JPH0527151U - 湧水処理シートおよび湧水処理内装材 - Google Patents

湧水処理シートおよび湧水処理内装材

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JPH0527151U JP7448691U JP7448691U JPH0527151U JP H0527151 U JPH0527151 U JP H0527151U JP 7448691 U JP7448691 U JP 7448691U JP 7448691 U JP7448691 U JP 7448691U JP H0527151 U JPH0527151 U JP H0527151U
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Abstract

(57)【要約】 (修正有) 【目的】地下構築物内への地下湧水の浸入防止のため
に、地下構築物の壁の施工時に使用され、施工容易な湧
水処理シートを提供する。 【構成】突状部3を多数有する合成樹脂シート2と有孔
シート4とが、該合成樹脂シートの突状部を内側にして
該突状部において接合されてなり、該合成樹脂シートと
該有孔シートとの間に地下湧水の通水路5を形成してな
る湧水処理シート1。

Description

【考案の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】
本考案は、地下構築物内への地下湧水の浸入の防止のために、地下構築物の壁 の施工時に使用される湧水処理シートに関する。
【0002】
【従来の技術】
地下室、地下駐車場等の地下構築物の壁は、コンクリート壁であるために長期 間の使用によってクラックが入りやすい。このために、地下湧水がクラックを通 して地下構築物内に浸入するという問題があった。
【0003】 この問題を解決するために、地中の掘削壁に接してコンクリート外壁を構築し 、さらに、その内側に空気層を介してコンクリート内壁を形成させ、さらに、空 気層の下方に、空気層に連通した貯水槽が設けられた、いわゆる二重壁を構築す ることが行われている。この場合、地下湧水は、コンクリート外壁のクラックを 通して空気層に浸入しても、空気層の下方に設けられた貯水槽に導かれ、ポンプ 等の手段によって地上に排出されている。しかし、上記の二重壁による方法は、 コンクリート壁の施工を外壁と内壁の二度行わなければならないため、施工に手 間がかかる上、工期も長くなり、さらに、原材料費や施工費がかかるという問題 があった。
【0004】 この点を改良して、湧水処理機能を持つ地下構築物の壁を一度の現場施工で仕 上げるために、透水コンクリート層と型枠層とを重層させたプレハブ型の捨型枠 を用いる地中壁の施工法が知られている(特開平2−49820号公報)。
【0005】 一方、地下湧水の処理を目的とするものではないが、織布または不織布により 形成された柔軟シートの片面に、多数の膨出部を形成させた樹脂シートを積層接 着して、柔軟シートと樹脂シートとの間に通水間隙を設けたコンクリート型枠用 水抜き板が知られている(実開平2−87862号公報)。このコンクリート型 枠用水抜き板は、コンクリート養生時におけるコンクリート表面から滲み出る過 剰の水を速やかに除去するのが目的である。
【0006】
【考案が解決しようとする課題】
しかし、透水コンクリート層と型枠とを重層させた捨型枠は、予め工場で製造 されるものであるので工場と現場の二度の施工を必要とする上、また、重量物で あるために施工までの間の貯蔵や現場での組立てに手間を要する等の問題があっ た。
【0007】 さらに、前記のコンクリート型枠用水抜き板は、地下湧水の処理に使用したと ころ、コンクリートと接触する織布または不織布の繊維の間にモルタルの粒子が 入り込むことによる目詰まりが生じ、コンクリートから織布または不織布への水 平方向の透水性が不十分であることが判った。
【0008】
【課題を解決するための手段】
そこで、本考案者らは、地下湧水の浸入を十分に防止でき、しかも、その施工 が容易である材料の開発を行った結果、上記の目的を十分に達成した地下湧水の 処理に適したシートを考案するに到った。
【0009】 即ち、本考案は、突状部を多数有する合成樹脂シートと、水は通すがモルタル は通さない孔を多数有する有孔シートとが、該合成樹脂シートの突状部を内側に して該突状部において接合されてなり、合成樹脂シートと有孔シートとの間に通 水路を形成してなる湧水処理シートである。
【0010】 図1は、本考案において好適に使用される湧水処理シートの部分破断斜視図で ある。合成樹脂シート2の突状部3は、合成樹脂シート2と後述する有孔シート 4との間に間隙を形成し、この間隙は、有孔シート4の孔6から浸入した地下湧 水の通水路5となる。したがって、十分な通水量を確保するためには、突状部3 の高さは、一般に1〜10mmの範囲であることが好ましい。
【0011】 また、突状部3の形状は特に制限されないが、後述する有孔シート4との接合 面積を十分に大きくして接合強度をあげるためには、図1に示したように、円錐 台等の突状部先端が平坦な形状であることが好ましい。突状部の形状は円錐台に 限定されず、角錐台等の形状であってもよい。また、突状部は、中実であっても よく、また、中空であってもよい。
【0012】 本考案の湧水処理シート1は、コンクリート打設時にまだ固まらないコンクリ ートから側圧がかかる。このため、突状部3の大きさ及び数は、まだ固まらない コンクリートからの側圧に十分耐えるように選択されることが好ましい。通常は 、突状部3の大きさは、直径2〜20mmの範囲で、数は、10cm2当り2〜 200個の範囲であることが好ましい。
【0013】 また、合成樹脂シート2の突状部3を除いた厚みは、特に制限されないが、適 当な強度を持たせるために、一般に0.02〜5mmの範囲とすることが好まし い。
【0014】 上記の合成樹脂シート2の材質は特に制限されず、例えば、ポリエチレン、ポ リプロピレン、ポリエチレンテレフタレート、ポリ塩化ビニル、ポリアミド、ポ リウレタン等の公知の合成樹脂が何等制限されず使用可能である。
【0015】 本考案における合成樹脂シート2としては、ワレモノの搬送時に衝撃防止の目 的で使用されている市販のいわゆるエアキャップと呼ばれている合成樹脂シート が好適に使用しうる。
【0016】 次に、上記の合成樹脂シート2と接合される、水は通すがモルタルは通さない 孔を多数有する有孔シート4としては、一般に直径が0.1〜3.0mmの範囲 の孔を多数有する市販の有孔シートが使用できる。有孔シート4の孔6の数は、 地下湧水の量に応じて選択すればよいが、一般には、開口率が0.5〜50%と なるように決定することが好ましい。
【0017】 有孔シート4の厚みおよび材質は特に制限されるものではなく、前記の合成樹 脂シート2と同様の厚みおよび材質が使用できる。
【0018】 上記の合成樹脂シート2と有孔シート4とは、合成樹脂シート2の突状部3を 内側にして該突状部3において接合されている。接合の手段は特に限定されず、 熱融着、接着剤による接合等の公知の手段が採用される。
【0019】 上記の合成樹脂シート2と有孔シート4とは合成樹脂シート2の突状部3の高 さ分だけ隔て接合される。これによって、上記の合成樹脂シート2と有孔シート 4との間には、合成樹脂シート2と有孔シート4とによって通水路5が形成され る。通水路5は、本考案の湧水処理シート1の全面にわたって、連通しているこ とが好ましい。
【0020】 本考案の湧水処理シート1は、まだ固まらないコンクリートからの側圧に耐え るように、湧水処理シート面に垂直な方向の圧縮強度で1〜3kg/cm2の強 度を有することが好ましい。
【0021】 図2は、本考案の湧水処理シートを使用して施工した地下構築物の壁の断面図 である。この地下構築物の壁は、地下の掘削壁8に接したコンクリート壁9、そ の内側に接した本考案の湧水処理シート1、さらにその内側に接した内装材7よ りなる。
【0022】 上記の地下構築物の施工は次のようにして行われる。地下の掘削壁8の表面に 所要の間隔をあけて、有孔シート面が掘削壁と対向するように湧水処理シートを 型枠支保工で支えて保持し、掘削壁8と湧水処理シート1との間にコンクリート を注入打設し、養生硬化させてコンクリート壁9を構築する。そして、さらに、 湧水処理シート1の内側に内装材7を貼る。
【0023】 この場合、コンクリート壁の構築に先立ち、上記の内装材7を施工現場で使用 箇所にあわせて裁断して、図3に示すように、湧水処理シート1の合成樹脂シー ト2側に積層して湧水処理の機能と内装材の機能を併せ持つ湧水処理内装材とし 、その後、該湧水処理内装材を有孔シート面が掘削壁と対向するように支保工で 支えてコンクリートを注入打設してもよい。また、予め工場で湧水処理シート1 の合成樹脂シート2側に内装材7を積層させて出荷してもよい。このように、内 装材が湧水処理シートに接合されたものを使用してコンクリートを打設すること により、コンクリート壁、湧水処理層、および内装材の3層を同時に構築するこ とができ、施工に要する時間を短縮することができる。
【0024】 このようにして構築された地下構築物の壁は、仮にコンクリート壁9にクラッ ク10が発生して地下湧水がコンクリート壁9内に浸透しても、地下湧水は、本 考案の湧水処理シートの有孔シートの孔から湧水処理シート内部に入り、合成樹 脂シートと有孔シートとの間に形成される通水路をつたって湧水処理シート内を 落下し、湧水処理シートの最下部に接続された配管11をとおって、貯水槽12 に入る。
【0025】
【考案の効果】
本考案の湧水処理シートは、従来の二重壁や捨型枠に比べ、施工面および機能 面において優れた性能を有している。
【0026】 即ち、本考案の湧水処理シートは構成素材が軽い上、裁断、接合が工場、現場 のいずれにおいても容易である。このため、施工面において、本考案の湧水処理 シートを使用した工法は、透水コンクリート層と型枠層とからなるプレハブ型の 捨型枠を用いる工法に比べ、運搬、加工、組立てが著しく簡略化され、工期、費 用、労務において大きく改善されている。
【0027】 さらに、本考案の湧水処理シートの合成樹脂シート面に内装材を積層した湧水 処理内装材を使用すれば、コンクリート壁、湧水処理層、および内装材の3層を 同時に構築することができ、施工に要する時間をさらに短縮することができる。 また、機能面において、本考案の湧水処理シートは、有孔シートの孔がコンク リート壁を構成するモルタルに食い込んでいるため、コンクリート壁にクラック が生ずると、その引張応力により有孔シートの孔の孔径が広がる。このためにコ ンクリート壁から湧水処理シートへの水平方向の透水性が向上し、コンクリート 壁のクラックを通して侵入した地下湧水は速やかに湧水処理シート内の通水路に 導かれ、シート下部から排出される。
【0028】
【実施例】
実施例 市販のエアキャップに有孔シート、織布及び不織布を接着剤を用いて貼合わせ 、下記のNo1〜No4の湧水処理シートを作成した。得られた各種の湧水処理 シートを用いて下記のように2種の供試体を作成し、垂直方向および水平方向の 透水性を測定した。
【0029】 (A)垂直方向の透水性測定 注水試験時の注水溝を供試体に形成させるため、内寸法15×20×5cm( 深さ)の型枠の短辺に沿って14.5×3×2cmの木片を固定し、さらに型枠 の底にエアキャップの周辺部を粘着テープによってシールした湧水処理シートを エアキャップ層が下になるように敷き、その上からモルタル(セメント:砂:水 =1:2:0.65)を打設し、2時間後にモルタルの上から蓋をしてその上か ら0.25kg/cm2と1.0kg/cm2の圧で加圧し、3日後に脱型した。
【0030】 供試体の湧水処理シートの面に透明樹脂板を固定し、供試体の注水溝と透明樹 脂板によって注水槽を形成した。
【0031】 湧水処理シートが垂直になるように供試体を立て、50ccの水を注水槽に注 入し、水がシート内に吸い込まれる時間を測定した。供試体の幅15cmについ て上記で得られた値を90cm幅に換算して表1に示した。
【0032】 (B)水平方向の透水性測定 上記(A)と同様であるが木片はない型枠に湧水処理シートを敷き、モルタル を打設し、2時間後にV字型の突部を有する蓋を、該突部を下にしてモルタル面 に押し付けて0.25kg/cm2で加圧し、3日後に脱型し、V字型の溝を有 する供試体を作成した。
【0033】 供試体のV字型の溝を挾んで2つの山形鋼を接着剤により固定し、2つの山形 鋼にボルトを通してナットで固定し、ナットの回転により2つの山形鋼の間隔が 広がるようにした。そして、ナットを回転させて供試体のV字型の溝にクラック を発生させた。クラックの長さは15cmであり、クラックの幅は、拡大鏡で確 認しながら徐々に広げてゆき、1mmと2mmに調整した。
【0034】 V字型の溝の両端を合成樹脂板で塞いで注水槽とし、50ccの水を注水槽に 注入し、水がクラックに吸い込まれる時間を測定して水平方向の透水量を計算し 、その結果を表1に示した。
【0035】 No.1:市販のエアキャップ(突状部 直径10mm×高さ4mm、数 9 0個/100cm2、材質 ポリエチレン)と有孔シート(孔の直径0.9mm 、開口率10%、厚さ30μm、材質 ポリエチレンテレフタレート) No.2:市販のエアキャップ(突状部 直径10mm×高さ4mm、数 9 0個/100cm2、材質 ポリエチレン)と有孔シート(孔の直径0.9mm 、開口率20%、厚さ30μm、材質 ポリエチレンテレフタレート) No.3:市販のエアキャップ(突状部 直径10mm×高さ4mm、数 9 0個/100cm2、材質 ポリエチレン)と織布(幅3mmで厚み40μmの モノフィラメントフラットヤーンの織物、材質 ポリプロピレン) No.4:市販のエアキャップ(突状部 直径10mm×高さ4mm、数 9 0個/100cm2、材質 ポリエチレン)と不織布(目付 160g/cm2、 厚み3mm、材質 ポリエチレンテレフタレート)
【0036】
【表1】
【0037】 注)No.3およびNo.4は比較例である。
【提出日】平成3年11月25日
【手続補正1】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0028
【補正方法】変更
【補正内容】
【0028】
【実施例】
実施例 市販のエアキャップに有孔シート、織布及び不織布を接着剤を用いて貼合わせ 、下記のNo.1〜No.4の湧水処理シートを作成した。得られた各種の湧水 処理シートを用いて下記のように2種の供試体を作成し、垂直方向および水平方 向の透水性を測定した。
【手続補正2】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0029
【補正方法】変更
【補正内容】
【0029】 (A)垂直方向の透水性測定 注水試験時の注水槽を供試体に形成させるため、内寸法15×20×5cm( 深さ)の型枠の短辺に沿って14.5×3×2cmの木片を固定し、さらに型枠 の底にエアキャップの周辺部を粘着テープによってシールした湧水処理シートを エアキャップ層が下になるように敷き、その上からモルタル(セメント:砂:水 =1:2:0.65)を打設し、2時間後にモルタルの上から蓋をしてその上か ら0.25kg/cm2と1.0kg/cm2の圧で加圧し、3日後に脱型した。 0.25kg/cm2の圧は、高さ1mのまだ固まらないコンクリートの最下 部の側圧に相当する。
【手続補正3】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0030
【補正方法】変更
【補正内容】
【0030】 供試体の上記の木片を除去したモルタル部分の凹みの前面に透明樹脂板を固定 し、供試体の注水槽と水面観察窓を形成した。
【提出日】平成4年8月20日
【手続補正1】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0012
【補正方法】変更
【補正内容】
【0012】 本考案の湧水処理シート1は、コンクリート打設時にまだ固まらないコンクリ ートから側圧がかかる。このため、突状部3の大きさ及び数は、まだ固まらない コンクリートからの側圧に十分耐えるように選択されることが好ましい。通常は 、突状部3の大きさは、直径2〜20mmの範囲で、数は、100cm2当り2 〜200個の範囲であることが好ましい。
【図面の簡単な説明】
【図1】図1は、本考案の湧水処理シートの部分破断斜
視図である。
【図2】図2は、本考案の湧水処理シートを使用した地
下構築物の壁の断面図である。
【図3】図3は、本考案の湧水処理内装材の断面図であ
る。
【符号の説明】
1 湧水処理シート 2 合成樹脂シート 3 突状部 4 有孔シート 5 通水路 6 孔 7 内装材 8 掘削壁 9 コンクリート壁 10 クラック 11 配管 12 貯水槽

Claims (2)

    【実用新案登録請求の範囲】
  1. 【請求項1】突状部を多数有する合成樹脂シートと、水
    は通すがモルタルは通さない孔を多数有する有孔シート
    とが、該合成樹脂シートの突状部を内側にして該突状部
    において接合されてなり、合成樹脂シートと有孔シート
    との間に通水路を形成してなる湧水処理シート。
  2. 【請求項2】請求項1記載の湧水処理シートの合成樹脂
    シート面に内装材が積層されてなる湧水処理内装材。
JP7448691U 1991-09-17 1991-09-17 湧水処理シートおよび湧水処理内装材 Expired - Lifetime JP2518112Y2 (ja)

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Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPH07158086A (ja) * 1993-12-08 1995-06-20 Kajima Corp 地下外壁二重壁の施工法

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* Cited by examiner, † Cited by third party
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JPH07158086A (ja) * 1993-12-08 1995-06-20 Kajima Corp 地下外壁二重壁の施工法

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