カバー１０は図７に示す状態で、コネクタハウジング１５をセットし ているシールドカバー１６に後端開口より覆せて、シールドカバー挿入後に図８ に示すように折り返し部４１を折り返し、シールド線を後端開口の端縁で保持す る。

【００２８】

【考案の効果】

以上の説明より明らかなように、本考案に係わる保護カバーは、コネクタハウ ジングをセットしたシールドカバーを後端側より覆せることが出来る形状として いるため、シールド線を保護カバーに先通ししておく必要がなく、シールド線に 対するコネクタ、シールドカバーおよび保護カバーの組付作業性を容易とするこ とが出来る。

【００２９】 また、保護カバーは後部筒部の中空部の容積を可変としているにもかかわらず 、樹脂で一体成形できるため、安価に提供でき、かつ、保護カバーの取付も覆せ るだけで良い等の種々の利点を有するものである。

【図面の簡単な説明】

【図１】 本考案の保護カバーの第１実施例を示す斜視
図である。

【図２】 図１の保護カバーを閉じた状態を示す斜視図
である。

【図３】 図１の保護カバーに組み付けるコネクタハウ
ジング、シールドカバーおよびシールド線の分解斜視図
である。

【図４】 図３に示すシールドカバーのシールド線接続
後の状態を示す斜視図である。

【図５】 本考案の保護カバーの第２実施例を示す斜視
図である。

【図６】 図５の保護カバーを閉じた状態を示す斜視図
である。

【図７】 本考案の保護カバーの第３実施例を示す斜視
図である。

【図８】 図７の保護カバーを閉じた状態を示す斜視図
である。

【図９】 従来の保護カバーおよび該保護カバーと組み
付けるコネクタハウジング、シールドカバーおよびシー
ルド線の分解斜視図である。

【図１０】 従来の保護カバーの取付方を示す概略図で
ある。

【図１１】 保護カバーの後端とシールド線との関係を
示す断面図である。

【符号の説明】

１ シールド線 １０ 保護カバー １１ 前部筒部 １２,１３ 分割部分 １４ 後部筒部 １５ コネクタハウジング １６ シールドカバー

───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)考案者 樋尾 昌秀 三重県四日市市西末広町１番14号 住友電 装株式会社内

Claims (3)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 【請求項１】 シールド線と接続するコネクタを内嵌す
   るシールドカバーに覆せる樹脂製の保護カバーであっ
   て、 相手方コネクタ接続側の前部にコネクタ部収納用の大き
   な中空部を有する前部筒部を設ける一方、該前部筒部の
   後部に連続して、後端部にシールド線を挿通させる程度
   の小さな開口を有する後部筒部を設け、該後部筒部を開
   閉自在あるいは変形自在に形成して、上記シールド線と
   接続したコネクタを内部にセットしているシールドカバ
   ーに対して、保護カバーをその後部筒部側から覆せるこ
   とが出来るように構成している電気コネクタの保護カバ
   ー。
2. 【請求項２】 上記後部筒部を開閉自在に互いに連結し
   た一対の分割部分から形成し、これら分割部分を開いた
   状態で、後端開口より上記シールドカバーを挿入し、前
   部筒部にコネクタ部をセットして後に分割部分を閉鎖す
   る構成としていることを特徴とする請求項１記載の電気
   コネクタの保護カバー。
3. 【請求項３】 上記後部筒部に折り返し部を設けて変
   形自在とし、後部筒部の中空部を上記折り返し部の折り
   返し前には断面大面積とすると共に折り返し後には断面
   小面積となるように設定し、後部筒部を断面大面積とし
   た状態で上記シールドカバーに覆せ、前部筒部にコネク
   タ部をセットして後に折り返して後部筒部を断面小面積
   にする構成としていることを特徴とする請求項１記載の
   電気コネクタの保護カバー。