JPH0527673B2 - - Google Patents
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- JPH0527673B2 JPH0527673B2 JP7242585A JP7242585A JPH0527673B2 JP H0527673 B2 JPH0527673 B2 JP H0527673B2 JP 7242585 A JP7242585 A JP 7242585A JP 7242585 A JP7242585 A JP 7242585A JP H0527673 B2 JPH0527673 B2 JP H0527673B2
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Description
【発明の詳細な説明】
(産業上の利用分野)
本発明は、水と酸化カルシウムを混合して該酸
化カルシウムに消化反応を発生させる場合におい
て、該消化反応を適宜遅延させる方法に関するも
のである。
化カルシウムに消化反応を発生させる場合におい
て、該消化反応を適宜遅延させる方法に関するも
のである。
(従来技術)
近年、インスタントラーメン等のインスタント
食品は、その調理の手軽さが買われて大いに流行
し、市場には多種多様なインスタント食品が出回
つている。
食品は、その調理の手軽さが買われて大いに流行
し、市場には多種多様なインスタント食品が出回
つている。
ところが、これらインスタント食品は、そのほ
とんどがその調理に熱湯あるいは加熱を必要とす
るものであるところから、火とか電気とかの熱源
のない場所では調理することができないという不
便さがあり、このことから火とか電気とかの熱源
を使用しない手軽な加熱装置の開発が望まれてい
た。
とんどがその調理に熱湯あるいは加熱を必要とす
るものであるところから、火とか電気とかの熱源
のない場所では調理することができないという不
便さがあり、このことから火とか電気とかの熱源
を使用しない手軽な加熱装置の開発が望まれてい
た。
このような背景から、近年、水と酸化カルシウ
ムとの消化反応に伴い反応熱を熱源として利用す
ることが試みられている。
ムとの消化反応に伴い反応熱を熱源として利用す
ることが試みられている。
ところが、このような酸化カルシウムの消化反
応に伴う反応熱を加熱用熱源として利用する場
合、使用される酸化カルシウムの性質が、水との
混合により瞬時にして消化反応を発生するような
ものである場合には、酸化カルシウム水を加えた
後、調理準備が整なわないうちに発熱を伴う消化
反応が開始されるため、その取扱いが難しいばか
りでなく、酸化カルシウム全体に水が十分に浸み
わたらないうちに該酸化カルシウムの表層部のみ
で消化反応が起こつて消化反応発生用の水が蒸発
してしまうところから酸化カルシウムの未反応部
分が多くなり十分な発熱量が得られなくなるとい
う等の問題があつた。
応に伴う反応熱を加熱用熱源として利用する場
合、使用される酸化カルシウムの性質が、水との
混合により瞬時にして消化反応を発生するような
ものである場合には、酸化カルシウム水を加えた
後、調理準備が整なわないうちに発熱を伴う消化
反応が開始されるため、その取扱いが難しいばか
りでなく、酸化カルシウム全体に水が十分に浸み
わたらないうちに該酸化カルシウムの表層部のみ
で消化反応が起こつて消化反応発生用の水が蒸発
してしまうところから酸化カルシウムの未反応部
分が多くなり十分な発熱量が得られなくなるとい
う等の問題があつた。
(発明の目的)
そこで本発明は、特に水との混合により瞬時に
消化反応を起こす性状をもつ酸化カルシウムを使
用する場合において、該酸化カルシウムの消化反
応を適宜遅延させることにより、例えば、この消
化反応に伴う反応熱を加熱用熱源として利用する
場合における取り扱い性を向上させるとともに、
発熱量の増大及び熱効率の向上を図ることができ
るようにした酸化カルシウムの消化反応遅延方法
を提供せんとしてなされたものである。
消化反応を起こす性状をもつ酸化カルシウムを使
用する場合において、該酸化カルシウムの消化反
応を適宜遅延させることにより、例えば、この消
化反応に伴う反応熱を加熱用熱源として利用する
場合における取り扱い性を向上させるとともに、
発熱量の増大及び熱効率の向上を図ることができ
るようにした酸化カルシウムの消化反応遅延方法
を提供せんとしてなされたものである。
(目的を達成するための手段)
本発明は上記の目的を達成するための手段とし
て、酸化カルシウムと水とを反応室内において混
合させて該酸化カルシウムに反応熱を伴う消化反
応を生じさせるに際し、該酸化カルシウムとして
石灰石を食塩等の添加物を加えずにそのまま焼成
することにより得られる酸化カルシウムを用いる
とともに、該酸化カルシウムとを混合される水の
量を、該酸化カルシウムと水との化学反応式に基
づいて規定される理論必要量の1.0倍ないし2.5倍
とし、さらに上記酸化カルシウムと水との少なく
とも一方にシヨ糖、ブドウ糖、果糖、糖密、水あ
め又はそれらの混合物よりなる反応遅延剤を添加
することを特徴としている。
て、酸化カルシウムと水とを反応室内において混
合させて該酸化カルシウムに反応熱を伴う消化反
応を生じさせるに際し、該酸化カルシウムとして
石灰石を食塩等の添加物を加えずにそのまま焼成
することにより得られる酸化カルシウムを用いる
とともに、該酸化カルシウムとを混合される水の
量を、該酸化カルシウムと水との化学反応式に基
づいて規定される理論必要量の1.0倍ないし2.5倍
とし、さらに上記酸化カルシウムと水との少なく
とも一方にシヨ糖、ブドウ糖、果糖、糖密、水あ
め又はそれらの混合物よりなる反応遅延剤を添加
することを特徴としている。
(作用)
本発明では上記の手段により次のような作用が
得られる。
得られる。
酸化カルシウムを、石灰石を食塩等の添加物
を加えずにそのまま焼成して得られるものとし
たことから水との混合後、瞬時に消化反応を起
こして反応熱を発生させる性質を有しているに
もかかわらず、該消化反応の反応速度が、シヨ
糖、ブドウ糖、果糖、糖密、水あめ又はこれら
の混合物よりなる遅延剤の作用により適宜に遅
延されることになる。
を加えずにそのまま焼成して得られるものとし
たことから水との混合後、瞬時に消化反応を起
こして反応熱を発生させる性質を有しているに
もかかわらず、該消化反応の反応速度が、シヨ
糖、ブドウ糖、果糖、糖密、水あめ又はこれら
の混合物よりなる遅延剤の作用により適宜に遅
延されることになる。
酸化カルシウムとの反応に寄与する水の量が
両者の化学反応式に基づいて規定される水量の
1.0〜2.5倍とされているため、上記消化反応が
適正に行われるとともに発生した反応熱のうち
化学反応に寄与しない水の昇温に消費される無
駄な熱量が可及的に低減される。
両者の化学反応式に基づいて規定される水量の
1.0〜2.5倍とされているため、上記消化反応が
適正に行われるとともに発生した反応熱のうち
化学反応に寄与しない水の昇温に消費される無
駄な熱量が可及的に低減される。
(発明の効果)
従つて、本発明の酸化カルシウムの消化反応遅
延方法によれば、 (a) 酸化カルシウムの消化反応を遅延させること
ができることから、その取扱いが容易であると
ともに、酸化カルシウム全体に水が浸み込むま
で化学反応が遅延されるところから該酸化カル
シウム全体を発熱反応に寄与せしめて発熱量の
増大を図ることができる、 (b) 反応用水量が十分に確保されることから、消
化反応が適正に行なわれ且つ水の昇温のみに消
費される熱量が低減され、それだけ熱効率が向
上する、 等の効果が得られる。
延方法によれば、 (a) 酸化カルシウムの消化反応を遅延させること
ができることから、その取扱いが容易であると
ともに、酸化カルシウム全体に水が浸み込むま
で化学反応が遅延されるところから該酸化カル
シウム全体を発熱反応に寄与せしめて発熱量の
増大を図ることができる、 (b) 反応用水量が十分に確保されることから、消
化反応が適正に行なわれ且つ水の昇温のみに消
費される熱量が低減され、それだけ熱効率が向
上する、 等の効果が得られる。
(実施例)
以下、第1図ないし第3図を参照して本発明の
好適な実施例を説明する。
好適な実施例を説明する。
構 成
第1図には本発明の酸化カルシウムの消化遅延
方法を、該消化反応に伴う反応熱をインスタント
ラーメンの調理用加熱装置に適用したものが示さ
れており、図中符号1は加熱装置の発熱容器であ
る。
方法を、該消化反応に伴う反応熱をインスタント
ラーメンの調理用加熱装置に適用したものが示さ
れており、図中符号1は加熱装置の発熱容器であ
る。
この発熱容器1は、発泡スチロール樹脂等の断
熱材料で形成された有底筒状の容器本体2と、該
容器本体2の上部開口2aを着脱自在に覆蓋する
蓋体3とを有しており、その内部は適宜容積をも
つて反応室10とされている。
熱材料で形成された有底筒状の容器本体2と、該
容器本体2の上部開口2aを着脱自在に覆蓋する
蓋体3とを有しており、その内部は適宜容積をも
つて反応室10とされている。
反応室10の底部10aには、水と混合するこ
とにより化学反応を起こして反応熱を発生する酸
化カルシウム5が収容されている。尚、この実施
例においては本発明を適用して酸化カルシウム5
として、石灰石を食塩等の添加物を加えることな
くそのまま重油バーナ等によつて焼成して得られ
る(いわゆる重油だき法)酸化カルシウムを使用
している。尚、この酸化カルシウム5は粉末ある
いは粒状体として用いられる。
とにより化学反応を起こして反応熱を発生する酸
化カルシウム5が収容されている。尚、この実施
例においては本発明を適用して酸化カルシウム5
として、石灰石を食塩等の添加物を加えることな
くそのまま重油バーナ等によつて焼成して得られ
る(いわゆる重油だき法)酸化カルシウムを使用
している。尚、この酸化カルシウム5は粉末ある
いは粒状体として用いられる。
さらに、この実施例においては、本発明を適用
して酸化カルシウム5中に、反応遅延剤として作
用するシヨ糖、ブドウ糖、果糖、糖密、水あめ等
の糖類を単独であるいはこれらの混合体として添
加混合している。尚、この反応遅延剤の添加量は
酸化カルシウム5に対して例えばブドウ糖の場合
には1重量%〜10重量%が好適である。又、この
反応遅延剤は上記の如く酸化カルシウム5中に混
合する外に、例えば該酸化カルシウム5と混合せ
しめられる反応用の水の中に溶解状態で添加する
こともできる。
して酸化カルシウム5中に、反応遅延剤として作
用するシヨ糖、ブドウ糖、果糖、糖密、水あめ等
の糖類を単独であるいはこれらの混合体として添
加混合している。尚、この反応遅延剤の添加量は
酸化カルシウム5に対して例えばブドウ糖の場合
には1重量%〜10重量%が好適である。又、この
反応遅延剤は上記の如く酸化カルシウム5中に混
合する外に、例えば該酸化カルシウム5と混合せ
しめられる反応用の水の中に溶解状態で添加する
こともできる。
一方、反応室10の上部10bには、その上部
開口部に鍔4aを有する適宜深さのアルミニウム
製鍋4が、該鍔4aを上記容器本体2の上端開口
部2aに形成した棚部2bに掛止させた状態でし
かも比較的両者間の気密性を保持し得るようにし
て取付けられている。さらに、この鍋4の内部に
は、乾燥麺6が収容されている。
開口部に鍔4aを有する適宜深さのアルミニウム
製鍋4が、該鍔4aを上記容器本体2の上端開口
部2aに形成した棚部2bに掛止させた状態でし
かも比較的両者間の気密性を保持し得るようにし
て取付けられている。さらに、この鍋4の内部に
は、乾燥麺6が収容されている。
尚、この鍋4の深さ寸法は、第2図に示す如く
上記反応室10内に水を投入して該水と上記酸化
カルシウム5とを混合させてスラリー状の混合体
15とした状態においても、該混合体15と上記
鍋4の底面4bとの間に該混合体15からの水蒸
気の発生を許容し得るような空間が形成されるよ
うに適宜に設定される。
上記反応室10内に水を投入して該水と上記酸化
カルシウム5とを混合させてスラリー状の混合体
15とした状態においても、該混合体15と上記
鍋4の底面4bとの間に該混合体15からの水蒸
気の発生を許容し得るような空間が形成されるよ
うに適宜に設定される。
使用法並びにその作用
次に、この加熱装置を使用して乾燥麺6を加熱
調理する場合における該加熱装置の使用法並びに
その作用を説明する。
調理する場合における該加熱装置の使用法並びに
その作用を説明する。
調理に際しては、先ず、発熱容器1の蓋体3を
取り外し、鍋4を該発熱容器1から外部に取り出
す。次に、この鍋4に調理用の水Wを入れる(第
2図参照)とともに、反応室10内に化学反応発
生用の水を投入し、しかる後、素早く上記鍋4を
再び容器本体2に装着し、さらにその上方から蓋
体3を装着する(第2図の状態)。これで、調理
操作が完了する。
取り外し、鍋4を該発熱容器1から外部に取り出
す。次に、この鍋4に調理用の水Wを入れる(第
2図参照)とともに、反応室10内に化学反応発
生用の水を投入し、しかる後、素早く上記鍋4を
再び容器本体2に装着し、さらにその上方から蓋
体3を装着する(第2図の状態)。これで、調理
操作が完了する。
消化反応発生用の水が反応室10内に投入され
ると、第2図に示す如く該水と酸化カルシウム5
とが相互に混合してスラリー状の混合体15とな
り、該水と酸化カルシウム5との間においてCaO
+H2O→Ca(OH)2+15.2Kcal/molで示される反
応式に基づいて発熱反応が行なわれる。
ると、第2図に示す如く該水と酸化カルシウム5
とが相互に混合してスラリー状の混合体15とな
り、該水と酸化カルシウム5との間においてCaO
+H2O→Ca(OH)2+15.2Kcal/molで示される反
応式に基づいて発熱反応が行なわれる。
反応温度が上昇すると、該反応熱により上記水
が蒸発し、混合体15から盛んに水蒸気Vが発生
し、反応室10はこの水蒸気Vで満たされる。反
応室10の上方に上昇した水蒸気Vは、上記鍋4
の底面4b及び側面4cの外面に接触して凝縮
し、その凝縮潜熱によつて鍋4さらに該鍋4内に
収容された調理用水Wを加熱する。尚、鍋4の底
面4b及び側面4cの外表面において凝縮した水
滴は、順次落下して再び発熱反応に寄与する。こ
のように、発熱反応の反応熱を混合体15から発
生する水蒸気の凝縮潜熱として鍋4に伝達するよ
うにした場合には、該反応熱を直接伝導伝熱によ
り鍋4側に伝達する場合に比して、その伝熱係数
が大きく(凝縮する水蒸気の伝熱係数h=4000〜
15000Kcal/m2hr℃)、且つ伝熱面積も大きくと
れるところから熱効率がよく、それだけ急速加熱
が実現される。
が蒸発し、混合体15から盛んに水蒸気Vが発生
し、反応室10はこの水蒸気Vで満たされる。反
応室10の上方に上昇した水蒸気Vは、上記鍋4
の底面4b及び側面4cの外面に接触して凝縮
し、その凝縮潜熱によつて鍋4さらに該鍋4内に
収容された調理用水Wを加熱する。尚、鍋4の底
面4b及び側面4cの外表面において凝縮した水
滴は、順次落下して再び発熱反応に寄与する。こ
のように、発熱反応の反応熱を混合体15から発
生する水蒸気の凝縮潜熱として鍋4に伝達するよ
うにした場合には、該反応熱を直接伝導伝熱によ
り鍋4側に伝達する場合に比して、その伝熱係数
が大きく(凝縮する水蒸気の伝熱係数h=4000〜
15000Kcal/m2hr℃)、且つ伝熱面積も大きくと
れるところから熱効率がよく、それだけ急速加熱
が実現される。
この酸化カルシウム5と水の消化反応の反応速
度は酸化カルシウム5の性質によつて異なる。即
ち、この実施例のように酸化カルシウム5として
重油だき法により得られる酸化カルシウムを用い
た場合には、第3図において曲線L1で示す如く
該酸化カルシウムに反応水を混合した後に、瞬時
に発熱反応が開始されて反応温度が急激に上昇す
るため、例えば調理準備が完了しない内に高温の
水蒸気が発生するなどして取扱い上危険である。
ところが、この実施例においては上述のように本
発明を適用して酸化カルシウム5中に反応遅延剤
としてシヨ糖、ブドウ糖等を添加しているため、
酸化カルシウム5に水を加えても、瞬時に化学反
応が開始されるようなことはなく、第3図におい
て曲線L2で示す如く水との混合後約10〜60秒の
時間差をもつて化学反応を開始する。従つて、発
熱容器1内に反応水を投与したあと、混合体15
から高温の水蒸気Vが発生するまでに十分に時間
がとれ、このため、反応水投入後における鍋4及
び蓋体3の装着作業等の調理準備作業を余裕をも
つて確実且つ安全に行なうことができるものであ
る。
度は酸化カルシウム5の性質によつて異なる。即
ち、この実施例のように酸化カルシウム5として
重油だき法により得られる酸化カルシウムを用い
た場合には、第3図において曲線L1で示す如く
該酸化カルシウムに反応水を混合した後に、瞬時
に発熱反応が開始されて反応温度が急激に上昇す
るため、例えば調理準備が完了しない内に高温の
水蒸気が発生するなどして取扱い上危険である。
ところが、この実施例においては上述のように本
発明を適用して酸化カルシウム5中に反応遅延剤
としてシヨ糖、ブドウ糖等を添加しているため、
酸化カルシウム5に水を加えても、瞬時に化学反
応が開始されるようなことはなく、第3図におい
て曲線L2で示す如く水との混合後約10〜60秒の
時間差をもつて化学反応を開始する。従つて、発
熱容器1内に反応水を投与したあと、混合体15
から高温の水蒸気Vが発生するまでに十分に時間
がとれ、このため、反応水投入後における鍋4及
び蓋体3の装着作業等の調理準備作業を余裕をも
つて確実且つ安全に行なうことができるものであ
る。
さらに、このように酸化カルシウム5に水を混
合しても所定時間は両者間の化学反応がほとんど
行なわれないため(換言すれば、酸化カルシウム
5のほぼ全体が水と混合するまで両者間の化学反
応が遅延されるため)、水と酸化カルシウムとの
化学反応が該酸化カルシウムの表層部分において
のみ行なわれ、その結果、水が蒸発して反応水の
不足により多量の酸化カルシウムが未反応状態の
まま残るというようなことがなく、該酸化カルシ
ウム全体を発熱反応に寄与させて発熱量の増大を
図ることが可能となる。
合しても所定時間は両者間の化学反応がほとんど
行なわれないため(換言すれば、酸化カルシウム
5のほぼ全体が水と混合するまで両者間の化学反
応が遅延されるため)、水と酸化カルシウムとの
化学反応が該酸化カルシウムの表層部分において
のみ行なわれ、その結果、水が蒸発して反応水の
不足により多量の酸化カルシウムが未反応状態の
まま残るというようなことがなく、該酸化カルシ
ウム全体を発熱反応に寄与させて発熱量の増大を
図ることが可能となる。
さらに、この実施例においては本発明を適用し
て酸化カルシウム5と混合する水の量を上記反応
式によつて規定される理論必要量(即ち、酸化カ
ルシウム1モルに対して水1モルの割合)の1倍
〜2.5倍に設定している。このため、発熱反応に
より水が水蒸気となつて飛散しても反応終了時点
まで上記化学反応に必要な水量が十分に確保され
るとともに、上記化学反応に寄与しない水に奪わ
れる熱量も少なくなり水温が迅速に上昇するとこ
ろから上記化学反応が促進され、反応温度が急速
に上昇せしめられる。因みに、本願発明者らの実
験によれば、上記水の酸化カルシウムに対する混
合割合を理論必要量の1.5倍程度とした時に最も
良好な結果が得られた。
て酸化カルシウム5と混合する水の量を上記反応
式によつて規定される理論必要量(即ち、酸化カ
ルシウム1モルに対して水1モルの割合)の1倍
〜2.5倍に設定している。このため、発熱反応に
より水が水蒸気となつて飛散しても反応終了時点
まで上記化学反応に必要な水量が十分に確保され
るとともに、上記化学反応に寄与しない水に奪わ
れる熱量も少なくなり水温が迅速に上昇するとこ
ろから上記化学反応が促進され、反応温度が急速
に上昇せしめられる。因みに、本願発明者らの実
験によれば、上記水の酸化カルシウムに対する混
合割合を理論必要量の1.5倍程度とした時に最も
良好な結果が得られた。
さらに、この実施例のものにおいては、鍋4の
容器本体2への装着状態においては両者間の気密
性が比較的保持されるようにしているため、鍋4
内に調理用の水Wと乾燥麺6とを投入した調理状
態においては鍋4、水W及び乾燥麺6の自重によ
り反応室10の気密性が適度に保持され、その内
圧上昇により水蒸気の蒸気圧が高められる。この
ため、上記反応室10が大気に開放されているよ
うな場合に比して反応室10内の水蒸気温度が一
層高められ、それだけ被加熱物に対する高温加熱
が実現される。このことは、特に本発明の加熱装
置を山岳地帯等の気圧の低い場所で使用する場合
に好適である。
容器本体2への装着状態においては両者間の気密
性が比較的保持されるようにしているため、鍋4
内に調理用の水Wと乾燥麺6とを投入した調理状
態においては鍋4、水W及び乾燥麺6の自重によ
り反応室10の気密性が適度に保持され、その内
圧上昇により水蒸気の蒸気圧が高められる。この
ため、上記反応室10が大気に開放されているよ
うな場合に比して反応室10内の水蒸気温度が一
層高められ、それだけ被加熱物に対する高温加熱
が実現される。このことは、特に本発明の加熱装
置を山岳地帯等の気圧の低い場所で使用する場合
に好適である。
また、反応室10内における化学反応が進行し
て該反応室10の内圧が所定圧力以上になると該
圧力により鍋4が上方に押し上げられて上記反応
室10の気密性が解除され、該反応室10の内圧
がそれ以上に上昇するのが未然に防止される。即
ち、反応室10の圧力上昇に対して鍋4が一種の
安全装置として機能するものであり、調理操作上
の安全性が確保されることになる。
て該反応室10の内圧が所定圧力以上になると該
圧力により鍋4が上方に押し上げられて上記反応
室10の気密性が解除され、該反応室10の内圧
がそれ以上に上昇するのが未然に防止される。即
ち、反応室10の圧力上昇に対して鍋4が一種の
安全装置として機能するものであり、調理操作上
の安全性が確保されることになる。
第1図は本発明の酸化カルシウムの消化反応遅
延方法を適用した加熱装置の縦断面図、第2図は
第1図に示すインスタント食品の調理状態図、第
3図は酸化カルシウムと水との間における化学反
応の進行状態図である。 1……発熱容器、2……容器本体、3……蓋
体、4……鍋、5……酸化カルシウム、6……乾
燥麺、10……反応室、15……混合体。
延方法を適用した加熱装置の縦断面図、第2図は
第1図に示すインスタント食品の調理状態図、第
3図は酸化カルシウムと水との間における化学反
応の進行状態図である。 1……発熱容器、2……容器本体、3……蓋
体、4……鍋、5……酸化カルシウム、6……乾
燥麺、10……反応室、15……混合体。
Claims (1)
- 1 酸化カルシウム5と水Wとを反応室10内に
おいて混合させて該酸化カルシウム5に反応熱を
伴う消化反応を生じさせるに際し、該酸化カルシ
ウム5として石灰石を食塩等の添加物を加えずに
そのまま焼成することにより得られる酸化カルシ
ウムを用いるとともに、該酸化カルシウム5と混
合される水の量を、該酸化カルシウム5と水との
化学反応式に基づいて規定される理論必要量の
1.0倍ないし2.5倍とし、さらに上記酸化カルシウ
ム5と水との少なくとも一方にシヨ糖、ブドウ
糖、果糖、糖密、水あめ又はそれらの混合物より
なる反応遅延剤を添加することを特徴とする酸化
カルシウムの消化反応遅延方法。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP60072425A JPS61232817A (ja) | 1985-04-04 | 1985-04-04 | 酸化カルシウムの消化反応遅延方法 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP60072425A JPS61232817A (ja) | 1985-04-04 | 1985-04-04 | 酸化カルシウムの消化反応遅延方法 |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPS61232817A JPS61232817A (ja) | 1986-10-17 |
JPH0527673B2 true JPH0527673B2 (ja) | 1993-04-21 |
Family
ID=13488923
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP60072425A Granted JPS61232817A (ja) | 1985-04-04 | 1985-04-04 | 酸化カルシウムの消化反応遅延方法 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JPS61232817A (ja) |
Cited By (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
US9877460B2 (en) | 2009-08-12 | 2018-01-30 | Lsi Medience Corporation | Animal urinary function measuring device and animal urinary function measuring method |
Families Citing this family (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JPH01296051A (ja) * | 1988-05-20 | 1989-11-29 | Yoshizawa Sekkai Kogyo Kk | 生石灰を利用した加熱システム |
-
1985
- 1985-04-04 JP JP60072425A patent/JPS61232817A/ja active Granted
Cited By (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
US9877460B2 (en) | 2009-08-12 | 2018-01-30 | Lsi Medience Corporation | Animal urinary function measuring device and animal urinary function measuring method |
Also Published As
Publication number | Publication date |
---|---|
JPS61232817A (ja) | 1986-10-17 |
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