JPH05275240A - 積層チップインダクタ及びその製造方法 - Google Patents
積層チップインダクタ及びその製造方法Info
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- JPH05275240A JPH05275240A JP11661792A JP11661792A JPH05275240A JP H05275240 A JPH05275240 A JP H05275240A JP 11661792 A JP11661792 A JP 11661792A JP 11661792 A JP11661792 A JP 11661792A JP H05275240 A JPH05275240 A JP H05275240A
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- JP
- Japan
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- cobalt
- ferrite
- chip
- chip inductor
- laminated
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- Manufacturing Cores, Coils, And Magnets (AREA)
- Coils Or Transformers For Communication (AREA)
Abstract
(57)【要約】
【目的】「メッキ延び」がなく、インダクタンスの温度
変化のない積層チップインダクタを得る。 【構成】フェライト磁性体チップの表面をコバルトフェ
ライト層にする。その形成方法はグリーンシート積層体
の表面にコバルト化合物を付着させて焼成するか、グリ
ーンシート積層体の焼成体に同様のことを行い、しかる
後に電極を形成する。 【効果】フェライト磁性体チップの表面のコバルトフェ
ライト層はメッキ膜が付き難く、また、このコバルトフ
ェライト層は表面に限られ、インダクタンスは内部のフ
ェライト磁性体層に依存するのでその温度変動を少なく
できる。
変化のない積層チップインダクタを得る。 【構成】フェライト磁性体チップの表面をコバルトフェ
ライト層にする。その形成方法はグリーンシート積層体
の表面にコバルト化合物を付着させて焼成するか、グリ
ーンシート積層体の焼成体に同様のことを行い、しかる
後に電極を形成する。 【効果】フェライト磁性体チップの表面のコバルトフェ
ライト層はメッキ膜が付き難く、また、このコバルトフ
ェライト層は表面に限られ、インダクタンスは内部のフ
ェライト磁性体層に依存するのでその温度変動を少なく
できる。
Description
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、フェライト磁性体チッ
プの両端の外部電極の端部が所定の位置より内側に延び
た、いわゆる「メッキ延び」がなく、かつインダクタン
スの温度変化の少ない積層チップインダクタ及びその製
造方法に関する。
プの両端の外部電極の端部が所定の位置より内側に延び
た、いわゆる「メッキ延び」がなく、かつインダクタン
スの温度変化の少ない積層チップインダクタ及びその製
造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】チップインダクタは、チップコンデンサ
と組み合わせてLC回路を構成したり、あるいは単独で
回路要素として使用される。このチップインダクタは、
電子機器を軽薄短小化したいとの要望から、チップコン
デンサ等の他の部品と同様、小型化することが要求さ
れ、この要求がしだいに強まってきている。このため、
磁性体中にコイル状の導体層を内装した積層チップイン
ダクタが広く用いられるようになっている。
と組み合わせてLC回路を構成したり、あるいは単独で
回路要素として使用される。このチップインダクタは、
電子機器を軽薄短小化したいとの要望から、チップコン
デンサ等の他の部品と同様、小型化することが要求さ
れ、この要求がしだいに強まってきている。このため、
磁性体中にコイル状の導体層を内装した積層チップイン
ダクタが広く用いられるようになっている。
【0003】上記積層チップインダクタの従来の製造方
法は次の通りである。 磁性材料粉末にバイングー等を加えて混合し、磁性
材料スラリーを調製する。 このスラリーをドクターブレード法あるいはリバー
スコーター法等により長尺のシート状に成形し、所定の
寸法形状に切断して多数の磁性材料グリーンシート素片
が得られるような磁性材料グリーンシート片を作成す
る。 これらの磁性材料グリーンシート片のうちの何枚か
のそれぞれに、各々のグリーンシート素片に対応して所
定の位置にスルーホールを穿孔するとともに、これらの
グリーンシート素片を重ねたときにコイルを形成するよ
うにコイルの一部を成す導体パターンを上記スルーホー
ルに接続するように導電材料ペーストを用いてスクリー
ン印刷する。この際上下に重ねられるグリーンシート片
の導体パターンはそれぞれのグリーンシート素片の互い
に相反する端部に引き出され後述する外部電極と接続さ
れる。
法は次の通りである。 磁性材料粉末にバイングー等を加えて混合し、磁性
材料スラリーを調製する。 このスラリーをドクターブレード法あるいはリバー
スコーター法等により長尺のシート状に成形し、所定の
寸法形状に切断して多数の磁性材料グリーンシート素片
が得られるような磁性材料グリーンシート片を作成す
る。 これらの磁性材料グリーンシート片のうちの何枚か
のそれぞれに、各々のグリーンシート素片に対応して所
定の位置にスルーホールを穿孔するとともに、これらの
グリーンシート素片を重ねたときにコイルを形成するよ
うにコイルの一部を成す導体パターンを上記スルーホー
ルに接続するように導電材料ペーストを用いてスクリー
ン印刷する。この際上下に重ねられるグリーンシート片
の導体パターンはそれぞれのグリーンシート素片の互い
に相反する端部に引き出され後述する外部電極と接続さ
れる。
【0004】 次に、これらの導体パターンを形成し
た磁性材料グリーンシート片を導体パターンがスルーホ
ールを介して相互に連結されコイルを形成するように積
層するとともに、この積層体の上下面のそれぞれに上記
導体パターンを形成していない残りの磁性材料グリーン
シート片をさらに積層し、未焼成積層体を作成する。 このグリーンシート積層体を金型に収容し、所定の
圧力及び温度でプレスし、圧着して圧着未焼成積層体を
作成する。この圧着未焼成積層体を碁盤目状に切断し多
数の未焼成積層チップを作成する。 この未焼成積層チップをバレル研磨して角隅部及び
稜線部分を丸くする。 これらの未焼成積層チップを一旦大気中で加熱して
脱バインダー処理をした後、再び大気中で焼成して焼成
体チップを得る。 これらの焼成体チップの上記導体パターンの端部に
引き出された相対する端面にAg等の電極材料を含有す
る電極材料ペーストをディップ法等により塗布し、所定
の温度で焼付け処理を行って焼付け電極を有する積層チ
ップインダクタ中間体を得る。 積層チップインダクタ中間体の焼付け電極のAgは
製品を回路基板のはんだ付けランドにはんだ付けすると
きに、溶融はんだに溶け込んで電極の膜が薄くなったり
無くなったりする、いわゆる「はんだ食われ」現象を生
じるので、通常Agの電極の上にNiメッキを施し、さ
らに溶融はんだに対する濡れを良くするためにはんだメ
ッキを施し、Ag−Ni−はんだを積層した外部電極を
形成する。
た磁性材料グリーンシート片を導体パターンがスルーホ
ールを介して相互に連結されコイルを形成するように積
層するとともに、この積層体の上下面のそれぞれに上記
導体パターンを形成していない残りの磁性材料グリーン
シート片をさらに積層し、未焼成積層体を作成する。 このグリーンシート積層体を金型に収容し、所定の
圧力及び温度でプレスし、圧着して圧着未焼成積層体を
作成する。この圧着未焼成積層体を碁盤目状に切断し多
数の未焼成積層チップを作成する。 この未焼成積層チップをバレル研磨して角隅部及び
稜線部分を丸くする。 これらの未焼成積層チップを一旦大気中で加熱して
脱バインダー処理をした後、再び大気中で焼成して焼成
体チップを得る。 これらの焼成体チップの上記導体パターンの端部に
引き出された相対する端面にAg等の電極材料を含有す
る電極材料ペーストをディップ法等により塗布し、所定
の温度で焼付け処理を行って焼付け電極を有する積層チ
ップインダクタ中間体を得る。 積層チップインダクタ中間体の焼付け電極のAgは
製品を回路基板のはんだ付けランドにはんだ付けすると
きに、溶融はんだに溶け込んで電極の膜が薄くなったり
無くなったりする、いわゆる「はんだ食われ」現象を生
じるので、通常Agの電極の上にNiメッキを施し、さ
らに溶融はんだに対する濡れを良くするためにはんだメ
ッキを施し、Ag−Ni−はんだを積層した外部電極を
形成する。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】上記の工程における
Niメッキ、はんだメッキ工程においてメッキ膜がAg
電極の端部より内側にはみ出して、上記焼成体チップの
素地部分に延びる、いわゆる「メッキ延び」現象を生じ
ることがある。このように、「メッキ延び」が起こる
と、外観を損ねるだけでなく、もっと重要なことは、両
端の外部電極間の距離が短くなり、特に小型積層インダ
クタにおいては両端外部電極間の耐電圧が低下するのみ
ならず、回路基板に部品を接続するときにその位置がず
れた場合にははんだ付け予定外のはんだ付けランドと外
部電極との距離が短くなって両者間の耐電圧も低下する
という問題を生じる。特に最近の電子部品は電気機器の
小型化に伴って小型化が要求されているので、この「メ
ッキ延び」による耐電圧の低下を防止することが極めて
重要になってきている。
Niメッキ、はんだメッキ工程においてメッキ膜がAg
電極の端部より内側にはみ出して、上記焼成体チップの
素地部分に延びる、いわゆる「メッキ延び」現象を生じ
ることがある。このように、「メッキ延び」が起こる
と、外観を損ねるだけでなく、もっと重要なことは、両
端の外部電極間の距離が短くなり、特に小型積層インダ
クタにおいては両端外部電極間の耐電圧が低下するのみ
ならず、回路基板に部品を接続するときにその位置がず
れた場合にははんだ付け予定外のはんだ付けランドと外
部電極との距離が短くなって両者間の耐電圧も低下する
という問題を生じる。特に最近の電子部品は電気機器の
小型化に伴って小型化が要求されているので、この「メ
ッキ延び」による耐電圧の低下を防止することが極めて
重要になってきている。
【0006】本発明の目的は、「メッキ延び」を生じな
いような構造であって、かつインダクタンスの温度変化
の少ない構造の積層チップインダクタ及びその製造方法
を提供することにある。
いような構造であって、かつインダクタンスの温度変化
の少ない構造の積層チップインダクタ及びその製造方法
を提供することにある。
【0007】
【課題を解決するための手段】本発明は、上記課題を解
決するために、フェライト磁性体チップの内部にコイル
を有し、このコイルの両端のそれぞれに接続する外部電
極を有する積層チップインダクタにおいて、フェライト
磁性体チップの外表面にコバルトフェライト層を形成
し、このコバルトフェライト層上に焼付け電極を介して
メッキ膜を設けた外部電極を有する積層チップインダク
タを提供するものである。
決するために、フェライト磁性体チップの内部にコイル
を有し、このコイルの両端のそれぞれに接続する外部電
極を有する積層チップインダクタにおいて、フェライト
磁性体チップの外表面にコバルトフェライト層を形成
し、このコバルトフェライト層上に焼付け電極を介して
メッキ膜を設けた外部電極を有する積層チップインダク
タを提供するものである。
【0008】また、本発明は、導体パターンを印刷した
複数の磁性材料グリーンシートを含む複数の磁性材料グ
リーンシートを積層することにより導体パターンによる
コイルを内部に形成する未焼成積層体を得る工程と、こ
の積層体を圧着する工程と、この圧着積層体を焼成して
焼成体を得る工程と、この焼成体に外部電極を形成する
積層チップインダクタの製造方法において、上記焼成体
を得る工程は焼成前の圧着積層体の表面にコバルト若し
くはその化合物を付着させてから焼成するか又は圧着積
層体の焼成体の表面にコバルト若しくはその化合物を付
着させてから再度焼成することにより表面にコバルトフ
ェライト層を形成する工程を有する請求項1記載の積層
チップインダクタの製造方法を提供するものである。
複数の磁性材料グリーンシートを含む複数の磁性材料グ
リーンシートを積層することにより導体パターンによる
コイルを内部に形成する未焼成積層体を得る工程と、こ
の積層体を圧着する工程と、この圧着積層体を焼成して
焼成体を得る工程と、この焼成体に外部電極を形成する
積層チップインダクタの製造方法において、上記焼成体
を得る工程は焼成前の圧着積層体の表面にコバルト若し
くはその化合物を付着させてから焼成するか又は圧着積
層体の焼成体の表面にコバルト若しくはその化合物を付
着させてから再度焼成することにより表面にコバルトフ
ェライト層を形成する工程を有する請求項1記載の積層
チップインダクタの製造方法を提供するものである。
【0009】
【作用】フェライト磁性体チップの表面にコバルトフェ
ライト層を形成したので、この表面の電気抵抗が大きく
なり、電解メッキを施すときにこの表面にメッキがされ
難いことか考えられるが、詳細は明らかでない。フェラ
イト磁性体チップの表面のコバルトフェライト層はフェ
ライト磁性体チップ表面にコバルト又はその化合物を付
着させて焼成することにより得られる。
ライト層を形成したので、この表面の電気抵抗が大きく
なり、電解メッキを施すときにこの表面にメッキがされ
難いことか考えられるが、詳細は明らかでない。フェラ
イト磁性体チップの表面のコバルトフェライト層はフェ
ライト磁性体チップ表面にコバルト又はその化合物を付
着させて焼成することにより得られる。
【0010】
【実施例】次に本発明の実施例を説明する。 実施例1 (1) 積層チップインダクタの作製 三二酸化鉄(Fe2O3)49モル%、NiO 2
1モル%、ZnO 20モル%、CuO 10モル%の
比率で秤量し、水とともにボールミルに仕込み、15時
間湿式混合を行なう。 得られた混合物を乾燥してから粉砕し、得られた粉
末を800℃にて1時間仮焼する。 得られた仮焼粉末をボールミルにて15時間湿式粉
砕した後、乾燥してから解砕し、フェライト粉末を得
る。
1モル%、ZnO 20モル%、CuO 10モル%の
比率で秤量し、水とともにボールミルに仕込み、15時
間湿式混合を行なう。 得られた混合物を乾燥してから粉砕し、得られた粉
末を800℃にて1時間仮焼する。 得られた仮焼粉末をボールミルにて15時間湿式粉
砕した後、乾燥してから解砕し、フェライト粉末を得
る。
【0011】 このフェライト粉末に対してバインダ
ー樹脂(ポリビニルブチラール系樹脂)10重量%、ト
ルエン20重量%、エタノール20重量%およびブタノ
ール40重量%を添加し、ボールミルで15時間混合を
行ない、4,200cpsのスラリーを得る。 得られたスラリーをドクターブレード法を用いて膜
厚50μmの長尺なフェライトグリーンシートを作成す
る。 得られたフェライトグリーンシートを所定の寸法に
切断し、複数枚のフェライトシート素片が裁断によって
得られるようなフェライトグリーンシート片を得る。 これらのフェライトグリーンシート片のうちの一部
には、各々のフェライトシート素片に対応して内部コイ
ル用の導体パターンを形成するために、所定の位置にス
ルーホールを穿孔するとともに、Agを主成分とする導
体材料ペースト(Ag粉末10重量部、エチルセルロー
ス0.5重量部、α―ターピネオール2重量部、ブチル
カルビトールアセテート(BCA)5重量部、オレイン
酸0.1重量部)をスクリーン印刷法によって所定のパ
ターンに塗布し、加熱乾燥して厚さ18μmの導体パタ
ーン塗布層を形成する。これらのうちコイルの両端に対
応する導体パターン塗布層はそれぞれのフェライトシー
ト素片の互いに反対側となる端部まで引き出し引出電極
用導体パターン塗布層とする。
ー樹脂(ポリビニルブチラール系樹脂)10重量%、ト
ルエン20重量%、エタノール20重量%およびブタノ
ール40重量%を添加し、ボールミルで15時間混合を
行ない、4,200cpsのスラリーを得る。 得られたスラリーをドクターブレード法を用いて膜
厚50μmの長尺なフェライトグリーンシートを作成す
る。 得られたフェライトグリーンシートを所定の寸法に
切断し、複数枚のフェライトシート素片が裁断によって
得られるようなフェライトグリーンシート片を得る。 これらのフェライトグリーンシート片のうちの一部
には、各々のフェライトシート素片に対応して内部コイ
ル用の導体パターンを形成するために、所定の位置にス
ルーホールを穿孔するとともに、Agを主成分とする導
体材料ペースト(Ag粉末10重量部、エチルセルロー
ス0.5重量部、α―ターピネオール2重量部、ブチル
カルビトールアセテート(BCA)5重量部、オレイン
酸0.1重量部)をスクリーン印刷法によって所定のパ
ターンに塗布し、加熱乾燥して厚さ18μmの導体パタ
ーン塗布層を形成する。これらのうちコイルの両端に対
応する導体パターン塗布層はそれぞれのフェライトシー
ト素片の互いに反対側となる端部まで引き出し引出電極
用導体パターン塗布層とする。
【0012】 導体パターン塗布層を形成したフェラ
イトシート素片が裁断によって得られるようなフェライ
トグリーンシート片を、これらの導体パターン塗布層が
コイルを形成するように9枚重ね、この重ね体の上面お
よび下面のそれぞれにさらに導体パターン塗布層を有し
ないフェライトグリーンシート片を8枚重ねる。そし
て、この得られた未焼成積層体を400Kgf/cm2
(単位平方センチメートル当たり400Kg重)の圧力
で加熱圧着し、一体化した圧着未焼成積層体を得る。こ
の圧着未焼成積層体を所定の寸法形状に裁断して各フェ
ライトシート素片を積層した積層チップインダクタ未焼
成体を得る。 得られた積層チップインダクタ未焼成体を湿式バレ
ル研磨することにより角隅部及び稜線部分を丸くする。 ▲10▼ この研磨した積層チップインダクタ未焼成体
を洗浄してから乾燥し、酸化コバルト粉末とともに乾式
バレル処理することによって、この積層チップインダク
タ未焼成体に酸化コバルト粉末をまぶす。 ▲11▼ 500℃で1時間加熱して脱バインダー処理
をした後、880℃で1時間焼成し、焼成体からなるフ
ェライト磁性体チップを得る。
イトシート素片が裁断によって得られるようなフェライ
トグリーンシート片を、これらの導体パターン塗布層が
コイルを形成するように9枚重ね、この重ね体の上面お
よび下面のそれぞれにさらに導体パターン塗布層を有し
ないフェライトグリーンシート片を8枚重ねる。そし
て、この得られた未焼成積層体を400Kgf/cm2
(単位平方センチメートル当たり400Kg重)の圧力
で加熱圧着し、一体化した圧着未焼成積層体を得る。こ
の圧着未焼成積層体を所定の寸法形状に裁断して各フェ
ライトシート素片を積層した積層チップインダクタ未焼
成体を得る。 得られた積層チップインダクタ未焼成体を湿式バレ
ル研磨することにより角隅部及び稜線部分を丸くする。 ▲10▼ この研磨した積層チップインダクタ未焼成体
を洗浄してから乾燥し、酸化コバルト粉末とともに乾式
バレル処理することによって、この積層チップインダク
タ未焼成体に酸化コバルト粉末をまぶす。 ▲11▼ 500℃で1時間加熱して脱バインダー処理
をした後、880℃で1時間焼成し、焼成体からなるフ
ェライト磁性体チップを得る。
【0013】▲12▼ このフェライト磁性体チップの
引出電極が露出する両側端部に浸漬法により、Agを主
成分としガラスフリット9重量%含む電極材料ペースト
を塗布し、150℃で15分間乾燥した後、600℃に
て10分間塗膜を焼付け、導体パターン塗布層の焼成体
をフェライトシート素片の焼成体に内装し、両側端部に
Ag電極を有する積層チップインダクタ中間体を得る。 ▲13▼ この積層チップインダクタ中間体を上記と同
様に湿式研磨して焼付け電極の角隅部及び稜線部分を丸
くする。 ▲14▼ 得られた研磨積層チップインダクタ中間体に
電解Niメッキを施す。 ▲15▼ さらに電解はんだメッキを施し、製品の積層
チップインダクタを得る。
引出電極が露出する両側端部に浸漬法により、Agを主
成分としガラスフリット9重量%含む電極材料ペースト
を塗布し、150℃で15分間乾燥した後、600℃に
て10分間塗膜を焼付け、導体パターン塗布層の焼成体
をフェライトシート素片の焼成体に内装し、両側端部に
Ag電極を有する積層チップインダクタ中間体を得る。 ▲13▼ この積層チップインダクタ中間体を上記と同
様に湿式研磨して焼付け電極の角隅部及び稜線部分を丸
くする。 ▲14▼ 得られた研磨積層チップインダクタ中間体に
電解Niメッキを施す。 ▲15▼ さらに電解はんだメッキを施し、製品の積層
チップインダクタを得る。
【0014】(2) 評価試験 得られた積層チップインダクタをエボキシ樹脂に埋め込
んでから研磨し、顕微鏡にてしらべ、Ag電極の端部か
ら内側にメッキ膜が70μm以上延びたものを「メッキ
延び」有りとして、50個の上記積層チップインダクタ
を作製し、これらについて評価したところ、「メッキ延
び」は一つもなかった。
んでから研磨し、顕微鏡にてしらべ、Ag電極の端部か
ら内側にメッキ膜が70μm以上延びたものを「メッキ
延び」有りとして、50個の上記積層チップインダクタ
を作製し、これらについて評価したところ、「メッキ延
び」は一つもなかった。
【0015】また、YHP4194A(横河ヒューレッ
トパッカーズ社製)を使用してインピーダンスモードに
てLs−Qモードを使用し、+25℃のL値を基準に
し、+85℃おけるL値の平均増加率を求めたところ、
+4.6%であった。
トパッカーズ社製)を使用してインピーダンスモードに
てLs−Qモードを使用し、+25℃のL値を基準に
し、+85℃おけるL値の平均増加率を求めたところ、
+4.6%であった。
【0016】実施例2 実施例1と同様に〜の工程を経て積層チップインダ
クタ未焼成体を作製する。一方、水1リットルに酸化コ
バルト粉末100gと、ポリビニルアルコール6gとを
分散させた懸濁液を用意し、上記積層チップインダクタ
未焼成体に均一に噴霧してから乾燥し、約5〜10μm
の酸化コバルト層を表面に形成した。これを880℃、
1時間焼成してフェライト磁性体チップを得る。次にこ
のチップの引出電極が露出する両側端部に浸漬法によ
り、Agを主成分としガラスフリット9重量%含む電極
材料ペーストを塗布し、大気中にて600℃で焼付けを
行い、湿式バレル法により研磨してAg電極の角隅部及
び稜線部分を丸くしてから実施例1と同様に電解Niメ
ッキ、電解はんだメッキを順次行い積層チップインダク
タを得た。これを50個作製し、実施例1と同様にしら
べたところ、「メッキ延び」は1個も見られなかった。
また、実施例1と同様にL値を測定したところ、50個
の平均のL値(+25℃)は7.6μHであり、+25
℃のL値を基準にした+85℃おけるL値の平均増加率
は+4.9%であった。
クタ未焼成体を作製する。一方、水1リットルに酸化コ
バルト粉末100gと、ポリビニルアルコール6gとを
分散させた懸濁液を用意し、上記積層チップインダクタ
未焼成体に均一に噴霧してから乾燥し、約5〜10μm
の酸化コバルト層を表面に形成した。これを880℃、
1時間焼成してフェライト磁性体チップを得る。次にこ
のチップの引出電極が露出する両側端部に浸漬法によ
り、Agを主成分としガラスフリット9重量%含む電極
材料ペーストを塗布し、大気中にて600℃で焼付けを
行い、湿式バレル法により研磨してAg電極の角隅部及
び稜線部分を丸くしてから実施例1と同様に電解Niメ
ッキ、電解はんだメッキを順次行い積層チップインダク
タを得た。これを50個作製し、実施例1と同様にしら
べたところ、「メッキ延び」は1個も見られなかった。
また、実施例1と同様にL値を測定したところ、50個
の平均のL値(+25℃)は7.6μHであり、+25
℃のL値を基準にした+85℃おけるL値の平均増加率
は+4.9%であった。
【0017】実施例3 実施例1の〜の操作をにおいてAgの代わりにA
g−Pd(Pd含有量12%)を用いた以外は同様に行
って得た研磨した積層チップインダクタ未焼成体を80
0℃、1時間保持して焼成し、得られたフェライト磁性
体チップに実施例2と同様の懸濁液を噴霧してから乾燥
乾燥し、さらにこれを1000℃にて再度加熱し、表面
にコバルトフェライト層を形成する。以下実施例2と同
様にAg電極を形成し、その研磨を行ってから電解Ni
メッキ、電解はんだメッキを順次行い積層チップインダ
クタを得た。これを50個作製し、実施例1と同様にし
らベたところ、「メッキ延び」は1個も見られなかっ
た。また、実施例1と同様にL値を測定したところ、5
0個の平均のL値(+25℃)は7.5μHであり、+
25℃のL値を基準にした+85℃おけるL値の平均増
加率は+5.1%であった。
g−Pd(Pd含有量12%)を用いた以外は同様に行
って得た研磨した積層チップインダクタ未焼成体を80
0℃、1時間保持して焼成し、得られたフェライト磁性
体チップに実施例2と同様の懸濁液を噴霧してから乾燥
乾燥し、さらにこれを1000℃にて再度加熱し、表面
にコバルトフェライト層を形成する。以下実施例2と同
様にAg電極を形成し、その研磨を行ってから電解Ni
メッキ、電解はんだメッキを順次行い積層チップインダ
クタを得た。これを50個作製し、実施例1と同様にし
らベたところ、「メッキ延び」は1個も見られなかっ
た。また、実施例1と同様にL値を測定したところ、5
0個の平均のL値(+25℃)は7.5μHであり、+
25℃のL値を基準にした+85℃おけるL値の平均増
加率は+5.1%であった。
【0018】比較例1 実施例1において、▲10▼の工程を行なわなかった以
外は同様にして積層チップインダクタを50個作製し、
実施例1と同様にし調べたところ、「メッキ延び」が2
1個見られた。
外は同様にして積層チップインダクタを50個作製し、
実施例1と同様にし調べたところ、「メッキ延び」が2
1個見られた。
【0019】比較例2 実施例1において、の工程における原料に酸化コバル
トを0.5モル%配合し、▲10▼の工程を行なわなか
った以外は同様にして積層チップインダクタを50個作
製し、実施例1と同様にし調べたところ、「メッキ延
び」は見られなかったが、50個の平均のL値(+25
℃)は7.1μHであり、+25℃のL値を基準にした
+85℃おけるL値の平均増加率は+14.7%であっ
た。
トを0.5モル%配合し、▲10▼の工程を行なわなか
った以外は同様にして積層チップインダクタを50個作
製し、実施例1と同様にし調べたところ、「メッキ延
び」は見られなかったが、50個の平均のL値(+25
℃)は7.1μHであり、+25℃のL値を基準にした
+85℃おけるL値の平均増加率は+14.7%であっ
た。
【0020】以上の結果から、フェライト磁性体チップ
の表面にコバルトフェライト磁性体層を設けなかった比
較例1は「メッキ延び」が多く見られ、フェライト磁性
体の内部がコバルトフェライト磁性体になっているとき
はL値の温度による変動が大きいのに対し、フェライト
磁性体チップの表面にコバルトフェライト層を設けた実
施例のものは、「メッキ延び」が見られず、L値の温度
による変動も小さいことがわかる。
の表面にコバルトフェライト磁性体層を設けなかった比
較例1は「メッキ延び」が多く見られ、フェライト磁性
体の内部がコバルトフェライト磁性体になっているとき
はL値の温度による変動が大きいのに対し、フェライト
磁性体チップの表面にコバルトフェライト層を設けた実
施例のものは、「メッキ延び」が見られず、L値の温度
による変動も小さいことがわかる。
【0021】フェライト磁性体チップの表面に設けるコ
バルトフェライト層の厚さは、厚過ぎるとL値の温度変
動を抑制できないので、50μmまでが好ましい。
バルトフェライト層の厚さは、厚過ぎるとL値の温度変
動を抑制できないので、50μmまでが好ましい。
【0022】上記は酸化コバルト粉末を振り掛けたり、
酸化コバルト粉末の懸濁液を用いたが、この粉末には他
のコバルト化合物、コバルト金属も用いられる。
酸化コバルト粉末の懸濁液を用いたが、この粉末には他
のコバルト化合物、コバルト金属も用いられる。
【0023】また、炭酸コバルトのようなコバルト塩の
溶液を上記酸化コバルト粉末の懸濁液の代わりに用いて
も良く、この場合溶液の粘度を高めるためにポリビニル
アリルコール等の増粘剤を含有させても良い。
溶液を上記酸化コバルト粉末の懸濁液の代わりに用いて
も良く、この場合溶液の粘度を高めるためにポリビニル
アリルコール等の増粘剤を含有させても良い。
【0024】
【発明の効果】本発明によれば、フェライト磁性体チッ
プの表面にコバルトフェライト層を設け、その上に外部
電極を設けたので、この外部電極を電解メッキにより形
成する場合にも「メッキ延び」を抑制できるのみなら
ず、コバルトフェライト層はフェライト磁性体層の表面
に限られているので、インダクタンスの温度変化も少な
くできる。これにより、小型積層チップインダクタにお
いても耐電圧を低下させることなく、しかもインダクタ
ンスの温度変化の少ない高性能の小型インダクタを提供
することができる。また、上記フェライト磁性体チップ
の表面にコバルトフェライト層はコバルト化合物、コバ
ルト金属をフェライト材料成形物あるいはその焼成体に
付着させて焼成することにより容易に得られる。
プの表面にコバルトフェライト層を設け、その上に外部
電極を設けたので、この外部電極を電解メッキにより形
成する場合にも「メッキ延び」を抑制できるのみなら
ず、コバルトフェライト層はフェライト磁性体層の表面
に限られているので、インダクタンスの温度変化も少な
くできる。これにより、小型積層チップインダクタにお
いても耐電圧を低下させることなく、しかもインダクタ
ンスの温度変化の少ない高性能の小型インダクタを提供
することができる。また、上記フェライト磁性体チップ
の表面にコバルトフェライト層はコバルト化合物、コバ
ルト金属をフェライト材料成形物あるいはその焼成体に
付着させて焼成することにより容易に得られる。
Claims (2)
- 【請求項1】 フェライト磁性体チップの内部にコイル
を有し、このコイルの両端のそれぞれに接続する外部電
極を有する積層チップインダクタにおいて、フェライト
磁性体チップの外表面にコバルトフェライト層を形成
し、このコバルトフェライト層上に焼付け電極を介して
メッキ膜を設けた外部電極を有する積層チップイングク
タ。 - 【請求項2】 導体パターンを印刷した複数の磁性材料
グリーンシートを含む複数の磁性材料グリーンシートを
積層することにより導体パターンによるコイルを内部に
形成する未焼成積層体を得る工程と、この積層体を圧着
する工程と、この圧着積層体を焼成して焼成体を得る工
程と、この焼成体に外部電極を形成する積層チップイン
ダクタの製造方法において、上記焼成体を得る工程は焼
成前の圧着積層体の表面にコバルト若しくはその化合物
を付着させてから焼成するか又は圧着積層体の焼成体の
表面にコバルト若しくはその化合物を付着させてから再
度焼成することにより表面にコバルトフェライト層を形
成する工程を有する請求項1記載の積層チップインダク
タの製造方法。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP11661792A JPH05275240A (ja) | 1992-03-26 | 1992-03-26 | 積層チップインダクタ及びその製造方法 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP11661792A JPH05275240A (ja) | 1992-03-26 | 1992-03-26 | 積層チップインダクタ及びその製造方法 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH05275240A true JPH05275240A (ja) | 1993-10-22 |
Family
ID=14691620
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP11661792A Pending JPH05275240A (ja) | 1992-03-26 | 1992-03-26 | 積層チップインダクタ及びその製造方法 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JPH05275240A (ja) |
Cited By (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
US7880092B2 (en) | 2006-06-23 | 2011-02-01 | Murata Manufacturing Co., Ltd. | Multilayer ceramic electronic component |
-
1992
- 1992-03-26 JP JP11661792A patent/JPH05275240A/ja active Pending
Cited By (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
US7880092B2 (en) | 2006-06-23 | 2011-02-01 | Murata Manufacturing Co., Ltd. | Multilayer ceramic electronic component |
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Legal Events
Date | Code | Title | Description |
---|---|---|---|
A02 | Decision of refusal |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A02 Effective date: 20001010 |