JPH0527269A - Mim素子およびその製造方法 - Google Patents

Mim素子およびその製造方法

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JPH0527269A
JPH0527269A JP3202161A JP20216191A JPH0527269A JP H0527269 A JPH0527269 A JP H0527269A JP 3202161 A JP3202161 A JP 3202161A JP 20216191 A JP20216191 A JP 20216191A JP H0527269 A JPH0527269 A JP H0527269A
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Abstract

(57)【要約】 【構成】 第1の導電層と、この第1の導電層を陽極酸
化処理して形成する絶縁層と、第2の導電層とからなる
MIM素子における、第1の導電層30のパターン形状
は、配線部25と、MIM素子部27と、この配線部2
5とMIM素子部27との間に設ける隘路部26とを有
し、この隘路部26の導電層を完全に酸化することによ
り配線部25とMIM素子部27とを絶縁分離する。 【効果】 2枚のフォトマスクを用いてMIM素子のバ
ック・トゥ・バック構造を実現できる。この結果、高い
電圧閾値が得られ表示品質が良好となり、対称な電流―
電圧特性を持ったMIM素子を簡単な製造方法で実現可
能となる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明はアクティブマトリクス型
液晶表示装置のスイッチング素子として用いる、第1の
電極である第1の導電層(M)と、絶縁層(I)と、第
2の電極である第2の導電層(M)とからなるMIM素
子の構造と、このMIM素子の製造方法とに関する。
【0002】
【従来の技術】液晶表示装置は、フラットパネルディス
プレイの代表として広く応用されている。特にフラット
パネルディスプレイを構成する各画素にスイッチング素
子を設けて、この各画素の液晶を制御するアクティブマ
トリクス方式は、液晶の完全独立なスイッチングが可能
であり、大容量、高品質の表示が可能となる。代表的な
アクティブマトリクス用のスイッチング素子としては、
薄膜トランジスタ(TFT)やMIM素子があげられ
る。このうち特にMIM素子は、構造が簡単なため低コ
ストで低欠陥、さらには高品質の液晶表示装置を実現す
ることができる。
【0003】図2、図3に、従来例における代表的なM
IM素子の製造方法と、MIM素子構造とを示す。
【0004】まず図2(a)に示すように、第1の電極
となる第1の導電層1を基板4上の全面に形成する。
【0005】次に図2(b)に示すように、第1のフォ
トマスクを用いてフォトエッチング技術により第1の導
電層1をパターニングする。図3(a)に第1の導電層
の平面パターン形状を示す。第1の導電層5は、配線部
10とMIM素子部11とを有する。
【0006】次に図2(c)に示すように、パターニン
グした第1の電極層1を陽極酸化することにより絶縁層
2を形成する。この絶縁層2は、図2(c)と図3
(b)とに示すように、第1の導電層5の上面、および
側面に形成され、陽極酸化部6となる。
【0007】最後に図2(d)に示すように、第2の導
電層3を全面に形成し、第2のフォトマスクを用いて、
フォトエッチング技術により、この第2の導電層3をパ
ターニングする。この図2(d)に、示す第2の導電層
3は、図3(c)に示すように、第2の導電層7は少な
くともMIM素子部11と画素部12とに形成する。M
IM素子部11においては、第1の導電層5と、陽極酸
化部6と、第2の導電層7とでMIM素子を構成する。
【0008】図3に示す従来例では、画素部12も第2
の導電層7の一部として形成している。しかしこの画素
部12は、第2の導電層7と異なる、第3の導電層で形
成することの方が一般的である。
【0009】第1の電極となる第1の導電層1はTa
(タンタル)であり、絶縁層2はこのTaを陽極酸化し
て得られるTa25 (五酸化タンタル)である。
【0010】第2の電極となる第2の導電層3として
は、図3に示すように、MIM素子部11のMIM電極
と、画素部12の表示電極とを兼用する場合には、IT
O(インジウム・ティン・オキサイド)などの透明導電
膜を用いる。このときは、2枚のフォトマスクを用い、
2回のパターニング工程でMIM素子を形成する。MI
M素子部11と画素部12とを異なる導電層で構成する
ときは、第2の導電層としては、Cr(クロム),Ta
などの金属膜を使用する。このときは、3枚のフォトマ
スクを用い、3回のパターニング工程でMIM素子を形
成する。
【0011】いずれにせよ、MIM素子は2回、または
3回のパターニング工程で形成可能であり、6回以上の
パターニング工程が必要なTFTと比べて、簡単な工程
で高歩留り、低コストのアクティブマトリクス用スイッ
チング素子を提供することができる。
【0012】
【発明が解決しようとする課題】液晶に非対称な電圧が
印加されると、フリッカや画像の焼き付きが生ずる。こ
れらを避けるためには、MIM素子の電流―電圧特性に
おける印加電圧の極性に対する対称性が良いことが好ま
しい。しかしながら、一般的なMIM素子のスイッチン
グ特性は、印加電圧の極性に対し非対称であることが多
い。
【0013】この非対称を避けるためには、第2の電極
層の材質、および第1の導電層と絶縁膜界面、絶縁膜と
第2の導電層界面の制御を最適化することが必要とな
る。現在用いられている、電流―電圧特性における比較
的対称な特性が得られる代表的なMIM素子構造は、T
a−Ta25 −Ta(またはCr)である。
【0014】図4のグラフに代表的なMIM素子の電流
−電圧特性を示す。縦軸に電流の絶対値を対数軸で、横
軸に正負の電圧を示す。
【0015】Ta−Ta25 −Ta(またはCr)構
造からなるMIM素子の電流−電圧特性は、電圧のプラ
ス側で曲線51、マイナス側で曲線52に示すように、
ほぼ対称な特性を示す。しかし、この電流―電圧特性は
電圧閾値が小さく、高い表示品質、すなわち良好なコン
トラストを得ることは難しい。さらにまたこのTa―T
25 ―Ta(またはCr)構造では、画素部の表示
電極部は、第2の導電層であるTaあるいはCrとは別
に、ITO等の透明電極膜で形成しなければならず、最
低3回のパターニング工程を必要とする。
【0016】また図4における曲線53、曲線54は、
Ta−Ta25 −ITOの構造を有するMIM素子の
電流−電圧特性であり、プラス電圧側とマイナス電圧側
とで極めて大きな非対称性を示す。しかしTa―Ta2
5 ―ITO構造における電圧閾値は、充分大きく表示
品質はTFTと同等のものが得られる。
【0017】曲線51、曲線52に示すMIM素子部と
画素部である表示電極部とを、同一の透明電極膜である
ITO等の導電層で形成するMIM素子構造において
は、2回のパターニング工程でMIM素子が形成可能で
あり、コスト、歩留りの点で魅力が大きい。しかし、こ
のTa―Ta25 ―ITO構造の電流―電圧特性にお
ける非対称性の大きなMIM素子は、駆動方法を工夫す
れば使用は不可能ではないが、駆動回路上の負担が大き
く、しかも調整が困難であり問題が大きい。
【0018】非対称な電流―電圧特性を有するMIM素
子を用いて対称な特性を得る方法としては、2つのMI
M素子を直列逆方向に接続する、いわゆるバック・トゥ
・バック構造がある。これを図5の等価回路図を用いて
説明する。
【0019】図5(a)は、通常の単体のMIM素子で
あるが、図5(b)に示すように、単体の第1のMIM
素子58と第2のMIM素子59とを背中合わせに2つ
直列に接続した構造を、バック・トゥ・バック構造と呼
ぶ。
【0020】図5(b)に示すバック・トゥ・バック構
造では、配線電極55と、中間電極56と、画素電極5
7との3つの独立のノードが存在する。
【0021】陽極酸化法を用いて絶縁膜を形成する場合
は、配線電極55のみが外部に接続することができる。
このため中間電極56と画素電極57との間の第2のM
IM素子59を、陽極酸化処理では形成することはでき
ない。したがって、陽極酸化法によってバック・トゥ・
バック構造を有するMIM素子を形成することは不可能
である。
【0022】本発明の目的は、上記課題を解決して、陽
極酸化法を使用してMIM素子のバック・トゥ・バック
構造を実現することが可能な、MIM素子の構造と、そ
の製造方法とを提供することにある。それにより高い電
圧閾値による良好な表示品質と、対称な電流−電圧特性
を持ったMIM素子を簡単な製造工程で実現可能とす
る。
【0023】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するため
に、本発明においては、下記記載の構造と製造方法とを
採用する。
【0024】本発明におけるMIM素子の構造は、第1
の導電層と、この第1の導電層を陽極酸化して形成する
絶縁層と、第2の導電層とからなるMIM素子におい
て、第1の導電層のパターン形状は、配線部と、MIM
素子部と、この配線部とMIM素子部との間に設ける隘
路部とを有する。
【0025】本発明におけるMIM素子の製造方法は、
第1の導電層と、この第1の導電層を陽極酸化して形成
する絶縁層と、第2の導電層とからなるMIM素子の製
造方法において、第1の導電層のパターン形状は、配線
部と、MIM素子部と、この配線部とMIM素子部との
間に設ける隘路部とを有し、この隘路部の第1の導電層
を完全に酸化することにより配線部とMIM素子部とを
絶縁分離する工程を有する。
【0026】
【実施例】以下、本発明の実施例について図面を参照し
ながら詳細に説明する。まず本発明におけるMIM素子
の構造を、図1の平面図を用いて説明する。
【0027】図1(a)に示すように、第1の導電層3
0からなる配線部25とMIM素子部27との間に、隘
路部26を設ける。第1の導電層30からなる隘路部2
6の幅寸法は、1〜3ミクロン程度とする。この幅寸法
が細い隘路部26を酸化してMIM素子を形成するMI
M素子部27と配線部25とを絶縁分離する。
【0028】次に上記のMIM素子の構造を製造するた
めの製造工程を、図1と図6とを用いて説明する。図
1、図6は本発明のMIM素子の製造方法における製造
工程を説明するための平面図と断面図である。
【0029】まず図6(a)に示すように、Ta等の陽
極酸化処理が可能な金属層を第1の導電層15として、
基板上の全面に形成する。
【0030】続いて図6(b)に示すように、第1の導
電層15の上面に絶縁層16を形成する。この絶縁層1
6の形成は、クエン酸等の溶液中で、陽極酸化を行うこ
とにより絶縁層16を形成する。この第1回目の陽極酸
化処理で形成した絶縁層16がMIM素子の絶縁層
(I)となる。
【0031】続いて図6(c)に示すように、絶縁層1
6上に形成した感光性材料であるレジスト18をマスク
にして、絶縁層16と第1の導電層15とをエッチング
して配線部21と隘路部22とMIM素子部23とを形
成する。これらの平面パターン形状は、図1(a)に示
すように、第1の導電層30からなる配線部25と、M
IM素子部27と、これらの配線部25とMIM素子部
27とを連結する隘路部26とを有する形状になる。な
おこのパターニング工程で使用したレジスト18は、図
6(c)に示すように、剥離せずに残しておく。
【0032】続いて図6(d)に示すように、クエン酸
等の溶液中で第2回目の陽極酸化処理を行う。このクエ
ン酸の溶液中で、図1(a)に示す、配線部25を通じ
て正の電圧を印加することにより、第1の導電層30を
陽極酸化する。このとき、第1の導電層15の上面はレ
ジスト18に被覆されている。このため、陽極酸化は第
1の導電層15の側面から進行し、第1の導電層15の
側面部に側面酸化部19が形成され、最後にはもっとも
幅の細い隘路部22が完全に酸化される。
【0033】この結果、図1(b)に示すように、MI
M素子部27の中間電極35と、配線部25の第1の配
線電極36とは、第1の導電層30を陽極酸化して形成
した絶縁性を有する隘路部26、すなわち側面酸化部3
1によって絶縁分離される。この隘路部26の第1の導
電層30が完全に酸化された段階で、MIM素子部27
の側面酸化を行う第2回目の陽極酸化処理を停止する。
【0034】次に図6(e)に示すように、陽極酸化の
マスクとして用いたレジスト18を剥離する。
【0035】最後に図6(f)に示すように、ITO等
の透明導電膜からなる第2の導電層17を形成し、この
第2の導電層17を所定形状にパターニングする。第2
の導電層17の平面パターン形状は、図1(c)に示す
ように、第2の導電層32からなる第2の配線電極37
と画素電極38とを有し、この第2の配線電極37と中
間電極35とが絶縁層を挟んで第1のMIM素子33を
構成し、この画素電極38と中間電極35とが絶縁層を
挟んで第2のMIM素子34を構成し、全体としてバッ
ク・トゥ・バック構造を実現する。
【0036】図1と図6とを用いて説明した第1の実施
例では、第2の導電層17をITO等の透明導電膜の単
一層で構成したが、第2の導電層17としては薄膜金属
膜とITOとの多層膜や、他の透明導電膜を使っても良
いし、もちろんMIM素子上の電極と画素電極とを異な
る材料で構成しても構わない。
【0037】図7(a)は第1の実施例で用いた画素構
成を示す等価回路である。単位画素は走査線(またはデ
ータ線)62と、データ線(または走査線)61との間
に、第1のMIM素子63と第2のMIM素子64とか
らなるバック・トゥ・バック構成の非線形スイッチング
素子を液晶65に接続した構成となっている。
【0038】一方、図7(b)に示すような画素構成も
可能である。すなわち第1のMIM素子63と第2のM
IM素子64とからなる、バック・トゥ・バック構成の
非線形スイッチング素子の一端には、液晶68と、付加
容量70とを接続している。さらにバック・トゥ・バッ
ク構成の非線形スイッチング素子の他端は、データ線6
7に接続し、付加容量70の他端は走査線66に接続
し、液晶68の他端は対向電極69に、それぞれ接続し
ている。
【0039】この図7(b)に示すような付加容量70
を有するMIM型アクティブマトリクス素子は、液晶6
8の容量が小さな微細画素の液晶表示装置でも充分駆動
可能である。またさらに、液晶の容量の電圧依存性の影
響を低減できるメリットを持つ。さらに、対向基板上の
パターニングが不要である点も有利である。特にカラー
表示においては、対向基板のカラーフィルタ上のパター
ニングが不要な点は、製造上のメリットが大きい。
【0040】この図7(b)の等価回路図に示す画素構
成の製造方法を次に説明する。図8、図9は本発明のM
IM素子構造と製造方法における第2の実施例を示す断
面図と平面図である。
【0041】まず完成パターン形状を示す図9(c)を
用いて画素構成を説明する。
【0042】図7(b)に示す走査線66が、図9に示
す第1の配線電極87に対応し、以下同様に、データ線
67が第2の配線電極92、液晶68の一方の電極が画
素電極93、第1のMIM素子63と第2のMIM素子
64が第1のMIM素子90と第2のMIM素子91、
付加容量70が付加容量部89にそれぞれ対応する。
【0043】第1のMIM素子90と第2のMIM素子
91との中間電極88は、第1の実施例と同様、側面陽
極酸化により絶縁化した隘路部83によって、第1の配
線電極87から分離された孤立電極パターンとなってい
る。
【0044】また、付加容量部89は、第1の配線電極
87と、この第1の配線電極87上の絶縁膜と、第1の
配線電極87上の絶縁膜の上に張り出して形成した画素
電極93とで構成する。
【0045】ここで第1のMIM素子90、第2のMI
M素子91と付加容量部89とは、いずれも第1の導電
層と第2の導電層の間に絶縁膜が挟まれた同一のMIM
構造をしている。
【0046】しかし、第1のMIM素子90、第2のM
IM素子91と付加容量部89とのMIM構造における
絶縁膜の膜質、膜厚が同じではアクティブマトリクス駆
動はできない。
【0047】ここで、MIM素子の面積、厚さ、容量、
電流量を、それぞれS(MIM)、d(MIM)、C
(MIM)、I(MIM)とする。さらに、付加容量の
面積、厚さ、容量、電流量を、それぞれS(C)、d
(C)、C(C)、I(C)とする。
【0048】MIM素子はスイッチング素子でON状態
では電流を流す必要があり、付加容量はリークしてはな
らないことから、以下の関係が必要である。 I(MIM)>I(C) (1)
【0049】もし上記(1)式の関係が満足できない場
合、画素電極に貯まるべき電荷は、付加容量を通じて逃
げてしまい、液晶の駆動に問題が生ずる。
【0050】また次の関係も必要である。 C(MIM)<C(C) (2)
【0051】上記の(2)式のように、付加容量の容量
がMIM素子の容量より大きくない場合、画素電極の電
位はMIM素子容量にカップルして、データ線の電位変
動に応じて変動してしまい、液晶に一定の電圧を印加す
ることができなくなる。
【0052】MIM素子と付加容量との絶縁膜の膜厚、
膜質が等しかった場合、 I(MIM)/S(MIM)=I(C)/S(C) (3) C(MIM)/S(MIM)=C(C)/S(C) (4) (1)式と(3)式より S(MIM)>S(C) (5) (2)式と(4)式より S(MIM)<S(C) (6) でお互いに矛盾する。したがって、MIM素子と付加容
量との絶縁膜の膜厚と膜質が同じであってはならない。
【0053】MIM素子の絶縁膜の伝導機構が、プール
・フェレンケル伝導であった場合、電流は膜厚に大きく
依存する。付加容量の絶縁膜の膜厚がMIM素子の絶縁
膜の膜厚の数倍あれば、電流は数桁低くなる。よって例
えば d(C)/d(MIM)=2〜5 (7) S(C)/S(MIM)=10〜100 (8) とすれば I(MIM)/I(C)>1〜1000 (9) C(C)/C(MIM)>2〜20 (10) となって(1)式、(2)式の関係を充分満足すること
ができる。以上のように、付加容量部の絶縁膜の膜厚
は、MIM素子部の絶縁膜の膜厚の数倍あることが要求
される。
【0054】本実施例は以上の考察に鑑み第1、第2、
および第3の3段階の陽極酸化処理工程を有する。第1
の陽極酸化工程では、MIM素子の絶縁膜を形成する。
第2の陽極酸化工程は、バック・トゥ・バック構造実現
のための中間電極分離のための側面酸化に用いられる。
第3の陽極酸化工程は、付加容量のための絶縁膜の膜厚
増加に用いられる。
【0055】これらの3段階の陽極酸化処理工程によっ
て、図7(b)に示す画素構造を、わずか2枚のフォト
マスクで実現している。この製造工程を図8の断面図と
図9の平面図とを用いて説明する。
【0056】まず図8(a)に示すように、Ta等の陽
極酸化可能な金属層を第1の導電層15として、基板上
の全面に形成する。
【0057】続いて図8(b)に示すように、MIM素
子の絶縁層を形成するための第1の陽極酸化工程を行
い、第1の導電層15の上面に絶縁層16を形成する。
この絶縁層16の形成は、クエン酸などの溶液中で陽極
酸化を行うことにより、絶縁層16を形成する。この第
1の陽極酸化処理工程で形成した絶縁層16がMIM素
子の絶縁層(I)となる。
【0058】続いて図8(c)に示すように、絶縁層1
6の上に形成したレジスト18をエッチングマスクにし
て、絶縁層16と第1の導電層15とをエッチングし
て、配線部21と隘路部22とMIM素子部23とを形
成する。これらの平面パターン形状は、図9(a)に示
すように、第1の導電層81からなる配線部82と、M
IM素子部84と、この配線部82とMIM素子部84
とを連結する隘路部83と、第1の導電層81と分離し
独立したバックアップ配線部85とを有する形状にパタ
ーニングする。なおこの第1の導電層81のパターニン
グ工程で使用したフォトレジスト18は、図8(c)に
示すように、剥離せずに残しておく。
【0059】続いて図8(d)に示すように、素子を絶
縁分離するための第2の陽極酸化処理を実施する。第2
の陽極酸化処理は、クエン酸等の溶液中で、図9(a)
に示す、配線部82を通じて正の電圧を印加することに
より、第1の導電層81を陽極酸化する。このとき、第
1の導電層15の上面はレジスト18に被覆されている
ため、陽極酸化は側面から進行し、図8(d)に示すよ
うに、側面酸化部19が形成され、最後にはもっとも細
い隘路部83が完全に酸化される。
【0060】この結果、図9(b)に示すように、MI
M素子部84の中間電極88と、配線部82の第1の配
線電極87とは、絶縁性を有する隘路部83、すなわち
側面酸化部86によって絶縁分離される。なおこの第2
の陽極酸化処理工程では、第1の配線電極87と独立分
離して形成されたバックアップ配線部85は、電流供給
されないため陽極酸化されずに金属面のまま残る。この
隘路部83の第1の導電層81が完全に酸化された段階
で、MIM素子部84の側面酸化を行う第2回目の陽極
酸化処理を停止する。
【0061】その後図8(e)に示すように、レジスト
18を剥離する。次に図9(c)に示す、付加容量部8
9を形成するための第3の陽極酸化処理工程を行う。第
1の配線電極87を通じて、クエン酸溶液中で正の電圧
を印加することにより、第1の配線電極87上のみが陽
極酸化され、最終的にMIM素子の絶縁膜よりも充分に
厚い上面酸化部20が、第1の導電層15の上面に形成
される。
【0062】図9(c)に示す、この付加容量部89も
構造的にはMIM素子部23と同じMIM構造であり、
前述のように絶縁膜が薄いと電流が流れ、付加容量とい
うよりはスイッチング素子として機能してしまう。よっ
てこの第3の陽極酸化処理工程によって、リーク電流を
抑えることが重要である。
【0063】最後に図8(f)に示すように、ITO等
の透明電極膜からなる第2の導電層17を全面に形成
し、フォトエッチング技術を用いて第2の導電層17を
パターニングする。
【0064】第2の導電層17の平面パターン形状は、
図9(c)に示すように、ITOなどの透明導電膜から
なる第2の配線電極92と画素電極93とを有し、この
第2の配線電極92と中間電極88とが絶縁層を挟ん
で、第1のMIM素子90を構成し、さらにこの画素電
極93と中間電極88とが絶縁層を挟んで第2のMIM
素子91を構成し、全体としてバック・トゥ・バック構
造を実現する。
【0065】さらに第2の配線電極92は、第1の配線
電極87と分離独立して形成されているため、陽極酸化
されないバックアップ配線部85の上面に接続してい
る。このバックアップ配線部85は、必ずしも必要では
ないが、配線抵抗を下げ、断線欠陥確率を低減すること
が可能である。
【0066】さらに画素電極93は、第1の陽極酸化工
程および第3の陽極酸化工程で形成された絶縁膜を介し
て第1の配線電極87上にオーバラップしてパターニン
グされ、付加容量部89を形成している。
【0067】以上の説明ように、配線部とMIM素子部
との間に隘路部を設け、この隘路部の導電層を完全に酸
化して絶縁化する本発明では、配線部とMIM素子部と
を絶縁分離することが可能となる。さらにそのうえ、配
線部の独立の陽極酸化が可能であり、配線部に付加容量
を形成できるという特徴をがある。さらに付加容量部を
形成したMIM素子アクティブマトリクスの構造を2枚
のフォトマスクで実現することが可能である。
【0068】
【発明の効果】本発明によれば、従来困難であった陽極
酸化法を用いたMIM素子のバック・トゥ・バック構造
が、2枚のフォトマスクを用いたパターニング工程とい
う非常に簡単な方法で可能となり、従来と比べ高い電圧
閾値と対称な電流−電圧特性を有するアクティブマトリ
クス用のスイッチング素子が実現できる。その結果コン
トラストや視野角が改善され、フリッカや画像焼き付き
等の問題が低減される。
【0069】さらにそのうえ、付加容量部を備えたMI
M素子アクティブマトリクスも、2枚のフォトマスクを
用いたパターニング工程で実現可能となる。この結果、
液晶画素の電荷保持特性が不充分な微細パターン画素等
の用途でも充分な特性を得ることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1の実施例におけるMIM素子の構
造とその製造方法とを示す平面図である。
【図2】従来の代表的なMIM素子の製造方法における
製造工程を工程順に示す断面図である。
【図3】従来の代表的なMIM素子の構造とその製造方
法とを示す平面図である。
【図4】代表的なMIM素子の電流−電圧特性を示すグ
ラフである。
【図5】単体MIM素子とバック・トゥ・バック構造の
MIM素子とを示す等価回路図である。
【図6】本発明の第1の実施例におけるMIM素子の製
造方法を製造工程順に示す断面図である。
【図7】本発明の実施例で用いる画素構成を示す等価回
路図である。
【図8】本発明のMIM素子の製造方法の第2の実施例
における製造工程を工程順に示す断面図である。
【図9】本発明の第2の実施例におけるMIM素子の構
造とその製造方法を製造工程順に示す平面図である。
【符号の説明】
15 第1の導電層 16 絶縁層 17 第2の導電層 21 配線部 22 隘路部 23 MIM素子部

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 第1の導電層と、該第1の導電層を陽極
    酸化して形成する絶縁層と、第2の導電層とからなるM
    IM素子において、前記第1の導電層のパターン形状
    は、配線部と、MIM素子部と、該配線部と該MIM素
    子部との間に設ける隘路部とを有することを特徴とする
    MIM素子。
  2. 【請求項2】 MIM素子部には少なくとも2個のMI
    M素子を設け、該MIM素子が互いにバック・トゥ・バ
    ック接続することを特徴とする請求項1に記載のMIM
    素子。
  3. 【請求項3】 第1の導電層と、該第1の導電層を陽極
    酸化して形成する絶縁層と、第2の導電層とからなるM
    IM素子の製造方法において、前記第1の導電層のパタ
    ーン形状は、配線部と、MIM素子部と、該配線部と該
    MIM素子部との間に設ける隘路部とを有し、該隘路部
    の第1の導電層を完全に酸化することにより前記配線部
    とMIM素子部とを絶縁分離する工程を有することを特
    徴とするMIM素子の製造方法。
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