JPH05274412A - ベクトル・データ消去方式 - Google Patents

ベクトル・データ消去方式

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JPH05274412A
JPH05274412A JP6853592A JP6853592A JPH05274412A JP H05274412 A JPH05274412 A JP H05274412A JP 6853592 A JP6853592 A JP 6853592A JP 6853592 A JP6853592 A JP 6853592A JP H05274412 A JPH05274412 A JP H05274412A
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 利用者が要求している範囲にあるベクトル・
データを的確に消去すること。 【構成】 データメモリ301は、消去したい入力情報
を含む入力情報の内容をベクトル・データとして記憶し
ており、要求を発行する装置303は、例えば、スタイ
ラスとタブレット等からなり、CPU306は、装置3
03からの消去要求による消去範囲の軌跡を算出し、こ
の消去範囲の軌跡情報と、前記データメモリ301内の
ベクトル・データとの重なりを検出して、重なりの部分
のベクトル・データを消去する。また、各ベクトル・デ
ータは、その強さを示す情報を有し、CPU306は、
消去情報として得られる消去の強さの情報を前記ベクト
ル・データの強さの情報から差し引いたベクトル・デー
タの強さを有する新たなベクトル・データを生成する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、ベクトル・データの消
去方式に係り、特に、パーソナルコンピュータ(以下、
パソコンという)、ワードプロセッサ(以下、ワープロ
という)、ワークステーション等、画面表示とそのポイ
ンティング機能とをユーザインタフェースとして有し、
入力情報をベクトル・データとして記憶、処理、表示す
る情報処理機器をベースとするOA、FA、HA分野等
に応用して好適なベクトル・データ消去方式に関する。
【0002】
【従来の技術】ベクトル・データの消去に関する従来技
術として、例えば、特開昭60−129829号公報等
に記載された技術が知られている。
【0003】以下、この種の従来技術の一例を図面によ
り説明する。
【0004】図5は従来技術によるベクトル・データの
消去を行うためのワークステーションの装置の構成例を
示す図、図6は従来技術による消去の状況を説明する図
である。図5において、101はコンピュータ、102
はディスプレイ装置、103はタブレット、104はス
タイラスである。
【0005】図5に示すワークステーションは、コンピ
ュータ101と、全点アドレス指定可能(APA)なデ
ィスプレイ装置102と、電子式タブレット103と、
電子式スタイラス104とにより構成される。そして、
このワークステーションは、電子式スタイラス104で
電子式タブレット103に筆記し、電子式タブレット1
03に対する電子式スタイラス104の絶対的な場所を
周期的にコンピュータ101に転送することにより電子
イメージを生成し、各場所の点をディスプレイ座標系に
写像し、これらの点をベクトル・データとして記憶する
電子式手書き機構を備えるシステムである。
【0006】このシステムは、利用者が電子式スタイラ
ス104を用いて手書きによる表示情報を入力すること
ができ、システムを消去モードにセットすることによっ
て前記手書き入力による表示情報を消去することができ
るものである。
【0007】この消去においては、電子式タブレット1
03に対する電子式スタイラス104の相対的な場所を
表す消去カーソルをディスプレイ102に表示し、消去
の間、消去カーソルに接触した線分および点が消去され
る。
【0008】すなわち、図5に示す従来技術によるシス
テムは、現実の世界における紙、鉛筆、及び、消しゴム
を使用した筆記及び消去行為を疑似化したものである。
そして、このシステムのような現実の世界を疑似化した
システムは、利用者の要求に的確に反応できることが極
めて重要であり、これらのことを現実の世界における消
しゴムの持つ機能を疑似化した機能に対して当て嵌める
場合、利用者の要求している範囲、すなわち、消去カー
ソルの軌跡の表す範囲内の情報を的確に消去できること
が重要である。
【0009】ところで、図5に示す従来技術は、消去の
間コンピュータ101に周期的に送られてくる電子式タ
ブレット103に対する電子的スタイラス104の絶対
的な場所によって消去カーソルの位置を決定し、消去カ
ーソルに接触した線分及び点を消去するというものであ
り、このため、利用者が要求している範囲の入力情報を
的確に消去することができるものではない。
【0010】すなわち、いま、図6に示すように、消去
カーソルが示す点(一定の面積を有する)が、201と
して示すような円であるとし、消去の間にこのカーソル
移動させるものとする。この場合、消去される範囲は、
消去の間の各時点における、消去カーソルの表す範囲の
集合全体202がその範囲となる。そして、前記従来技
術は、この集合全体202の中に含まれる線分等のベク
トル・データを消去することができる。
【0011】しかし、前記従来技術は、利用者の手の移
動が充分に速く、しかも、充分な解像度で標本化するこ
とができない電子式手書き機構を持つシステムに適用さ
れた場合、電子スタイラス104が消去の際に移動され
られた場合の位置情報の取り込みが、図6に消去範囲2
03として示すように、消去カーソルが重なり合わずに
とびとびとなり、これらの消去カーソルである円の内部
に含まれるベクトル・データしか消去することができ
ず、利用者の要求している範囲のベクトル・データを的
確に消去できるものではない。
【0012】
【発明が解決しようとする課題】前述したように、従来
技術は、利用者が要求している範囲を的確に消去範囲と
して表すことができず、利用者が要求している範囲のベ
クトル・データを的確に消去できるものではないという
問題点を有している。
【0013】本発明の目的は、前記従来技術の問題点を
解決し、利用者が要求している範囲にあるベクトル・デ
ータを的確に消去することのできるベクトル・データの
消去方式を提供することにある。
【0014】
【課題を解決するための手段】本発明によれば前記目的
は、入力情報をベクトル・データとして記憶、処理、表
示する情報処理機器において、消去する範囲に関する情
報を登録する手段と、消去する範囲の位置に関する情報
を記憶する手段と、消去する範囲の軌跡を算出する手段
と、消去する範囲の軌跡と入力情報を構成する任意のベ
クトル・データとの重なりを算出する手段と、ベクトル
・データから重なりを取り除く手段とを備えることによ
り達成される。
【0015】
【作用】消去する範囲の軌跡を算出し、この消去する範
囲の軌跡と入力情報を構成する任意のベクトル・データ
との重なりを算出して入力情報の消去を行っているの
で、利用者からの入力情報の消去要求に対して、利用者
の要求している範囲の入力情報を的確に消去することが
できる。
【0016】
【実施例】以下、本発明によるベクトル・データの消去
方式の一実施例を図面により詳細に説明する。
【0017】図1は本発明の一実施例のハードウエア構
成を示すブロック図、図2はデータメモリ及びテーブル
の構成を説明する図、図3は動作を説明するフローチャ
ート、図4は消去の具体的なイメージを説明する図であ
る。図1において、301はデータメモリ、302はテ
ーブル、303は要求を発行する装置、304は表示用
フレームメモリ、305は表示装置、306は中央処理
装置、308はプログラムメモリである。
【0018】本発明の一実施例は、図5に示すようなシ
ステムにおいて、システムの消去モードにおける入力情
報の消去方式に本発明を適用したものである。
【0019】図1に示す本発明の一実施例において、デ
ータメモリ301は、消去したい入力情報を含む入力情
報の内容をベクトル・データとして記憶し、また、消去
する範囲の位置に関する情報を記憶し、テーブル302
は、消去する範囲に関する情報を登録するテーブル(以
下、消去範囲情報登録テーブルという)、選択された入
力情報を識別するための情報を登録するテーブル(以
下、選択対象登録テーブルという)等である。また、要
求発行装置303は、利用者からのモードの更新要求、
情報の入力要求、入力情報の消去要求、任意の入力情報
の選択要求、消去する範囲に関する情報の更新要求、入
力情報の強さに関する情報の記憶要求、あるいは消去す
る強さに関する情報の記憶要求を発行する。
【0020】本発明の一実施例は、前述した各機能要素
と、表示用フレームメモリ304、表示装置305、中
央処理装置(以下、CPUという)306とが、バス3
07を介して接続されて構成され、CPU306が、メ
モリ、レジスタ(図示せず)間のデータの転送、入力処
理、ベクトル・データの消去処理、演算処理、表示処理
等の各種処理を司っている。
【0021】プログラムメモリ308は、CPU306
が前記各種の処理、データの転送を実行するプログラム
を格納している。また、要求発行装置303は、本発明
の実施例の場合、例えば、図5に示す電子式スタイラス
104であり、パソコン等においては、例えば、マウス
等のポインティングデバイスである。さらに、表示装置
305は、本発明の実施例の場合、図5に示すディスプ
レイ装置102であり、パソコン等においては、例え
ば、CRTディスプレイ、液晶表示装置等である。
【0022】次に、図2を参照して、図1のデータメモ
リ301及び各種テーブル302内の選択対象登録テー
ブルの構成例について説明する。
【0023】以下に説明する本発明の実施例は、手書き
入力による情報を例として説明するが、本発明は、手書
き入力による情報に限らず、図形あるいは画像等、その
データがベクトル形式である場合に、種々のメディアに
対して応用することができる。
【0024】図2に示すデータメモリ301は、図5に
より説明したような電子スタイラス104により、電子
タブレット103上に入力した手書き入力による情報の
データ構成例、及び、消去する範囲の位置に関する情報
のデータ構成例を表している。図に示すように、手書き
入力による情報は、各情報に対応してブロック分けされ
ており、CPU306にとって各ブロックの先頭アドレ
ス等は既知である。
【0025】各ブロックの情報は、利用者が任意のタイ
ミングで形成することができ、入力情報の消去を行う
際、各ブロックが持つ入力情報の範囲に関する情報を利
用することにより、消去の対象となる入力情報の検索速
度を高めることができる。
【0026】また、消去する範囲の位置に関する情報
も、CPU306にとって先頭アドレス等は既知であ
り、利用者が任意のタイミングで形成することができ
る。
【0027】なお、図2に示す選択対象登録テーブル3
02の内容は、利用者からの任意の入力情報の選択終了
後のテーブルの様子を表す。
【0028】データメモリ301内には、図2に示すよ
うに、手書きによる複数の入力情報A〜E、……が格納
されている。これらの各入力情報、例えば、入力情報A
は、一連の一筆書きで表される図形であり、外接矩形情
報401−1と、データ間の補間情報401−2と、ベ
クトル・データの数401−3と、データの位置と次の
データ位置までの入力情報の強さ、すなわち、線分の濃
さとの組を複数個持つベクトル・データ401−4とに
より構成されている。
【0029】次に、前述のように構成される本発明の一
実施例の動作を図3に示すフローを参照して説明する。
【0030】(1)まず、例えば、ゼロクリア、モード
のセット(本発明の実施例の場合、デフォルトのモード
として入力モードをセットする)、消去範囲情報登録テ
ーブルの初期化(本発明の実施例の場合、デフォルト値
として、例えば、図4に示すようなスタイラス先端の形
状である601として示すような円を消去する範囲に関
する情報として登録する)、選択対象登録テーブルの初
期化(選択対象が1つも登録されていない状態にする)
等の初期化を行う(ステップ501)。
【0031】(2)次に、データメモリ301の入力情
報の内容を表示する。すなわち、CPU306は、デー
タメモリ301を各入力情報に対応する先頭アドレスか
ら順にアクセスし、情報の内容である補間情報401−
2(曲線補間、線形補間の種類に関する情報)、1つの
入力情報のブロックを構成するベクトル・データの数4
01−3、ベクトル・データ401−4、すなわち、
{(X1、Y1)、入力情報の強さに関する情報1}、
{(X2、Y2)、入力情報の強さに関する情報}、…
…、{(Xn−1、Yn−1)、入力情報の強さに関す
る情報n−1}、{(Xn、Yn)}(但し、入力情報
が点である場合、{(X1、Y1)、入力情報の強さに
関する情報1})を読み出し、これらのデータに基づい
て、表示用フレームメモリ304内にラスタ描画展開を
行い、これを表示装置305に表示する。
【0032】なお、前述において、入力情報の強さに関
する情報とは、入力情報を構成するベクトル・データを
表示する際の濃度であり、例えば、入力情報の強さに関
する情報n−1は、ベクトル・データ{(Xn−1、Y
n−1)、(Xn、Yn)}を表示する際の濃度とな
る。また、外接矩形401−1は、該当ブロックのメモ
リデータの内容の範囲に関する情報であり、例えば、各
ブロックの外接矩形の画面内の位置に関する情報であ
る。本発明の実施例においても、この情報を外接矩形の
画面内の位置に関する情報とする。
【0033】そして、座標系は、画面左上隅を原点に取
り右方向をX軸、下方向をY軸に取るものとする。外接
矩形の位置は、例えば、左上隅の座標(Xmin、Ymin)
及び右下隅の座標(Xmax、Ymax)である。また、線形
補間の場合、Xmin、Ymaxは、それぞれX1、X2、…
…、Xnの最小値と最大値、Ymin、Ymaxは、Y1、Y
2、……、Ynの最小値と最大値となる。(ステップ5
02)。
【0034】(3)次に、利用者からのモードの更新要
求、情報の入力要求、入力情報の消去要求、入力情報の
選択要求、選択対象の解除要求等の各種要求の有無を検
出する(ステップ503)。
【0035】(4)ステップ503で要求検出される
と、その要求の内容を判定する。この判定の方法は、マ
ルチクリック、メニュー選択、専用スイッチ、ボタンの
押下等種々の方法が可能である。本発明の実施例では、
情報の入力要求及び入力情報の消去要求の判定を行う場
合、モードを参照することが必要であるということは言
うまでもない。前記メニュー選択の方法においては、画
面内をメニュー領域と情報表示領域とに分け、このいづ
れかを判定できるようにする(ステップ504)。
【0036】(5)ステップ504の判定結果がモード
の更新要求の場合、モードの更新を実行する。本発明の
実施例では、モードには「入力モード」及び「消去モー
ド」の2種類のモードがあるものとする。これらのモー
ドの判定においても、マルチクリック、メニュー選択、
専用スイッチ、ボタンの押下等種々の方法を使用するこ
とができる(ステップ505)。
【0037】(6)ステップ504の判定結果が情報の
入力要求の場合、データメモリ301に入力情報を記憶
すると共に、入力情報の範囲に関する情報の記憶及び入
力情報の強さに関する情報の記憶を同時に行う。
【0038】すなわち、コンピュータ101は、具体的
には電子式スタイラス104の持つ任意形式のスイッチ
のOFFからONへの変化を情報の入力要求の開始、ス
イッチのONからOFFへの変化を情報の入力要求の終
了とみなし、スイッチがONの状態の間に電子式タブレ
ット103からコンピュータ101に周期的に送られて
くる電子式スタイラス104の絶対的な場所(本発明の
実施例では座標データとする)によって入力情報を構成
するベクトル・データを形成してデータメモリ301に
記憶する。
【0039】コンピュータ101は、同時に、新たな座
標データが送られてくる度に入力情報の範囲に関する情
報を更新し、また、入力情報の強さに関する情報、つま
り入力情報を表示する際の濃度の情報を記憶する。濃度
の情報は、例えば、電子式スタイラス104を感圧式の
電子式スタイラスとした場合、入力情報を構成する任意
のベクトル・データの始点となる座標データを電子式タ
ブレット103から得た時点に、スタイラス104から
得られる筆圧を基にベクトル・データの入力情報の強さ
に関する情報を決定することにより得ることができる。
【0040】本発明の実施例では、入力情報の強さに関
する情報と電子式スタイラスから得られる筆圧との関係
を表1に示すように定めることとする。すなわち、電子
式スタイラス104から得られる筆圧の最小値Pmin
最大値Pmaxとの間を複数個に分割し、それらに対応し
て1、2、3、……等の入力情報の強さに関する情報を
付与するものとする(ステップ506)。
【0041】
【表1】
【0042】(7)ステップ504の判定結果が入力情
報の消去要求の場合、データメモリ301内の該当する
入力情報を消去する処理を実行する。
【0043】すなわち、コンピュータ101は、電子式
スタイラス104の持つ任意のスイッチのOFFからO
Nへの変化を入力情報の消去要求の開始、スイッチのO
NからOFFへの変化を該入力情報の消去要求の終了と
みなし、スイッチがONの状態の間に電子式タブレット
103からコンピュータ101に周期的に送られてくる
電子式スタイラス104の絶対的な場所(本発明の実施
例では座標データとする)を基に、消去する範囲を移動
させ、消去する範囲の位置に関する情報(本発明の実施
例では座標データとする)を記憶する。
【0044】記憶される消去範囲は、本発明の実施例の
場合、図2にベクトル・データ401−5として示すよ
うに、補間情報と消去する強さの情報を持つ位置データ
との複数の組によるベクトル・データとして記憶され
る。
【0045】そして、コンピュータ101は、該消去す
る範囲の軌跡を算出し、この消去する範囲の軌跡と入力
情報の範囲に関する情報とをマッチングさせ、消去する
範囲の軌跡との重なりを有する入力情報を構成する任意
のベクトル・データとの重なりを算出し、該ベクトル・
データから該重なりを取り除き、該当する入力情報の範
囲に関する情報、該当する入力情報の補間情報、及び、
該当する入力情報のベクトル・データの数を更新して記
憶させる。
【0046】この処理において、消去する強さが入力情
報の強さよりも小さい場合、前述した重なりのあった入
力情報の強さを消去する強さとの差に更新した新たなベ
クトル・データが記憶される。また、入力情報を構成す
る全てのベクトル・データが取り除かれた場合、該当す
る入力情報のブロックが削除される。
【0047】前述した消去する範囲の軌跡を算出する処
理において、補間処理を施す場合、消去する範囲の位置
に関する情報と補間情報(曲線補間や線形補間の種類に
関する情報)とによって消去する範囲の軌跡が算出され
る。
【0048】また、消去する強さに関する情報は、電子
式スタイラス104を感圧式の電子式スタイラスとした
場合、消去する範囲の位置に関する情報を構成する任意
のベクトル・データの始点となる座標データを電子式タ
ブレット103から得た時点に、スタイラスから得られ
る筆圧を基にベクトル・データを消去する強さに関する
情報を決定することにより得ることができる。
【0049】本発明の実施例では、消去する強さに関す
る情報と電子式スタイラスから得られる筆圧との関係を
表2に示すように定めることとする。すなわち、電子式
スタイラス104から得られる筆圧の最小値Pminと最
大値Pmaxとの間を複数個に分割し、それらに対応して
1、2、3、……等の消去する強さに関する情報を付与
するものとする。
【0050】
【表2】
【0051】但し、前述した入力情報に対する消去処理
において、選択対象登録テーブル302に1つも選択対
象が登録されていない場合、全ての入力情報に対して、
前述したマッチング以下の処理を行い、何らかの選択対
象が登録されている場合、例えば、テーブルが図2に示
す選択対象登録テーブル302のような状態にある場
合、アドレスc、アドレスa、アドレスe、アドレス
b、及び、アドレスdにより示される入力情報に対して
前述したマッチング以下の処理を行う(ステップ50
7)。
【0052】(8)ステップ504の判定結果が入力情
報の選択要求の場合、指定された対象を選択対象登録テ
ーブルに登録する処理を実行する。対象の指定は、デー
タメモリ301内の該当ブロックの範囲に関する情報で
ある外接矩形の情報401−1を参照して、入力情報の
選択要求の位置がいづれかの外接矩形に含まれるか否か
という領域判定により行うことが可能である。利用者
は、対象が一部だけ見えている場合、見えている部分を
指定し、全く見えていない場合、スクロール、頁めくり
等により前述した選択を行うことが可能である。
【0053】そして、要求位置がいづれの外接矩形にも
含まれない場合、該当なしとみなしてステップ503に
戻って再び要求待ちの状態になる。
【0054】選択対象登録テーブル302に選択された
入力情報を識別するための情報を登録する方法は、例え
ば、データメモリ301内の、選択された入力情報に対
応するブロックの先頭アドレスを順に登録することによ
り行われる。
【0055】選択対象登録テーブル302に登録された
情報は、前述したステップ504の処理で、選択対象の
解除要求ありと判定されるまで解除されない。但し、選
択対象登録テーブルに登録された情報(本発明の実施例
の場合、データメモリ301内の選択された入力情報に
対応するブロックの先頭アドレス)のうち、その情報に
よって示されるブロックの入力情報が、ステップ507
の処理により全て消去された情報については、選択対象
の解除要求を待たずに選択対象登録テーブルから削除さ
れる。これらの処理の実行後、ステップ503へ戻って
再び要求待ちの状態になる(ステップ508)。
【0056】(9)ステップ504の判定結果が選択対
象の解除要求の場合、選択対象登録テーブル302を初
期化する処理を行う。すなわち、ステップ501におけ
る選択対象登録テーブルの初期化の処理の場合と同様
に、テーブル302に選択対象が1つも登録されていな
い状態にする(ステップ508)。
【0057】(10)ステップ504の判定結果が消去す
る範囲に関する情報の更新要求の場合、消去範囲情報登
録テーブルの内容を更新する処理を行う。この処理は、
例えば、数種類の消去する範囲に関する情報を用意して
おき、利用者がマルチクリック、メニュー選択、専用ス
イッチ、ボタンの押下等の種々の方法によりこれらの中
から選択することにより行うことができる(ステップ5
10)。
【0058】次に、前述したステップ507における入
力情報の消去動作について、図4を参照して具体的に説
明する。
【0059】以下に説明する例では、消去する範囲が6
01に示すような電子式スタイラスの先端の形状を示す
円であり、消去範囲情報登録テーブルに、本発明の実施
例の座標系における前記円の半径の長さが登録されてい
る。
【0060】そして、図4には、電子式スタイラス10
4に設けられている任意の形式のスイッチがONの状態
の間に、電子式タブレット103から送られてくる座
標、すなわち、消去する範囲の位置に関する情報のうち
の隣合う2つの座標が602及び603として示されて
いる。いま、送られてくるこれらの座標の順番が60
2、603の順番であるとすると、消去する範囲は、円
601を座標602から603へ移動したときの軌跡6
04に示すような範囲となる。消去する軌跡604の範
囲と、図には直線で例示している任意のベクトル・デー
タとの重なり方は、図に示すように様々なパターンがあ
る。
【0061】重なり方のパターンによっては、重なりを
取り除く処理を行うにあたって、消去する範囲の軌跡と
任意のベクトル・データとの交点を求めなければならな
いが、この交点は、消去範囲情報登録テーブルに登録さ
れている消去する範囲に関する情報(本発明の実施例で
は円の半径の長さ)、消去する範囲の位置に関する情報
(本発明の実施例では座標データ)、及び、任意のベク
トル・データの持つ始点及び終点の座標データによって
求めることができる。ただし、任意のベクトル・データ
が点である場合、この点であるベクトル・データが軌跡
内にあるか否かさえ判かればよいので交点を求める必要
はない。
【0062】以下、図4に例示した各重なりのパターン
において、消去する範囲の軌跡と任意のベクトル・デー
タとの重なりを算出し、ベクトル・データから重なりを
取り除く処理について説明する。
【0063】まず、消去する強さが任意のベクトル・デ
ータの入力情報の強さより小さい場合の処理について説
明する。
【0064】ベクトル・データ605−607に対する
処理は、このベクトル・データと消去する範囲の軌跡と
の交点の座標606を求め、新たなベクトル・データ6
05−606及びベクトル・データ606−607を作
成し、ベクトル・データ605−606の入力情報の強
さを元のベクトル・データ605−607の入力情報の
強さと等しくし、ベクトル・データ606−607の入
力情報の強さを元のベクトル・データ605−607の
入力情報の強さと消去する強さの差に等しくして、これ
らを記憶することにより行われる。
【0065】ベクトル・データ608−610に対する
処理は、前述と同様に、このベクトル・データと消去す
る範囲の軌跡との交点の座標609を求め、新たなベク
トル・データ609−610及びベクトル・データ60
8−609を作成し、ベクトル・データ609−610
の入力情報の強さを元のベクトル・データ608−61
0の入力情報の強さと等しくし、ベクトル・データ60
8−609の入力情報の強さを元のベクトル・データ6
08−6010の入力情報の強さと消去する強さの差に
等しくして、これらを記憶することにより行われる。
【0066】ベクトル・データ611−614に対する
処理は、このベクトル・データと消去する範囲の軌跡と
の交点の座標612、613を求め、新たなベクトル・
データ611−612、ベクトル・データ612−61
3及びベクトル・データ613−614を作成し、ベク
トル・データ611−612及び613−614の入力
情報の強さを元のベクトル・データ611−614の入
力情報の強さと等しくし、ベクトル・データ612−6
13の入力情報の強さを元のベクトル・データ611−
614の入力情報の強さと消去する強さとの差に等しく
して、これらを記憶することにより行われる。
【0067】ベクトル・データ615−616に対する
処理は、このベクトル・データが全て消去範囲に含まれ
るものであるため、入力情報の強さを元のベクトル・デ
ータ615−616の入力情報の強さと消去する強さの
差に等しくして、これを記憶することにより行われる。
【0068】点であるベクトル・データ617に対する
処理も、前述と同様に、入力情報の強さを元のベクトル
・データ617の入力情報の強さと消去する強さの差に
等しくすることにより行うことができる。
【0069】前述した各処理において、処理を行った各
ベクトル・データを含む入力情報におけるベクトル・デ
ータの数が更新される。
【0070】次に、消去する強さが任意のベクトル・デ
ータの入力情報の強さより大きい場合の処理について説
明する。
【0071】ベクトル・データ605−607に対する
処理は、このベクトル・データがこのベクトル・データ
を含む入力情報の最後のベクトル・データでない場合、
前述と同様に座標606を求め、座標607以降のベク
トル・データをこの入力情報とは別の入力情報として記
憶し、この入力情報及び別の入力情報の入力情報の範囲
に関する情報とベクトル・データの数をそれぞれ更新し
て記憶し、別の入力情報の補間情報として入力情報のそ
れと同じものを記憶することにより、また、このベクト
ル・データが最後である場合、座標607を座標606
に置き換え、入力情報の範囲に関する情報を更新するこ
とにより行われる。
【0072】ベクトル・データ608−610に対する
処理は、このベクトル・データがこのベクトル・データ
を含む入力情報の最初のベクトル・データでない場合、
前述と同様に座標609を求め、座標609以降のベク
トル・データをこの入力情報とは別の入力情報として記
憶し、この入力情報及び別の入力情報の入力情報の範囲
に関する情報とベクトル・データの数をそれぞれ更新し
て記憶し、別の入力情報の補間情報として入力情報のそ
れと同じものを記憶することにより、また、このベクト
ル・データが最初である場合、座標608を座標609
に置き換え、入力情報の範囲に関する情報を更新するこ
とにより行われる。
【0073】ベクトル・データ611−614に対する
処理は、座標612、613を求め、ベクトル・データ
611−612、612−613、613−614を作
成し、ベクトル・データ613−614以降の入力情報
をベクトル・データ611−612を含む入力情報とは
別の入力情報として記憶し、ベクトル・データ612−
613を削除して、入力情報および別の入力情報の入力
情報の範囲に関する情報とベクトル・データの数をそれ
ぞれ更新して記憶し、別の入力情報の補間情報を入力情
報のそれと同じものとして記憶することにより行われ
る。
【0074】ベクトル・データ615−616に対する
処理は、このベクトル・データがこのベクトル・データ
を含む入力情報の最初のベクトル・データでも最後のベ
クトル・データでもない場合、座標616以降のベクト
ル・データをこの入力情報とは別の入力情報として記憶
し、この入力情報及び別の入力情報の入力情報の範囲に
関する情報とベクトル・データの数をそれぞれ更新して
記憶し、別の入力情報の補間情報としてこの入力情報の
それと同じものを記憶することにより行われる。
【0075】また、この処理は、さらに、ベクトル・デ
ータ615−616がこのベクトル・データを含む入力
情報の最初のベクトル・データであり、最後のベクトル
・データでない場合、座標615を削除し、座標616
以降の入力情報に対しては、ベクトル・データ608−
610と同様の処理となる。また、ベクトル・データ6
15−616がこのベクトル・データを含む入力情報の
最初のベクトル・データではく、最後のベクトル・デー
タである場合、座標616を削除し、座標615以前の
入力情報に対しては、ベクトル・データ605−607
と同様の処理が行われる。
【0076】ベクトル・データ617に対する処理は、
このベクトル・データを削除する処理となる。
【0077】前述した本発明の実施例は、消去する範囲
を連続的に移動する手段を使用して、消去する範囲の軌
跡を算出するとして説明したが、本発明は、消去する範
囲を連続して移動させなくても、例えば、開始点と終了
点との座標から消去する範囲の座標を算出するようにす
ることができる。
【0078】また、前述した本発明の実施例は、消去す
る範囲に関する情報がスタイラスの先端の形状を示す円
の情報であるとしたが、この消去する範囲に関する情報
は、例えば、矩形等の情報であってもよい。
【0079】
【発明の効果】以上説明したように本発明によれば、利
用者の要求している消去範囲の入力情報を的確に消去す
ることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施例のハードウエア構成を示すブ
ロック図である。
【図2】選択対象登録テーブルの構成を説明する図であ
る。
【図3】動作を説明するフローチャートである。
【図4】消去の具体的なイメージを説明する図である。
【図5】従来技術によるベクトル・データの消去を行う
ためのワークステーション装置の構成例を示す図であ
る。
【図6】従来技術による消去の状況を説明する図であ
る。
【符号の説明】
101 コンピュータ 102 ディスプレイ装置 103 タブレット 104 スタイラス 301 データメモリ 302 テーブル 303 要求を発行する装置 304 表示用フレームメモリ 305 表示装置 306 中央処理装置 308 プログラムメモリ

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 入力情報をベクトル・データとして記
    憶、処理、表示する情報処理装置において、消去する範
    囲に関する情報を登録する手段と、消去する範囲の位置
    に関する情報を記憶する手段と、消去する範囲の軌跡を
    算出する手段と、消去する範囲の軌跡と入力情報を構成
    する任意のベクトル・データとの重なりを算出する手段
    と、該ベクトル・データから該重なりを取り除く手段と
    を備えることを特徴とするベクトル・データ消去方式。
  2. 【請求項2】 前記入力情報は、各入力情報を構成する
    ベクトル・データによって表される入力情報の範囲に関
    する情報を併せて有し、入力情報の消去は、前記入力情
    報の範囲に関する情報と消去する範囲の軌跡とをマッチ
    ングさせることにより行われることを特徴とする請求項
    1記載のベクトル・データ消去方式。
  3. 【請求項3】 前記入力情報は、各入力情報を構成する
    ベクトル・データ毎に入力情報の強さに関する情報を併
    せて有し、前記消去する範囲の位置に関する情報は、消
    去する強さに関する情報を併せて有し、入力情報の消去
    は、入力情報の強さに関する情報と消去する強さに関す
    る情報によって、入力情報の強さに関する情報を更新す
    ることにより行われることを特徴とする請求項1または
    2記載のベクトル・データ消去方式。
  4. 【請求項4】 前記消去する範囲の位置に関する情報
    は、消去する範囲の位置に関する情報の補間情報を併せ
    て有し、消去する範囲の位置に関する情報と該補間情報
    とを用いて消去する範囲の軌跡を算出することを特徴と
    する請求項1、2または3記載のベクトル・データ消去
    方式。
  5. 【請求項5】 任意の入力情報を選択して登録する手段
    と、該手段により登録された入力情報のみを消去の対象
    とする手段とをさらに備えることを特徴とする請求項1
    ないし4のうち1記載のベクトル・データ消去方式。
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