JP4463520B2 - カルバペネム誘導体の製造方法 - Google Patents

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Description

本発明はカルバペネム誘導体の新規の製造方法に関する。
天然から発見されたチエナマイシン(非特許文献1)が、幅広い抗菌スペクトルと強力な抗菌活性を有することが報告されて以来、抗菌剤として有用な種々のカルバペネム化合物が報告されてきた。カルバペネム骨格の1位(慣用的な番号付け(下記式A参照)によるもの;本発明の記載の番号付けでいう4位に相当する。)メチレン基がアルキル基で置換された化合物、特に1β−メチルカルバペネム誘導体 (非特許文献2)は腎の酵素、デヒドロペプチダーゼ−Iに対する安定性に優れていることから、抗菌剤として極めて有用であることが報告され、それにともない1β−アルキルカルバペネム化合物の有効な製造方法の開発に多くの関心がもたれてきた。
Figure 0004463520
カルバペネム系化合物合成中間体として、一般式(B)
Figure 0004463520
(式中、rは、水素原子または水酸基の保護基であり;Rは、水素原子またはアルキル基であり;Rは、カルボキシ基の保護基であり;rは、脱離基である。)
で表されるカルバペネム化合物の重要性は広く認識されている。
このカルバペネム化合物の製造方法としては、下記のものが知られている。
特許文献1に記載の下記反応スキーム1:
Figure 0004463520
で示される製造法、特許文献2に記載の下記反応スキーム2:
Figure 0004463520
で示される製造法、および特許文献3に記載の下記反応スキーム3:
Figure 0004463520
で示される製造法などが知られている。
しかしながら、これらの製造方法は、何れも、それぞれ以下のような問題点を有しており、十分に満足の行くものとは言えなかった。
即ち、反応スキーム1および反応スキーム2の方法では、効果な出発原料を用い、且つ工程数が多いため操作が煩雑になり、収率の面のみならず価格の面でも決して望ましいものではない。
また、反応スキーム3の方法は、比較的短工程で製造しているが、NaHのような発火性を伴う試薬を大量に使用しる必要があるか、もしくはLDAのように−50℃と極低温で操作をする必要があり、工業的な方法とは言い難い。
特開昭57−123182号 特開平6−321946号 特開昭62−103084号 J.Am.Chem.Soc.,100,313 (1978) Heterocycles.,21,29 (1984)
このような状況のなかで、安全でさらに大量合成に適した方法が望まれていた。
本発明者らは、カルバペネム系化合物合成中間体として有用な一般式(B)のカルバペネム化合物の工業的に有利な製造法について鋭意研究した結果、本発明を完成した。
すなわち、本発明は次の通りである。
1.下記一般式(3):
Figure 0004463520
(式中、RおよびRは、同一でも異なっていてもよく、水素原子および低級アルキル基であり;Rは、水素原子および低級アルキル基であり;Rは、水素原子および水酸基の保護基であり;Rは、カルボキシル基の保護基であり;Yは、活性エステル基、置換基を有していてもよいアリールチオ基、置換基を有していてもよいヘテロアリールチオ基、置換基を有していてもよいアラアルキルチオ基、置換基を有していてもよいアリールオキシ基、置換基を有していてもよいヘテロアリールオキシ基、又はN(R)SO 基(Rは、アルキル基、アルケニル基、オルガノシリル基、置換基を有していてもよいアリール基、置換基を有していてもよいアラアルキル基、または置換基を有していてもよい脂環式基であり;Rは、アルキル基または置換基を有していてもよいアリール基である。)である。)
で表されるアゼチジノン誘導体を、下記一般式(7):
MgR (7)
(式中、R は、(1) 炭素数1乃至12のアルキル基、(2) 炭素数2乃至5のアルケニル基、(3) 炭素数1乃至4の低級アルキル基が置換していてもよい5乃至8員環の脂環式基、(4) 炭素数1乃至4の低級アルキル基、炭素数1乃至4の低級アルコキシ基、ハロゲン原子が置換していてもよいフェニル基、(5) 炭素数1乃至4の低級アルキル基、炭素数1乃至4の低級アルコキシ基、ハロゲン原子が置換していてもよいベンジル基、(6) 炭素数1乃至12のアルキル基が置換したジアルキルアミノ基であり;R は、(1) 炭素数1乃至12のアルキル基、(2) 炭素数2乃至5のアルケニル基、(3) 炭素数1乃至4の低級アルキル基が置換していてもよい5乃至8員環の脂環式基、(4) 炭素数1乃至4の低級アルキル基、炭素数1乃至4の低級アルコキシ基、ハロゲン原子が置換していてもよいフェニル基、(5) 炭素数1乃至4の低級アルキル基、炭素数1乃至4の低級アルコキシ基、ハロゲン原子が置換していてもよいベンジル基、(6) 炭素数1乃至12のアルキル基が置換したジアルキルアミノ基、(7) ハロゲン原子、(8) メタンスルホニルオキシ基、(9) ベンゼンスルホニルオキシ基、(10) p−トルエンスルホニルオキシ基、(11) トリフルオロメタンスルホニルオキシ基、(12) ハロゲン原子、シアノ基が置換していてもよいアセトキシ基、又は(13) OR10 基(R10は炭素数1乃至4の低級アルキル基、置換基を有していてもよいフェニル基、又は置換基を有していてもよいベンジル基である。)である。)
で表されるマグネシウム化合物の存在下で反応させた後、水酸基の活性エステル剤で処理することを特徴とする下記一般式(5):
Figure 0004463520
(式中、R乃至Rは、前記と同義であり;Lは、水酸基の活性エステル基である。)
で表されるカルバペネム化合物を製造方法。
2.一般式(4):
Figure 0004463520

(式中、RおよびRは、同一でも異なっていてもよく、水素原子および低級アルキル基であり;Rは、水素原子および低級アルキル基であり;Rは、水素原子および水酸基の保護基であり;Rは、カルボキシル基の保護基であり;R は、(1) 炭素数1乃至12のアルキル基、(2) 炭素数2乃至5のアルケニル基、(3) 炭素数1乃至4の低級アルキル基が置換していてもよい5乃至8員環の脂環式基、(4) 炭素数1乃至4の低級アルキル基、炭素数1乃至4の低級アルコキシ基、ハロゲン原子が置換していてもよいフェニル基、(5) 炭素数1乃至4の低級アルキル基、炭素数1乃至4の低級アルコキシ基、ハロゲン原子が置換していてもよいベンジル基、(6) 炭素数1乃至12のアルキル基が置換したジアルキルアミノ基であり;R は、(1) 炭素数1乃至12のアルキル基、(2) 炭素数2乃至5のアルケニル基、(3) 炭素数1乃至4の低級アルキル基が置換していてもよい5乃至8員環の脂環式基、(4) 炭素数1乃至4の低級アルキル基、炭素数1乃至4の低級アルコキシ基、ハロゲン原子が置換していてもよいフェニル基、(5) 炭素数1乃至4の低級アルキル基、炭素数1乃至4の低級アルコキシ基、ハロゲン原子が置換していてもよいベンジル基、(6) 炭素数1乃至12のアルキル基が置換したジアルキルアミノ基、(7) ハロゲン原子、(8) メタンスルホニルオキシ基、(9) ベンゼンスルホニルオキシ基、(10) p−トルエンスルホニルオキシ基、(11) トリフルオロメタンスルホニルオキシ基、(12) ハロゲン原子、シアノ基が置換していてもよいアセトキシ基、又は(13) OR10 基(R10は炭素数1乃至4の低級アルキル基、置換基を有していてもよいフェニル基、又は置換基を有していてもよいベンジル基(置換基としては、メチル、エチル、プロピル、イソプロピル、ブチル、イソブチル、sec−ブチル、tert−ブチル、メトキシ、エトキシ、プロポキシ、イソプロポキシ、ブトキシ、イソブトキシ、sec−ブトキシ、tert−ブトキシ、フッ素原子、塩素原子、臭素原子、ヨウ素原子)である。)であり;m及びnは、0〜1であり、mとnは同時に1ではない。)
で表されるカルバペネム誘導体。

3.下記一般式(3):
Figure 0004463520
(式中、RおよびRは、同一でも異なっていてもよく、水素原子および低級アルキル基であり;Rは、水素原子および低級アルキル基であり;Rは、水素原子および水酸基の保護基であり;Rは、カルボキシル基の保護基であり;Yは、活性エステル基、置換基を有していてもよいアリールチオ基、置換基を有していてもよいヘテロアリールチオ基、置換基を有していてもよいアラアルキルチオ基、置換基を有していてもよいアリールオキシ基、置換基を有していてもよいヘテロアリールオキシ基、又はN(R)SO 基(Rは、アルキル基、アルケニル基、オルガノシリル基、置換基を有していてもよいアリール基、置換基を有していてもよいアラアルキル基、または置換基を有していてもよい脂環式基であり;Rは、アルキル基または置換基を有していてもよいアリール基である。)である)
で表されるアゼチジノン誘導体を、下記一般式(7):
MgR (7)
(式中、R は、(1) 炭素数1乃至12のアルキル基、(2) 炭素数2乃至5のアルケニル基、(3) 炭素数1乃至4の低級アルキル基が置換していてもよい5乃至8員環の脂環式基、(4) 炭素数1乃至4の低級アルキル基、炭素数1乃至4の低級アルコキシ基、ハロゲン原子が置換していてもよいフェニル基、(5) 炭素数1乃至4の低級アルキル基、炭素数1乃至4の低級アルコキシ基、ハロゲン原子が置換していてもよいベンジル基、(6) 炭素数1乃至12のアルキル基が置換したジアルキルアミノ基であり;R は、(1) 炭素数1乃至12のアルキル基、(2) 炭素数2乃至5のアルケニル基、(3) 炭素数1乃至4の低級アルキル基が置換していてもよい5乃至8員環の脂環式基、(4) 炭素数1乃至4の低級アルキル基、炭素数1乃至4の低級アルコキシ基、ハロゲン原子が置換していてもよいフェニル基、(5) 炭素数1乃至4の低級アルキル基、炭素数1乃至4の低級アルコキシ基、ハロゲン原子が置換していてもよいベンジル基、(6) 炭素数1乃至12のアルキル基が置換したジアルキルアミノ基、(7) ハロゲン原子、(8) メタンスルホニルオキシ基、(9) ベンゼンスルホニルオキシ基、(10) p−トルエンスルホニルオキシ基、(11) トリフルオロメタンスルホニルオキシ基、(12) ハロゲン原子、シアノ基が置換していてもよいアセトキシ基、又は(13) OR10 基(R10は炭素数1乃至4の低級アルキル基、置換基を有していてもよいフェニル基、又は置換基を有していてもよいベンジル基である。)である。)
で表されるマグネシウム化合物の存在下で反応させることを特徴とする一般式(4):
Figure 0004463520
(式中、RおよびRは、同一でも異なっていてもよく、水素原子および低級アルキル基であり;Rは、水素原子および低級アルキル基であり;Rは、水酸基の保護基であり;Rは、カルボキシル基の保護基であり;R は、(1) 炭素数1乃至12のアルキル基、(2) 炭素数2乃至5のアルケニル基、(3) 炭素数1乃至4の低級アルキル基が置換していてもよい5乃至8員環の脂環式基、(4) 炭素数1乃至4の低級アルキル基、炭素数1乃至4の低級アルコキシ基、ハロゲン原子が置換していてもよいフェニル基、(5) 炭素数1乃至4の低級アルキル基、炭素数1乃至4の低級アルコキシ基、ハロゲン原子が置換していてもよいベンジル基、(6) 炭素数1乃至12のアルキル基が置換したジアルキルアミノ基であり;R は、(1) 炭素数1乃至12のアルキル基、(2) 炭素数2乃至5のアルケニル基、(3) 炭素数1乃至4の低級アルキル基が置換していてもよい5乃至8員環の脂環式基、(4) 炭素数1乃至4の低級アルキル基、炭素数1乃至4の低級アルコキシ基、ハロゲン原子が置換していてもよいフェニル基、(5) 炭素数1乃至4の低級アルキル基、炭素数1乃至4の低級アルコキシ基、ハロゲン原子が置換していてもよいベンジル基、(6) 炭素数1乃至12のアルキル基が置換したジアルキルアミノ基、(7) ハロゲン原子、(8) メタンスルホニルオキシ基、(9) ベンゼンスルホニルオキシ基、(10) p−トルエンスルホニルオキシ基、(11) トリフルオロメタンスルホニルオキシ基、(12) ハロゲン原子、シアノ基が置換していてもよいアセトキシ基、又は(13) OR10 基(R10は炭素数1乃至4の低級アルキル基、置換基を有していてもよいフェニル基、又は置換基を有していてもよいベンジル基である。)であり;m及びnは、0〜1であり、mとnは同時に1ではない。)
で表されるカルバペネム誘導体の製造方法。
4.前記一般式(3)で表されるアゼチジノン誘導体において、Yが、N(R)SO 基(RおよびRは、前記と同義である。)である第1項または第3項に記載の製造方法。
5.前記一般式(7)で合わされるマグネシウム化合物が、メチルマグネシウムクロリド、メチルマグネシウムブロミド、メチルマグネシウムヨージド、メチルマグネシウムメタンスルホナート、メチルマグネシウムtert−ブトキシド、エチルマグネシウムクロリド、エチルマグネシウムブロミド、エチルマグネシウムヨージド、エチルマグネシウムメタンスルホナート、エチルマグネシウムtert−ブトキシド、プロピルマグネシウムクロリド、プロピルマグネシウムブロミド、プロピルマグネシウムヨージド、プロピルマグネシウムメタンスルホナート、プロピルマグネシウムtert−ブトキシド、iso−プロピルマグネシウムクロリド、iso−プロピルマグネシウムブロミド、iso−プロピルマグネシウムヨージド、iso−プロピルマグネシウムメタンスルホナート、iso−プロピルマグネシウムtert−ブトキシド、n−ブチルマグネシウムクロリド、n−ブチルマグネシウムブロミド、n−ブチルマグネシウムヨージド、n−ブチルマグネシウムメタンスルホナート、n−ブチルマグネシウムtert−ブトキシド、sec−ブチルマグネシウムクロリド、sec−ブチルマグネシウムブロミド、sec−ブチルマグネシウムヨージド、sec−ブチルマグネシウムメタンスルホナート、sec−ブチルマグネシウムtert−ブトキシド、iso−ブチルマグネシウムクロリド、iso−ブチルマグネシウムブロミド、iso−ブチルマグネシウムヨージド、iso−ブチルマグネシウムメタンスルホナート、iso−ブチルマグネシウムtert−ブトキシド、tert−ブチルマグネシウムクロリド、tert−ブチルマグネシウムブロミド、tert−ブチルマグネシウムヨージド、tert−ブチルマグネシウムメタンスルホナート、tert−ブチルマグネシウムtert−ブトキシド、フェニルマグネシウムクロリド、フェニルマグネシウムブロミド、フェニルマグネシウムヨージド、フェニルマグネシウムメタンスルホナート、フェニルマグネシウムtert−ブトキシド、p−トリルマグネシウムクロリド、p−トリルマグネシウムブロミド、p−トリルマグネシウムヨージド、p−トリルマグネシウムメタンスルホナート、p−トリルマグネシウムtert−ブトキシド、ベンジルマグネシウムクロリド、ベンジルマグネシウムブロミド、ベンジルマグネシウムヨージド、ベンジルマグネシウムメタンスルホナート、ベンジルマグネシウムtert−ブトキシドから選択される一つである第1項、第3項または第4項に記載の製造方法。
本発明は、抗菌物質として有用なカルパペネム系抗生物質の製造に好適に用いられる1β−カルバペネム誘導体を工業的に製造するための重要な合成中間体であるカルバペネム化合物を、温和な条件で、短工程で収率良く製造する方法を提供するものである点に顕著な効果を奏する。
以下に本発明について詳細に説明する。
カルバペネム化合物を製造するための本発明の方法は、以下に示される反応にしたがって行われる。
Figure 0004463520
(式中、RおよびRは、同一でも異なっていてもよく、水素原子および低級アルキル基であり;Rは、水素原子および低級アルキル基であり;Rは、水素原子および水酸基の保護基であり;Rは、カルボキシル基の保護基であり;R は、(1) 炭素数1乃至12のアルキル基、(2) 炭素数2乃至5のアルケニル基、(3) 炭素数1乃至4の低級アルキル基が置換していてもよい5乃至8員環の脂環式基、(4) 炭素数1乃至4の低級アルキル基、炭素数1乃至4の低級アルコキシ基、ハロゲン原子が置換していてもよいフェニル基、(5) 炭素数1乃至4の低級アルキル基、炭素数1乃至4の低級アルコキシ基、ハロゲン原子が置換していてもよいベンジル基、(6) 炭素数1乃至12のアルキル基が置換したジアルキルアミノ基であり;R は、(1) 炭素数1乃至12のアルキル基、(2) 炭素数2乃至5のアルケニル基、(3) 炭素数1乃至4の低級アルキル基が置換していてもよい5乃至8員環の脂環式基、(4) 炭素数1乃至4の低級アルキル基、炭素数1乃至4の低級アルコキシ基、ハロゲン原子が置換していてもよいフェニル基、(5) 炭素数1乃至4の低級アルキル基、炭素数1乃至4の低級アルコキシ基、ハロゲン原子が置換していてもよいベンジル基、(6) 炭素数1乃至12のアルキル基が置換したジアルキルアミノ基、(7) ハロゲン原子、(8) メタンスルホニルオキシ基、(9) ベンゼンスルホニルオキシ基、(10) p−トルエンスルホニルオキシ基、(11) トリフルオロメタンスルホニルオキシ基、(12) ハロゲン原子、シアノ基が置換していてもよいアセトキシ基、又は(13) OR10 基(R10は炭素数1乃至4の低級アルキル基、置換基を有していてもよいフェニル基、又は置換基を有していてもよいベンジル基である。)であり;Xは、ハロゲン原子および水酸基の活性エステル基であり;Yは、活性エステル基、置換基を有していてもよいアリールチオ基、置換基を有していてもよいヘテロアリールチオ基、置換基を有していてもよいアラアルキルチオ基、置換基を有していてもよいアリールオキシ基、置換基を有していてもよいヘテロアリールオキシ基、又はN(R)SO 基(Rは、アルキル基、アルケニル基、オルガノシリル基、置換基を有していてもよいアリール基、置換基を有していてもよいアラアルキル基、または置換基を有していてもよい脂環式基であり;Rは、アルキル基または置換基を有していてもよいアリール基である。)であり;Lは、水酸基の活性エステル基であり;m及びnは、0〜1であり、mとnは同時に1ではない。)
すなわち、アゼチジノン化合物(1)と酢酸エステル誘導体(2)とを反応させて得られるアゼチジノン誘導体(3)を、マグネシウム化合物(7)によって環化して、カルバペネム誘導体(4)を製造し、それに活性エステル化剤と処理することによってカルバペネム化合物(5)が得られる。
本発明の製造方法において、RおよびRとしては、同一であっても異なっていてもよく、水素原子および低級アルキル基であり、低級アルキル基の具体例としては、例えば、メチル基、エチル基、n−プロピル基、イソプロピル基、n−ブチル基、イソブチル基、sec−ブチル基、tert−ブチル基、等の炭素数1〜4のアルキル基が挙げられる。
好ましいRおよびRとしては、水素原子またはメチル基が挙げられる。
としては、水素原子および低級アルキル基であり、低級アルキル基の具体例としては、例えば、メチル基、エチル基、n−プロピル基、イソプロピル基、n−ブチル基、イソブチル基、sec−ブチル基、tert−ブチル基、等の炭素数1〜4のアルキル基が挙げられる。
好ましいRとしては、水素原子またはメチル基が挙げられる。
としては、水素原子又は水酸基の保護基であり、このような水酸基の保護基としては、たとえばペプチド化学、β−ラクタム化合物の分野で用いられるもの等を用いることができる。
例えば、トリメチルシリル基、トリエチルシリル基、トリイソプロピルシリル基、ジメチルイソプロピルシリル基、ジエチルイソプロピルシリル基、ジメチル(2,3−ジメチル−2−ブチル)シリル基、tert−ブチルジメチルシリル基、ジメチルヘキシルシリル基などのトリ−炭素数1〜6アルキルシリル基、ジメチルクミルシリル基などのジ−炭素数1〜6アルキル−炭素数6〜18アリールシリル基、tert−ブチルジフェニルシリル基、ジフェニルメチルシリル基などのジ−炭素数6〜18アリール−炭素数1〜6アルキルシリル基、トリフェニルシリル基などのトリ−炭素数6〜18アリールシリル基、トリベンジルシリル基、トリ−p−キシリルシリル基などのトリ−炭素数7〜19アラルキルシリル基等のトリ置換シリル基;例えば、ベンジル基、4−メトキシベンジル基、2−ニトロベンジル基、4−ニトロベンジル基、ジフェニルメチル基、トリフェニルメチル基等の炭素数1〜4アルコキシ基(例えば、メトキシ基、エトキシ基、等)またはニトロ基で1〜3個置換されていてもよい炭素数7〜19アラルキル基;例えば、メトキシカルボニル基、エトキシカルボニル基、tert−ブトキシカルボニル基、2,2,2−トリクロロエトキシカルボニル基、2−トリメチルシリルエトキシカルボニル基等の炭素数1〜4アルコキシ基(例えば、メトキシ基、エトキシ基、等)、ハロゲン原子(例えば、フッ素、塩素、臭素、ヨウ素、等)またはトリ−炭素数1〜4アルキルシリル(例えば、トリメチルシリル基、等)等で1〜3個置換されていてもよい炭素数1〜6のアルキルオキシカルボニル基;例えば、ベンジルオキシカルボニル基、2−ニトロベンジルオキシカルボニル基、4−ニトロベンジルオキシカルボニル基、4−メトキシベンジルオキシカルボニル基、3,4−ジメトキシベンジルオキシカルボニル基等の炭素数1〜4アルコキシ基(例えば、メトキシ基、エトキシ基、等)またはニトロ基で1〜3個置換されていてもよい炭素数7〜10アラルキルオキシカルボニル基;例えば、ビニルオキシカルボニル基、アリルオキシカルボニル基等の炭素数2〜6アルケニルオキシカルボニル基;例えば、ホルミル基、アセチル基、クロロアセチル基、ジクロロアセチル基、トリクロロアセチル基、トリフルオロアセチル基、プロピオニル基、ブチリル基、ベンゾイル基、4−トルオイル基、4−アニソイル基、4−ニトロベンゾイル基等のハロゲン原子(例えば、フッ素、塩素、臭素、ヨウ素、等)またはニトロ等で1〜3個置換されていてもよいアシル基;例えば、テトラヒドロピラニル基などが用いられる。
好ましいRとしては、炭素数7〜19アラルキルオキシカルボニル基(例えば、ベンジルオキシカルボニル基、4−ニトロベンジルオキシカルボニル基、等)、炭素数2〜6アルケニルオキシカルボニル基(例えば、アリルオキシカルボニル基、等)、トリ−炭素数1〜6アルキルシリル基等が用いられ、より好ましくは、tert−ブチルジメチルシリル基等が用いられる。
としては、カルボキシル基の保護基であり、カルボキシ機の保護基としては一般的に用いられるもので可能であるが、例えば、メチル基、エチル基、イソプロピル基、t−ブチル基などの炭素数1〜4の低級アルキル基;2−ヨウ化エチル基、2,2,2−トリクロロエチル基などの炭素数1〜4のハロゲノ低級アルキル基;メトキシメチル基、エトキシメチル基、イソブトキシメチル基などの(炭素数1〜4の低級アルコキシ)メチル基;アセトキシメチル基、プロピオニルオキシメチル基、ブチリルオキシメチル基、ピバロイルオキシメチル基などの(炭素数1〜5の低級脂肪族アシル)オキシメチル基;アリル基、2−メチルアリル基、3−メチルアリル基、3−フェニルアリル基などの炭素数3〜10の置換または無置換の低級アルケニル基;ベンジル基、p−またはo−ニトロベンジル基、p−クロロベンジル基などの置換または無置換のモノアリールアルキル基が挙げられる。
Xとしては、ハロゲン原子および水酸基の活性エステル基であり、ハロゲン原子としては、例えば、塩素、臭素、ヨウ素などを挙げることができ;また、水酸基の活性エステル基としては、例えば、ベンゼンスルホニルオキシ基、p−トルエンスルホニルオキシ基、p−ニトロベンゼンスルホニルオキシ基、p−ブロモベンゼンスルホニルオキシ基などの置換もしくは無置換アリールスルホニルオキシ基、メタンスルホニルオキシ基、エタンスルホニルオキシ基などの炭素数1〜4の低級アルカンスルホニルオキシ基、トリフルオロメタンスルホニルオキシ基などの炭素数1〜4のハロゲノ低級アルカンスルホニルオキシ基などを挙げることができる。
好ましいXとしては、ハロゲン原子を挙げることができる。
Yとしては、活性エステル基、置換基を有していてもよいアリールチオ基、置換基を有していてもよいヘテロアリールチオ基、置換基を有していてもよいアラアルキルチオ基、置換基を有していてもよいアリールオキシ基、置換基を有していてもよいヘテロアリールオキシ基、又はN(R)SO 基(Rは、アルキル基、アルケニル基、オルガノシリル基、置換基を有していてもよいアリール基、置換基を有していてもよいアラアルキル基、または置換基を有していてもよい脂環式基であり;Rは、アルキル基または置換基を有していてもよいアリール基である。)である。
ここで、Yが活性エステル基である場合、例えば、イミダゾール基、トリアゾール基のようなヘテロアリール基;N−サクシイミドオキシ基、N−フタルイミドオキシ基、ベンズトリアゾリルオキシ基のような環状イミドオキシ基;3−(2−チオキソ)チアゾリジニル基のようなヘテロシクロアルキル基などを挙げることができる。
置換基を有していてもよいアリールチオ基である場合、例えば、フェニル基、1〜3個の塩素、臭素、ヨウ素等のハロゲン原子で置換されたハロゲノフェニル基、p−またはo−ニトロフェニル、p−メトキシフェニル基等が挙げられる。置換基を有していてもよいヘテロアリールチオ基である場合、例えば、2−、3−または4−ピリジル基、2−ピリミジル基、2−(4,6−ジメチル)ピリミジル基等が挙げられる。
置換基を有していてもよいアラアルキルチオ基である場合、例えば、ベンジル基、p−メトキシベンジル基、2,4−ジメトキシベンジル基、p−またはo−ニトロベンジル基、p−クロロベンジル基のような置換または無置換のモノアリールアルキル基を挙げることができる。置換基を有していてもよいアリールオキシ基である場合、例えば、p−またはo−ニトロフェニルオキシ基、2,4−ジニトロフェニルオキシ基、1〜3個の塩素、臭素、ヨウ素等のハロゲン原子で置換されたハロゲノフェニルオキシ基等が挙げられる。置換基を有していてもよいヘテロアリールオキシカルボニル基である場合、例えば、2−、3−または4−ピリジルオキシ基などが挙げられる。
YがN(R)SO 基である場合、Rは、アルキル基、アルケニル基、オルガノシリル基、置換基を有していてもよいアリール基、置換基を有していてもよいアラアルキル基、または置換基を有していてもよい脂環式基であり;Rは、アルキル基または置換基を有していてもよいアリール基である。
ここで、Rがアルキル基の具体例としては、例えば、メチル基、エチル基、n−プロピル基、イソプロピル基、n−ブチル基、イソブチル基、sec−ブチル基、tert−ブチル基、n−ペンチル基、イソペンチル基、ネオペンチル基、ヘキシル、ヘプチル、オクチル、ノニル、デシル、ウンデシル、ドデシル、等の炭素数1〜12のアルキル基が挙げられる。
アルケニル基の具体例としては、例えば、ビニル、アリル、1-プロペニル、イソプロペニル、1−ブテニル、2−ブテニル、2−メチルアリル、等の炭素数2乃至5のアルケニル基が挙げられる。
オルガノシリル基の具体例としては、例えば、トリメチルシリル基、トリエチルシリル基、トリイソプロピルシリル基、ジメチルイソプロピルシリル基、ジエチルイソプロピルシリル基、ジメチル(2,3−ジメチル−2−ブチル)シリル基、tert−ブチルジメチルシリル基、ジメチルヘキシルシリル基などのトリ−炭素数1〜6アルキルシリル基;ジメチルクミルシリル基などのジ−炭素数1〜6アルキル−炭素数6〜18アリールシリル基;tert−ブチルジフェニルシリル基、ジフェニルメチルシリル基などのジ−炭素数6〜18アリール−炭素数1〜6アルキルシリル基;トリフェニルシリル基などのトリ−炭素数6〜18アリールシリル基;トリベンジルシリル基、トリ−p−キシリルシリル基などのトリ−炭素数7〜19アラルキルシリル基等のトリ置換シリル基が挙げられる。
置換基を有していてもよいアリール基において、アリール基の具体例としては、フェニル基、α−ナフチル基、β−ナフチル基、ファネンスリル基などを例示することができる。ここで置換基の具体例としては、メチル基、エチル基、プロピル基、イソプロピル基、ブチル基、イソブチル基、sec−ブチル基、tert−ブチル基などの炭素数1乃至4の低級アルキル基、メトキシ基、エトキシ基、プロポキシ基、イソプロポキシ基、ブトキシ基、イソブトキシ基、sec−ブトキシ基、tert−ブトキシ基などの炭素数1乃至4の低級アルコキシ基、フッ素、塩素、臭素、ヨウ素などのハロゲン原子、ニトロ基などを例示することができる。
置換基を有していてもよいアラアルキル基において、アラアルキル基の具体例としては、ベンジル基、α-フェニルエチル基、β-フェニルエチル基、α-フェニルプロピル基、β-フェニルプロピル基、γ-フェニルプロピル基、ナフチルメチル基などの炭素数6乃至13のアラアルキル基が例示することができる。ここで置換基の具体例としては、メチル基、エチル基、プロピル基、イソプロピル基、ブチル基、イソブチル基、sec−ブチル基、tert−ブチル基などの炭素数1乃至4の低級アルキル基、メトキシ基、エトキシ基、プロポキシ基、イソプロポキシ基、ブトキシ基、イソブトキシ基、sec−ブトキシ基、tert−ブトキシ基などの炭素数1乃至4の低級アルコキシ基、フッ素、塩素、臭素、ヨウ素などのハロゲン原子、ニトロ基などを例示することができる。
置換基を有していてもよい脂環式基において脂環式基の具体例としては、シクロペンチツ基、シクロヘキシル基、シクトヘプチル基、シクロオクチル基などの5乃至8員環の脂環式基が例示することができ、ここで置換基の具体例としては、メチル基、エチル基、プロピル基、イソプロピル基、ブチル基、イソブチル基、sec−ブチル基、tert−ブチル基などの炭素数1乃至4の低級アルキル基を例示することができる。
好ましいRとしては、メチル基、エチル基、プロピル基、イソプロピル基、ブチル基、tert−ブチル基などの炭素数1乃至4の低級アルキル基;ベンジル基、α−フェニルエチル、α−ナフチルエチル基などの置換基を有していてもよい炭素数6〜13のアラアルキル基;ビニル基、アリル基などの炭素数2〜5のアルケニル基等を例示することができる。
がアルキル基の具体例としては、例えば、メチル基、エチル基、n−プロピル基、イソプロピル基、n−ブチル基、イソブチル基、sec−ブチル基、tert−ブチル基、n−ペンチル基、イソペンチル基、ネオペンチル基、ヘキシル、ヘプチル、オクチル、ノニル、デシル、ウンデシル、ドデシル、等の炭素数1〜12のアルキル基が挙げられる。
置換基を有していてもよいアリール基において、アリール基の具体例としては、フェニル基、α−ナフチル基、β−ナフチル基、ファネンスリル基などを例示することができる。ここで置換基の具体例としては、メチル基、エチル基、プロピル基、イソプロピル基、ブチル基、イソブチル基、sec−ブチル基、tert−ブチル基などの炭素数1乃至4の低級アルキル基、メトキシ基、エトキシ基、プロポキシ基、イソプロポキシ基、ブトキシ基、イソブトキシ基、sec−ブトキシ基、tert−ブトキシ基などの炭素数1乃至4の低級アルコキシ基、フッ素、塩素、臭素、ヨウ素などのハロゲン原子、ニトロ基などを例示することができる。
好ましいRとしては、メチル基、エチル基、プロピル基、イソプロピル基、ブチル基、tert−ブチル基などの炭素数1乃至4の低級アルキル基;フェニル基、トリル基、ナフチル基などの置換基を有していてもよい炭素数5〜10のアリール基等を例示することができる。
好適なYとしては、活性エステル、置換基を有していてもよいアリールチオカルボニル基、置換基を有していてもよいヘテロアリールチオカルボニル基、N(R)SO 基、などを挙げることができる。
本発明においてLとは、水酸基と活性エステル化剤との反応によって誘導されるエステル基であり、Lにおける置換もしくは無置換アリールスルホン酸エステル基(置換もしくは無置換アリールスルホニルオキシ基)としては、例えばベンゼンスルホン酸エステル基、p−トルエンスルホン酸エステル基、p−ニトロベンゼンスルホン酸エステル基、p−ブロモベンゼンスルホン酸エステル基などを、低級アルカンスルホン酸エステル基(低級アルカンスルホニルオキシ基)としては、例えばメタンスルホン酸エステル基、エタンスルホン酸エステル基などを、ハロゲノ低級アルカンスルホン酸エステル基(ハロゲノ低級アルカンスルホニルオキシ基)としては、例えばトリフルオロメタンスルホン酸エステル基などを、ジ−低級アルキルホスホリックアシッドエステル基(ジ低級アルキルホスホリルオキシ基)としては、例えばジメチルホスホリックアシッドエステル基、ジエチルホスホリックアシッドエステル基などを、ジ−ハロゲノ低級アルキルホスホリックアシッドエステル基(ジ(ハロゲノ低級アルキル)ホスホリルオキシ基)としては、例えばジ(トリクロロエチル)ホスホリックアシッドエステル基などを、ジ(置換もしくは無置換アリール)ホスホリックアシッドエステル基(ジ(置換または無置換アリール)ホスホリルオキシ基)としては、例えばジフェニルホスホリックアシッドエステル基、ジ−p−クロロフェニルホスホリックアシッドエステル基、ジトリルホスホリックアシッドエステル基などを挙げることができる。
このようなアルコールの活性エステル基の中で好適なものとしては、p−トルエンスルホン酸エステル基、メタンスルホン酸エステル基、ジフェニルホスホリックアシッドエステル基を挙げることができる。従って、水酸基の活性エステル化剤とはカルバペネム誘導体(4)と反応して上述のような活性エステルを生成する試剤である。具体的に使用されうる活性エステル化試剤は、ベンゼンスルホニルクロリド、p−トルエンスルホニルクロリド、無水−p−トルエンスルホン酸、p−ニトロベンゼンスルホニルクロリド、p−ブロモベンゼンスルホニルクロリド、メタンスルホニルクロリド、エタンスルホニルクロリド、トリフルオロメタンスルホニルクロリド、無水メタンスルホン酸、無水トリフルオロメタンスルホン酸、ジメチルクロロホスフェート、ジエチルクロロホスフェート、ジ(トリクロロエチル)クロロホスフェート、ジフェニルクロロホスフェート、ジ−p−クロロフェニルクロロホスフェート、ジトリルクロロホスフェートなどを挙げることができる。
本発明の一般式(7)のマグネシウム化合物および一般式(4)のカルバペネム誘導体において、R は、(1) 炭素数1乃至12のアルキル基、(2) 炭素数2乃至5のアルケニル基、(3) 炭素数1乃至4の低級アルキル基が置換していてもよい5乃至8員環の脂環式基、(4) 炭素数1乃至4の低級アルキル基、炭素数1乃至4の低級アルコキシ基、ハロゲン原子が置換していてもよいフェニル基、(5) 炭素数1乃至4の低級アルキル基、炭素数1乃至4の低級アルコキシ基、ハロゲン原子が置換していてもよいベンジル基、(6) 炭素数1乃至12のアルキル基が置換したジアルキルアミノ基であり;R は、(1) 炭素数1乃至12のアルキル基、(2) 炭素数2乃至5のアルケニル基、(3) 炭素数1乃至4の低級アルキル基が置換していてもよい5乃至8員環の脂環式基、(4) 炭素数1乃至4の低級アルキル基、炭素数1乃至4の低級アルコキシ基、ハロゲン原子が置換していてもよいフェニル基、(5) 炭素数1乃至4の低級アルキル基、炭素数1乃至4の低級アルコキシ基、ハロゲン原子が置換していてもよいベンジル基、(6) 炭素数1乃至12のアルキル基が置換したジアルキルアミノ基、(7) ハロゲン原子、(8) メタンスルホニルオキシ基、(9) ベンゼンスルホニルオキシ基、(10) p−トルエンスルホニルオキシ基、(11) トリフルオロメタンスルホニルオキシ基、(12) ハロゲン原子、シアノ基が置換していてもよいアセトキシ基、又は(13) OR10 基(R10は炭素数1乃至4の低級アルキル基、置換基を有していてもよいフェニル基、又は置換基を有していてもよいベンジル基である。)である。
ここで、Rの具体例としては、(1) メチル、エチル、プロピル、イソプロピル、ブチル、イソブチル、sec−ブチル、tert−ブチル、ペンチル、ヘキシル、ヘプチル、オクチル、ノニル、デシル、ウンデシル、ドデシルなどの炭素数1乃至12のアルキル基、(2) ビニル、アリル、1-プロペニル、イソプロペニル、1-ブテニル、2-ブテニル、2-メチルアリルなどの炭素数2乃至4のアルケニル基、(3) シクロペンチル、シクロヘキシル、シクロヘプチル、シクロオクチルなどの置換基を有していてもよい5乃至8員環の脂環式基(ここで置換基とは、メチル、エチル、プロピル、イソプロピル、ブチル、イソブチル、sec−ブチル、tert−ブチルなどの炭素数1乃至4の低級アルキル基である。)、(4),(5) 置換基を有していてもよいフェニル基または置換基を有していてもよいベンジル基(ここで置換基とは、メチル、エチル、プロピル、イソプロピル、ブチル、イソブチル、sec−ブチル、tert−ブチルなどの炭素数1乃至4の低級アルキル基、メトキシ、エトキシ、プロポキシ、イソプロポキシ、ブトキシ、イソブトキシ、sec−ブトキシ、tert−ブトキシなどの炭素数1乃至4の低級アルコキシ基、フッ素原子、塩素原子、臭素原子、ヨウ素原子などのハロゲン原子である。)、(6) ジエチルアミノ、ジイソプロピルアミノ、ピペリジル、ピロリジルなどの炭素数1乃至12のアルキル基が置換したジアルキルアミノ基を例示することができる。
の具体例としては、(1) メチル、エチル、プロピル、イソプロピル、ブチル、イソブチル、sec−ブチル、tert−ブチル、ペンチル、ヘキシル、ヘプチル、オクチル、ノニル、デシル、ウンデシル、ドデシルなどの炭素数1乃至12のアルキル基、(2) ビニル、アリル、1-プロペニル、イソプロペニル、1-ブテニル、2-ブテニル、2-メチルアリルなどの炭素数2乃至4のアルケニル基、(3) シクロペンチル、シクロヘキシル、シクロヘプチル、シクロオクチルなどの置換基を有していてもよい5乃至8員環の脂環式基(ここで置換基とは、メチル、エチル、プロピル、イソプロピル、ブチル、イソブチル、sec−ブチル、tert−ブチルなどの炭素数1乃至4の低級アルキル基である。)、(4),(5) 置換基を有していてもよいフェニル基または置換基を有していてもよいベンジル基(ここで置換基とは、メチル、エチル、プロピル、イソプロピル、ブチル、イソブチル、sec−ブチル、tert−ブチルなどの炭素数1乃至4の低級アルキル基、メトキシ、エトキシ、プロポキシ、イソプロポキシ、ブトキシ、イソブトキシ、sec−ブトキシ、tert−ブトキシなどの炭素数1乃至4の低級アルコキシ基、フッ素原子、塩素原子、臭素原子、ヨウ素原子などのハロゲン原子である。)(6) ジエチルアミノ、ジイソプロピルアミノ、ピペリジル、ピロリジルなどの炭素数1乃至12のアルキル基が置換したジアルキルアミノ基、(7) フッ素原子、塩素原子、臭素原子、ヨウ素原子などのハロゲン原子、(8) メタンスルホニルオキシ基、(9) ベンゼンスルホニルオキシ基、(10) p−トルエンスルホニルオキシ基、(11) トリフルオロメタンスルホニルオキシ基、(12) ハロゲン原子、シアノ基が置換していてもよいアセトキシ基(ここで、具体例としてはα−フルオロアセトキシ、α−クロロアセトキシ、α−ブロモアセトキシ、α−ヨードアセトキシ、α, α−ジフルオロアセトキシ、α, α−ジクロロアセトキシ、α−シアノアセトキシなどのハロゲン原子、シアノ基が置換していてもよいアセトキシ基である。)、(13) OR10 基(ここで、R10 の具体例としてはメチル、エチル、プロピル、イソプロピル、ブチル、イソブチル、sec−ブチル、tert−ブチルなどの炭素数1乃至4の低級アルキル基、置換基を有していてもよいフェニル基または置換基を有していてもよいベンジル基(ここで置換基とは、メチル、エチル、プロピル、イソプロピル、ブチル、イソブチル、sec−ブチル、tert−ブチルなどの炭素数1乃至4の低級アルキル基、メトキシ、エトキシ、プロポキシ、イソプロポキシ、ブトキシ、イソブトキシ、sec−ブトキシ、tert−ブトキシなどの炭素数1乃至4の低級アルコキシ基、フッ素原子、塩素原子、臭素原子、ヨウ素原子などのハロゲン原子である。)が例示される。)などを例示することができる。
具体的な一般式(7)のマグネシウム化合物としては、メチルマグネシウムクロリド、メチルマグネシウムブロミド、メチルマグネシウムヨージド、メチルマグネシウムメタンスルホナート、メチルマグネシウムp−トルエンスルホナート、メチルマグネシウムメトキシド、メチルマグネシウムエトキシド、メチルマグネシウムtert−ブトキシド、メチルマグネシウムフェノキシド、エチルマグネシウムクロリド、エチルマグネシウムブロミド、エチルマグネシウムヨージド、エチルマグネシウムメタンスルホナート、エチルマグネシウムp−トルエンスルホナート、エチルマグネシウムメトキシド、エチルマグネシウムエトキシド、エチルマグネシウムtert−ブトキシド、エチルマグネシウムフェノキシド、プロピルマグネシウムクロリド、プロピルマグネシウムブロミド、プロピルマグネシウムヨージド、プロピルマグネシウムメタンスルホナート、プロピルマグネシウムp−トルエンスルホナート、プロピルマグネシウムメトキシド、プロピルマグネシウムエトキシド、プロピルマグネシウムtert−ブトキシド、プロピルマグネシウムフェノキシド、iso−プロピルマグネシウムクロリド、iso−プロピルマグネシウムブロミド、iso−プロピルマグネシウムヨージド、iso−プロピルマグネシウムメタンスルホナート、iso−プロピルマグネシウムp−トルエンスルホナート、iso−プロピルマグネシウムメトキシド、iso−プロピルマグネシウムエトキシド、iso−プロピルマグネシウムtert−ブトキシド、iso−プロピルマグネシウムフェノキシド、n−ブチルマグネシウムクロリド、n−ブチルマグネシウムブロミド、n−ブチルマグネシウムヨージド、n−ブチルマグネシウムメタンスルホナート、n−ブチルマグネシウムp−トルエンスルホナート、n−ブチルマグネシウムメトキシド、n−ブチルマグネシウムエトキシド、n−ブチルマグネシウムtert−ブトキシド、n−ブチルマグネシウムフェノキシド、iso−ブチルマグネシウムクロリド、iso−ブチルマグネシウムブロミド、iso−ブチルマグネシウムヨージド、iso−ブチルマグネシウムメタンスルホナート、iso−ブチルマグネシウムp−トルエンスルホナート、iso−ブチルマグネシウムメトキシド、iso−ブチルマグネシウムエトキシド、iso−ブチルマグネシウムtert−ブトキシド、iso−ブチルマグネシウムフェノキシド、sec−ブチルマグネシウムクロリド、sec−ブチルマグネシウムブロミド、sec−ブチルマグネシウムヨージド、sec−ブチルマグネシウムメタンスルホナート、sec−ブチルマグネシウムp−トルエンスルホナート、sec−ブチルマグネシウムメトキシド、sec−ブチルマグネシウムエトキシド、sec−ブチルマグネシウムtert−ブトキシド、sec−ブチルマグネシウムフェノキシド、iso−ブチルマグネシウムクロリド、iso−ブチルマグネシウムブロミド、iso−ブチルマグネシウムメタンスルホナート、iso−ブチルマグネシウムp−トルエンスルホナート、iso−ブチルマグネシウムメトキシド、iso−ブチルマグネシウムエトキシド、iso−ブチルマグネシウムtert−ブトキシド、iso−ブチルマグネシウムフェノキシド、tert−ブチルマグネシウムクロリド、tert−ブチルマグネシウムブロミド、tert−ブチルマグネシウムヨージド、tert−ブチルマグネシウムメタンスルホナート、tert−ブチルマグネシウムp−トルエンスルホナート、tert−ブチルマグネシウムメトキシド、tert−ブチルマグネシウムエトキシド、tert−ブチルマグネシウムtert−ブトキシド、tert−ブチルマグネシウムフェノキシド、シクロペンチルマグネシウムクロリド、シクロペンチルマグネシウムブロミド、シクロペンチルマグネシウムヨージド、シクロペンチルマグネシウムメタンスルホナート、シクロペンチルマグネシウムp−トルエンスルホナート、シクロペンチルマグネシウムメトキシド、シクロペンチルマグネシウムエトキシド、シクロペンチルマグネシウムtert−ブトキシド、シクロペンチルマグネシウムフェノキシド、シクロヘキシルマグネシウムクロリド、シクロヘキシルマグネシウムブロミド、シクロヘキシルマグネシウムヨージド、シクロヘキシルマグネシウムメタンスルホナート、シクロヘキシルマグネシウムp−トルエンスルホナート、シクロヘキシルマグネシウムメトキシド、シクロヘキシルマグネシウムエトキシド、シクロヘキシルマグネシウムtert−ブトキシド、シクロヘキシルマグネシウムフェノキシド、フェニルマグネシウムクロリド、フェニルマグネシウムブロミド、フェニルマグネシウムヨージド、フェニルマグネシウムメタンスルホナート、フェニルマグネシウムtert−ブトキシド、p−トリルマグネシウムクロリド、p−トリルマグネシウムブロミド、p−トリルマグネシウムヨージド、p−トリルマグネシウムメタンスルホナート、p−トリルマグネシウムp−トルエンスルホナート、p−トリルマグネシウムメトキシド、p−トリルマグネシウムエトキシド、p−トリルマグネシウムtert−ブトキシド、p−トリルマグネシウムフェノキシドを例示することができる。
好ましい一般式(7)で表されるマグネシウム化合物の具体例としては、メチルマグネシウムクロリド、メチルマグネシウムブロミド、メチルマグネシウムヨージド、メチルマグネシウムメタンスルホナート、メチルマグネシウムtert−ブトキシド、エチルマグネシウムクロリド、エチルマグネシウムブロミド、エチルマグネシウムヨージド、エチルマグネシウムメタンスルホナート、エチルマグネシウムtert−ブトキシド、プロピルマグネシウムクロリド、プロピルマグネシウムブロミド、プロピルマグネシウムヨージド、プロピルマグネシウムメタンスルホナート、プロピルマグネシウムtert−ブトキシド、iso−プロピルマグネシウムクロリド、iso−プロピルマグネシウムブロミド、iso−プロピルマグネシウムヨージド、iso−プロピルマグネシウムメタンスルホナート、iso−プロピルマグネシウムtert−ブトキシド、n−ブチルマグネシウムクロリド、n−ブチルマグネシウムブロミド、n−ブチルマグネシウムヨージド、n−ブチルマグネシウムメタンスルホナート、n−ブチルマグネシウムtert−ブトキシド、sec−ブチルマグネシウムクロリド、sec−ブチルマグネシウムブロミド、sec−ブチルマグネシウムヨージド、sec−ブチルマグネシウムメタンスルホナート、sec−ブチルマグネシウムtert−ブトキシド、iso−ブチルマグネシウムクロリド、iso−ブチルマグネシウムブロミド、iso−ブチルマグネシウムヨージド、iso−ブチルマグネシウムメタンスルホナート、iso−ブチルマグネシウムtert−ブトキシド、tert−ブチルマグネシウムクロリド、tert−ブチルマグネシウムブロミド、tert−ブチルマグネシウムヨージド、tert−ブチルマグネシウムメタンスルホナート、tert−ブチルマグネシウムtert−ブトキシド、フェニルマグネシウムクロリド、フェニルマグネシウムブロミド、フェニルマグネシウムヨージド、フェニルマグネシウムメタンスルホナート、フェニルマグネシウムtert−ブトキシド、p−トリルマグネシウムクロリド、p−トリルマグネシウムブロミド、p−トリルマグネシウムヨージド、p−トリルマグネシウムメタンスルホナート、p−トリルマグネシウムtert−ブトキシド、ベンジルマグネシウムクロリド、ベンジルマグネシウムブロミド、ベンジルマグネシウムヨージド、ベンジルマグネシウムメタンスルホナート、ベンジルマグネシウムtert−ブトキシドなどが挙げられる。
マグネシウム化合物(7)の製造方法としては特に制限されないが、例えば、D.A.Shirley ;Org. React., Vol. 8, pp. 28 〜58 (1954) に記載の方法あるいはこれは準ずる方法により合成することができる。また、市販品を使用してもよい。
これらのマグネシウム化合物は、単独用いても、また二種以上を適宜組合わせて用いてもよい。
一般式(3)のアゼチジノン誘導体の製造方法としては特に制限されないが、特開平9−31055号公報に記載の方法あるいはこれに順ずる方法により製造することができる。例えば、下記反応式に従って製造することができる。
Figure 0004463520
(式中、R乃至R、XおよびYは、前記と同義である。)
アゼチジノン化合物(1)と酢酸エステル誘導体(2)との反応は、アルゴンや窒素のような不活性ガスの雰囲気下、有機溶媒中、塩基の存在下に実施することができる。
溶媒としては、反応に関与しない不活性な溶媒であればよく、例えば、ペンタン、ヘキサン、ヘプタン等の炭化水素系溶媒、塩化メチレン、クロロホルム等の塩素系溶媒、ベンゼン、クロロベンゼン、トルエン、キシレン等の芳香族系溶媒、ジエチルエーテル、ジイソプロピルエーテル、テトラヒドロフラン、ジメトキシエタン、1,3-ジオキソラン、ジオキサン等のエーテル系溶媒の有機溶媒或いはそれら混合溶媒を好適に用いることができる。
塩基としては、1,8−ジアザビシクロ[5.4.0]−ウンデシ−7−エン(DBU)等の有機塩基、水素化ナトリウム、水素化カリウム等の水素化アルカリ金属類、ソジウムアミド、リチウムジイソプロピルアミド、リチウムビス(トリメチルシリル)アミド等のアミン類の金属塩、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、炭酸ナトリウム、炭酸カリウム、カリウムt−ブトキシド等の各種の塩基を挙げることができる。
反応温度は、塩基を−50〜80℃好ましくは−20〜60℃で滴下し、反応時間は、60分〜180分で行なう。反応のモル比は、一般式(1)で表わされるアゼチジノン化合物1モルに対し、一般式(2)で表わされる酢酸エステル誘導体を約1〜2モル程度、好ましく約1.2〜1.5倍程度、塩基を酢酸エステル誘導体と等モルである。反応終了後は通常の後処理を行なうことにより、目的物を単離することができる。
また、原料の一般式(1)で表されるアゼチジノン誘導体の製造方法としては特に制限されないが、特開2000−44538号公報に記載の方法あるいはこれに順ずる方法により製造することができる。
以下に、本発明の製造方法について具体的に説明する。
本発明の製造方法を実施するには、アルゴンや窒素のような不活性ガス雰囲気下、有機溶媒中、一般式(3)のアゼチジノン誘導体と一般式(7)のマグネシウム化合物とを反応させ環化し、マグネシウム塩であるカルバペネム誘導体(4)を生成させた後、次いで水酸基の活性エステル化剤で処理することにより、一般式(5)のカルバペネム化合物を製造することができる。
アゼチジノン誘導体(3)のマグネシウム化合物(7)による環化反応に当たっては、マグネシウム化合物を有機溶媒に溶解または懸濁させた溶液に、ここにアゼチジノン誘導体(3)を有機溶媒に溶解した溶液を滴下して反応させる方法が好ましく採用される。
アゼチジノン誘導体(3)とマグネシウム化合物(7)との使用割合は、アゼチジノン誘導体(3)の1モルに対し、マグネシウム化合物(7)が約1〜8モルであるのが好ましく、約2〜5モルであるのがより好ましい。
マグネシウム化合物(7)の具体例としては、前述した化合物などを挙げることができ、これらの1種または2種以上を用いることができる。
有機溶媒としては、アゼチジノン誘導体(3)のマグネシウム化合物(7)による環化反応に悪影響を及ぼさない有機溶媒が用いられ、例えば、ペンタン、ヘキサン、ヘプタン等の炭化水素系溶媒、塩化メチレン、クロロホルム等の塩素系溶媒、ベンゼン、クロロベンゼン、トルエン、キシレン等の芳香族系溶媒、ジエチルエーテル、ジイソプロピルエーテル、テトラヒドロフラン、ジメトキシエタン、1,3−ジオキソラン、ジオキサン等のエーテル系溶媒などを挙げることができ、それらの1種または2種以上を用いることができる。それらのうちでも、テトラヒドロフランおよび/またはトルエンが操作性が良好で且つ経済的に安価である点から好ましく用いられる。有機溶媒の使用量は、通常、アゼチジノン化合物(3)の1質量部に対して、約0.5〜20倍容量部であることが好ましく、約1〜10倍容量部であることがより好ましい。
マグネシウム化合物を有機溶媒に溶解または懸濁させた溶液に、ここにアゼチジノン誘導体(3)を有機溶媒に溶解した溶液を滴下して環化反応を行うに当たっては、アゼチジノン誘導体(3)を有機溶媒に溶解した溶液の滴下時間は、通常約1〜180分間とすることが好ましく、約5〜60分間とすることがより好ましい。環化反応の温度としては、好ましくは約−50〜150℃、より好ましくは約−20〜80℃の温度が採用され、前記温度を保ちながらアゼチジノン誘導体(3)を有機溶媒に溶解した溶液の滴下終了後に約0.5〜15時間、好ましくは約1〜5時間反応させることによってカルバペネム誘導体(4)を円滑に製造することができる。
前記した環化反応により得られるマグネシウム塩であるカルバペネム誘導体(4)は、従来にない新規の化合物であり、前記環化反応の混合溶液中において数時間の間は安定に存在する。しかしながら長期の保存においては、水等の影響を受け、エノール体からケトン体へと変換する。そのため、前記環化反応によって得られるカルバペネム誘導体(4)を、必要に応じて冷却した後、精製などの後処理を施すことなく、そのまま次の水酸基の活性エステル化剤による処理工程に直接使用してもよい(工程A)。或いは、前記環化反応によって得られるカルバペネム誘導体(4)を、低温(氷冷下)で速やかに後処理を行い、次の水酸基の活性エステル化剤による処理工程に使用してもよい(工程B)。
工程Aについては、前記した環化反応により得られるマグネシウム塩であるカルバペネム誘導体(4)に、ひきつづき水酸基の活性エステル剤と処理することにより、一般式(5)で表されるカルバペネム化合物(5)へ誘導することができる。
水酸基の活性エステル化反応における活性エステル化剤は反応が十分に進行するだけの量が必要であり、一般式(3)で表わされる化合物に対して1〜2.5当量用いて行うことができる。反応は適宜冷却または加熱することにより抑制または促進することができる。通常、反応温度は−50℃〜50℃の範囲で行われるが、−20℃〜20℃の範囲が好適である。なお、反応終了後は通常の有機化学的手段によって成績体を取り出すことができる。一般式(3)で表わされる化合物を不活性溶媒中、マグネシム化合物(7)の存在下で反応させて得られるカルバペネム誘導体(4)は生成条件下において原料化合物(3)の不斉炭素(C5位)に基づく立体をそのまま保持しており、カルバペネム化合物(5)に誘導後も原料化合物のR のアルキル基の立体を保持したものが得られる。すなわち、本反応によってエピマー化することなく、カルバペネム化合物(5)が得られる。
また、工程Bについては、前記した環化反応により得られるマグネシウム塩であるカルバペネム誘導体(4)を低温(氷冷下)で速やかに後処理を行い、次いで有機溶媒中、塩基を用いて水酸基の活性エステル化剤による処理を行うことにより、一般式(5)で表されるカルバペネム化合物へ誘導することができる。
環化反応により得られるマグネシウム塩であるカルバペネム誘導体(4)の後処理は、公知の後処置方法が採用され、但し、生成物の安定性を考慮して比較的低温下(約−5〜20℃)において短時間(1時間以内)で行うことが望ましい。また、生成物は精製することなく次工程に用いることが望ましい。
次工程の塩基を用いて水酸基の活性エステル化剤による処理に当たっては、アルゴンや窒素のような不活性ガス雰囲気下、前記後処理により得られた生成物を有機溶媒に溶解または懸濁させた溶液に、ここに水酸基の活性エステル化剤および塩基を滴下して反応させる方法が好ましく採用される。
本反応で用いられる塩基としては、第3級アミンまたはピリジン類などである。
塩基が、第3級アミンの場合、具体的には、トリメチルアミン、トリエチルアミン、トリプロピルアミン、トリイソプロピルアミン、ジイソプロピルメチルアミン、ジイソプロピルエチルアミン、トリn-ブチルアミン、トリベンジルアミン,N-メチルピペリジン,N-エチルピペリジン,N-メチルモルフォリン,N-エチルモルフォリン,1,5-ジアザビシクロ[4.3.0]−5−ノネン,1,8-ジアザビシクロ[5.4.0]−7−ウンデセン,1,4-ジアザビシクロ[2.2.2]オクタン,N,N,N,N-テトラメチルエチレンジアミン,N,N,N,N-テトラメチル1,3-プロパンジアミン,ジメチルアニリン、ジエチルアニリンなどを挙げることができる。
塩基が、ピリジン類の場合、具体的には、ピリジン、α−ピコリン、β−ピコリン、γ−ピコリン、2,6−ルチジン、2−エチルピリジン、3−エチルピリジン、4−エチルピリジン、N,N-ジメチルアミノピリジン,キノリン、イソキノリンなどを挙げることができる。
好ましくは、トリエチルアミン、トリn-ブチルアミン、ジイソプロピルエチルアミン、N-メチルピペリジン,N-エチルピペリジン,N-メチルモルフォリン,N-エチルモルフォリン,1,5-ジアザビシクロ[4.3.0]−5−ノネン,1,8-ジアザビシクロ[5.4.0]−7−ウンデセン,1,4-ジアザビシクロ[2.2.2]オクタン,N,N-ジメチルアミノピリジン,などが、汎用性があり、反応の選択性及び収率が高いことからより好ましい。
これらは単独で用いても、また二種以上を混合して用いてもよい。
本発明で用いられる塩基は市販品をそのまま用いることもできるし、精製して用いることもできる。
塩基の使用割合は、アゼチジノン誘導体(3)の1モルに対し、塩基が約1〜8モルであるのが好ましく、約1〜2モルであるのがより好ましい。
有機溶媒としては、反応に悪影響を及ぼさない有機溶媒が用いられ、例えば、ペンタン、ヘキサン、ヘプタン等の炭化水素系溶媒、塩化メチレン、クロロホルム等の塩素系溶媒、ベンゼン、クロロベンゼン、トルエン、キシレン等の芳香族系溶媒、ジエチルエーテル、ジイソプロピルエーテル、テトラヒドロフラン、ジメトキシエタン、1,3−ジオキソラン、ジオキサン等のエーテル系溶媒などを挙げることができ、それらの1種または2種以上を用いることができる。それらのうちでも、テトラヒドロフランおよび/またはトルエンが操作性が良好で且つ経済的に安価である点から好ましく用いられる。有機溶媒の使用量は、通常、アゼチジノン化合物(3)の1質量部に対して、約0.5〜20倍容量部であることが好ましく、約1〜10倍容量部であることがより好ましい。
水酸基の活性エステル化反応における活性エステル化剤は反応が十分に進行するだけの量が必要であり、一般式(3)で表わされる化合物に対して1〜5当量用いて行うことができる。
前記環化反応生成物を有機溶媒に溶解または懸濁させた溶液に、ここに活性エステル化剤および塩基を滴下して反応を行うに当たっては、活性エステル化剤および塩基の滴下時間は、通常約1〜180分間とすることが好ましく、約5〜60分間とすることがより好ましい。環化反応の温度としては、好ましくは約−50〜50℃、より好ましくは約−20〜30℃の温度が採用され、前記温度を保ちながら性エステル化剤および塩基の滴下終了後に約0.5〜15時間、好ましくは約1〜5時間反応させることによってカルバペネム誘導体(5)を円滑に製造することができる。
反応終了後は通常の後処理を行なうことにより、目的物を単離することができる。
また、本発明により得られるカルバペネム化合物(5)は、下記スキーム:
Figure 0004463520
(式中、R乃至Rは、前記と同義であり;Rは、有機基を示す。)
に示される製造方法により、各種のカルバペネム系化合物(6)に導くことが可能である。
以下に実施例を挙げ、本発明を詳細に説明するが、本発明はこれらによってなんら限定されるものでなく、また本発明の範囲を逸脱しない範囲で変化させてもよい。
なお、各実施例における物性の測定に用いた装置は次の通りである。
H核磁気共鳴スペクトル(1H-NMR):AM-400型(400MHz、ブルッカー社製)、
Gemini-2000 (200MHz、Varian社製)
また、各実施例中の略号は以下の通りである。
TBSO:tert−ブチルジメチルシリルオキシ基
Ts:p−トルエンスルホニル基
[合成例1] 3−{(2R)−2−[(3S,4R)−3−[(1R)−1−tert−ブチルジメチルシリルオキシエチル]−1−(tert−ブチルオキシカルボニルメチル)−2−オキソアゼチジン−4−イル]プロピオニル−N−(R)−フェニルエチル−p−トルエンスルホンアミドの製造
Figure 0004463520
窒素気流下において、3−{(2R)−2−[(3S,4R)−3−[(1R)−1−tert−ブチルジメチルシリルオキシエチル]−2−オキソアゼチジン−4−イル]プロピオニル−N−(R)−フェニルエチル−p−トルエンスルホンアミド(化合物1)(559mg、1.0mmol)のテトラヒドロフラン(2mL)溶液を0℃に冷却し、1.0mol/L塩化t−ブチルマグネシウムテトラヒドロフラン溶液(1.1mol)を滴下した。30分撹拌した後、ブロモ酢酸t−ブチルエステル(215mg、1.1mmol)のテトラヒドロフラン(1mL)溶液を滴下した。氷浴をはずし、室温で2時間、さらに50℃で2時間撹拌した。5%塩酸水で反応を停止し、トルエンで抽出し、無水硫酸マグネシウムで乾燥した後、減圧下濃縮を行って粗生物を得た。シリカゲルカラムクロマトグラフ(溶離液:ヘキサン/酢酸エチル=3/1)により精製を行って、表記化合物(化合物2)を350mg得た。収率52%。
[実施例1] (4R,5R,6S)−6−[(1R)−1−tert−ブチルジメチルシリルオキシエチル]−3−ジフェニルホスホリルオキシ−4−メチル−7−オキソ−1−アザビシクロ[3.2.0]ヘプト−2−エン−2−カルボン酸・tert−ブチルエステルの製法
Figure 0004463520
窒素気流下において、1.0mol/Lの塩化tert−ブチルマグネシウムのテトラヒドロフラン溶液(3.0mL)を氷冷し、合成例1で得た3−{(2R)−2−[(3S,4R)−3−[(1R)−1−tert−ブチルジメチルシリルオキシエチル]−1−(tert−ブチルオキシカルボニルメチル)−2−オキソアゼチジン−4−イル]プロピオニル−N−(R)−フェニルエチル−p−トルエンスルホンアミド(化合物2)(673mg、1.0mmol)のテトラヒドロフラン(2mL)溶液を滴下した。反応混合物をそのまま3時間撹拌した。原料の消失を確認した後、トルエン−水に撹拌しながら注いだ。有機層を分液し、飽和炭酸水素ナトリウム水溶液で洗浄し、濃縮した。粗生成物をアセトニトリル(5mL)に溶かし、氷冷した。ジフェニルホスホリルクロライド(537mg、2.0mmol)を加えた後、ジイソプロピルエチルアミン(0.35mL、2.0mmol)を滴下した。反応混合物をそのまま2時間撹拌した。トルエン−塩酸水に撹拌しながら注いだ。有機層を分液し、飽和炭酸水素ナトリウム水溶液で洗浄し、濃縮した。粗生成物をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(溶離液:ヘキサン:酢酸エチル=3:1)にて精製し、表記化合物(化合物3)を327mg得た。収率52%。
[比較例1]比較例1として、実施例1で塩化tert−ブチルマグネシウムに代えて、水素化カルシウムを用い、他は実施例1と同様に処理した。
その結果、反応は全く進行せずに原料を回収するのみであった。
実施例1および比較例1から明らかなようにマグネシウム化合物を用いた実施例1においては、好ましい収率で目的物を得ることができたが、アルカリ土類金属の水素化物である水素化カルシウムも用いた比較例1では原料を回収するのみで目的物を得ることはできなかった。
[実施例2] (4R,5R,6S)−6−[(1R)−1−tert−ブチルジメチルシリルオキシエチル]−3−オキソ−4−メチル−7−オキソ−1−アザビシクロ[3.2.0]ヘプト−2−エン−2−カルボン酸・tert−ブチルエステル 塩化マグネシム塩の製法
Figure 0004463520
窒素気流下において、1.0mol/Lの塩化tert−ブチルマグネシウムの重テトラヒドロフラン溶液(0.3mL)を氷冷し、合成例1で得た3−{(2R)−2−[(3S,4R)−3−[(1R)−1−tert−ブチルジメチルシリルオキシエチル]−1−(tert−ブチルオキシカルボニルメチル)−2−オキソアゼチジン−4−イル]プロピオニル−N−(R)−フェニルエチル−p−トルエンスルホンアミド(化合物2)(67.3mg、0.1mmol)の重テトラヒドロフラン(0.5mL)溶液を滴下した。反応混合物をそのまま3時間撹拌した。原料の消失を確認した後、反応混合物をそのままNMR測定した。
H−NMR δ[THFd]:1.00 (3H, d, J=7.2Hz), 1.13 (3H, d, 6Hz), 2.87 (1H, dm, J=5.4Hz, 1-H)。
この反応液を3時間室温放置後のH−NMRのスペクトルはβ−メチル体のままであることを示した。

Claims (5)

  1. 下記一般式(3):
    Figure 0004463520

    (式中、RおよびRは、同一でも異なっていてもよく、水素原子および低級アルキル基であり;Rは、水素原子および低級アルキル基であり;Rは、水素原子および水酸基の保護基であり;Rは、カルボキシル基の保護基であり;Yは、活性エステル基、置換基を有していてもよいアリールチオ基、置換基を有していてもよいヘテロアリールチオ基、置換基を有していてもよいアラアルキルチオ基、置換基を有していてもよいアリールオキシ基、置換基を有していてもよいヘテロアリールオキシ基、又はN(R)SO 基(Rは、アルキル基、アルケニル基、オルガノシリル基、置換基を有していてもよいアリール基、置換基を有していてもよいアラアルキル基、または置換基を有していてもよい脂環式基であり;Rは、アルキル基または置換基を有していてもよいアリール基である。)である。)
    で表されるアゼチジノン誘導体を、下記一般式(7):
    MgR (7)
    (式中、R は、(1) 炭素数1乃至12のアルキル基、(2) 炭素数2乃至5のアルケニル基、(3) 炭素数1乃至4の低級アルキル基が置換していてもよい5乃至8員環の脂環式基、(4) 炭素数1乃至4の低級アルキル基、炭素数1乃至4の低級アルコキシ基、ハロゲン原子が置換していてもよいフェニル基、(5) 炭素数1乃至4の低級アルキル基、炭素数1乃至4の低級アルコキシ基、ハロゲン原子が置換していてもよいベンジル基、(6) 炭素数1乃至12のアルキル基が置換したジアルキルアミノ基であり;R は、(1) 炭素数1乃至12のアルキル基、(2) 炭素数2乃至5のアルケニル基、(3) 炭素数1乃至4の低級アルキル基が置換していてもよい5乃至8員環の脂環式基、(4) 炭素数1乃至4の低級アルキル基、炭素数1乃至4の低級アルコキシ基、ハロゲン原子が置換していてもよいフェニル基、(5) 炭素数1乃至4の低級アルキル基、炭素数1乃至4の低級アルコキシ基、ハロゲン原子が置換していてもよいベンジル基、(6) 炭素数1乃至12のアルキル基が置換したジアルキルアミノ基、(7) ハロゲン原子、(8) メタンスルホニルオキシ基、(9) ベンゼンスルホニルオキシ基、(10) p−トルエンスルホニルオキシ基、(11) トリフルオロメタンスルホニルオキシ基、(12) ハロゲン原子、シアノ基が置換していてもよいアセトキシ基、又は(13) OR10 基(R10は炭素数1乃至4の低級アルキル基、置換基を有していてもよいフェニル基、又は置換基を有していてもよいベンジル基である。)である。)
    で表されるマグネシウム化合物の存在下で反応させた後、水酸基の活性エステル剤で処理することを特徴とする下記一般式(5):
    Figure 0004463520
    (式中、R乃至Rは、前記と同義であり;Lは、水酸基の活性エステル基である。)
    で表されるカルバペネム化合物を製造方法。
  2. 一般式(4):
    Figure 0004463520

    (式中、RおよびRは、同一でも異なっていてもよく、水素原子および低級アルキル基であり;Rは、水素原子および低級アルキル基であり;Rは、水素原子および水酸基の保護基であり;Rは、カルボキシル基の保護基であり;R は、(1) 炭素数1乃至12のアルキル基、(2) 炭素数2乃至5のアルケニル基、(3) 炭素数1乃至4の低級アルキル基が置換していてもよい5乃至8員環の脂環式基、(4) 炭素数1乃至4の低級アルキル基、炭素数1乃至4の低級アルコキシ基、ハロゲン原子が置換していてもよいフェニル基、(5) 炭素数1乃至4の低級アルキル基、炭素数1乃至4の低級アルコキシ基、ハロゲン原子が置換していてもよいベンジル基、(6) 炭素数1乃至12のアルキル基が置換したジアルキルアミノ基であり;R は、(1) 炭素数1乃至12のアルキル基、(2) 炭素数2乃至5のアルケニル基、(3) 炭素数1乃至4の低級アルキル基が置換していてもよい5乃至8員環の脂環式基、(4) 炭素数1乃至4の低級アルキル基、炭素数1乃至4の低級アルコキシ基、ハロゲン原子が置換していてもよいフェニル基、(5) 炭素数1乃至4の低級アルキル基、炭素数1乃至4の低級アルコキシ基、ハロゲン原子が置換していてもよいベンジル基、(6) 炭素数1乃至12のアルキル基が置換したジアルキルアミノ基、(7) ハロゲン原子、(8) メタンスルホニルオキシ基、(9) ベンゼンスルホニルオキシ基、(10) p−トルエンスルホニルオキシ基、(11) トリフルオロメタンスルホニルオキシ基、(12) ハロゲン原子、シアノ基が置換していてもよいアセトキシ基、又は(13) OR10 基(R10は炭素数1乃至4の低級アルキル基、置換基を有していてもよいフェニル基、又は置換基を有していてもよいベンジル基(置換基としては、メチル、エチル、プロピル、イソプロピル、ブチル、イソブチル、sec−ブチル、tert−ブチル、メトキシ、エトキシ、プロポキシ、イソプロポキシ、ブトキシ、イソブトキシ、sec−ブトキシ、tert−ブトキシ、フッ素原子、塩素原子、臭素原子、ヨウ素原子)である。)であり;m及びnは、0〜1であり、mとnは同時に1ではない。)
    で表されるカルバペネム誘導体。
  3. 下記一般式(3):
    Figure 0004463520

    (式中、RおよびRは、同一でも異なっていてもよく、水素原子および低級アルキル基であり;Rは、水素原子および低級アルキル基であり;Rは、水素原子および水酸基の保護基であり;Rは、カルボキシル基の保護基であり;Yは、活性エステル基、置換基を有していてもよいアリールチオ基、置換基を有していてもよいヘテロアリールチオ基、置換基を有していてもよいアラアルキルチオ基、置換基を有していてもよいアリールオキシ基、置換基を有していてもよいヘテロアリールオキシ基、又はN(R)SO 基(Rは、アルキル基、アルケニル基、オルガノシリル基、置換基を有していてもよいアリール基、置換基を有していてもよいアラアルキル基、または置換基を有していてもよい脂環式基であり;Rは、アルキル基または置換基を有していてもよいアリール基である。)である)
    で表されるアゼチジノン誘導体を、下記一般式(7):
    MgR (7)
    (式中、R は、(1) 炭素数1乃至12のアルキル基、(2) 炭素数2乃至5のアルケニル基、(3) 炭素数1乃至4の低級アルキル基が置換していてもよい5乃至8員環の脂環式基、(4) 炭素数1乃至4の低級アルキル基、炭素数1乃至4の低級アルコキシ基、ハロゲン原子が置換していてもよいフェニル基、(5) 炭素数1乃至4の低級アルキル基、炭素数1乃至4の低級アルコキシ基、ハロゲン原子が置換していてもよいベンジル基、(6) 炭素数1乃至12のアルキル基が置換したジアルキルアミノ基であり;R は、(1) 炭素数1乃至12のアルキル基、(2) 炭素数2乃至5のアルケニル基、(3) 炭素数1乃至4の低級アルキル基が置換していてもよい5乃至8員環の脂環式基、(4) 炭素数1乃至4の低級アルキル基、炭素数1乃至4の低級アルコキシ基、ハロゲン原子が置換していてもよいフェニル基、(5) 炭素数1乃至4の低級アルキル基、炭素数1乃至4の低級アルコキシ基、ハロゲン原子が置換していてもよいベンジル基、(6) 炭素数1乃至12のアルキル基が置換したジアルキルアミノ基、(7) ハロゲン原子、(8) メタンスルホニルオキシ基、(9) ベンゼンスルホニルオキシ基、(10) p−トルエンスルホニルオキシ基、(11) トリフルオロメタンスルホニルオキシ基、(12) ハロゲン原子、シアノ基が置換していてもよいアセトキシ基、又は(13) OR10 基(R10は炭素数1乃至4の低級アルキル基、置換基を有していてもよいフェニル基、又は置換基を有していてもよいベンジル基である。)である。)
    で表されるマグネシウム化合物の存在下で反応させることを特徴とする一般式(4):
    Figure 0004463520

    式中、RおよびRは、同一でも異なっていてもよく、水素原子および低級アルキル基であり;Rは、水素原子および低級アルキル基であり;Rは、水酸基の保護基であり;Rは、カルボキシル基の保護基であり;R は、(1) 炭素数1乃至12のアルキル基、(2) 炭素数2乃至5のアルケニル基、(3) 炭素数1乃至4の低級アルキル基が置換していてもよい5乃至8員環の脂環式基、(4) 炭素数1乃至4の低級アルキル基、炭素数1乃至4の低級アルコキシ基、ハロゲン原子が置換していてもよいフェニル基、(5) 炭素数1乃至4の低級アルキル基、炭素数1乃至4の低級アルコキシ基、ハロゲン原子が置換していてもよいベンジル基、(6) 炭素数1乃至12のアルキル基が置換したジアルキルアミノ基であり;R は、(1) 炭素数1乃至12のアルキル基、(2) 炭素数2乃至5のアルケニル基、(3) 炭素数1乃至4の低級アルキル基が置換していてもよい5乃至8員環の脂環式基、(4) 炭素数1乃至4の低級アルキル基、炭素数1乃至4の低級アルコキシ基、ハロゲン原子が置換していてもよいフェニル基、(5) 炭素数1乃至4の低級アルキル基、炭素数1乃至4の低級アルコキシ基、ハロゲン原子が置換していてもよいベンジル基、(6) 炭素数1乃至12のアルキル基が置換したジアルキルアミノ基、(7) ハロゲン原子、(8) メタンスルホニルオキシ基、(9) ベンゼンスルホニルオキシ基、(10) p−トルエンスルホニルオキシ基、(11) トリフルオロメタンスルホニルオキシ基、(12) ハロゲン原子、シアノ基が置換していてもよいアセトキシ基、又は(13) OR10 基(R10は炭素数1乃至4の低級アルキル基、置換基を有していてもよいフェニル基、又は置換基を有していてもよいベンジル基である。)であり;m及びnは、0〜1であり、mとnは同時に1ではない。)
    で表されるカルバペネム誘導体の製造方法。
  4. 前記一般式(3)で表されるアゼチジノン誘導体において、Yが、N(R)SO 基(RおよびRは、前記と同義である。)である請求項1または3に記載の製造方法。
  5. 前記一般式(7)で合わされるマグネシウム化合物が、メチルマグネシウムクロリド、メチルマグネシウムブロミド、メチルマグネシウムヨージド、メチルマグネシウムメタンスルホナート、メチルマグネシウムtert−ブトキシド、エチルマグネシウムクロリド、エチルマグネシウムブロミド、エチルマグネシウムヨージド、エチルマグネシウムメタンスルホナート、エチルマグネシウムtert−ブトキシド、プロピルマグネシウムクロリド、プロピルマグネシウムブロミド、プロピルマグネシウムヨージド、プロピルマグネシウムメタンスルホナート、プロピルマグネシウムtert−ブトキシド、iso−プロピルマグネシウムクロリド、iso−プロピルマグネシウムブロミド、iso−プロピルマグネシウムヨージド、iso−プロピルマグネシウムメタンスルホナート、iso−プロピルマグネシウムtert−ブトキシド、n−ブチルマグネシウムクロリド、n−ブチルマグネシウムブロミド、n−ブチルマグネシウムヨージド、n−ブチルマグネシウムメタンスルホナート、n−ブチルマグネシウムtert−ブトキシド、sec−ブチルマグネシウムクロリド、sec−ブチルマグネシウムブロミド、sec−ブチルマグネシウムヨージド、sec−ブチルマグネシウムメタンスルホナート、sec−ブチルマグネシウムtert−ブトキシド、iso−ブチルマグネシウムクロリド、iso−ブチルマグネシウムブロミド、iso−ブチルマグネシウムヨージド、iso−ブチルマグネシウムメタンスルホナート、iso−ブチルマグネシウムtert−ブトキシド、tert−ブチルマグネシウムクロリド、tert−ブチルマグネシウムブロミド、tert−ブチルマグネシウムヨージド、tert−ブチルマグネシウムメタンスルホナート、tert−ブチルマグネシウムtert−ブトキシド、フェニルマグネシウムクロリド、フェニルマグネシウムブロミド、フェニルマグネシウムヨージド、フェニルマグネシウムメタンスルホナート、フェニルマグネシウムtert−ブトキシド、p−トリルマグネシウムクロリド、p−トリルマグネシウムブロミド、p−トリルマグネシウムヨージド、p−トリルマグネシウムメタンスルホナート、p−トリルマグネシウムtert−ブトキシド、ベンジルマグネシウムクロリド、ベンジルマグネシウムブロミド、ベンジルマグネシウムヨージド、ベンジルマグネシウムメタンスルホナート、ベンジルマグネシウムtert−ブトキシドから選択される一つである請求項1、3または4記載に製造方法。
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