JPH05278221A - インクジェット記録装置 - Google Patents

インクジェット記録装置

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JPH05278221A
JPH05278221A JP4084030A JP8403092A JPH05278221A JP H05278221 A JPH05278221 A JP H05278221A JP 4084030 A JP4084030 A JP 4084030A JP 8403092 A JP8403092 A JP 8403092A JP H05278221 A JPH05278221 A JP H05278221A
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JP
Japan
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ink
recording
edge portion
pulse
ejected
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JP4084030A
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English (en)
Inventor
Makoto Shiotani
真 塩谷
Masayoshi Tachihara
昌義 立原
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Canon Inc
Original Assignee
Canon Inc
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Publication date
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 インクジェット方式によって記録される画像
のエッジ部の鮮明度の低下を防止する。 【構成】 画像のエッジ部を形成する吐出インク滴2
1,24を非エッジ部を形成する吐出インク滴22,2
3よりも大きな体積とする。これにより、これらが記録
紙2に付着して浸透したとき、エッジ部での拡がりおよ
び浸透の深さが非エッジ部より大きくなりこの部分の光
学濃度を上げることができる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、紙やOHP用紙等の被
記録媒体にインクを吐出して記録を行うためのインクジ
ェット記録装置に関する。
【0002】
【従来の技術】インクジェット方式は、種々の被記録媒
体に対して記録を行うことができるという利点を有して
いる。また、この方式でも、熱エネルギーを利用してイ
ンクに気泡を生成し、この気泡の生成に基づいてインク
滴を吐出する方式は、高速記録が可能であること、高精
細な記録が可能であること、さらに記録ヘッドを廉価に
製造できること等、種々の利点を有し、近年良く用いら
れつつある方式である。
【0003】ところで、インクジェット方式は、熱転写
方式や電子写真方式に比べ、画像エッジ部の鮮明度がや
や劣る場合があり、これは、後述されるように被記録媒
体のインク吸収性に起因したことであることが知られて
いる。この問題を解決するため、従来より、インクジェ
ット方式に適した記録紙やインクについての提案がされ
ている。しかしながら、これら提案は十分な効果を挙げ
るに至っていないのが現状である。特に、オフィス等で
通常使われる比較的インク吸収性の劣るコピー用紙,レ
ター用紙,上質紙等のいわゆる普通紙に、インクジェッ
ト方式によって記録を行う場合に画像エッジ部の鮮明度
が悪くなる問題については解決されていない。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】図1,2および3は、
上記問題点、すなわち画像エッジ部の鮮明度が悪くなる
という問題点を説明するための図である。
【0005】図1は「C」という文字フォントを記録紙
2に記録する例を示す模式図である。このフォントの中
央部a−a′で示される部分の画素形成を例にとり、上
記問題点を説明する。
【0006】図2は図1のa−a′線断面であり、記録
紙2に対してインク滴151〜154を吐出したところ
を示す。この吐出の結果、記録紙2に着弾したインク滴
151〜154は合体して図3(a)に示すようにな
り、中央部が盛り上がった形状となる。この結果、この
インクが記録紙2に浸透して形成されるドットの断面1
61は、図3(b)に示すようになる。このようにして
形成されたドットは、その端部の深さが浅くなるため、
図3(c)に示すようなOD(光学濃度)分布を示す。
この結果、エッジ部がぼやけて不鮮明になることがあ
る。
【0007】なお、上述のドット形成の過程で、インク
滴151〜154が着弾して互いに合体し、図3(a)
に示すインク滴160を形成する際、記録紙2のインク
吸収性が低い程、このような形状が形成され易い。従っ
て、インク吸収性の低い記録紙程、上述の問題が顕著と
なる。
【0008】本発明は上述の問題点を解決するためにな
されたものであり、エッジ部の鮮明な画像を記録するこ
とができ、特に、インク吸収性の劣る被記録媒体を用い
る場合にもエッジ部の鮮明な画像を記録することができ
るインクジェット記録装置を提供することを目的とす
る。
【0009】
【課題を解決するための手段】そのために本発明では、
被記録媒体にインクを吐出して画像の記録を行うインク
ジェット記録装置において、インクを吐出するための記
録ヘッドと、該記録ヘッドにインク吐出を行わせるため
のヘッド駆動手段と、該ヘッド駆動手段を制御し、前記
画像のエッジ部に前記記録ヘッドが吐出するインク量を
当該非エッジ部より多くする駆動制御手段と、を具えた
ことを特徴とする。
【0010】さらに好ましくは、前記インクジェット記
録装置は、前記記録ヘッドを前記被記録媒体に対して走
査させるための手段をさらに具え、前記駆動制御手段は
前記エッジ部と前記非エッジ部とを異なる走査で記録す
ることを特徴とする。
【0011】
【作用】以上の構成によれば、第1に、エッジ部に対す
る吐出インク量が多くなるので、エッジ部に付着したイ
ンクの浸透深さが大きくなり、この部分の濃度を上げる
ことができる。第2に、画像のエッジ部と非エッジ部と
を異なる走査で記録するので、例えばエッジ部に吐出さ
れたインクはその浸透の前に非エッジ部に吐出されたイ
ンクを合体しない。すなわち、次に非エッジ部にインク
が吐出されるまでに浸透することができ、インク吸収体
に劣る被記録媒体の場合でも充分な浸透深さを有するド
ットを形成することができる。
【0012】上記第1の作用を詳しく説明すると、画像
エッジ部を記録するためのインク吐出を行う際、メイン
ヒートパルスの前にプレヒートパルスを加えるか、また
は元々あるプレヒートパルスの波形,幅,個数,メイン
ヒートパルスとの間隔などを調整する。これにより、吐
出するインク滴の体積は大きくなる。このようなプレヒ
ートパルスとしては、例えば図4に示すようにメインヒ
ートパルス51と同じ電圧でパルス幅t′がメインヒー
トパルスの幅tの1/2程度で、メインヒートパルスと
の時間差(プレヒートパルス立下がり時からメインヒー
トパルスの立上がり時までの時間)をプレヒートパルス
52の幅程度とするものが考えられる。このような駆動
を行った場合、プレヒートパルスによってインク滴の吐
出は行われないが、予めインクの温度が上昇する。これ
により、インクの粘性が低下してインク吐出やその他の
気泡の成長に対する粘性抵抗が小さくなり、吐出インク
滴の体積を大きくすることができる。また、このインク
温度の上昇は、気泡の成長を促進するため、同時に吐出
インク体積の増大に寄与する。
【0013】この結果、例えば図5に示すように、画像
エッジ部を記録するインク滴21および24を吐出する
ときプレヒートの制御を行い、吐出インク滴を大きな体
積とすることができる。この際、使用している記録紙の
インク吸収性が比較的高ければ図6(a)のような記録
紙2に浸透したインク31によりドットが形成され、図
6(b)に示すようなOD分布が得られる。これによ
り、画像エッジ部の鮮明度にすぐれた記録を行うことが
可能となる。
【0014】ところが、さらに発明者らの検討したとこ
ろによれば、記録紙のインク吸収性が比較的低い、いわ
ゆる普通紙では、上述のようにエッジ部のインク滴を大
きくして記録紙上に着弾させても、図7(a)に示すよ
うにインク滴はすぐには吸収されないため、これら記録
紙2上のインク滴は表面張力の働きによって図7(b)
のように中央部が盛り上がった状態になってしまうこと
が解った。このようなインク滴が記録紙に浸透すると、
図3に関して既に説明したように、エッジ部の鮮明性が
向上しないことになる。
【0015】上記第2の作用はこのような問題を解決す
るものである。すなわち、エッジ部と非エッジ部が異な
るスキャンで形成されるため、例えば図8に示すように
先行するスキャンで画像エッジ部を大きな吐出体積を持
つインク滴で記録して、後続のスキャンで非エッジ部を
記録することにより、記録紙上のインク滴の合体を防ぐ
ことができる。この結果、記録紙がインク吸収性に劣る
場合でも、図6(a)に示すようなドットを形成するこ
とが可能となる。
【0016】なお、図8では、エッジ部を先に記録して
から非エッジ部を後で記録することになっているが、こ
れとは逆に非エッジ部を先に記録しておいてから後でエ
ッジ部の記録を行っても同様の効果が得られることは言
うまでもない。
【0017】
【実施例】以下、図面を参照して本発明の実施例を詳細
に説明する。
【0018】<実施例1>図9は、本発明の一実施例に
関するインクジェット記録装置の概略斜視図である。
【0019】図9において、1は128個の吐出口を1
6個/mmの密度で設けた記録ヘッドであり、各吐出口
にはこれに連通するインク路に吐出エネルギーを発生す
るためのヒータを備える。ヒータは印加される電気パル
スに応じて熱を発生し、これによりインク中に膜沸騰を
生じさせ、この膜沸騰による気泡の成長にともなって上
記吐出口からインクが吐出される。
【0020】4は記録ヘッド1を搭載して移動するため
のキャリッジであり、キャリッジ4の移動はその一部に
おいて摺動可能に係合する2本のガイド軸5A,5Bに
案内されながらなされる。6は不図示のインクタンクに
より記録ヘッド1にインクを供給するためのインク供給
チューブであり、7は記録ヘッド1の一部に設けられる
ヘッド駆動回路へ不図示の本装置制御部より記録データ
に基づいた駆動信号や制御信号を送信するためのフレシ
キブルケーブルである。インク供給チューブ6およびフ
レキシブルケーブル7はともにキャリッジ4の移動に追
随できるように可撓性の部材によって構成されている。
また、キャリッジ4は、ガイド軸5A,5Bと平行に張
設されキャリッジ4を移動させるためのベルト(不図
示)の一部と接続し、このベルトが不図示のキャリッジ
モータによって駆動されることによりキャリッジ4の移
動が可能となる。
【0021】3は、その長手方向がガイド軸5A,5B
と平行に延在するプラテンローラであり、2は被記録媒
体としての記録紙である。記録ヘッド1は、キャリッジ
4の移動にともない、記録紙2の吐出口に対向する部分
にインクを吐出して記録を行うことが可能となる。
【0022】図10は本実施例によって形成される画像
の模式図である。
【0023】同図は、記録紙上に形成されたドットの集
合よりなる画像を模式的に表わしており、図中斜線で示
されるエッジ部のドットは、非エッジ部のドットより大
きく形成される。
【0024】これは、画像エッジ部を形成するインク滴
の吐出に際しては、図11(a)に示すプレヒートパル
ス(パルス幅2μsec)とメインパルス(パルス幅5
μsec)の両方を与え、画像非エッジ部を形成するイ
ンク滴の吐出に際しては、図11(b)に示すメインヒ
ートパルスのみを与えることにより可能となる。図11
(a)に示したプレヒートパルスによればヒータの近傍
のインクの温度を上昇させるが、インクを吐出させるに
は至らない。また、プレヒート終了後わずか1μsec
後にメインヒートパルスが与えられるので、この間にヒ
ータ近傍から散逸する熱エネルギーはわずかであり、上
昇したインク温度は有効に維持される。この高いインク
温度は、上述したように、吐出インク体積を増大させ
る。このようにプレヒートが吐出インク滴体積の増大に
有効に作用するには、プレヒートパルスがメインヒート
パルスの0.5〜5.0μsec程度前にあるのが好適
であり、また、その幅はメインヒートパルスの2/3〜
1/6程度が好適である。以上のような駆動を行う結
果、画像エッジ部を形成するインク滴の体積は画像非エ
ッジ部を形成するインク滴の体積より大きくなる。
【0025】本例の方式によって種々の記録紙に対して
記録を行ったところ、インク吸収性の良い専用の記録紙
では、画像エッジ部の比較的鮮明な画像が得られ、また
インク吸収性の劣るコピー用紙では従来のプレヒートパ
ルスを加えない方式に比べて画像エッジ部の濃度が若干
高くなるのが見られた。
【0026】<実施例2>本発明の第2の実施例では、
上記実施例1と同一の記録ヘッドおよび記録装置を用
い、異なる記録方式で記録を行った。
【0027】図12は本実施例の記録方式を説明するた
めの概念図である。
【0028】1は記録ヘッドを模式的に表わしたもので
あり、記録ヘッド1には128個の吐出口が図の上下方
向に並んでいる。便宜上吐出口番号を図の上から下へ向
ってNo.1,No.2,・・・No.128とする。
【0029】最初に記録を行う際には、まずNo.65
〜128の吐出口のみを用い記録ヘッドを走査させつつ
インクを吐出し記録を行う。この際、予め検出しておい
た画像エッジ部のみを、図11(a)に示すパルス波形
を用いて記録を行う。この結果、図13(a)に示すよ
うに、記録紙の上方から第1〜64番目の画素(ドッ
ト)中のエッジ部の画素(ドット)のみが記録される。
【0030】次に、記録紙を64画素分上方へ送り(図
中では便宜上記録ヘッドが下方へ相対的に移動したこと
になっている)、No.1〜128の吐出口を用い記録
ヘッドを走査させつつインクを吐出し記録を行う。この
際、図13(b)に示すように、No,1〜64の吐出
口は上記第1〜64番目のうちの非エッジ部の画素を記
録するように図11(b)のパルス波形を用いてインク
を吐出し、No.65〜128の吐出口は、図13
(a)に示すように、新たに第65〜128番目の画素
中のエッジ部の画素を記録するように図11(a)のパ
ルス波形を用いてインクを吐出する。このような記録を
順次繰り返して画像の記録を行う。なお画像再下端のス
キャンではNo.1〜64の吐出口のみを用いて記録を
行い画像端を形成する。
【0031】このように、2回の走査の各々によって非
エッジ部とエッジ部の画素がそれぞれ形成されて図13
(c)のようになる。この結果、エッジ部の画素が形成
されてから非エッジ部の画素が形成されるまでに記録ヘ
ッドの走査にかかる時間があるため、エッジ部に吐出さ
れたインクは、吸収性に劣る記録紙でも十分に吸収され
る。従って、図7(b)に示したようなインクの合体は
生じず、エッジ部のドット(画素)101はプレヒート
パルスとメインヒートパルス両方の印加によって吐出さ
れるインク滴で形成され、ドット径、深さ共に非エッジ
部のドット102より20%程度大きい十分な大きさの
ドットとなる。このため、エッジ部のOD値が高く、鮮
明な画像を得ることができる。また、本実施例によれ
ば、画像エッジ部を形成するドット(画素)を1回の走
査時に吐出するため各ドットは記録紙に浸透する前に表
面張力によって合体するのでエッジ部が確実にインク滴
で被われ、さらに鮮明な画像を得ることができる。
【0032】<実施例3>実施例1と同一の装置および
記録ヘッドを用い、異なる記録方式を用いて記録を行っ
た。
【0033】図14は本実施例によって形成される画像
の模式図であり、本実施例では実施例2と同様1ライン
分の画素が2回の走査によって形成される。しかし、実
施例2では1回の走査で画像エッジ部または非エッジ部
のどちらか一方のみを記録したのに対し、本実施例で
は、エッジ部,非エッジ部に関係無く、各画素が縦方向
で隣接しないように記録される。この際にエッジ部を形
成するインク滴の吐出に際しては図15(a)に示すパ
ルスを与え、非エッジ部を形成するインク滴の吐出に際
しては図15(b)のパルスを与える。これによれば、
前者は、そのプレヒートパルスがメインヒートパルスに
近付くに従い電圧が上昇するので、メインヒートパルス
が立上がるまでに散逸する熱エネルギーが少ない。従っ
て、エッジ部を形成するインク滴の体積は非エッジ部を
形成するインク滴の体積より大きくなる。次の走査では
記録紙をヘッド幅の1/2、すなわち64画素分送った
後、記録すべき画像のうち前回のスキャンで記録しなか
った画像部分を記録する。この際にもエッジ部を形成す
るインク滴の吐出に際しては図15(a)のパルスを与
え、非エッジ部を形成するインク滴の吐出に際しては図
15(b)のパルスを与える。これにより、エッジ部を
形成するインク滴の体積が非エッジ部を形成するインク
滴の体積より大きくなるようにする。
【0034】以上のような記録を行った結果、エッジ部
のOD値の高い鮮明な画像が得られた。
【0035】本実施例では図15(a)と図15(b)
のそれぞれのヒートパルスの間で消費される電力に差は
無いので、エッジ部の多少による消費電力のばらつきが
ないという特徴がある。また、本実施例では隣接する吐
出口が交互に使用されるため、隣接吐出口間のいわゆる
クロストークが少なく吐出周波数を高くしても安定に記
録が行えると言う特徴もある。
【0036】以上の各実施例では、プレヒートパルスを
エッジ部で変化させる方法として、エッジ部と非エッジ
部でプレヒートパルスの有無を変化させたり、プレヒー
トパルスの波形を変化させるものであったが、他の方式
として、図16〜20に示すように、エッジ部および非
エッジ部の記録に各図のそれぞれ(b)および(a)に
示されるパルスを用いて記録を行う方式がある。これら
図はプレヒートパルスの幅を変化させる方式(図1
6)、プレヒートパルスとメインヒートパルスの間隔を
変化させる方式(図17)、プレヒートパルスの個数を
変化させる方式(図18)、プレヒートパルスの電圧を
変化させる方式(図19)、パルスの波形を変化させる
方式(図20)をそれぞれ示している。
【0037】(その他)なお、本発明は、特にインクジ
ェット記録方式の中でも、インク吐出を行わせるために
利用されるエネルギとして熱エネルギを発生する手段
(例えば電気熱変換体やレーザ光等)を備え、前記熱エ
ネルギによりインクの状態変化を生起させる方式の記録
ヘッド、記録装置において優れた効果をもたらすもので
ある。かかる方式によれば記録の高密度化,高精細化が
達成できるからである。
【0038】その代表的な構成や原理については、例え
ば、米国特許第4723129号明細書,同第4740
796号明細書に開示されている基本的な原理を用いて
行うものが好ましい。この方式は所謂オンデマンド型,
コンティニュアス型のいずれにも適用可能であるが、特
に、オンデマンド型の場合には、液体(インク)が保持
されているシートや液路に対応して配置されている電気
熱変換体に、記録情報に対応していて核沸騰を越える急
速な温度上昇を与える少なくとも1つの駆動信号を印加
することによって、電気熱変換体に熱エネルギを発生せ
しめ、記録ヘッドの熱作用面に膜沸騰を生じさせて、結
果的にこの駆動信号に一対一で対応した液体(インク)
内の気泡を形成できるので有効である。この気泡の成
長,収縮により吐出用開口を介して液体(インク)を吐
出させて、少なくとも1つの滴を形成する。この駆動信
号をパルス形状とすると、即時適切に気泡の成長収縮が
行われるので、特に応答性に優れた液体(インク)の吐
出が達成でき、より好ましい。このパルス形状の駆動信
号としては、米国特許第4463359号明細書,同第
4345262号明細書に記載されているようなものが
適している。なお、上記熱作用面の温度上昇率に関する
発明の米国特許第4313124号明細書に記載されて
いる条件を採用すると、さらに優れた記録を行うことが
できる。
【0039】記録ヘッドの構成としては、上述の各明細
書に開示されているような吐出口,液路,電気熱変換体
の組合せ構成(直線状液流路または直角液流路)の他に
熱作用部が屈曲する領域に配置されている構成を開示す
る米国特許第4558333号明細書,米国特許第44
59600号明細書を用いた構成も本発明に含まれるも
のである。加えて、複数の電気熱変換体に対して、共通
するスリットを電気熱変換体の吐出部とする構成を開示
する特開昭59−123670号公報や熱エネルギの圧
力波を吸収する開孔を吐出部に対応させる構成を開示す
る特開昭59−138461号公報に基いた構成として
も本発明の効果は有効である。すなわち、記録ヘッドの
形態がどのようなものであっても、本発明によれば記録
を確実に効率よく行うことができるようになるからであ
る。
【0040】加えて、上例のようなシリアルタイプのも
のでも、装置本体に固定された記録ヘッド、あるいは装
置本体に装着されることで装置本体との電気的な接続や
装置本体からのインクの供給が可能になる交換自在のチ
ップタイプの記録ヘッド、あるいは記録ヘッド自体に一
体的にインクタンクが設けられたカートリッジタイプの
記録ヘッドを用いた場合にも本発明は有効である。
【0041】また、本発明の記録装置の構成として、記
録ヘッドの吐出回復手段、予備的な補助手段等を付加す
ることは本発明の効果を一層安定できるので、好ましい
ものである。これらを具体的に挙げれば、記録ヘッドに
対してのキャッピング手段、クリーニング手段、加圧或
は吸引手段、電気熱変換体或はこれとは別の加熱素子或
はこれらの組み合わせを用いて加熱を行う予備加熱手
段、記録とは別の吐出を行なう予備吐出手段を挙げるこ
とができる。
【0042】また、搭載される記録ヘッドの種類ないし
個数についても、例えば単色のインクに対応して1個の
みが設けられたものの他、記録色や濃度を異にする複数
のインクに対応して複数個数設けられるものであっても
よい。すなわち、例えば記録装置の記録モードとしては
黒色等の主流色のみの記録モードだけではなく、記録ヘ
ッドを一体的に構成するか複数個の組み合わせによるか
いずれでもよいが、異なる色の複色カラー、または混色
によるフルカラーの各記録モードの少なくとも一つを備
えた装置にも本発明は極めて有効である。
【0043】さらに加えて、以上説明した本発明実施例
においては、インクを液体として説明しているが、室温
やそれ以下で固化するインクであって、室温で軟化もし
くは液化するものを用いてもよく、あるいはインクジェ
ット方式ではインク自体を30℃以上70℃以下の範囲
内で温度調整を行ってインクの粘性を安定吐出範囲にあ
るように温度制御するものが一般的であるから、使用記
録信号付与時にインクが液状をなすものを用いてもよ
い。加えて、熱エネルギによる昇温を、インクの固形状
態から液体状態への状態変化のエネルギとして使用せし
めることで積極的に防止するため、またはインクの蒸発
を防止するため、放置状態で固化し加熱によって液化す
るインクを用いてもよい。いずれにしても熱エネルギの
記録信号に応じた付与によってインクが液化し、液状イ
ンクが吐出されるものや、記録媒体に到達する時点では
すでに固化し始めるもの等のような、熱エネルギの付与
によって初めて液化する性質のインクを使用する場合も
本発明は適用可能である。このような場合のインクは、
特開昭54−56847号公報あるいは特開昭60−7
1260号公報に記載されるような、多孔質シート凹部
または貫通孔に液状又は固形物として保持された状態
で、電気熱変換体に対して対向するような形態としても
よい。本発明においては、上述した各インクに対して最
も有効なものは、上述した膜沸騰方式を実行するもので
ある。
【0044】さらに加えて、本発明インクジェット記録
装置の形態としては、コンピュータ等の情報処理機器の
画像出力端末として用いられるものの他、リーダ等と組
合せた複写装置、さらには送受信機能を有するファクシ
ミリ装置の形態を採るもの等であってもよい。
【0045】
【発明の効果】以上の説明から明らかなように、本発明
によれば、第1に、エッジ部に対する吐出インク量が多
くなるので、エッジ部に付着したインクの拡がりや浸透
の深さが大きくなり、この部分の濃度を上げることがで
きる。第2に、画像のエッジ部と非エッジ部とを異なる
走査で記録するので、例えばエッジ部に吐出されたイン
クは非エッジ部に吐出されたインクを合体しない。そし
て、次に非エッジ部にインクが吐出されるまでに浸透す
ることができ、インク吸収体に劣る被記録媒体の場合で
も充分な拡がり等を形成することができる。
【0046】この結果、常に画像エッジ部の光学濃度が
高い鮮明な画像が得られる。
【図面の簡単な説明】
【図1】インクジェット方式の従来例による記録例を示
す模式図である。
【図2】上記記録例におけるインク吐出を説明するため
の図1のa−a′線断面図である。
【図3】(a),(b),(c)は、上記記録例におけ
るそれぞれ記録紙上に付着した吐出インクの様子を示す
断面図、記録紙に浸透したインクの様子を示す断面図お
よびこの浸透インクの光学濃度を示す線図である。
【図4】本発明に用いられるヒータ駆動パルスを示す波
形図である。
【図5】本発明による記録の際のインク吐出の様子を示
す断面図である。
【図6】(a)および(b)は、それぞれ本発明による
上記インク吐出によるインク浸透の様子を示す断面図お
よびこのインク浸透による光学濃度を示す線図である。
【図7】(a)および(b)は、本発明をインク吸収性
に劣る記録紙に適用した場合の記録紙上に付着する吐出
インク滴の様子を示す断面図である。
【図8】インク吸収性に劣る記録紙に本発明の他の態様
を適用した場合のインク吐出を示す断面図である。
【図9】本発明を実施可能なインクジェット記録装置の
一例の要部を示す斜視図である。
【図10】本発明の第1の実施例による記録結果を示す
模式図である。
【図11】(a)および(b)は、上記第1実施例で用
いられるヒートパルスを示す波形図である。
【図12】本発明の第2の実施例にかかる記録方式を示
す概念図である。
【図13】(a),(b)および(c)は、上記第2実
施例による画素形成を順を追って示す模式図である。
【図14】(a),(b)および(c)は、本発明の第
3実施例による画素形成を順を追って示す模式図であ
る。
【図15】(a)および(b)は、上記第3実施例で用
いられるヒートパルスを示す波形図である。
【図16】(a)および(b)は、本発明の他の実施例
で用いられるヒートパルスを示す波形図である。
【図17】(a)および(b)は、本発明の他の実施例
で用いられるヒートパルスを示す波形図である。
【図18】(a)および(b)は、本発明の他の実施例
で用いられるヒートパルスを示す波形図である。
【図19】(a)および(b)は、本発明の他の実施例
で用いられるヒートパルスを示す波形図である。
【図20】(a)および(b)は、本発明の他の実施例
で用いられるヒートパルスを示す波形図である。
【符号の説明】
1 記録ヘッド 2 記録紙 3 プラテンローラ 4 キャリッジ 5A,5B ガイド軸 21,22,23,24 吐出インク滴 31 浸透インク 101 エッジ部画素(ドット) 102 非エッジ部画素(ドット)
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.5 識別記号 庁内整理番号 FI 技術表示箇所 H04N 1/23 101 Z 9186−5C 9012−2C B41J 3/04 103 X

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 被記録媒体にインクを吐出して画像の記
    録を行うインクジェット記録装置において、 インクを吐出するための記録ヘッドと、 該記録ヘッドにインク吐出を行わせるためのヘッド駆動
    手段と、 該ヘッド駆動手段を制御し、前記画像のエッジ部に前記
    記録ヘッドが吐出するインク量を当該非エッジ部より多
    くする駆動制御手段と、 を具えたことを特徴とするインクジェット記録装置。
  2. 【請求項2】 前記記録ヘッドは熱エネルギーを発生す
    るヒータを有し、該ヒータが発生する前記熱エネルギー
    によりインクに気泡を発生させ、該気泡の生成によって
    インクを吐出することを特徴とする請求項1記載のイン
    クジェット記録装置。
  3. 【請求項3】 前記ヘッド駆動手段は、複数のパルスか
    らなる駆動パルスを印加して前記インク吐出を行わせ、
    前記駆動制御手段は、前記駆動パルスにおいて先行する
    パルスの波形を制御することにより前記エッジ部に吐出
    するインク量を多くすることを特徴とする請求項2記載
    のインクジェット記録装置。
  4. 【請求項4】 前記インクジェット記録装置は、前記記
    録ヘッドを前記被記録媒体に対して走査させるための手
    段をさらに具え、前記駆動制御手段は前記エッジ部と前
    記非エッジ部とを異なる走査で記録することを特徴とす
    る請求項1ないし3のいずれかに記載のインクジェット
    記録装置。
JP4084030A 1992-04-06 1992-04-06 インクジェット記録装置 Pending JPH05278221A (ja)

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Cited By (6)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
US6149257A (en) * 1996-07-12 2000-11-21 Canon Kabushiki Kaisha Ink-jet printing apparatus capable of increased image uniformity
US7377610B2 (en) 2004-03-31 2008-05-27 Fujifilm Corporation Droplet discharge control method and liquid discharge apparatus
US7396098B2 (en) 2005-12-01 2008-07-08 Canon Kabushiki Kaisha Inkjet printing apparatus and inkjet printing method
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