JPH0573394U - 分配用ヘッダー - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【目的】 各流出口に同等の流量を分配することのでき
る分配用ヘッダーを得ること。 【構成】 流入口と、流入口につづく流入流路と、この
流入流路に直交する流出流路を並列に複数個形成した分
配用ヘッダーにおいて、前記各流出流路の間、あるいは
各流出流路に対向する前記流入流路の側壁に突出部を形
成した分配用ヘッダーである。

Description

【考案の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】

本考案は、給水給湯用配管などの中で、流体を分配するときに使用する分配用 ヘッダーに関するものである。

【０００２】

【従来の技術】

この種のヘッダーは、例えば図５に示すようにヘッダー本体20の一端に流入口 22と、この流入口につづく流入流路23と、この流入流路23に直交する流出流路24 ａ、24ｂ、24ｃ及び24ｄを並列に例えば４口形成したものがある。流出流路24ａ 〜24ｄの端部には、それぞれ接続用のめねじ25ａ〜25ｄが設けられており、ここ に続く管を連続して配管するようになっている。従って、流入口から流入した水 などの流体を複数（この場合４つ）の流路に分岐、分配することができるように なっている。

【０００３】

【考案が解決しようとする課題】

この分配用ヘッダーは、それぞれの流出流路に同等の流量を流すことが必要と される。 ところが、実際水などの液体を流してみると、流入口に近い流出流路、例えば 24ａには水は流れにくく、逆に流入口から遠い流出流路に多く流れやすいという ことがあった。これは、流入口から流れ込んだ水はそのまま流入流路を直進して 奥の壁に衝突するので、ここから一番近い流出口へ、即ち流入口から一番遠い流 出口へ水が集中して導かれて流出するからである。またこれは、流出口の口径が 流入口の口径とあまり差がなく同程度の場合に顕著に表われる。そこで、流入口 から遠い奥側の流出口ほど口径を小さくするなどして、流過抵抗に差をつけてや れば、結果的にある程度の流量の均等化は改善されるであろうが、分岐配管の部 材の種類が多くなり施工も複雑になるなどの欠点があり実用化されていない。 本考案の目的は、簡単な構成によって、ほぼ均等な流量を分配することのでき る分配用ヘッダーを提供することである。

【０００４】

【課題を解決するための手段】

本考案は、流入口と、流入口につづく流入流路と、該流入流路に直交する流出 流路を並列に複数個形成した分配用ヘッダーにおいて、前記各流出流路の間、あ るいは各流出流路に対向する、前記流入流路の側壁に突出部を形成した分配用ヘ ッダーである。

【０００５】

【作用】

本考案によれば、流入流路の側壁に突出部を形成したので、流入口から入った 流体がそのまま奥の壁に衝突することがなく、流体は入口側から順次突出部に衝 突して、流出流路側に導出される。従って各流出流路に導かれる流量が偏よるこ とがなく、ほぼ均等に分配することができる。

【０００６】

【実施例】

以下、本考案の実施例を図面に基づき説明する。 図１から図４は、それぞれ一実施例を示すもので、同一部位については同一記 号で示している。 例えば図１において、ヘッダー本体１は青銅鋳物製で、一端におねじ６と共に 流入口２を形成している。そして流入口２に連続して流入流路３があり、最奥部 はエルボ状の曲がり流入流路３となっている。この流入流路に直交して流出流路 ４ａ、４ｂ、４ｃ、及び４ｄが並列にならんで設けられている。なおこれらの流 出流路に形成された接続口のめねじ５ａ、５ｂ、５ｃ、及び５ｄは全て同一サイ ズとなっている。 以上のようなヘッダーにおいて、図１に示す実施例は、各流出流路の間の流入 流路側壁に全周にわたる突出部７ａ、７ｂ、及び７ｃを形成したものである。 図２に示す実施例は、図１と同じ位置に側壁の半周程度にわたって突出部８ａ 、８ｂ、及び８ｃを形成したものである。 また図３に示す実施例は、突出部の位置を各流出流路の延長対向する流入流路 側壁に形成したもので、また流出流路側に流れやすいように滑らかな面をもつ突 出部９ａ、９ｂ、及び９ｃとしたものである。 次に図４に示す実施例は、ヘッダー本体10の流出流路及び流出口は14ａ、14ｂ 、及び14ｃの３口となっており、末端はプラグ17によって止め栓状態となってい る。そして突出部11ａ、11ｂ、及び11ｃはヘッダー本体10の外形状と共に内側へ 突出するように形成したものである。

【０００７】 次に、流入口から流入する総流量Ｑ₀と、流出流路から流出される総流量は等 しいので、それぞれの流出流路の流出流量を等しくするために必要な突出部の突 出量、言い換えれば突出部がある部分の流過断面積を考えると、流入口の断面積 をＳ₀、流速をＶ₀とするとＱ₀＝Ｓ₀Ｖ₀となり、各流出流路の断面積を各々等し くＳ、流速を各々等しくＶとするとＱ₀＝４ＳＶとなる。さらに図２に示すよう に１番目の突出部の流過断面積をＳ₁、流速をＶ₁、２番目の流過断面積をＳ₂、 流速をＶ₂、同じく３番目を各々Ｓ₃、Ｖ₃とすると、各突出部位置での流量と各 流出流路での流量は、Ｓ₃Ｖ₃＝ＳＶ、Ｓ₂Ｖ₂−Ｓ₃Ｖ₃＝ＳＶ、Ｓ₁Ｖ₁−Ｓ₂Ｖ₂＝ ＳＶ、Ｓ₀Ｖ₀−Ｓ₁Ｖ₁＝ＳＶとなる。ここで、理想的には上記流速Ｖ₀、Ｖ₁、Ｖ ₂ 、Ｖ₃、Ｖを等しくすることが必要であるので、これらを等しくすると、Ｓ₀＝ ４Ｓ、Ｓ₁＝３Ｓ、Ｓ₂＝２Ｓ、Ｓ₃＝Ｓとなる。即ち、 Ｓn＝（ｍ−ｎ）Ｓ（ｍ≧２：流出流路の数、ｍ−１≧ｎ≧０：突出部の番数 ）の関係が成り立つ。 以上のことより、流過断面積は突出部が増す位置にしたがって、即ち奥側にい くにしたがって流過断面積を小さくするように、突出部の突出量を増すように形 成することが望ましいことがわかる。

【０００８】

【考案の効果】

本考案によれば、従来のヘッダーの流入流路の側壁に突出部を設けるという簡 単な構成によって、ほぼ均等な流量を分配することのできる分配用ヘッダーを得 ることができる。

【図面の簡単な説明】

【図１】 本考案の一実施例を示すヘッダーの断面図で
ある。

【図２】 他の実施例を示すヘッダーの断面図である。

【図３】 他の実施例を示すヘッダーの断面図である。

【図４】 他の実施例を示すヘッダーの断面図である。

【図５】 従来のヘッダーを示す断面図である。

【符号の説明】

１…ヘッダー継手本体 ２…流入口 ３…流入流路 ４ａ〜４ｄ…流出流路 ５ａ〜５ｄ…流出口の接続めねじ ７ａ〜７ｃ…突出部 ８ａ〜８ｃ…突出部 ９ａ〜９ｃ…突出部 11ａ〜11ｃ…突出部

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 【請求項１】 流入口と、流入口につづく流入流路と、
   該流入流路に直交する流出流路を並列に複数個形成した
   分配用ヘッダーにおいて、前記各流出流路の間、あるい
   は各流出流路に対向する、前記流入流路の側壁に突出部
   を形成したことを特徴とする分配用ヘッダー。