JPH05272297A - パネル据付機 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【目的】トンネル内壁にパネル据付を行うため、姿勢、
位置調整が容易に行えるパネル据付機を提供する。 【構成】自走式下部走行体１上に旋回装置を２介して上
部旋回体３を設置する。上部旋回体３の前部に前後に傾
動自在にマスト６を取付ける。マスト６にそって昇降自
在にホークリフト式昇降装置９を取付ける。昇降装置９
にパネル保持装置７を取付ける。パネル保持装置７は、
パネルホルダ８の左右位置を調整する装置と、パネルホ
ルダ８の水平旋回装置と、パネルホルダの傾斜装置とを
備える。

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】本発明は、トンネル内の側面およ
び天井にパネルを据え付けるパネル据付機に関する。

【０００２】

【従来の技術】トンネル工事を行う場合、トンネル掘削
後にモルタルをトンネルの内壁に吹き付けて硬め、その
上に例えばコンクリート製のパネルをトンネル内壁に据
え付ける作業を行う。このパネル据え付けを行う従来機
械として、例えば実開平１−９３３００号公報に記載の
ものがある。この従来のパネル据付機は、自走式の走行
装置の前部に、昇降可能にかつ水平面に対して傾斜可能
にエレクター装置を取付け、該エレクター装置にパネル
保持手段を持たせ、その保持手段を水平方向に移動さ
せ、かつ、鉛直方向に沿う軸線を中心として回動させる
ように構成してなるものである。

【０００３】

【発明が解決しようとする課題】このように従来構造の
パネル据付機は、走行装置の前部に昇降可能にかつマス
トの傾斜により傾斜されるようにエレクター装置を取付
けており、パネルの傾きの調整は、該マストの傾斜角度
の調整によって行われるので、パネルの傾斜の微調整が
困難であり、また、パネル据付のたびごとに車体の走行
により車体の向きを変更しなければならないので、操作
が面倒であり、かつ水平方向の角度の微調整が困難であ
るという問題点があった。

【０００４】本発明は、上記問題点に鑑み、パネル据付
のための姿勢、位置調整が容易に行えるパネル据付機を
提供することを目的とする。

【０００５】

【課題を解決するための手段】この目的を達成するた
め、本発明は、トンネル内の側面および天井にパネルを
据え付けるパネル据付機において、自走式下部走行体上
に旋回装置を介して上部旋回体を設置し、該上部旋回体
の前部に前後に傾動自在にマストを取付け、該マストに
そって昇降自在にホークリフト式昇降装置を取付け、該
昇降装置にパネル保持装置を取付け、該パネル保持装置
は、パネルホルダの左右位置調整装置と、パネルホルダ
の水平旋回装置と、パネルホルダの傾斜装置とを備えた
ことを特徴とする。

【０００６】

【作用】本発明のパネル据付機は、上述のように構成さ
れているので、パネルを据え付ける際には、パネルホル
ダにパネルを結合し、下部走行体上による走行と旋回装
置の作動によりパネルの向きと概略の位置合わせを行
い、マストを鉛直にし、ホークリフト式の昇降装置を作
動させてパネルを上昇させ、さらに、ホークリフト式昇
降装置全体を油圧シリンダ等によりマストにそって上昇
させることにより、パネルホルダに保持されているパネ
ルを上昇させ、パネル保持装置の旋回装置、傾斜装置、
左右位置調整装置を作動させてパネルの位置、向き、傾
斜を調整してパネルの姿勢、位置を微調整し、トンネル
内壁に合わせて固定する。

【０００７】

【実施例】図１は本発明によるパネル据付機の一実施例
を作業状態で示す正面図、図２は作動状態を示す側面図
である。また、図３は本実施例のパネル据付機の側面
図、図４は平面図、図５はフロントアタッチメントの正
面図である。

【０００８】図１〜図５に示すように、該パネル据付機
は、駆動装置付きのホイール式または図示のような無限
履帯からなる下部走行体１上に、旋回装置２を介して上
部旋回体３を設置した例えば油圧ショベルの本体に使用
される自走式作業車本体をベースマシンとし、これに本
発明のフロントアタッチメントＡを取付ける。フロント
アタッチメントＡは、その取付け枠４を有し、該取付け
枠４は、上部旋回体３にブームおよびブームシリンダ取
付け用ピン穴を利用してピンにより取付けられる。

【０００９】取付け枠４には、ピン６ｅを中心として、
油圧式チルトシリンダ５の伸縮によって例えば前方に４
度、後方に８度傾斜させることができるように、マスト
６が傾動自在に取付けられる。マスト６は、左右のコ字
形チャンネル６ａ、６ｂ間を上下の結合板６ｃ、６ｄで
結合した構造を有している。

【００１０】７はパネルＰを保持するパネルホルダ８を
上面に取付けたパネル保持装置、９は該パネル保持装置
７を取付けたホークリフト式の昇降装置である。フォー
クリフト式の昇降装置９は、前記マスト５内に昇降自在
に装着された外枠１０と、外枠１０内に昇降自在に装着
された内枠１１とを有し、前記パネル保持装置７の基枠
１２は、内枠１１に沿って昇降自在に装着されている。

【００１１】１３は前記マスト６の下部結合板６ｃと前
記ホークリフト式昇降装置９の外枠１０との間に取付け
た油圧式上下シリンダであり、昇降装置９をマスト６に
沿って昇降させるものである。

【００１２】１４はホークリフト式昇降装置９の内枠１
１と外枠１０に対して昇降させる油圧式リフトシリンダ
である。内枠１１の上部にはスプロケット１５を取付け
られ、昇降装置９の側面図である図６に示すように、該
スプロケット１５に掛けたチェーン１６の一端を外枠１
０の下部に結合（１７）し、他端を前記パネル保持装置
７の基枠１２に結合（１８）している。従って、リフト
シリンダ１４を伸長させると、外枠１０に対して内枠１
１が上昇すると同時に、スプトケット１５の上昇によ
り、チェーン１６によりパネル保持装置７が引上げら
れ、パネル保持装置７の基枠１２は、内枠１１に沿って
上昇する。この場合、パネル保持装置７の上昇量はリフ
トシリンダ１４の伸長量の２倍となる。リフトシリンダ
１４を収縮させると、パネル保持装置７は自重により下
降する。

【００１３】次にパネル保持装置７について、図３〜図
５、および図３のＥ−Ｅ断面図である図７（Ａ）と、図
３のＦ−Ｆ断面の一部である図７（Ｂ）により説明す
る。図３および図７（Ａ）に示すように、基枠１２には
その前後に左右に向けて２本のガイドロッド２０が平行
に取付けてあり、スライド板２１の下面に設けた軸受２
２をガイドロッド２０に摺動自在に嵌合している。ま
た、基枠１２の前後方向の中央には、スライド板２１の
位置調整用の油圧式左右スライドシリンダ２３がその中
央部をピン２４により連結して左右の向きにし、かつ両
端から突出したロッド２５をスライド板２１にピン２６
により連結して取付けられている。従って、左右スライ
ドシリンダ２３の左右の油室のいずれかに圧油を供給す
ることにより、ロッド２５が左行または右行してスライ
ド板２１がガイドロッド２０に沿って移動する。

【００１４】スライド板２１上には旋回装置２８が設置
されている。該旋回装置２８は、固定輪２９をスライド
板２１上に固定し、旋回輪３０を該固定輪２９に油圧式
旋回モータ３１により３６０度旋回されるように設置し
ている。

【００１５】旋回装置２８の旋回輪３０上には回転テー
ブル３２が固定され、該回転テーブル３２上には前記パ
ネルホルダ８が、ピン３３を中心として油圧式スイング
シリンダ３４により傾動されるように取付けられてい
る。

【００１６】パネルを据え付ける際には、図１のように
パネルホルダ８にパネルＰを載置し、パネルホルダ８に
設けた結合穴部８ａ（図４参照）に、パネルＰに固定し
てあるボルトを挿通してナットでパネルホルダ８上に固
定し、下部走行体１の作動により搬送し、パネルＰを取
付けるべき位置に達すると走行を停止し、旋回装置２を
作動させることにより上部旋回体３を旋回させてパネル
Ｐの向きを取付け方向に合わせ、チルトシリンダ５を作
動させてマスト６を鉛直にし、ホークリフト式の昇降装
置９のリフトシリンダ１４を伸長させてパネル保持装置
７をパネルＰと共に内枠１１の頂部まで上昇させ、さら
に、上下シリンダ１３を図２のａ位置からｂ位置に伸長
させることにより、パネル保持装置７をｃの位置からｄ
位置に持ち上げることにより、パネルホルダに保持され
ているパネルを上昇させ、パネルＰがトンネル内壁に近
接したところでパネル保持装置８の旋回装置２８、スイ
ングシリンダ３４、左右スライドシリンダ２３を作動さ
せてパネルの左右位置、向き、傾斜を微調整してパネル
Ｐを取付けるべき位置に合わせて固定する。

【００１７】上述の作業において、図４に示すように、
パネルＰの向きの調整は、作業機自体の旋回装置２によ
る矢印Ｒで示す旋回動作と、パネル保持装置７の旋回装
置２８の作動によるパネル保持装置７の矢印ｒで示す旋
回動作によって容易にかつ正確に行える。また、図１に
示すように、下部走行体１の向きをトンネルＴの向きに
したままでパネル据付ができるので、前記した従来の据
付機のように、車体をトンネルＴの側面に向ける必要が
なく、位置調整が容易となる。また、パネル保持装置７
は、上下シリンダ１３のみならず、リフトシリンダ１４
とチェーン１６とを用いたホークリフト式昇降装置によ
って大きな高低差で昇降できるようにしたので、小型の
ベースマシンを使用した場合であっても、高い位置にパ
ネルＰを据え付けることが可能となる。

【００１８】図８はパネルホルダ８Ａの他の例を示す平
面図であり、パネルホルダ８Ａに矢印Ｘに示す前後方向
に（すなわち、トンネル壁面にパネルＰを合わせるため
のスイングシリンダ３４によるパネルホルダ８Ａの傾動
により描かれる面に直角をなす方向）に位置調整自在に
パネル結合具８ｅを取付けたものである。すなわち、ス
イングシリンダ３４で傾斜されるフレーム８ｂ上の左右
に搭載したガイド筒８ｃに摺動自在に内筒８ｄを嵌合
し、各内筒８ｄの前後にボルト挿通穴８ａを有するパネ
ル結合具８ｅを固定すると共に、各内筒８ｄの前後端に
フック８ｆを設け、前記ガイド筒８ｃに固定したナット
８ｇにねじ込むボルト８ｈを内筒８ｄに押しつけること
により、内筒８ｄがガイド筒８ｃに固定されるように構
成したものである。

【００１９】この構造によれば、前記フック８ｆに、既
設のパネル等に固定したチェーンブロックのチェーンを
接続して引くことにより、パネルの前後の位置微調整
が、ベースマシンの走行によらず、手動により、正確か
つ容易に行える。

【００２０】

【発明の効果】請求項１によれば、据付機本体の旋回装
置とパネル保持装置の旋回装置からなる２つの旋回装置
の組合わせにより、パネルの向きを正確かつ容易に調整
でき、また、マストの傾斜装置やパネル保持装置に設け
たパネルホルダの傾斜装置により、パネルの傾斜角度も
取付け面に沿って容易に合わせることができる。また、
パネル保持装置の昇降手段として、昇降量拡大機構付き
のホークリフト式の昇降装置を用い、さらにその昇降装
置自体がマストに沿って昇降されるようにしたので、大
きな昇降幅が得られ、小型機械で大きなトンネルのパネ
ル据え付け工事を行うことが可能となる。また、ベース
マシン自体に旋回装置を有しているので、下部走行体の
向きをトンネルの方向に向けたままで作業を能率良く行
うことができる。

【００２１】請求項２によれば、パネルホルダに位置調
整自在にパネル搭載具を取付けたので、パネルの前後の
位置微調整が、ベースマシンの走行によらず、容易に行
える。

【図面の簡単な説明】

【図１】本発明によるパネル据付機の一実施例を作業状
態で示す正面図である。

【図２】本実施例のパネル据付機の作動状態を示す側面
図である。

【図３】本実施例のパネル据付機の側面図である。

【図４】本実施例のパネル据付機の平面図である。

【図５】本実施例のフロントアタッチメントの正面図で
ある。

【図６】本実施例のホークリフト式昇降装置の側面図で
ある。

【図７】（Ａ）、（Ｂ）はそれぞれ図３のＥ−Ｅ断面
図、Ｆ−Ｆ断面図である。

【図８】本発明におけるパネルホルダに対するパネル結
合具の取付け構造例を示す平面図である。

【符号の説明】 １ 下部走行体 ２ 旋回装置 ３ 上部旋回体 ４ 取付け枠 ５ チルトシリンダ ６ マスト ７ マスト保持装置 ８、８Ａ パネルホルダ ８ｅ パネル結合具 ９ ホークリフト式昇降装置 １０ 外枠 １１ 内枠 １２ 基枠 １３ 上下シリンダ １４ リフトシリンダ １５ スプロケット １６ チェーン ２０ ガイドロッド ２１ スライド板 ２２ 軸受 ２３ 左右スライドシリンダ ２８ 旋回装置 ３２ 回転テーブル ３３ ピン ３４ スイングシリンダ

フロントページの続き (72)発明者 白岩 督啓 東京都港区新橋一丁目８番３号 日本コン クリート工業株式会社内 (72)発明者 田中 正雄 東京都港区新橋一丁目８番３号 日本コン クリート工業株式会社内

Claims (2)

【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】トンネル内の側面および天井にパネルを据
   え付けるパネル据付機において、自走式下部走行体上に
   旋回装置を介して上部旋回体を設置し、該上部旋回体の
   前部に前後に傾動自在にマストを取付け、該マストにそ
   って昇降自在にホークリフト式昇降装置を取付け、該昇
   降装置にパネル保持装置を取付け、該パネル保持装置
   は、パネルホルダの左右位置調整装置と、パネルホルダ
   の水平旋回装置と、パネルホルダの傾斜装置とを備えた
   ことを特徴とするパネル据付機。
2. 【請求項２】請求項１において、前記パネル保持装置の
   パネルホルダに、前後位置調整自在にパネル結合具を取
   付けたことを特徴とするパネル据付機。