JPH05275882A - 電波吸収体及びその製造方法 - Google Patents
電波吸収体及びその製造方法Info
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- JPH05275882A JPH05275882A JP10166192A JP10166192A JPH05275882A JP H05275882 A JPH05275882 A JP H05275882A JP 10166192 A JP10166192 A JP 10166192A JP 10166192 A JP10166192 A JP 10166192A JP H05275882 A JPH05275882 A JP H05275882A
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- Japan
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- polyimide
- radio wave
- carbon black
- wave absorber
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- Compositions Of Macromolecular Compounds (AREA)
- Macromolecular Compounds Obtained By Forming Nitrogen-Containing Linkages In General (AREA)
- Shielding Devices Or Components To Electric Or Magnetic Fields (AREA)
Abstract
(57)【要約】
【目的】 高耐熱フレキシブルプリント配線板材料に要
求される規格の最高水準であるV0を達成した耐熱性、
難燃性に優れるとともに、電波吸収能に優れた電波吸収
体を提供することにある。 【構成】 カーボンブラックを25〜45重量%含有す
るポリイミドフィルムにより電波吸収体を構成した。
求される規格の最高水準であるV0を達成した耐熱性、
難燃性に優れるとともに、電波吸収能に優れた電波吸収
体を提供することにある。 【構成】 カーボンブラックを25〜45重量%含有す
るポリイミドフィルムにより電波吸収体を構成した。
Description
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は高耐熱フレキシブルプリ
ント配線板などに使用される電波吸収体とその製造方法
に関する。
ント配線板などに使用される電波吸収体とその製造方法
に関する。
【0002】
【従来の技術】近年、高周波で使用されるフレキシブル
プリント配線板より漏洩する電磁波を吸収する目的に、
電波吸収体から成るフレキシブルプリント配線板が使用
されようとしている。従来、電波吸収体としてはフェラ
イトやマグネタイト、更にはカーボンブラックをポリエ
チレンやポリプロピレン、更にはナイロンなどに分散混
合したものが知られている。
プリント配線板より漏洩する電磁波を吸収する目的に、
電波吸収体から成るフレキシブルプリント配線板が使用
されようとしている。従来、電波吸収体としてはフェラ
イトやマグネタイト、更にはカーボンブラックをポリエ
チレンやポリプロピレン、更にはナイロンなどに分散混
合したものが知られている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上記の
従来の構成では、基材としてポリエチレン、ポリプロピ
レンやナイロンなどを用いているため、耐熱性、難燃性
に乏しく、これらが高温状態に置かれたときには変形し
てしまい、また、これらが火炎に晒されたときには発火
する恐れがあった。電波吸収体における耐熱性、難燃性
は極めて重要であり、特にはんだ接続などの高温雰囲気
で使用される高耐熱フレキシブルプリント配線板の漏洩
電波を防止する用途として用いるときには耐熱性、難燃
性は必須条件となる。これらの状況に対応して、近年で
は電波吸収体の難燃度をランク付けすることが行われて
いて、たとえば合成樹脂の難燃度を評価する際に用いる
UL難燃等級におけるUL94試験規格で評価すること
が行われている。しかし、高耐熱フレキシブルプリント
配線板の材料に要求されるその規格の最高水準であるV
0を達成したものは開発されておらず、この規格を満た
したフレキシブルプリント配線板の提供が待ち望まれて
いた。
従来の構成では、基材としてポリエチレン、ポリプロピ
レンやナイロンなどを用いているため、耐熱性、難燃性
に乏しく、これらが高温状態に置かれたときには変形し
てしまい、また、これらが火炎に晒されたときには発火
する恐れがあった。電波吸収体における耐熱性、難燃性
は極めて重要であり、特にはんだ接続などの高温雰囲気
で使用される高耐熱フレキシブルプリント配線板の漏洩
電波を防止する用途として用いるときには耐熱性、難燃
性は必須条件となる。これらの状況に対応して、近年で
は電波吸収体の難燃度をランク付けすることが行われて
いて、たとえば合成樹脂の難燃度を評価する際に用いる
UL難燃等級におけるUL94試験規格で評価すること
が行われている。しかし、高耐熱フレキシブルプリント
配線板の材料に要求されるその規格の最高水準であるV
0を達成したものは開発されておらず、この規格を満た
したフレキシブルプリント配線板の提供が待ち望まれて
いた。
【0004】そこで、本発明者らはこれらの問題を解決
するために鋭意研究を重ねた結果、本発明に至ったので
ある。すなわち、本発明は上記従来の問題点を解決する
もので、耐熱性、難燃性に優れた電波吸収体を提供する
ことを目的とする。
するために鋭意研究を重ねた結果、本発明に至ったので
ある。すなわち、本発明は上記従来の問題点を解決する
もので、耐熱性、難燃性に優れた電波吸収体を提供する
ことを目的とする。
【0005】
【課題を解決するための手段】本発明に係る電波吸収体
の要旨とするところは、カーボンブラックを25〜45
重量%含有するポリイミドフィルムから成ることにあ
る。
の要旨とするところは、カーボンブラックを25〜45
重量%含有するポリイミドフィルムから成ることにあ
る。
【0006】また、本発明に係る電波吸収体の製造方法
の要旨とするところは、ポリアミド酸の溶液中にカーボ
ンブラックを、得られるポリイミドに対して25〜45
重量%存在させて、該ポリアミド酸溶液をフィルム状に
製膜した後、ポリイミドに転化させて得ることにある。
の要旨とするところは、ポリアミド酸の溶液中にカーボ
ンブラックを、得られるポリイミドに対して25〜45
重量%存在させて、該ポリアミド酸溶液をフィルム状に
製膜した後、ポリイミドに転化させて得ることにある。
【0007】
【作用】この構成により、本発明の電波吸収体はカーボ
ンブラックが優れた電波吸収能を有し、ポリイミドが優
れた耐熱性、難燃性を有するので、電子機器から漏洩す
る電磁波を吸収して減衰させることができるとともに、
高温環境下に置かれたときも、外形が変形することもな
く、また火炎に晒されても容易に燃焼することはない。
ンブラックが優れた電波吸収能を有し、ポリイミドが優
れた耐熱性、難燃性を有するので、電子機器から漏洩す
る電磁波を吸収して減衰させることができるとともに、
高温環境下に置かれたときも、外形が変形することもな
く、また火炎に晒されても容易に燃焼することはない。
【0008】
【実施例】次に、本発明に係る電波吸収体とその製造方
法の実施例を詳細に説明する。本発明に用いられるポリ
イミドは、一般式(1)化1
法の実施例を詳細に説明する。本発明に用いられるポリ
イミドは、一般式(1)化1
【化1】 の構造単位で示されるものを主体とするものである。
【0009】ここで、R1は4価の有機基であり、一般
式(2)化2
式(2)化2
【化2】 で表される有機テトラカルボン酸二無水物によってもた
らされる。4価の有機基R1は芳香族基又は脂肪族基で
示され、一般式(2)で表される有機テトラカルボン酸
二無水物の具体例としては、たとえばピロメリット酸二
無水物、2,3,6,7−ナフタレンテトラカルボン酸
二無水物、3,3′4,4′−ジフェニルテトラカルボ
ン酸二無水物、1,2,5,6−ナフタレンテトラカル
ボン酸二無水物、2,2′3,3′−ジフェニルテトラ
カルボン酸二無水物、2,3,5,6−ピリジンテトラ
カルボン酸二無水物、2,2−ビス(3,4−ジカルボ
キシフェニル) プロパン二無水物、ビス(3,4−ジカ
ルボキシフェニル)スルホン二無水物、3,4,9,1
0−ペリレンテトラカルボン酸二無水物、ビス(3,4
−ジカルボキシフェニル)エーテル二無水物、1,2,
4,5−ナフタレンテトラカルボン酸二無水物、1,
4,5,8−ナフタレンテトラカルボン酸二無水物、
2,2−ビス(2,3−ジカルボキシフェニル)プロパ
ン二無水物、1,1−ビス(2,3−ジカルボキシフェ
ニル)エタン二無水物、1,1−ビス(3,4−ジカル
ボキシフェニル)エタン二無水物、ビス(2,3−ジカ
ルボキシフェニル)メタン二無水物、ビス(3,4−ジ
カルボキシフェニル)メタン二無水物、ビス(3,4−
ジカルボキシフェニル)スルホン二無水物、ベンゼン−
1,2,3,4−テトラカルボン酸二無水物、3,4,
3′4′−ペンゾフェノンテトラカルボン酸二無水物な
どのほか、これらの2種以上の混合物などが挙げられ
る。それらのうちではピロメリット酸二無水物などの芳
香族テトラカルボン酸二無水物が好ましい。
らされる。4価の有機基R1は芳香族基又は脂肪族基で
示され、一般式(2)で表される有機テトラカルボン酸
二無水物の具体例としては、たとえばピロメリット酸二
無水物、2,3,6,7−ナフタレンテトラカルボン酸
二無水物、3,3′4,4′−ジフェニルテトラカルボ
ン酸二無水物、1,2,5,6−ナフタレンテトラカル
ボン酸二無水物、2,2′3,3′−ジフェニルテトラ
カルボン酸二無水物、2,3,5,6−ピリジンテトラ
カルボン酸二無水物、2,2−ビス(3,4−ジカルボ
キシフェニル) プロパン二無水物、ビス(3,4−ジカ
ルボキシフェニル)スルホン二無水物、3,4,9,1
0−ペリレンテトラカルボン酸二無水物、ビス(3,4
−ジカルボキシフェニル)エーテル二無水物、1,2,
4,5−ナフタレンテトラカルボン酸二無水物、1,
4,5,8−ナフタレンテトラカルボン酸二無水物、
2,2−ビス(2,3−ジカルボキシフェニル)プロパ
ン二無水物、1,1−ビス(2,3−ジカルボキシフェ
ニル)エタン二無水物、1,1−ビス(3,4−ジカル
ボキシフェニル)エタン二無水物、ビス(2,3−ジカ
ルボキシフェニル)メタン二無水物、ビス(3,4−ジ
カルボキシフェニル)メタン二無水物、ビス(3,4−
ジカルボキシフェニル)スルホン二無水物、ベンゼン−
1,2,3,4−テトラカルボン酸二無水物、3,4,
3′4′−ペンゾフェノンテトラカルボン酸二無水物な
どのほか、これらの2種以上の混合物などが挙げられ
る。それらのうちではピロメリット酸二無水物などの芳
香族テトラカルボン酸二無水物が好ましい。
【0010】また、R2は2価の有機基であり、一般式
(3) H2 N−R2−NH2 (3) で表される有機ジアミンによってもたらされる。2価の
有機基R2は脂肪族基、フェニレン基、ナフタレン基、
ビフェニレン基、その他の芳香族基で示され、一般式
(3)で表される有機ジアミンの具体例としては、たと
えばメタフェニレンジアミン、パラフェニレンジアミ
ン、4,4′−ジアミノジフェニルプロパン、4,4′
−ジアミノジフェニルメタン、ベンジジン、4,4′−
ジアミノジフェニルスルホン、3,3′−ジアミノジフ
ェニルスルホン、4,4′−ジアミノジフェニルエーテ
ル、2,6−ジアミノピリジン、ビス(4−アミノフェ
ニル)ジエチルシラン、ビス(4−アミノフェニル)ジ
フェニルシラン、3,3′−ジクロロベンジジン、ビス
(4−アミノフェニル)エチルホスフィンオキシド、ビ
ス(4−アミノフェニル)−N−フェニルアミン、ビス
(4−アミノフェニル)−N−メチルアミン、1,5−
ジアミノナフタレン、3,3′−ジメチル−4,4′−
ジアミノジフェニル、3,3′−ジメトキシベンジジ
ン、エチレンジアミン、トリメチレンジアミン、テトラ
メチレンジアミン、1,7−ジアミノヘプタン、1,8
−ジアミノオクタン、1,9−ジアミノノナン、1,1
0−ジアミノデカンなどのほか、またはこれらの2種以
上の混合物などが挙げられる。それらのうちで4、4′
−ジアミノジフェニルエーテルなどの芳香族ジアミンが
特に好ましい。
(3) H2 N−R2−NH2 (3) で表される有機ジアミンによってもたらされる。2価の
有機基R2は脂肪族基、フェニレン基、ナフタレン基、
ビフェニレン基、その他の芳香族基で示され、一般式
(3)で表される有機ジアミンの具体例としては、たと
えばメタフェニレンジアミン、パラフェニレンジアミ
ン、4,4′−ジアミノジフェニルプロパン、4,4′
−ジアミノジフェニルメタン、ベンジジン、4,4′−
ジアミノジフェニルスルホン、3,3′−ジアミノジフ
ェニルスルホン、4,4′−ジアミノジフェニルエーテ
ル、2,6−ジアミノピリジン、ビス(4−アミノフェ
ニル)ジエチルシラン、ビス(4−アミノフェニル)ジ
フェニルシラン、3,3′−ジクロロベンジジン、ビス
(4−アミノフェニル)エチルホスフィンオキシド、ビ
ス(4−アミノフェニル)−N−フェニルアミン、ビス
(4−アミノフェニル)−N−メチルアミン、1,5−
ジアミノナフタレン、3,3′−ジメチル−4,4′−
ジアミノジフェニル、3,3′−ジメトキシベンジジ
ン、エチレンジアミン、トリメチレンジアミン、テトラ
メチレンジアミン、1,7−ジアミノヘプタン、1,8
−ジアミノオクタン、1,9−ジアミノノナン、1,1
0−ジアミノデカンなどのほか、またはこれらの2種以
上の混合物などが挙げられる。それらのうちで4、4′
−ジアミノジフェニルエーテルなどの芳香族ジアミンが
特に好ましい。
【0011】本発明に用いられるカーボンブラックは導
電性を有するものであれば良い。また、炭素純度は好ま
しくは90%以上、より好ましくは97%以上のものを
用いる。
電性を有するものであれば良い。また、炭素純度は好ま
しくは90%以上、より好ましくは97%以上のものを
用いる。
【0012】カーボンブラックの添加量はポリマ当たり
25〜45重量%であることが必要である。カーボンブ
ラックが25重量%より少ないと製膜は容易であるが、
電波吸収能が低くなり、本発明の目的を達成することが
できない。一方、カーボンブラックが45重量%より多
いとフィルムの製膜が困難となり、たとえ製膜できたと
してもフィルムの強度が低下し、実用上支障をきたすこ
とになる。
25〜45重量%であることが必要である。カーボンブ
ラックが25重量%より少ないと製膜は容易であるが、
電波吸収能が低くなり、本発明の目的を達成することが
できない。一方、カーボンブラックが45重量%より多
いとフィルムの製膜が困難となり、たとえ製膜できたと
してもフィルムの強度が低下し、実用上支障をきたすこ
とになる。
【0013】次に、本発明に係る電波吸収体の製造方法
について説明する。本発明の電波吸収体を製造するには
公知の重合法によって得られたポリイミド前駆体である
ポリアミド酸の溶液中に上記カーボンを存在させ、この
溶液を公知の製膜法によりフィルム状に成形した後、ポ
リイミドに転化させて電波吸収体を得るのである。
について説明する。本発明の電波吸収体を製造するには
公知の重合法によって得られたポリイミド前駆体である
ポリアミド酸の溶液中に上記カーボンを存在させ、この
溶液を公知の製膜法によりフィルム状に成形した後、ポ
リイミドに転化させて電波吸収体を得るのである。
【0014】ポリイミドの前駆体であるポリアミド酸の
有機溶媒溶液は有機ジアミンの有機溶媒溶液と有機テト
ラカルボン酸二無水物とを反応させて得られ、そのポリ
アミド酸を脱水・環化反応させて、ポリイミドを生成す
るのである。ここで、本発明に用いる有機溶媒として
は、たとえばN,N−ジメチルホルムアミド、N,N−
ジメチルアセトアミド、N,N−ジエチルホルムアミ
ド、N,N−ジエチルアセトアミド、N,N−ジメチル
メトキシアセトアミド、ジメチルスルホキシド、ヘキサ
メチルホスホルアミド、N−メチル−2−ピロリドン、
ジメチルスルホンあるいはこれらの2種以上の混合物、
またはこれら溶媒とベンゼン、トルエン、キシレン、ベ
ンゾニトリル、ジオキサン、シクロヘキサンなどとを適
宜組み合わせたものなどが挙げられる。それらのうちで
は、有機ジアミン、有機テトラカルボン酸二無水物及び
ポリアミド酸に対して良好な溶媒であることが必要であ
ることから、N−メチルピロリドン、N,N−ジメチル
アセトアミド、N,N−ジメチルホルムアミドなどの非
プロトン性有機極性溶媒が好ましい。
有機溶媒溶液は有機ジアミンの有機溶媒溶液と有機テト
ラカルボン酸二無水物とを反応させて得られ、そのポリ
アミド酸を脱水・環化反応させて、ポリイミドを生成す
るのである。ここで、本発明に用いる有機溶媒として
は、たとえばN,N−ジメチルホルムアミド、N,N−
ジメチルアセトアミド、N,N−ジエチルホルムアミ
ド、N,N−ジエチルアセトアミド、N,N−ジメチル
メトキシアセトアミド、ジメチルスルホキシド、ヘキサ
メチルホスホルアミド、N−メチル−2−ピロリドン、
ジメチルスルホンあるいはこれらの2種以上の混合物、
またはこれら溶媒とベンゼン、トルエン、キシレン、ベ
ンゾニトリル、ジオキサン、シクロヘキサンなどとを適
宜組み合わせたものなどが挙げられる。それらのうちで
は、有機ジアミン、有機テトラカルボン酸二無水物及び
ポリアミド酸に対して良好な溶媒であることが必要であ
ることから、N−メチルピロリドン、N,N−ジメチル
アセトアミド、N,N−ジメチルホルムアミドなどの非
プロトン性有機極性溶媒が好ましい。
【0015】得られたポリアミド酸溶液にカーボンブラ
ックを存在させる方法には、カーボンブラックの所定量
を予め有機溶媒中や少量のポリアミド酸溶液中に充分分
散させてから、これをポリアミド酸の製膜原液に添加し
たり、直接カーボンブラックの所定量を製膜原液に添加
したり、あるいは重合前に重合溶媒中に分散させておく
というような方法がある。
ックを存在させる方法には、カーボンブラックの所定量
を予め有機溶媒中や少量のポリアミド酸溶液中に充分分
散させてから、これをポリアミド酸の製膜原液に添加し
たり、直接カーボンブラックの所定量を製膜原液に添加
したり、あるいは重合前に重合溶媒中に分散させておく
というような方法がある。
【0016】このカーボンブラックが添加混合されたポ
リアミド酸溶液は粘性が高いことから、通常キャスティ
ングドラムあるいはエンドレスベルトの上にポリアミド
酸溶液をフィルム状に押出し、あるいは流延塗布し、そ
のドラム又はベルトの上で脱水閉環させてポリイミドに
転化させる。ポリイミドに転化させる方法としては、た
とえばポリアミド酸を加熱して脱水閉環させたり、脱水
閉環剤又は脱水閉環剤と触媒をポリアミド酸溶液に添加
して化学的に脱水閉環させたり、あるいはこれらを組み
合わせて脱水閉環させる方法が通常用いられる。
リアミド酸溶液は粘性が高いことから、通常キャスティ
ングドラムあるいはエンドレスベルトの上にポリアミド
酸溶液をフィルム状に押出し、あるいは流延塗布し、そ
のドラム又はベルトの上で脱水閉環させてポリイミドに
転化させる。ポリイミドに転化させる方法としては、た
とえばポリアミド酸を加熱して脱水閉環させたり、脱水
閉環剤又は脱水閉環剤と触媒をポリアミド酸溶液に添加
して化学的に脱水閉環させたり、あるいはこれらを組み
合わせて脱水閉環させる方法が通常用いられる。
【0017】脱水閉環剤として代表的なものに無水酢酸
が挙げられるが、その他、たとえば有機カルボン酸無水
物、N,N′−ジアルキルカルボジイミド類、低級脂肪
酸ハロゲン化物、ハロゲン化低級脂肪酸ハロゲン化物、
ハロゲン化低級脂肪酸無水物、アリルホスホン酸ジハロ
ゲン化物、チオニルハロゲン化物、ケテンや安息香酸無
水物などの他、これらの混合物が挙げられる。また触媒
としては第三級アミンが好ましく、代表的にはイソキノ
リン、β−ピコリンがある。触媒の具体例としては、
3,4−ルチジン、3,5−ルチジン、4−メチルピリ
ジン、4−イソプロピルピリジン、N−ジメチルベンジ
ルアミン、4−ベンジルピリジン又は4−ジメチルドデ
シルアミンなどが挙げられる。
が挙げられるが、その他、たとえば有機カルボン酸無水
物、N,N′−ジアルキルカルボジイミド類、低級脂肪
酸ハロゲン化物、ハロゲン化低級脂肪酸ハロゲン化物、
ハロゲン化低級脂肪酸無水物、アリルホスホン酸ジハロ
ゲン化物、チオニルハロゲン化物、ケテンや安息香酸無
水物などの他、これらの混合物が挙げられる。また触媒
としては第三級アミンが好ましく、代表的にはイソキノ
リン、β−ピコリンがある。触媒の具体例としては、
3,4−ルチジン、3,5−ルチジン、4−メチルピリ
ジン、4−イソプロピルピリジン、N−ジメチルベンジ
ルアミン、4−ベンジルピリジン又は4−ジメチルドデ
シルアミンなどが挙げられる。
【0018】これら脱水閉環剤と触媒の混合比率は、ポ
リアミド酸1モルに対し脱水閉環剤が1〜8モル、触媒
が0.05〜1モルが適当である。
リアミド酸1モルに対し脱水閉環剤が1〜8モル、触媒
が0.05〜1モルが適当である。
【0019】ポリイミドに転化させられたフィルムは少
なくとも自己保持性を備える程度に硬化させた後、その
ポリイミドフィルムをドラムあるいはベルトから剥離し
て、カーボンブラックを含有したポリイミドフィルムを
製造する。製造されたポリイミドフィルムには更に必要
に応じて熱処理などを施し、安定なフィルムにして用い
られる。以上のようにして得られたフィルムは必要な大
きさに切り出して電波吸収体となる。
なくとも自己保持性を備える程度に硬化させた後、その
ポリイミドフィルムをドラムあるいはベルトから剥離し
て、カーボンブラックを含有したポリイミドフィルムを
製造する。製造されたポリイミドフィルムには更に必要
に応じて熱処理などを施し、安定なフィルムにして用い
られる。以上のようにして得られたフィルムは必要な大
きさに切り出して電波吸収体となる。
【0020】以上、本発明の実施例を詳述したが、本発
明に係る電波吸収体はカーボンブラックの粉粒体の他、
微細な繊維状のものなどを含有させて形成しても良く、
更にこのカーボンブラックとともに銅や銀、あるいはフ
ェライトやコバルト系アモルファス合金などの粉末を含
有させることも可能であるなど、本発明はその趣旨を逸
脱しない範囲内で、当業者の知識に基づき種々なる改
良、修正、変形を加えた態様で実施し得るものである。
明に係る電波吸収体はカーボンブラックの粉粒体の他、
微細な繊維状のものなどを含有させて形成しても良く、
更にこのカーボンブラックとともに銅や銀、あるいはフ
ェライトやコバルト系アモルファス合金などの粉末を含
有させることも可能であるなど、本発明はその趣旨を逸
脱しない範囲内で、当業者の知識に基づき種々なる改
良、修正、変形を加えた態様で実施し得るものである。
【0021】次に、本発明を実施例により具体的に説明
するが、本発明はこれらの実施例に限定されるものでは
ない。
するが、本発明はこれらの実施例に限定されるものでは
ない。
【0022】実施例 1 4、4′−ジアミノジフェニルエーテルとピロメリット
酸二無水物をDMF(N,N−ジメチルホルムアミド)
中で反応させ、ポリマ濃度18重量%のポリアミド酸溶
液を得た。この溶液にカーボンブラックを得られるポリ
イミドに対して30重量%添加して製膜原液とした。こ
のポリアミド酸溶液を用い、公知の方法により厚み50
μmのポリイミドフィルムを得た。
酸二無水物をDMF(N,N−ジメチルホルムアミド)
中で反応させ、ポリマ濃度18重量%のポリアミド酸溶
液を得た。この溶液にカーボンブラックを得られるポリ
イミドに対して30重量%添加して製膜原液とした。こ
のポリアミド酸溶液を用い、公知の方法により厚み50
μmのポリイミドフィルムを得た。
【0023】このカーボンブラックを含有したポリイミ
ドフィルムから成る電波吸収体について、機械強度、電
波吸収能、難燃度を調べた。これらの測定方法は、難燃
度はUL94試験規格に基づき測定し、結果はUL燃焼
等級で表した。また、機械強度はJIS−C2318に
基づき測定した。更に、電波吸収能は12.25GHz
で測定した。その結果を表1に示すが、いずれも優れた
ものであった。
ドフィルムから成る電波吸収体について、機械強度、電
波吸収能、難燃度を調べた。これらの測定方法は、難燃
度はUL94試験規格に基づき測定し、結果はUL燃焼
等級で表した。また、機械強度はJIS−C2318に
基づき測定した。更に、電波吸収能は12.25GHz
で測定した。その結果を表1に示すが、いずれも優れた
ものであった。
【表1】
【0024】実施例 2 実施例1と同様にしてポリマ濃度18重量%のポリアミ
ド酸溶液を得た。この溶液にカーボンブラックを得られ
るポリイミドに対して40重量%添加して製膜原液とし
た。このポリアミド酸溶液を用い、実施例1と同様に公
知の方法により厚み50μmのポリイミドフィルムを得
た。このフィルムについて、実施例1と同様にして機械
強度、電波吸収能、難燃度を調べた。その結果を表1に
示すが、いずれも優れたものであった。
ド酸溶液を得た。この溶液にカーボンブラックを得られ
るポリイミドに対して40重量%添加して製膜原液とし
た。このポリアミド酸溶液を用い、実施例1と同様に公
知の方法により厚み50μmのポリイミドフィルムを得
た。このフィルムについて、実施例1と同様にして機械
強度、電波吸収能、難燃度を調べた。その結果を表1に
示すが、いずれも優れたものであった。
【0025】比較例 1 実施例1と同様にしてポリマ濃度18重量%のポリアミ
ド酸溶液を得た。この溶液にカーボンブラックを得られ
るポリイミドに対して20重量%添加して製膜原液とし
た。このポリアミド酸溶液を用い、実施例1と同様に公
知の方法により厚み50μmのポリイミドフィルムを得
た。このフィルムについて、実施例1と同様にして機械
強度、電波吸収能、難燃度を調べた。その結果を表1に
示すが、機械強度と難燃度は優れたものであったが、電
波吸収能は充分ではなかった。
ド酸溶液を得た。この溶液にカーボンブラックを得られ
るポリイミドに対して20重量%添加して製膜原液とし
た。このポリアミド酸溶液を用い、実施例1と同様に公
知の方法により厚み50μmのポリイミドフィルムを得
た。このフィルムについて、実施例1と同様にして機械
強度、電波吸収能、難燃度を調べた。その結果を表1に
示すが、機械強度と難燃度は優れたものであったが、電
波吸収能は充分ではなかった。
【0026】比較例 2 実施例1と同様にしてポリマ濃度18重量%のポリアミ
ド酸溶液を得た。この溶液にカーボンブラックを得られ
るポリイミドに対して50重量%添加して製膜原液とし
た。このポリアミド酸溶液を用い、実施例1と同様に公
知の方法によりポリイミドフィルムを得ようとしたが、
カーボンブラックの添加量が多すぎるため、製膜不能で
あった。
ド酸溶液を得た。この溶液にカーボンブラックを得られ
るポリイミドに対して50重量%添加して製膜原液とし
た。このポリアミド酸溶液を用い、実施例1と同様に公
知の方法によりポリイミドフィルムを得ようとしたが、
カーボンブラックの添加量が多すぎるため、製膜不能で
あった。
【0027】比較例 3 ナイロンにカーボンブラックをポリマに対して30重量
%添加して製膜した。得られたフィルムについて、実施
例1と同様にして機械強度、電波吸収能、難燃度を調べ
た。その結果を表1に示すが、機械強度と電波吸収能は
優れたものであったが、難燃度は充分ではなかった。
%添加して製膜した。得られたフィルムについて、実施
例1と同様にして機械強度、電波吸収能、難燃度を調べ
た。その結果を表1に示すが、機械強度と電波吸収能は
優れたものであったが、難燃度は充分ではなかった。
【0028】
【発明の効果】以上のように、本発明はカーボンブラッ
クを25〜45重量%含有するポリイミドフィルムによ
り、電子機器から漏洩する電磁波を吸収して減衰させる
ことができるとともに、高温環境下に置かれたときも外
形が変形することはなく、また火炎に晒されても容易に
燃焼することがない、優れた電波吸収体を実現できるも
のである。
クを25〜45重量%含有するポリイミドフィルムによ
り、電子機器から漏洩する電磁波を吸収して減衰させる
ことができるとともに、高温環境下に置かれたときも外
形が変形することはなく、また火炎に晒されても容易に
燃焼することがない、優れた電波吸収体を実現できるも
のである。
Claims (2)
- 【請求項1】 カーボンブラックを25〜45重量%含
有するポリイミドフィルムから成ることを特徴とする電
波吸収体。 - 【請求項2】 ポリアミド酸の溶液中にカーボンブラッ
クを、得られるポリイミドに対して25〜45重量%存
在させて、該ポリアミド酸溶液をフィルム状に製膜した
後、ポリイミドに転化させて得ることを特徴とする電波
吸収体の製造方法。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP10166192A JPH05275882A (ja) | 1992-03-28 | 1992-03-28 | 電波吸収体及びその製造方法 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP10166192A JPH05275882A (ja) | 1992-03-28 | 1992-03-28 | 電波吸収体及びその製造方法 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH05275882A true JPH05275882A (ja) | 1993-10-22 |
Family
ID=14306561
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP10166192A Withdrawn JPH05275882A (ja) | 1992-03-28 | 1992-03-28 | 電波吸収体及びその製造方法 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JPH05275882A (ja) |
Cited By (5)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2002308995A (ja) * | 2001-04-12 | 2002-10-23 | I S T:Kk | ポリイミド前駆体溶液の製造方法、ポリイミド前駆体溶液、及び、ポリイミド管状物。 |
KR100975625B1 (ko) * | 2005-02-28 | 2010-08-17 | 가부시키가이샤 가네카 | 폴리이미드 필름의 제조방법 |
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-
1992
- 1992-03-28 JP JP10166192A patent/JPH05275882A/ja not_active Withdrawn
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---|---|---|---|
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