JPH05271943A - 硬質被覆層の密着性にすぐれた表面被覆Ti系炭窒硼化物基サーメット製切削工具 - Google Patents

硬質被覆層の密着性にすぐれた表面被覆Ti系炭窒硼化物基サーメット製切削工具

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JPH05271943A
JPH05271943A JP9711192A JP9711192A JPH05271943A JP H05271943 A JPH05271943 A JP H05271943A JP 9711192 A JP9711192 A JP 9711192A JP 9711192 A JP9711192 A JP 9711192A JP H05271943 A JPH05271943 A JP H05271943A
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carbonitride
hard
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Hironori Yoshimura
寛範 吉村
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 硬質被覆層の密着性にすぐれた表面被覆(T
i,M)CNB基サーメット製切削工具を提供する。 【構成】 0.2〜4重量%のBを含有する(Ti,
M)CNBを主成分とする硬質分散相:70〜95重量
%を含有し、残りがCoとNiのうちの1種または2種
を主成分とする結合相からなる組成を有する(Ti,
M)CNB基サーメットの基体と、この基体の表面に、
0.5〜20μm平均層厚で形成され、かつTiC、T
iN、TiB2 、およびTiO2 、並びにこれらの2種
以上の固溶体、さらにAl2 3 のうちの1種の単層ま
たは2種以上の複層で構成された硬質被覆層からなる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】この発明は、基体表面に対する硬
質被覆層の密着性にすぐれた表面被覆Ti系炭窒硼化物
基サーメット製切削工具に関するものである。
【0002】
【従来の技術】従来、一般に、例えば特開昭63−13
4654号公報に記載されるように、基体が、Ti系炭
窒化物[以下、(Ti,M)CNで示す]を主成分とす
る硬質分散相:70〜95%、を含有し、残りがCoと
Niのうちの1種または2種を主成分とする結合相、か
らなる組成(以上重量%、以下%は重量%を示す)を有
する(Ti,M)CN基サーメット、で構成され、上記
基体の表面に0.5〜20μmの平均層厚で形成される
硬質被覆層が、Tiの炭化物、窒化物、硼化物、および
酸化物(以下、それぞれTiC,TiN,TiB2 ,お
よびTiO2 で示す)、並びにこれらの2種以上の固溶
体(例えばTiCN、TiCNO、およびTiCNBな
ど)、さらに酸化アルミニウム(以下、Al2 3 で示
す)のうちの1種の単層または2種以上の複層、で構成
された表面被覆(Ti,M)CN基サーメット製切削工
具が、例えば鋼などの切削に用いられていることは良く
知られるところである。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】一般に、鋼の切削は切
込み量を約1.5mm程度とした条件で行なっているが、
近年の切削加工の高精密度化に伴ない、切込み量を0.
5mm以下とした条件での切削が要求される傾向にあり、
このように切込み量を小さくすると、切粉が工具切刃に
溶着し易くなり、切粉の溶着量が多くなると、切削中に
この溶着切粉が切刃から剥し取られる際に、硬質被覆層
がこれと一緒に剥し取られてしまい、これが原因で短か
い使用寿命しか示さないのが現状である。
【0004】
【課題を解決するための手段】そこで、本発明者は、上
述のような観点から、上記従来表面被覆(Ti,M)C
N基サーメット製切削工具に着目し、これを構成する硬
質被覆層の基体表面に対する密着性の向上をはかるべく
研究を行なった結果、上記従来表面被覆(Ti,M)C
N基サーメット製切削工具において、基体の(Ti,
M)CN基サーメットを構成する硬質分散相を、上記
(Ti,M)CNに0.2〜4%のボロン(B)を固溶
含有させてなるTi系炭窒硼化物[以下、(Ti,M)
CNBで示す]を主成分とする硬質分散相で構成する
と、上記(Ti,M)CNBの作用で硬質被覆層の基体
表面に対する密着性が一段と向上するようになり、この
結果通常の鋼切削条件では勿論のこと、切込み量を0.
5mm以下とした切削条件でも硬質被覆層が切刃溶着切粉
と一緒に剥し取られることがなくなり、硬質被覆層の剥
離が原因の使用寿命の短命化が防止されるようになると
いう研究結果を得たのである。
【0005】この発明は、上記の研究結果にもとづいて
なされたものであって、(Ti,M)CNを主成分とす
る硬質分散相:70〜95%、を含有し、残りがCoお
よびNiのうちの1種または2種を主成分とする結合相
からなる組成を有する(Ti,M)CN基サーメットの
基体表面に、TiC,TiN,TiB2 ,およびTiO
2 、並びにこれらの2種以上の固溶体、さらにAl2
3 のうちの1種の単層または2種以上の複層からなる硬
質被覆層を0.5〜20μmの平均層厚で形成してなる
表面被覆(Ti,M)CN基サーメット製切削工具にお
いて、上記基体の(Ti,M)CN基サーメットを構成
する硬質分散相を、上記(Ti,M)CNに0.2〜4
%のBを固溶含有させてなる(Ti,M)CNB、望ま
しくは、(a) Tiの炭窒硼化物、(b) Tiと、
Ta、Nb、W、およびMoのうちの1種または2種以
上との複合炭窒硼化物、(c) Tiと、Ta、Nb、
W、およびMoのうちの1種または2種以上と、Zr、
Hf、V、およびCrのうちの1種または2種以上との
複合炭窒硼化物、以上(a)〜(c)のうちのいずれか
の(Ti,M)CNBを主成分とする硬質分散相で構成
してなる硬質被覆層の密着性にすぐれた表面被覆(T
i,M)CNB基サーメット製切削工具に特徴を有する
ものである。
【0006】なお、この発明の切削工具の基体を構成す
るサーメットの構成成分である(Ti,M)CNBのB
含有量を0.2〜4%と定めたのは、その含有量が0.
2%未満では硬質被覆層の基体表面に対する密着性に所
望の向上効果が得られず、一方、その含有量が4%を越
えると硬さが低下し、サーメット自体の耐摩耗性低下の
原因となるという理由にもとづくものである。
【0007】また、この発明の切削工具の基体を構成す
るサーメットの硬質分散相の含有量を70〜95%とし
たのは、その含有量が70%未満では結合相の含有量が
実質的に30%を越えて多くなりすぎ、耐摩耗性の低下
は避けられず、一方その含有量が95%を越えて多くな
ると、結合相の含有量が実質的に5%未満となってしま
い、耐欠損性の低下が著しくなるという理由からであ
る。
【0008】さらに、硬質被覆層の形成に関し、一般に
物理蒸着法(PVD法)で形成した場合には切削工具の
耐摩耗性と耐欠損性が向上し、この場合平均層厚は1〜
6μmとするのがよく、一方化学蒸着法(CVD法)に
よれば、耐摩耗性により一段の向上効果が見られる硬質
被覆層の形成が可能となり、この場合には3〜10μm
の平均層厚とするのが望ましく、したがって必要に応じ
て上記の硬質被覆層形成手段をとればよい。
【0009】
【実施例】つぎに、この発明の切削工具を実施例により
具体的に説明する。原料粉末として、いずれも1〜1.
5μmの平均粒径を有する、TiC粉末、TiN粉末、
TiC0.7 0.3 (TiC/TiN:重量比で70/3
0、以下、TiCN(イ)という)粉末、TiC0.5
0.5 (TiC/TiN:重量比で50/50、以下Ti
CN(ロ)という)粉末、TiB2 粉末、B:1.8%
含有のTi(C0.450.450.1 )粉末、WC粉末、M
2 C粉末、TaC粉末、NbC粉末、VC粉末、Zr
C粉末、Cr3 2 粉末、HfC粉末、Co粉末、Ni
粉末、およびAl:31%含有のNi−Al合金粉末を
用意し、これら原料粉末を表1〜6に示される配合組成
に配合し、窒素雰囲気中、ボールミルで96時間粉砕混
合した後、1.5ton /cm2 の圧力でプレス成形して圧
粉体とし、ついでこの圧粉体を、1300℃までを真空
中で昇温した後、雰囲気を20torrの窒素雰囲気にかえ
て1550℃まで昇温し、この温度に1.5時間保持の
条件で焼結し、引続いてISO・SNGA120408
の形状に研磨することにより同じく表1〜6に示される
成分組成をもった本発明(Ti,M)CNB基サーメッ
ト基体(以下、本発明基体という)A〜R、並びに硬質
分散相の主体がBを含有しない(Ti,M)CNで構成
された従来(Ti,M)CN基サーメット基体(以下、
従来基体という)a〜rをそれぞれ製造し、さらにこれ
らの基体の表面にPVD法およびCVD法を用い、通常
の条件でそれぞれ表7〜9に示される組成および平均層
厚の硬質被覆層を形成することにより本発明表面被覆
(Ti,M)CNB基サーメット製切削工具(以下、本
発明被覆切削工具という)1〜18および従来表面被覆
(Ti,M)CN基サーメット製切削工具(以下、従来
被覆切削工具という)1〜18をそれぞれ製造した。
【0010】
【表1】
【0011】
【表2】
【0012】
【表3】
【0013】
【表4】
【0014】
【表5】
【0015】
【表6】
【0016】
【表7】
【0017】
【表8】
【0018】
【表9】
【0019】
【表10】
【0020】ついで、この結果得られた各種の被覆切削
工具について、 被削材:SNCM439(硬さ:260)の丸棒、 切削速度:250m/min.、 送り:0.25mm/rev.、 切込み:0.5mm、 切削時間:30分、 の条件で鋼の低切込み乾式連続切削試験を行ない、切刃
の逃げ面摩耗幅を測定した。これらの測定結果を表10
に示した。
【0021】
【発明の効果】表1〜10に示される結果から、本発明
被覆切削工具1〜18は、いずれも硬質被覆層の基体表
面に対する密着性がきわめて高いので、切込み量の小さ
い切削でも硬質被覆層が切粉溶着が原因で剥離すること
がなく、すぐれた耐摩耗性を示すのに対して、従来被覆
切削工具1〜18は、硬質被覆層の基体表面に対する密
着性が不十分なために、いずれも切削途中で硬質被覆層
が剥離を起し、使用寿命に至ることが明らかである。
【0022】上述のように、この発明の表面被覆(T
i,M)CNB基サーメット製切削工具は、硬質被覆層
の基体表面に対する密着性がきわめて高いので、通常の
条件での切削は勿論のこと、硬質被覆層に高い密着性が
要求される、例えば鋼の低切込み切削でも硬質被覆層に
剥離の発生なく、すぐれた耐摩耗性を長期に亘って発揮
するのである。

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 Ti系炭窒化物を主成分とする硬質分散
    相:70〜95重量%、を含有し、残りがCoおよびN
    iのうちの1種または2種を主成分とする結合相からな
    る組成を有するTi系炭窒化物基サーメットの基体表面
    に、 Tiの炭化物、窒化物、硼化物、および酸化物、並びに
    これらの2種以上の固溶体、さらに酸化アルミニウムの
    うちの1種の単層または2種以上の複層からなる硬質被
    覆層を0.5〜20μmの平均層厚で形成してなる表面
    被覆Ti系炭窒化物基サーメット製切削工具において、 上記硬質分散相を、上記Ti系炭窒化物に0.2〜4重
    量%のボロンを固溶含有させてなるTi系炭窒硼化物を
    主成分とする硬質分散相で構成したことを特徴とする硬
    質被覆層の密着性にすぐれた表面被覆Ti系炭窒硼化物
    基サーメット製切削工具。
  2. 【請求項2】 上記Ti系炭窒硼化物がTiの炭窒硼化
    物からなることを特徴とする上記請求項1記載の表面被
    覆Ti系炭窒硼化物基サーメット製切削工具。
  3. 【請求項3】 上記Ti系炭窒硼化物が、Tiと、T
    a、Nb、W、およびMoのうちの1種または2種以上
    との複合炭窒硼化物からなることを特徴とする上記請求
    項1記載の表面被覆Ti系炭窒硼化物基サーメット製切
    削工具。
  4. 【請求項4】 上記Ti炭窒硼化物が、Tiと、Ta、
    Nb、W、およびMoのうちの1種または2種以上と、
    Zr、Hf、V、およびCrのうちの1種または2種以
    上と、Zr、Hf、V、およびCrのうちの1種または
    2種以上との複合炭窒硼化物からなることを特徴とする
    上記請求項1記載の表面被覆Ti系炭窒硼化物基サーメ
    ット製切削工具。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
EP0713342A2 (en) 1994-11-18 1996-05-22 Canon Kabushiki Kaisha Color image sensing apparatus and method of expanding dynamic range

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* Cited by examiner, † Cited by third party
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EP0713342A2 (en) 1994-11-18 1996-05-22 Canon Kabushiki Kaisha Color image sensing apparatus and method of expanding dynamic range

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