JPH05279328A - 4−メルカプトピロリジン化合物の製法 - Google Patents

4−メルカプトピロリジン化合物の製法

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JPH05279328A
JPH05279328A JP4099022A JP9902292A JPH05279328A JP H05279328 A JPH05279328 A JP H05279328A JP 4099022 A JP4099022 A JP 4099022A JP 9902292 A JP9902292 A JP 9902292A JP H05279328 A JPH05279328 A JP H05279328A
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JP4099022A
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Kazuhiko Kondo
一彦 近藤
Koushi Horikawa
袷志 堀川
Tameo Iwasaki
為雄 岩▲崎▼
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Tanabe Seiyaku Co Ltd
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Tanabe Seiyaku Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【構成】 一般式〔II〕 (式中、RSは保護されたチオール基、−COOR
は保護されたカルボキシル基を表す。)で示されるニト
リル化合物を還元後、分子内閉環反応させ、所望により
チオカルボニル化し、また所望によりチオール基の保護
基を除去することを特徴とする一般式〔I〕 (式中、RSは保護されていてもよいチオール基、Xは
酸素原子又は硫黄原子を表す。)で示される4−メルカ
プトピロリジン化合物の製法。 【効果】 本発明によれば、合成中間体として有用な
4−メルカプトピロリジン化合物を、従来法に較べて安
価に、かつ工業的に有利に製造することができる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は4−メルカプトピロリジ
ン化合物の新規製法に関する。
【0002】
【従来の技術】2位にオキソ基又はチオキソ基を有する
4−メルカプトピロリジン化合物は、各種医薬品、例え
ば、カルバペネム系抗菌薬の合成中間体として有用な化
合物である。例えばその2−オキソ体は2−〔ピロリジ
ン−2−オン−4−イルチオ〕−6−〔1−ヒドロキシ
エチル〕−1−メチルカルバペン−2−エム−3−カル
ボン酸の製造用中間体として公知である(特開平2−4
9783号)。また対応2−チオキソ体も同様にカルバ
ペネム系抗菌薬の合成に用いられる(特願平3−305
725号)。しかし、従来公知の製法は、4−ヒドロキ
シピロリジン−2−オンとチオ酢酸とをジエチルアゾジ
カルボキシレート及びトリフェニルホスフィンの存在下
反応させてピロリジン−2−オンの4位にチオール基を
導入し、必要に応じてチオカルボニル化と脱アセチル化
反応させるものであるため、高価かつ入手困難なジエチ
ルアゾジカルボキシレートを使用しなければならない難
点がある。しかも、ジエチルアゾジカルボキシレートは
爆発性を有する為、実験室的な小規模合成には用いるこ
とができても、工業的な大規模合成に使用しがたいとい
う難点も有する。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、合成中間体
として有用なかかる4−メルカプトピロリジン化合物
を、従来法に較べて安価に、かつ工業的に有利に製造し
うる新規製法を提供するものである。より具体的には、
ピロリジン環の前駆体となる3−シアノプロピオン酸エ
ステル化合物からジエチルアゾジカルボキシレートを使
用することなく4−メルカプトピロリジン化合物を製造
する方法を提供するものである。
【0004】
【課題を解決するための手段】本発明によれば、一般式
〔I〕
【0005】
【化6】
【0006】(式中、RSは保護されていてもよいチオ
ール基、Xは酸素原子又は硫黄原子を表す。)で示され
る4−メルカプトピロリジン化合物は、一般式〔II〕
【0007】
【化7】
【0008】(式中、RSは保護されたチオール基、
−COORは保護されたカルボキシル基を表す。)で
示される3−シアノプロピオン酸エステル化合物を還元
後、分子内閉環反応させて一般式〔III〕
【0009】
【化8】
【0010】(式中、RSは前記と同一意味を有す
る。)で示されるラクタム化合物とし、所望によりチオ
カルボニル化し、また所望によりチオール基の保護基を
除去することにより製造することができる。カルボキシ
ル基の保護基としては、シアノ基の還元反応には関与し
ないが、酸アミド縮合に際して容易に脱離する基、チオ
ール基の保護基としては、シアノ基の還元反応及び酸ア
ミド縮合には関与しないが、塩基又は酸処理により容易
に脱離する基、であればいずれも用いることができる。
具体的には、カルボキシル基の保護基としては、低級ア
ルキル基、フェニル低級アルキル基等を好適に用いるこ
とができ、低級アルキル基が特に好ましい。また、チオ
ール基の保護基としては、置換もしくは非置換フェニル
低級アルキル基、低級アルカノイル基等を好適に用いる
ことができ、フェニル低級アルキル基が特に好ましい。
3−シアノプロピオン酸エステル化合物〔II〕の還元
反応は、適当な溶媒中、還元剤の存在下に実施するか、
又は触媒の存在下、接触還元により実施することができ
る。
【0011】溶媒としては、例えば、低級アルカノール
等、還元反応に不活性な溶媒であればいずれも用いるこ
とができる。還元剤としては、アルカリ金属水素化ホウ
素やボラン等慣用のものを好適に用いることができ、塩
化コバルトの如きコバルト化合物又は塩化ニッケルの如
きニッケル化合物との組合せが特に好ましい。一方、接
触還元用触媒としては、ニッケル又はパラジウム系触
媒、例えばラネーニッケル、ラネーコバルトを用いるの
が好ましい。還元剤を用いる還元反応は、冷却下、例え
ば、−78〜20℃で実施するのが好ましい。一方、接
触還元は、室温〜加熱下、例えば、10〜100℃で実
施するのが好ましい。ひきつづく分子内閉環反応は、適
当な溶媒中で実施することができる。溶媒は、不活性な
溶媒であればよく、例えば、ジメチルホルムアミドを好
適に用いることができる。本反応は、室温〜加熱下、例
えば、10〜200℃で実施するのが好ましい。化合物
〔III〕のチオカルボニル化反応は、常法により実施
することができる。例えば当該反応は、適当な溶媒中、
チオケトン化剤で処理して好適に実施することができ
る。チオケトン化剤としては、例えば、2,4−ビス
(4−メトキシフェニル)−1,3−ジチア−2,4−
ジホスフェタン−2,4−ジスルフィド、2,4−ジメ
チル−1,3−ジチア−2,4−ジホスフェタン−2,
4−ジスルフィド、五硫化リン等をいずれも好適に用い
ることができる。溶媒は、不活性溶媒であればよく、例
えば、ジメトキシエタン、ピリジン、キシレン、トルエ
ン、ベンゼン等を適宜用いることができる。本反応は、
室温〜加熱下、例えば、10〜200℃で実施するのが
好ましい。
【0012】化合物〔III〕からのチオール基の保護
基の除去は、常法により実施することができる。例え
ば、保護基がフェニル低級アルキル基の場合、液体アン
モニア中、ナトリウムを用いて実施するこができる。保
護基が置換フェニル低級アルキル基の場合、適当な溶媒
中、酸の存在下に実施するこができる。酸としては、ト
リフルオロ酢酸を好適に用いることができ、溶媒として
は、例えばアニソールを好適に用いることができる。本
反応は、室温〜加熱下、例えば、10〜100℃で実施
するのが好ましい。また、保護基が低級アルカノイル基
の場合、適当な溶媒中、塩基の存在下に実施するこがで
きる。塩基としては、アンモニア、ナトリウムメトキシ
ド等を好適に用いることができ、溶媒としては、例えば
メタノールを好適に用いることができる。本反応は、冷
却下、例えば、−78〜10℃で実施するのが好まし
い。上記方法で得た目的物〔I〕は、例えば、特開平2
−49783号又は特願平3−305725号記載の方
法に従って、一般式〔IV〕
【0013】
【化9】
【0014】(式中、ORは保護されていてもよい水
酸基を表し、Rは水素原子またはエステル残基を表
す。)で示されるケトン化合物の2位オキソ基における
反応性誘導体と反応させ、Rが水酸基の保護基である
か、及び/又はRがカルボキシル基の保護基となりう
るエステル残基である場合、さらに当該保護基及び/又
はエステル残基を除去し、所望により、生成物をその薬
理的に許容しうるエステルもしくは塩とすることにより
抗菌薬として有用な一般式〔V〕
【0015】
【化10】
【0016】(式中、記号は前記と同一意味を有す
る。)で示される1−メチルカルバペネム誘導体を製造
することができる。なお、本発明の原料化合物〔II〕
は、新規化合物であり、一般式〔VI〕
【0017】
【化11】
【0018】(式中、Yはハロゲン原子、−COOR
は前記と同一意味を有する。)で示されるコハク酸アミ
ドと一般式〔VII〕
【0019】
【化12】
【0020】(式中、RSは前記と同一意味を有す
る。)で示されるチオール化合物のアルカリ金属塩と反
応させて一般式〔VIII〕
【0021】
【化13】
【0022】(式中、記号は前記と同一意味を有す
る。)で示される化合物とし、次いで脱水反応さて製造
することができる。コハク酸アミド化合物〔VI〕とチ
オール化合物〔VII〕との反応は、適当な溶媒中で実
施することができる。溶媒としては、例えば、酢酸エチ
ルを好適に用いることができる。本反応は、冷却下、例
えば、−78〜10℃で実施するのが好ましい。化合物
〔VIII〕の脱水反応は、適当な溶媒中、脱水剤の存
在下に実施することができる。脱水剤としては、オキシ
塩化リン、ホスゲン、ポリリン酸等を好適に用いること
ができる。また、溶媒としては、例えば、ジメチルホル
ムアミドを好適に用いることができる。本反応は、冷却
〜加熱下、例えば、−20〜50℃で実施するのが好ま
しい。なお、本明細書において低級アルキル基とは、炭
素数1〜6、好ましくは1〜4のもの、低級アルカノイ
ル基とは、炭素数2〜6、好ましくは2〜4のものを表
す。
【0023】
【実施例】
実施例1 (1) (3S)−3−アミノ−3−カルボキシプロピ
オン酸メチルエステル塩酸塩206g、硫酸552g、
臭化カリウム536g及び水2510mlの混合物に、
亜硝酸ナトリウム93gの水200ml溶液を、10〜
12℃で45分間かけて滴下する。さらに同温で20分
間かくはん後、尿素40gを徐々に加え、エーテル抽出
し、洗浄、乾燥後、減圧濃縮して(3S)−3−ブロモ
−3−カルボキシプロピオン酸メチルエステル148g
を油状物として得る。 NMR(CDCl)δppm:2.93−3.10
(1H,m),3.20−3.40(1H,m),3.
74(3H,s),4.55−4.65(1H,m),
6.80−7.60(1H,br) (2) 本品146gの塩化メチレン1.3リットル溶
液にジメチルホルムアミド0.76mlを加え、該溶液
にオキサリルクロリド106gを10〜15℃で20分
間かけて滴下後、25℃で3時間かくはんする。次いで
アンモニアのクロロホルム溶液(2.77%W/W)1
276gを−30℃以下で30分間かけて滴下する。反
応終了後、活性炭14.6gを加えて20℃まで昇温後
ろ過する。ろ液を減圧濃縮し、残査に酢酸エチルを加え
て結晶化・ろ取して(3S)−3−ブロモ−3−カルバ
モイルプロピオン酸メチルエステル99gを得る。 m.P.82−84℃ 〔α〕 25−50.6°(c=1.0、メタノール)
【0024】(3) 本品97gの酢酸エチル1360
ml溶液に−50℃でベンジルチオールのカリウム塩7
1gを加えて同温で50分間かくはんする。−30℃ま
で20分間かけて昇温後、反応液を水に加える。析出晶
をろ取し、洗浄後、送風乾燥して(3R)−3−ベンジ
ルチオ−3−カルバモイルプロピオン酸メチルエステル
76gを得る。 m.P.146−149℃ 〔α〕 25 +80.3°(c=1.0、メタノー
ル) 光学収率 100%e.e. (4) 本品76gのジメチルホルムアミド300ml
溶液にオキシ塩化リン69gを15〜20℃で20分間
かけて滴下後、同温で1時間かくはんする。反応終了
後、反応液を炭酸水素ナトリウム226g、氷100
g、水1リットル及びエーテル1リットルの混合溶液に
徐々に注入する。エーテル層を洗浄、乾燥後、減圧濃縮
して(3R)−3−ベンジルチオ−3−シアノプロピオ
ン酸メチルエステル71gを油状物として得る。 NMR(CDCl)δppm:2.60−2.75
(1H,m),2.80−2.94(1H,m),3.
72(3H,s),3.70−3.80(1H,m),
3.90−4.08(2H,m),7.25−7.42
(5H,m)
【0025】(5) 本品2.35g及び塩化コバルト
・6水和物2.38gをメタノール44mlに溶解し、
水素化ホウ素ナトリウム647mgを−35〜−25℃
で30分間かけて添加する。添加終了後、−10℃まで
30分間かけて昇温する。反応終了後、15%塩化水素
−メタノール溶液10mlを加え、20℃で30分間か
くはんする。反応液をセライトろ過し、ろ液を減圧濃縮
後、残査をメタノール30mlに溶解し、15%アンモ
ニア−メタノール溶液2.5mlを10℃で加えて減圧
濃縮する。残査にクロロホルム50mlを加えてセライ
トろ過する。ろ液を減圧濃縮し、残査をシリカゲルカラ
ムクロマトグラフィー(溶媒;クロロホルム〜クロロホ
ルム:エタノール=20:1)で精製して(3R)−3
−ベンジルチオ−3−アミノメチルプロピオン酸メチル
エステル2.3gを得る。本品をジメチルホルムアミド
10mlに溶解し、2時間加熱還流する。反応終了後、
溶媒を留去する。残査をクロロホルム100mlに溶解
し、洗浄、乾燥後、減圧濃縮する。残査をシリカゲルカ
ラムクロマトグラフィー(溶媒;n−ヘキサン:酢酸エ
チル=1:1〜1:2)で精製して(4R)−4−ベン
ジルチオ−2−ピロリドン820mgを得る。 m.P.75−76℃ 〔α〕 25 −9.2°(c=1.0、メタノール) 光学収率 100%e.e. (6) 本品761mgをトルエン22mlに懸濁し、
ローソン試薬〔2,4−ビス(4−メトキシフェニル)
−1,3−ジチア−2,4−ジホスフェタン−2,4−
ジスルフィド〕743mgを加えて10分間加熱還流す
る。反応終了後、溶媒を減圧留去し、残渣をシリカゲル
カラムクロマトグラフィー(溶媒;n−ヘキサン:酢酸
エチル=4:1)で精製して(4R)−4−ベンジルチ
オピロリジン−2−チオン750mgを得る。 m.p.86−88℃ 〔α〕 25 −13.7゜(c=1.0、メタノー
ル) 光学収率 100%e.e.
【0026】(7) 本品500mgを液体アンモニア
10mlに加え、ナトリウム140mgを液体アンモニ
ア還流下、15分間かけて添加し、同温で15分間かく
はんする。反応終了後、塩化アンモニウム206mgを
加え、液体アンモニアを留去する。残査にイオン交換樹
脂(DiaionSK−1B(H))16ml及び水
10mlを加えてかくはん後ろ過する。水を留去し、残
査にクロロホルムを加え、乾燥後、溶媒を留去し、残査
をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(溶媒;n−ヘ
キサン:酢酸エチル=9:1)で精製して(4R)−4
−メルカプトピロリジン−2−チオン171mgを得
る。 m.p.73−75℃ 〔α〕 26 +109.3°(c=1.0、メタノー
ル) 光学収率 100%e.e.
【0027】実施例2 (3R)−3−アミノ−3−カルボキシプロピオン酸メ
チルエステル塩酸塩を出発原料として実施例1と同様の
操作を行うことにより、(4S)−4−メルカプトピロ
リジン−2−チオンを得る。 m.p.73−75℃ 〔α〕 26 −109.4°(c=1.0、メタノー
ル) 光学収率 100%e.e.
【0028】製造例 (1) (1R,5R,6S)−6−〔(1R)−1−
ヒドロキシエチル〕−1−メチル−2−オキソ−カルバ
ペナム−3−カルボン酸・4−ニトロベンジルエステル
3.4gを無水アセトニトリル25mlに溶解し、窒素
気流下、ジイソプロピルエチルアミン1.3g及びジフ
ェニルホスホリルクロリド2.8gを0℃以下で順次滴
下する。同温度で30分間攪拌後、反応混合物〔(1
R,5R,6S)−6−〔(1R)−1−ヒドロキシエ
チル〕−1−メチル−2−ジフェニルホルホリルオキシ
−カルバペン−2−エム−3−カルボン酸・4−ニトロ
ベンジルエステルを含有〕に(4R)−4−メルカプト
ピロリジン−2−チオン1.1g及びジイソプロピルエ
チルアミン1.3gの無水アセトニトリル25ml溶液
を−15℃以下で滴下する。同温度で1.5時間攪拌
後、反応混合液に水25mlを加えアセトニトリルを減
圧留去し、残留物を酢酸エチルで抽出後、洗浄、乾燥
し、溶媒を減圧留去した後、残留物をシリカゲルカラム
クロマトグラフィー(溶媒;クロロホルム:エタノール
=20:1)で精製することにより、(1R,5S,6
S)−2−〔(4R)−ピロリジン−2−チオン−4−
イルチオ〕−6−〔(1R)−1−ヒドロキシエチル〕
−1−メチルカルバペン−2−エム−3−カルボン酸・
4−ニトロベンジルエステル1.8gを無色針状晶とし
て得る。 m.p.168−170℃
【0029】(2) 本品0.5g、炭酸水素カリウム
0.105g、テトラヒドロフラン10ml及びエタノ
ール10mlの混合物に、窒素気流下10%パラジウム
−炭素1gを加え、室温常圧で1時間水素添加する。
触媒をろ去後、有機溶媒を減圧留去し、水層を酢酸エチ
ルで洗浄する。水層を減圧留去後、残留物を非イオン性
吸着樹脂(CHP−20P;三菱化成社製)充填カラム
(溶出液;水)で精製することにより、(1R,5S,
6S)−2−〔(4R)−ピロリジン−2−チオン−4
−イルチオ〕−6−〔(1R)−1−ヒドロキシエチ
ル〕−1−メチルカルバペン−2−エム−3−カルボン
酸・カリウム塩0.12gを無定形粉末として得る。 NMR(DO)αppm:1.20(3H,d),
1.29(3H,d),2.94(1H,dd),3.
28−3.67(4H,m),4.06−4.27(4
H,m)
【0030】
【発明の効果】従来法によれば、ピロリジン−2−オン
の4位にチオール基を導入する際、高価かつ入手困難な
上に爆発性を有するジエチルアゾジカルボキシレートを
使用しなければならないが、上記本発明方法によれば、
医薬品の合成中間体として有用な4−メルカプトピロリ
ジン化合物を、かかる高価かつ爆発性の原料化合物を用
いることなく安価に、しかも安全に製造できるという優
れた利点が得られる。また本反応はすべて立体保持で進
行するため、光学活性な原料化合物〔II〕を用いれ
ば、目的物である4−メルカプトピロリジン化合物を高
い光学収率で製造することができる。しかも原料化合物
〔II〕は、コハク酸アミド化合物〔VI〕とチオール
化合物〔VII〕のアルカリ金属塩とから、その光学活
性を維持したまま2工程で容易に製造できるため、かか
る原料の製造工程を含めて考えた場合にも、市販の原料
化合物から4−メルカプトピロリジン化合物を、安価に
かつ安全に製造できるという優れた利点も得られる。

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 一般式〔II〕 【化1】 (式中、RSは保護されたチオール基、−COOR
    は保護されたカルボキシル基を表す。)で示される3−
    シアノプロピオン酸エステル化合物を還元後、分子内閉
    環反応させて一般式〔III〕 【化2】 (式中、RSは前記と同一意味を有する。)で示され
    るラクタム化合物とし、所望によりチオカルボニル化
    し、また所望によりチオール基の保護基を除去すること
    を特徴とする一般式〔I〕 【化3】 (式中、RSは保護されていてもよいチオール基、Xは
    酸素原子又は硫黄原子を表す。)で示される4−メルカ
    プトピロリジン化合物の製法。
  2. 【請求項2】 RSがフェニル低級アルキル基で保護
    されたチオール基、−COORが低級アルキル基で保
    護されたカルボキシル基である請求項1記載の製法。
  3. 【請求項3】 目的物〔I〕及び原料化合物〔II〕が
    共に光学活性体である請求項1又は2記載の製法。
  4. 【請求項4】 請求項1記載の製法により得られた化合
    物〔I〕と一般式〔IV〕 【化4】 (式中、ORは保護されていてもよい水酸基を表し、
    は水素原子またはエステル残基を表す。)で示され
    るケトン化合物の2位オキソ基における反応性誘導体と
    反応させ、所望により水酸基の保護基及び/又はエステ
    ル残基を除去し、また所望により生成物をその塩とする
    ことを特徴とする一般式〔V〕 【化5】 (式中、Xは酸素原子又は硫黄原子を表し、他の記号は
    前記と同一意味を有する。)で示される1−メチルカル
    バペネム誘導体又はその塩の製法。
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Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
EP0713866A1 (en) 1994-11-24 1996-05-29 Tanabe Seiyaku Co., Ltd. Process for preparing 4-mercaptopyrrolidine compound

Cited By (2)

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US5629419A (en) * 1994-11-24 1997-05-13 Tanabe Seiyaku Co., Ltd. Process for preparing 4-mercaptopyrrolidine intermediate compounds and a process for their use in preparing carbapenem -2-em-3 carboxylic acids

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