JPH05271452A - 発泡性樹脂組成物及び発泡体 - Google Patents

発泡性樹脂組成物及び発泡体

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JPH05271452A
JPH05271452A JP10368492A JP10368492A JPH05271452A JP H05271452 A JPH05271452 A JP H05271452A JP 10368492 A JP10368492 A JP 10368492A JP 10368492 A JP10368492 A JP 10368492A JP H05271452 A JPH05271452 A JP H05271452A
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浩士 前澤
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 柔軟性、弾性、伸び、低温特性に優れるとと
もに、接着性が良好な樹脂発泡体及びこの発泡体を得る
ための樹脂組成物を提供する。上記発泡体は、例えば建
材、包装材料、緩衝材料、断熱材、自動車部品、防振材
に用いる。 【構成】 α−オレフィンに由来する繰り返し単位と環
状オレフィンに由来する繰り返し単位とを有しガラス転
移温度(Tg)が30℃以下である環状オレフィン系共
重合体と発泡剤とからなる発泡性樹脂組成物を発泡させ
て発泡体を得る。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、柔軟性、弾性、伸び、
低温特性に優れるとともに、接着性が良好で、建材、包
装材料、緩衝材料、断熱材、自動車部品、防振材等とし
て好適に使用することができる発泡体及び該発泡体を得
るための発泡性樹脂組成物に関する。
【0002】
【従来の技術及び発明が解決しようとする課題】従来か
ら、ポリエチレン、ポリプロピレンなどのポリオレフィ
ン系重合体やポリスチレン等の発泡体は広く知られてお
り、低発泡体は例えば合成木材として建材等に使用さ
れ、また高発泡体は例えば断熱材等に使用されている。
一方、天然ゴムや合成ゴムからなるエラストマー発泡体
が知られているが、これらは製造に加硫装置が必要であ
るため、製造工程が繁雑になる欠点があった。そこで、
加硫工程を省略するために軟質ポリオレフィン系樹脂、
例えばエチレン・酢酸ビニル共重合体や低密度ポリエチ
レンからなる発泡体も使用されているが、これらはゴム
と比較してエラストマーとしての弾性や引張特性が劣る
ものであった。
【0003】これに対し、特開平2−289632号公
報には、エチレンと特定の環状オレフィンとからなる共
重合体及び発泡剤からなる発泡性重合体組成物並びにこ
の組成物を発泡させた発泡体が開示されている。しか
し、ここで示されている共重合体はガラス転移温度が5
0〜230℃と高いものであって、耐熱性には優れるも
のの、エラストマー的な弾性、柔軟性、引張特性を有す
るものではない。このことは、上記発泡体の引張破断伸
びが高々6%であることからも明らかである。また、軟
質発泡体としてポリウレタンフォームが知られている
が、これは耐水性が悪く、その用途が制限されるもので
あった。
【0004】本発明は、上記事情に鑑みなされたもの
で、優れた柔軟性、弾性、伸び、耐水性、低温特性を有
する樹脂発泡体及び該発泡体を得るための樹脂組成物を
提供することを目的とする。
【0005】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、鋭意検討
を行なった結果、特定のガラス転移温度(Tg)を有す
る特定構造の環状オレフィン系共重合体に発泡剤を配合
して発泡させた場合、上記要求を満足する発泡体が得ら
れることを知見し、本発明をなすに至った。
【0006】すなわち、本発明は、α−オレフィンに由
来する繰り返し単位と環状オレフィンに由来する繰り返
し単位とを有しガラス転移温度(Tg)が30℃以下で
ある環状オレフィン系共重合体と、発泡剤とからなる発
泡性樹脂組成物を提供する。また、本発明は、上記発泡
性樹脂組成物を発泡させてなる発泡体を提供する。
【0007】以下、本発明につき更に詳しく説明する。
まず、本発明発泡性樹脂組成物に用いる環状オレフィン
系共重合体について詳述する。環状オレフィン系共重合
体しては、α−オレフィンに由来する繰り返し単位と環
状オレフィンに由来する繰り返し単位とを有し、ガラス
転移温度(Tg)が30℃以下のものを用いる。ここ
で、上記α−オレフィンとしては、必ずしも限定されな
いが、例えば下記一般式[X]
【化1】 (式[X]中、Raは水素原子又は炭素数1〜20の炭
化水素基を示す。)で表わされる繰り返し単位を与える
ものが挙げられる。
【0008】上記一般式[X]で示される繰り返し単位
において、Raは水素原子又は炭素数1〜20の炭化水
素基を示している。ここで、炭素数1〜20の炭化水素
基として、具体的には、例えばメチル基,エチル基,イ
ソプロピル基,n−プロピル基,イソブチル基,n−ブ
チル基,n−ヘキシル基,n−オクチル基,n−オクタ
デシル基等を挙げることができる。また、一般式[X]
で示される繰り返し単位を与えるα−オレフィンの具体
例としては、例えば、エチレン,プロピレン,1−ブテ
ン,3−メチル−1−ブテン,4−メチル−1−ペンテ
ン,1−ヘキセン,1−オクテン,1−デセン,1−エ
イコセン等を挙げることができる。
【0009】また、前記環状オレフィンとしては、必ず
しも限定されないが、例えば下記一般式[Y]
【化2】 (式[Y]中、Rb〜Rmはそれぞれ水素原子、炭素数1
〜20の炭化水素基又はハロゲン原子,酸素原子若しく
は窒素原子を含む置換基を示し、nは0以上の整数を示
す。Rj又はRkとRl又はRmとは互いに環を形成しても
よい。また、Rb〜Rmはそれぞれ互いに同一でも異なっ
ていてもよい。)で表わされる繰り返し単位を与えるも
のが挙げられる。
【0010】上記一般式[Y]で表わされる繰り返し単
位において、Rb〜Rmは、それぞれ水素原子、炭素数1
〜20の炭化水素基又はハロゲン原子,酸素原子若しく
は窒素原子を含む置換基を示している。ここで、炭素数
1〜20の炭化水素基として、具体的には、例えばメチ
ル基,エチル基,n−プロピル基,イソプロピル基,n
−ブチル基,イソブチル基,t−ブチル基,ヘキシル基
等の炭素数1〜20のアルキル基、フェニル基,トリル
基,ベンジル基等の炭素数6〜20のアリール基,アル
キルアリール基若しくはアリールアルキル基、メチリデ
ン基,エチリデン基,プロピリデン基等の炭素数1〜2
0のアルキリデン基、ビニル基,アリル基等の炭素数2
〜20のアルケニル基等を挙げることができる。但し,
b,Rc,Rf,Rgはアルキリデン基を除く。なお、R
d,Re,Rh〜Rmのいずれかがアルキリデン基の場合、
それが結合している炭素原子は他の置換基を有さない。
【0011】また、ハロゲン原子を含む置換基として具
体的には、例えば、フッ素,塩素,臭素,ヨウ素等のハ
ロゲン基、クロロメチル基,ブロモメチル基,クロロエ
チル基等の炭素数1〜20のハロゲン置換アルキル基等
を挙げることができる。酸素原子を含む置換基として具
体的には、例えば、メトキシ基,エトキシ基,プロポキ
シ基,フェノキシ基等の炭素数1〜20のアルコキシ
基、メトキシカルボニル基,エトキシカルボニル基等の
炭素数1〜20のアルコキシカルボニル基等を挙げるこ
とができる。窒素原子を含む置換基として具体的には、
例えば、ジメチルアミノ基,ジエチルアミノ基等の炭素
数1〜20のアルキルアミノ基やシアノ基等を挙げるこ
とができる。
【0012】一般式[Y]で示される繰り返し単位を与
える環状オレフィンの具体例としては、例えば、ノルボ
ルネン、5−メチルノルボルネン、5−エチルノルボル
ネン、5−プロピルノルボルネン、5,6−ジメチルノ
ルボルネン、1−メチルノルボルネン、7−メチルノル
ボルネン、5,5,6−トリメチルノルボルネン、5−
フェニルノルボルネン、5−ベンジルノルボルネン、5
−エチリデンノルボルネン、5−ビニルノルボルネン、
1,4,5,8−ジメタノ−1,2,3,4,4a,
5,8,8a−オクタヒドロナフタレン、2−メチル−
1,4,5,8−ジメタノ−1,2,3,4,4a,
5,8,8a−オクタヒドロナフタレン、2−エチル−
1,4,5,8−ジメタノ−1,2,3,4,4a,
5,8,8a−オクタヒドロナフタレン、2,3−ジメ
チル−1、4、5、8−ジメタノ−1,2,3,4,4
a,5,8,8a−オクタヒドロナフタレン、2−ヘキ
シル−1,4,5,8−ジメタノ−1,2,3,4,4
a,5,8,8a−オクタヒドロナフタレン、2−エチ
リデン−1,4,5,8−ジメタノ−1,2,3,4,
4a,5,8,8a−オクタヒドロナフタレン、2−フ
ルオロ−1,4,5,8−ジメタノ−1,2,3,4,
4a,5,8,8a−オクタヒドロナフタレン、1,5
−ジメチル−1,4,5,8−ジメタノ−1,2,3,
4,4a,5,8,8a−オクタヒドロナフタレン、2
−シクロヘキシル−1,4,5,8−ジメタノ−1,
2,3,4,4a,5,8,8a−オクタヒドロナフタ
レン、2,3−ジクロロ−1,4,5,8−ジメタノ−
1,2,3,4,4a,5,8,8a−オクタヒドロナ
フタレン、2−イソブチル−1,4,5,8−ジメタノ
−1,2,3,4,4a,5,8,8a−オクタヒドロ
ナフタレン、1,2−ジヒドロジシクロペンタジエン、
5−クロロノルボルネン、5,5−ジクロロノルボルネ
ン、5−フルオロノルボルネン、5,5,6−トリフル
オロ−6−トリフルオロメチルノルボルネン、5−クロ
ロメチルノルボルネン、5−メトキシノルボルネン、
5,6−ジカルボキシルノルボルネンアンハイドレー
ト、5−ジメチルアミノノルボルネン、5−シアノノル
ボルネン等を挙げることができる。これらの中では、ノ
ルボルネン又はその誘導体が特に好ましい。
【0013】本発明で用いる環状オレフィン系共重合体
は、基本的には、上述したようなα−オレフィンと環状
オレフィンとを共重合してなるものであるが、本発明の
目的を損なわない範囲で、これら必須の2成分の他に、
必要に応じて他の共重合可能な不飽和単量体成分を用い
ていてもよい。このような任意に共重合されてもよい不
飽和単量体として、具体的には、前記したα−オレフ
ィン成分のうち、先に使用されていないもの、前記し
た環状オレフィン成分のうち、先に使用されていないも
の、ジシクロペンタジエン,ノルボルナジエン等の環
状ジエン類、ブタジエン,イソプレン,1,5−ヘキ
サジエン等の鎖状ジエン類、シクロペンテン,シクロ
ヘプテン等の単環オレフィン類等が挙げられる。
【0014】本発明で用いる環状オレフィン系共重合体
は、α−オレフィン単位の含有率[x]及び環状オレフ
ィン単位の含有率[y]が、[x]が80〜99.9モ
ル%に対し[y]が20〜0.1モル%、特に[x]が
82〜99.5モル%に対し[y]が18〜0.5モル
%、中でも[x]が85〜98モル%に対し[y]が1
5〜2モル%であることが好ましい。α−オレフィン単
位の含有率[x]が80モル%未満であると、共重合体
のガラス転移温度(Tg)、引張弾性率が高くなり、得
られる発泡体の弾性回復性、耐衝撃性、弾力性などが不
十分になることがある。一方、環状オレフィン単位の含
有率[y]が0.1モル%未満であると、共重合体の結
晶性が高くなり、弾性回復性等の環状オレフィン成分の
導入効果が不十分となることがある。
【0015】本発明で用いる環状オレフィン系共重合体
としては、α−オレフィン単位と環状オレフィン単位と
が直鎖状に配列した実質上線状の共重合体であり、ゲル
状架橋構造を有さないものであることが好ましい。ゲル
状架橋構造を有さないことは、共重合体が135℃のデ
カリン中に完全に溶解することによって確認できる。
【0016】また、本発明で用いる環状オレフィン系共
重合体は、135℃のデカリン中で測定した極限粘度
[η]が0.01〜20dl/gであることが好まし
い。極限粘度[η]が0.01dl/g未満であると強
度が著しく低下することがあり、20dl/gを超える
と成形性が著しく悪くなることがある。より好ましい極
限粘度[η]は0.05〜10dl/gである。
【0017】本発明で用いる環状オレフィン系共重合体
の分子量は特に制限されるものではないが、ゲルパーミ
エイションクロマトグラフィー(GPC)[ポリエチレ
ン換算]によって測定した重量平均分子量Mwが1,0
00〜2,000,000、特に5,000〜1,00
0,000、数平均分子量Mnが500〜1,000,
000、特に2,000〜800,000であり、分子
量分布(Mw/Mn)が1.3〜4、特に1.4〜3で
あることが好ましい。分子量分布(Mw/Mn)が4よ
り大きくなると低分子量体の含有量が多くなり、発泡体
のべたつきの原因となることがある。
【0018】本発明で用いる環状オレフィン系共重合体
は、ガラス転移温度(Tg)が30℃未満であることが
必要である。このような共重合体を用いれば、低温で好
適に使用することができる発泡体が得られる。より好ま
しいガラス転移温度(Tg)は−30〜20℃、特に−
30〜15℃である。この場合、本発明で用いる環状オ
レフィン系共重合体は、単量体の種類、組成を変更する
ことによりガラス転移温度(Tg)を任意に制御するこ
とができ、目的とする用途、使用される温度等に応じて
ガラス転移温度(Tg)を任意に変えることができる。
【0019】また、本発明で用いる環状オレフィン系共
重合体は、X線回折法により測定した結晶化度が0〜4
0%であることが好ましい。結晶化度が40%を超える
と、耐衝撃性、弾力性等が低下することがある。より好
ましい結晶化度は0〜30%、特に0〜25%である。
【0020】本発明で用いる環状オレフィン系共重合体
は、引張弾性率が3,000Kg/cm2未満であるこ
とが望ましい。引張弾性率が3,000Kg/cm2
上であると、発泡体の耐衝撃性が不十分になることがあ
る。より好ましい引張弾性率は50〜2,000Kg/
cm2である。
【0021】本発明で用いる環状オレフィン系共重合体
は、弾性回復率が20%以上であることが好ましい。弾
性回復率が20%未満であると、発泡体として使用した
ときに柔軟性、弾力性が不十分となることがある。より
好ましい弾性回復率は30%以上、特に40%以上であ
る。なお、弾性回復率は、オートグラフを用い、引張速
度62mm/分で、巾6mm、クランプ間50mm(L
0)の測定片を150%伸ばして引張り、5分間そのま
まの状態を保った後、はね返させることなく急に収縮さ
せ、1分後にクランプ間のシートの長さ(L1)を測定
し、下記式により求めた値である。 弾性回復率(%)=[1−{(L1−L0)/L0}]×
100
【0022】本発明で用いる環状オレフィン系共重合体
は、DSC(昇温測定)によるブロードな融解ピークが
90℃未満にあることが好ましい。DSC(昇温測定)
によるシャープな融解ピークが90℃以上にあるような
共重合体は、環状オレフィンとα−オレフィンとの共重
合体の組成分布が広く、発泡体の耐衝撃性、弾力性が不
十分になることがある。なお、DSC(昇温測定)によ
るブロードな融解ピークは、10〜85℃の範囲にある
ことがより好ましい。DSC(昇温測定)において、オ
レフィン系共重合体の融点(融解ピーク)はシャープに
はみられず、特に低結晶化度のものにあっては、通常の
ポリエチレンの測定条件レベルではほとんどピークが出
ない。また、本発明で用いる環状オレフィン系共重合体
は、DSC(降温測定)による結晶化ピークにおいて、
メインピークの高温側に比較的小さな1個以上のサブピ
ークを有するものであることが好ましい。前述した熱的
性質の特徴により、前記発泡体の物性を得ることができ
るとともに、成形温度範囲が広くなるなど、発泡体を安
定して成形することができる。
【0023】本発明で用いる環状オレフィン系共重合体
としては、上述した範囲の物性を有するもののみからな
る共重合体であってもよく、上記範囲外の物性を有する
共重合体が一部含まれているものであってもよい。後者
の場合には、全体の物性値が上記範囲に含まれていれば
よい。
【0024】本発明で用いる環状オレフィン系共重合体
の製造方法に限定はないが、下記化合物(A)及び
(B)を主成分とする触媒又は下記化合物(A)、
(B)及び(C)を主成分とする触媒を用いてα−オレ
フィンと環状オレフィンとの共重合を行なうことによ
り、効率的に製造することができる。 (A)遷移金属化合物 (B)遷移金属化合物と反応してイオン性の錯体を形成
する化合物 (C)有機アルミニウム化合物
【0025】この場合、上記遷移金属化合物(A)とし
ては、周期律表のIVB族,VB族,VIB族,VIIB族,VI
II族に属する遷移金属を含む遷移金属化合物を使用する
ことができる。上記遷移金属として、具体的には、チタ
ニウム、ジルコニウム、ハフニウム、クロム、マンガ
ン、ニッケル、パラジウム、白金等が好ましく、中でも
ジルコニウム、ハフニウム、チタン、ニッケル、パラジ
ウムが好ましい。
【0026】このような遷移金属化合物(A)として
は、種々のものが挙げられるが、特にIVB族、VIII族の
遷移金属を含む化合物、中でも周期律表のIVB族から選
ばれる遷移金属、すなわちチタニウム(Ti)、ジルコ
ニウム(Zr)又はハフニウム(Hf)を含有する化合
物を好適に使用することができ、特に下記一般式(I),
(II)又は(III)で示されるシクロペンタジエニル化合物
又はこれらの誘導体あるいは下記一般式(IV)で示され
る化合物又はこれらの誘導体が好適である。 CpM11 a2 b3 c …(I) Cp211 a2 b …(II) (Cp−Ae−Cp)M11 a2 b …(III) M11 a2 b3 c4 d …(IV)
【0027】[(I)〜(IV)式中、M1 はTi,Zr
又はHf原子を示し、Cpはシクロペンタジエニル基,
置換シクロペンタジエニル基,インデニル基,置換イン
デニル基,テトラヒドロインデニル基,置換テトラヒド
ロインデニル基,フルオレニル基又は置換フルオレニル
基等の環状不飽和炭化水素基又は鎖状不飽和炭化水素基
を示す。R1 ,R2 ,R3及びR4はそれぞれそれぞれσ
結合性の配位子,キレート性の配位子,ルイス塩基等の
配位子を示し、σ結合性の配位子としては、具体的に水
素原子,酸素原子,ハロゲン原子,炭素数1〜20のア
ルキル基,炭素数1〜20のアルコキシ基,炭素数6〜
20のアリール基,アルキルアリール基若しくはアリー
ルアルキル基,炭素数1〜20のアシルオキシ基,アリ
ル基,置換アリル基,けい素原子を含む置換基等を例示
でき、またキレート性の配位子としてはアセチルアセト
ナート基,置換アセチルアセトナート基等を例示でき
る。Aは共有結合による架橋を示す。a,b,c及びd
はそれぞれ0〜4の整数、eは0〜6の整数を示す。R
1 ,R2 ,R3及びR4はその2以上が互いに結合して環
を形成していてもよい。上記Cpが置換基を有する場合
には、当該置換基は炭素数1〜20のアルキル基が好ま
しい。(II)式及び(III)式において、2つのCpは
同一のものであってもよく、互いに異なるものであって
もよい。]
【0028】上記(I)〜(III)式における置換シクロ
ペンタジエニル基としては、例えば、メチルシクロペン
タジエニル基,エチルシクロペンタジエニル基,イソプ
ロピルシクロペンタジエニル基,1,2−ジメチルシク
ロペンタジエニル基,テトラメチルシクロペンタジエニ
ル基,1,3−ジメチルシクロペンタジエニル基,1,
2,3−トリメチルシクロペンタジエニル基,1,2,
4−トリメチルシクロペンタジエニル基,ペンタメチル
シクロペンタジエニル基,トリメチルシリルシクロペン
タジエニル基等が挙げられる。また、上記(I)〜(I
V)式におけるR1〜R4の具体例としては、例えば、ハ
ロゲン原子としてフッ素原子,塩素原子,臭素原子,ヨ
ウ素原子;炭素数1〜20のアルキル基としてメチル
基,エチル基,n−プロピル基,iso−プロピル基,
n−ブチル基,オクチル基,2−エチルヘキシル基;炭
素数1〜20のアルコキシ基としてメトキシ基,エトキ
シ基,プロポキシ基,ブトキシ基,フェノキシ基;炭素
数6〜20のアリール基,アルキルアリール基若しくは
アリールアルキル基としてフェニル基,トリル基,キシ
リル基,ベンジル基;炭素数1〜20のアシルオキシ基
としてヘプタデシルカルボニルオキシ基;けい素原子を
含む置換基としてトリメチルシリル基,(トリメチルシ
リル)メチル基:ルイス塩基としてジメチルエーテル,
ジエチルエーテル,テトラヒドロフラン等のエーテル
類、テトラヒドロチオフェン等のチオエーテル類、エチ
ルベンゾエート等のエステル類、アセトニトリル,ベン
ゾニトリル等のニトリル類、トリメチルアミン,トリエ
チルアミン,トリブチルアミン,N,N−ジメチルアニ
リン,ピリジン,2,2’−ビピリジン,フェナントロ
リン等のアミン類、トリエチルホスフィン,トリフェニ
ルホスフィン等のホスフィン類;鎖状不飽和炭化水素と
してエチレン,ブタジエン,1−ペンテン,イソプレ
ン,ペンタジエン,1−ヘキセン及びこれらの誘導体;
環状不飽和炭化水素としてベンゼン,トルエン,キシレ
ン,シクロヘプタトリエン,シクロオクタジエン,シク
ロオクタトリエン,シクロオクタテトラエン及びこれら
の誘導体等が挙げられる。また、上記(III)式におけ
るAの共有結合による架橋としては、例えばメチレン架
橋,ジメチルメチレン架橋,エチレン架橋,1,1’−
シクロヘキシレン架橋,ジメチルシリレン架橋,ジメチ
ルゲルミレン架橋,ジメチルスタニレン架橋等が挙げら
れる。
【0029】このような化合物として、例えば下記のも
の及びこれら化合物のジルコニウムをチタニウム又はハ
フニウムで置換した化合物が挙げられる。(I)式の化合物 (ペンタメチルシクロペンタジエニル)トリメチルジル
コニウム、(ペンタメチルシクロペンタジエニル)トリ
フェニルジルコニウム、(ペンタメチルシクロペンタジ
エニル)トリベンジルジルコニウム、(ペンタメチルシ
クロペンタジエニル)トリクロロジルコニウム、(ペン
タメチルシクロペンタジエニル)トリメトキシジルコニ
ウム、(シクロペンタジエニル)トリメチルジルコニウ
ム、(シクロペンタジエニル)トリフェニルジルコニウ
ム、(シクロペンタジエニル)トリベンジルジルコニウ
ム、(シクロペンタジエニル)トリクロロジルコニウ
ム、(シクロペンタジエニル)トリメトキシジルコニウ
ム、(シクロペンタジエニル)ジメチル(メトキシ)ジ
ルコニウム、(メチルシクロペンタジエニル)トリメチ
ルジルコニウム、(メチルシクロペンタジエニル)トリ
フェニルジルコニウム、(メチルシクロペンタジエニ
ル)トリベンジルジルコニウム、(メチルシクロペンタ
ジエニル)トリクロロジルコニウム、(メチルシクロペ
ンタジエニル)ジメチル(メトキシ)ジルコニウム、
(ジメチルシクロペンタジエニル)トリクロロジルコニ
ウム、(トリメチルシクロペンタジエニル)トリクロロ
ジルコニウム、(トリメチルシリルシクロペンタジエニ
ル)トリメチルジルコニウム、(テトラメチルシクロペ
ンタジエニル)トリクロロジルコニウム、
【0030】(II)式の化合物 ビス(シクロペンタジエニル)ジメチルジルコニウム、
ビス(シクロペンタジエニル)ジフェニルジルコニウ
ム、ビス(シクロペンタジエニル)ジエチルジルコニウ
ム、ビス(シクロペンタジエニル)ジベンジルジルコニ
ウム、ビス(シクロペンタジエニル)ジメトキシジルコ
ニウム、ビス(シクロペンタジエニル)ジクロロジルコ
ニウム、ビス(シクロペンタジエニル)ジヒドリドジル
コニウム、ビス(シクロペンタジエニル)モノクロロモ
ノヒドリドジルコニウム、ビス(メチルシクロペンタジ
エニル)ジメチルジルコニウム、ビス(メチルシクロペ
ンタジエニル)ジクロロジルコニウム、ビス(メチルシ
クロペンタジエニル)ジベンジルジルコニウム、ビス
(ペンタメチルシクロペンタジエニル)ジメチルジルコ
ニウム、ビス(ペンタメチルシクロペンタジエニル)ジ
クロロジルコニウム、ビス(ペンタメチルシクロペンタ
ジエニル)ジベンジルジルコニウム、ビス(ペンタメチ
ルシクロペンタジエニル)クロロメチルジルコニウム、
ビス(ペンタメチルシクロペンタジエニル)ヒドリドメ
チルジルコニウム、(シクロペンタジエニル)(ペンタ
メチルシクロペンタジエニル)ジクロロジルコニウム、
【0031】(III)式の化合物 エチレンビス(インデニル)ジメチルジルコニウム、エ
チレンビス(インデニル)ジクロロジルコニウム、エチ
レンビス(テトラヒドロインデニル)ジメチルジルコニ
ウム、エチレンビス(テトラヒドロインデニル)ジクロ
ロジルコニウム、ジメチルシリレンビス(シクロペンタ
ジエニル)ジメチルジルコニウム、ジメチルシリレンビ
ス(シクロペンタジエニル)ジクロロジルコニウム、イ
ソプロピリデン(シクロペンタジエニル)(9−フルオ
レニル)ジメチルジルコニウム、イソプロピリデン(シ
クロペンタジエニル)(9−フルオレニル)ジクロロジ
ルコニウム、[フェニル(メチル)メチレン](9−フ
ルオレニル)(シクロペンタジエニル)ジメチルジルコ
ニウム、ジフェニルメチレン(シクロペンタジエニル)
(9−フルオレニル)ジメチルジルコニウム、エチレン
(9−フルオレニル)(シクロペンタジエニル)ジメチ
ルジルコニウム、シクロヘキシリデン(9−フルオレニ
ル)(シクロペンタジエニル)ジメチルジルコニウム、
シクロペンチリデン(9−フルオレニル)(シクロペン
タジエニル)ジメチルジルコニウム、シクロブチリデン
(9−フルオレニル)(シクロペンタジエニル)ジメチ
ルジルコニウム、ジメチルシリレン(9−フルオレニ
ル)(シクロペンタジエニル)ジメチルジルコニウム、
ジメチルシリレンビス(2,3,5−トリメチルシクロ
ペンタジエニル)ジクロロジルコニウム、ジメチルシリ
レンビス(2,3,5−トリメチルシクロペンタジエニ
ル)ジメチルジルコニウム、ジメチルシリレンスビス
(インデニル)ジクロロジルコニウム
【0032】上記一般式(I),(II),(III)で示さ
れるシクロペンタジエニル化合物以外の化合物の例とし
ては、前記(IV)式の化合物が挙げられ、例えば下記化
合物あるいはこれらのジルコニウムをハフニウム、チタ
ニウムに置き換えた化合物等のアルキル基、アルコキシ
基及びハロゲン原子の1種又は2種以上を持つジルコニ
ウム化合物、ハフニウム化合物、チタニウム化合物が挙
げられる。 テトラメチルジルコニウム、テトラベンジルジルコニウ
ム、テトラメトキシジルコニウム、テトラエトキシジル
コニウム、テトラブトキシジルコニウム、テトラクロロ
ジルコニウム、テトラブロモジルコニウム、ブトキシト
リクロロジルコニウム、ジブトキシジクロロジルコニウ
ム、ビス(2,5−ジ−t−ブチルフェノキシ)ジメチ
ルジルコニウム、ビス(2,5−ジ−t−ブチルフェノ
キシ)ジクロロジルコニウム、ジルコニウムビス(アセ
チルアセトナート)、
【0033】また、VB〜VIII族の遷移金属を含む遷移金
属化合物としては、特に制限はなく、クロム化合物の具
体例として、例えば、テトラメチルクロム、テトラ(t
−ブトキシ)クロム、ビス(シクロペンタジエニル)ク
ロム、ヒドリドトリカルボニル(シクロペンタジエニ
ル)クロム、ヘキサカルボニル(シクロペンタジエニ
ル)クロム、ビス(ベンゼン)クロム、トリカルボニル
トリス(ホスホン酸トリフェニル)クロム、トリス(ア
リル)クロム、トリフェニルトリス(テトラヒドロフラ
ン)クロム、クロムトリス(アセチルアセトナート)等
が挙げられる。
【0034】マンガン化合物の具体例としては、例え
ば、トリカルボニル(シクロペンタジエニル)マンガ
ン、ペンタカルボニルメチルマンガン、ビス(シクロペ
ンタジエニル)マンガン、マンガンビス(アセチルアセ
トナート)等が挙げられる。
【0035】ニッケル化合物の具体例としては、例え
ば、ジカルボニルビス(トリフェニルホスフィン)ニッ
ケル、ジブロモビス(トリフェニルホスフィン)ニッケ
ル、二窒素ビス(ビス(トリシクロヘキシルホスフィ
ン)ニッケル)、クロロヒドリドビス(トリシクロヘキ
シルホスフィン)ニッケル、クロロ(フェニル)ビス
(トリフェニルホスフィン)ニッケル、ジメチルビス
(トリメチルホスフィン)ニッケル、ジエチル(2,
2’−ビピリジル)ニッケル、ビス(アリル)ニッケ
ル、ビス(シクロペンタジエニル)ニッケル、ビス(メ
チルシクロペンタジエニル)ニッケル、ビス(ペンタメ
チルシクロペンタジエニル)ニッケル、アリル(シクロ
ペンタジエニル)ニッケル、(シクロペンタジエニル)
(シクロオクタジエン)ニッケルテトラフルオロ硼酸
塩、ビス(シクロオクタジエン)ニッケル、ニッケルビ
スアセチルアセトナート、アリルニッケルクロライド、
テトラキス(トリフェニルフォスフィン)ニッケル、塩
化ニッケル、(C6H5)Ni{OC(C6H5)CH=P(C6H5)2}{P(C
6H5)3}、(C6H5)Ni{OC(C6H5)C(SO3Na)=P(C6H5)2}{P(C
6H5)3}等が挙げられる。
【0036】パラジウム化合物の具体例としては、例え
ば、ジクロロビス(ベンゾニトリル)パラジウム、カル
ボニルトリス(トリフェニルホスフィン)パラジウム、
ジクロロビス(トリエチルホスフィン)パラジウム、ビ
ス(イソシアン化t−ブチル)パラジウム、パラジウム
ビス(アセチルアセトナート)、ジクロロ(テトラフェ
ニルシクロブタジエン)パラジウム、ジクロロ(1,5
−シクロオクタジエン)パラジウム、アリル(シクロペ
ンタジエニル)パラジウム、ビス(アリル)パラジウ
ム、アリル(1,5−シクロオクタジエン)パラジウム
テトラフルオロ硼酸塩、(アセチルアセトナート)
(1,5−シクロオクタジエン)パラジウムテトラフル
オロ硼酸塩、テトラキス(アセトニトリル)パラジウム
二テトラフルオロ硼酸塩等が挙げられる。
【0037】次に、化合物(B)としては、遷移金属化
合物(A)と反応してイオン性の錯体を形成する化合物
であればいずれのものでも使用できるが、カチオンと複
数の基が元素に結合したアニオンとからなる化合物、特
にカチオンと複数の基が元素に結合したアニオンとから
なる配位錯化合物を好適に使用することができる。この
ようなカチオンと複数の基が元素に結合したアニオンと
からなる化合物としては、下記式(V)あるいは(VI)
で示される化合物を好適に使用することができる。 ([L1−R7]k+)p([M312…Zn](n-m)-)q …(V) ([L2]k+)p([M412…Zn](n-m)-)q …(VI) (但し、L2 はM5,R896,R10 3C又はR116
ある)
【0038】[(V),(VI)式中、L1 はルイス塩
基、M3及びM4はそれぞれ周期律表のVB族,VIB族,V
IIB族,VIII族,IB族,IIB族,IIIA族,IVA族及び
VA族から選ばれる元素、好ましくは、IIIA族,IVA族
及びVA族から選ばれる元素、M5及びM6はそれぞれ周
期律表のIIIB族,IVB族,VB族,VIB族,VIIB族,V
III族,IA族,IB族,IIA族,IIB族及びVIIA族から
選ばれる元素、Z1〜Zn はそれぞれ水素原子,ジアル
キルアミノ基,炭素数1〜20のアルコキシ基,炭素数
6〜20のアリールオキシ基,炭素数1〜20のアルキ
ル基,炭素数6〜20のアリール基,アルキルアリール
基,アリールアルキル基,炭素数1〜20のハロゲン置
換炭化水素基,炭素数1〜20のアシルオキシ基,有機
メタロイド基又はハロゲン原子を示し、Z1〜Znはその
2以上が互いに結合して環を形成していてもよい。R7
は水素原子,炭素数1〜20のアルキル基,炭素数6〜
20のアリール基,アルキルアリール基又はアリールア
ルキル基を示し、R8及びR9はそれぞれシクロペンタジ
エニル基,置換シクロペンタジエニル基,インデニル基
又はフルオレニル基、R10は炭素数1〜20のアルキル
基,アリール基,アルキルアリール基又はアリールアル
キル基をを示す。R11はテトラフェニルポルフィリン、
フタロシアニン等の大環状配位子を示す。mはM3 ,M
4の原子価で1〜7の整数、nは2〜8の整数、kは
[L1−R7],[L2]のイオン価数で1〜7の整数、
pは1以上の整数、q=(p×k)/(n−m)であ
る。]
【0039】上記ルイス塩基の具体例としては、アンモ
ニア,メチルアミン,アニリン,ジメチルアミン,ジエ
チルアミン,N−メチルアニリン,ジフェニルアミン,
トリメチルアミン,トリエチルアミン,トリ−n−ブチ
ルアミン,N,N−ジメチルアニリン,メチルジフェニ
ルアミン,ピリジン,p−プロモ−N,N−ジメチルア
ニリン,p−ニトロ−N,N−ジメチルアニリン等のア
ミン類、トリエチルフォスフィン,トリフェニルフォス
フィン,ジフェニルフォスフィン等のフォスフィン類、
ジメチルエーテル,ジエチルエーテル,テトラヒドロフ
ラン,ジオキサン等のエーテル類、ジエチルチオエーテ
ル,テトラヒドロチオフェン等のチオエーテル類、エチ
ルベンゾート等のエステル類等が挙げられる。M3及び
4の具体例としてはB,Al,Si,P,As,Sb
等,好ましくはB又はP、M5の具体例としてはLi,
Na,Ag,Cu,Br,I,I3等,M6の具体例とし
てはMn,Fe,Co,Ni,Zn等が挙げられる。
【0040】Z1 〜Zn の具体例としては、例えば、ジ
アルキルアミノ基としてジメチルアミノ基,ジエチルア
ミノ基;炭素数1〜20のアルコシキ基としてメトキシ
基,エトキシ基,n−ブトキシ基;炭素数6〜20のア
リールオキシ基としてフェノキシ基,2,6−ジメチル
フェノキシ基,ナフチルオキシ基;炭素数1〜20のア
ルキル基としてメチル基,エチル基,n−プロピル基,
iso−プロピル基,n−ブチル基,n−オクチル基,
2−エチルヘキシル基;炭素数6〜20のアリール基,
アルキルアリール基若しくはアリールアルキル基として
フェニル基,p−トリル基,ベンジル基,4−ターシャ
リ−ブチルフェニル基,2,6−ジメチルフェニル基,
3,5−ジメチルフェニル基,2,4−ジメチルフェニ
ル基,2,3−ジメチルフェニル基;炭素数1〜20の
ハロゲン置換炭化水素基としてp−フルオロフェニル
基,3,5−ジフルオロフェニル基,ペンタクロロフェ
ニル基,3,4,5−トリフルオロフェニル基,ペンタ
フルオロフェニル基,3,5−ジ(トリフルオロメチ
ル)フェニル基;ハロゲン原子としてF,Cl,Br,
I;有機メタロイド基として五メチルアンチモン基,ト
リメチルシリル基,トリメチルゲルミル基,ジフェニル
アルシン基,ジシクロヘキシルアンチモン基,ジフェニ
ル硼素基が挙げられる。R7,R10の具体例としては、
先に挙げたものと同様なものが挙げられる。R8及びR9
の置換シクロペンタジエニル基の具体例としては、メチ
ルシクロペンタジエニル基,ブチルシクロペンタジエニ
ル基,ペンタメチルシクロペンタジエニル基等のアルキ
ル基で置換されたものが挙げられる。ここで、アルキル
基は通常炭素数が1〜6であり、置換されたアルキル基
の数は1〜5の整数で選ぶことができる。(V),(V
I)式の化合物の中では、M3,M4が硼素であるものが
好ましい。
【0041】(V),(VI)式の化合物の中で、具体的
には、下記のものを特に好適に使用できる。(V)式の化合物 テトラフェニル硼酸トリエチルアンモニウム、テトラフ
ェニル硼酸トリ(n−ブチル)アンモニウム、テトラフ
ェニル硼酸トリメチルアンモニウム、テトラフェニル硼
酸テトラエチルアンモニウム、テトラフェニル硼酸メチ
ルトリ(n−ブチル)アンモニウム、テトラフェニル硼
酸ベンジルトリ(n−ブチル)アンモニウム、テトラフ
ェニル硼酸ジメチルジフェニルアンモニウム、テトラフ
ェニル硼酸メチルトリフェニルアンモニウム、テトラフ
ェニル硼酸トリメチルアニリニウム、テトラフェニル硼
酸メチルピリジニウム、テトラフェニル硼酸ベンジルピ
リジニウム、テトラフェニル硼酸メチル(2−シアノピ
リジニウム)、テトラフェニル硼酸トリメチルスルホニ
ウム、テトラフェニル硼酸ベンジルジメチルスルホニウ
ム、
【0042】テトラキス(ペンタフルオロフェニル)硼
酸トリエチルアンモニウム、テトラキス(ペンタフルオ
ロフェニル)硼酸トリ(n−ブチル)アンモニウム、テ
トラキス(ペンタフルオロフェニル)硼酸トリフェニル
アンモニウム、テトラキス(ペンタフルオロフェニル)
硼酸テトラブチルアンモニウム、テトラキス(ペンタフ
ルオロフェニル)硼酸(テトラエチルアンモニウム)、
テトラキス(ペンタフルオロフェニル)硼酸(メチルト
リ(n−ブチル)アンモニウム)、テトラキス(ペンタ
フルオロフェニル)硼酸(ベンジルトリ(n−ブチル)
アンモニウム)、テトラキス(ペンタフルオロフェニ
ル)硼酸メチルジフェニルアンモニウム、テトラキス
(ペンタフルオロフェニル)硼酸メチルトリフェニルア
ンモニウム、テトラキス(ペンタフルオロフェニル)硼
酸ジメチルジフェニルアンモニウム、テトラキス(ペン
タフルオロフェニル)硼酸アニリニウム、テトラキス
(ペンタフルオロフェニル)硼酸メチルアニリニウム、
テトラキス(ペンタフルオロフェニル)硼酸ジメチルア
ニリニウム、テトラキス(ペンタフルオロフェニル)硼
酸トリメチルアニリニウム、テトラキス(ペンタフルオ
ロフェニル)硼酸ジメチル(m−ニトロアニリニウ
ム)、テトラキス(ペンタフルオロフェニル)硼酸ジメ
チル(p−ブロモアニリニウム)、
【0043】テトラキス(ペンタフルオロフェニル)硼
酸ピリジニウム、テトラキス(ペンタフルオロフェニ
ル)硼酸(p−シアノピリジニウム)、テトラキス(ペ
ンタフルオロフェニル)硼酸(N−メチルピリジニウ
ム)、テトラキス(ペンタフルオロフェニル)硼酸(N
−ベンジルピリジニウム)、テトラキス(ペンタフルオ
ロフェニル)硼酸(O−シアノ−N−メチルピリジニウ
ム)、テトラキス(ペンタフルオロフェニル)硼酸(p
−シアノ−N−メチルピリジニウム)、テトラキス(ペ
ンタフルオロフェニル)硼酸(p−シアノ−N−ベンジ
ルピリジニウム)、テトラキス(ペンタフルオロフェニ
ル)硼酸トリメチルスルホニウム、テトラキス(ペンタ
フルオロフェニル)硼酸ベンジルジメチルスルホニウ
ム、テトラキス(ペンタフルオロフェニル)硼酸テトラ
フェニルホスホニウム、テトラキス(ペンタフルオロフ
ェニル)硼酸トリフェニルホスホニウム、テトラキス
(3,5−ジトリフルオロメチルフェニル)硼酸ジメチ
ルアニリニウム、ヘキサフルオロ砒素酸トリエチルアン
モニウム、
【0044】(VI)式の化合物 テトラフェニル硼酸フェロセニウム、テトラフェニル硼
酸銀、テトラフェニル硼酸トリチル、テトラフェニル硼
酸(テトラフェニルポルフィリンマンガン)、テトラキ
ス(ペンタフルオロフェニル)硼酸フェロセニウム、テ
トラキス(ペンタフルオロフェニル)硼酸(1,1’−
ジメチルフェロセニウム)、テトラキス(ペンタフルオ
ロフェニル)硼酸デカメチルフェロセニウム、テトラキ
ス(ペンタフルオロフェニル)硼酸アセチルフェロセニ
ウム、テトラキス(ペンタフルオロフェニル)硼酸ホル
ミルフェロセニウム、テトラキス(ペンタフルオロフェ
ニル)硼酸シアノフェロセニウム、テトラキス(ペンタ
フルオロフェニル)硼酸銀、テトラキス(ペンタフルオ
ロフェニル)硼酸トリチル、テトラキス(ペンタフルオ
ロフェニル)硼酸リチウム、テトラキス(ペンタフルオ
ロフェニル)硼酸ナトリウム、テトラキス(ペンタフル
オロフェニル)硼酸(テトラフェニルポルフィリンマン
ガン)、テトラキス(ペンタフルオロフェニル)硼酸
(テトラフェニルポルフィリン鉄クロライド)、テトラ
キス(ペンタフルオロフェニル)硼酸(テトラフェニル
ポルフィリン亜鉛)、テトラフルオロ硼酸銀、ヘキサフ
ルオロ砒素酸銀、ヘキサフルオロアンチモン酸銀、
【0045】また、(V),(VI)式以外の化合物、例
えばトリ(ペンタフルオロフェニル)硼素,トリ(3,
5−ジ(トリフルオロメチル)フェニル)硼素,トリフ
ェニル硼素等も使用可能である。
【0046】(C)成分である有機アルミニウム化合物
としては、下記一般式(VII),(VIII)又は(IX)で
示されるものが挙げられる。 R12 rAlQ3-r …(VII) (R12は炭素数1〜20、好ましくは1〜12のアルキ
ル基,アルケニル基,アリール基,アリールアルキル基
等の炭化水素基、Qは水素原子、炭素数1〜20のアル
コキシ基又はハロゲン原子を示す。rは1≦r≦3の範
囲のものである。)式(VII)の化合物として、具体的
には、トリメチルアルミニウム、トリエチルアルミニウ
ム、トリイソプロピルアルミニウム、トリイソブチルア
ルミニウム、ジメチルアルミニウムクロリド、ジエチル
アルミニウムクロリド、メチルアルミニウムジクロリ
ド、エチルアルミニウムジクロリド,ジメチルアルミニ
ウムフルオリド,ジイソブチルアルミニウムハイドライ
ド,ジエチルアルミニウムハイドライド,エチルアルミ
ニウムセスキクロリド等が挙げられる。
【0047】
【化3】 (R12は式(VII)と同じものを示す。sは重合度を示
し、通常3〜50、好ましくは7〜40である。)で示
される鎖状アルミノキサン。
【0048】
【化4】 (R12は式(VII)と同じものを示す。また、sは重合
度を示し、好ましい繰り返し単位数は3〜50、好まし
くは7〜40である。)で示される繰り返し単位を有す
る環状アルキルアルミノキサン。(VII)〜(IX)式の
化合物の中で、好ましいのは炭素数3以上のアルキル
基、なかでも分岐アルキル基を少なくとも1個以上有す
るアルキル基含有アルミニウム化合物又はアルミノキサ
ンである。特に好ましいのは、トリイソブチルアルミニ
ウム又は重合度7以上のアルミノキサンである。このト
リイソブチルアルミニウム又は重合度7以上のアルミノ
キサンあるいはこれらの混合物を用いた場合には、高い
活性を得ることができる。また、(VIII)〜(IX)式で
示されるアルミノキサンを水等の活性水素を持つ化合物
で変性した通常の溶媒に不溶の変性アルミノキサンなど
も好適に使用される。
【0049】前記アルミノキサンの製造法としては、ア
ルキルアルミニウムと水等の縮合剤とを接触させる方法
が挙げられるが、その手段に特に限定はなく、公知の方
法に準じて反応させればよい。例えば、有機アルミニ
ウム化合物を有機溶剤に溶解しておき、これを水と接触
させる方法、重合時に当初有機アルミニウム化合物を
加えておき、後に水を添加する方法、金属塩等に含有
されている結晶水、無機物や有機物への吸着水を有機ア
ルミニウム化合物と反応させる方法、テトラアルキル
ジアルミノキサンにトリアルキルアルミニウムを反応さ
せ、さらに水を反応させる方法等がある。
【0050】本発明オレフィン系共重合体の製造に用い
る触媒は、上記(A)及び(B)成分あるいは(A)、
(B)及び(C)成分を主成分とするものである。この
場合、(A)成分と(B)成分との使用条件は限定され
ないが、(A)成分:(B)成分の比(モル比)を1:
0.01〜1:100、特に1:0.5〜1:10、中
でも1:1〜1:5とすることが好ましい。また、使用
温度は−100〜250℃の範囲とすることが好まし
く、圧力,時間は任意に設定することができる。
【0051】また、(C)成分の使用量は、(A)成分
1モルに対し通常0〜2,000モル、好ましくは5〜
1,000モル、特に好ましくは10〜500モルであ
る。(C)成分を用いると重合活性の向上を図ることが
できるが、あまり多いと有機アルミニウム化合物が重合
体中に多量に残存し好ましくない。
【0052】触媒成分の使用態様には制限はなく、例え
ば(A)成分,(B)成分を予め接触させ、あるいはさ
らに接触生成物を分離,洗浄して使用してもよく、重合
系内で接触させて使用してもよい。また、(C)成分
は、予め(A)成分、(B)成分あるいは(A)成分と
(B)成分との接触生成物と接触させて用いてもよい。
接触は、あらかじめ接触させてもよく、重合系内で接触
させてもよい。さらに、触媒成分は、モノマー、重合溶
媒に予め加えたり、重合系内に加えることもできる。な
お、触媒成分は、必要により無機あるいは有機の担体に
担持して用いることもできる。
【0053】反応原料に対する触媒の使用割合は、原料
モノマー/上記(A)成分(モル比)あるいは原料モノ
マー/上記(B)成分(モル比)が1〜109、特に1
00〜107となることが好ましい。
【0054】重合方法としては、塊状重合、溶液重合、
懸濁重合、気相重合等のいずれの方法を用いてもよい。
また、バッチ法でも連続法でもよい。重合溶媒を用いる
場合、例えば、ベンゼン,トルエン,キシレン,エチル
ベンゼン等の芳香族炭化水素、シクロペンタン,シクロ
ヘキサン,メチルシクロヘキサン等の脂環式炭化水素、
ペンタン,ヘキサン,ヘプタン,オクタン等の脂肪族炭
化水素、クロロホルム,ジクロロメタン等のハロゲン化
炭化水素等を用いることができる。これらの溶媒は1種
を単独で用いてもよく、2種以上のものを組合せてもよ
い。また、α−オレフィン等のモノマーを溶媒として用
いてもよい。
【0055】重合条件に関し、重合温度は−100〜2
50℃、特に−50〜200℃とすることが好ましい。
重合時間は通常1分〜10時間、反応圧力は常圧〜10
0Kg/cm2G、好ましくは常圧〜50Kg/cm2
である。共重合体の分子量の調節方法としては、各触媒
成分の使用量や重合温度の選択、さらには水素存在下で
の重合反応によることができる。
【0056】本発明の発泡性樹脂組成物は、前述した環
状オレフィン系共重合体と発泡剤とからなるものであ
る。環状オレフィン系共重合体と発泡剤の配合方法とし
ては、後述するように種々の方法を採ることができる。
本発明において、発泡剤の種類に特に制限はなく、蒸発
型発泡剤や分解型発泡剤の中から一種あるいは二種以上
を適宜組み合わせて選定すればよい。蒸発型発泡剤とし
ては、常温,常圧において環状オレフィン系共重合体を
溶解あるいは膨潤させず、しかも沸点が用いるベース素
材の加熱成形温度以下の液体であれば広範に使用でき
る。例えば、常温で液体の蒸発型発泡剤としては、炭化
水素類,アルコール類,エステル類,エーテル類,ケト
ン類,ハロゲン化炭素類等が挙げられ、好ましくは炭素
数5〜14の飽和炭化水素類、具体的にはヘキサン,ヘ
プタン,オクタン,デカン等が挙げられる。また、常温
で気体の揮発性発泡剤としては、プロパン,塩化メチ
ル,フロンガス(フレオン12など)を例示することが
できる。これらの中では、ヘキサン,フロンガスが好ま
しい。
【0057】分解型発泡剤としては、室温で安定であ
り、その分解温度が用いるベース素材の加熱成形温度以
下であって、分解したときに窒素ガス等のガスを発生す
るものであれば、各種のものが使用可能である。この分
解型発泡剤は、無機発泡剤と有機発泡剤とに分類でき、
無機発泡剤としては重炭酸ナトリウム,炭酸アンモニウ
ム,重炭酸アンモニウム,アジド化合物(CaN3 ,B
aN3 など),亜硝酸アンモニウム等がある。また、有
機発泡剤としてはヒドラジン−ベンジル縮合物,有機カ
ルボニルアジド,アゾビスアルキルホスホネート,テト
ラヒドロジオキサジン等が使用でき、具体的にはアゾジ
カルボンアミド(ADCA),アゾビスホルムアミド
(ABFA),アゾビスイソブチロニトリル(AZD
N),ジアゾアミノベンゼン(DAB),N,N’−ジ
ニトロソペンタメチレンテトラミン(DPT),N,
N’−ジメチル−N,N’−ジニトロテレフタルアミド
(DMDNTA),ベンゼンスルホニルヒドラジド(B
SH),p−トルエンスルホニルヒドラジド(TS
H),p’,p’−オキシビスベンゼンスルホニルヒド
ラジド(DBSH),p−トルエンスルホニルセミカル
バジド,オキザリルヒドラジド,ニトログアニジン,ヒ
ドラゾジカルボンアミド,バリウムアゾジカルボキシレ
ート,トリヒドラジノトリアジンなどが挙げられる。こ
れらの中では、アゾジカルボンアミドが好ましい。
【0058】発泡剤の使用量は、製造すべき発泡体の種
類や発泡率等に応じて適宜決定できるが、通常は、環状
オレフィン系共重合体100重量部あたり、0.05〜
50重量部、好ましくは0.1〜35重量部とする。
【0059】本発明組成物には、必要に応じて発泡促進
剤,発泡遅延剤,発泡核剤等の発泡助剤を加えることが
できる。発泡助剤の種類に限定はないが、発泡促進作用
を示す発泡助剤としては、発泡剤が重炭酸ナトリウムの
ときはクエン酸、発泡剤がDPTのときは尿素と脂肪酸
アンモニウムとの組み合わせ又はフタル酸モノウレイド
が有効であり、発泡剤がOBSHのときは硼酸塩が有効
である。発泡核剤として作用する発泡助剤は、発泡体の
発泡を微細かつ均一にすることを目的として加えるもの
であり、スチアリン酸マグネシウム等の金属セッケンや
シリカ,タルク等の無機物質を用いればよい。また、独
立気泡化の作用を行なう発泡助剤としては、多価カルボ
ン酸類、例えばクエン酸、コハク酸やこれらの塩、エス
テル、アミド等が挙げられ、気泡核剤としての作用を有
する発泡助剤としては、無機微粉末、例えばシリカ、炭
酸カルシウム、カーボンブラック等が挙げられる。さら
に、所望によりその他の公知の発泡助剤を用いることが
できる。
【0060】また、本発明においては、ベース素材とし
て不飽和結合を有するものを用いるとともに、組成物に
架橋剤を配合して発泡架橋を行なうことができ、これに
より品質のより良好な発泡体を得ることができる。この
場合、ベース素材に不飽和結合を含有させる方法として
は、環状オレフィン共重合体として環状ジエン等のジエ
ン類を共重合したα−オレフィン・環状オレフィン・ジ
エン共重合体を用いる方法や、ベース素材としてα−オ
レフィン・環状オレフィン共重合体とジエン含有軟質樹
脂とを併用する方法などが挙げられる。また、架橋剤と
しては、通常用いられる有機過酸化物,ジアゾ化合物等
が挙げられる。具体的には、ベンゾイルパーオキシド,
ジクミルパーオキシド,ジ−tert−ブチルパーオキ
シド,tert−ブチルクミルパーオキシド,tert
−ブチルハイドロパーオキシド,クメンハイドロパーオ
キシド,アゾビスイソブチロニトリルなどである。架橋
剤の使用量は、共重合体に対して0.01重量%以上、
好ましくは0.03〜1重量%である。
【0061】さらに、本発明組成物には、必要に応じて
各種添加剤、例えば酸化防止剤,紫外線吸収剤,光安定
剤,耐熱安定剤等の安定剤、帯電防止剤、抗ブロッキン
グ剤、滑剤、スリップ剤、防曇剤、発泡剤、難燃化剤、
無機充填剤、有機充填剤、染料、顔料等を配合すること
ができる。
【0062】本発明発泡体は、上述した発泡性樹脂組成
物を発泡させたものである。この場合、本発明発泡体の
製造方法に限定はないが、例えば下記の方法によって効
率よく製造することができる。すなわち、前記環状オレ
フィン系共重合体又はこれと他の熱可塑性樹脂等とから
なる組成物を、発泡剤の存在下で軟化温度以上に加熱し
て発泡成形する。この場合、発泡剤は、加熱発泡に先立
ってベース素材と混合してもよく、加熱発泡時に混合し
てもよい。加熱発泡に先立って発泡剤を混合する方法と
しては、例えば、環状オレフィン系共重合体を製造する
際に発泡剤を混合しておく方法、ベース素材である共重
合体パウダーに含浸させる方法、共重合体ペレットに含
浸させる方法、共重合体パウダーや共重合体ペレットと
ドライブレンドする方法等があげられる。ここで、発泡
剤を含浸させる方法を用いる場合は、他の樹脂とのブレ
ンドにより含浸性を向上させることができる。特に、均
一な発泡剤を得るためにエチレン・プロピレン共重合体
のような相溶性でかつ溶媒等の流体状発泡剤への含浸性
の良い熱可塑性樹脂をブレンドすることは有効である。
また、加熱発泡時に発泡剤を混合する方法としては、共
重合体パウダーや共重合体ペレットとドライブレンドす
る方法以外に、例えば成形機の押出スクリューの途中か
ら、プロピレン,塩化メチル,フレオンガス等の常温気
体発泡剤を吹き込む方法などがある。
【0063】なお、本発明では、上記の加熱発泡によっ
て発泡体を得、これをさらに各種成形方法によって発泡
成形体としてもよいが、発泡と成形を同時に進行させる
加熱発泡成形によって発泡成形体を製造してもよい。成
形あるいは加熱発泡成形の方法は、公知の方法を適宜採
用すればよいが、例えば、融着成形,押出発泡成形,射
出発泡成形などが採用できる。また、ビーズ,シートよ
り発泡させる加熱発泡(ビーズ発泡タイプの方法)にお
いては、ガラス転移温度以上で軟化点より20℃高い温
度において成形を行なうことが好ましい。成形温度がガ
ラス転移温度以下では、分子運動が凍結しており、発泡
が困難である。また、成形温度が軟化点より20℃高い
温度を超えると、成形材料が互いに溶け合い、ビーズ発
泡法の特徴を生かせなくなる。
【0064】本発明の発泡体は、発泡倍率を1.1〜4
0.0倍、特に1.2〜20倍とすることが好ましい。
この場合、低倍率の発泡体は、例えば射出成形、押出成
形、発泡層を中間層又は外層とした押出多層発泡等によ
って製造することができる。良好に得ることができる。
また、高倍率の発泡体は、例えば押出成形、型発泡等に
よって製造することができる。なお、本発明発泡体の成
形形状に特に制限はなく、種々形状とすることができ、
例えばビーズ状,シート状,カップ状,トレイ状,棒
状、その他の三次元状などに成形体することができる。
このようにして得られた発泡体は、柔軟性、弾性、伸
び、低温特性に優れ、しかも接着性が良好であるため、
建材、包装材料、断熱材、自動車部品、防振材等として
好適に使用することができる。
【0065】
【実施例】次に、実施例及び比較例により本発明を具体
的に示すが、本発明は下記実施例に限定されるものでは
ない。まず、発泡性樹脂組成物及び発泡体の製造に先立
ち、下記参考例の環状オレフィン系共重合体を製造し
た。
【0066】参考例1 (1)テトラ(ペンタフルオロフェニル)硼酸フェロセ
ニウムの調製 フェロセン(Cp2Fe)20ミリモルと、濃硫酸40
ミリリットルとを室温で1時間反応させ、濃紺色溶液を
得た。この溶液を1リットルの水に投入、攪拌し、得ら
れた深青色の水溶液をテトラ(ペンタフルオロフェニ
ル)硼酸リチウム20ミリモルの水溶液500ミリリッ
トルに加えた。沈澱してきた淡青色固体を濾取し、水5
00mlを用いて5回洗浄した後、減圧乾燥したとこ
ろ、目的とした生成物テトラ(ペンタフルオロフェニ
ル)硼酸フェロセニウム([Cp2Fe][B(C
654])17ミリモルを得た。
【0067】(2)エチレンと2−ノルボルネンとの共
重合 窒素雰囲気下、室温において30リットルのオートクレ
ーブにトルエン15リットル、トリイソブチルアルミニ
ウム(TIBA)23ミリモル、ビスシクロペンタジエ
ニルジルコニウムジクロライド0.11ミリモル、上記
(1)で調製したテトラ(ペンタフルオロフェニル)硼
酸フェロセニウム0.15ミリモルをこの順番に入れ、
続いて2−ノルボルネンを70重量%含有するトルエン
溶液2.25リットル(2−ノルボルネンとして15.
0モル)を加え、90℃に昇温したのち、エチレン分圧
が7Kg/cm2になるように連続的にエチレンを導入
しつつ110分間反応を行なった。反応終了後、ポリマ
ー溶液を15リットルのメタノール中に投入してポリマ
ーを析出させ、このポリマー濾取して乾燥して、環状オ
レフィン系共重合体(a1)を得た。環状オレフィン系
共重合体(a1)の収量は3.48Kgであった。重合
活性は347Kg/gZrであった。
【0068】得られた環状オレフィン系共重合体(a
1)の物性は下記の通りであった。13C−NMRの30
ppm付近に現れるエチレンに基づくピークとノルボル
ネンの5及び6位のメチレンに基づくピークの和と3
2.5ppm付近に現れるノルボルネンの7位のメチレ
ン基に基づくピークとの比から求めたノルボルネン含量
は9.2モル%であった。135℃のデカリン中で測定
した極限粘度[η]は0.99dl/g、X線回折法に
より求めた結晶化度は1.0%であった。測定装置とし
て東洋ボールディング社製バイブロン11−EA型を用
い、巾4mm,長さ40mm,厚さ0.1mmの測定片
を昇温速度3℃/分、周波数3.5Hzで測定し、この
時の損失弾性率(E”)のピークからガラス転移温度
(Tg)求めたところ、Tgは3℃であった。測定装置
としてウォーターズ社製ALC/GPC150Cを用
い、1,2,4−トリクロルベンゼン溶媒、135℃
で、ポリエチレン換算で重量平均分子量Mw、数平均分
子量Mn,分子量分布(Mw/Mn)を求めたところ、
Mwは54,200、Mnは28,500、Mw/Mn
=1.91であった。パーキンエルマー社製7シリーズ
のDSCによって10℃/分の昇温速度で、−50℃〜
150℃の範囲で融点(Tm)を測定したところ、Tm
は73℃(ブロードなピーク)℃であった。
【0069】参考例2 参考例1の(2)において、ビスシクロペンタジエニル
ジルコニウムジクロライドの使用量を0.075ミリモ
ル、2−ノルボルネンの使用量を7.5モルとした以外
は、参考例1と同様にして環状オレフィン系共重合体
(a2)を得た。環状オレフィン系共重合体(a2)の
収量は2.93Kg、重合活性は428Kg/gZrで
あった。また、参考例1と同様にして求めたノルボルネ
ン含量は4.9モル%、極限粘度[η]は1.22dl
/g、ガラス転移温度(Tg)は−7℃、Mwは72,
400、Mnは36,400、Mw/Mnは1.99、
融点(Tm)は84℃(ブロードなピーク)であった。
【0070】次に、上記参考例で得られた環状オレフィ
ン系共重合体を用いた実施例を示す。実施例1 参考例1で得られた環状オレフィン系共重合体a1のフ
レーク100重量部に発泡剤としてアゾジカルボンアミ
ド1重量部及び発泡助剤としてジクミルパーオキサイド
0.1重量部を加え、十分に混合して発泡性樹脂組成物
を得た。この組成物を圧縮成形金型に入れて、230℃
において加熱発泡させた。得られた発泡成形体は、発泡
倍率が2.1のものであった。実施例2 環状オレフィン系共重合体a1に代えて参考例2で得ら
れた環状オレフィン系共重合体a2のフレーク100重
量部を用いたこと以外は、実施例1と同様に行なった。
得られた発泡成形体は、発泡倍率が2.3のものであっ
た。
【0071】
【発明の効果】以上説明したように、本発明の発泡性樹
脂組成物を発泡させて得られる発泡体は、柔軟性、弾
性、伸び、耐水性、低温特性に優れ、かつ接着性も良好
なものである。

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 α−オレフィンに由来する繰り返し単位
    と環状オレフィンに由来する繰り返し単位とを有しガラ
    ス転移温度(Tg)が30℃以下である環状オレフィン
    系共重合体と、発泡剤とからなることを特徴とする発泡
    性樹脂組成物。
  2. 【請求項2】 請求項1記載の発泡性樹脂組成物を発泡
    させてなることを特徴とする発泡体
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