JPH05271306A - 抗ウイルス性硫酸化多糖類 - Google Patents

抗ウイルス性硫酸化多糖類

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JPH05271306A
JPH05271306A JP4334561A JP33456192A JPH05271306A JP H05271306 A JPH05271306 A JP H05271306A JP 4334561 A JP4334561 A JP 4334561A JP 33456192 A JP33456192 A JP 33456192A JP H05271306 A JPH05271306 A JP H05271306A
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JP4334561A
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Riccardo Corigli
リカルド・コリーリ
Giovanni Rivola
ジヨバンニ・リボラ
Domenico Ungheri
ドメニコ・ウンゲーリ
Giambattista Ventrella
ジヤンバツテイスタ・ベントレツラ
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    • C08ORGANIC MACROMOLECULAR COMPOUNDS; THEIR PREPARATION OR CHEMICAL WORKING-UP; COMPOSITIONS BASED THEREON
    • C08BPOLYSACCHARIDES; DERIVATIVES THEREOF
    • C08B37/00Preparation of polysaccharides not provided for in groups C08B1/00 - C08B35/00; Derivatives thereof
    • C08B37/0006Homoglycans, i.e. polysaccharides having a main chain consisting of one single sugar, e.g. colominic acid
    • C08B37/0036Galactans; Derivatives thereof
    • C08B37/0039Agar; Agarose, i.e. D-galactose, 3,6-anhydro-D-galactose, methylated, sulfated, e.g. from the red algae Gelidium and Gracilaria; Agaropectin; Derivatives thereof, e.g. Sepharose, i.e. crosslinked agarose
    • AHUMAN NECESSITIES
    • A61MEDICAL OR VETERINARY SCIENCE; HYGIENE
    • A61PSPECIFIC THERAPEUTIC ACTIVITY OF CHEMICAL COMPOUNDS OR MEDICINAL PREPARATIONS
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    • A61P31/12Antivirals

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Abstract

(57)【要約】 【目的】ヒト及びネズミレトロウイルス、特にヒト免疫
不全ウイルス(HIV)を含むDNA及びRNAウイルスに対す
る広範囲の抗-ウイルス活性を与える、紅藻植物網種に
属する海生藻類により産生される新規硫酸化多糖類を提
供する。 【構成】β(1→4)D-ガラクトースとα(1→3)L-ガ
ラクトースの交互繰り返しユニットからなり、塩化ナト
リウム増加勾配液を適用することによりアニオン交換ク
ロマトグラフィーで均一精製し、蒸留水で完全に透析
し、次いで凍結乾燥後、特定の特性を有するアガロイド
型の共通の主鎖を有する硫酸化多糖類及び医薬的に許容
可能なその塩。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、ヒト及びネズミレトロ
ウイルス、特にヒト免疫不全ウイルス(HIV)を含むDNA
及びRNAウイルスに対する広範囲の抗ウイルス活性を与
える、紅藻植物網種に属する海生藻類により産生される
硫酸化多糖類、その抽出及び精製方法並びに、これらを
含む医薬組成物に関する。
【0002】
【従来の技術】海生藻類は、抗-ウイルス活性、主に単
純疱疹ウイルス及びインフルエンザウイルスに対してス
クリーニングされている(Deig,E.F.ら.[1974]Antimi
crob.Ag.Chemother.6:524-525;Richards,J,T.ら.[197
8]Antimicrob.Agents Chemother.14:24-30;Blunden,
G.ら.[1981]Bot.Marina 24:267-272 )。水性抽出物
の研究から、この活性剤は、ウイルス吸着に必要な受容
体サイトをブロックまたは被覆することにより作用する
硫酸化多糖類であり(Ehresmann,D.W.ら.[1977]J.Phy
col.13:37-40)、その抗-ウイルス活性は主に多糖類の
硫酸化度に関連することが明らかになった(Ehresmann,
D.W.ら.[1979]Hoppe,H.A.,Levring,T.及びTanaka,Y.
[編集]Marine Algae in Pharmaceutical Science,W.
de Gruyter,Berlin,New York,293-302)。
【0003】近年、HIVにより発症する後天性免疫不全
症候群(Acquired immunodeficiencysyndrome:AIDS)
に対する効果的な化学療法が緊急に必要となったため、
選択的抗-HIV硫酸化多糖類の研究を増強した。例えば、
抗-HIV活性を示すλ-カラゲナン、デキストラン硫酸及
びペントサンポリサルフェートなど。
【0004】アガロース型の多糖類は、紅藻植物網(紅
藻)の種類に属する海生藻類により産生される。紅藻植
物網の中でも、幾つかの属(例えば、Ceramium、Gelidi
um及びGracilariaなど)は寒天の主要源であり、メトキ
シル、サルフェート及びピルビン酸基による置換度のレ
ベルが異なるアガロース型多糖類属である(Duckworth,
M及びYaphe,W.[1971]Carbohydr.Res.16:189-19
7)。
【0005】アガロース型多糖類は、β(1→4)D-ガ
ラクトースとα(1→3)L-ガラクトースの交互繰り返
しユニットと、通常3,6-無水物形としてまたは時折L-
ガラクトース-6-サルフェートとして存在する後者の4-O
-結合糖からなり、アンヒドロ-L-ガラクトース残基の
生物学的前駆体であると考えられている(Araki,C.[19
66]Proc.Int.Seaweed Symp.5:3)。置換度が最低の分
子はアガロースと称し、全アガロース型多糖類の中でゲ
ル化ポテンシャルが最高である(Kennedy,J.F.,Griffi
ths,A.J.及びAtkins,D.P.[1984]G.O.Phillips,D.S.W
edlock及びP.A.Williams[編集]Gums and Stabilisers
for the Food Industry,Pergamon Press,Oxford,Vo
l.2,417)。
【0006】寒天は通常、微生物培地の製造または食品
工業で主に使用される柔らかいゲルを形成するが、堅い
ゲルを形成する寒天は、主に生化学用途である(Mc Lac
hlan,J.[1985]Plant and Soil 89:137)。テングサ
の細胞壁からの抽出物は、特に貴重な成分、アガロース
及び荷電(charged)(主に硫酸化)多糖類画分(通常
アガロペクチンと言われる)からなる。寒天の製造に於
いては、冷水に溶解性の高い硫酸化画分は廃棄される。
【0007】本発明は、紅藻植物網(紅藻)種の海生藻
類から得られ、抗-ウイルス活性を与える硫酸化多糖類
を提供する。
【0008】本発明の目的の硫酸化多糖類(以後、ASP
と称する)は、β(1→4)D-ガラクトースとα(1→
3)L-ガラクトースの交互繰り返しユニットからなるア
ガロイド型の共通の主鎖を有する。特に、塩化ナトリウ
ム増加勾配液(an increasingsodium chloride gradien
t)を適用することによるアニオン交換クロマトグラフ
ィーで均一精製し、蒸留水で完全に透析し、次いで凍結
乾燥後、以下の特性: (a)元素分析:炭素20〜35重量%、水素3.2〜5.5重量
%、窒素1重量%未満及び硫黄8重量%以上である(無水
化合物として計算); (b)高性能サイズ排除クロマトグラフィーにより測定
される分子量が10000kDa以下である; (c)水、水性リン酸塩緩衝液(pH1〜13)及び水溶性
アルコール20容量%以下を含む水性溶媒に溶解性である
が、ベンゼン、クロロホルム、エチルエーテル並びに、
メチルまたはエチルアルコール80容量%以上及び塩化ナ
トリウム1g/lを含む水性アルコール性溶液に不溶であ
る; (d)塩化バリウムの存在下に水に可溶であるが、水性
2M塩酸中120℃で3時間加水分解後、塩化バリウムを
添加すると硫酸バリウムの沈澱が生じる; (e)全単糖類ユニットの90モル%以上が、非置換また
は置換されたガラクトース及び3,6-アンヒドロガラクト
ース残基である; (f)全単糖類ユニットの30モル%以上が、2、3及び/
または6-位に置換基を保持し得る4-O-結合α-L-ガラ
クトピラノシド残基からなる; (g)全単糖類ユニットの40モル%以上が、2、4及び/
または6-位に置換基を保持し得る3-O-結合β-D-ガラ
クトピラノシド残基からなる; (h)全単糖類ユニットの40モル%以上が、2、3及び
6-位に置換基を保持し得る4-O-結合α-L-ガラクトピ
ラノシド残基並びに2-位に置換基を保持し得る3,6-ア
ンヒドロ-α-L-ガラクトピラノシド残基からなる; (i)β-D-ガラクトピラノシド残基のO-4及びO-6を橋
かけする環状ケタールとして結合したピルビン酸(1-
カルボキシエチリデン)基が、全単糖類ユニットの10モ
ル%未満の置換基として存在する; (j)単糖類ユニット当たりのメチルエーテル置換基の
モル比が0.3:1を超えない; (k)サルフェートヘミエステル基が、β-D-ガラクト
ピラノシド残基の2、4及び6-位、α-L-ガラクトピ
ラノシド残基の2、3及び6-位並びに3,6-アンヒドロ-
α-L-ガラクトピラノシド残基の2-位の置換基として
存在し、全硫酸化度が常に0.6以上である;及び (l)2及び4-位のサルフェートヘミエステル基の全
硫酸化度への寄与が常に0.3以上であるを有するASP並び
に医薬的に許容可能なその塩。
【0009】ASP及びその塩は、純粋形で提供され得
る。これらは単離され得る。ASPは、D.S.が約0.9±0.1
であるのが好ましい。ガラクトース及び3,6-アンヒドロ
ガラクトース残基(e)は、1〜3個の置換基で置換さ
れていてもよい。この置換基は、サルフェートヘミエス
テル、メチルエーテル、ピルビン酸(1-カルボキシエチ
リデン)及び糖基から選択されてもよい。残基(f)〜
(h)は、1〜3個の置換基により置換されていてもよ
く、この置換基はサルフェートヘミエステル、メチルエ
ーテル、ピルビン酸(1-カルボキシエチリデン)及び糖
基から選択されてもよい。この糖基は、ガラクトース及
び/またはキシロース残基であってもよい。
【0010】従って、ASPのアガロイド骨格は、分枝ユ
ニットとして幾つかの鎖から出たガラクトース残基(5
モル%以下)を有してもよく、10モル%以下の4-O-結合α
-L-ガラクトピラノース残基は、4-O-結合α-D-ガラク
トピラノースユニットと置換されていてもよい。
【0011】精製ASP中、5モル%を超えない極少量のキ
シロースは、よく検出される。存在する場合、キシロー
スは分枝ユニットとして存在するが、酸化(KIO4)、次
いで還元(NaBH4)及び温和な加水分解(H+)により除
去し得る。ASPの生化学的特性にはこの成分が存在して
もしなくても実質的に影響を及ぼさないので、キシロー
スの存在ははっきりした特徴であるとは考えられない。
【0012】ASPは、比較的均一な化学的性質として挙
動するが、MW/MN比が通常2以上で且つMPが100〜300kDa
の多分散系である。MWは重量平均分子量を表す。MNは数
平均分子量を表す。MPは最大ピーク分子量を表す。従っ
て、MPは、高性能サイズ排除クロマトグラフィーにより
決定されるように、最大濃度の硫酸化多糖類を含む画分
の分子量を表す。画分は、この目的に関してレゾルシノ
ール-硫酸法により分析し得る。
【0013】本発明の多糖類または医薬的に許容可能な
その塩は、 (1)紅藻、寒天または未精製寒天の製造残渣を水性溶
媒で抽出し; (2)前記多糖類を得るために、抽出物を精製処理及び
カラムでの溶離処理または、分画沈澱(fractional pre
cipitation)にかけ、次いで (3)所望により、このようにして得られた多糖類を医
薬的に許容可能なその塩に転化させることからなる方法
により製造し得る。
【0014】従って、本発明の硫酸化多糖類は、アガロ
ースを製造し得る紅藻類、寒天の製造残渣(水性抽出
物)または精製されていない一般用の市販の寒天から許
容可能な量で直接単離し得る。ASPは、休止状態で収集
した藻類または、古い藻類組織から製造した抽出物また
は寒天から得るのが好ましい。
【0015】(1)段階で使用した水性溶媒は、リン酸
塩緩衝液またはNaClの水溶液で、(2)段階で使用した
精製処理は、遠心分離、濾過、有機溶媒での沈澱、透
析、凍結乾燥及び限外濾過から選択される少なくとも1
種の処理であると好ましい。
【0016】本発明は、テングサ、寒天または寒天の製
造残渣からASPを選択的抽出且つ精製するのに有用且つ
ぴったりの2種類の異なった好ましい方法を提供する。
【0017】第1の方法は、アニオン交換クロマトグラ
フィーをベースとしており、水性の粗抽出物に適用す
る。藻類から出発する際、空気中で乾燥した海草を細か
い粉末に粉砕し、アセトンで洗浄し、風乾して、室温で
0.01M EDTA-Na2及び0.1M NaClを含む0.01M 水性リン酸
塩緩衝液(pH 6.9)で抽出すると、水性抽出物が得ら
れ、これをガラスウールでの濾過、次いで遠心分離によ
り透明にする。同様にして、寒天の製造残渣から出発す
ると同様の水性抽出物が得られ、これを透明にする。こ
のような水性抽出物は、真空で濃縮して体積を減らし、
遠心分離により透明にし、メタノール80%(v/v)で沈澱
させ、水中に再溶解させ、遠心分離により透明にし、蒸
留水で透析し(遮断膜:10kDa)次いで凍結乾燥して、
「水性の粗抽出物」を得る。寒天から出発する際、これ
を0.05M NaCl水溶液中に懸濁させ、30℃に温度調節した
ジャケット付きカラムに注ぐ。蠕動性ポンプ及び0.05M
NaCl溶液を含む外部貯蔵所を介して、溶離液を完全に再
循環させる。溶離液を濃縮し、凍結乾燥して、寒天から
水性の粗抽出物を得る。上記記載の水性の粗抽出物をい
ずれも、0.1M リン酸塩緩衝液(pH 7.4)に溶解し、0.1
リン酸塩緩衝液(pH7.4)で平衡させたFractogel TSK D
EAE-650Mカラムまたは同等物に充填する。開始緩衝液か
ら0.1M リン酸塩緩衝液(pH 7.4)中の2M NaClまでの
勾配溶離を室温で実施する。溶離画分を収集し、全炭水
化物含量(フェノール-硫酸法)及びHSV-1感染細胞に
対するin vitro活性の両方をモニターする。通常1〜1.
5M NaCl濃度範囲で溶離する活性画分をプールし、透析
または限外濾過し(遮断膜:10kDa)、次いで凍結乾燥
して、精製したASPを得る。
【0018】ASPの抽出及び精製の第2の方法は、第4
級アンモニウムによる沈澱をベースとする。ポリアニオ
ンは、第4級アンモニウム洗剤により水溶液から沈澱し
得る。本発明者らは、セチルトリメチル臭化アンモニウ
ム(CTA臭化物、CTABまたは“Cetavlon”)を使用して
限定範囲の硫酸化度(D.S.)で硫酸化多糖類の分画沈澱
を実施し、種々の塩(NaCl)濃度で錯体を沈澱及び/ま
たは溶解させた。この出発物質は、テングサの「水性の
粗抽出物」、寒天の製造残渣、即ち「アガロペクチン」
または市販の寒天のいずれの源であってもよく、このよ
うな抽出物は上記の通りに得られる。寒天から出発する
際、室温で撹拌しながら0.5M NaCl水溶液で直接抽出
し、次いでガラスウールで濾過し得る。一方、任意の
「水性の粗抽出物」を0.5M NaClに溶解させる。6%(w/
v)CTA臭化物の水溶液を、ASP-CTAの毛房状沈澱が形成
するまで水溶液にゆっくり添加する。0.5M NaClが存在
すると、ペクチン及び電荷密度の低いポリサルフェート
(D.S.<0.3)が沈澱しなくなる。沈澱を遠心分離によ
り収集し、4M NaClに溶解し、遠心分離により透明にす
る。NaCl濃度が1Mに下がるまで、よく撹拌しながら水
をゆっくり添加する。形成したASP-CTAの均一な沈澱
(D.S.>0.6)を遠心分離により収集し、4M NaClに再溶
解させる。撹拌しながら、ナトリウム塩としてASPが沈
澱する84%(v/v)濃度までメタノールを添加すると、上
清中にCTA全部とNaClが殆ど遊離する。沈澱を遠心分離
により収集し、水に溶解させ、濾過して完全に透明にし
て、NaClを全部除去するために84%MeOHで再び沈澱させ
る。最後に95%MeOH及び100%MeOHで洗浄し、ASPの精製ナ
トリウム塩を脱水する。
【0019】これらの2種類の方法は好ましいが、本発
明の目的生成物のASPは、種々の電荷密度のポリアニオ
ンを識別し得る任意の他の方法により得ることができ、
且つD.S.が0.6以上のガラクタンサルフェート分子だけ
を収集することを目的とする。
【0020】本目的の生成物は、1〜5000kDaの範囲の
MWを超える多分散であることが知見されたが、本発明
者らは、ASPの抗-ウイルス活性に於ける鎖長の影響につ
いて研究した。高性能サイズ排除クロマトグラフィーを
種々の分子量の18 ASP画分の個々のコレクションに適用
し、これを透析して回収し、凍結乾燥して、抗-HSV-1
活性について試験した。結果は、予想通り、活性は分子
量が下がるにつれて低下したが、興味深いことに低いM.
W.画分(<10 kDa)でも明らかに活性があった(HSV-1
CPE IC50=0.6〜0.8μg/ml)(表2参照)。
【0021】生物学的活性 上記記載の生成物ASPの抗-ウイルス活性は、Hep #2細胞
の単層で成長させた呼吸器の合胞体ウイルス、セムリキ
森林熱(Semliki forest)ウイルス、単純疱疹ウイル
ス、1型(HSV-1)及び2型(HSV-2)及びワクシニアウ
イルスに於いて“in vitro”で立証された。さらに、抗
-ウイルス活性は、BHK21細胞の単層で成長させたA0イン
フルエンザウイルス、ネズミbalb/3T3細胞の培地のモロ
ニー肉腫(Moloney sarcoma)ウイルス(MSV)及び初期
ヒトリンパ球の培地のヒト免疫不全ウイルス(HIV)で
も知見された。
【0022】以後報告される結果は、ASPlot 8682/54の
生物検定に関するが、試験したASPのその他総てのロッ
トでも殆ど同一結果であった。
【0023】表3は、TC IC50、CPE IC50及び選択性指
数(SI)(即ち、活性(CPE IC50)に対する細胞毒性
(TC IC50)の割合である)として測定したDNAウイルス
に対するASPの抗-ウイルス活性を示している。この試験
は、デキストラン硫酸(M.W.8kDa)、即ち広範囲の抗-
ウイルス活性を与える公知の硫酸化多糖類と比較して実
施した。実験データは、ASPが組織培地で十分に耐性で
あることを示している。Hrp=2の細胞でのTC IC50は、
742μg/mlであったが、CPE IC50は0.1〜7.1μg/mlであ
った。試験した総てのウイルスに於いて、ASPはデキス
トラン硫酸よりもより活性であった。
【0024】RNAウイルスに於けるASPの抗-ウイルス活
性と、デキストラン硫酸の抗-ウイルス活性との比較を
表4に示す。これらの結果は、ASPがRNAウイルスに対し
てデキストラン硫酸よりも強く作用することを示してい
る。これは、感染性ウイルスに関する表5のデータによ
っても確認される。
【0025】MSVに対するASP、デキストラン硫酸及びペ
ントサンポリサルフェートの効能は、殆ど同一である
(表6)。ASPは、HIVに対しても強い活性を示す(表
7)。
【0026】HSV-1で腹腔内(i.p.)感染させたネズミ
で実施した予備“in vivo”試験に於いて、ASP(25〜50
mg/kg)をアサイクロバー(Acyclovir:25または50また
は100mg/kg)と比較した。これらの結果から、i.p.経路
により(Acyclovirとして)1日2回3日間投与する
と、ASPは、参照化合物と少なくとも同じ位効果があっ
た。ASPを静脈内(i.v.)経路でCD-1ネズミ(雄及び
雌)に50mg/kgの用量で投与する本発明の物質の予備毒
性試験では、総てのネズミが投与後14日の観察期間中生
存していた。これらの処理に於いて、ASPは、末梢及び
中枢神経系(Irwin試験)には全く活性を示さなかっ
た。ネズミを1日2回3日間、i.p.経路で50mg/kgの用
量で処理しても悪影響は観察されなかった。ASPは、毒
性の低い安全な物質である。
【0027】使用 ASPまたは医薬的に許容可能なその塩は、ヒトまたは動
物体の治療法で有用である。ASPは、抗-ウイルス活性を
有する。ASPまたはその塩は、ヒト及び他の哺乳類でヒ
ト及びネズミレトロウイルスを含むDNA及びRNAウイル
ス、例えば、上記記載のウイルスに対して使用し得る。
HIVに対するASPまたはその塩の活性の点からみて、ASP
またはその塩の1種を、AIDS、AIDS関連複合性疾患及び
関連症候群の治療に於いて使用し得る。ASPまたはその
塩は、患者、例えばウイルスに感染したヒト患者の状態
を改善するために使用し得る。ASPは、毒性の低い安全
な物質である。本発明は、活性成分としてASPまたは
医薬的に許容可能なその塩と、医薬的に許容可能なキャ
リヤまたは希釈剤からなる医薬組成物も提供する。
【0028】抗-ウイルス薬として人類及び動物にASPを
投与する好適な方法は、非-経口経路であり、緩慢なi.
v.注入によるのがより好ましい。本発明によるASPの投
与用量は、被験者がヒトまたは動物であるかに依存し、
且つ年令、個々の違い、病気の状態などの因子に従って
変動するが、通常、被験者がヒトである場合、用量は1
日当たり0.05〜5mg/kgであり、この量のASPは1〜3回
で与えられる。ASPは、好適なアジュバントと混合でき
且つ皮膚用医薬配合物中に投与し得る。
【0029】抗-ウイルス薬としてASPを使用する際、こ
れは、遊離酸の形または塩(例えば、ナトリウム、カリ
ウム、カルシウム等)の形であり得るが、通常且つ好ま
しくはナトリウム塩の形である。ASPは、任意の所望の
形の製剤とし得る。注射する場合、本組成物は、安定
剤、緩衝剤、防腐剤、等張剤などの添加剤を含み得、単
位用量アンプルの形または複数回用量容器にすることも
できる。本組成物は、水溶液、懸濁液、溶液、油性また
は水性ビヒクル中エマルション等の形であってもよい。
活性剤としてASPを含む製剤は、使用時、医薬的に許容
可能なビヒクル(例えば、発熱物質を含まない滅菌水ま
たは生理食塩水)に治療に有効な濃度で再溶解させる粉
末であってもよい。
【0030】ASPは、通常の効能を低下させることな
く、1種以上の他の公知の抗-ウイルス剤(例えば、AZ
T、acyclovirなど)と組み合わせても使用し得る。この
ような組み合わせ使用は、実際、病気の治療に有効な手
段である。
【0031】
【実施例】以下の製剤及び実施例は、本発明を説明する
ものである。
【0032】ASPの物理化学的特性 Schoniger法を使用して分析した硫黄と元素分析を通常
通り実施した。
【0033】中性の糖含量を、レゾルシノール-硫酸法
(Monsigny,M.,Petit,C.及びRoche A.C.[1988]Anal.B
iochem.175:525-530)及びYaphe及びArsenaultによる
3,6-アンヒドロガラクトース(Yaphe,W.及びArsenault,
G.P.[1965]Anal.Biochem.13:143-148)を使用して測
定した。
【0034】単糖類組成物を、酸加水分解(0.5M TFA,
3時間,130℃)後、ペーパークロマトグラフィー(6:4:
3 v/v/v n-ブタノール:ピリジン:水,Filtrak FN 11;ア
ニリンハイドロゲンフタレート,5分,105℃による検
出)、ダンシル-誘導体の逆相HPLC(Mopper,K及びJohns
on,L.[1983]J.Chromatogr.256:27-38)及びオキシム-
トリメチルシリル誘導体のGC分析(Vanlaeke,G.,Cuppen
s,H.,Leyssens,L.及びRaus,J.[1989]J.of Phram.&Bi
omed.Analysis 7:1641-1649)により決定した。
【0035】酸加水分解(0.5M TFA,3時間,130℃)、
水酸化バリウムとの中和次いでシロップ状に濃縮後、ガ
ラクトースを、ブタン-1-オール:酢酸:水(4:1:5,上
層)溶媒を用いてWhatman 54フィルターペーパーによる
ペーパークロマトグラフィーで単離した。D-対L-ガラ
クトースの比は、D-ガラクトースオキシダーゼ(Sigma
製,cat# G-3385)を使用してSchlegelの方法により決
定した(Schlegel,R.A.,Gerbeck,C.M.及びMontgomery,
R.[1968]Carbohydr.Res.7:193-199)。
【0036】変形したHakomori方法(Harris,P.J.,Hen
ry,R.J.,Blakeney,A.B.及びStone,B.A.[1984]Carboh
ydr.Res.127:59-73)、過メチル化多糖類の還元加水
分解(Stevenson,T.T.及びFurneaux,R.H.[1991]Carbo
hydr.Res.210:277-298)及び部分的にメチル化したア
ルドノニトリル(aldononitrile)誘導体のGC-MS分析
(Stortz,C.A.,Matulewicz,M.C.及びCerezo,A.S.[198
2]Carbohydr.Res.111:31-39)によりメチル化分析を
実施した。
【0037】ASPの赤外スペクトルを、KBrディスクを使
用して通常通り記録した。更に、特に800〜850cm-1の範
囲ではっきりしたピークが過メチル化(Harris,P.J.,H
enry,R.J.,Blakeney,A.B.及びStone,B.A.[1984]Carb
ohydr.Res.127:59-73)または過フェニルカルバモイ
ル化(Hirase,S.及びWatanabe,K.[1972]Bull.Chem.So
c.Japan 45:1529-1533)ASP誘導体のIRスペクトルから
得られた。
【0038】50mg/ml ASPのD20溶液のプロトンデカップ
ル13C-NMRスペクトルを、55℃でVarian VRX-400-S装置
(100.6 MHz)、スペクトル幅24KHz及び緩和遅延(rela
xation delay)1.5sで記録した。
【0039】ASPの高性能サイズ排除クロマトグラフィ
ー(HPSEC)分析を、オートサンプラー及びオートイン
ジェクターを装備したHewlett Packard 1090A液体クロ
マトグラフで実施した。移動相中のASPの10mg/ml溶液25
μlを、50℃に温度設定した、Shodex OHpak KB-800Pプ
レカラム(50×8mm ID)を備えたShodex OHpak KB-805
カラム(300×8mm ID)に注入した。移動相[アセトニ
トリル:0.2M NaClを含んだ0.01M リン酸塩緩衝液(pH
6.9)水溶液の10:90(v/v)混合物]を1ml/分で流し、
既知サイズの溶離画分を収集して、レゾルシノール-硫
酸マイクロ法を使用して全炭水化物含量を分析した(Mo
nsigny,M.,Petit,C.及びRoche A.C.[1988]Anal.Bioc
hem.175:525-530)。分子量分布の狭いプルランのシ
リーズをキャリブレーションに使用した(Fishman,M.
L.,Damert,W.C.,Phillips,J.G.及びBarford,R.A.[19
87]Carbohydr.Res.160:215-225)。
【0040】Rees(Rees,D.A.[1961]J.Chem.Soc.5168
-5171)により、アルカリ性で不安定なサルフェートを
総て除去するために、ASPのアルカリ処理を以下の如く
実施した。ASP200mgを水20mlに溶解させ、水素化ホウ素
ナトリウム40mgを添加し、室温で一晩還元した。次いで
3M NaOH(10ml)、さらにNaBH4 100mgと一緒に添加し、
混合物を緩やかに撹拌しながら100℃で4時間加熱し
た。アルカリ性溶液を、Amberlite IR-200(H+)樹脂を
使用して中和し、蒸留水で完全に透析して、最終的にア
ルカリ-処理したASPを凍結乾燥して回収した。
【0041】製造法A:2月に収集したGracilaria ver
rucosaからの粗抽出物 紅藻植物網Gigartinales目Gracilariceae科Gracilaria
属に属するGracilariaverrucosaを、2月に北アドリア
海で収穫し、空気で乾燥する前に注意深く手で分類し
た。
【0042】海草(200g,乾燥重量)を細かい粉末に粉
砕し、アセトンで2回洗浄し(各2リットル、一晩撹
拌)、空気乾燥し、0.01M EDTA-Na2及び0.1M NaClを含
む0.01M水性リン酸塩緩衝液(pH 6.9)3000ml中に懸濁
させた。室温で一晩、十分に撹拌しながら抽出した。海
草残渣をガラスウールを通して濾過して除去し、濾液を
元の容積の5分の1まで真空濃縮し、さらに遠心分離で
透明にした。薄い黄茶色の上清(600ml)をメタノール
(2400ml)で沈澱させ、水(500ml)に再溶解させ、遠
心分離し、蒸留水で透析し、次いで凍結乾燥すると、粗
抽出物(E-GVF)25g(乾燥重量)が得られた(収率12.5
%:乾燥重量ベース;HSV-1CPE IC50=4μg/ml)。
【0043】製造法B:9月に収集したGracilaria ver
rucosaからの粗抽出物 Gracilaria verrucosa の第2のサンプルを、北アドリア
海で9月に収穫し、空気乾燥する前に注意深く手で分類
した。
【0044】製造法Aで記載したように加工した海草
(200g)は、粗抽出物38gとなった(E-GVS;収率19% 乾
燥重量ベース;HSV-1CPE IC50=8μg/ml )。
【0045】製造法C:Gracilaria duraからの粗抽出
紅藻植物網Gigartinales目Gracilariceae科Gracilaria
属に属するGracilariaduraを北アドリア海で夏に収穫
し、空気乾燥する前に注意深く手で分類した。
【0046】製造法Aで記載したように加工した海草
(200g)は、粗抽出物35gとなった(E-GD;収率 17.5%
乾燥重量ベース;HSV-1CPE IC50=6μg/ml)。
【0047】製造法D:Gelidium corneumからの粗抽出
紅藻植物網Gelidiales目Gelidiaceae科に属するGelidiu
m corneumを北アドリア海で夏に収穫し、空気乾燥する
前に手で注意深く分類した。
【0048】製造法Aに記載したように加工した海草
(200g)は、粗抽出物39gとなった(E-GC;収率19.5%
乾燥重量ベース;HSV-1CPE IC50=8μg/ml)。
【0049】製造法E:寒天からの水性抽出物 寒天[Bacto-Agar(登録商標):Difco Laboratories,Mi
chigan.(米国)]100gを0.05M NaCl水溶液900mlに懸濁
させて、30℃に温度調節したジャケット付きカラム(50
×5cm I.D.)に注いだ。蠕動性ポンプ及びさらに0.05M
NaCl溶液(500ml)を含む外部貯蔵所を通して、溶離液
を8ml/分で7時間再循環させた。再循環を解除したら、
溶離液1600mlを収集するまで新しい0.05M NaClを加え
た。溶離液を濃縮し、凍結乾燥すると、水性抽出物15.9
gが得られた(AE)(HSV-1CPE IC50=8.6μg/ml)。
【0050】実施例1:DEAEクロマトグラフィーによる
AEの精製 活性抗-ウイルス性硫酸化多糖類を、水性抽出物AE(製
造法E)からDEAEクロマトグラフィーにより精製した。
各々の実施について、AE3gを0.1M リン酸塩緩衝液(pH
7.4)300mlに溶解させ、0.1M リン酸塩緩衝液(pH 7.
4)で平衡させた5×50cm(1000ml)Fractogel TSK DEAE
-650Mカラムに充填した。緩衝液から0.1Mリン酸塩緩衝
液(pH 7.4)中の2M NaClまでの勾配溶離を室温で600ml
/hで実施した。溶離した画分を収集し、全炭水化物含量
(フェノール-硫酸法)及びHSV-1感染細胞に対するin
vitro活性の両方についてモニターした。通常1〜1.5M
NaCl濃度範囲で溶離した活性画分をプールし、透析また
は限外濾過し、次いで凍結乾燥した。AE(15.9g)を加
工すると、精製物(370mg)が得られた(lot 7987/44;
D.S=0.84;HSV-1CPE IC50=0.2μg/ml)。
【0051】実施例2:「アガロイド型硫酸化物」の抽
出及び精製 CTAB沈澱(AP1)によるD.S.>0.3を有する多糖類 Bacto-Agar(登録商標;Difco)を、2mM アジ化ナトリウ
ムを含む0.5M NaCl水溶液6リットルに懸濁させ、次い
で室温で2時間激しく撹拌した。ガラスウールで濾過し
て得られた水性抽出物(4400ml)を、5M NaCl 37ml、2M
硫酸ナトリウム24ml及びCTAB6%(w/v)水溶液330mlを
撹拌下添加し、30分間すこし暖め(40℃)、少なくとも
2時間室温で放置して集めた。0.5M NaClが存在する
と、ペクチン及び電荷密度の低い硫酸化多糖類(D.S.<
0.3)が沈澱しなくなる。
【0052】短時間遠心分離して沈澱を収集し、4M NaC
l 640mlに溶解し、40℃で一晩撹拌した。残りのアガロ
ース及び不溶性不純物を遠心分離して除去した。
【0053】硫酸ナトリウム(28ml,2M)、CTAB(93m
l、6%)及び水4780mlを順にゆっくりと、透明な上清
(4M NaClに再溶解させたもの:700ml)によく撹拌しな
がら添加し、塩化ナトリウム濃度を0.5Mに下げて、均一
な沈澱形成を促した。撹拌しながら暖め(40℃,30分
間)、室温に放置して(2時間)、沈澱を遠心分離に
より収集し、4M NaCl 430mlに再溶解させた(40℃,一晩
撹拌)。
【0054】十分に撹拌しながらメタノール(2530ml)
をゆっくり透明溶液(470ml)に添加して、そのナトリ
ウム塩として硫酸化多糖類を沈澱させて、上清中に総て
のCTA及び殆どのNaClを残した(3000ml,84% MeOH)。
イオン交換が完了するまで少なくとも2時間撹拌した。
【0055】沈澱を濾過して収集し、水220mlに溶解し
(全容量260ml)、濾過(0.45μm)して完全に透明に
し、NaClを総て除去するために84%MeOH中で再び沈澱さ
せた(1500ml MeOHを添加)。95% MeOH(500ml,2回)
及び100% MeOH(400ml,2回)で最終洗浄し、乾燥する
と、硫酸化多糖類の精製ナトリウム塩が得られた(D.S.
0.3:収率1.3%)(6g,lot 8682/36,即ち“AP1”;
D.S.=0.75;HSV-1CPE IC50=0.2μg/ml)。
【0056】実施例3:“APS”の製造 “寒天型A”(cat.n.A4550,Sigma Chemical Company,
USA)500gを実施例2の記載通りに加工すると、硫酸化
多糖類4.6gが得られた(lot "APS";D.S.=0.68;HSV-1C
PE IC50=0.4μg/ml)。
【0057】実施例4:“APA”の製造 “Agar-Agar”(cat.n.412361,Carlo Erba,Italy)20
0gを細かく砕き、出発物質と反応体の量比を同一に保持
し全容量を縮小して実施例2の記載通りに加工すると、
硫酸化多糖類2.8gが得られた(lot“APA”;D.S.=0.7
0;HSV-1CPE IC50=0.2μg/ml)。
【0058】実施例5:ASP lot 7987/52Bの製造及び特
徴付け lot AP1(実施例2)100mgをDEAEクロマトグラフィーに
かけた。実施例1に記載の方法を1.6×19cm(40ml)カ
ラムを使用するために縮小した。溶離液プロフィール
(図1の実線)は、はっきりとした且つ異なる電荷密度
を有する、AP1中の2種類の異なる硫酸化多糖類の存在
を強調している:“ピークA”(lot 7987/52A;D.S.=
0.38;HSV-1 CPE IC50>20μg/ml)及びピークB(lot 7
987/52B;D.S.=0.91; HSV-1 CPE IC50=0.2μg/ml)。
【0059】以下のように特徴付けられる。
【0060】−NaClの一定勾配液のもとでベースライン
と完全に分離したピークとして溶出されるため、“ピー
クA”及び“ピークB”は異なる種類の化合物として見
なされるべきであり、電荷密度が連続的に異なる単一範
囲の単糖類の一部としてはみなされるべきではない。
【0061】−“ピークB”(D.S.=0.91)はHSV-1に
対して高活性であるが、“ピークA”(D.S.=0.38)は
不活性である。
【0062】−両方のピークは、同様のガラクトースモ
ル含量(PC、HPLC及びGCにより)、少量の3,6-アンヒド
ロガラクトース(Yaphe,W.及びArsenault,G.P.[1965]
Anal.Biochem.13:143-148により測定)、β(1→4)D-
ガラクトースとα(1→3)L-ガラクトースの交互繰り
返しユニットから主になる共通の主鎖(13C-NMR)及び
同様のHPSECプロフィール(Mp約190kDa)を有する。
【0063】−2種類の物質のフェニルカルバモイル化
またはメチル化誘導体のIRスペクトルは、800〜850cm-1
の範囲で十分な解像度を示し、“ピークA”で全ての置
換がサルフェートヘミエステル基によるものではないと
してもガラクトース-6-サルフェートにほとんど起因す
ることを示しているが、これに対してガラクトース-6-
サルフェート(820cm-1)及びガラクトース-2-サルフェ
ート(840cm-1)並びにおそらくガラクトース-4-サルフ
ェート(850cm-1、ショルダー)が“ピークB”中に検
出される。その13C-NMRスペクトルは、これらの知見と
一致している。
【0064】−アルカリ性で不安定なサルフェート基
(即ち、6-サルフェート)を除去するためにアルカリ処
理を実施すると、“ピークB”は、幾らか抗-HSV-1活
性(CPEIC50=0.8μg/ml)及びアルカリ性で安定な基
(2-及びおそらく4-サルフェート;D.S.=0.47)を有す
る生成物を与えるが、“ピークA”は、総てのサルフェ
ート基を失った。
【0065】実施例6:ASP lot 8682/54の製造 実施例2に記載の方法を少し変形した。硫酸化多糖類の
セチルトリメチル臭化アンモニウム(CTAB)との第2の
沈澱形成を、(0.5M NaClの代わりに)1M MaClの存在下
に実施し、“ピークB”のASPのみを収集するために、
D.S.<0.6の硫酸化多糖類が沈澱しないようにした。
【0066】Bacto-Agar(登録商標:Difco)454gから
出発して、寒天からの水性抽出、0.5M NaCl中でのCTAB
との第1の沈澱形成及び4M NaCl中での再溶解を実施例
2の記載通りに実施した。
【0067】硫酸ナトリウム(14ml,2M)、CTAB(46ml,
6%)及び水2040mlを順に且つゆっくりと、透明な上清
(700ml,4M NaCl中に再溶解させたもの)によく撹拌し
ながら添加し、塩化ナトリウム濃度を1Mに下げて均一
な沈澱形成を促した。撹拌しながら暖めた後(40℃,30
分)、室温に放置し(2時間)、遠心分離した沈澱を
収集し、4M NaCl 300mlに再溶解させた(40℃,一晩撹
拌)。
【0068】メタノール(1685ml)を十分に撹拌しなが
らゆっくりと透明な溶液(315ml)に添加して、そのナ
トリウム塩として硫酸化多糖類を沈澱させて、CTA全部
とNaClを殆ど上清中に残した(2000ml,84% MeOH)。少
なくとも2時間撹拌して、イオン交換を完了させた。
【0069】沈澱を遠心分離によって収集し、水150ml
に溶解させ(全容量180ml)、濾過して(0.45μm)完
全に透明にして、(1000ml MeOHを添加することによ
り)再び84% MeOH中で沈澱させてNaClを総て除去した。
95% MeOH(350ml,2回)及び100%MeOH(300ml)で最終
洗浄し、乾燥すると、硫酸化多糖類の精製ナトリウム塩
が得られた(収率1.0%,D.S.0.6)(4.4g,lot 8682/5
4;D.S.=0.85;HSV-1CPEIC50=0.2μg/ml)。
【0070】ASP lot 8682/54の特徴例 注意:記載しない限り、置換基または単糖類残基量は以
後モル百分率で表す。
【0071】ASP lot 8682/54(実施例6)は、D.S.=
0.85、3,6-アンヒドロガラクトース含量10.4%、水8.1%
(重量)であった(表1)。これはナトリウム塩(Na:
7.5重量%)として得られ、製造の最終段階では過剰の塩
化ナトリウム(Cl:0.1重量%)はなかった。
【0072】酸-不安定性3,6-アンヒドロガラクトース
の分解生成物の他に、ガラクトースのみが加水分解生成
物中の糖構成成分として検出された(計算値:59重量
%,実測値:58重量%)。ガラクトースを加水分解生成物
から単離する際、特定の旋光の低い正の値を示し、D-
異性体が過剰であることを示した。L-異性体の存在
は、D-ガラクトースオキシダーゼでガラクトースの単
離サンプルを処理後、測定した[α]Dの負の値により
確認した。
【0073】ASP lot 8682/54は、HPSECプロフィール
(図2)に示されているようにMp範囲150〜240kDaの多
分散系である。
【0074】生成物の赤外スペクトル(図3)は、サル
フェートエステル[1420(w),1370(w)及び1250cm-1
並びに未分解の800〜850cm-1バンド]及び3,6-アンヒド
ロガラクトース(930cm-1)の典型的な吸収を示した。
硫酸化サイトに関する幾つかの情報が、2つの主なバン
ド[840cm-1(2-サルフェート)及び820cm-1(6-サルフ
ェート)−後者は810cm-1のショルダー(3,6-アンヒド
ロガラクトース-2-サルフェート)により強くなってい
る]及び弱いバンド[850cm-1(4-サルフェート)]を
有するが860cm-1(3-サルフェート)に吸収がない、フ
ェニルカルバモイル化ASP lot 8682/54のIRスペクトル
から得られた(図4)。
【0075】ASP lot 8682/54の特定の旋光の負の値
([α]D25:−15°;c=1.0,水;20〜60℃で一
定)は、アガロイド骨格(即ち、3-O-結合β-D-ガラク
トピラノシル残基と4-O-結合α-L-ガラクトピラノシル
残基が交互になっている)からなっているので、正の旋
光を示すカラゲナンとは異なる。ASPの特定の旋光の負
の値が低いのは、3,6-アンヒドロガラクトピラノース残
基の割合が低いことを考慮するともっともである。さら
に、[α]D/温度プロフィール中のヒステリシスまた
は変化の兆候の欠失は、室温に於けるASP lot 8682/54
の水溶液中の二重らせんの集合物の発生とは反対の結論
を示す。
【0076】アガロイド骨格は、特に13C-NMRスペクト
ルのアノマー炭素領域でカラゲナンとはっきり区別でき
た。このスペクトルから、幾つかの化学的特徴が推論さ
れ得る。
【0077】−メトキシル置換(59.1ppm)は、存在し
ないか、またはASPのこのロットでは少なくともはっき
りしない。これは、1H-NMRによっても確認できた。
【0078】−幾つかのβ-D-ガラクトピラノースユニ
ットのO-4及びO-6(1-カルボキシエチリデン基)位のピ
ルビン酸置換は25.7及び176.4ppmのシグナルから推論で
き、約5%と推定した。
【0079】−十分な分解能ではないが、アノマー炭素
シグナルは、β(1→4)D-ガラクトピラノースとα(1
→3)L-ガラクトピラノースの交互繰り返しユニットか
ら構成されている構造からなる。特に、帰属は以下の通
りである。
【0080】α-L:GAL,2-S-GAL,6-S-GALまたは2,6-D
S-GALであるとき、C-1(β-D)(30〜40%)104.4ppm . α-L:3,6-ANであるとき、C-1(β-D)(10〜20%)102.
7ppm. α-L:GALまたは6-S-GALであるとき、C-1(α-L)(15
〜25%)101.6ppm. α-L:2-S-GAL,2,6-DS-GAL,3,6-ANまたは3,6-AN-2-S-
GALであるとき、C-1(α-L)(25〜35%)99.2pp
m. 但し、GAL=非置換ガラクトピラノース; 2-S-GAL=ガラクトピラノース-2-サルフェート; 6-S-GAL=ガラクトピラノース-6-サルフェート; 2,6-DS-GAL=ガラクトピラノース-2,6-ジサルフェー
ト; 3,6-AN=3,6-アンヒドロガラクトピラノース; 3,6-AN-2-S-GAL=3,6-アンヒドロガラクトピラノース-2
-サルフェート (3位での硫酸化は、IRスペクトルをベースとして無視
した)である。
【0081】−β-及びα-結合アノマー炭素原子の個々
の積分の比は、大体1:1である。
【0082】−α-L及びβ-Dユニット中の全C-6の約6
0%は、遊離ヒドロキシル基を有する(61.5ppmのシグナ
ル)。
【0083】以下の主生成物: −非置換3-O-結合β-D-ガラクトピラノースに起因する
2,4,6-トリ-O-メチルガラクトース; −3-O-結合β-D-ガラクトピラノース-2-サルフェートに
起因する4,6-ジ-O-メチルガラクトース; −3-O-結合β-D-ガラクトピラノース-6-サルフェートに
起因する2,4-ジ-O-メチルガラクトース; −非置換4-O-結合α-L-ガラクトピラノースに起因する
2,3,6-トリ-O-メチルガラクトース; −4-O-結合α-L-ガラクトピラノース-2-サルフェートに
起因する3,6-ジ-O-メチルガラクトピラノース; −4-O-結合α-L-ガラクトピラノース-2,6-ジサルフェー
トに起因する3-O-メチルガラクトピラノース;並びに極
少量の −3-O-結合β-D-ガラクトピラノース-4-サルフェートに
起因する2,6-ジ-O-メチルガラクトース; −3-O-結合β-D-ガラクトピラノース-2,6-ジサルフェー
トに起因する4-O-メチルガラクトース; −幾つかの分枝場所の存在を示唆している2,3,4,6-テト
ラ-O-メチルガラクトース が識別されるとき、メチル化分析からASP構造について
の情報がさらに出てくる。
【0084】実際、3,6-アンヒドロ-α-L-ガラクトース
(10%)をベースとする総ての残渣は、過メチル化ASPの
酸加水分解時に劣化した。全α-L-対β-D-メチル化残渣
の比は約4:5と予測したので、3,6-アンヒドロ-α-L-
残基10%を考慮に入れて、本発明者らは、元の未メチル
化多糖類中の3-O-結合β-D-対4-O-結合α-L-ガラクトピ
ラノシル残基の比は約1:1であるとした。
【0085】構造分析から得られた総ての情報を考慮に
入れると、本発明者らはASP lot 8682/54が、平均し
て、 1:2:4:3のピルビン酸化:6-サルフェート:2-サルフ
ェート:非置換 として現れる3-O-結合β-D-ガラクトピラノシル残基
と、 3:2:2:3の2,6-ジサルフェート:2-サルフェート:3,
6-アンヒドロ-2-サルフェート:未置換 として現れる4-O-結合α-L-ガラクトピラノシル残基が
交互になっていると見なし得る。
【0086】この状況は、比及び幾つかの少数の構造詳
細の概略である;例えば、IRスペクトルから推定される
ように4-サルフェート置換もある程度存在するだろう。
【0087】ASP(lot 8682/54)のDEAEクロマトグラフ
ィー lot 8682/54(実施例6)100mgを、DEAEクロマトグラフ
ィーにかけた。1.6×19cm(40ml)カラムを使用するた
めに実施例1に記載の方法を縮小した。溶離プロフィー
ル(図1の点線)から、“ピークB”のASPだけの存在
が明らかになり、ASPの選択的抽出及び精製にぴったり
の好適な方法として実施例3の方法が確認できた。
【0088】実施例7:藻の粗抽出物からのASPの精製 加工する多糖類の量を少なくするために実施例6に記載
の方法を縮小して、CTAB沈澱形成により藻類の粗抽出物
からASPを精製した。E-GVF(25g,精製法A)、E-GVS
(38g,精製法B)、E-GD(35g,精製法C)及びE-GC
(39g,精製法D)を別個に各0.5M NaCl水溶液500mlに
溶解させ、2M 硫酸ナトリウム(3ml)及びCTAB6%(w/
v)水溶液55mlを添加して沈澱させ、撹拌下、30分間少
し暖めて(40℃)、室温で少なくとも2時間放置して集
合させた。沈澱を短時間遠心分離して収集し、4M NaCl
180mlに溶解させて、一晩40℃で撹拌した。不溶性不純
物を遠心分離して除去した。
【0089】硫酸ナトリウム(4ml,2M)、CTAB(13ml,
6%)及び水583mlを順に且つゆっくりと、よく撹拌しな
がら透明な上清(200ml,4M NaCl中に再溶解させたもの
から)に添加し、塩化ナトリウム濃度を1Mに下げ、均
一な沈澱形成を促進させた。撹拌しながら暖めた後(40
℃,30分)、室温に放置し(2時間)、沈澱を収集し
て4M NaCl 95mlに再溶解させた(40℃,一晩撹拌)。
【0090】メタノール(525ml)を十分に撹拌しなが
ら、透明な溶液(100ml)にゆっくり添加し、そのナト
リウム塩として硫酸化多糖類を沈澱させ、総てのCTA及
びNaClを殆ど上清中に残した(625ml,84% MeOH)。少
なくとも2時間撹拌すると、イオン交換が完了した。
【0091】沈澱を濾過して収集し、水50mmに溶解し
(全容量60ml)、濾過(0.45μm)して完全に透明にし
て、(315ml MeOHを添加することにより)再び84% MeOH
中で沈澱させてNaClを全部除去した。95% MeOH(100m
l,2回)及び100% MeOH(100ml)で最終洗浄後、乾燥
させると、各々D.S.0.6の硫酸化多糖類の精製ナトリ
ウム塩が得られた。
【0092】“GVF”(1.24g;E-GVFからの収率5.0%ま
たは乾燥藻類からの収率0.62%;D.S.=0.92;HSV-1CPE
IC50=0.2μg/ml) “GVS”(1.04g;E-GVSからの収率2.7%または乾燥藻類
からの収率0.52%:D.S.=0.82;HSV-1CPE IC50=0.2μ
g/ml) “GD”(0.92g;E-GDからの収率2.6%または乾燥藻類か
らの収率0.46%;D.S.=0.85;HSV-1CPE IC50=0.14μg
/ml) “GC”(0.97g;E-GCからの収率2.5%または乾燥藻類か
らの収率0.49%;D.S.=0.87;HSV-1CPE IC50=0.2μg/
ml)抗-ウイルス活性及び細胞毒性の“in vitro”分析 トリプシン処理による許容細胞の単層を再懸濁させ、次
いで24または96個のウエルの平底培地プレートに懸濁液
(4〜10×104細胞/ml,5% ウシ胎児血清を補ったイー
グルの基礎培地)を接種することにより試験を実施し
た。本発明の生成物の水溶液のアリコートを、(細胞毒
性試験用に)未感染細胞または抗-ウイルス活性試験用
に30〜100 I.C.50ウイルス/ウエルに感染させた細胞と
一緒に、ウエル中、正副二重にして2倍の血清希釈液中
に分散させた。生成物を細胞とインキュベーションして
15分後、ウイルスを添加した。
【0093】細胞毒性を、細胞成長を50%減少させるの
に必要な濃度(TC IC50)として評価した。
【0094】抗-ウイルス活性は、細胞変性(CPE)の減
少として、モロニー肉腫ウイルス感染中で病巣の形質転
換として知見され、(Elisaにより)HIV核蛋白質p24量
及び(核酸を用いる分子ハイブリダイゼーション法によ
り)HIV合成RNAの全量を測定することにより観察した。
抗-ウイルス活性を、ウイルスが誘発した細胞病原性を5
0%減少させるのに必要な濃度(CPE IC50)、MSVが誘発
した病原形質転換を50%阻害するのに必要な濃度(F IC5
0)及びHIV p24及びHIV RNAの両方を50%減少させるのに
必要な濃度として測定した。時折、感染性ウイルス産生
の50%減少(IVIC50)も試験した。これは、感染処理及
び未処理培地のクリオリセート(cryolystates)中のウ
イルス含量を滴定することにより決定した。
【0095】 表1 表中のASPの範囲に共通の他の物理化学特性 Na:6.7〜7.6 重量% Cl: 0.1 重量% P:< 100 ppm ガラクトース:55〜59 重量% (GLC-MS) [α]D25:−5°〜−20°(c 1.0,水) M.W.:1〜>5000 kDa (Mp:170〜260kDa)(HPSEC) メチルエーテル基:0〜0.15mol/単糖類ユニット(13C-NMR) ピルビン酸基:0〜0.05mol/単糖類ユニット(13C-NMR) 赤外吸収(KBr): 3200〜3700 cm-1 (OH基) 2880〜2950 cm-1 (CH2及びCH基) 1600〜1680 cm-1 (OH基) 1420(弱い),1370(弱い)及び1250cm-1 (サルフェートエステル) 930 cm-1 (3,6-アンヒドロガラクトース) 800〜850cm-1 (サルフェートエステル) 溶解性: 水中50mg/ml以上 有機溶媒(例えば、ベンゼン、クロロホルム、エチルエーテル、アセトン、 メタノール及びエタノール)に不溶
【0096】
【表1】
【0097】
【表2】
【0098】
【表3】
【0099】
【表4】
【0100】
【表5】
【0101】
【表6】
【0102】
【表7】
【図面の簡単な説明】
【図1】AP1 lot 8682/36(─)及びASP lot 8682/54
(- - -)のDEAEクロマトグラフィーの結果を示す図で
ある。0.1 Mリン酸塩緩衝液(pH 7.4)及び塩化ナトリ
ウム勾配液(……)を使用して70ml/時間で溶離した。
x-軸は容積(ml)を表す。左側のy-軸は、485nmに於
ける吸収を示す。右側のy-軸は、塩化ナトリウム濃度
(M)を表す。画分をフェノール-硫酸法により分析し
た。
【図2】ASP lot 8682/54の高性能サイズ排除クロマト
グラフィーの結果を示す図である。x-軸は、分子量(k
Da)を表す。y-軸は、全体に対する濃度(重量%)で表
している。画分をレゾルシノール−硫酸法により分析し
た。
【図3】ASP lot 8682/54の赤外スペクトルを示す図で
ある。x-は波長(cm-1)を示す。
【図4】ASP lot 8682/54のフェニルカルバモイル誘導
体の赤外スペクトルを示す図である。x-は、波長(cm
-1)を示す。
フロントページの続き (72)発明者 ジヨバンニ・リボラ イタリー国、20141・ミラン、ビア・ベル ナルデイーノ・ベロ・ヌメロ・78 (72)発明者 ドメニコ・ウンゲーリ イタリー国、20015・ミラン、パラビアー ゴ、ビア・サン・セバスチアーノ、ヌメ ロ・106 (72)発明者 ジヤンバツテイスタ・ベントレツラ イタリー国、20149・ミラン、ビア・モル ベツリ・ヌメロ・18

Claims (8)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 β(1→4)D-ガラクトースとα(1→
    3)L-ガラクトースの交互繰り返しユニットからなり、
    塩化ナトリウム増加勾配液を適用することによりアニオ
    ン交換クロマトグラフィーで均一精製し、蒸留水で完全
    に透析し、次いで凍結乾燥後、以下の特性: (a)元素分析:炭素20〜35重量%、水素3.2〜5.5重量
    %、窒素1重量%未満及び硫黄8重量%以上である(無水
    化合物として計算); (b)高性能サイズ排除クロマトグラフィーにより測定
    される分子量が10000kDa以下である; (c)水、水性リン酸塩緩衝液(pH1〜13)及び水溶性
    アルコール20容量%以下を含む水性溶媒に溶解性である
    が、ベンゼン、クロロホルム、エチルエーテル並びに、
    メチルまたはエチルアルコール80容量%以上及び塩化ナ
    トリウム1g/lを含む水性アルコール性溶液に不溶であ
    る; (d)塩化バリウムの存在下に水に可溶であるが、水性
    2M塩酸中120℃で3時間加水分解後、塩化バリウムを添
    加すると硫酸バリウムの沈澱が生じる; (e)全単糖類ユニットの90モル%以上が、非置換また
    は置換されたガラクトース及び3,6-アンヒドロガラクト
    ース残基である; (f)全単糖類ユニットの30モル%以上が、2、3及び/
    または6-位に置換基を保持し得る4-O-結合α-L-ガラ
    クトピラノシド残基からなる; (g)全単糖類ユニットの40モル%以上が、2、4及び/
    または6-位に置換基を保持し得る3-O-結合β-D-ガラ
    クトピラノシド残基からなる; (h)全単糖類ユニットの40モル%以上が、2、3及び
    6-位に置換基を保持し得る4-O-結合α-L-ガラクトピ
    ラノシド残基並びに2-位に置換基を保持し得る3,6-ア
    ンヒドロ-α-L-ガラクトピラノシド残基からなる; (i)β-D-ガラクトピラノシド残基のO-4及びO-6を橋
    かけする環状ケタールとして結合したピルビン酸(1-
    カルボキシエチリデン)基が、全単糖類ユニットの10モ
    ル%未満の置換基として存在する; (j)単糖類ユニット当たりのメチルエーテル置換基の
    モル比が0.3:1を超えない; (k)サルフェートヘミエステル基が、β-D-ガラクト
    ピラノシド残基の2、4及び6-位、α-L-ガラクトピ
    ラノシド残基の2、3及び6-位並びに3,6-アンヒドロ-
    α-L-ガラクトピラノシド残基の2-位の置換基として
    存在し、全硫酸化度が常に0.6以上である;及び (l)2及び4-位のサルフェートヘミエステル基の全
    硫酸化度への寄与が常に0.3以上であるを有する、アガ
    ロイド型の共通の主鎖を有する硫酸化多糖類及び医薬的
    に許容可能なその塩。
  2. 【請求項2】 硫酸化度が0.9±0.1である請求項1に記
    載の硫酸化多糖類及び医薬的に許容可能なその塩。
  3. 【請求項3】 MW:MN比が2:1以上で、MPが100〜300k
    Daである請求項1または2に記載の硫酸化多糖類及び医
    薬的に許容可能なその塩。
  4. 【請求項4】 請求項1〜3のいずれか1項に記載の硫
    酸化多糖類または医薬的に許容可能なその塩の単離方法
    であって、 (1)紅藻、寒天または未精製寒天の製造残渣を水性溶
    媒で抽出し; (2)前記多糖類を得るために、抽出物を精製処理及び
    カラムでの溶離処理または、分画沈澱にかけ、次いで (3)所望により、このようにして得られた多糖類を医
    薬的に許容可能なその塩に転化させるこをからなる該方
    法。
  5. 【請求項5】 水性溶媒はリン酸塩緩衝液またはNaClの
    水溶液であり、精製処理は、遠心分離、濾過、有機溶媒
    との沈澱形成、透析、凍結乾燥及び限外濾過から選択さ
    れる少なくとも1種の処理であることを特徴とする請求
    項4に記載の方法。
  6. 【請求項6】 医薬的に許容可能なキャリヤまたは希釈
    剤及び、活性成分として請求項1〜3のいずれか1項に
    記載の硫酸化多糖類または医薬的に許容可能なその塩か
    らなる医薬組成物。
  7. 【請求項7】 抗-ウイルス剤として使用するための請
    求項1〜3のいずれか1項に記載の硫酸化多糖類または
    医薬的に許容可能なその塩。
  8. 【請求項8】 AIDS治療で使用するための請求項7に記
    載の硫酸化多糖類または医薬的に許容可能なその塩。
JP4334561A 1991-12-17 1992-12-15 抗ウイルス性硫酸化多糖類 Pending JPH05271306A (ja)

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PL225045B1 (pl) 2012-05-18 2017-02-28 Univ Jagielloński Zastosowanie polimeru chitozanowego do wytwarzania leków do leczenia i profilaktyki infekcji wywołanych przez koronawirusy

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