JPH0527568U - 気液二相流分配器 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【目的】 気液二相流を、ほぼ均等な気液二相状態を保
って分配するための、小型の気液二相流分配器を提供す
る。 【構成】 複数個の孔を有する多孔板と、複数個の孔を
有し、かつそのうちの離れた位置にあるいくつかの孔を
連結した形の孔を有する多孔板とを交互に重ねて接続
し、最上流側の多数の孔に流入した気液二相流を、それ
ぞれ異るグループ毎に上記連結した形の孔を介して合流
させ、最下流側の小数の孔から気液二相状態で流出させ
る。

Description

【考案の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】

本考案は気液二相流分配器に関するものである。

【０００２】

【従来の技術】

図３は従来の気液二相流分配器の斜視図である。図において、１は流入管、２ は同流入管の拡散部、４は同拡散部に設けられた端板、５は同端板に設けられた 複数の孔、６は同各孔に接続する接続管、７は上記接続管を一本置きに束ねて内 部の流体を合流させる合流部、３_A ，３_B は上記合流部に連る流出管、ｆ_I は気 液二相の流入流体、ｆ_A ，ｆ_B は気液二相の流出流体である。

【０００３】 本装置は、流入管１において気液が分離して偏って流れている気液二相流ｆ_I を分配し、ほぼ均等な気液二相状態を保持した流体ｆ_A ，ｆ_B を複数個の流出管 ３_A ，３_B から流出させる装置である。

【０００４】

【考案が解決しようとする課題】

従来の気液二相流分配器においては、上記のように構成されているので、接続 管６の寸法が長くなり、気液二相分配器の大きさが大きくなるという欠点があっ た。

【０００５】 本考案は、長大な接続管の使用を排し、これに替る機構を設けて、小型の気液 二相流分配器を提供しようとするものである。

【０００６】

【課題を解決するための手段】

本考案は上記課題を解決したものであって、気液二相流を、ほぼ均等な気液二 相状態を保持して分配する気液二相流分配器において、複数個の孔を有する多孔 板と、複数個の孔を有し、かつそのうちの離れた位置にあるいくつかの孔を連結 した形の孔を有する多孔板とを交互に重ねて接続し、最上流側の多数の孔に流入 した気液二相流を、それぞれ異るグループ毎に上記連結した形の孔を介して合流 させ、最下流側の少数の孔から気液二相状態で流出させることを特徴とする気液 二相流分配器に関するものである。

【０００７】

【作用】

多孔板において、離れた位置にある複数の孔を連続した形の孔は、流体の合流 流路として作用する。この合流流路は、従来の長大な接続管に比して、はるかに 薄い板状のものの中に形成されるので、気液二相流分配器の流れ方向の寸法が短 くなり、全体として装置を小型化することができる。

【０００８】

【実施例】

図１は本考案の一実施例の縦断面図である。図において、１は流入管、２は流 入管１に連る拡散部、矢印ｆ_I は前記流入管１へ流入する流体、Ａ，Ｂ，Ｃ，Ｄ ，Ｅ，Ｆ，およびＧは前記拡散部２に順次連る多孔板、３_P ，３_Q ，および３_R は前記多孔板のうちの末尾の多孔板Ｇに連る流出管、矢印ｆ_P ，ｆ_Q およびｆ_R はぞれぞれ前記流出管３_P ，３_Q 、および３_R から流出する流体である。

【０００９】 図２は上記多孔板の断面図であり、同図（ａ）〜（ｇ）にそれぞれ対応して多 孔板Ａ〜Ｇの断面が示してある。図において、ｐ₁ 〜ｐ₄ 、ｑ₁ 〜ｑ₄ 、ｒ₁ 〜 ｒ₄ は円形に配置された小径孔、Ｐ，Ｑ，Ｒはそれぞれ前記小径孔のうち、ｐ₁ ，ｑ₁ ，ｒ₁ の位置に対応する位置に設けられた大径孔、ｐ_x ，ｑ_x ，ｒ_x は合 流流路となる十字形の孔である。また矢印ｆ_P ，ｆ_Q ，ｆ_R はそれぞれ前記十字 形の孔の中で合流する流れである。孔ｐ₁ 〜ｐ₄ は、前記円上において、それぞ れ多孔板の中心に対して９０度の中心角をもつ位置に設けられている。孔ｑ₁ 〜 ｑ₄ 、および孔ｒ₁ 〜ｒ₄ も同様である。上記各多孔板は、図示の各孔の対応位 置関係を保った状態で順次重ねられ、その対向面間に流体が流れ込まないように 接続されている。また、図１に示した流出管３_P ，３_Q 、および３_R はそれぞれ 図２（ｇ）に示す大径孔Ｐ，Ｑ，およびＲに接続されている。

【００１０】 上記装置において気液二相の流入流体ｆ_I は流入管１に流入する。この時この 流入流体は流入管１の中で、気相と液相に分れており、流入管１や拡散部２の横 断面上においては、気相と液相はそれぞれ偏った所を流れている。この状態で流 体は多孔板Ａの複数の孔に流入して前進する。多孔板Ｂに至るとそこでまず孔ｐ ₁ 〜ｐ₄ が十字孔ｐ_x によって連通し、さらに次の多孔板Ｃに設けられた大径孔 Ｐと連通するので、多孔板Ａの小径孔ｐ₁ 〜ｐ₄ 内の流体は多孔板Ｂ内で合流し て、流れｆ_P となって多孔板Ｃの大径孔Ｐ内へ流入して前進する。多孔板Ｃの大 径孔Ｐは多孔板Ｄ〜Ｇにおいても対応位置に設けられているので、同孔Ｐに流入 した流体はそのまま前進して流出管３_P から流出する。この流出流体ｆ_P は、さ きに多孔板Ｂの十字孔ｐ_x で４つの小径孔ｐ₁ 〜ｐ₄ 内の流体が合流して形成さ れた合流流体ｆ_P と同じものである。小径孔ｐ₁ 〜ｐ₄ は流入管１の横断面上に 一様に配置されているので、流出流体ｆ_P は、流入管１において偏って分布して いた気相と液相とをそれぞれ取り込んで、気液二相状態を保持した流体となって いる。なお合流位置より後流側の多孔板Ｃ〜Ｇには小径孔ｐ₁ 〜ｐ₄ は設けられ ていない。

【００１１】 上記と同様に、多孔板Ａ〜Ｃに設けられている小径孔ｑ₁ 〜ｑ₄ を進んだ流体 は多孔板Ｄの十字孔ｑ_x で合流して多孔板Ｅ〜Ｇに設けられている大径孔Ｑを進 み、同孔に接続する流出管３_Q から気液２相流ｆ_Q として流出する。

【００１２】 また、同様に、多孔板Ａ〜Ｅに設けられている小径孔ｒ₁ 〜ｒ₄ を進んだ流体 は多孔板Ｆの十字孔ｒ_x で合流して多孔板Ｇに設けられている大径孔Ｒを進み、 同孔に接続する流出管３_R から気液二相流ｆ_R として流出する。

【００１３】 以上のように流出流体ｆ_P ，ｆ_Q ，およびｆ_R は、それぞれ、流入管内で気液 が分離して偏って流れていた気液二相流の各相を取り込んでいるので、流入した 気液二相流がほぼ均等な気液比率で分配されたものとなっている。本装置では従 来の装置の構成部材である長大な接続管を必要とせず、合流流路が比較的薄い板 状のものの中に形成され、主流方向に直交する方向に流れながら合流するので、 小型の気液二相流分配器となっている。なお特に、多孔板Ｃ，Ｅは特別な機能を 有していないので、他のものより一層薄く作ることができ、装置の一層の小型化 をもたらすことができる。

【００１４】

【考案の効果】

本考案の気液二相流分配器においては、複数個の孔を有する多孔板と、複数個 の孔を有し、かつそのうちの離れた位置にあるいくつかの孔を連結した形の孔を 有する多孔板とを交互に重ねて接続し、最上流側の多数の孔に流入した気液二相 流を、それぞれ異るグループ毎に上記連結した形の孔を介して合流させ、最下流 側の小数の孔から気液二相状態で流出させるので、小型の気液二相流分配器を提 供することができる。

【図面の簡単な説明】

【図１】本考案の一実施例の縦断面図。

【図２】同実施例に用いられている各多孔板の断面図。

【図３】従来の気液二相流分配器。

【符号の説明】 １ 流入管 ２ 拡散部 ３_P ，３_Q ，３_R ，３_A ，３_B 流出管 ４ 端板 ５ 孔 ６ 接続管 ７ 合流部 Ａ，Ｂ，Ｃ，Ｄ，Ｅ，Ｆ，Ｇ 多孔板 ｐ₁ 〜ｐ₄ ，ｑ₁ 〜ｑ₄ ，ｒ₁〜ｒ₄ 小径孔 ｐ_x ，ｑ_x ，ｒ_x 十字孔 Ｐ，Ｑ，Ｒ 大径孔 ｆ_I 流入流体 ｆ_P ，ｆ_Q ，ｆ_R ，ｆ_A ，ｆ_B 合流流体、流出
流体

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 【請求項１】 気液二相流を、ほぼ均等な気液二相状態
   を保持して分配する気液二相流分配器において、複数個
   の孔を有する多孔板と、複数個の孔を有し、かつそのう
   ちの離れた位置にあるいくつかの孔を連結した形の孔を
   有する多孔板とを交互に重ねて接続し、最上流側の多数
   の孔に流入した気液二相流を、それぞれ異るグループ毎
   に上記連結した形の孔を介して合流させ、最下流側の小
   数の孔から気液二相状態で流出させることを特徴とする
   気液二相流分配器。