JPH05277503A - 円形断面材の製造方法 - Google Patents

円形断面材の製造方法

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JPH05277503A JP29459791A JP29459791A JPH05277503A JP H05277503 A JPH05277503 A JP H05277503A JP 29459791 A JP29459791 A JP 29459791A JP 29459791 A JP29459791 A JP 29459791A JP H05277503 A JPH05277503 A JP H05277503A
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 本発明は、円形断面素材を圧延して直状棒
材、直状管材、コイル状線材およびコイル状管材等の円
形断面材の製造方法を提供するものである。 【構成】 円形断面の被圧延材を傾斜圧延工程で圧延
し、該圧延材を振り分け工程で振り分けて精整工程に移
送する大断面直状棒材を製造する工程と、孔型圧延工程
を経てから振り分け工程で振り分けて精整工程に移送す
る小断面直状棒材を製造する工程を兼備する円形断面材
の製造方法。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、円形断面素材を圧延し
て直状棒材、直状管材、コイル状線材およびコイル状管
材等の円形断面材の製造方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】棒線材の製造は大型の圧延設備を数基以
上連ねた連続圧延ミルによって行われ、少品種の大量圧
延に適していた。最近、多品種小ロット生産に対応でき
る製造方法が待望されているが大きな塑性加工を分担し
ている主ミルの方式が変わらない限り製造方法の改善も
自ら制限があった。また、従来、連続鋳造された鋳片か
ら棒線材を製造する場合には、連続鋳造片の表層付近の
再結晶を促し、熱間圧延割れやしわ状疵を防止すること
を目的として分塊工程においていわゆるブレークダウン
圧延を行っている。また、管材の製造については、棒線
管材を同時に製造する方法はない。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】本発明は上述した点に
鑑みなされたもので、棒線材のそれぞれの連続圧延ミル
において、大幅な設備費の低減を図ることのできる棒線
材の製造方法を提供するとともに、連続鋳造片の分塊圧
延を省略することを可能にする棒線材の製造方法を提供
すること、および中空円形断面の鋼片または鋼管を被圧
延材として管材の製造も可能とすることを目的とする。
【0004】
【課題を解決するための手段】本発明の特徴は主圧延と
して傾斜圧延を用いたことにある。即ち、本発明は基本
的には円形断面素材を加熱した後、該素材の断面積を縮
少するための傾斜圧延をし、その後コイル状材料と直状
材料に応じて振り分ける工程で孔型圧延あるいは管圧延
を選択し、更にその後、コイル状材料は巻取り、直状材
料は精整工程を経て、製品とするものである。
【0005】本発明の工程フロー例を図1に示す。図に
おいてはコイル状材料(線、管材)の圧延フローを示
し(請求項1に該当)、はの工程に、直状棒材を圧
延製造する場合の工程を付加したフローを示すもので、
傾斜圧延を行った直状棒材は、断面積に応じ、その大な
るものは振り分け工程(S−1)で振り分けられて精整
検定工程へ移送され、その小さい製品となるものは、孔
型圧延を経てその後に設けている第2の振り分け工程
(S‐2)で振り分けられ、精整検定工程へ移送する工
程を有している(請求項2に該当)。は、管状材料の
圧延工程を前記に付加したものであって、管状材は傾
斜圧延後第1の振り分け工程(S−1)で管圧延工程に
振り分けられ、ここで圧延された材料、すなわち直状管
材は、精整検定工程へ移送されるが、コイル状管材は、
管圧延工程の後に設置された振り分け工程で振り分けら
れて、巻取工程へ導入される(請求項3に該当)。
【0006】は、前記,およびの工程を総合し
たもので、傾斜圧延後のコイル状線、管材および直状
棒、管材を、振り分け工程でそれぞれの工程に振り分け
て製造するフローを示している(請求項4に該当)。
【0007】図に示すように、本発明の圧延工程におい
ては、被圧延材を熱間加工温度に昇温する加熱工程
(A)と、これに続いて昇温した被圧延材の円形断面の
断面積を縮小する傾斜圧延工程(B)と中空円形断面と
中実円形断面を振り分ける第1振り分け工程(S−1)
と、さらに該被圧延材の断面積を縮小する孔型圧延工程
(C)と直状材とコイル状材を振り分ける第2振り分け
工程(S−2)と、巻取工程(D)と、管材を圧延する
管圧延工程(E)と、直状管材とコイル状管材を振り分
ける第3振り分け工程(S−3)と、管材の精整検定工
程(F)と、棒材の精整検定工程(G)より円形断面材
を製造する。
【0008】本発明においては加熱工程(A)と傾斜圧
延工程(B)の間に鋼材表面スケール除去のためのデス
ケール工程や鋼材温度低下を防止するための中間加熱工
程を有することができる。は、加熱工程と傾斜圧延工
程の間に中間加熱工程を設けて被圧延素材を中間加熱
し、該被圧延素材を傾斜圧延工程で圧延する工程を示し
ている(請求項7に該当)。
【0009】本発明において用いる加熱工程(A)は、
丸断面の金属ブルームを熱間圧延に必要な温度に均熱で
きるものであればよいが疵発生の少ないウォーキングビ
ーム炉による加熱が望ましい。
【0010】本発明において用いる傾斜圧延工程(B)
とその圧延技術としては、特開昭61−37304号公
報に開示したものを用いることができるが、これらに限
定されるものではない。図3は傾斜圧延工程(B)とし
て使用する圧延機の一例を示す側面図であって、複数の
ロール1,2はロール軸を被圧延材を中心にして同方向
に捩じって傾斜し、歯車中心の内孔11に内接するよう
にロールネック12,13を、ロールチョック14,1
5を介して、ロール保持スタンド16,17に定位置に支
承している。ロールチョックはプルバック19,20に
よってロールと歯車内孔のあいだには遊びがないように
引張られている。歯車22を図示しない歯車駆動装置に
よって回転すると、ロール1,2は歯車内孔11との摩
擦力によって駆動される。このようなロールによって構
成される圧延パスに被圧延材を進入させると、被圧延材
は回転しながら前進し、外面がスパイラル状に圧延され
る。
【0011】また、傾斜圧延工程(B)として使用する
圧延機の他の例(図示せず)として、特開昭58−21
5209号公報に開示された圧延機を使用すれば、圧延
ロールはロール軸駆動され、かつ遊星型駆動されて被圧
延材は回転せずに前進するので、次の孔型圧延工程と連
続同時圧延が図れる等の好都合を得ることができる。
【0012】本発明の傾斜圧延機Bのロール本数は2本
以上であるが、図3に示した型式では圧延反力が歯車2
2の内面により直線的に支えられるため、ロールの曲げ
モーメントが無視できるほど小さいから、ロールの直径
は著しく小型化でき、従ってロール本数も多くできる。
図4は圧延ロールが4本の場合、図5は圧延ロールが6
本の場合であるが、ロール本数は3本以上の場合にはロ
ール間で被圧延材が安定するので特別なガイドは必要と
しない。しかし、2ロールの場合には図6に示すよう
に、被圧延材をパスセンターラインに保つためにガイド
シュー7,8が必要である。ガイドシューには大きな力
はかからないのでロール保持スタンド16,17間に架
設することができるが、ローラー9,10を介して歯車
内面で支承するのが望ましい。また、歯車22は外部の
歯車部と内部のロール部を分割し、ロール部のみを交換
できることが望ましい。なお、図4、図6において21
は歯車22を駆動するための歯車である。
【0013】管材製造の場合は、傾斜圧延工程(B)に
おいて公知の方法であるマンドレル圧延を行なって中空
被圧延材の内面や肉厚を整えることもできる。傾斜圧延
工程(B)によって製造された管材は、その後、公知の
管材圧延工程(E)を付加してもよい。さらに該管材を
公知のストレッチレデューサ(SR)工程によって圧延
し、続いて巻取機によって巻取ることによってコイル状
鋼管を製造することもできる。本発明において用いる孔
型圧延工程(C)、巻取工程(D)は特に限定されるも
のでなく、従来の線材圧延法あるいは棒材圧延法に用い
られているものを使用する。
【0014】また、孔型圧延工程(C)は粗圧延機群、
中間圧延機群、仕上げ圧延機群の3段階によりなり、中
間圧延機群は圧延自由面が少なくて、寸法精度が向上す
るという理由によって3ロール圧延機であることが望ま
しく、また仕上げ圧延機群は高速圧延の点でブロック圧
延機であることが望ましい。
【0015】本発明における傾斜圧延工程(B)におい
て、加熱された金属ブルームを圧延すると被圧延材の表
層付近が中心部に比べ強加工を受けるため表層付近は再
結晶が促進されて、該金属ブルームの熱間加工性が向上
する。傾斜圧延工程(B)を経ないで孔型圧延を行なっ
た場合には減面率20〜30%で熱間加工割れが生じる
鋼種の連続鋳造片でも、本発明法によれば減面率30%
以上の高減面率で熱間圧延することが可能である。図2
に表層付近の加工率の分布状況を示す。さらに傾斜圧延
には、孔型圧延の場合に生じるロール未拘束部分が小さ
く、かつ均一に変形するため、ロール未拘束部分に発生
し易いしわ状疵が発生しない。
【0016】本発明における傾斜圧延工程(B)によっ
て熱間圧延された被圧延材は、引き続き孔型圧延機群
(C)によって熱間圧延されるが、傾斜圧延によって被
圧延材の表層付近は再結晶が促進されているため、熱間
加工性が向上しており、引き続く孔型圧延において大き
な減面率をとっても、熱間加工割れは生じず、鋳片の分
塊圧延なしで優れた品質の棒材および線材および管材を
得ることができる。
【0017】円形断面の被圧延材は、連続鋳造機によっ
て鋳造された鋳造材、鋳造材を熱間加工した熱間加工
材、あるいは冷間加工材でもよく、限定するものではな
い。また、円形断面の形状は、中実および中空であった
り、一部に直線部を有する略円形断面であったり、中空
部に異材を充填した複合断面材などでもよく、形状とし
て特に限定するものでなく、何れの場合も均一に圧延す
ることができる。被圧延素材としては炭素鋼、ステンレ
ス鋼、高合金鋼、チタン等の金属材料に適用することが
できる。
【0018】水平連続鋳造機によって鋳造された鋳片に
は、鋳造において鋳型より間欠的に引き抜かれるため、
鋳片の周方向の表面疵が多いが、本発明における傾斜圧
延工程(B)で周方向に加工を加えることができるの
で、周方向の表面疵の減衰能が大きい。従って、傾斜圧
延工程(B)は水平連続鋳造機によって鋳造された鋳片
の圧延において、特に優れた効果を得ることができる。
【0019】さらに対象材の種類(棒材、管材または線
材)および形態(コイル状または直状)に応じて配置し
た振り分け工程(S−1),(S−2)によって、それ
以降の使用する工程を選択することができるので、コン
パクトな製造設備で棒線材を製造することが可能であ
り、また、管材の製造も同時に行うことができる。管材
で太径サイズの場合には絞り工程を省略してもよい。こ
のように製品の要求品質に応じて、一部の工程を省略し
てもよい。
【0020】また、その後の実験により以下のことが明
らかになった。傾斜圧延機の入口側において鋼材が放冷
されると鋼材の後端ほど圧延入口温度が低下して温度分
布が不均一になり、鋼材の圧延出側の形状が多角形状に
なり仕上げ圧延後の最終製品で表面疵となる場合があ
る。これは、傾斜圧延工程(B)の前に中間加熱工程を
設けて鋼材全長に亘って圧延入口温度を適当な範囲内に
維持することによって改善することができる。
【0021】
【実施例】本発明の実施例および従来例を表1に示す。
本発明の実施例においては、連続鋳造片を分塊工程なし
で圧延を行なった。従来例においては、連続鋳造片を分
塊工程なしで圧延を行なった場合には表面割れが発生し
たため事前に分塊圧延を行なった。実施例はステンレス
鋼SUS304について示した。本発明方法はステンレ
ス鋼、高合金鋼、チタン等の難加工性材料について、特
に顕著な効果を得ることができるが、炭素鋼、低合金鋼
などの金属系材料について適用できることは勿論であ
る。
【0022】本発明法で製造した、棒材、線材および管
材は表面割れもなく圧延できた。また、難熱間加工性材
料SUS309を用いて、本発明の請求項7の工程で製
造したもの(No.5)と、比較例として従来の工程で
製造したもの(No.9)を比較した。傾斜圧延工程
(B)の前に中間加熱工程を設けて鋼材全長に亘って圧
延入口温度を適当な範囲内に維持することによって、鋼
材の圧延出側の形状が多角形状になり仕上げ圧延後の最
終製品で表面疵となるのを改善することができた。
【0023】
【表1】
【0024】
【表2】
【0025】
【発明の効果】以上に述べたように、本発明によれば、
円形断面材の連続圧延ミルにおける主ミルをコンパクト
にすることができるとともに、棒材と線材と管材の作り
分けが容易にできるため、多品種小ロット生産に対応で
きるコンパクトミルの実現が可能である。さらに従来不
可能であった難加工鋳片の場合でも、傾斜圧延で粗圧延
することにより熱間加工割れ、表面疵の発生なしに鋳片
の直接圧延が可能となる。従って分塊圧延の省略がで
き、製造コストの低減が可能である。
【図面の簡単な説明】
【図1】,,,およびは本発明の製造工程フ
ロー例を示す図。
【図2】傾斜圧延によって圧延率(断面積減少率)20
〜50%で圧延したSUS304の加工歪の肉厚方向の
分布を示す図。
【図3】本発明に用いる傾斜圧延法を実施する装置の一
例を示す側断面図。
【図4】本発明に用いる傾斜圧延法を実施する装置の一
例を示す圧延ロール配置図であり、圧延ロールが3本の
場合を示している。
【図5】本発明に用いる傾斜圧延法を実施する装置の一
例を示す圧延ロール配置図であり、圧延ロールが4本の
場合を示している。
【図6】本発明に用いる傾斜圧延法を実施する装置の一
例を示す圧延ロール配置図であり、圧延ロールが6本の
場合を示している。
【図7】本発明に用いる傾斜圧延法を実施する装置の一
例を示す圧延ロール配置図であり、圧延ロールが2本の
場合を示している。
【符号の説明】
(A)…加熱 (B)…傾斜圧延 (C)…孔型圧延 (D)…線材巻取り (E)…管圧延 (F)…管材精整検定 (G)…棒材精整検定 (S−1)…第1振り分け (S−2)…第2振り分け 1,2,3,4,5,6…圧延ロール 7,8…ガイドシュー 9,10…ガイドシュー反力受ローラー 11…歯車中心の内孔 12,13…ロールネック 14,15…ロールチョック 16,17…ロール保持スタンド 19,20…プルバック 21,22…歯車 23…被圧延材
フロントページの続き (72)発明者 吉原 征四郎 千葉県富津市新富20−1 新日本製鐵株式 会社技術開発本部内 (72)発明者 早瀬 昭一郎 福岡県北九州市八幡東区枝光1−1−1 新日本製鐵株式会社設備技術本部内 (72)発明者 森 祐司 山口県光市大字島田3434番地 新日本製鐵 株式会社光製鐵所内

Claims (7)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 円形断面の被圧延素材を鋼片加熱工程で
    加熱し、該被圧延素材を傾斜圧延工程で圧延し、次いで
    孔型圧延工程で圧延した後、巻取工程で巻取ることを特
    徴とする円形断面材の製造方法。
  2. 【請求項2】 円形断面の被圧延材を傾斜圧延工程で圧
    延した後、該圧延材を振り分け工程で振り分けて精整工
    程に移送する大断面直状棒材を製造する工程と、孔型圧
    延工程を経てから振り分け工程で振り分けて精整工程に
    移送する小断面直状棒材を製造する工程を兼備する請求
    項1記載の円形断面材の製造方法。
  3. 【請求項3】 中空円形断面の被圧延素材を傾斜圧延工
    程で圧延した後、振り分け装置によって管圧延工程に振
    り分けて圧延し、管圧延工程のあとに配置した振り分け
    工程によって直状管材は精整検定工程に移送し、コイル
    状管材は振り分けて巻取工程に移送する工程を兼備する
    ことを特徴とする請求項1記載の円形断面材の製造方
    法。
  4. 【請求項4】 請求項2記載の方法で直状の棒管材を製
    造するとともに、請求項3記載の方法で直状およびコイ
    ル状の棒管材を製造する工程を兼備することを特徴とす
    る請求項1記載の円形断面材の製造方法。
  5. 【請求項5】 被圧延素材が水平連続鋳造機によって鋳
    造された鋳片であることを特徴とする請求項1記載の円
    形断面材の製造方法。
  6. 【請求項6】 孔型圧延工程が粗圧延機群、中間圧延機
    群、仕上げ圧延機群よりなり、前記中間圧延機群は3ロ
    ール圧延機、仕上げ圧延機群はブロック圧延機である請
    求項1記載の円形断面材の製造方法。
  7. 【請求項7】 前記加熱工程と前記傾斜圧延工程の間に
    中間加熱工程を設けて前記被圧延素材を中間加熱し、該
    被圧延素材を傾斜圧延工程で圧延することを特徴とする
    請求項1,2,3および4記載の円断面材の製造方法。
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