JPH1121651A - 耐熱衝撃性のすぐれた表面被覆超硬合金製切削工具 - Google Patents
耐熱衝撃性のすぐれた表面被覆超硬合金製切削工具Info
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- JPH1121651A JPH1121651A JP18092897A JP18092897A JPH1121651A JP H1121651 A JPH1121651 A JP H1121651A JP 18092897 A JP18092897 A JP 18092897A JP 18092897 A JP18092897 A JP 18092897A JP H1121651 A JPH1121651 A JP H1121651A
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- C23—COATING METALLIC MATERIAL; COATING MATERIAL WITH METALLIC MATERIAL; CHEMICAL SURFACE TREATMENT; DIFFUSION TREATMENT OF METALLIC MATERIAL; COATING BY VACUUM EVAPORATION, BY SPUTTERING, BY ION IMPLANTATION OR BY CHEMICAL VAPOUR DEPOSITION, IN GENERAL; INHIBITING CORROSION OF METALLIC MATERIAL OR INCRUSTATION IN GENERAL
- C23C—COATING METALLIC MATERIAL; COATING MATERIAL WITH METALLIC MATERIAL; SURFACE TREATMENT OF METALLIC MATERIAL BY DIFFUSION INTO THE SURFACE, BY CHEMICAL CONVERSION OR SUBSTITUTION; COATING BY VACUUM EVAPORATION, BY SPUTTERING, BY ION IMPLANTATION OR BY CHEMICAL VAPOUR DEPOSITION, IN GENERAL
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- C23C28/04—Coating for obtaining at least two superposed coatings either by methods not provided for in a single one of groups C23C2/00 - C23C26/00 or by combinations of methods provided for in subclasses C23C and C25C or C25D only coatings of inorganic non-metallic material
- C23C28/044—Coating for obtaining at least two superposed coatings either by methods not provided for in a single one of groups C23C2/00 - C23C26/00 or by combinations of methods provided for in subclasses C23C and C25C or C25D only coatings of inorganic non-metallic material coatings specially adapted for cutting tools or wear applications
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Abstract
(57)【要約】
【課題】 耐熱衝撃性のすぐれた表面被覆超硬合金製切
削工具を提供する。 【解決手段】 炭化タングステン基超硬合金で構成され
た基体の表面に、硬質被覆層を５〜２０μｍの平均層厚
で化学蒸着および／または物理蒸着してなる表面被覆超
硬合金製切削工具において、前記基体を、重量％で、結
合相形成成分としてＣｏ：５〜１５％、同じく結合相形
成成分としてＣｒ：０．１〜２％、硬質相形成成分とし
て炭化タンタルおよび／またはＴａとＮｂの複合炭化
物：１〜５％、を含有し、残りが同じく硬質相形成成分
としての炭化タングステンと不可避不純物からなる組
成、並びに上記硬質相形成成分が、光学顕微鏡組織写真
での観察で、相互に共存してスケルトン（連続相）構造
を形成した組織、を有する炭化タングステン基超硬合金
で構成する。
削工具を提供する。 【解決手段】 炭化タングステン基超硬合金で構成され
た基体の表面に、硬質被覆層を５〜２０μｍの平均層厚
で化学蒸着および／または物理蒸着してなる表面被覆超
硬合金製切削工具において、前記基体を、重量％で、結
合相形成成分としてＣｏ：５〜１５％、同じく結合相形
成成分としてＣｒ：０．１〜２％、硬質相形成成分とし
て炭化タンタルおよび／またはＴａとＮｂの複合炭化
物：１〜５％、を含有し、残りが同じく硬質相形成成分
としての炭化タングステンと不可避不純物からなる組
成、並びに上記硬質相形成成分が、光学顕微鏡組織写真
での観察で、相互に共存してスケルトン（連続相）構造
を形成した組織、を有する炭化タングステン基超硬合金
で構成する。
Description
【０００１】
【発明の属する技術分野】この発明は、すぐれた耐熱衝
撃性を有し、したがって加熱／冷却の繰り返しからなる
熱衝撃にさらされるフライス切削を、特に高送りや高切
り込み条件で行っても切刃に熱亀裂が原因の欠けなどの
発生なく、すぐれた切削性能を長期に亘って発揮する表
面被覆超硬合金製切削工具（以下、被覆超硬工具と云
う）に関するものである。
撃性を有し、したがって加熱／冷却の繰り返しからなる
熱衝撃にさらされるフライス切削を、特に高送りや高切
り込み条件で行っても切刃に熱亀裂が原因の欠けなどの
発生なく、すぐれた切削性能を長期に亘って発揮する表
面被覆超硬合金製切削工具（以下、被覆超硬工具と云
う）に関するものである。
【０００２】
【従来の技術】従来、一般に、例えば特開昭６３−２２
９２０３号公報に記載されるように、重量％で（以下、
％は重量％を示す）、結合相形成成分としてＣｏおよび
／またはＮｉ：５〜１５％、硬質相形成成分として周期
律表の４ａ、５ａ、および６ａ族金属の炭化物、窒化
物、および炭窒化物、並びにこれらの２種以上の固溶体
のうちの１種または２種以上：１〜３５％、を含有し、
残りが同じく硬質相形成成分としての炭化タングステン
（以下、ＷＣで示す）と不可避不純物からなる組成を有
するＷＣ基超硬合金で構成された基体の表面に、硬質被
覆層、例えばＴｉの炭化物層、窒化物層、炭窒化物層、
炭酸化物層、窒酸化物層、および炭窒酸化物層（以下、
それぞれＴｉＣ層、ＴｉＮ層、ＴｉＣＮ層、ＴｉＣＯ
層、ＴｉＮＯ層、およびＴｉＣＮＯ層で示す）のうちの
１種または２種以上、さらに必要に応じて酸化アルミニ
ウム（以下、Ａｌ2 Ｏ3 で示す）層および／またはＴｉ
とＡｌの複合窒化物［以下、（Ｔｉ，Ａｌ）Ｎで示す］
層からなる硬質被覆層をを５〜２０μｍの平均層厚で化
学蒸着および／または物理蒸着してなる被覆超硬工具が
広く知られており、これが鋼や鋳鉄などの連続切削や断
続切削、さらにフライス切削などに用いられていること
も知られている。
９２０３号公報に記載されるように、重量％で（以下、
％は重量％を示す）、結合相形成成分としてＣｏおよび
／またはＮｉ：５〜１５％、硬質相形成成分として周期
律表の４ａ、５ａ、および６ａ族金属の炭化物、窒化
物、および炭窒化物、並びにこれらの２種以上の固溶体
のうちの１種または２種以上：１〜３５％、を含有し、
残りが同じく硬質相形成成分としての炭化タングステン
（以下、ＷＣで示す）と不可避不純物からなる組成を有
するＷＣ基超硬合金で構成された基体の表面に、硬質被
覆層、例えばＴｉの炭化物層、窒化物層、炭窒化物層、
炭酸化物層、窒酸化物層、および炭窒酸化物層（以下、
それぞれＴｉＣ層、ＴｉＮ層、ＴｉＣＮ層、ＴｉＣＯ
層、ＴｉＮＯ層、およびＴｉＣＮＯ層で示す）のうちの
１種または２種以上、さらに必要に応じて酸化アルミニ
ウム（以下、Ａｌ2 Ｏ3 で示す）層および／またはＴｉ
とＡｌの複合窒化物［以下、（Ｔｉ，Ａｌ）Ｎで示す］
層からなる硬質被覆層をを５〜２０μｍの平均層厚で化
学蒸着および／または物理蒸着してなる被覆超硬工具が
広く知られており、これが鋼や鋳鉄などの連続切削や断
続切削、さらにフライス切削などに用いられていること
も知られている。
【０００３】
【発明が解決しようとする課題】近年の切削装置の高性
能化および高出力化はめざましく、かつ一方で切削時間
の短縮化に対する要求も強く、これに伴い、切削加工は
高速化および重切削化（高送り、高切り込み）の傾向に
あり、特にフライス切削を、切削時間の短縮化をはかる
目的で、送りや切り込みをより一段と高くした条件（重
切削化条件）で行うと、重切削化した分だけより一層き
びしい熱衝撃にさらされる切削となるが、上記の従来被
覆超硬工具は、このようなきびしい熱衝撃にさらされる
切削では、十分満足な耐熱衝撃性を具備するものでない
ために、切削開始後比較的短時間で熱亀裂が発生し、こ
れが原因で切刃に欠けが発生し、使用寿命に至るのが現
状である。
能化および高出力化はめざましく、かつ一方で切削時間
の短縮化に対する要求も強く、これに伴い、切削加工は
高速化および重切削化（高送り、高切り込み）の傾向に
あり、特にフライス切削を、切削時間の短縮化をはかる
目的で、送りや切り込みをより一段と高くした条件（重
切削化条件）で行うと、重切削化した分だけより一層き
びしい熱衝撃にさらされる切削となるが、上記の従来被
覆超硬工具は、このようなきびしい熱衝撃にさらされる
切削では、十分満足な耐熱衝撃性を具備するものでない
ために、切削開始後比較的短時間で熱亀裂が発生し、こ
れが原因で切刃に欠けが発生し、使用寿命に至るのが現
状である。
【０００４】
【課題を解決するための手段】そこで、本発明者等は、
上述のような観点から、耐熱衝撃性のすぐれた被覆超硬
工具を開発すべく研究を行った結果、結合相形成成分と
してＣｏとＣｒを特定し、さらに硬質相形成成分として
ＷＣのほかに炭化タンタル（以下、ＴａＣで示す）およ
び／またはＴａとＮｂの複合炭化物［以下、（Ｔａ，Ｎ
ｂ）Ｃで示す］を特定し、これら成分で基体を構成する
と、これの焼結時にＷＣとＴａＣおよび／または（Ｔ
ａ，Ｎｂ）Ｃ間に高い親和力が働き、かつＣｒによる前
記親和力向上効果と相まって、光学顕微鏡組織写真での
観察結果でＷＣとＴａＣおよび／または（Ｔａ，Ｎｂ）
Ｃとが相互に密着してスケルトン（連続相）構造を形成
するようになり、このように硬質相がスケルトン構造を
形成した基体は、従来の硬質相が分散相を形成する基体
に比して、きわめてすぐれた耐熱衝撃性を具備し、した
がって、この基体で構成された被覆超硬工具は、特に加
熱／冷却の激しい熱衝撃にさらされるフライス切削を、
送りや切り込みを高くした状態で行っても、切刃に熱亀
裂の発生するのか著しく抑制されることから、長期に亘
ってすぐれた切削性能を発揮するという研究結果が得ら
れたのである。
上述のような観点から、耐熱衝撃性のすぐれた被覆超硬
工具を開発すべく研究を行った結果、結合相形成成分と
してＣｏとＣｒを特定し、さらに硬質相形成成分として
ＷＣのほかに炭化タンタル（以下、ＴａＣで示す）およ
び／またはＴａとＮｂの複合炭化物［以下、（Ｔａ，Ｎ
ｂ）Ｃで示す］を特定し、これら成分で基体を構成する
と、これの焼結時にＷＣとＴａＣおよび／または（Ｔ
ａ，Ｎｂ）Ｃ間に高い親和力が働き、かつＣｒによる前
記親和力向上効果と相まって、光学顕微鏡組織写真での
観察結果でＷＣとＴａＣおよび／または（Ｔａ，Ｎｂ）
Ｃとが相互に密着してスケルトン（連続相）構造を形成
するようになり、このように硬質相がスケルトン構造を
形成した基体は、従来の硬質相が分散相を形成する基体
に比して、きわめてすぐれた耐熱衝撃性を具備し、した
がって、この基体で構成された被覆超硬工具は、特に加
熱／冷却の激しい熱衝撃にさらされるフライス切削を、
送りや切り込みを高くした状態で行っても、切刃に熱亀
裂の発生するのか著しく抑制されることから、長期に亘
ってすぐれた切削性能を発揮するという研究結果が得ら
れたのである。
【０００５】この発明は、上記の研究結果に基づいてな
されたものであって、ＷＣ基超硬合金で構成された基体
の表面に、硬質被覆層、例えばＴｉＣ層、ＴｉＮ層、Ｔ
ｉＣＮ層、ＴｉＣＯ層、ＴｉＮＯ層、およびＴｉＣＮＯ
層のうちの１種または２種以上、さらに必要に応じてＡ
ｌ2 Ｏ3 層および／または（Ｔｉ，Ａｌ）Ｎ層からなる
硬質被覆層を５〜２０μｍの平均層厚で化学蒸着および
／または物理蒸着してなる被覆超硬工具において、上記
基体を、結合相形成成分としてＣｏ：５〜１５％、同じ
く結合相形成成分としてＣｒ：０．１〜２％、硬質相形
成成分としてＴａＣおよび／または（Ｔａ，Ｎｂ）Ｃ：
１〜５％、を含有し、残りが同じく硬質相形成成分とし
てのＷＣと不可避不純物からなる組成、並びに上記硬質
相形成成分が、光学顕微鏡組織写真での観察で、相互に
共存してスケルトン（連続相）構造を形成した組織、を
有するＷＣ基超硬合金で構成してなる、耐熱衝撃性のす
ぐれた被覆超硬工具に特徴を有するものである。
されたものであって、ＷＣ基超硬合金で構成された基体
の表面に、硬質被覆層、例えばＴｉＣ層、ＴｉＮ層、Ｔ
ｉＣＮ層、ＴｉＣＯ層、ＴｉＮＯ層、およびＴｉＣＮＯ
層のうちの１種または２種以上、さらに必要に応じてＡ
ｌ2 Ｏ3 層および／または（Ｔｉ，Ａｌ）Ｎ層からなる
硬質被覆層を５〜２０μｍの平均層厚で化学蒸着および
／または物理蒸着してなる被覆超硬工具において、上記
基体を、結合相形成成分としてＣｏ：５〜１５％、同じ
く結合相形成成分としてＣｒ：０．１〜２％、硬質相形
成成分としてＴａＣおよび／または（Ｔａ，Ｎｂ）Ｃ：
１〜５％、を含有し、残りが同じく硬質相形成成分とし
てのＷＣと不可避不純物からなる組成、並びに上記硬質
相形成成分が、光学顕微鏡組織写真での観察で、相互に
共存してスケルトン（連続相）構造を形成した組織、を
有するＷＣ基超硬合金で構成してなる、耐熱衝撃性のす
ぐれた被覆超硬工具に特徴を有するものである。
【０００６】ついで、この発明の被覆超硬工具を構成す
る基体の組成を上記の通りに限定した理由を説明する。 （ａ）Ｃｏ Ｃｏ成分には、焼結性を向上させ、結合相を形成して基
体の強度および靭性を向上させる作用があるが、その含
有量が５％未満では、特に靭性に所望の向上効果が得ら
れず、一方その含有量が１５％を越えると、塑性変形が
起り易くなって、偏摩耗の進行が促進されるようになる
ことから、その含有量を５〜１５％、望ましくは７〜１
２％と定めた。
る基体の組成を上記の通りに限定した理由を説明する。 （ａ）Ｃｏ Ｃｏ成分には、焼結性を向上させ、結合相を形成して基
体の強度および靭性を向上させる作用があるが、その含
有量が５％未満では、特に靭性に所望の向上効果が得ら
れず、一方その含有量が１５％を越えると、塑性変形が
起り易くなって、偏摩耗の進行が促進されるようになる
ことから、その含有量を５〜１５％、望ましくは７〜１
２％と定めた。
【０００７】（ｂ）Ｃｒ Ｃｒ成分には、Ｃｏ中に固溶して結合相を形成し、硬質
相同志の接合を促進し、もって硬質相によるスケルトン
の形成に寄与する作用があるが、その含有量が０．１％
未満では、前記作用に所望の効果が得られず、一方その
含有量が２％を越えると、基体の強度および靭性が低下
するようになることから、その含有量を０．１〜２％望
ましくは０．２〜１％と定めた。なお、Ｃｒ成分の結合
相中への含有は、基体の製造に際し、原料粉末として金
属Ｃｒ粉末を用いても、Ｃｒ3 Ｃ2 粉末を用いても同様
に行うことができる。
相同志の接合を促進し、もって硬質相によるスケルトン
の形成に寄与する作用があるが、その含有量が０．１％
未満では、前記作用に所望の効果が得られず、一方その
含有量が２％を越えると、基体の強度および靭性が低下
するようになることから、その含有量を０．１〜２％望
ましくは０．２〜１％と定めた。なお、Ｃｒ成分の結合
相中への含有は、基体の製造に際し、原料粉末として金
属Ｃｒ粉末を用いても、Ｃｒ3 Ｃ2 粉末を用いても同様
に行うことができる。
【０００８】（ｃ）ＴａＣおよび（Ｔａ，Ｎｂ）Ｃ これらの成分には、ＷＣ粒との間に相互に連続してスケ
ルトンを形成し、耐熱衝撃性を向上させるほか、耐摩耗
性を向上させる作用があるが、その含有量が１％未満で
は、ＷＣとのスケルトン形成が不十分となり、所望のす
ぐれた耐熱衝撃性を確保することができず、一方その含
有量が５％を越えると、基体の靭性が低下し、切刃に欠
けやチッピング（微小欠け）が発生し易くなることか
ら、その含有量を１〜５％、望ましくは１〜３％と定め
た。
ルトンを形成し、耐熱衝撃性を向上させるほか、耐摩耗
性を向上させる作用があるが、その含有量が１％未満で
は、ＷＣとのスケルトン形成が不十分となり、所望のす
ぐれた耐熱衝撃性を確保することができず、一方その含
有量が５％を越えると、基体の靭性が低下し、切刃に欠
けやチッピング（微小欠け）が発生し易くなることか
ら、その含有量を１〜５％、望ましくは１〜３％と定め
た。
【０００９】また、この発明の被覆超硬工具を構成する
硬質被覆層の平均層厚を５〜２０μｍとしたのは、その
平均層厚が５μｍ未満では、硬質被覆層によってもたら
されるすぐれた耐摩耗性を十分に確保することができ
ず、一方その平均層厚が２０μｍを越えると、切刃に欠
けやチッピングが発生し易くなるという理由に基づくも
のである。
硬質被覆層の平均層厚を５〜２０μｍとしたのは、その
平均層厚が５μｍ未満では、硬質被覆層によってもたら
されるすぐれた耐摩耗性を十分に確保することができ
ず、一方その平均層厚が２０μｍを越えると、切刃に欠
けやチッピングが発生し易くなるという理由に基づくも
のである。
【００１０】
【発明の実施の形態】つぎに、この発明の被覆超硬工具
を実施例により具体的に説明する。原料粉末として、い
ずれも市販の平均粒径：５μｍを有するＷＣ粉末、同
１．５μｍのＴａＣ粉末、同１．３μｍの（Ｔａ，Ｎ
ｂ）Ｃ［重量比で、ＴａＣ／ＮｂＣ＝９０／１０］粉
末、同２μｍのＣｒ3 Ｃ2 粉末、および同１．５μｍの
Ｃｏ粉末を用い、これら原料粉末を表１に示される配合
組成に配合し、ボールミルで３６時間湿式混合し、乾燥
した後、１ｔｏｎ／ｃｍ2 の圧力で圧粉体にプレス成形
し、この圧粉体を、１×１０-2Ｔｏｒｒの真空中、１４
５０℃に１時間保持の条件で焼結して、実質的に上記配
合組成と同じ組成をもったＩＳＯ規格ＳＮＧＮ１２０４
０８のスローアウエイチップ形状を有する基体Ａ〜Ｘを
それぞれ製造した。ついで、上記基体Ａ〜Ｘのそれぞれ
の表面に、外熱式化学蒸着装置および物理蒸着装置の１
種であるアークイオンプレーティング装置を用いて、表
２、３に示される組成および平均層厚（括弧内に示す）
の硬質被覆層を形成するすることにより本発明被覆超硬
工具１〜１２および比較被覆超硬工具１〜１２をそれぞ
れ製造した。なお、比較被覆超硬工具１〜１２は、いず
れもこれを構成する基体が、硬質相によるスケルトン形
成に不可欠な成分であるＣｒ、あるいはＴａＣおよび
（Ｔａ，Ｎｂ）Ｃ、さらにこれら両方を含有しないもの
である。
を実施例により具体的に説明する。原料粉末として、い
ずれも市販の平均粒径：５μｍを有するＷＣ粉末、同
１．５μｍのＴａＣ粉末、同１．３μｍの（Ｔａ，Ｎ
ｂ）Ｃ［重量比で、ＴａＣ／ＮｂＣ＝９０／１０］粉
末、同２μｍのＣｒ3 Ｃ2 粉末、および同１．５μｍの
Ｃｏ粉末を用い、これら原料粉末を表１に示される配合
組成に配合し、ボールミルで３６時間湿式混合し、乾燥
した後、１ｔｏｎ／ｃｍ2 の圧力で圧粉体にプレス成形
し、この圧粉体を、１×１０-2Ｔｏｒｒの真空中、１４
５０℃に１時間保持の条件で焼結して、実質的に上記配
合組成と同じ組成をもったＩＳＯ規格ＳＮＧＮ１２０４
０８のスローアウエイチップ形状を有する基体Ａ〜Ｘを
それぞれ製造した。ついで、上記基体Ａ〜Ｘのそれぞれ
の表面に、外熱式化学蒸着装置および物理蒸着装置の１
種であるアークイオンプレーティング装置を用いて、表
２、３に示される組成および平均層厚（括弧内に示す）
の硬質被覆層を形成するすることにより本発明被覆超硬
工具１〜１２および比較被覆超硬工具１〜１２をそれぞ
れ製造した。なお、比較被覆超硬工具１〜１２は、いず
れもこれを構成する基体が、硬質相によるスケルトン形
成に不可欠な成分であるＣｒ、あるいはＴａＣおよび
（Ｔａ，Ｎｂ）Ｃ、さらにこれら両方を含有しないもの
である。
【００１１】この結果得られた各種の被覆超硬工具の基
体について、その断面組織を光学顕微鏡（３００倍）を
用いて観察したところ、本発明被覆超硬工具１〜１２の
基体は、いずれも硬質相形成成分であるＷＣとＴａＣお
よび／または（Ｔａ，Ｎｂ）Ｃが相互に隣接してスケル
トン（連続相）を形成しているのに対して、比較被覆超
硬工具１〜１２の基体は、いずれもＷＣ、並びにＴａＣ
および／または（Ｔａ，Ｎｂ）Ｃともそれぞれ分散相を
形成するものであった。
体について、その断面組織を光学顕微鏡（３００倍）を
用いて観察したところ、本発明被覆超硬工具１〜１２の
基体は、いずれも硬質相形成成分であるＷＣとＴａＣお
よび／または（Ｔａ，Ｎｂ）Ｃが相互に隣接してスケル
トン（連続相）を形成しているのに対して、比較被覆超
硬工具１〜１２の基体は、いずれもＷＣ、並びにＴａＣ
および／または（Ｔａ，Ｎｂ）Ｃともそれぞれ分散相を
形成するものであった。
【００１２】さらに、上記の各種の被覆超硬工具につい
て、 被削材：ＳＣＭ４４０（硬さＨＢ２５０）、 切削速度：１５０ｍ／ｍｉｎ．、 送り：０．５ｍｍ／刃、 切り込み：６ｍｍ、 切削時間：１５ｍｉｎ．、 の条件で鋼の湿式高切り込みフライス切削試験を行い、
切刃の逃げ面摩耗幅を測定した。これらの測定結果を表
２、３に示した。
て、 被削材：ＳＣＭ４４０（硬さＨＢ２５０）、 切削速度：１５０ｍ／ｍｉｎ．、 送り：０．５ｍｍ／刃、 切り込み：６ｍｍ、 切削時間：１５ｍｉｎ．、 の条件で鋼の湿式高切り込みフライス切削試験を行い、
切刃の逃げ面摩耗幅を測定した。これらの測定結果を表
２、３に示した。
【００１３】
【表１】
【００１４】
【表２】
【００１５】
【表３】
【００１６】
【発明の効果】表２、３に示される結果から、本発明被
覆超硬工具１〜１２は、いずれも加熱／冷却の繰り返し
からなるきびしい熱衝撃にさらされるフライス切削を、
特に高切り込み条件で行っても切刃に熱亀裂が原因の欠
けなどの発生なく、すぐれた耐摩耗性を示すのに対し
て、比較被覆超硬工具１〜１２は、いずれもこれを構成
する基体に切削開始後比較的短時間で熱亀裂が発生し、
これが原因で切刃に欠けが発生し、使用寿命に至ること
が明らかである。上述のように、この発明の被覆超硬工
具は、これを構成する基体における硬質相形成成分によ
るスケルトン構造によってすぐれた耐熱衝撃性を具備す
るので、鋼や鋳鉄などの連続切削や断続切削は勿論のこ
と、特に熱衝撃のきびしいフライス切削を高送りや高切
り込みで行っても、切刃に熱亀裂が発生するのが抑制さ
れることから、長期に亘ってすぐれた切削性能を発揮す
るのである。
覆超硬工具１〜１２は、いずれも加熱／冷却の繰り返し
からなるきびしい熱衝撃にさらされるフライス切削を、
特に高切り込み条件で行っても切刃に熱亀裂が原因の欠
けなどの発生なく、すぐれた耐摩耗性を示すのに対し
て、比較被覆超硬工具１〜１２は、いずれもこれを構成
する基体に切削開始後比較的短時間で熱亀裂が発生し、
これが原因で切刃に欠けが発生し、使用寿命に至ること
が明らかである。上述のように、この発明の被覆超硬工
具は、これを構成する基体における硬質相形成成分によ
るスケルトン構造によってすぐれた耐熱衝撃性を具備す
るので、鋼や鋳鉄などの連続切削や断続切削は勿論のこ
と、特に熱衝撃のきびしいフライス切削を高送りや高切
り込みで行っても、切刃に熱亀裂が発生するのが抑制さ
れることから、長期に亘ってすぐれた切削性能を発揮す
るのである。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 ＦＩ // Ｃ２３Ｃ 16/30 Ｃ２３Ｃ 16/30 (72)発明者 河野 和弘 茨城県結城郡石下町大字古間木1511番地 三菱マテリアル株式会社筑波製作所内
Claims (3)
- 【請求項１】 炭化タングステン基超硬合金で構成され
た基体の表面に、硬質被覆層を５〜２０μｍの平均層厚
で化学蒸着および／または物理蒸着してなる表面被覆超
硬合金製切削工具において、 上記基体を、重量％で、 結合相形成成分としてＣｏ：５〜１５％、 同じく結合相形成成分としてＣｒ：０．１〜２％、 硬質相形成成分として炭化タンタルおよび／またはＴａ
とＮｂの複合炭化物：１〜５％、を含有し、残りが同じ
く硬質相形成成分としての炭化タングステンと不可避不
純物からなる組成、 並びに上記硬質相形成成分が、光学顕微鏡組織写真での
観察で、相互に共存してスケルトン（連続相）構造を形
成した組織、を有する炭化タングステン基超硬合金で構
成したことを特徴とする耐熱衝撃性のすぐれた表面被覆
超硬合金製切削工具。 - 【請求項２】 上記硬質被覆層が、Ｔｉの炭化物層、窒
化物層、炭窒化物層、炭酸化物層、窒酸化物層、および
炭窒酸化物層のうちの１種または２種以上からなること
を特徴とする上記請求項１記載の表面被覆超硬合金製切
削工具。 - 【請求項３】 上記硬質被覆層が、Ｔｉの炭化物層、窒
化物層、炭窒化物層、炭酸化物層、窒酸化物層、および
炭窒酸化物層のうちの１種または２種以上と、酸化アル
ミニウム層および／またはＴｉとＡｌの複合窒化物層か
らなることを特徴とする上記請求項１記載の表面被覆超
硬合金製切削工具。
Priority Applications (1)
| Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
|---|---|---|---|
| JP18092897A JPH1121651A (ja) | 1997-07-07 | 1997-07-07 | 耐熱衝撃性のすぐれた表面被覆超硬合金製切削工具 |
Applications Claiming Priority (1)
| Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
|---|---|---|---|
| JP18092897A JPH1121651A (ja) | 1997-07-07 | 1997-07-07 | 耐熱衝撃性のすぐれた表面被覆超硬合金製切削工具 |
Publications (1)
| Publication Number | Publication Date |
|---|---|
| JPH1121651A true JPH1121651A (ja) | 1999-01-26 |
Family
ID=16091738
Family Applications (1)
| Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
|---|---|---|---|
| JP18092897A Pending JPH1121651A (ja) | 1997-07-07 | 1997-07-07 | 耐熱衝撃性のすぐれた表面被覆超硬合金製切削工具 |
Country Status (1)
| Country | Link |
|---|---|
| JP (1) | JPH1121651A (ja) |
Cited By (8)
| Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
|---|---|---|---|---|
| EP1038989A2 (en) * | 1999-03-26 | 2000-09-27 | Sandvik Aktiebolag | Coated milling insert |
| WO2002014569A2 (en) * | 2000-08-11 | 2002-02-21 | Kennametal Inc. | Chromium-containing cemented tungsten carbide body |
| EP1205569A2 (en) * | 2000-11-08 | 2002-05-15 | Sandvik Aktiebolag | Coated inserts for rough milling |
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| US11821062B2 (en) | 2019-04-29 | 2023-11-21 | Kennametal Inc. | Cemented carbide compositions and applications thereof |
-
1997
- 1997-07-07 JP JP18092897A patent/JPH1121651A/ja active Pending
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