JPH05278246A - サーマルヘッドおよびその製造方法 - Google Patents

サーマルヘッドおよびその製造方法

Info

Publication number
JPH05278246A
JPH05278246A JP4074797A JP7479792A JPH05278246A JP H05278246 A JPH05278246 A JP H05278246A JP 4074797 A JP4074797 A JP 4074797A JP 7479792 A JP7479792 A JP 7479792A JP H05278246 A JPH05278246 A JP H05278246A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
layer
insulating layer
gas
heating resistor
thermal head
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Pending
Application number
JP4074797A
Other languages
English (en)
Inventor
Narimitsu Aramaki
成光 荒牧
Teruki Oitome
輝喜 追留
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Toshiba Corp
Original Assignee
Toshiba Corp
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Toshiba Corp filed Critical Toshiba Corp
Priority to JP4074797A priority Critical patent/JPH05278246A/ja
Publication of JPH05278246A publication Critical patent/JPH05278246A/ja
Pending legal-status Critical Current

Links

Landscapes

  • Electronic Switches (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【目的】 印字品位を上げ、機能を高め寿命を長くした
サーマルヘッドおよびその製造方法を提供する。 【構成】 支持基板11や有機物層12またはグレーズ
層、絶縁層13、発熱抵抗体14、電極15、保護層1
6を有するサーマルヘッドにおいて、前記絶縁層13を
二層構造とし、この二層構造のうち有機物層に接しない
側に酸化物層あるいは炭化物層を設けるか、または有機
物層に接しない側を有機物層に接する側に比し酸化物あ
るいは炭化物が多いかもしくはより多く酸化か炭化し
た。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、発熱抵抗体に電流を流
して発熱させこれを利用して印字するサーマルヘッドお
よびその製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】従来のサーマルヘッドは、セラミック基
板をグレーズ処理し、このグレーズ層の上に発熱抵抗体
を形成し、そして発熱抵抗体の上に複数の個別電極や共
通電極を形成している。また発熱抵抗体や電極の上に、
それらを保護する保護層を形成している。
【0003】上記した発熱抵抗体や複数の個別電極や共
通電極、保護層などの膜は、厚膜法または薄膜法で作ら
れる。
【0004】また上記したサーマルヘッドでは、発熱抵
抗体がグレーズ層の上に形成されており、この構成はコ
ストの低減などに有効である。
【0005】このような構成のサーマルヘッドは、ファ
クシミリやワープロの印字装置などに使用されている。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】しかし上記した構成の
サーマルヘッドを、発熱量を増やして印字することが必
要な装置や単位面積当たりの発熱量がより多く必要な装
置に使用する場合いくつかの問題点がある。
【0007】また発熱量はこれまで通りであっても、印
字品位に厳しい条件が要求されたり、また印字品位をあ
げる場合などにも問題がある。
【0008】このような問題の一つは、印字の際の発熱
によりグレーズ層と発熱抵抗体とが物理的、または科学
的な反応を起こし、この結果、印字の品位を低下した
り、寿命を短くするなどの問題を生じていた。
【0009】もう一つの問題は、発熱抵抗体が発熱を繰
り返しているうちにグレーズ層の畜熱効果で、印字する
熱エネルギーが少なくて済むようになることである。
【0010】これはセラミック基板や発熱抵抗体の温度
がグレーズ層の畜熱によって高くなるためで、この場合
セラミック基板や発熱抵抗体の温度が上昇する度合い
は、個々の発熱抵抗体に流れる電流によって違ってく
る。
【0011】したがってサーマルヘッドで印字される画
像の種類や使用時間などによって個々の発熱抵抗体に流
れる電流が違うため、個々の発熱抵抗体ごとに印字する
品位が異なったものになる。
【0012】例えば、全面に黒い画像が続いた場合、そ
の後に信号がなくてもグレーズ層の畜熱の影響で印字す
る紙面が黒ずんでしまったりする。
【0013】これらの現象を防ぐためにサーマルヘッド
を用いた印字装置では、熱履歴制御という方法を用いて
サーマルヘッドの熱を制御することが考えられている。
【0014】しかし熱履歴制御を採用するとその分コス
トが上昇しまた装置全体の構造も複雑になる。
【0015】上記問題に対して、支持基板として金属を
使用し、またグレーズ層に代えてポリイミド層を基板の
上に厚く塗布する方法が提案されている。
【0016】ここで図2を参照して、支持基板として金
属を使用し、またグレーズ層に代えてポリイミド層を形
成したサーマルヘッドについて説明する。
【0017】21は支持基板で、その材料は例えばステ
ンレス鋼である。支持基板21の上面にはグレーズ層に
代わりポリイミドなどの有機物層22を形成している。
また、有機物層22の上は絶縁層23である。この絶縁
層23は、SiO2 、Si34 、またはこれらを主成
分にしてAl2 3 やZr2 3 、Y2 3 などを単独
に、あるいはこれらの幾つかを組合わせたものをターゲ
ットにしてスパッタリングして得られる膜を用いてい
る。
【0018】絶縁層23の上には、発熱抵抗体24が、
その上には電極25が形成され、その上を保護層26が
覆っている。
【0019】上記した構成のサーマルヘッドもその製造
上に幾つかの問題がある。
【0020】その一つが絶縁層23に使用する材料であ
る。
【0021】即ち、発熱抵抗体24は通常ドライエッチ
ングで作っている。一方絶縁層23は前述したようにS
iO2 、Si3 4 などをスパッタリングして得られる
膜を用いている。
【0022】しかし絶縁層23に使用するこれらの材料
は、発熱抵抗体24をドライエッチングするガスとの間
で反応を起こす。例えば発熱抵抗体24はその厚さが極
めて薄いため、発熱抵抗体24をドライエッチングする
際に絶縁層23までエッチングが進んでしまう。絶縁層
23がエッチングされても機能の面ではそれほど問題は
生じない。
【0023】しかし発熱抵抗体24を形成した後で、保
護層26を被着(以下コーティングと称する。)する
が、この保護層のコーティングはCVDやスパッタリン
グが用いられる。この際、絶縁層23がエッチングさ
れ、深い溝になっていると、その溝が原因で保護層のコ
ーティングによる効果が不十分になることがある。
【0024】保護層のコーティングによる効果が不十分
であると、溝の端の部分に保護層の結晶粒界が生じる。
【0025】このような結晶粒界が存在する状態でサー
マルヘッドを製品化し、これを長時間使用したり、湿度
の高い環境で使用したりすると、結晶粒界の部分から湿
気が進入することがある。また使用状態や非使用状態の
繰り返しで、発熱と常温を繰り返すと結晶粒界の部分が
破壊に至ることもある。
【0026】また発熱抵抗体24のドライエッチングを
フッ素系ガスで行うと、発熱抵抗体24のドライエッチ
ングの終了後に、絶縁層の上にAlやZrのフッ化物が
生成し、保護層と絶縁層との密着性を低下したり、保護
層の浮きや剥離を生じたりして、サーマルヘッドの品質
や歩留まりが低下するという問題がある。
【0027】本発明は印字品位を上げ、機能を高め長寿
命化したサーマルヘッドおよびその製造方法を提供する
ことを目的とする。
【0028】
【課題を解決するための手段】本発明は、支持基板や、
有機膜層またはグレーズ層、絶縁層、発熱抵抗体、電
極、保護層を具備するサーマルヘッドにおいて、前記絶
縁層を二層構造とし、この二層構造のうち有機膜層に接
しない側に酸化物層または炭化物層を設けるか、または
有機膜層に接しない側を有機膜層に接する側に比し酸化
物あるいは炭化物が多いか、もしくはより多く酸化か炭
化した層を設けた構造のサーマルヘッドである。
【0029】また支持基板や有機膜層、絶縁層、発熱抵
抗体、電極、保護層を形成するサーマルヘッドの製造方
法において、前記絶縁層をSiO2 、Si3 4 を主成
分としてスパッタリングで形成するか、または下層の部
分の形成は主としてArガスでスパッタリングし、その
上の上層の部分の形成はO2 ガスもしくはCn Hm 系の
ガスをより多くするか、新たに入れるかしてスパッタリ
ングして形成するサーマルヘッドの製造方法である。
【0030】
【作用】絶縁層を二層構造とし、この二層構造のうち有
機膜層に接しない側に酸化物の層または炭化物の層を設
けるか、または有機膜層に接しない側を有機膜層に接す
る側に比し酸化物あるいは炭化物が多いかもしくはより
多く酸化か炭化した層を設けたので、発熱抵抗体24の
ドライエッチングによる悪影響を軽減でき、結晶粒界の
部分での破壊や、保護層と絶縁層との密着性の低下、さ
らには保護層の浮きや剥離を防止できる。
【0031】
【実施例】本発明の第1の実施例を図1を参照して説明
する。
【0032】支持基板11として例えばステンレス鋼の
基板を使用する。この支持基板11の上に有機物として
例えばポリイミドを用いた有機物層12を塗布して形成
する。また有機物層12の上にSiO2 やSi3 4
Al2 3 、Zr2 3 、Y2 3 などを成分として持
つターゲットを高周波スパッタリングして絶縁層13を
形成する。
【0033】この高周波スパッタリングは、当初導入す
るガスはArのみか、またはArに少量のO2 ガスある
いはN2 ガスを混入したものにする。その後、絶縁層の
表面部分、即ち有機膜層に接しない側を形成するときに
はO2 ガスをArガスに対して流量比で10%前後とな
るように増量する。
【0034】なお酸素(O2 )ガスの量は高周波スパッ
タリングする装置の排気システムの構造やターゲット材
料、その組成比などで異なり必ずしも一定ではない。し
かしターゲット材料が基板面に着膜する際に十分な酸化
が行える程度の量は必要であり、逆に酸素の分量が多す
ぎて異常放電や他の障害が起こさないような量であるこ
とが必要である。
【0035】上記したような方法で絶縁層を形成する
と、絶縁層のうち、有機膜層に接しない上部に別の層1
3aが形成される。この別の層13aの膜厚は、実用上
200nm位あれば十分である。この別の層13aの形
成はスパッタリングの可能な範囲で決定されるが、種々
製造条件を変えてもよいし、逆に有機膜のポリイミド層
への影響が無くなるようなを形成した後、10%前後
のO2 ガスを流してスパッタリングしてもよい。
【0036】上記したように絶縁層13を二層構造に形
成した後、絶縁層13の上に発熱抵抗体14を形成す
る。そして、発熱抵抗体14に電流を供給する電極15
を形成する。電極15を形成した後、電極15や発熱抵
抗体14の面を保護する保護層16を形成しサーマルヘ
ッドを完成する。
【0037】次に本発明の第2の実施例について説明す
る。
【0038】なお第2の実施例では、絶縁層を形成する
工程を除いて第1の実施例と同一であるので、絶縁層の
形成について説明する。
【0039】有機物層の上にSiO2 やSi3 4 、A
2 3 、Zr2 3 、Y2 3 などを成分として持つ
ターゲットを高周波スパッタリングして絶縁層を形成す
る。この高周波スパッタリングは、当初導入するガスは
Arのみか、またはArに少量のO2 ガスあるいはN2
ガスを混入したものを用いる。
【0040】上記の方法で有機物層12の上にある程度
の厚さ、例えば3μmの絶縁層を形成する。その後、絶
縁層のうち、有機物層に接しない表面部分の形成はCH
4 ガスをArガスに対して流量比で10〜20%前後と
なるように増やして行う。
【0041】なお有機物層上に絶縁層を形成する場合、
(SiO2 +Si3 4 )のターゲットを高周波スパッ
タリングして形成することもできる。この場合はスパッ
タリングにより絶縁層はSiONになる。なお絶縁層の
表面部分の形成の際に導入するCH4 ガスの量は、排気
システムの構造やターゲット材料、その組成比等で異な
り必ずしも一定ではない。しかしターゲット材料が基板
面に着膜する際に、十分な炭化が行われるような量であ
ること、逆に炭素が多すぎて、付着力低下が起こらない
ような量にする必要がある。
【0042】また導入するガスにCH4 を用いたが、C
2 2 =C2 2 、C2 6 、C38 など、所謂Cn
m ガスの多くのものが使用できる。
【0043】上記した方法で絶縁層の上の部分に、更に
性質の異なるもう一つの絶縁層を形成している。もう一
つの絶縁層の厚さは、発熱抵抗体をエッチングするガス
との相関や工程のばらつきの許容範囲などで決定する。
実用上は200〜300nm位あれば十分である。勿論
これよりさらに厚くてもよい。この層の形成は上記した
ように製造条件を変えてもよいし、逆に有機膜のポリイ
ミドへの層の影響が無くなるような層を形成した後、1
0%〜20%前後のO2 ガスを流してスパッタリングし
てもよい。
【0044】次に本発明の第3の実施例について説明す
る。
【0045】なお第3の実施例も絶縁層を形成する工程
を除いて第1の実施例と同一であるので、絶縁層の形成
について説明する。
【0046】有機物層の上にSiO2 やSi3 4 、A
2 3 、Zr2 3 、Y2 3 などを成分として持つ
ターゲットを高周波スパッタリングして絶縁層を形成す
る。この高周波スパッタリングは、当初導入するガスは
Arのみか、またはArに少量のO2 ガスあるいはN2
ガスを混入したものにする。
【0047】上記の方法で有機物層の上にある程度の厚
さの絶縁層を形成する。その後、絶縁層の表面部分の形
成のときは、CH4 ガスをArガスに対して流量比で1
0〜20%前後に増やして入れ、絶縁層の形成を行う。
【0048】このときCH4 ガスの量は、排気システム
の構造やターゲット材料、その組成比等で異なり必ずし
も一定ではない。CH4 ガスは多すぎると、膜の付着力
を弱める悪影響があるのでその上限を実験的に求める必
要がある。
【0049】このようにして絶縁層の上部に別の絶縁層
を形成する。この絶縁層の厚さは発熱抵抗体をエッチン
グするガスとの相関や工程のばらつきの許容範囲などで
決定する。実用上は200〜300nm位あれば十分で
ある。この層の形成は上記したように製造条件を変えて
もよいし、逆に有機膜のポリイミド層への影響が無くな
る層が出来る僅かの層の形成が行われた後、10%〜2
0%前後のCn m ガス、例えばCH4 ガスを流してス
パッタリングしてもよい。なおCH4 ガスの他に、例え
ばC2 2 =C2 2 、C2 6 、C3 8 などを用い
ることもできる。
【0050】次に本発明の第4の実施例について説明す
る。
【0051】なお第4の実施例も絶縁層を形成する工程
を除いて第1の実施例と同一であるので、絶縁層の形成
について説明する。
【0052】有機物層の上にSiO2 やSi3 4 、A
2 3 、Zr2 3 、Y2 3 などを成分として持つ
ターゲットを高周波スパッタリングして絶縁層を形成す
る。この高周波スパッタリングは、当初導入するガスは
Arのみか、またはArに少量のO2 ガスあるいはN2
ガスを混入したものにする。そして絶縁層の膜厚が所望
の厚さになった後、絶縁層の上部に別の絶縁層を、Si
2 ターゲットを同じく高周波スパッタリングで形成す
る。SiO2 ターゲットをスパッタリングして得る膜の
厚さは、発熱抵抗体のエッチングガスとの相関や工程の
ばらつきの許容範囲などで決定する。実用上は約200
nm程度以上であれば問題ないが、最少100nm程度
でも可能である。
【0053】次に本発明の第5の実施例について説明す
る。
【0054】なお第5の実施例も絶縁層を形成する工程
を除いて第1の実施例と同一であるので、絶縁層の形成
について説明する。
【0055】有機物層の上にSiO2 やSi3 4 、A
2 3 、Zr2 3 、Yt2 3などを成分として持
つターゲットを高周波スパッタリングして絶縁層を形成
する。この高周波スパッタリングは、当初導入するガス
はArのみか、またはArに少量のO2 ガスあるいはN
2 ガスを混入したものにする。この絶縁層の膜厚が所望
の厚さになった後、絶縁層の上部に別の絶縁層を、Si
ターゲットをDCあるいはRFスパッタリングで形成す
る。このとき用いるガスは、ArにCn m 、例えばC
4 を20%までの量で混入させたものを用いる。CH
4 ガスの他、例えばC2 2 =C2 2 、C2 6 、C
3 8 などを用いることもできる。
【0056】このようにして絶縁層の上方の部分に別の
絶縁層を形成する。なおSiをスパッタリングして得ら
れる絶縁層の上方部分の別の絶縁層の厚さは、実用上は
約200nm程度以上であれば問題ないが、最少100
nm程度でも可能である。
【0057】なお絶縁層の上方の部分に別の絶縁層を形
成する場合、SiCのターゲットを直接スパッタしても
よい。
【0058】次に本発明の第6の実施例について説明す
る。
【0059】なお第6の実施例も絶縁層を形成する工程
を除いて第1の実施例と同一であるので、絶縁層の形成
について説明する。
【0060】有機物層の上にSiO2 やSi3 4 、A
2 3 、Zr2 3 、Y2 3 などを成分として持つ
ターゲットを、高周波スパッタリングして絶縁層を形成
する。この高周波スパッタリングは、当初導入するガス
はArのみか、またはArに少量のO2 ガスあるいはN
2 ガスを混入したものにする。
【0061】絶縁層13の膜厚が所望の厚さになった
後、絶縁層の上部に別の絶縁層を、Si単結晶またはS
i粉末を固めて形成したターゲットをArおよびO2
スを導入しながらRFあるいはDCスパッタリングして
形成する。Siターゲットのスパッタリングによって着
膜される絶縁層の厚さは、約200nm程度以上であれ
ば問題ないが、最少100nm程度でもよい。
【0062】次に本発明の第7の実施例について説明す
る。
【0063】第7の実施例では支持基板としてセラミッ
クを使用し、またこの支持基板上にグレーズ層を設けて
いる。これ以外の構成は絶縁層を形成する工程を除いて
第1の実施例と同一であるので、絶縁層の形成について
説明する。
【0064】支持基板上にグレーズ層を設け、このグレ
ーズ層の上にSiO2 やSi3 4、Al2 3 、Zr
2 3 、Y2 3 などを成分として持つターゲットを高
周波スパッタリングして絶縁層を形成する。この場合、
導入するガスは当初Arのみか、またはArに少量のO
2 ガスあるいはN2 ガスを混入したものを用いる。
【0065】そして絶縁層が所望の厚さになった後、そ
の表面層の近くに位置する絶縁層の形成は、CH4 ガス
をArガスに対して約流量比で10%前後に増やして行
う。なおCH4 の量は、排気システムの構造やターゲッ
ト材料、その組成比等で異なり必ずしも一定ではない。
しかしCH4 の量は、ターゲット材料が基板の面に着膜
する際に十分な炭化が行われるように、逆に炭素が多す
ぎて、付着力低下が起こらないようにすることが必要で
ある。
【0066】導入するガスとして、CH4 を用いたが、
2 2 =C2 2 、C2 6 、C3 8 など、所謂C
n m ガスの多くを使うことができる。
【0067】このようにして絶縁層の上部に性質の異な
るもう一つ絶縁層を形成している。このもう一つ絶縁層
の厚さは、発熱抵抗体をエッチングするガスとの相関や
工程のばらつきの許容範囲などで決定する。実用上は2
00nm位あれば十分である。
【0068】なおもう一つ絶縁層の形成は上記したよう
に製造条件を変えもよいし、逆に有機物膜のポリイミド
層への影響が無くなる積層が出来る僅かの層の形成が行
われた後、10%前後のO2 ガスを流してスパッタリン
グする方法でもよい。この上に更にSi単結晶またはS
i粉末を固めて形成したターゲットをArおよびO2
スを導入しながら直流スパッタリングしてもよい。なお
Siターゲットをスパッタリングして着膜する絶縁層の
厚さは、約200nm程度以上であれば問題ないが、最
少100nm程度でも可能である。
【0069】
【発明の効果】本発明によれば、印字品位を上げ、機能
を高め長寿命化を図るサーマルヘッドおよびその製造方
法が実現できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施例を説明する図で、サーマルヘ
ッドの断面を示す図である。
【図2】従来のサーマルヘッドの断面を示す図である。
【符号の説明】
11…支持基板 12…有機物層 13…絶縁層 14…発熱抵抗体膜 15…電極 16…保護層

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 支持基板と、この支持基板に形成した有
    機物層またはグレーズ層と、この有機物層またはガラス
    質層の上に形成した絶縁層と、この絶縁層の上に形成し
    た発熱抵抗体と、この発熱抵抗体に電流を流す電極と、
    前記発熱抵抗体の面を保護する保護層と具備するサーマ
    ルヘッドにおいて、前記絶縁層を二層構造とし、この二
    層構造のうち有機物層に接しない側に酸化物層あるいは
    炭化物層を設けるか、または有機物層に接しない側を有
    機物層に接する側に比し酸化物あるいは炭化物が多いか
    もしくはより多く酸化か炭化した層を設けることを特徴
    とするサーマルヘッド。
  2. 【請求項2】 支持基板と、この支持基板の上の有機物
    層と、この有機物層の上の絶縁層と、この絶縁層の上の
    発熱抵抗体と、この発熱抵抗体に電流を流す電極と、前
    記発熱抵抗体の面を保護する保護層とを形成するサーマ
    ルヘッドの製造方法において、前記絶縁層をSiO2
    Si3 4 を主成分とするターゲットをスパッタリング
    して形成するか、または絶縁層の有機物層に接する側は
    主としてArガスでスパッタリングし、有機物層に接し
    ない側はO2 ガスもしくはCn Hm 系のガスをより多く
    するか、新たに入れるかしてスパッタリングして形成す
    ることを特徴とするサーマルヘッドの製造方法。
JP4074797A 1992-03-31 1992-03-31 サーマルヘッドおよびその製造方法 Pending JPH05278246A (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP4074797A JPH05278246A (ja) 1992-03-31 1992-03-31 サーマルヘッドおよびその製造方法

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP4074797A JPH05278246A (ja) 1992-03-31 1992-03-31 サーマルヘッドおよびその製造方法

Publications (1)

Publication Number Publication Date
JPH05278246A true JPH05278246A (ja) 1993-10-26

Family

ID=13557660

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP4074797A Pending JPH05278246A (ja) 1992-03-31 1992-03-31 サーマルヘッドおよびその製造方法

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JPH05278246A (ja)

Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2013214655A (ja) * 2012-04-03 2013-10-17 Nippon Telegr & Teleph Corp <Ntt> 光半導体素子

Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2013214655A (ja) * 2012-04-03 2013-10-17 Nippon Telegr & Teleph Corp <Ntt> 光半導体素子

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP4397923B2 (ja) サーマルヘッド
JP3713274B2 (ja) サーマルヘッド及びその製造方法
JPH05278246A (ja) サーマルヘッドおよびその製造方法
JP5199808B2 (ja) サーマルヘッドの製造方法
JP5415194B2 (ja) サーマルプリントヘッドおよびその製造方法
JPH0312551B2 (ja)
JP3320168B2 (ja) サーマルヘッド
JP2001191571A (ja) サーマルヘッド
JP4157391B2 (ja) サーマルヘッド
JP2808765B2 (ja) 薄膜型サーマルヘッドの製造方法
JP2000246929A (ja) サーマルヘッドの製造方法
JP3488368B2 (ja) サーマルヘッド
JPS63146401A (ja) 薄膜発熱抵抗体
JP3526515B2 (ja) サーマルヘッド
JP3545959B2 (ja) サーマルヘッド
JP2837963B2 (ja) サーマルヘッド
JPH05338234A (ja) サーマルヘッド
JPS61135765A (ja) サ−マルヘツドの耐摩耗保護膜の製造方法
JPS6271666A (ja) サ−マルヘツド
JPH07186424A (ja) サーマルヘッドの製造方法
JPH08174887A (ja) サーマルヘッド
JPH07309025A (ja) サーマルヘッド
JPS5872477A (ja) 感熱記録ヘツド
JPH06122220A (ja) サーマルヘッド
JPH01235664A (ja) 薄膜型サーマルヘッド

Legal Events

Date Code Title Description
A977 Report on retrieval

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007

Effective date: 20040402

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20050125

A02 Decision of refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A02

Effective date: 20050927