JPH05271016A - 多層フィルム状薬剤徐放体 - Google Patents

多層フィルム状薬剤徐放体

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JPH05271016A
JPH05271016A JP5008447A JP844793A JPH05271016A JP H05271016 A JPH05271016 A JP H05271016A JP 5008447 A JP5008447 A JP 5008447A JP 844793 A JP844793 A JP 844793A JP H05271016 A JPH05271016 A JP H05271016A
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JP
Japan
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methyl
drug
layer
weight
inner layer
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JP5008447A
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English (en)
Inventor
Takashi Chinuki
高志 千貫
Seiichi Shibata
誠一 柴田
Tatsuhiro Nagamatsu
龍弘 永松
Tomomi Sato
友美 佐藤
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Sumitomo Chemical Co Ltd
Original Assignee
Sumitomo Chemical Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【目的】長期間にわたって、且つできるだけ一定の放出
速度で気化性の薬剤を放出することにより、薬効を呈す
る多層フィルム状薬剤徐放体を提供する。 【構成】 下記の内層(イ)と、該内層の両面に接する
外層(ロ)とからなる多層フィルム状薬剤徐放体。 (イ):極性基を有する単量体3モル%以上を含むエチ
レン共重合体中に、1−エチニル−2−メチル−2−ペ
ンテニル−クリサンスメートおよび気化性防かび剤を含
有する内層。 (ロ):結晶化度50%以上のポリオレフィン樹脂から
なる外層。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は殺虫剤として知られてい
る気化性の薬剤である1−エチニル−2−メチル−2−
ペンテニル−クリサンスメート(以下、「薬剤I」とも
いう)と気化性防かび剤を長期間徐放する多層フィルム
状薬剤徐放体に関する。
【0002】
【従来の技術】従来から1−エチニル−2−メチル−2
−ペンテニル−クリサンスメートを紙などに含浸した防
虫シートは知られている。また気化性防かび剤を含め
て、気化性の薬剤を徐放するタイプの薬剤ディスペンサ
ーとして、薬剤を含有する層の両面に薬剤のバリヤー層
を有してなる積層シートの側面から薬剤を放出するもの
(特開昭58−11145号公報)や、薬剤を含有する
フィルムを中間層とする積層フィルムの表面から薬剤を
放出するもの(特開昭59−25319号公報)などが
知られている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、前者の
薬剤ディスペンサーは薬剤が積層シートの側面から放出
されるので、初期の放出速度が大きく極めて短期間のう
ちに放出速度が小さくなり、放出速度が一定になりにく
く、且つ薬効が急激に低下するという問題点があった。
また後者の薬剤ディスペンサーはある程度の徐放効果は
期待されるものの、長期間にわたる薬効を持続し難いと
いう問題点があった。
【0004】
【課題を解決するための手段】本発明者らは気化性の薬
剤である1−エチニル−2−メチル−2−ペンテニル−
クリサンスメートと防かび剤を長期間徐放するフィルム
状薬剤成形体について鋭意研究を重ねた結果、該薬剤の
放出速度ひいては該成形体の薬効と樹脂の結晶性との関
係について知見し、本発明を完成させるに至った。本発
明は、長期間にわたって、且つできるだけ一定の放出速
度で気化性の薬剤を放出することにより、薬効を呈する
多層フィルム状薬剤徐放体を提供するものである。すな
わち、本発明は、下記の内層(イ)と、該内層の両面に
接する外層(ロ)とからなる多層フィルム状薬剤徐放体
を提供するものである。 (イ):極性基を有する単量体3モル%以上を含むエチ
レン共重合体(以下「樹脂I」という)中に、1−エチ
ニル−2−メチル−2−ペンテニル−クリサンスメート
および気化性防かび剤を含有する内層。 (ロ):結晶化度50%以上のポリオレフィン樹脂(以
下「樹脂II」という)からなる外層。
【0005】本発明で用いられる1−エチニル−2−メ
チル−2−ペンテニル−クリサンスメートは、ラセミ体
でもよいし、薬効を有する各種異性体でもよい。該薬剤
は、殺虫効果のみならず防虫効果をも有する臭気の低い
薬剤であり、樹脂の内部で速やかに均一に拡散し、且つ
通常の使用条件下において適度に気化して薬効を示す。
該薬剤は例えば住友化学工業製のベーパースリンとして
市販されている。本発明で用いられる気化性防かび剤
は、毒性や刺激性が少なく且つ化学的に安定なものが好
ましい。例えば、オルトフェニルフェノール(OP
P)、アルファ─ブロモシンナムアルデヒド(BC
A)、3−メチル−4−イソプロピルフェノール、パラ
クロロメタクレゾール、チモール、パラクロロメタキシ
レノール(PCMX)、デヒドロ酢酸、p−オキシ安息
香酸アルキルエステル(アルキル基として、メチル、エ
チル、プロピル、ブチル等が挙げられる。)等が挙げら
れる。
【0006】樹脂Iは両薬剤の長期間の徐放に必要な薬
剤量を、安定的に保持し適度な拡散速度を有する必要性
より、極性基を有する単量体3モル%以上を含むエチレ
ン共重合体である。極性基を有する単量体が3モル%未
満のエチレン共重合体では、両薬剤の量が飽和吸収量を
上回ることがあり、徐放コントロールが難しく、混合す
る両薬剤の量が両薬剤の飽和吸収量に対して高くなるた
めに安定状態を作りにくくなり精度のよい徐放効果は期
待できなくなる。ここで薬剤に対する飽和吸収量とは、
樹脂を薬剤に浸漬した時に樹脂が吸収し得る薬剤の最大
量のことである。また、気化性防かび剤は一般に室温下
固体であるため、樹脂との混練後の表面析出の有無で判
断した。
【0007】樹脂Iの具体例としては、両薬剤に対する
安定性、両薬剤の拡散速度、成形性などの観点から、エ
チレン−酢酸ビニル共重合体、エチレン−メチル(メ
タ)アクリレート共重合体、エチレン−酢酸ビニル−メ
チル(メタ)アクリレート共重合体等が挙げられる。特
に好ましいのはメチル(メタ)アクリレートを3モル%
以上共重合してなるエチレン−メチル(メタ)アクリレ
ート共重合体である。樹脂Iと両薬剤とからなる組成物
中の両薬剤の量は特に規定するものでないが、長期間の
徐放効果を期待するならば、樹脂Iの両薬剤に対する飽
和吸収量の5〜90%に相当する量が好ましい。両薬剤
の量が飽和吸収量の5%未満の場合は薬剤使用量が少な
すぎて初期からの薬効を呈さない。また90%を越える
場合は組成物として安定な状態にならず激しいブリード
をおこしてしまい長期間の徐放効果は期待できない。
【0008】本発明で用いられる樹脂IIは、結晶化度
50%以上のポリオレフィン樹脂である。結晶化度が5
0%未満の場合は放出速度が大きすぎて長期間の徐放効
果を示さない。 かかる樹脂IIとしては低密度ポリエ
チレン、中密度ポリエチレン、高密度ポリエチレン、ポ
リプロピレンなどを例示することができ、これらを単独
で用いてもよいし、2種以上をブレンドして用いてもよ
い。樹脂IIとして、長期間徐放の観点から特に好まし
いものは、高密度ポリエチレン、ポリプロピレンであ
る。なお、2つの外層に用いられる樹脂IIとして、2
種類の樹脂を用いることによって、各々の外層からの両
薬剤の放出量をコントロールすることもできる。
【0009】本発明の多層フィルム状薬剤徐放体の厚み
は、長期間の徐放と一定速度での放出の点、また、経済
的な点から40μm〜200μmが好ましく、全体厚み
に対する内層のフィルム厚みを60〜90%とすること
が好ましい。本発明においては、目的を損なうことのな
い範囲で、酸化防止剤、紫外線吸収剤、帯電防止剤、滑
剤、抗ブロッキング剤、顔料、造核剤などを適宜併用す
ることができる。
【0010】次に、本発明の多層フィルム状薬剤徐放体
の製造法を例示する。まず、樹脂Iと両薬剤および必要
に応じて酸化防止剤や抗ブロッキング剤などとをロール
型またはバンバリー型の混練機または押出機などを用い
る通常の方法で混練して組成物を得る。他方、樹脂II
と必要に応じて酸化防止剤や抗ブロッキング剤などとを
ロール型またはバンバリー型の混練機または押出機など
を用いる通常の方法で混練して混練物を得る。次に、得
られた組成物と混練物とを同時に共押出してインフレー
ション加工またはTダイ加工等により多層フィルム状薬
剤徐放体を得る。また、別の製造法として、まず組成物
からインフレーション加工、Tダイ加工またはカレンダ
ー加工等によってフィルムを製造し、次に、該フィルム
上に樹脂IIを含む混練物をラミネートして多層フィル
ム状薬剤徐放体を得る方法も挙げられる。
【0011】
【発明の効果】本発明の多層フィルム状薬剤徐放体は、
ベーパースリンおよび気化性防かび剤の蒸散量を長期に
わたってコントロールすることが可能であり、蒸散しや
すい両薬剤の蒸散量の定量的な長期持続の効果は極めて
良好であり、ベーパースリンそのものの薬効および防か
び剤の薬効を生かして衣料包装や衣料保存用のフィルム
として極めて有用である。
【0012】
【実施例】次に本発明について、実施例をあげて説明す
るが、本発明はこれらに限定されるものではない。実施
例および比較例に示した樹脂の結晶化度は次の方法で算
出した。試料の赤外線吸収スペクトルを、赤外分光光度
計(日本分光工業社製A−302型)にて測定し、結晶
部と非晶部の吸光度比により、結晶部分の存在比(結晶
化度)を算出した(ポリエチレンの結晶部:730cm -1
非晶部:720cm -1、ポリプロピレン結晶部:998cm -1
非晶部:974cm -1)。
【0013】実施例および比較例に示したベーパースリ
ンおよび防かび剤の蒸散量は、一定期間後のフィルム内
部の両薬剤濃度をアセトンを溶剤としたソックスレー抽
出器により抽出した後、ガスクロマトグラフィー(島津
製作所社製、GC−7A型、液相DEGS2%、担体Ch
romosorb-W AW 、DMCS処理 100-120メッシュの1m長のカラ
ムを用いる。)により定量し、算出したものである。実
施例および比較例に示したベーパースリンに対する樹脂
の飽和吸収量は、樹脂を40×10×0.5mm に成形したシー
トを20℃のベーパースリンに浸漬し、ある一定時間後に
樹脂の吸収が飽和に達した時点での吸収量のその時の重
量に対する割合を飽和吸収量としたものである。また、
防かび剤に対する樹脂の飽和吸収量は、樹脂と防かび剤
を混練し、混練後のシート表面に、20℃で析出しない最
大混練量を該飽和吸収量とした。
【0014】また、実施例および比較例に示した薬効テ
スト(殺虫試験・かび発生試験)は次の方法で行った。 殺虫試験:直径90mmφのガラス製シャーレの底面全体に
フィルムあるいはシート状試験片を設置し、そこから25
mmの高さのところに金網(60メッシュ)を設け、該金網上に
対象害虫を放飼し、これら全体を幅300mm 、奥行300mm
、高さ150mm の木製フタ付ボックス中に入れて、対象
害虫の殺虫効果を調べ、100 %致死にいたる時間を示し
た。 かび発生試験:まず、ジャガイモ200g、ブドウ糖20g 、
および寒天20g を蒸留水1000mlに加温溶解し、煮沸滅菌
後、直径90mmφのガラス製シャーレに流し込んで冷却固
化して、平面培地を作った。次に直径100mm φのプラス
チック製円柱状容器(容量1000mlで蓋なし)2個を重ね
た密閉容器内の天井部に、フィルムあるいはシート状試
験片を張り付けた。同時に、同じ容器内の底面部に下記
供試菌3種を接種した上記シャーレを置いた。27℃で8
週間培養した後、培地上の菌の生育の程度を観察した。 供試菌:Aspergillus niger (JIS Z 2911−第1群−
2)、Penicillium citrinum(JIS Z 2911−第2群−
1)、Chaetomium globosum (JIS Z 2911−第5群−
1) 菌生判定基準を次にしめす。 −:培地上にカビの生育が認められない。 +:初期には抑制効果は認められても経日とともにカビ
の生育が認められる。 ++:試験片を置かなかった場合と大同小異で旺盛なカ
ビの生育が認められる。
【0015】(実施例1)酢酸ビニル含有量が 3.5モル
%のエチレン−酢酸ビニル共重合体(住友化学工業製
エバテート D2021;ベーパースリン 飽和吸収量
6.1重量%、3−メチル−4−イソプロピルフェノ─ル
飽和吸収量 2.4重量%、インフレ成形時の結晶化度 47.
5 %)100重量部とベーパースリン (住友化学工業
製 純度92%)3重量部、3−メチル−4−イソプロ
ピルフェノール(住友製薬製 フレサイド S 純度9
7%)2重量部とを5リットルのバンバリーミキサーで
樹脂温度110〜120℃で5分間混練後、造粒機でペ
レットを製造した。二種三層インフレダイス(口径10
0mm)を装備した多層インフレ装置を使用し、該ダイス
の内層には口径40mmの押出機を通して上記ペレットを
溶融ゾーン160℃、ダイス温度150℃の条件で9kg
/hr の吐出量で供給した。外層には高密度ポリエチレン
(昭和電工製ショーレックス S5008;ベーパース
リン飽和吸収量 0.6重量%、3−メチル−4−イソプロ
ピルフェノール飽和吸収量 0.2重量%; インフレ成形時
の結晶化度 75.7 %)を溶融ゾーン210℃、ダイス温
度150℃の条件で6kg/hr の吐出量で供給し、各層に
供給した樹脂は該ダイスの内部で貼合し三層サンドイッ
チ構造の管状体をブローアップレシオ2.0、フロスト
ライン距離200mm、引取速度4.2m/分の条件で引取
り、折径320mm、各層の厚みが1つの外層0.02m
m、内層0.06mm、もうひとつの外層0.02mmで構
成される三層サンドイッチ構造の多層フィルムを得た。
得られたフィルムを温度20℃、湿度50%RHに調節
した恒温恒湿室に放置して、ベーパースリンおよび3−
メチル−4−イソプロピルフェノールの経時的な蒸散量
の変化を測定し、その結果を表−1に示した。また対象
害虫に対する薬効テストおよびかび発生テストの結果を
表−2に示した。
【0016】(実施例2)メチルメタアクリレート含有
量 3.0モル%のエチレン−メチルメタアクリレート共重
合体(住友化学工業製 アクリフト WD201;ベー
パースリン飽和吸収量 4.8重量%、3−メチル−4−イ
ソプロピルフェノ─ル飽和吸収量 1.9重量%、インフレ
成形時の結晶化度 43.8 %)100重量部とベーパース
リン(住友化学工業製 純度92%)3重量部、3−メ
チル−4−イソプロピルフェノール(住友製薬製 フレ
サイド S 純度97%)1.6重量部を内層用原料と
し、実施例1と同じ条件で混練・ペレット化後、実施例
1と同じ多層インフレ装置へ溶融ゾーン160℃、ダイ
ス温度150℃の条件で9kg/hr の吐出量で供給した。
外層には低密度ポリエチレン(住友化学工業製 スミカ
セン F208−1;ベーパースリン飽和吸収量 1.0重
量%、3−メチル−4−イソプロピルフェノ─ル飽和吸
収量 0.4重量%、インフレ成形時の結晶化度 51.3 %)
を溶融ゾーン190℃、ダイス温度150℃の条件で6
kg/hr の吐出量で供給し、実施例1と同条件で三層サン
ドイッチ構造の多層フィルムを得た。得られたフィルム
の性能を表−1、表−2にまとめて示す。
【0017】(実施例3)メチルメタアクリレート含有
量 6.5モル%のエチレン−メチルメタアクリレート共重
合体(住友化学工業製 アクリフト WH202;ベー
パースリン飽和吸収量13.6重量%、3−メチル−4−イ
ソプロピルフェノ─ル飽和吸収量 5.1重量%、インフレ
成形時の結晶化度 19.8%)100重量部とベーパース
リン(住友化学工業製 純度92%)2重量部、3−メ
チル−4−イソプロピルフェノ─ル(住友製薬製 フレ
サイド S 純度97%)4重量部とを、5リットルの
バンバリーミキサーで樹脂温度110〜120℃で5分
間混練後、造粒機でペレットを製造した。三種三層イン
フレダイス(口径100mm)を装備した多層インフレ装
置を使用し、該ダイスの内層には口径40mmの押出機を
通して上記ペレットを溶融ゾーン160℃、ダイス温度
150℃の条件で9kg/hr の吐出量で供給し、一つの外
層にはポリプロピレン(住友化学工業製 住友ノーブレ
ン、FM401;ベーパースリン飽和吸収量 0.9重量
%、3−メチル−4−イソプロピルフェノ─ル飽和吸収
量 0.3重量%、インフレ成形時の結晶化度 62.0%)を
溶融ゾーン210℃、ダイス温度150℃の条件で3kg
/hr の吐出量で供給し、もう一つの外層には高密度ポリ
エチレン(昭和電工製 ショーレックス S5008;
ベーパースリン飽和吸収量 0.6重量%、3−メチル−4
−イソプロピルフェノール飽和吸収量 0.2重量%、イン
フレ成形時の結晶化度 75.7%)を溶融ゾーン210
℃、ダイス温度150℃の条件で3kg/hr の吐出量で供
給し、各層に供給した樹脂は該ダイスの内部で貼合し三
種三層構造の管状体をブローアップレシオ2.0、フロ
ストライン距離200mm、引取速度4.2m/分の条件
で引取り、折径320mm、各層の厚みが1つの外層0.
02mm、内層0.06mm、もうひとつの外層0.02mm
で構成される三種三層構造の多層フィルムを得た。得ら
れたフィルムを温度20℃、湿度50%RHに調節した
恒温恒湿室に放置して、ベーパースリンおよび3−メチ
ル−4−イソプロピルフェノールの経時的な蒸散量の変
化を測定し、その結果を表−1に示した。また対象害虫
に対する薬効テストおよびかび発生テストの結果を表−
2に示した。
【0018】(実施例4)メチルメタアクリレート含有
量 6.5モル%のエチレン−メチルメタアクリレート共重
合体(住友化学工業製 アクリフト WH202;ベー
パースリン飽和吸収量5.1 重量%、p−オキシ安息香酸
ブチル飽和吸収量4.1 重量%、インフレ成形時の結晶化
度 19.8 %)100重量部とベーパースリン(住友化学
工業製 純度92%)2重量部、3−メチル−4−イソ
プロピルフェノ─ル(住友製薬製フレサイド S 純度
97%)3重量部、p−オキシ安息香酸ブチル(住友製
薬製 カビコーン 純度99.7%)3重量部とを、5リッ
トルのバンバリーミキサーで樹脂温度110〜120℃
で5分間混練後、造粒機でペレットを製造した。三種三
層インフレダイス(口径100mm)を装備した多層イン
フレ装置を使用し、該ダイスの内層には口径40mmの押
出機を通して上記ペレットを溶融ゾーン160℃、ダイ
ス温度150℃の条件で6kg/hr の吐出量で供給した。
外層には高密度ポリエチレン(昭和電工ショウレックス
S5008、ベーパースリン飽和吸収量0.6 重量%、
3−メチル−4−イソプロピルフェノ─ル飽和吸収量0.
2 重量%、p−オキシ安息香酸ブチル飽和吸収量0.1 重
量%、インフレ成形時の結晶化度75.7%)20重量%と
低密度ポリエチレン(住友化学工業製スミカセン F2
08−1;ベーパースリン飽和吸収量1.0 重量%、3−
メチル−4−イソプロピルフェノ─ル飽和吸収量0.4 重
量%、p−オキシ安息香酸ブチル飽和吸収量0.3 重量
%、インフレ成形時の結晶化度51.3%)80重量%のブ
レンド組成物を溶融ゾーン190℃、ダイス温度150
℃の条件で4kg/hr の吐出量で供給し、各層に供給した
樹脂は該ダイスの内部で貼合し三層サンドイッチ構造の
管状体をブローアップレシオ2.0 、フロストライン距離
200 mm、引取速度5.5 m/分の条件で引取、折り径32
0 mm、各層の厚みが1つの外層0.01mm、内層0.03m
m、他の外層0.01mmで構成される三層サンドイッチ構
造の多層フィルムを得た。得られたフィルムを温度20
℃、湿度50%RHに調節した恒温恒湿室に放置し、ベー
パースリン、3−メチル−4−イソプロピルフェノ─
ル、p−オキシ安息香酸ブチルの経時的な蒸散量の変化
を測定し、その結果を表─1に示した。また対象害虫に
対する薬効テストおよびかび発生テストの結果を表─2
に示した。
【0019】(比較例1)実施例1において使用した内
層用ペレットを用い口径100mmのダイスを装備した口
径50mm押出機を用いて溶融ゾーン160℃、ダイス温
度150℃の条件で、管状体をブローアップレシオ2.
0、フロストライン距離200mm、引取速度4.5m/
分の条件で引取り、厚さ0.1mmの単層フィルムを得
た。得られたフィルムを温度20℃、湿度50%RHに
調節した恒温恒湿室に放置して、ベーパースリンおよび
3−メチル−4−イソプロピルフェノールの経時的な蒸
散量の変化を測定し、その結果を表−1に示した。また
対象害虫に対する薬効テストおよびかび発生テストの結
果を表−2に示した。
【0020】(比較例2)実施例3の内層用ペレットを
内層とし、実施例1の内層用樹脂(酢酸ビニル含有量が
3.5モル%のエチレン−酢酸ビニル共重合体)を外層と
し溶融ゾーン160℃、ダイス温度150℃にした以外
は実施例1と同様の方法で三層フィルムを得た。得られ
たフィルムの性能を表−1および表−2に示した。な
お、実施例および比較例に用いた樹脂とフィルムの厚み
は表−3に示した。
【0021】
【表1】
【0022】
【表2】
【0023】
【表3】
【0024】
【表4】
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 佐藤 友美 大阪府高槻市塚原2丁目10番1号 住友化 学工業株式会社内

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】下記の内層(イ)と、該内層の両面に接す
    る外層(ロ)とからなる多層フィルム状薬剤徐放体。 (イ):極性基を有する単量体3モル%以上を含むエチ
    レン共重合体中に、1−エチニル−2−メチル−2−ペ
    ンテニル−クリサンスメートおよび気化性防かび剤を含
    有する内層。 (ロ):結晶化度50%以上のポリオレフィン樹脂から
    なる外層。
  2. 【請求項2】極性基を有する単量体3モル%以上を含む
    エチレン共重合体が、エチレン−メチル(メタ)アクリ
    レート共重合体であることを特徴とする請求項1記載の
    多層フィルム状薬剤徐放体。
  3. 【請求項3】結晶化度50%以上のポリオレフィン樹脂
    が、ポリプロピレンまたは高密度ポリエチレンであるこ
    とを特徴とする請求項1記載の多層フィルム状薬剤徐放
    体。
  4. 【請求項4】極性基を有する単量体3モル%以上を含む
    エチレン共重合体が、エチレン−メチル(メタ)アクリ
    レート共重合体であり、結晶化度50%以上のポリオレ
    フィン樹脂が、ポリプロピレンまたは高密度ポリエチレ
    ンであることを特徴とする請求項1記載の多層フィルム
    状薬剤徐放体。
JP5008447A 1992-01-30 1993-01-21 多層フィルム状薬剤徐放体 Pending JPH05271016A (ja)

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JP1500892 1992-01-30

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* Cited by examiner, † Cited by third party
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