JP2017039131A - 静止型流体混合装置 - Google Patents
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Abstract
【課題】圧力損失を低減させるとともに、混合処理済み流体の流出量の増大化(効率化)を図ることができる静止型流体混合装置の提供。【解決手段】混合処理対象である複数の異なる流体を加圧状態にて導入する導入口11を設けた混合ケース10内に混合ユニット20を配設し、混合ユニットにより混合された混合流体を導出する導出口12を設けた。混合ユニットは、板状の第1エレメントと第2エレメントの面同士を対向状に配置して、両エレメントの始端縁部間を流入口となす一方、両エレメントの終端縁部間を流出口となし、両エレメントの各対向面には同一の深さと大きさを有する複数の凹部群を流入口側から流出口側に向けて間隔をあけて区分して形成するとともに、対向する凹部同士は相互に連通するように位置を違えて配置して、各凹部群の対向する凹部間には流体が蛇行しながら合流と分流を繰り返しながら流入口側から流出口側に向けて流動するように構成した。【選択図】図3
Description
本発明は、流体を混合する静止型流体混合装置、具体的には、例えば、液体と液体、液体と気体、粉体と液体、を微細化かつ均一化して混合する静止型流体混合装置に関する。
静止型流体混合装置の一形態として、特許文献1に開示されたものがある。すなわち、特許文献1には、中央部に流体の流入口を形成した円板状の第1拡散エレメントに、円板状の第2拡散エレメントを対向させて配置するとともに、両拡散エレメントの間に中央部側の流入口から流入した流体を周縁部側に向けて半径方向に流動させて拡散・混合する拡散・混合流路を形成した拡散・混合ユニットと、中央部に流体の流出口を形成した円板状の第1集合エレメントに、円板状の第2集合エレメントを対向させて配置すると共に、両集合エレメントの間に周縁部側から流入した流体を中央部側に向けて半径方向に流動させて集合・混合する集合・混合流路を形成した集合・混合ユニットとを具備し、拡散・混合流路の終端部と集合・混合流路の始端部を接続した静止型流体混合装置が開示されている。
そして、第1・第2拡散エレメントの対向面と第1・第2集合エレメントの対向面には適切な同一の深さと大きさの六角形の凹部群をハニカム構造に形成するとともに、対向する凹部同士を相互に連通するように位置を違えて配置して、拡散・混合流路と集合・混合流路において、流体が蛇行しながら合流と分流(分散)を繰り返しながら半径方向に流動するようにしている。
ところが、特許文献1に開示された静止型流体混合装置は、中央部側の流入口から流入した流体を周縁部側に向けて半径方向に流動させて拡散・混合する拡散・混合流路と、周縁部側から流入した流体を中央部側に向けて半径方向に流動させて集合・混合する流路構造を同様に形成しているために、混合分散機能の高い拡散・混合流路と比べて,集合・混合側流路は分散数がはるかに少ないにもかかわらず拡散・混合流路と同程度の圧力損失が生じていた。そのため、静止型流体混合装置に流体を加圧して供給する加圧ポンプの電力消費量の低減さらには処理済み流体の流出量の増大(効率化)が望まれていた。
そこで、本発明は、圧力損失を低減させて、加圧ポンプの電力消費量の低減化を図ることができるとともに、混合処理済み流体の流出量の増大化(効率化)を図ることができる静止型流体混合装置を提供することを目的とする。
請求項1記載の発明に係る静止型流体混合装置は、混合処理対象である複数の異なる流体を加圧状態にて導入する導入口を設けた混合ケース内に、導入口から導入された複数の異なる流体を混合する混合ユニットを配設し、混合ケースには混合ユニットにより混合された混合流体を導出する導出口を設けた静止型流体混合装置であって、混合ユニットは、板状の第1エレメントと第2エレメントの面同士を対向状に配置して、両エレメントの始端縁部間を流入口となす一方、両エレメントの終端縁部間を流出口となし、両エレメントの各対向面には同一の深さと大きさを有する複数の凹部群を流入口側から流出口側に向けて間隔をあけて区分して形成するとともに、対向する凹部同士は相互に連通するように位置を違えて配置して、各凹部群の対向する凹部間には流体が蛇行しながら合流と分流を繰り返しながら流入口側から流出口側に向けて流動するように構成し、流出口側に形成した凹部群の凹部の開口面の径は、流入口側に形成した凹部群の凹部の開口面の径に比して小径に形成したことを特徴とする。
かかる静止型流体混合装置では、例えば加圧ポンプにより導入口を通して混合ケースに混合処理対象である複数の異なる流体を加圧状態にて導入し、混合ケース内に配設した混合ユニットにより導入された複数の異なる流体を混合して、混合された混合流体を導出口から混合ケース外に導出することができる。
そして、混合ユニットでは、面同士を対向状に配置した板状の第1エレメントと第2エレメントの始端縁部間である流入口から複数の異なる流体を流入させて、両エレメントの終端縁部間である流出口から流出させるまでの間に、かかる流体を各凹部群の対向する凹部間にて合流と分流を繰り返しながら蛇行させて流動させることにより、堅実に混合流体を生成することができる。その結果、混合流体の生成効率を向上させることができる。
この際、間隔をあけて区分して形成した複数の凹部群同士の凹部の開口面の径は、相互に流入口側に比して流出口側を小径に形成している。そのため、連続相と分散相からなる流体が流入口側(上流側)の凹部群間を蛇行しながら流動する際に受けるせん断力により分散相としての流体が微細化された混合流体が生成される。そして、流出口側(下流側)の凹部群に至るまでの間隔を中継流路として、生成された混合流体の流動が中継流路で整流化される。続いて、整流化された混合流体が凹部の開口面の径が小径に形成された流出口側(下流側)の凹部群間を蛇行しながら流動する。この時に受けるせん断力により分散相としての流体がさらに微細化される。
このように、かかる静止型流体混合装置では、流体の流動が整流化される中継流路介して凹部群を区分けして形成しているため、圧力損失を低減させることができる。そのため、静止型流体混合装置に流体を加圧して供給する加圧ポンプの電力消費量の低減を図ることができるとともに、混合処理済み流体の流出量(導出量)の増大化(効率化)を図ることができる。そして、流入口から流出口に至る連続的な流路において、凹部の開口面の径が異なる凹部群により、分散相としての流体が異なるせん断力を段階的に受けながら複数回にわたって微細化されるため、マイクロレベルないしはナノレベルへの微細化生成も堅実にかつ効率良く行うことができる。
請求項2記載の発明に係る静止型流体混合装置は、請求項1記載の静止型流体混合装置であって、混合ケース内には導入口と連通する導入路が形成されるようにして、導入路には複数の混合ユニットの各流入口を連通させる一方、混合ケース内には導出口と連通する導出路が形成されるようにして、導出路には複数の混合ユニットの各流出口を連通させたことを特徴とする。
かかる静止型流体混合装置では、導入口と連通する導入路に複数の混合ユニットの各流入口を連通させるとともに、導出口と連通する導出路に複数の混合ユニットの各流出口を連通させているため、複数の混合ユニットにより同時に複数の流体混合処理が効率良くなされる。この際、混合ユニットの個数は、導入路と導出路の伸延長等を適宜設定することにより、その導出・入路に所望の数だけ適宜連通させることができる。したがって、混合ユニットの個数を増減させることで、混合処理済み流体の流出量(導出量)を適宜設定することができる。
請求項3記載の発明に係る静止型流体混合装置は、請求項2記載の静止型流体混合装置であって、複数の混合ユニットは多層に重合させて配置するとともに、仮想同一直線に沿わせて各流入口を配置して、各流入口と直交状態に導入路を連通させることで導入路が直状に形成されるようにする一方、仮想同一直線に沿わせて各流出口を配置して、各流出口と直交状態に導出路の始端部を連通させることで導出路の始端部が直状に形成されるようにしたことを特徴とする。
かかる静止型流体混合装置では、複数の混合ユニットを多層に重合させて配置するとともに、導入路と導出路の始端部が直状に形成されるようにしているため、混合ケース内に所要個数の混合ユニットをコンパクトに配設することができて、各混合ユニットによる流体混合処理を同時に平行して効率良く行うことができる。したがって、混合ケース内にコンパクトに配設された適当な個数の混合ユニットにより適量な混合処理済み流体を生成するとともに、混合ケースから導出させることができる。
請求項4記載の発明に係る静止型流体混合装置は、請求項3記載の静止型流体混合装置であって、導入路の軸線と直交する半径方向に伸延する複数の混合ユニットを同一平面上に、かつ、導入路の軸線に沿って複数段に形成したことを特徴とする。
かかる静止型流体混合装置では、混合ケース内に多数の混合ユニットをコンパクトに配設することができて、各混合ユニットにより同時に混合流体を生成することができる。そのため、多量の混合流体を効率良く生成することができる。
請求項5記載の発明に係る静止型流体混合装置は、請求項1〜4のいずれか1項記載の静止型流体混合装置であって、混合ユニットは、流出口側の凹部群の深さを流入口側の凹部群の深さの半分以下に形成して、流出口側の凹部群を二層に形成したことを特徴とする。
かかる静止型流体混合装置では、流出口側(下流側)の凹部群を二層に形成しているため、二層に形成された流出口側(下流側)の凹部群間をそれぞれ蛇行しながら流動する際に受けるせん断力により分散相としての流体が多量に微細化される。そのため、マイクロレベルないしはナノレベルへの微細化生成が効率良くなされる。
請求項6記載の発明に係る静止型流体混合装置は、請求項1〜5のいずれか1項記載の静止型流体混合装置であって、混合ユニットは、リング板状に形成した第1エレメントと第2エレメントの面同士を対向状に配置して、両エレメントの内周縁部間を流入口となす一方、両エレメントの外周縁部間を流出口となし、両エレメントの各対向面には同一の深さと大きさを有する複数の凹部群を、流入口を中心とするリング状に流入口側から流出口側に向けて間隔をあけて区分して形成したことを特徴とする。
かかる静止型流体混合装置では、リング板状に形成して面同士を対向状に配置した第1エレメントと第2エレメントの内周縁部間である流入口から流入した流体が、両エレメント間でその半径方向に放射状に蛇行しながら流動して外周縁部間である流出口から流出される。この際、両エレメント間には流入口を中心とするリング状に複数の凹部群が流入口側から流出口側に向けて間隔をあけて区分されて形成されているため、各凹部群には多数の凹部を配置することができて、各凹部群において分散相としての流体が堅実に微細化される。また、混合ユニットを多層に配置することで、微細化した混合流体を多量に生成することができる。
本発明によれば、次のような効果が生起される。すなわち、本発明では、圧力損失を低減させることができるため、静止型流体混合装置に流体を加圧して供給する加圧ポンプの電力消費量の低減を図ることができるとともに、混合処理済み流体の流出量(導出量)の増大化(効率化)を図ることができる。
以下に、本発明に係る静止型流体混合装置について図面を参照しながら説明するが、その前に静止型流体混合装置を具備する混合流体生成装置について図面を参照しながら説明する。
[混合流体生成装置の説明]
図1に示すAは混合流体を生成する混合流体生成装置であり、混合流体生成装置Aは、本発明に係る静止型流体混合装置Mを具備している。本実施形態では、連続相としての流体として水や海水等の処理水Wを採用し、また、分散相としての流体として空気、酸素ガス、窒素ガス等の気体を採用した気液混合流体の生成について説明する。すなわち、混合流体生成装置Aは、処理水Wを収容した上面開口箱型のタンクTの底部に循環パイプJの基端部を接続し、循環パイプJの先端部をタンクT内の処理水W中に上面から挿入して流体を循環させる循環流路Cyを形成している。循環パイプJの中途部には気体供給パイプK1を介して気体供給部K2を連通連結するとともに、気体供給部K2の下流側に位置させて静止型流体混合装置Mを連通連結している。静止型流体混合装置Mは、気体供給部K2から供給された気体と処理水Wの気液混相にせん断力を作用させることで、気体を超微細な気泡を有する気泡群となして処理水Wと混合するように構成している。
図1に示すAは混合流体を生成する混合流体生成装置であり、混合流体生成装置Aは、本発明に係る静止型流体混合装置Mを具備している。本実施形態では、連続相としての流体として水や海水等の処理水Wを採用し、また、分散相としての流体として空気、酸素ガス、窒素ガス等の気体を採用した気液混合流体の生成について説明する。すなわち、混合流体生成装置Aは、処理水Wを収容した上面開口箱型のタンクTの底部に循環パイプJの基端部を接続し、循環パイプJの先端部をタンクT内の処理水W中に上面から挿入して流体を循環させる循環流路Cyを形成している。循環パイプJの中途部には気体供給パイプK1を介して気体供給部K2を連通連結するとともに、気体供給部K2の下流側に位置させて静止型流体混合装置Mを連通連結している。静止型流体混合装置Mは、気体供給部K2から供給された気体と処理水Wの気液混相にせん断力を作用させることで、気体を超微細な気泡を有する気泡群となして処理水Wと混合するように構成している。
タンクTの下流側に位置する循環パイプJの中途部には吸込ポンプPaと吐出ポンプPbとを直列的に隣接させて配設している。そして、上流側に配置した吸込ポンプPaの吐出口と下流側に配置した吐出ポンプPbの吸込口との間に位置する循環パイプJの部分に気体供給パイプK1を介して気体供給部K2を接続している。ここで、吸込ポンプPaの吐出圧は吐出ポンプPbの吸込圧以下に設定している。V1は気体供給パイプK1の中途部に設けた気体供給量調整弁、V2は循環パイプJの先端部に取り付けた圧力調整弁、WkはタンクT内に溶媒である処理水Wを随時供給可能とした処理水供給部である。
このように構成して、吸込ポンプPaと吐出ポンプPbを協働させることで、それらの間に配設した気体供給部K2から供給される気体が、吸込ポンプPaの吐出口からの吐出圧を受けるとともに、吐出ポンプPbの吸込口からの吸引圧(エジェクタ効果)を受けて、円滑かつ安定して吸入されるようにしている。その結果、処理水Wに混入される気体の量を一定に確保することができる。また、本実施形態では処理水Wと気体との混合流体の生成能力を確保したまま消費電力が小さい吸込ポンプPaと吐出ポンプPbを組み合わせて協働使用することができるので、混合流体生成装置Aの製造コストやランニングコストを低減させることができる。
例えば、処理水Wと窒素ガスを循環流路Cy中に循環させる作業を一定時間行うことにより、処理水Wに溶存している酸素を放出させるとともに、窒素ガスを処理水W中に溶解させて処理水Wを窒素水となすことができる。静止型流体混合装置Mによれば、例えば、1tの処理水WのDO値(溶存酸素量)を1分以内に1mg/L以下となすことができる。
[第1実施形態としての静止型流体混合装置の説明]
第1実施形態としての静止型流体混合装置Mについて、図2〜図5を参照しながら説明する。静止型流体混合装置Mは、図2〜図5に示すように、四角形箱型に形成した混合ケース10内に一方向(本実施形態では左右方向)に伸延する四角形板状に形成した混合ユニット20を多数層状に配設して構成している。混合ケース10は左右方向に伸延する四角形板状の天井部15及び底部16と、天井部15及び底部16の前後左右側縁部間に介設した四角形板状の前・後・左・右側壁部17,17,18,18とにより形成している。底部16の中央部には円形の導入口11を設けて、導入口11から混合処理対象である複数の異なる流体R(本実施形態では処理水Wと気体)を加圧状態にて導入するようにしている。混合ケース10内には混合ユニット20を配設して、混合ユニット20により導入口11から導入された複数の異なる流体Rを混合して混合流体Rm(本実施形態では処理水Wと気体の気液混合流体)を生成するようにしている。混合ケース10の天井部15には導入口11よりも小径で円形の導出口12を設けて、導出口12から混合ユニット20により混合された混合流体Rmを導出するようにしている。そして、導入口11には循環パイプJの中途部の上流側端部を連通連結するとともに、導出口12には循環パイプJの中途部の下流側端部を連通連結している。本実施形態では混合ケース10の上下中央部に導入口11と導出口12を形成し、混合ケース10内の左右側部に一対の混合ユニット20,20をそれぞれ左右対称に配設している。
第1実施形態としての静止型流体混合装置Mについて、図2〜図5を参照しながら説明する。静止型流体混合装置Mは、図2〜図5に示すように、四角形箱型に形成した混合ケース10内に一方向(本実施形態では左右方向)に伸延する四角形板状に形成した混合ユニット20を多数層状に配設して構成している。混合ケース10は左右方向に伸延する四角形板状の天井部15及び底部16と、天井部15及び底部16の前後左右側縁部間に介設した四角形板状の前・後・左・右側壁部17,17,18,18とにより形成している。底部16の中央部には円形の導入口11を設けて、導入口11から混合処理対象である複数の異なる流体R(本実施形態では処理水Wと気体)を加圧状態にて導入するようにしている。混合ケース10内には混合ユニット20を配設して、混合ユニット20により導入口11から導入された複数の異なる流体Rを混合して混合流体Rm(本実施形態では処理水Wと気体の気液混合流体)を生成するようにしている。混合ケース10の天井部15には導入口11よりも小径で円形の導出口12を設けて、導出口12から混合ユニット20により混合された混合流体Rmを導出するようにしている。そして、導入口11には循環パイプJの中途部の上流側端部を連通連結するとともに、導出口12には循環パイプJの中途部の下流側端部を連通連結している。本実施形態では混合ケース10の上下中央部に導入口11と導出口12を形成し、混合ケース10内の左右側部に一対の混合ユニット20,20をそれぞれ左右対称に配設している。
混合ケース10内には混合ユニット支持体70を介して多数の混合ユニット20を整然と配設している。混合ユニット支持体70は一方向(本実施形態では左右方向)に伸延する四角形板状に形成した上・下板71,72と、上・下板71,72の前後側縁部間に介設した前・後側壁73,74とから、左右側方が開口された四角形筒状に形成している。75は左側開口部、76は右側開口部である。77は下板の中央部に形成した下開口部であり、下開口部77は導入口11と整合させて形成して、導入口11から下開口部77を通して混合ケース10内に流体Rが流入するようにしている。
混合ユニット20は、左右横長の四角形板状に形成した第1エレメント30の下面31と第2エレメント40の上面41である面同士を対向状に配置している。両エレメント30,40の始端縁部(本実施形態では内側端縁部)は導入口11の内径と略同一幅に形成した流入口50となす一方、両エレメント30,40の終端縁部(本実施形態では外側端縁部)は流入口50と略同一幅に形成した流出口51となしている。対向面である各上・下面31,41にはそれぞれ同一の深さと大きさを有する複数(本実施形態では2つ)の凹部群32,33,42,43を流入口側から流出口側に向けて間隔をあけて区分して形成している。
すなわち、凹部群32は、第1エレメント30の下面31の流入口50側に開口形状が(底面視)正六角形で有底筒状の凹部34を幅方向(本実施形態では前後方向)にわたって隙間のない状態で伸延方向(本実施形態では左右方向)に複数列(本実施形態では4列)隣接させて垂設し、凹部34を下方に向けて開口させている。いわゆるハニカム状に多数の凹部34が形成されている。凹部群33は、第1エレメント30の下面31の流出口51側に開口形状が(底面視)正六角形で有底筒状の凹部35を幅方向(本実施形態では前後方向)にわたって隙間のない状態で伸延方向(本実施形態では左右方向)に複数列(本実施形態では5列)隣接させて垂設し、凹部35を下方に向けて開口させている。いわゆるハニカム状に多数の凹部35が形成されている。凹部35の開口面の径は、凹部34の開口面の径の二分の一以下の小径に形成している。そして、凹部35の筒長は凹部34の筒長の二分の一以下の短幅に形成している。
また、凹部群42は、第2エレメント40の上面41の流入口50側に底面視正六角形で有底筒状の凹部44を幅方向(本実施形態では前後方向)にわたって隙間のない状態で伸延方向(本実施形態では左右方向)に複数列(本実施形態では4列)隣接させて突設し、凹部44を上方に向けて開口させている。いわゆるハニカム状に多数の凹部44が形成されている。凹部群43は、第2エレメント40の上面41の流出口51側に底面視正六角形で筒状の凹部45を幅方向(本実施形態では前後方向)にわたって隙間のない状態で伸延方向(本実施形態では左右方向)に複数列(本実施形態では5列)隣接させて突設し、凹部45を上方に向けて開口させている。いわゆるハニカム状に多数の凹部45が形成されている。凹部44は凹部34と上下線対称で同一の有底筒状形状となす一方、凹部45は凹部35と上下線対称で同一の有底筒状形状となしている。
そして、第1・第2エレメント30,40間の流出口51側には複数層(本実施形態では2層)の蛇行流路を形成している。すなわち、凹部群33,43同士の間に四角形板状に形成した分割エレメント80を配設している。そして、分割エレメント80の上・下面にはそれぞれ凹部群81,82を形成している。凹部群81は分割エレメント80の上面に凹部35と同一の有底筒状形状に形成した凹部83を幅方向(本実施形態では前後方向)にわたって隙間のない状態で伸延方向(本実施形態では左右方向)に複数列(本実施形態では5列)隣接させて上方へ向けて突設して、上方に向けて開口させている。また、分割エレメント80の下面には凹部45と同一の有底筒状形状に形成した凹部84を幅方向(本実施形態では前後方向)にわたって隙間のない状態で伸延方向(本実施形態では左右方向)に複数列(本実施形態では5列)下方へ向けて突設して、下方に向けて開口させている。
凹部群32を形成する凹部34と凹部群42を形成する凹部44同士は、対向させて配置するとともに相互に連通するように位置を違えて配置している。つまり、凹部34(44)の中心位置に、凹部44(34)の角部46(36)が位置する状態で当接している。したがって、例えば、第1エレメント30の凹部34側から第2エレメント40の凹部44側に流体Rが流れる場合を考えると、流体Rは、2つの流路に分流(分散)されることになる。すなわち、第1エレメント30の凹部34の中央位置に位置された第2エレメント40の角部46は、流体Rを分流する分流部として機能する。逆に、第2エレメント40側から第1エレメント30側に流体Rが流れる場合を考えると、2方から流れてきた流体Rが1つの凹部34に流れ込むことで合流することになる。この場合、第2エレメント40の凹部44の中央位置に位置された第1エレメント30の角部36は、合流部として機能する。
凹部群33を形成する凹部35と凹部群81を形成する凹部83同士及び凹部群82を形成する凹部84と凹部群43を形成する凹部45同士は、それぞれ上記した対向する凹部34,44同士と同様に相互に連通するように対向させて配置するとともに位置を違えて配置している。つまり、本実施形態では凹部35と凹部45の開口面を相互に整合させて配置し、整合させて配置した凹部35,45とは位置を違えて凹部83,84を配置している。37,47,85,86はそれぞれ凹部35,45,83,84の角部である。このように、第1・第2エレメント30,40の流出口51側には凹部群33,81間及び凹部群82,43間にそれぞれ蛇行流路が形成されて、上下に二層の蛇行流路が形成されるようにしている。なお、第1・第2エレメント30,40の流出口51側の蛇行流路は、分割エレメント80を設けることなく凹部群33,43間に単一の蛇行流路が形成されるようにすることもできる。
各凹部群32,42、凹部群33,81及び凹部群82,43の間には、第1エレメント30の下面31と第2エレメント40の上面41とにより幅方向(本実施形態では左右方向)に伸延する扁平な中継流路60が形成されている。中継流路60は凹部34,44の約3列分の幅を有している。
このように構成して、流体Rが各凹部群32,42の対向する凹部34,44間を合流と分流を繰り返しながら流入口50側から流出口51側に向けて蛇行しながら流動して混合流体Rmとなる。そして、各凹部群32,42、凹部群33,81及び凹部群82,43の間における第1エレメント30の下面31と第2エレメント40の上面41との間に形成された扁平な中継流路60では混合流体Rmが整流化される。そして、整流化された混合流体Rmが凹部群33,81及び凹部群82,43の対向する凹部35,83間及び凹部84,45間に円滑に分岐・流入されるとともに、合流と分流を繰り返しながら流入口50側から流出口51側に向けて蛇行しながら流動する。この際、凹部35,83,84,45の開口面の径が凹部34,44の開口面の径の二分の一以下の小径に形成されているため、凹部35,83間及び凹部84,45間で受けるせん断力により混合流体Rm中の分散相としての流体Rがさらに微細化される。
混合ユニット支持体70内には導入口11と連通する下開口部77を中心に、その左右側方にそれぞれ多数(本実施形態では10個)の混合ユニット20を線対称となるように多層に段積み状に配設して、左右側の多層の混合ユニット20間の空間に下開口部77から混合ユニット支持体70の上板71の下面まで直状に伸延する導入路13が形成されるようにしている。そして、導入路13には複数の混合ユニット20の各流入口50を連通させている。また、混合ケース10内には左右の流出口51,51と対面する左・右側壁部18,18の内面及び天井部15の内面に沿って導出路14が形成されるようにしている。そして、導出路14の始端側には左右側開口部75,76を介して複数の混合ユニット20の各流出口51を連通させる一方、導出路14の終端側には導出口12を連通させている。
複数(多数)の混合ユニット20は多層に重合させて配置し、上下方向に伸延する仮想同一直線に沿わせて各流入口50を配置して、各流入口50と直交状態に導入路13を連通させることで導入路13が上下方向に直状に形成されるようにしている。また、上下方向に伸延する仮想同一直線に沿わせて各流出口51を配置して、各流出口51と直交状態に導出路14の始端部を連通させることで導出路14の始端部、つまり、左右側開口部75,76に連通する部分が上下方向に直状に形成されるようにしている。
導入路13の軸線と直交する半径方向(本実施形態では水平方向)に伸延する複数(本実施形態では左右に2つ)の混合ユニット20を同一平面上に、かつ、導入路13の軸線に沿って複数段(本実施形態では左右に10段ずつの多数段)に形成している。
混合ユニット20はアクリル樹脂等の合成樹脂により各パーツ(構成部材)を形成して、これらを接着剤により一体的に接着することで一体的に構成することも、また、ステンレス鋼等の合金により各パーツを形成して、これらをビス止めにより一体的に組み付けることで一体的に構成するもできる。
上記のように構成した第1実施形態としての静止型流体混合装置Mでは、例えば加圧ポンプである吐出ポンプPbにより導入口11を通して混合ケース10に混合処理対象である複数の異なる流体Rを加圧状態にて導入し、混合ケース10内に配設した混合ユニット20により導入された複数の異なる流体Rを混合して、混合された混合流体Rmを導出口12から混合ケース10外に導出することができる。
そして、混合ユニット20では、面同士を対向状に配置した板状の第1エレメント30と第2エレメント40の始端縁部間である流入口50から複数の異なる流体Rを流入させ、両エレメント30,40の終端縁部間である流出口51から流出させるまでの間に、かかる流体Rを各凹部群32,33,42,43の対向する凹部34,44間,凹部35,83間及び凹部84,45間にて合流と分流を繰り返しながら蛇行させて流動させることにより、堅実に混合流体Rmを生成することができる。その結果、混合流体Rmの生成効率を向上させることができる。
この際、間隔をあけて区分して形成した複数(本実施形態では2組)の凹部群32,33,42,43同士の凹部34,44,凹部35,83及び凹部84,45の開口面の径は、相互に流入口側の凹部34,44に比して流出口側の凹部35,83及び凹部84,45を小径に形成している。そのため、連続相と分散相からなる流体が流入口側(上流側)の凹部群間を蛇行しながら流動する際に受けるせん断力により分散相としての流体Rが微細化された混合流体Rmが生成される。そして、流出口側(下流側)の凹部群33,43に至るまでの間隔を中継流路60として、生成された混合流体の流動が中継流路60を流動する間に整流化される。続いて、整流化された混合流体が凹部の開口面の径が小径に形成された流出口側(下流側)の凹部35,83及び凹部84,45間を蛇行しながら流動する。この時に受けるせん断力により分散相としての流体Rがさらに微細化される。
このように、かかる静止型流体混合装置Mでは、流体Rの流動が整流化される中継流路60介して凹部群32,42と凹部群33,43とに区分けして形成しているため、圧力損失を低減させることができる。そのため、静止型流体混合装置Mに流体Rを加圧して供給する吐出ポンプPbの電力消費量の低減を図ることができるとともに、処理済みの混合流体Rmの流出量(導出量)の増大化(効率化)を図ることができる。そして、導入口11から導出口12に至る連続的な流路において、凹部の開口面の径が異なる凹部35,83及び凹部84,45間にて、分散相としての流体が異なるせん断力を段階的に受けながら複数回にわたって微細化されるため、マイクロレベルないしはナノレベルへの微細化生成も堅実にかつ効率良く行うことができる。
また、導入口11と連通する導入路13に複数の混合ユニット20の各流入口50を連通させるとともに、導出口12と連通する導出路14に複数の混合ユニット20の各流出口51を連通させているため、複数の混合ユニット20により同時に複数の流体混合処理が効率良くなされる。この際、混合ユニット20の個数は、導入路13と導出路14の伸延長等を適宜設定することにより、その導出・入路14,13に所望の数だけ適宜連通させることができる。したがって、混合ユニット20の個数を増減させることで、混合処理済み流体の流出量(導出量)を適宜設定することができる。
複数の混合ユニット20を多層に重合させて配置するとともに、導入路13と導出路14の始端部が直状に形成されるようにしているため、混合ケース10内に所要個数の混合ユニット20をコンパクトに配設することができて、各混合ユニット20による流体混合処理を同時に平行して効率良く行うことができる。したがって、混合ケース10内にコンパクトに配設された適当な個数の混合ユニット20により適量な処理済み混合流体Rmを生成するとともに、混合ケース10から導出させることができる。
そして、混合ケース10内には多数の混合ユニット20をコンパクトに配設することができて、各混合ユニット20により同時に混合流体を生成することができる。そのため、多量の混合流体Rmを効率良く生成することができる。
また、流出口51側(下流側)の凹部群33,43を二層に形成しているため、二層に形成された流出口51側(下流側)の凹部35,83及び凹部84,45間をそれぞれ蛇行しながら流動する際に受けるせん断力により分散相としての流体Rが多量に微細化される。そのため、マイクロレベルないしはナノレベルへの微細化生成が効率良くなされる。
[第2実施形態としての静止型流体混合装置の説明]
第2実施形態としての静止型流体混合装置Mについて、図6〜図9を参照しながら説明する。静止型流体混合装置Mは、図6〜図9に示すように、円筒箱型に形成した混合ケース110内に円盤状に形成した混合ユニット120を多数層状に配設して構成している。混合ケース110は円板状に形成した天井部115と底部116との間に円筒状の周壁部117を介設して形成している。底部116の中央部には円形の導入口111を設けて、導入口111から混合処理対象である複数の異なる流体Rを加圧状態にて導入するようにしている。導入口111から導入された複数の異なる流体Rは、混合ケース110内に配設した混合ユニット120により混合して混合流体Rmを生成するようにしている。天井部116の中央部には導入口111よりも小径で円形の導出口112を設けて、導出口112から混合ユニット120により混合された混合流体Rmを導出するようにしている。そして、導入口111には循環パイプJの中途部の上流側端部を連通連結するとともに、導出口112には循環パイプJの中途部の下流側端部を連通連結している。本実施形態では混合ケース110の上下中央部に導入口111と導出口112を形成し、混合ケース110内の中央部に混合ユニット120を配設している。
第2実施形態としての静止型流体混合装置Mについて、図6〜図9を参照しながら説明する。静止型流体混合装置Mは、図6〜図9に示すように、円筒箱型に形成した混合ケース110内に円盤状に形成した混合ユニット120を多数層状に配設して構成している。混合ケース110は円板状に形成した天井部115と底部116との間に円筒状の周壁部117を介設して形成している。底部116の中央部には円形の導入口111を設けて、導入口111から混合処理対象である複数の異なる流体Rを加圧状態にて導入するようにしている。導入口111から導入された複数の異なる流体Rは、混合ケース110内に配設した混合ユニット120により混合して混合流体Rmを生成するようにしている。天井部116の中央部には導入口111よりも小径で円形の導出口112を設けて、導出口112から混合ユニット120により混合された混合流体Rmを導出するようにしている。そして、導入口111には循環パイプJの中途部の上流側端部を連通連結するとともに、導出口112には循環パイプJの中途部の下流側端部を連通連結している。本実施形態では混合ケース110の上下中央部に導入口111と導出口112を形成し、混合ケース110内の中央部に混合ユニット120を配設している。
混合ケース110内には混合ユニット支持体170を介して多数の混合ユニット120を整然と配設している。混合ユニット支持体170は円形板状で上下一対の支持板171,172で形成して、両支持板171,172間を周方向に開口させている。173は周面開口部、174は下側の支持板172の中央部に形成した下開口部であり、下開口部174は導入口111と整合させて形成して、導入口111から下開口部174を通して混合ケース110内に流体Rが流入するようにしている。
混合ユニット120は、リング板状に形成した第1エレメント130と第2エレメント140の面同士を対向状に配置して、両エレメント130,140の内周縁部間を流入口150となす一方、両エレメント130,140の外周縁部間を流出口151となしている。両エレメント130,140の各対向面には同一の深さと大きさを有する複数(本実施形態では2つ)の凹部群132,133,142,143を、流入口150を中心とするリング帯状に流入口150側から流出口151側に向けて間隔をあけて区分して形成している。
すなわち、凹部群132は、第1エレメント130の下面131の中心側である流入口150側に開口形状が(底面視)正六角形で有底筒状の凹部134を周方向に隙間のない状態で半径方向に複数列(本実施形態では3列)隣接させて垂設し、凹部134を下方に向けて開口させている。いわゆるハニカム状に多数の凹部134が形成されている。凹部群133は、第1エレメント130の下面131の周縁側である流出口151側にリング板状に形成した第3エレメント137の上面を重合状態に接続し、第3エレメント137の下面に開口形状が(底面視)正六角形で有底筒状の凹部135を周方向に隙間のない状態で半径方向に複数列(本実施形態では4列)隣接させて垂設し、凹部135を下方に向けて開口させている。いわゆるハニカム状に多数の凹部135が形成されている。凹部135の開口面の径は、凹部134の開口面の径の二分の一以下の小径に形成している。そして、凹部135の筒長と第3エレメント137の肉厚との和が凹部134の筒長と同一となるように形成している。
また、凹部群142は、第2エレメント140の上面141の中心側である流入口150側に底面視正六角形で有底筒状の凹部144を周方向に隙間のない状態で半径方向に複数列(本実施形態では3列)隣接させて突設し、凹部144を上方に向けて開口させている。いわゆるハニカム状に多数の凹部144が形成されている。凹部群143は、第2エレメント140の上面141の周縁側である流出口151側にリング板状に形成した第4エレメント138の下面を重合状態に接続し、第4エレメント138の上面に開口形状が(底面視)正六角形で有底筒状の凹部145を周方向に隙間のない状態で半径方向に複数列(本実施形態では4列)隣接させて突設し、凹部145を上方に向けて開口させている。いわゆるハニカム状に多数の凹部145が形成されている。凹部145の開口面の径は、凹部144の開口面の径の二分の一以下の小径に形成している。そして、凹部135の筒長と第4エレメント138の肉厚との和が凹部144の筒長と同一となるように形成している。
対向する凹部134,144同士は、相互に連通するように位置を違えて配置している。つまり、凹部134(144)の中心位置に、凹部144(134)の角部146(136)が位置する状態で当接している。したがって、例えば、第1エレメント130の凹部134側から第2エレメント140の凹部144側に流体Rが流れる場合を考えると、流体Rは、2つの流路に分流(分散)されることになる。すなわち、第1エレメント130の凹部134の中央位置に位置された第2エレメント140の角部146は、流体Rを分流する分流部として機能する。逆に、第2エレメント140側から第1エレメント130側に流体Rが流れる場合を考えると、2方から流れてきた流体Rが1つの凹部134に流れ込むことで合流することになる。この場合、第2エレメント140の凹部144の中央位置に位置された第1エレメント130の角部136は、合流部として機能する。
また、対向する凹部135,145同士は、それぞれ上記した対向する凹部134,144同士と同様に相互に連通するように位置を違えて配置している。137,147はそれぞれ凹部135,145の角部である。このように、第1・第2エレメント130,140の流出口151側には凹部群133,143間に単一の蛇行流路が形成されている。なお、第3(第4)エレメント130(140)は、第1(第2)エレメント130(140)と一体成形することもできる。また、第1(第2)エレメント130(140)に凹部群132(142)を一体成形することもできる。第1・第2エレメント130,140の流出口151側には、第1実施形態と同様に上下面に凹部群を形成した分割エレメントを配設して、上下に二層の蛇行流路が形成されるようにすることもできる。
このように構成して、各凹部群132,142と凹部群133,143の対向する凹部134,144間と凹部135,145間を流体Rが合流と分流を繰り返しながら流入口150側から流出口151側に向けて蛇行しながら流動するようにしている。また、各凹部群132,142及び凹部群133,143の間には、第1エレメント130の下面131と第2エレメント140の上面141とによりリング帯状で扁平な中継流路160が形成されている。中継流路160は凹部134,144の約3列分の幅を有している。
混合ユニット支持体170の支持板171,172間には導入口111と連通する下開口部174を中心に、多数(本実施形態では10個)の混合ユニット120を多層に段積み状に配設して、多層の混合ユニット120の中央部には下開口部174から上側の支持板171の下面まで直状に伸延する導入路113が形成されるようにしている。そして、導入路113には複数の混合ユニット120の各流入口150を連通させている。また、混合ケース110内には流出口151と対面する周壁部117の内周面及び天井部115の内面に沿って導出路114が形成されるようにしている。そして、導出路114の始端側には周端開口部173を介して複数の混合ユニット20の各流出口151を連通させる一方、導出路114の終端側には導出口112を連通させている。
導入路113の軸線と直交する半径方向(本実施形態では水平方向)に伸延する円盤状の混合ユニット120を導入路113の軸線に沿って複数段(本実施形態では左右に10段ずつの多数段)に形成している。
混合ユニット120は、アクリル樹脂等の合成樹脂により各パーツ(構成部材)を形成して、これらを接着剤により一体的に接着することで一体的に構成することも、また、ステンレス鋼等の合金により各パーツを形成して、これらをビス止めにより一体的に組み付けることで一体的に構成するもできる。
上記のように構成した第2実施形態としての静止型流体混合装置Mでは、リング板状に形成して面同士を対向状に配置した第1エレメント130と第2エレメント140の内周縁部間である流入口150から流入した流体Rが、両エレメント130,140間でその半径方向に放射状に蛇行しながら流動して外周縁部間である流出口151から流出される。この際、両エレメント130,140間には流入口150を中心とするリング状に複数の凹部群132,133,142,143が流入口150側から流出口151側に向けて間隔をあけて区分されて形成されているため、各凹部群132,133,142,143には多数の凹部134,135,144,145を配置することができて、各凹部群132,133,142,143において分散相としての流体Rが堅実に微細化される。また、混合ユニット120を多層に配置することで、微細化した混合流体Rmを多量に生成することができる。
また、混合ユニット120では、第1・第2エレメント130,140の凹部群133,143において、凹部135,145の数が中心部側から周縁部側に向けて漸次増大させているため、流体Rが合流する凹部135,145の数は周縁部側ほど増大するとともに、それに比例して数多く分流(分散)される。そのため、蛇行流路においては流体Rにせん断力が作用して微細化される回数が流体Rの流動方向(周縁部側に向かう半径方向)に沿って漸次増大される。
A 混合流体生成装置
M 静止型流体混合装置
Cy 循環流路
J 循環パイプ
K1 気体供給パイプ
K2 気体供給部
R 流体
Rm 混合流体
W 処理水
10 混合ケース
11 導入口
12 導出口
13 導入路
20 混合ユニット
30 第1エレメント
40 第2エレメント
50 流入口
51 流出口
60 中継流路
M 静止型流体混合装置
Cy 循環流路
J 循環パイプ
K1 気体供給パイプ
K2 気体供給部
R 流体
Rm 混合流体
W 処理水
10 混合ケース
11 導入口
12 導出口
13 導入路
20 混合ユニット
30 第1エレメント
40 第2エレメント
50 流入口
51 流出口
60 中継流路
Claims (6)
- 混合処理対象である複数の異なる流体を加圧状態にて導入する導入口を設けた混合ケース内に、導入口から導入された複数の異なる流体を混合する混合ユニットを配設し、混合ケースには混合ユニットにより混合された混合流体を導出する導出口を設けた静止型流体混合装置であって、
混合ユニットは、板状の第1エレメントと第2エレメントの面同士を対向状に配置して、両エレメントの始端縁部間を流入口となす一方、両エレメントの終端縁部間を流出口となし、両エレメントの各対向面には同一の深さと大きさを有する複数の凹部群を流入口側から流出口側に向けて間隔をあけて区分して形成するとともに、対向する凹部同士は相互に連通するように位置を違えて配置して、各凹部群の対向する凹部間には流体が蛇行しながら合流と分流を繰り返しながら流入口側から流出口側に向けて流動するように構成し、
流出口側に形成した凹部群の凹部の開口面の径は、流入口側に形成した凹部群の凹部の開口面の径に比して小径に形成したことを特徴とする静止型流体混合装置。 - 混合ケース内には導入口と連通する導入路が形成されるようにして、導入路には複数の混合ユニットの各流入口を連通させる一方、混合ケース内には導出口と連通する導出路が形成されるようにして、導出路には複数の混合ユニットの各流出口を連通させたことを特徴とする請求項1記載の静止型流体混合装置。
- 複数の混合ユニットは多層に重合させて配置するとともに、仮想同一直線に沿わせて各流入口を配置して、各流入口と直交状態に導入路を連通させることで導入路が直状に形成されるようにする一方、仮想同一直線に沿わせて各流出口を配置して、各流出口と直交状態に導出路の始端部を連通させることで導出路の始端部が直状に形成されるようにしたことを特徴とする請求項2記載の静止型流体混合装置。
- 導入路の軸線と直交する半径方向に伸延する複数の混合ユニットを同一平面上に、かつ、導入路の軸線に沿って複数段に形成したことを特徴とする請求項3記載の静止型流体混合装置。
- 混合ユニットは、流出口側の凹部群の深さを流入口側の凹部群の深さの半分以下に形成して、流出口側の凹部群を二層に形成したことを特徴とする請求項1〜4のいずれか1項記載の静止型流体混合装置。
- 混合ユニットは、リング板状に形成した第1エレメントと第2エレメントの面同士を対向状に配置して、両エレメントの内周縁部間を流入口となす一方、両エレメントの外周縁部間を流出口となし、両エレメントの各対向面には同一の深さと大きさを有する複数の凹部群を、流入口を中心とするリング状に流入口側から流出口側に向けて間隔をあけて区分して形成したことを特徴とする請求項1〜5のいずれか1項記載の静止型流体混合装置。
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Cited By (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
WO2024036549A1 (zh) * | 2022-08-18 | 2024-02-22 | 京东方科技集团股份有限公司 | 微流控芯片、微流控装置 |
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2016
- 2016-10-18 JP JP2016204245A patent/JP2017039131A/ja active Pending
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Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
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WO2024036549A1 (zh) * | 2022-08-18 | 2024-02-22 | 京东方科技集团股份有限公司 | 微流控芯片、微流控装置 |
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