JPH0527573Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 〈産業上の利用分野〉 この考案はプレキヤストアーチ形コンクリート
カルバートに関するものである。

〈この考案が解消しようとする問題点〉 従来、アーチ形コンクリートカルバートは粒子
のこまかいペースト層が内外表に寄つて成形され
るため、例えばダムなどコンクリート打ち堤体内
に通廊、監査廊などを形成する場合、堤体を構成
する打設コンクリートの間の打継面において肌分
かれが生ずるという問題がある。これを解消する
ためにブラツシング法、サンドブラスト法などを
用いてプレキヤストカルバートの打継ぎ外表を削
つて粗骨材粒を表出して来たが、かゝる作業は多
くの人手と多くの時間を要して通廊等の構築工期
を長くするという問題がある。本考案はかゝる問
題点を解消しようとするものである。

〈考案の構成〉 本考案はプレキヤストアーチ形コンクリートカ
ルバートにおいて、管胴部外層の全面または一部
を脱型時に未凝固状態にとゞめて成形して、脱型
後該未凝固外層の除去にて該層より内側の粗骨材
粒面を表出させることを特徴とするプレキヤスト
アーチ形コンクリートカルバートにある。

〈実施例〉 以下図面に基づいて実施例を説明する。

アーチ形コンクリートカルバート１をプレキヤ
ストするに際して管胴部の外側型枠２の内面に、
オキシカボン酸、ポリオール系有機高分子物、け
いふつ化マグネシウム等を主成分する液状の凝固
遅延剤を吹付け、塗布または該剤を滲ませたシー
ト状物を貼つて、凝固遅延剤面２ａを形成して、
他の型枠と共に組付けしてコンクリートを流し込
み成形する。凝固遅延剤は脱型時に至つても相対
する面を未凝固の状態にとゞめ置く作用をもつて
いる。硬化を待つて脱型すると凝固遅延剤面２ａ
に面した管胴部外表のペースト層１ａは該剤の浸
潤によりなお未凝固の状態にあるから、これを例
えば高圧水の吹付けなどにより流し除去するので
ある。ペースト層１ａは未凝固によつて洗い流さ
れるようにして除去され、除去によつて管胴部の
外表には粗骨材面１ｂが表出することゝなり、通
廊３などを連結構成するに当つて打設コンクリー
ト面４との間の打継面５を良好に接着することゝ
なる。

〈考案の効果〉 本考案は以上のようにして、粒子のこまかい外
側ペースト層を未凝固の状態において脱型するの
で、労力、時間を要せずして容易に外側ペースト
層を除去して、粗骨材面を表出し得るという効果
が生じ、打継面の接着を良好にするという効果を
生ずる。

【図面の簡単な説明】

第１図は堤体内に打継面を有して通廊を形成し
た時の縦断面図、第２図はアーチ形コンクリート
カルバートのプレキヤスト時の部分断面図、第３
図は同、脱型後、外側ペースト層を除去して粗骨
材粒面を表出した部分断面図、第４図は打継面を
拡大して示す縦断面図、１はアーチ形カルバー
ト、１ａはペースト層、１ｂは粗骨材面、２は外
側型枠、２ａは凝固遅延剤面である。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. プレキヤストアーチ形コンクリートカルバート
   において、管胴部外層の全面または一部を脱型時
   に未凝固状態にとゞめて成形して、脱型後該未凝
   固外層の除去にて該層より内側の粗骨材粒面を表
   出させることを特徴とするプレキヤストアーチ形
   コンクリートカルバート。