JPH05273843A - 接触帯電部材 - Google Patents

接触帯電部材

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JPH05273843A
JPH05273843A JP10160392A JP10160392A JPH05273843A JP H05273843 A JPH05273843 A JP H05273843A JP 10160392 A JP10160392 A JP 10160392A JP 10160392 A JP10160392 A JP 10160392A JP H05273843 A JPH05273843 A JP H05273843A
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voltage
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charged
contact charging
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JP10160392A
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English (en)
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Masato Yoshioka
真人 吉岡
Naoki Fuei
直喜 笛井
Fumihiro Arataira
文弘 荒平
Takayo Itou
尚代 伊藤
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Original Assignee
Canon Inc
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Publication date
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 被帯電体面に当接させ、かつ電圧を印加して
被帯電体面の帯電を行なう接触帯電部材として、高耐久
においても汚損及び汚損による帯電不良の発生を生じ難
い、帯電部材・被帯電体の摩耗・損傷が少ない、空間放
電がなされる空隙部を増大で帯電の安定性を確保・維持
できる、AC印加方式の場合でも発生帯電音が静かであ
る等の特長を有する、長期にわたって安定な帯電特性を
持つ接触帯電部材を提供すること。 【構成】 被帯電体1面に当接させ、かつ電圧を印加し
て被帯電体1面の帯電を行なう接触帯電部材2であり、
該接触帯電部材2は、被帯電体1の駆動に従動しない非
回転体であり、被帯電体1との当接面側から順に、表面
層2a、中抵抗層2b、電極層2c、弾性層2dを有
し、少なくとも被帯電体1と当接する部分は前記中抵抗
層2b上に前記表面層2aが設けられていること。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、接触式帯電装置におけ
る接触帯電部材、即ち被帯電体面に当接させ、かつ電圧
を印加して被帯電体面の帯電(除電も含む)を行なう接
触帯電部材に関する。
【0002】
【従来の技術】例えば、電子写真装置(複写機・プリン
ター等)・静電記録装置等の画像形成装置において、被
帯電体としての電子写真感光体・静電記録誘電体等の像
担持体の帯電処理手段としては従来より非接触帯電方式
であるコロナ放電器が主として用いられてきた。
【0003】コロナ放電器は均一帯電性に優れる等の利
点があるが、高価な高圧電源を必要とする、それ自体や
高圧電源のシールド空間等のスペースを必要とする、オ
ゾン等のコロナ生成物の発生が比較的多くその対処のた
めの付加手段・機構を必要とし、それ等が装置を大型化
・高コスト化等する因子となっている等の問題点を有し
ている。
【0004】そこで近時はコロナ放電器の代わりに、接
触帯電方式の帯電手段の採用が進められている。接触帯
電は電圧を印加した帯電部材を被帯電体に接触させるこ
とで被帯電体面を所定の極性・電位に帯電させるもの
で、電源の低圧化ができる、オゾン等のコロナ生成物の
発生が少ない、構造が簡単で低コスト化が図れる等の利
点がある。
【0005】接触式帯電装置は被帯電体に接触させる帯
電部材の形状・形態から分けて、帯電部材をローラー状
部材(帯電ローラー)としたローラー型帯電器(特開昭
63−7380号・同63−167380号・同56−
91253号公報等)、ブレード状部材(帯電ブレー
ド)としたブレード型帯電器(特開昭64−24264
号・同56−194349号・特開平1−93760号
公報等)、ブラシ状部材(帯電ブラシ)としたブラシ型
帯電器(特開昭64−24264号公報等)などがあ
る。
【0006】図6の(A)にローラー型帯電器の概略構
成を示した。1は被帯電体であり、例えば、電子写真装
置の回転ドラム型の感光体である。該感光体は矢示の時
計方向に回転駆動される。
【0007】20は帯電ローラーであり、ローラー両端
部を回転自由に軸受けさせて被帯電体1に略並行に配列
して被帯電体面に対して所定に押圧接触させてあり、被
帯電体1の回転駆動に伴い従動回転する。この帯電ロー
ラー20に対して電源3から所定の帯電バイアスが印加
されることで被帯電体1の周面が所定の極性・電位に接
触帯電処理される。
【0008】図6の(B)にブレード型帯電器の概略構
成を示した。21は帯電ブレードであり、本例のものは
中抵抗値を有する板状(ブレード状)の弾性体21cの
一方面側に電極層21bを配置し、他面側に表面層21
aを設けてあり、この帯電ブレード21をその弾性に抗
して撓ませて該ブレードの表面層形成側の先端部をブレ
ードの撓み反力で被帯電体面に当接させてある。22は
ブレード21の基部側を固定支持させた支持部材であ
る。この帯電ブレード21に対して電源3から所定の帯
電バイアスが印加されることで被帯電体1の周面が所定
の極性・電位に接触帯電処理される。
【0009】帯電部材20又は21に印加する電圧は、
直流電圧のみを印加する方式(DC印加方式)でもよい
が、本出願人が先に提案(特開昭63−149669号
公報等)したように、直流電圧を接触帯電部材に印加し
た時の被帯電体の帯電開始電圧の2倍以上のピーク間電
圧(PEAK TO PEAK)を有する振動電界(交互電界・交流
電界・即ち、時間と共に電圧値が周期的に変化する電界
または電圧)を接触帯電部材と被帯電体との間に形成し
て被帯電体面を帯電処理する手法(AC印加方式)は、
均一な帯電処理をすることが可能であり、有効である。
【0010】振動電界(電圧)は振動電圧成分(AC成
分)、もしくはAC成分と直流成分(目標帯電電位に相
当する電圧、DC成分)の重畳電界または電圧であり、
AC成分の波形としては正弦波・矩形波・三角波など適
宜である。直流電源を周期的にオン・オフすることによ
って形成された矩形波電圧であっても良い。
【0011】
【発明が解決しようとする課題】ところで接触式帯電に
ついては次のような事項が改善点として挙げられる。
【0012】(1)帯電部材の汚損 接触帯電では帯電部材を被帯電体に接触させるので帯電
部材が被帯電体面から汚れをひろって或は異物の巻き込
みなどにより汚損されていき帯電不良を発生しやすい。
【0013】ローラー型帯電器は帯電ローラー20と被
帯電体1の間に異物を巻き込むことにより、帯電ローラ
ー20が汚損され帯電不良を発生しやすい。
【0014】ブレード型帯電器は帯電領域が狭いため、
異物の巻き込みの影響を受けやすく、更に被帯電体1を
も汚損しやすい。
【0015】ブラシ型帯電器は均一な帯電を実現し、か
つ被帯電体面の欠陥等に対し帯電ブラシが損耗を起こさ
ない等の利点を有している。しかしながら、帯電ブラシ
の当接圧が低い場合には、帯電領域内に異物等が入り込
み、その箇所においてブラシ構成線材が一定の方向に揃
うため帯電不良を起こしやすく、又当接圧が高い場合は
被帯電体を損傷しやすいほか、被帯電体との接触によ
り、ブラシ構成線材が担持体から脱落しやすい。
【0016】(2)帯電部材・被帯電体の摩耗・損傷 帯電ローラー20或は帯電ブレード21と被帯電体1と
の当接部(ニップ部)Nの全域が全て両者の接触面であ
ることから、耐久的に帯電部材20又は21、被帯電体
1の摩耗・損傷が進行しやすく寿命上の問題がある。
【0017】(3)帯電の不安定性 接触帯電の帯電のメカニズムは帯電部材20又は21と
被帯電体1との当接部N近傍の空隙部での空間放電gに
より被帯電体の帯電がなされ、当接部Nでは帯電は行な
われていないことが報告されている(例えば、電子写真
学会誌、第29巻、第4号、P.410(199
0))。
【0018】前述図6の(A)のローラー型帯電器では
帯電ローラー20と被帯電体1との当接部Nを中にして
被帯電体1の回転方向上流側と下流側の空隙部の2ケ所
だけでの空間放電g・gにより帯電が行なわれており、
当接部Nでは帯電は行なわれていない。
【0019】つまり、帯電は非常に狭い範囲で行なわれ
ているため帯電の安定性という点からは不利である。例
えば、帯電が不安定なため帯電不良(帯電不均一)によ
り被帯電体表面の1周目の電位が所定の電位に達せず、
被帯電体が画像形成装置の像担持体であれば像担持体1
周目に対応した、いわゆる「かぶり」が生じるおそれが
ある。
【0020】またAC印加方式の接触帯電において被帯
電体の帯電を均す効果は帯電部材と被帯電体との離間部
(空隙部)の面積、部分が多いほどその効果が大きいと
いうことが確認されており、この帯電均し効果という点
からも空間放電g・gの生じる空隙部が上記の2ケ所だ
けであることは不利である。
【0021】帯電ブレード21の場合は空間放電gによ
る帯電が行なわれる空隙部は1ケ所しかなく帯電領域が
更に狭いため、均一に帯電を行なうことが難しく帯電不
良を起こしやすい。
【0022】また帯電領域を均一に保つためには帯電ブ
レード21の被帯電体1に対する当接精度高める必要が
ある、その当接精度は帯電ブレード21と被帯電体1と
の間の異物の巻き込みの影響を受けやすく、均一な帯電
性を安定に維持させることが難しい。
【0023】(4)帯電音 接触帯電部材20又は21に振動電圧を印加して被帯電
体1を帯電処理するAC印加方式の場合は、印加電圧の
AC電圧成分のために帯電部材20又はに機械的振動を
生じて「帯電音」と呼ばれる振動音が発生する。
【0024】この帯電音は帯電部材20又は21と被帯
電体1との当接部Nの全域が両者の接触面であることか
ら、かなり大きく発生し不快感を与える。
【0025】そこで本発明の目的は上記のような問題点
を解決することにある。
【0026】即ち、高耐久においても汚損及び汚損によ
る帯電不良の発生を生じ難い接触帯電部材を提供するこ
とにある。
【0027】高耐久においても帯電部材・被帯電体の摩
耗・損傷が少なく、長寿命の接触帯電部材を提供するこ
とにある。
【0028】空間放電がなされる空隙部を増大させて帯
電の安定性を確保・維持できる接触帯電部材を提供する
ことにある。
【0029】AC印加方式の場合でも発生帯電音が静か
である接触帯電部材を提供することにある。
【0030】総括的には、長期にわたって安定な帯電特
性を持つ接触帯電部材を提供することにある。
【0031】
【課題を解決するための手段】本発明は下記の構成を特
徴とする接触帯電部材を要旨とする。 (1)被帯電体面に当接させ、かつ電圧を印加して被帯
電体面の帯電を行なう接触帯電部材であり、該接触帯電
部材は、被帯電体の駆動に従動しない非回転体であり、
被帯電体との当接面側から順に、表面層、中抵抗層、電
極層、弾性層を有し、少なくとも被帯電体と当接する部
分は前記中抵抗層上に前記表面層が設けられていること
を特徴とする接触帯電部材。
【0032】(2)表面層の硬さが、鉛筆引っかき値
(JIS K5400)で2B以上、2H以下の硬さで
あることを特徴とする(1)に記載の接触帯電部材。
【0033】(3)電極層に対する印加電圧が、振動電
圧であることを特徴とする(1)に記載の接触帯電部
材。
【0034】(4)振動電圧が、交流電圧と直流電圧の
重畳電圧であることを特徴とする(1)に記載の接触帯
電部材。
【0035】(5)振動電圧が、被帯電体に接触させた
接触帯電部材に直流電圧を印加したときの被帯電体の帯
電開始電圧の2倍以上のピーク間電圧を有する交流電圧
と、直流電圧の重畳電圧であることを特徴とする(3)
に記載の接触帯電部材。
【0036】(6)被帯電体が電子写真装置・静電記録
装置等の画像形成装置の電子写真感光体・静電記録誘電
体等の像担持体であることを特徴とする(1)に記載の
接触帯電部材。
【0037】(7)回転駆動される被帯電体面に当接さ
せ、かつ電圧を印加して被帯電体面の帯電を行なう接触
帯電部材であり、該接触帯電部材は、被帯電体面におけ
る断面形状が被帯電体に沿って湾曲した、被帯電体の駆
動に従動しない非回転体で、被帯電体との当接面側から
順に、表面層、電極層、電極支持層を有し、被帯電体回
転面における被帯電体との接触面が固定化されており、
表面層の被帯電体との接触面に10〜500μmの連続
した凹凸形状を有しており、被帯電体の回転方向の接線
方向と略平行に固定化支持されていることを特徴とする
接触帯電部材。
【0038】(8)接触帯電部材と被帯電体との接触面
積が、接触帯電部材と被帯電体とのニップ部の総面積よ
りも狭く、被帯電体上の任意の点が接触帯電部材と被帯
電体とのニップ部内を通過する際に2回以上接触帯電部
材の表面層部分と接触することを特徴とする(7)に記
載の接触帯電部材。
【0039】(9)表面層の抵抗値が、1×107 Ω・
cm〜1×109 Ω・cmの範囲であることを特徴とす
る(7)に記載の接触帯電部材。
【0040】(10)電極層に対する印加電圧が、振動
電圧であることを特徴とする(7)に記載の接触帯電部
材。
【0041】(11)振動電圧が、交流電圧と直流電圧
の重畳電圧であることを特徴とする(10)に記載の接
触帯電部材。
【0042】(12)振動電圧が、被帯電体に接触させ
た接触帯電部材に直流電圧を印加したときの被帯電体の
帯電開始電圧の2倍以上のピーク間電圧を有する交流電
圧と、直流電圧の重畳電圧であることを特徴とする(1
0)に記載の接触帯電部材。
【0043】(13)被帯電体が、電子写真装置・静電
記録装置等の画像形成装置における電子写真感光体・静
電記録誘電体等の回転像担持体であることを特徴とする
(7)に記載の接触帯電部材。
【0044】
【作用】 .上記のような構成の帯電部材を被帯電体の回転方向
の接線方向と略平行に固定化支持して被帯電体に圧接さ
せて配設することで、帯電領域を容易に広く保つことが
でき、そのために安定した帯電特性を保つことができ
る。また帯電領域を均一に保つための当接精度を高める
必要がなくなる。
【0045】.表面層の硬度を鉛筆引っかき値2B以
上、2H以下にすることで、該表面層自体及び被帯電体
の耐久摩耗・損傷を低減化することができる。
【0046】.表面層を凸形状もしくは凹凸形状とす
ることで、帯電部材と被帯電体の当接部(ニップ部)に
おいて凸部と凸部の間又は凹部に対応する部分が被帯電
体に対して非接触の空隙部となり、ニップ部における帯
電部材と被帯電体との実際の接触面積が帯電部材と被帯
電体とのニップ部の総面積よりも狭くなり、上記の作
用と相まって被帯電体の耐久摩耗・損傷が低減化され、
また帯電部材の耐久汚損も低減化される。
【0047】.またニップ部内の上記空隙部でも空間
放電が生じて帯電領域が広がり、帯電の安定性が向上す
る。
【0048】.ニップ部内にも空隙部(離間部)が存
在して、離間部が増加することで、AC印加方式に於け
るAC電圧成分による帯電均し効果が大きくなる。
【0049】.前記のように帯電部材の被帯電体に
対する実際の接触面積が小さくなるので、AC印加方式
の場合における発生帯電音も低減化される。
【0050】
【実施例】
〈実施例A〉(図1〜図3) (1)接触帯電部材の構成 図1は本実施例の接触帯電部材の層構成模型図である。
なお、この図は層構成を説明するための誇張模型図であ
り、構成層相互の厚さや寸法の比率関係等は正確ではな
い。
【0051】1は被帯電体であり、本実施例では電子写
真装置における回転ドラム型感光体とする。該感光体1
は矢示の時計方向に所定の周速度(プロセススピード)
をもって回転駆動される。1bはアルミニウム等の導電
性ドラム基体、1aはこのドラム基体の外周面に形成し
た感光層である。
【0052】2は接触帯電部材であり、不動の支持部材
4に感光体1の回転方向の接線方向と略平行に固定支持
させ、該支持部材4と感光体1との間に感光体1に所定
の押圧力で当接させて配設してある。
【0053】この接触帯電部材2は、感光体1側から支
持部材4側に向かって順に、表面層2a、中抵抗層2
b、電極層2c、弾性層2dの積層体であり、感光体面
における断面形状(感光体回転面における断面形状)が
非回転体(非従動)である。
【0054】接触帯電部材2の電極層2cに対して電源
3よりDC印加方式或はAC印加方式で所定の帯電バイ
アスが印加されることにより、回転感光体1の周面が接
触帯電にて所定の極性・電位に帯電処理される。
【0055】帯電部材2を感光体1の回転方向の接線方
向と略平行に固定化支持して感光体1に圧接させること
で、帯電領域(ニップ部N)を容易に広く保つことがで
き、そのために安定した帯電特性を保つことができる。
さらに帯電領域を均一に保つための当接精度を高める必
要がなくなる。
【0056】a.表面層2a 表面層2aは高耐久においても該表面層自体及び感光体
1の摩耗・損傷が少ないように、適度な硬度を持つもの
とする。
【0057】具体的にその硬度としては鉛筆引っかき値
(JIS K5400)に規定される硬度にて、2B以
上、2H以下の範囲とするのがよい。2B以下である
と、表面層自体が摩耗・損傷しやすく帯電特性が変化す
るので好ましくない。また2H以上であると、表面層自
体がひび割れしやすいうえ、感光体1を摩耗・損傷しや
すいので好ましくない。
【0058】表面層2aの材料としては上述の鉛筆硬度
の点から適切な硬度に調整できるものが好ましく、例え
ば、ポリウレタン、シリコン、ポリエステルなどの合成
樹脂が挙げられる。また中抵抗層2bとの接着性を勘案
して中抵抗層2bと同種の樹脂が好ましい。
【0059】表面層2aは中抵抗層2b上に連続した凸
形状に設けられている。この凸形状のパターンは、図2
の(A)や(C)に示すように当接する感光体1の回転
軸と平行な細線パターン、(B)や(D)に示すような
斜め線パターンとすることができる。表面層2aの形成
位置は、図2の(A)や(B)のように中抵抗層の全面
でも構わないし、(C)や(D)のように接触帯電部材
2と感光体1との当接部(ニップ部)Nに対応する部分
のみとしてもよい。
【0060】表面層2aを凸形状にすることにより帯電
部材2と感光体1とのニップ部N内において凸部と凸部
の間に対応する部分が感光体1に対して非接触の空隙部
となり、ニップ部Nにおける帯電部材2と感光体1との
接触面積が帯電部材2と感光体1とのニップ部Nの総面
積よりも狭くなり感光体1が削れにくい。
【0061】またニップ部N内の各空隙部でも空間放電
が生じて帯電領域が広がり、帯電の安定性が向上する。
【0062】表面層2aの凸部の高さhは5〜700μ
m、特には10〜500μmであることが好ましい。5
μm以下であると帯電部材2を感光体1に押圧接触させ
たときニップ部N内における空隙部が安定して形成確保
されなくなる。また高さのバラツキが出やすいので好ま
しくない。700μm以上であると、帯電開始電圧が大
きくなり、表面層2aおよび中抵抗層2bが絶縁破壊す
る危険性があるので好ましくない。
【0063】感光体1と接触帯電部材2とのニップ部N
を中にしてその感光体回転方向上流側と下流側の空隙部
における空間放電による帯電のほかに、感光体1と接触
帯電部材2とのニップ部N内においても上記のように空
隙部を形成させて該空隙部の空間放電による帯電を行な
わせて帯電性を安定化させるために、表面層2aが感光
体1と当接する際に凸部が2本以上接触することが必要
である。つまり、表面層2aの凸部が感光体1と2本以
上接触することで、ニップ部N内に空間放電を生じる空
隙部を少なくとも1ケ所以上設けることができる。
【0064】表面層2aの抵抗値は、中抵抗層2bに比
較して高くするのが良い。表面層2aの体積低効率R1
と中抵抗層2bの体積低効率R2の関係は、R1>R2
とする。R1>R2の場合は、中抵抗層2bと感光体1
の空隙部での空間放電が行なわれず帯電が安定性しな
い。つまり、表面層2aと感光体1との間での空間放電
による帯電が支配的となり、帯電は不安定となる。R1
=R2の場合も同様である。
【0065】表面層2aを中抵抗層2b上に凸形状に設
ける方法としては、後述する中抵抗層2bの表面上にス
クリーン印刷、オフセット印刷、グラビヤ印刷、熱転写
等の方法を用いて、所定の線幅w、所定の高さh、所定
のピッチpで設けることができる。表面層2aの高さh
が100μm以上の場合は、所定形状に断裁した合成樹
脂シートまたは合成樹脂製線材を接着して使用しても構
わない。
【0066】b.中抵抗層2b 中抵抗層2bとしては、帯電部分(ニップ部N)おける
帯電部材2の感光体1に対する当接状態の安定性及び感
光体1の損耗防止を勘案して、常温で柔軟性を有する材
料が好ましく用いられる。例えばポリアミド、ポリウレ
タン、ポリビニルアルコール、シリコン、ポリエステル
などの合成樹脂が挙げられる。
【0067】抵抗値を調整するために導電性の顔料を適
宜添加してもよい。導電性顔料としてはカーボンブラッ
ク、酸化亜鉛、酸化チタン、金属粒子などが挙げられ
る。
【0068】中抵抗層2bの抵抗値としては、1×10
7 〜1×1011Ω・cm、特には1×108 〜1×10
10Ω・cmの範囲である。なお、本発明における該中抵
抗層2bの抵抗値の測定はJIS K6911法に従い
行った。
【0069】1×107 Ω・cm以下では感光体1に損
傷が発生した場合に耐圧が出せず好ましくない。また1
×1011Ω・cm以下では電流が流れず、帯電不良が発
生し好ましくない。
【0070】中抵抗層2bの厚みとしては、10〜50
00μmであることが好ましい。10μmであること、
感光体1に欠陥が発生した場合に、印加バイアスが中抵
抗層2bに集中し絶縁破壊が発生するので好ましくな
い。5000μm以上であると弾性層2dの弾性変形を
阻害するので好ましくない。
【0071】中抵抗層2bの作成方法は、合成樹脂中に
導電性顔料を分散させて塗料化する方法、あるいは成形
用合成樹脂に導電性顔料をコンパウンディング後ペレッ
ト化して押出成形、圧縮成形等の方法でフィルム化、シ
ート化する方法を用いることができる。
【0072】c.電極層2c 電極層2cは、印加された電圧を均一に中抵抗層に伝導
するため均一な厚みでかつ電気抵抗が低いことが望まし
い。例えば、アルミニウム、ニッケル、銅、銀、鉄、ス
テンレスなどの金属箔や金属蒸着フィルム、導電性イン
キ、導電性塗料などが挙げられる。
【0073】d.弾性層2d 弾性層2dは、その硬度がSRIS 0101に規定さ
れる硬度にて5°から75°の範囲にある材料を用いる
ことが好ましい。これは、接触帯電部材1を感光体2表
面に均一に当接させるために必要な特性である。SRI
S 0101に規定される硬度にて5°より低い場合
は、弾性層2dにいわゆる「へたり」が発生し好ましく
ない。また、硬度が75°を越える場合は、感光体1の
微小な凹凸に追従できなくなり帯電不良が発生し好まし
くない。弾性層2dは電極層2cを支持しているために
難燃性であることが好ましい。
【0074】弾性層2dの材料としては、ポリウレタン
樹脂、塩化ビニル樹脂、ポリプロピレン樹脂、ポリエチ
レン樹脂、エチレン−酢酸ビニル共重合樹脂等の合成樹
脂、ウレタンゴム、シリコンゴム、クロロプレンゴム、
天然ゴム等のゴム、あるいはこれらの発泡体を適宜用い
ることができる。
【0075】e.帯電部材2の製造方法 帯電部材2の製造方法の一例を説明する。グラビア印
刷、スクリーン印刷、オフセット印刷、熱転写等の方
法、または合成樹脂の接着によって中抵抗層2b上に凸
形状に表面層2aを設ける。
【0076】次にこの中抵抗層2bの表面層形成側とは
反対側の面に電極層2cを形成する。このとき、電極層
2cの材料が金属箔あるいは金属蒸着フィルムの場合は
これを中抵抗層2b上に接着剤あるいは粘着剤で積層す
ることで電極層2cを形成する。また電極層2cの材料
が導電性インキあるいは導電性塗料の場合はスプレーコ
ート、ロールコート、フローコート、グラビア印刷、ス
クリーン印刷等の方法を用いてコーティングすることで
電極層2cを形成する。
【0077】次いでこの中抵抗層2bの電極層形成面側
に接着剤あるいは粘着剤を介して弾性層2dを積層す
る。
【0078】f.電源3 電源3は接触帯電部材2に対する印加電源であり、接触
帯電部材2の電極層2cに対して、例えば、感光体1の
所定電位に応じた直流電圧(DC印加方式)、もしくは
帯電均一性を得るために接触帯電部材2と感光体1の間
で決まる放電開始電圧の2倍以上のピーク間電圧を有す
る交番電界と上記直流電圧を重畳させたバイアス(AC
印加方式)が供給されることで、電極層2cを介して中
抵抗層2bに給電され、中抵抗層2bと感光体1との空
隙部で電界が生じ感光体表面が所定の極性、所定の電位
に均一に帯電処理される。
【0079】(2)画像形成装置例 図3は本実施例の接触帯電部材2を使用した画像形成装
置の一例の概略構成図である。本例の画像形成装置は転
写式電子写真プロセス利用の複写機あるにはプリンター
である。
【0080】1は回転感光体(OPC感光ドラム)、2
はこれに接触させて配置した前述の接触帯電部材であ
り、この帯電部材2の電極層2cに電源3から帯電バイ
アスが印加されて回転感光体1の周面が一次帯電処理さ
れる。
【0081】この回転感光体1の帯電処理面に対して不
図示の画像情報露光装置により目的の画像の露光30
(原稿画像のスリット結像露光、レーザービーム走査露
光など)がなされて目的画像の静電潜像が形成される。
【0082】その潜像が現像装置31によりトナー像T
aとして現像され、該トナー像Taが不図示の給紙部か
ら感光体1と転写ローラ32との圧接ニップ部(転写部
位)に所定のタイミングで給送された転写材33に順次
に転写Tbされていく。
【0083】トナー像転写を受けた転写材33は感光体
1面から分離されて不図示の定着装置へ搬送され、トナ
ー像定着を受けて画像形成物として出力される。また転
写材分離後の回転感光体1面はクリーニング装置34で
転写残りトナー等に残留付着物の除去を受けて清掃さ
れ、繰り返して作像に供される。
【0084】(3)実施例1 以下の方法で帯電部材2を製造した。
【0085】表面層2aとして、ポリウレタン樹脂系ス
クリーンインキ(白色、商品名SG410、セイコーア
ドバンス社製)を使用し、中抵抗層2b面に凸形状の表
面層2aを高さh30μm、線幅w0.5mm、ピッチ
p0.3mmにスクリーン印刷した。
【0086】この表面層2aの硬度をJIS K540
0に従って測定した。すなわちスクリーンインキをアル
ミシート(100μm)上に100×100mm□(ベ
タ版)で印刷し(厚み30μm)、鉛筆引っかき試験機
によって乾燥インキ層の硬度を測定した。その結果、硬
度は2Bであった。
【0087】中抵抗層2bとしては導電性カーボンブラ
ックを分散した熱可塑性ポリウレタン樹脂シート(カー
ボンブラック含有量20重量%)、体積抵抗率25×厚
み500μm)を使用した。
【0088】次いでこの中抵抗層2bの表面層2aの印
刷されていない側に、電極層2cを、2液硬化型ウレタ
ン樹脂に導電性カーボンブラックを含有した導電性イン
キを用いてスクリーン印刷法で全面に形成した(乾燥膜
厚20μm)。
【0089】次いで電極層2c側に弾性層2dとして発
砲ウレタン樹脂シート(SRIS硬度50°、厚み4m
m)を両面粘着テープで貼付した。
【0090】上記のようにして製造した帯電部材2をレ
ーザービームプリンター(商品名「レーザーショットA
408」、キヤノン製)に用いられるプロセスカートリ
ッジの一次帯電位置に図1のように感光体1との接触位
置が帯電部材2の中央になり、かつ当接面が接触面の接
線と平行になるように取りつけた。
【0091】このプロセスカートリッジをプリンター本
体に実装し、帯電部材2に 直流電圧 700V、 交流電圧 1800V(VPP)、周波数350Hz の重畳振動電圧を印加(AC印加方式)して3000枚
の画出し耐久を行い、帯電部材2と感光体1の削れを評
価した。
【0092】帯電部材2の削れ評価は、耐久開始時と終
了時にKosaka Laboratory 社製SE−30H表面粗さ計
を用いて帯電部材の厚みを測定して行った。
【0093】感光体1の削れ評価は、耐久開始時と終了
時に HELMUT FISHER社製Kett電磁膜厚計VL−30Bを
用いて感光体の表層の膜厚を測定し行った。使用した感
光体1はその表層がポリカーボネート(硬度2H)であ
るものと、スチレン−アクリル共重合体(硬度HB)で
あるものとの2種である。
【0094】また、初期画像と3000枚耐久後の画像
についても評価した。
【0095】結果を[表1]に示す。
【0096】(4)実施例2 表面層2aを、ポリエステル樹脂系スクリーンインキ
(商品名GAP新セイコーアドバンス社製)を使用して
形成した以外は、実施例1と同様にして製造した帯電部
材について同様の評価を行った。この帯電部材の表面層
の硬度はHであった。結果を[表1]に示す。
【0097】(5)実施例3 表面層2aを、ポリエステル樹脂系スクリーンインキ
(商品名PALマットセイコーアドバンス社製)を使用
して形成した以外は、実施例1と同様にして製造した帯
電部材について同様の評価を行った。この帯電部材の表
面層の硬度はHBであった。結果を[表1]に示す。
【0098】(6)比較例1 表面層を、ビニール樹脂系スクリーンインキ(商品名S
G700 セイコーアドバンス社製)を使用して形成し
た以外は、実施例1と同様にして製造した帯電部材につ
いて同様の評価を行った。この帯電部材の表面層の硬度
は3Bであった。結果を[表1]に示す。
【0099】(4)比較例2 表面層を、アクリル樹脂系スクリーンインキ(商品名2
500 セイコーアドバンス社製)を使用して形成した
以外は、実施例1と同様にして製造した帯電部材につい
て同様の評価を行った。この帯電部材の表面層の硬度は
3Hであった。結果を[表1]に示す。
【0100】
【表1】a.感光体表層; ポリカーボネート(硬度2
H)の場合 b.感光体表層; スチレン−アクリル共重合体(硬度
HB)の場合 [表1]から明らかなように帯電部材の表面層の硬度を
2B以上、2H以下にすることで帯電部材と感光体の削
れを低減化することができ長期にわたって安定した良好
な帯電特性を維持して安定した画像が得られた。
【0101】〈実施例B〉(図4・図5) (1)接触帯電部材の構成 図4は本実施例の接触帯電部材の層構成模型図である。
なお、この図は層構成を説明するための誇張模型図であ
り、構成層相互の厚さや寸法の比率関係等は正確ではな
い。
【0102】本実施例の帯電部材2は感光体1との当接
面側から不動の支持部材4側へ順に、表面層(被膜層)
2e、電極層2f、電極支持層2gの積層体であり、感
光体面における断面形状が非回転体(非従動)である。
【0103】この帯電部材2は不動の支持部材4に感光
体1の回転方向の接線方向と略平行に固定支持させて該
支持部材4と感光体1との間に感光体1に所定の押圧力
で当接させて配設してある。
【0104】接触帯電部材2の電極層2fに対して電源
3よりDC印加方式あるいはAC印加方式で所定の帯電
バイアスが印加されることにより、回転感光体1の周面
が接触帯電にて所定の極性・電位に帯電処理される。
【0105】a.表面層2e 本実施例における表面層2eは、安定した帯電特性を持
たせるため、また帯電音を静かにさせるために、帯電部
材2と感光体1とのニップ部Nの総面積よりも帯電部材
2と感光体1との実質の接触面積を狭くするべく、表面
層2eの表面に凸部の高さh10〜400μmの連続し
た凹凸形状2hを形成した層である。
【0106】表面層2eの凹凸2hの差は、10〜40
0μmであることが好ましく、より好ましくは凹凸の差
をLとすると 20μm≦L≦300μm である。
【0107】凹凸差Lが15μm以下であると、帯電部
材2を感光体1に当接した際にニップ部Nにおける非接
触部、つまり空隙部(離間部)が安定に確保できなくな
るために好ましくない。
【0108】また、300μm以上であると帯電部材2
を感光体1に当接した際に、感光体への当接が不安定に
なり好ましくない。
【0109】表面層2eは、合成樹脂中に導電性顔料を
分散した層により構成される。また表面層は感光体と当
接状態にあり、なおかつ感光体の表面と摺動するため耐
摩耗性を有する材料である事が好ましい。例えばポリア
ミド樹脂、ポリエチレン樹脂、ポリウレタン樹脂、ポリ
アセタール樹脂、フッ素樹脂などの動摩擦係数の小さい
合成樹脂を用いる事が好ましい。
【0110】表面層2eは電気抵抗値を調整するために
導電性顔料を添加する必要がある。導電性顔料は、カー
ボンブラック、カーボングラファイト、酸化亜鉛、酸化
チタン、金属粒子等の粉体を適宜用いる事ができる。
【0111】表面層2eの抵抗値としては、1×105
〜5×108 Ωの範囲である。なおこの表面層の抵抗値
は図5に示したように電極層2fをアースにし、表面層
2e上に直流電圧10から250Vを印加したΦ1のプ
ローブ11を押し当て抵抗を測定する。12は電流計で
ある。つまり、電極層2fの抵抗が表面層2eの抵抗に
比べて十分低いために図5のような測定方法による抵抗
値は表面層2eにより決定される。
【0112】抵抗値が1×105 Ω以下であると感光体
1に損傷などが生じた場合、耐圧が出せず好ましくな
い。また5×108 Ω以上では電流が流れず帯電不良が
発生し好ましくない。
【0113】表面層2eの凹凸部2hを除くベース層部
分の厚みHとしては10〜500μmである事が好まし
く、10μm以下であると感光体上に欠陥が生じた場合
に、印加バイアスが表面層に集中する事による絶縁破壊
が発生し好ましくない。また、500μm以上であると
電極支持層2gの弾性変形を阻害し好ましくない。
【0114】表面層2eの作製方法には、合成樹脂中に
導電性顔料を分散させて塗料化する方法、あるいは成形
用合成樹脂に導電性顔料をコンパウンディング後ペレッ
ト化して押し出し成形、圧縮成形等の方法でフィルム
化、シート化する方法を用いることができる。表面層の
厚みの均一性からフィルム化、シート化して用いること
が好ましい。
【0115】また、これに凹凸形状2hを設ける方法に
はエッチング、熱プレスによるエンボス加工、スクリー
ン印刷等の方法が挙げられる。
【0116】凹凸形状のパターンや位置は前述実施例A
の図2の(A)〜(D)の表面層凸形状の場合と同様に
することができる。
【0117】b.電極層2f 本実施例に用いられる電極層2fは非金属であり、帯電
部分(ニップ部N)における当接状態の安定性や、電極
支持層2gの湾曲の追従性を勘案して、常温で柔軟性を
有する材料が好ましく用いられる。
【0118】例えばポリアミド、ポリウレタン、ポリビ
ニルアルコール、テフロン、シリコン、ポリエステルな
どが挙げられる。
【0119】このうち表面層2eとの接着性より表面層
2eと同種の樹脂が好ましく、さらに電極とするために
導電性顔料が添加される。
【0120】導電性顔料としてはカーボンブラック、カ
ーボングラファイト、酸化亜鉛、酸化チタン、金属粒子
などが挙げられる。
【0121】電極層2fの抵抗値は1×103 Ω以下で
ある。なお抵抗値の測定はJISK−6911法に従い
行った。
【0122】電極層2fとしてこれらの有機物質中に導
電性顔料を分散した構成とするのは、電極支持層2gの
弾性変形を阻害しないためであり、金属薄膜で電極層を
構成した場合、感光体の微小な凹凸に追従できずに帯電
不良が発生しやすい。
【0123】c.電極支持層2g 電極支持層2gは前述実施例Aの帯電部材の弾性層2d
と同様の層である。
【0124】(2)実施例4 表面層2eとして、導電性カーボンブラックを分散した
熱可塑性ポリウレタン樹脂シート(カーボンブラック含
有量20重量%、抵抗値5×109 Ω、シートの厚み5
00μm)を使用して、その表面に熱プレスによるエン
ボス加工によりh=100μmの凹凸2hを有する表面
層2eを用いた。この際凹凸2hのパターンとしては、
凸部の幅1mm、凹部の幅1mmの凹凸を感光体の回転
方向に対して垂直なパターンを有するものを用いた。
【0125】この表面層2eの裏面に、2液硬化型ウレ
タン樹脂中に導電性グラファイトを添加し導電塗料とし
た電極材を用い、これをシルク印刷法により塗工し、8
0℃・30分間加熱架橋させて電極層2fを形成する。
【0126】この表面層2eと電極層2dとの積層シー
トを、表面層の凹凸パターンの長手方向と平行に長さ2
50mm、パターンと垂直に15mmの大きさに抜き型
により切り出し、長手方向の端部に電極材を用いて給電
端子を取りつける。この基材を両面粘着テープで電極支
持層2gに貼付して接触帯電部材2を得た。
【0127】これをLASER SHOT A406
(ページプリンタ キヤノン社製)に用いられるプロセ
スカートリッジの1次帯電器位置に感光体と帯電部材と
のニップ幅が5mm以上存在するように帯電部材1の当
接部を調整して組み込んだ。
【0128】このプロセスカートリッジをプリンター本
体に実装して帯電部材2に 直流電圧 −700V、 交流電圧 2000V(VPP) 、周波数350Hz のバイアスを印加して帯電性能、帯電音、感光体の削れ
評価を行った。評価項目として次の項目について測定を
行った。
【0129】1)帯電性能 帯電性能は、電位の収束性により評価を行った。感光体
を除電した後、上記バイアスを印加し感光体を継続して
帯電させ感光体の表面電位を表面電位計により測定す
る。評価は感光体5周目と1周目の電位の差により行っ
た。
【0130】◎:差の絶対値が5V以内 ○:差の絶対値が5〜10V以内 △:差の絶対値が10〜20V以内 ×:差の絶対値が20V以上 2)帯電音 ページプリンタを無響室にセットし上記の印加バイアス
における騒音を測定した。測定はISO 7779の6
項に従い行った。
【0131】3)感光体の削れ 表層がポリカーボネート樹脂の感光体を用いて、300
0枚の画出し耐久行い、耐久開始時と終了時にKettの電
磁膜厚計VL−30Bを用いて感光体の膜厚を測定し、
その結果より感光体の削れを評価した。結果を[表2]
に示す。
【0132】(3)実施例5 表面層2eの凹凸2hのパターンを凸部の幅0.5m
m、凹部の幅0.5mmとした以外は実施例4と同様の
構成の帯電部材について同様の評価を行った。
【0133】(4)実施例6 表面層2eの凹凸2hのパターンを凸部の幅0.3m
m、凹部の幅0.5mmとした以外は実施例4と同様の
構成の帯電部材について同様の評価を行った。結果を
[表2]に示す。
【0134】(5)実施例7 表面層2eの凹凸2hのパターンを凸部の幅0.5m
m、凹部の幅1.0mmとした以外は実施例4と同様の
構成の帯電部材について同様の評価を行った。結果を
[表2]に示す。
【0135】(6)実施例8 表面層2eの凹凸2hのパターンを凸部の幅0.3m
m、凹部の幅1.5mmとした以外は実施例4と同様の
構成の帯電部材について同様の評価を行った。結果を
[表2]に示す。
【0136】(7)比較例3 表面層2eの表面に凹凸がなく平滑であるとした以外は
実施例4と同様の構成の帯電部材について同様の評価を
行った。結果を[表2]に示す。
【0137】
【表2】 [表2]から明らかなように、帯電部材の表面層の表面
に凹凸を設けることにより、帯電部材と感光体とのニッ
プ部の総面積よりも、帯電部材が感光体に接触する面積
が狭くなり、それにより耐久による感光体の削れが防止
され、なおかつ帯電部材と感光体との間の空隙部(離間
部)の部分が増すので長期にわたって安定した帯電特性
を持ち、更に帯電時における帯電音が静かである接触式
帯電装置を得ることができる。
【0138】
【発明の効果】以上のように本発明によれば、 ・高耐久においても汚損及び汚損による帯電不良の発生
を生じ難い ・高耐久においても帯電部材・被帯電体の摩耗・損傷が
少ない ・空間放電がなされる空隙部を増大で帯電の安定性を確
保・維持できる ・AC印加方式の場合でも発生帯電音が静かである 等の特長を有する、長期にわたって安定な帯電特性を持
つ接触帯電部材を得ることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 実施例Aの接触帯電部材の構成模型図
【図2】 表面層の凸形状の各種パターン例
【図3】 画像形成装置例の概略構成図
【図4】 実施例Bの接触帯電部材の構成模型図
【図5】 表面層の抵抗値測定要領図
【図6】 (A)はローラー型帯電器の概略図、(B)
はブレード型帯電器の概略図
【符号の説明】
1 被帯電体としての回転ドラム型の電子写真
感光体 2 接触帯電部材 2a・2e 表面層 2b 中抵抗層 2c・2f 電極層 2d 弾性層 2g 電極支持層 3 帯電バイアス印加電源 4 支持部材
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 伊藤 尚代 東京都大田区下丸子3丁目30番2号 キヤ ノン株式会社内

Claims (13)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 被帯電体面に当接させ、かつ電圧を印加
    して被帯電体面の帯電を行なう接触帯電部材であり、 該接触帯電部材は、被帯電体の駆動に従動しない非回転
    体であり、被帯電体との当接面側から順に、表面層、中
    抵抗層、電極層、弾性層を有し、少なくとも被帯電体と
    当接する部分は前記中抵抗層上に前記表面層が設けられ
    ていることを特徴とする接触帯電部材。
  2. 【請求項2】 表面層の硬さが、鉛筆引っかき値(JI
    S K5400)で2B以上、2H以下の硬さであるこ
    とを特徴とする請求項1に記載の接触帯電部材。
  3. 【請求項3】 電極層に対する印加電圧が、振動電圧で
    あることを特徴とする請求項1に記載の接触帯電部材。
  4. 【請求項4】 振動電圧が、交流電圧と直流電圧の重畳
    電圧であることを特徴とする請求項3に記載の接触帯電
    部材。
  5. 【請求項5】 振動電圧が、被帯電体に接触させた接触
    帯電部材に直流電圧を印加したときの被帯電体の帯電開
    始電圧の2倍以上のピーク間電圧を有する交流電圧と、
    直流電圧の重畳電圧であることを特徴とする請求項3に
    記載の接触帯電部材。
  6. 【請求項6】 被帯電体が電子写真装置・静電記録装置
    等の画像形成装置の電子写真感光体・静電記録誘電体等
    の像担持体であることを特徴とする請求項1に記載の接
    触帯電部材。
  7. 【請求項7】 回転駆動される被帯電体面に当接させ、
    かつ電圧を印加して被帯電体面の帯電を行なう接触帯電
    部材であり、 該接触帯電部材は、被帯電体面における断面形状が被帯
    電体に沿って湾曲した、被帯電体の駆動に従動しない非
    回転体で、被帯電体との当接面側から順に、表面層、電
    極層、電極支持層を有し、被帯電体回転面における被帯
    電体との接触面が固定化されており、表面層の被帯電体
    との接触面に10〜500μmの連続した凹凸形状を有
    しており、被帯電体の回転方向の接線方向と略平行に固
    定化支持されていることを特徴とする接触帯電部材。
  8. 【請求項8】 接触帯電部材と被帯電体との接触面積
    が、接触帯電部材と被帯電体とのニップ部の総面積より
    も狭く、被帯電体上の任意の点が接触帯電部材と被帯電
    体とのニップ部内を通過する際に2回以上接触帯電部材
    の表面層部分と接触することを特徴とする請求項7に記
    載の接触帯電部材。
  9. 【請求項9】 表面層の抵抗値が、1×107 Ω・cm
    〜1×109 Ω・cmの範囲であることを特徴とする請
    求項7に記載の接触帯電部材。
  10. 【請求項10】 電極層に対する印加電圧が、振動電圧
    であることを特徴とする請求項7に記載の接触帯電部
    材。
  11. 【請求項11】 振動電圧が、交流電圧と直流電圧の重
    畳電圧であることを特徴とする請求項10に記載の接触
    帯電部材。
  12. 【請求項12】 振動電圧が、被帯電体に接触させた接
    触帯電部材に直流電圧を印加したときの被帯電体の帯電
    開始電圧の2倍以上のピーク間電圧を有する交流電圧
    と、直流電圧の重畳電圧であることを特徴とする請求項
    10に記載の接触帯電部材。
  13. 【請求項13】 被帯電体が、電子写真装置・静電記録
    装置等の画像形成装置における電子写真感光体・静電記
    録誘電体等の回転像担持体であることを特徴とする請求
    項7に記載の接触帯電部材。
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