JPH0527373A

JPH0527373A - 写真フイルムパトローネ

Info

Publication number: JPH0527373A
Application number: JP20251591A
Authority: JP
Inventors: Kiichiro Kitagawa; 喜一郎北河
Original assignee: Fuji Photo Film Co Ltd
Current assignee: Fujifilm Holdings Corp
Priority date: 1991-07-17
Filing date: 1991-07-17
Publication date: 1993-02-05
Anticipated expiration: 2014-01-13
Also published as: JP2846982B2

Abstract

(57)【要約】【目的】スプールの回転によって写真フイルムが送り
出される写真フイルムパトローネにおいて、写真フイル
ムの排出口を覆っている蓋部材が振動や衝撃によって不
用意に開放することなく、この蓋部材に連動して開放時
には使用済表示を行い、またスプールのロック機構を作
動させるようにする。【構成】ケース体２ｂには軸１０を中心に回転自在な
三叉状のレバー１１が設けられ、バネにより反時計回り
に付勢されている。カメラ本体突起との係合により左方
に押され時計方向に回動すると、その一端１１ａが蓋部
材８の下から退避し同時にロック爪１１ｃがロック板１
２から外れ、スプール４のロックが解除される。その後
カメラ側の機構により蓋部材８が押し下げられ写真フイ
ルム通路が連通し、未使用表示１５ａに代わり使用済表
示１５ｂが表示窓１６に露出する。

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】本発明は、写真フイルム通路を開
閉する蓋部材を有する写真フイルムパトローネに関する
ものである。

【０００２】

【従来の技術】米国特許第４６３４３０６号公報，同第
４８３２２７５号公報で知られるように、未使用状態で
は写真フイルムの先端までもパトローネ本体内に巻き込
んでおくようにし、使用時にはスプールを回転させるこ
とによって写真フイルムの送り出しを行うようにした写
真フイルムパトローネが提案されている。このような機
能をもつ写真フイルムパトローネについて、特開平３−
３７６４５号公報に記載されたように、写真フイルム排
出口を確実に遮光するために開閉自在な蓋部材を用いる
ようにしたものが公知である。

【０００３】

【発明が解決しようとする課題】しかし、上記した特開
平３−３７６４５号公報記載の写真フイルムパトローネ
では、蓋部材がパトローネ本体にヒンジ式に軸着された
板状のものであるため、振動や多少の衝撃が加わったと
きに開きやすいという欠点がある。また上記写真フイル
ムパトローネでは、使用の前後にかかわらず写真フイル
ムの先端がパトローネ本体から全く突出していないた
め、従来のように写真フイルムの先端の有無によって使
用済みか否かを知ることができない。

【０００４】本発明は上記の事情を考慮してなされたも
ので、写真フイルム排出口を覆っている蓋部材が振動や
衝撃によって不用意に開放することがなく、そしてこの
蓋部材の開放時には使用済みの表示を行い、さらには蓋
部材に連動してスプールのロック機構を作動させるよう
にした写真フイルムパトローネを提供することを目的と
する。

【０００５】

【課題を解決するための手段】本発明は上記目的を達成
するために、写真フイルム送り出し時に蓋部材を変位さ
せることによって、この蓋部材に形成したスリット状の
写真フイルム通路がパトローネ本体に形成した写真フイ
ルム通路と連通するようにしたものである。また、この
蓋部材が開き位置に変位させた際にはパトローネ本体に
設けた表示手段が作動して使用済みの表示を行うように
構成し、あるいは蓋部材の開閉に連動してスプールロッ
ク機構を作動させる構成にしてある。

【０００６】

【実施例】本発明を用いた写真フイルムパトローネの一
例を示す図１ないし図３において、パトローネ本体２は
各々プラスチックで成形されたケース体２ａ，２ｂから
構成されている。パトローネ本体２の中には、写真フイ
ルム３を巻きつけたスプール４が回転自在に収納されて
いる。ケース体２ａ，２ｂの内壁には、スプール４に巻
かれた写真フイルム３の外周面に接して写真フイルム３
の巻き緩みを防ぐためのリブ５が一体に形成されてい
る。これにより、スプール４を図中時計方向に回転する
とスプール４と一体となって写真フイルム３も回転し、
そして写真フイルム３の先端は分離爪６で掬い上げられ
ると写真フイルム通路７に向かって進むようになる。

【０００７】パトローネ本体２には、スリット状の写真
フイルム通路８ａが形成された蓋部材８が取り付けられ
ている。蓋部材８は、ケース体２ｂの内部に固定した支
持板９に対して上下に移動できるようになっている。こ
の蓋部材８はプラスチックで成形されており、その底面
にはリーフ状のバネ８ｂが一体に形成され常態では図３
に示した上昇した位置（閉鎖位置）にある。蓋部材８が
図３の閉鎖位置にあるときには、パトローネ本体２の写
真フイルム通路７は蓋部材８によって閉じられ、パトロ
ーネ本体２内は遮光状態になっている。

【０００８】図２に示したように、ケース体２ｂには軸
１０を中心にして回動自在な三叉状のレバー１１が設け
られ、バネにより反時計方向に付勢されている。レバー
１１の一端１１ａは蓋部材８の移動路に突出し、また他
の一端１１ｂはパトローネ本体２から突出しており、さ
らに他の一端にはロック爪１１ｃが設けられている。レ
バー１１がバネの付勢により図示位置にあるときには、
前記ロック爪１１ｃはスプール４に一体に取り付けられ
た歯車状のロック板１２に係合し、スプール４の回転を
ロックしている。

【０００９】蓋部材８の下には表示板１４が設けられて
いる。表示板１４は、その底面に一体に形成したリーフ
状のバネ１４ａによって上向きに付勢されている。また
表示板１４の左右の端面にはクリック突起１４ｂが形成
され、表示板１４が一定位置まで押し下げられたときに
ケース体２ｂに設けたクリック溝（図示省略）に嵌合
し、それ以後は上昇しないようになっている。表示板１
４には、未使用表示１５ａと使用済み表示１５ｂとが付
されている。そして、表示板１４が図示した上昇位置に
あるときには、表示窓１６を通して未使用表示１５ａが
外部表示されている。

【００１０】上記写真フイルムパトローネを図１に矢印
Ｘで示した方向からカメラのパトローネ収容室に装填す
ると、カメラの駆動軸がスプール４に係合する。またこ
の装填の過程で、パトローネ収容室に設けられた突起と
の係合により、レバー１１はバネの付勢に抗して図１の
位置から左方に押される。これによりレバー１１が軸１
０の回りに時計方向に回動すると、その一端１１ａが蓋
部材８の下から退避すると同時にロック爪１１ｃがロッ
ク板１２から外れ、スプール４のロックが解除される。
その後、カメラ側の機構によって蓋部材８が押し下げら
れ、開放位置に移動する。こうして蓋部材８が押し下げ
られると、図４に示したように、蓋部材８に形成した写
真フイルム通路８ａがパトローネ本体２内の写真フイル
ム通路７と連通した状態になる。また、蓋部材８の押し
下げによって、表示板１４もバネ１４ａに抗して押し下
げられ、クリック突起１４ｂがケース体２ｂの溝に嵌合
して下降位置に係止される。表示板１４の下降に伴い、
表示窓１６の奥には使用済み表示１５ｂが現れる。

【００１１】その後、カメラの駆動軸によりスプール４
が図２で時計方向に駆動されると、スプール４とともに
写真フイルム３が回転する。写真フイルム３の先端が分
離爪６の位置まで回転してくると、分離爪６によって写
真フイルムの先端が写真フイルム通路７へと導かれ、さ
らに蓋部材８の写真フイルム通路８ａを通ってパトロー
ネ本体２外に送り出される。写真フイルムの先端を円滑
に送り出すためには、図４中に符号８ｃ，８ｄを付した
蓋部材８のエッジ部分を半径０．２〜１ｍｍ程度に丸め
ておくのがよい。また、写真フイルム３として従来の３
５ｍｍカラーネガ写真フイルムを用いる場合には、スリ
ット８ａの幅Ｄとしては０．１５〜２ｍｍ、好ましくは
０．２〜０．８ｍｍ、特に好ましくは０．２〜０．３ｍ
ｍにするとよい。

【００１２】写真フイルムの先端はスプール４の駆動に
よりカメラの巻き取りスプールまで送られる。そして写
真フイルムの先端が巻き取りスプールに巻きつけられた
後はスプール４はフリー状態になり、巻き取りスプール
の駆動によってパトローネ本体２から写真フイルム２が
引き出されるようになる。撮影を終えた後は、カメラ側
の前記駆動軸によりスプール４が写真フイルム巻き込み
方向に回転され、撮影済みの写真フイルムは先端までパ
トローネ本体２に巻き込まれる。その後、蓋部材８の押
し下げが解除される。これにより蓋部材８はバネ８ｂの
付勢により図３に示した閉止位置に戻り、パトローネ本
体２の写真フイルム通路７が蓋部材８で閉鎖される。

【００１３】カメラの裏蓋を開放して写真フイルムパト
ローネを取り出すと、レバー１１がバネの付勢でロック
位置に戻り、蓋部材８の押し下げが阻止される。蓋部材
８が閉止位置に戻っても、表示板１４はクリックにより
下降位置に係止されたままになっているから、表示窓１
６には使用済み表示１５ｂが現れている。したがって、
写真フイルムパトローネが使用済みであるか否かは、表
示窓１６から簡単に識別することができる。さらに、レ
バー１１がロック位置に戻るとロック爪１１ｃがロック
板１２に係合してスプール４の回転がロックされる。し
たがって、振動その他でスプール４が回転することはな
く、蓋部材８で閉じられた写真フイルム通路７に写真フ
イルム３の先端が無理に押し込まれるようなことはな
い。

【００１４】図５及び図６は蓋部材の他の例を示す。パ
トローネ本体２０内の写真フイルム通路２１には回転式
の蓋部材２２が設けられている。蓋部材２２には、写真
フイルム３を通過させるためのスリットの写真フイルム
通路２２ａが形成されている。この写真フイルムパトロ
ーネをカメラに装填して裏蓋を閉じると、カメラ側の機
構が蓋部材２２の一端に形成した溝２２ｂに係合して蓋
部材２２を回転させる。この結果、図６に示したよう
に、蓋部材２２の写真フイルム通路２２ａがパトローネ
本体２０内の写真フイルム通路２１と合致する。その
後、スプール４を写真フイルム送り出し方向に回転させ
ると、前述した実施例と同様にして写真フイルム３の先
端は写真フイルム通路２１，写真フイルム通路２２ａを
通り、排出口２３からパトローネ本体２０外に送り出さ
れる。また、撮影後に写真フイルム３をパトローネ本体
２０内に巻き込むと、カメラ側の機構によって蓋部材２
２が逆転され、写真フイルム通路２１は閉鎖される。

【００１５】本発明の他の例を示す図７ないし図９にお
いて、パトローネ本体３０は、外筒３１と内筒３２とか
ら構成されている。スプール３３には写真フイルム３が
巻きつけられ、内筒３２の中に収納されている。スプー
ル３３の一端は内筒３２に設けた軸３２ａによって回転
自在に支持され、スプール３３の他端は外筒３１の軸受
穴３１ａにより回転自在に支持されている。そして、軸
受穴３１ａを通し、スプール３３を内筒３２の中で回転
させることができる。内筒３２の開放端は外筒３１の内
壁にリング状に形成した溝３１ｂに嵌まり込んでおり、
また内筒３２の側面外壁には係合穴３２ｂが形成されて
いる。この係合穴３２ｂにカメラ側の機構を係合させて
回転させることによって内筒３２は外筒３１の中で回転
する。

【００１６】外筒３１，内筒３２のそれぞれには、スリ
ット状の写真フイルム通路３１ｃ，３２ｃが形成されて
いる。そして、内筒３２を外筒３１に対して回転し、内
筒３２の写真フイルム通路３２ｃが外筒３１の写真フイ
ルム通路３１ｃと合致させてからスプール３３を駆動す
ることによって、写真フイルム３の先端をパトローネ本
体３０の外に送り出すことができる。なお、スプール３
３の回転によって写真フイルム３の送り出しを行うため
には、前述した実施例と同様にリブ５と分離爪６とが用
いられている。

【００１７】図１０に示した実施例は、蓋部材をスプー
ルロック部材と兼用した例を示している。スプール４に
は、図１の実施例と同様に、歯車状のロック板３５が固
定されている。パトローネ本体３６の内部には、蓋部材
と一体に形成したスプールロック部材３７が図中の矢印
Ｙ方向にスライド自在に組み込まれ、常態ではバネ３８
の付勢によって図示した閉鎖位置にある。スプールロッ
ク部材３７の上端部には写真フイルム通路３９が形成さ
れ、図示の閉鎖位置ではパトローネ本体３６の写真フイ
ルム通路４０を閉鎖している。また、この状態ではスプ
ールロック部材３７に一体に設けたロック爪３７ａがロ
ック板３５に係合し、スプール４の回転を禁止してい
る。また、スプールロック部材３７には突起３７ｂが設
けられ、スプール４の一端が露出している側面に突出し
ている。

【００１８】この写真フイルムパトローネをカメラに装
填すると、カメラ側の機構によって突起３７が矢印Ｙ方
向に押し下げられる。これによりロック爪３７ａがロッ
ク板３５から外れてスプール４の回転が可能となるとと
もに、スプールロック部材３７の上端に形成された写真
フイルム通路３９がパトローネ本体の写真フイルム通路
４０と合致する。したがって、スプール４を時計方向に
回転することによって、リブ５，分離爪６の作用により
写真フイルム３の先端をパトローネ本体外に送り出すこ
とができる。なお、スプールロック部材３７が押し下げ
られたときには、表示板４１が移動され、表示窓４２に
は使用済みの表示が行われる。この表示板４１は、図２
の実施例と同様に下降位置でクリック止めされるから、
スプールロック部材３７がバネ３８の付勢で再び上昇し
ても、その表示が切り替わることはない。撮影済みの写
真フイルムをパトローネ本体３６に巻き込み、写真フイ
ルムパトローネをカメラから取り出すときには、まず突
起３７ｂに対する押圧が解除される。これにより、スプ
ールロック部材３７はバネ３８の付勢により図１０の閉
鎖位置に戻り、写真フイルム通路４０が閉鎖されると同
時にスプール４がロックされる。

【００１９】

【発明の効果】以上に説明したように、本発明の写真フ
イルムパトローネによれば、スプール回転による写真フ
イルムの送り出し時には、蓋部材に形成したスリット状
の写真フイルム通路をパトローネ本体の写真フイルム通
路と合致させるようにしたから、板状の蓋部材を用いた
従来の写真フイルムパトローネと比較して遮光性能が大
幅に向上し、振動や衝撃による遮光漏れを防ぐことがで
きる。また、蓋部材を開放したときにのみ連動する表示
板を用いて使用済み表示を行うようにすると、撮影後に
蓋部材を閉じても使用済み表示が行われているから、撮
影済み写真フイルムの誤使用を防ぐことも可能となる。
さらに、蓋部材を閉止した状態でスプールロックを行う
と、写真フイルムパトローネを外部で取り扱うときに、
パトローネ本体内で写真フイルムが全く移動しなくなる
ので、パトローネ本体内の写真フイルム通路付近で写真
フイルムの先端がジャミングを起こしたりすることがな
い。

【図面の簡単な説明】

【図１】本発明を用いた写真フイルムパトローネの外観
図である。

【図２】図１に示した写真フイルムパトローネの要部破
断図である。

【図３】図１に示した写真フイルムパトローネの横断面
図である。

【図４】図１に示した写真フイルムパトローネの要部断
面図である。

【図５】本発明の他の例を用いた写真フイルムパトロー
ネの外観図である。

【図６】図５に示した写真フイルムパトローネの横断面
図である。

【図７】本発明のさらに他の例を用いた写真フイルムパ
トローネの外観図である。

【図８】図７に示した写真フイルムパトローネの縦断面
図である。

【図９】図７に示した写真フイルムパトローネの横断面
図である。

【図１０】本発明を用いた他の写真フイルムパトローネ
の要部を示す横断面図である。

【符号の説明】

１蓋スリット２パトローネ本体３写真フイルム４スプール７写真フイルム通路８蓋部材１２ロック板１４表示板１６表示窓

Claims

【特許請求の範囲】

【請求項１】写真フイルムを巻きつけたスプールを回
転自在に収納したパトローネ本体に可動の蓋部材を設
け、蓋部材の変位により写真フイルム排出用の通路を形
成した後、スプールを写真フイルム排出方向に回転させ
ることによって写真フイルムの先端をパトローネ本体外
に送り出すようにした写真フイルムパトローネにおい
て、前記蓋部材は、開き位置に変位したときにパトロー
ネ本体に形成された写真フイルム通路に連通するスリッ
ト状の写真フイルム通路を有することを特徴とする写真
フイルムパトローネ。
【請求項２】写真フイルムを巻きつけたスプールを回
転自在に収納したパトローネ本体に可動の蓋部材を設
け、蓋部材の変位により写真フイルム排出用の通路を形
成した後、スプールを写真フイルム排出方向に回転させ
ることによって写真フイルムの先端をパトローネ本体外
に送り出すようにした写真フイルムパトローネにおい
て、前記蓋部材に、開き位置に変位したときにパトロー
ネ本体に形成された写真フイルム通路に連通するスリッ
ト状の写真フイルム通路を設けるとともに、パトローネ
本体には、前記蓋部材の開き位置への変位にのみ連動し
て使用済みの表示を行う表示手段を設けたことを特徴と
する写真フイルムパトローネ。
【請求項３】写真フイルムを巻きつけたスプールを回
転自在に収納したパトローネ本体に可動の蓋部材を設
け、蓋部材の変位により写真フイルム排出用の通路を形
成した後、スプールを写真フイルム排出方向に回転させ
ることによって写真フイルムの先端をパトローネ本体外
に送り出すようにした写真フイルムパトローネにおい
て、前記蓋部材に、開き位置に変位したときにパトロー
ネ本体に形成された写真フイルム通路に連通するスリッ
ト状の写真フイルム通路を設けるとともに、パトローネ
本体には、前記蓋部材の変位に連動して前記スプールの
回転をロック及びロック解除するスプールロック手段を
設けたことを特徴とする写真フイルムパトローネ。